第七節 温水暖房 - kenken.go.jp · 2014. 4. 17. · 第七節 温水暖房 1. 適用範囲...

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第七節 温水暖房 1. 適用範囲 本計算方法は、温水暖房の灯油消費量、ガス消費量及び消費電力量並びに放熱器の最大出力の計算 について適用する。 2. 引用規格 JIS S 3031 : 2009 石油燃焼機器の試験方法通則 JIS S 2112 : 2011 家庭用ガス温水熱源機 JIS A 1420 : 1999 建築用構成材の断熱性測定方法-校正熱箱法及び保護熱箱法 3. 用語の定義 3.1 温水供給運転率 温水暖房において、運転時に循環配管内の水又は不凍液の循環を発停する場合に、ある運転期間に 占める循環配管内の水又は不凍液が循環している時間の比のことである。 3.2 温水暖房 熱源機と各暖房区画に設置された放熱器とを循環配管で1対1又は1対多で接続し、熱源機におい て燃焼熱を水又は不凍液と熱交換し、水又は不凍液を熱媒として循環配管により搬送し、放熱器で放 熱し暖房区画を暖房する方式である。本計算方法では、熱源機として石油熱源機、ガス熱源機、電気 ヒートポンプ式熱源機及び電気ヒーター式熱源機が評価可能であり、放熱器としてパネルラジエータ ー、ファンコンベクター及び温水式床暖房が評価可能である。 3.3 温水暖房の温水供給運転率 温水暖房の熱源機における温水供給運転率である。 3.4 温水暖房の熱負荷 温水暖房の熱源機に接続された放熱器の放熱量や配管等の熱損失を勘案して定める熱源機が賄う必 要がある温水の熱負荷である。 3.5 温水熱需要 温水暖房において熱源機が賄う必要のある温水の熱の需要のことをいう。 3.6 温水床暖房 熱源機より供給された温水を循環させる温水パイプを床に組み込み、床から放熱させる方式をいう。 あらかじめ温水パイプを組み込んだ温水パネルを製造し床に敷設する乾式工法と、温水パイプ等を現 場設置した後にモルタル等により流し込み床と一体となった放熱面を施工する湿式工法に分類される。 3.7 温度差係数 部位の接する隣接空間等との想定される温度差を勘案し、当該部位の熱損失量を補正する係数 3.8 外気温度能力補正係数 暖冷房設備機器又は放熱器の能力を、外気温度等に依存して最大能力が減少することを考慮して補 正する係数である。 3.9 ガス従来型熱源機 温水暖房の熱源機の1種であり、ガスの燃焼熱により温水を温める機器であり、ガス潜熱回収型熱 源機以外の熱源機をいう。給湯付きのものとそうでないものの 2 種類がある。

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Page 1: 第七節 温水暖房 - kenken.go.jp · 2014. 4. 17. · 第七節 温水暖房 1. 適用範囲 本計算方法は、温水暖房の灯油消費量、ガス消費量及び消費電力量並びに放熱器の最大出力の計算

第七節 温水暖房

1. 適用範囲

本計算方法は、温水暖房の灯油消費量、ガス消費量及び消費電力量並びに放熱器の 大出力の計算

について適用する。

2. 引用規格

JIS S 3031 : 2009 石油燃焼機器の試験方法通則

JIS S 2112 : 2011 家庭用ガス温水熱源機

JIS A 1420 : 1999 建築用構成材の断熱性測定方法-校正熱箱法及び保護熱箱法

3. 用語の定義

3.1 温水供給運転率

温水暖房において、運転時に循環配管内の水又は不凍液の循環を発停する場合に、ある運転期間に

占める循環配管内の水又は不凍液が循環している時間の比のことである。

3.2 温水暖房

熱源機と各暖房区画に設置された放熱器とを循環配管で1対1又は1対多で接続し、熱源機におい

て燃焼熱を水又は不凍液と熱交換し、水又は不凍液を熱媒として循環配管により搬送し、放熱器で放

熱し暖房区画を暖房する方式である。本計算方法では、熱源機として石油熱源機、ガス熱源機、電気

ヒートポンプ式熱源機及び電気ヒーター式熱源機が評価可能であり、放熱器としてパネルラジエータ

ー、ファンコンベクター及び温水式床暖房が評価可能である。

3.3 温水暖房の温水供給運転率

温水暖房の熱源機における温水供給運転率である。

3.4 温水暖房の熱負荷

温水暖房の熱源機に接続された放熱器の放熱量や配管等の熱損失を勘案して定める熱源機が賄う必

要がある温水の熱負荷である。

3.5 温水熱需要

温水暖房において熱源機が賄う必要のある温水の熱の需要のことをいう。

3.6 温水床暖房

熱源機より供給された温水を循環させる温水パイプを床に組み込み、床から放熱させる方式をいう。

あらかじめ温水パイプを組み込んだ温水パネルを製造し床に敷設する乾式工法と、温水パイプ等を現

場設置した後にモルタル等により流し込み床と一体となった放熱面を施工する湿式工法に分類される。

3.7 温度差係数

部位の接する隣接空間等との想定される温度差を勘案し、当該部位の熱損失量を補正する係数

3.8 外気温度能力補正係数

暖冷房設備機器又は放熱器の能力を、外気温度等に依存して 大能力が減少することを考慮して補

正する係数である。

3.9 ガス従来型熱源機

温水暖房の熱源機の1種であり、ガスの燃焼熱により温水を温める機器であり、ガス潜熱回収型熱

源機以外の熱源機をいう。給湯付きのものとそうでないものの 2種類がある。

Page 2: 第七節 温水暖房 - kenken.go.jp · 2014. 4. 17. · 第七節 温水暖房 1. 適用範囲 本計算方法は、温水暖房の灯油消費量、ガス消費量及び消費電力量並びに放熱器の最大出力の計算

3.10 ガス潜熱回収型熱源機

温水暖房の熱源機の1種であり、ガスの燃焼熱により温水を温める機器であり、従来型の一次熱交

換器に加え二次熱交換器で排気中の水蒸気を水にすることにより、排気中の潜熱を回収して、熱効率

を向上させた熱源機のことである。給湯付きのものとそうでないものの2種類がある。

3.11 間歇運転能力補正係数

間歇運転を行う場合の立ち上がり時の運転を考慮して暖冷房設備機器又は放熱器に必要な能力を補

正する係数である。

3.12 筐体放熱損失

温水暖房のガス熱源機及び石油熱源機における概念で、運転中に温水の供給する時間(温水供給運

転率)にかかわらず熱源機の筐体部分から一定の割合で損失する熱のことをいう。熱源機の排気によ

る損失は含まない。この値は熱源機の保温性能及び送水温度に依存する。

3.13 最大出力

暖房設備機器等又は冷房設備機器が運転時の外気温湿度等の条件に応じて処理できる 大の能力で

ある。

3.14 上面放熱率

床上側と床下側が同一温度の場合の床暖房パネルに投入したエネルギーのうち上面に放熱される熱

の割合をいう。主に床裏側の断熱性能に依存する。床上側と床下側の温度が異なる場合の上面への放

熱割合はこの上面放熱率と同じにならないことに留意する必要がある。

3.15 処理負荷

暖房設備機器等又は冷房設備機器が処理した暖房負荷又は冷房負荷のことである。

3.16 石油熱源機

温水暖房の熱源機の1種であり、石油温水機器のうち暖房用のもので、灯油の燃焼熱により暖房用

の温水又は不凍液を温める機器である。

3.17 線熱損失係数

温水暖房の温水配管からの熱損失に影響を与える指標であり、温水温度と配管周囲空気温度との温

度差が 1度であった場合の配管 1m 当たりに損失する熱量のことである。

3.18 送水温度

温水暖房において熱源機から送水される水又は不凍液の熱源機出口における温度のことである。

3.19 送水ポンプの消費電力量

温水暖房のガス熱源機及び石油熱源機、電気ヒーター式熱源機において温水の循環のためのポンプ

で消費される電力のことである。

3.20 単位面積当たりの上面最大放熱能力

床暖房の敷設面積1平方メートル当たりに放熱できる 大能力のことである。温水床暖房の場合は

送水温度に依存する。

3.21 断熱被覆

温水暖房における循環配管(ヘッダーを要するシステムの場合はヘッダー部分も含む)を断熱材で

被覆した状態をいう。

3.22 暖房区画

暖房を行う区画であり、それぞれの暖房区画において暖房負荷が発生する。

3.23 暖房設備

住戸全体又は居室を暖房する設備のことである。本計算方法では、浴室暖房設備等の非居室のみを

暖房する設備はこれに含めない。また、こたつ、電気ヒーター、電気カーペット、開放型燃焼機器等、

容易に移動可能な作り付けではない機器についても評価対象外とする。

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3.24 暖房負荷

室内を一定の温度以上に維持するために投入する必要のある熱量のことである。

3.25 電気ヒーター式熱源機

温水暖房の熱源機の1種であり、電気ヒーターにより温水を温める機器であり、夜間時間帯の電気

を利用して暖められた湯又は不凍液を貯湯タンクに貯める貯湯タイプが一般的である。

3.26 電気ヒートポンプ式熱源機

温水暖房の熱源機の1種であり、電気式のヒートポンプにより水又は不凍液を温める機器である。

3.27 熱源機

温水暖房において、温水を供給するために設置された熱源機のことをいい、本計算方法では、ガス

熱源機、石油熱源機、電気ヒーター式熱源機及び電気ヒートポンプ熱源機を取り上げている。

3.28 熱交換効率

温水暖房のガス熱源機及び石油熱源機内の燃焼室において燃焼で得た熱エネルギーに対する熱交換

器を通して循環水に伝わった熱エネルギーの比を言い、この値が高いほど熱交換器の性能が高いこと

を示している。

3.29 配管

温水暖房において熱源機と放熱器をつなぐ循環配管のことである。

3.30 排気ファンの消費電力量

温水暖房のガス熱源機及び石油熱源機において、燃料の燃焼室から燃焼空気を排気するためにかか

るファンの消費電力量のことである。

3.31 パネルラジエーター

温水暖房における放熱器の1種であり、外部から配管を通じて温水の供給を受けて暖房を行う機器

で、室内に露出する表面板そのものが熱交換部を形成し、自然対流及び放射の双方によって放熱する

形式のものである。

3.32 ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型暖房機

電気ヒートポンプと潜熱回収型ガス給湯器により構成された暖房機。給湯用の熱は潜熱回収型ガス

給湯機により供給される。

3.33 表面熱伝達抵抗

物体と周囲の空気との間の温度差1度の場合において、1平方メートル当たりに熱伝達によって移

動する熱量を表面熱伝達率といい、その逆数をワットで表した数値を表面熱伝達抵抗という。

3.34 ファンコンベクター

温水暖房における放熱器の 1 種であり、外部から配管を通じて温水の供給を受けて暖房を行う機器

で、熱源部をもたないものをいう。ここでは、定格暖房能力 35kW 以下で、工場で加熱コイル及び送風

機を一体に組み立てた完成品で、空気を直接室内に吹き出すものをいう。

3.35 敷設面積

床暖房の敷設された面積のことである。

3.36 敷設率

電気ヒーター式床暖房又は温水床暖房を設置する場合において、設置する居室の床面積又は床面積

の合計に対する床暖房放熱部の面積又は面積の合計の比である。

3.37 放熱器

温水暖房において温水又は不凍液が保有する熱を室内に放熱する機器を言い、本計算方法ではパネ

ルラジエーター、ファンコンベクター及び温水床暖房が該当する。

3.38 放熱系統

温水暖房において熱源機から温水を供給される系統のことをいい、放熱器と配管から構成される。

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3.39 床パネル

床暖房において乾式工法の場合の工場生産された床暖房放熱パネルのことをいう。

3.40 床パネル内の配管

温水床暖房において床パネル内の配管をいう。

4. 記号及び単位

4.1 記号

この計算で用いる記号及び単位は表 4.7.1 による。

表 4.7.1 記号及び単位

記 号 意 味 単 位

床暖房の仮想敷設面積 m2

放熱器を設置する暖房区画の床面積 m2

当該住戸における床面積の合計 m2

放熱器を設置する暖房区画の床面積 m2

デフロスト補正係数 -

熱源機の熱交換効率 -

熱源機の効率 -

熱源機の定格効率 -

熱源機の効率比 -

, 熱源機の消費電力量 kWh/h

, , 熱源機の排気ファンの消費電力量 kWh/h

, , 熱源機の電気ヒーターの消費電力量 kWh/h

, , 熱源機の送水ポンプの消費電力量 kWh/h

, 放熱器の消費電力量 kWh/h

, 消費電力量 kWh/h

, 熱源機のガス消費量 MJ/h

, ガス消費量 MJ/h

, 熱源機の灯油消費量 MJ/h

, 灯油消費量 MJ/h

間歇運転能力補正係数 -

外気温度能力補正係数 -

定格効率を補正する係数 -

温度差係数 -

, 配管の線熱損失係数 W/mK

床パネル内の発熱体の中心から床パネル下面までの建材 の厚さ m

暖房負荷 MJ/h

, 配管の断熱区画外における長さ m

, 配管の断熱区画内における長さ m

熱源機の送水温度の区分 oC

放熱系統の要求送水温度の区分 oC

, 熱源機の送水ポンプの消費電力 W

, ファンコンベクターの 大消費電力 W

, 熱源機の 大消費電力 W

, ファンコンベクターの 小消費電力 W

, 熱源機の定格消費電力 W

, ファンコンベクターの 大能力 W

, 床暖房の 1平方メートル当たりの上面 大放熱量 W/m2

, 熱源機の 大能力 W

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, 放熱器の 大能力 W

, ファンコンベクターの 小能力 W

, 単位面積当たりの必要暖房能力 W/m2

, 熱源機の定格能力 W

熱源機の筐体放熱損失 MJ/h

, 熱源機の温水熱需要 MJ/h

, 放熱系統の温水熱需要 MJ/h

, 配管の熱損失 MJ/h

, 放熱器の熱損失 MJ/h

, ファンコンベクターの 大出力 MJ/h

, 熱源機の 大出力 MJ/h

, 放熱器の 大出力 MJ/h

, ファンコンベクターの 小出力 MJ/h

, 熱源機の出力 MJ/h

, 放熱器の供給熱量 MJ/h

, 放熱器の処理負荷 MJ/h

床暖房パネルの敷設率 -

, , , 熱源機の温水供給運転率 -

, 放熱系統の温水供給運転率 -

, 放熱器の温水供給運転率 -

床パネルを除く床下側の熱抵抗 m2K/W

床パネル内の配管から床パネル床下側表面までの熱抵抗 m2K/W

床下側表面熱伝達抵抗 m2K/W

床上側表面熱伝達抵抗 m2K/W

床パネル内の配管から床仕上げ材上側表面までの熱抵抗 m2K/W

排気ファンの効率 -

床パネル内の発熱体の中心から床パネル下面までの建材 の熱伝導率 W/(mK)

, 送水温度

, 熱源機の送水温度 oC

, , , 熱源機の送水温度の候補 oC

, , 外気温度 oC

4.2 添え字

この計算で用いる添え字は表 4.7.2 による

表 4.7.2 添え字

添え字 意 味

日付

放熱器, 配管, 暖房区画の番号

時刻

仮想

5. 温水暖房のエネルギー消費量と未処理負荷

5.1 消費電力量

日付 の時刻 における 1時間当たりの消費電力量 , , , は、式(1)により表される。

, , , , , , , , , , (1)

ここで、

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, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの消費電力量(kWh/h)

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の消費電力量(kWh/h)

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの放熱器 の消費電力量(kWh/h)

である。

5.2 灯油消費量

日付 の時刻 における 1時間当たりの灯油消費量 , , , は、式(2)により表される。

, , , , , , (2)

ここで、

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの灯油消費量(MJ/h)

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の灯油消費量(MJ/h)

である。

5.3 ガス消費量

日付 の時刻 における熱源機の 1時間当たりのガス消費量 , , , は、式(3)により表される。

, , , , , , (3)

ここで、

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりのガス消費量(MJ/h)

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機のガス消費量(MJ/h)

である。

5.4 コージェネレーション設備又は住棟セントラル暖房設備が賄う温水暖房の熱負荷等

第一節における日付 の時刻 における 1時間当たりの温水暖房の熱負荷 , , 、日付 の時刻 にお

ける温水暖房の温水供給運転率 , , , 及び日付 の時刻 における温水暖房の送水温度 , , , は、

それぞれ、本節における日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の温水熱需要 , , , 、日付 の

時刻 における熱源機の温水供給運転率 , , , 及び熱源機の送水温度 , と同じである。

6. 熱源機のエネルギー消費量及び未処理負荷

6.1 エネルギー消費量及び出力

日付 の時刻 における 1 時間当たりの熱源機の消費電力量 , , , 、灯油消費量 , , , 及びガス消費

量 , , , は、表 4.7.3 に掲げる値に依存し、同じく表 4.7.3 に掲げる計算方法による。

6.2 熱源機の出力

日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の出力 , , , は、式(4)により表される。

, , , min , , , , , , , (4)

ここで、

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の出力(MJ/h)

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の 大出力(MJ/h)

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の温水熱需要(MJ/h)

である。日付 の時刻 における 1 時間当たりの熱源機の 大出力 , , , は、表 4.7.3 に示す値に依

存し、同じく表 4.7.3 に掲げる計算方法による。

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表 4.7.3 熱源機のエネルギー消費量及び最大出力を求めるに当たり依存する値と計算方法

依存する値及び記号

計算

方法

外気

温度

外気

相対

湿度

熱源機の

送水温度

熱源機の

温水供給

運転率

熱源機の

出力

放熱系統

の温水熱

需要

放熱器の

大出力

, , , , ,

石油熱源機 ○ ○ ○ 付 録

4.7A

ガス熱源機 ○ ○ ○ 付 録

4.7B

電気ヒーター式

熱源機 ○ ○

付 録

4.7C

電気ヒートポンプ式

熱源機 ○ ○ ○ ○

付 録

4.7D

ヒートポンプ・

ガス瞬間式

併用型暖房機

◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ 付 録

4.7E

6.3 熱源機の温水供給運転率

日付 の時刻 における熱源機の温水供給運転率 , , , は、熱源機の温水熱需要が 0より大の場合に

0から 1の値をとるものとし、熱源機に接続される放熱系統の数に依存し、式(5)により表される。

, , , 0の場合

, , ,, , , , 付録 4.7Eの表 E. 1の(ろ)に該当する場合

1 付録 4.7Eの表 E. 1の(い)又は(は)に該当する場合 (5a)

, , , 0の場合

, , , 0 (5b)

ここで、

, , , :日付 の時刻 における熱源機の温水供給運転率

, , , , :日付 の時刻 における放熱系統 の温水供給運転率(ただし、ここでは 1である。)

である。

6.4 熱源機の温水熱需要

日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の温水熱需要 , , , は、式(6)により表される。

, , , , , , , (6)

ここで、

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの放熱系統 の温水熱需要(MJ/h)

である。

6.5 熱源機の送水温度

熱源機によっては、放熱器が設置された暖房区画の暖房負荷に応じて日付 の時刻 における熱源機

の送水温度 , , , を切り替える機能を有する。この複数の送水温度の候補を、熱源機の送水温度の

候補 , , , 及び区分と表現する。熱源機の送水温度の区分は 大 3であり、その数は熱源機の種類

や仕様に依存する。熱源機ごとの送水温度の区分及び候補を表 4.7.4 に示す。ここで、

, , , , , , , , ,

とする。この式において、 , , , は、以下の数値を表す。

, , , :熱源機の送水温度の候補 (oC)

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表 4.7.4 熱源機における送水温度の区分及び候補(oC)

熱源機の種類 送水温度の候補の区分

1 2 3

石油熱源機 60 - -

ガス熱源機 従来型 60 - -

潜熱回収型 60 40 -

電気温水器(ヒーター式) 60 - -

電気温水器(ヒートポンプ式) 55 45 35

ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型暖房機 60 40 -

コージェネレーション設備 コージェネレーション設備の

種類に依る

熱源機の送水温度(の区分)は 1 時間ごとに変化するものとし、日付 の時刻 における熱源機の送

水温度の区分 , , として表す。放熱系統が 1つの場合は日付 の時刻 における熱源機の送水温度の区

分 , , は、日付 の時刻 における放熱系統 の要求送水温度の区分 , , , (ただし、 1)に等しいと

し、放熱系統が複数ある場合は式(7)によるものとする。

, , min , , , , , , , , … , , , (7)

ここで、

, , :日付 の時刻 における熱源機の送水温度の区分(oC)

, , , :日付 の時刻 における放熱系統 の要求送水温度の区分(oC)

である。

7. 放熱系統

7.1 温水熱需要

日付 の時刻 における 1時間当たりの放熱系統 の温水熱需要 , , , , は、式(8)により表されるも

のとする。

, , , , , , , , , , , , (8)

ここで、

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの放熱器 の供給熱量(MJ/h)

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの配管 の熱損失(MJ/h)

である。

7.2 温水供給運転率

日付 の時刻 における放熱系統 の温水供給運転率 , , , , は、式(9)により表されるものとする。

, , , , , , , , (9)

ここで、

, , , , :日付 の時刻 における放熱器 の温水供給運転率

である。

7.3 要求送水温度の区分

日付 の時刻 における放熱系統 の要求送水温度の区分 , , , の決定方法を以下に示す。

表 4.7.4 において要求送水温度の区分 3がある熱源機の場合でかつ放熱系統 において未処理負荷が

発生しない場合は、区分 3 とする。次に、表 4.7.4 において要求送水温度の区分 2 がある熱源機の場

合でかつ放熱系統 において未処理負荷が発生しない場合は、区分 2とする。いずれにも当てはまらな

い場合は区分 1 とする。未処理負荷の発生の有無については、9.6「処理負荷」による。したがって、

送水温度を変化させて以下の計算を 大 3 回実施することになる。以下、その際に設定する送水温度

を単に、日付 の時刻 における送水温度 , , として表す。

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8. 配管

日付 の時刻 における 1時間当たりの配管 の熱損失 , , , , は、式(10)により表される。

, , , , , , , , 0.7 20 0.3 , , , , 20 , ,

, , , , , , 3600 10 (10)

ここで、

, , :日付 の時刻 における送水温度(oC)

, , :日付 の時刻 における外気温度(oC)

, , :配管 の断熱区画外における長さ(m)

, , :配管 の断熱区画内における長さ(m)

, , :配管 の線熱損失係数(W/mK)

, , , , :日付 の時刻 における放熱器 の温水供給運転率

である。

配管 の断熱区画外における長さ , , 及び配管 の断熱区画内における長さ , , 、配管 の線熱損失

係数 , , の決定の仕方については、付録 4.7G に定める。

9. 放熱器

9.1 供給熱量

日付 の時刻 における 1時間当たりの放熱器 の供給熱量 , , , , は、式(11)により表される。

, , , , , , , , , , , , (11)

ここで、

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの放熱器 の処理負荷(MJ/h)

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの放熱器 の熱損失(MJ/h)

である。

9.2 消費電力量

日付 の時刻 における 1時間当たりの放熱器 の消費電力量 , , , , は、放熱器の種類がパネルラジ

エーター又は床暖房の場合は0とし、ファンコンベクターの場合は、日付 の時刻 における 1時間当た

りの放熱器 の処理負荷 , , , , 及び日付 の時刻 における送水温度 , , に依存して定まり、その計

算方法を付録 4.7H に定める。

9.3 熱損失

日付 の時刻 における 1 時間当たりの放熱器 の熱損失 , , , , は、放熱器の種類がパネルラジエ

ーター又はファンコンベクターの場合は 0 とし、床暖房の場合は、日付 の時刻 における 1 時間当た

りの放熱器 の処理負荷 , , , , に依存して定まり、その計算方法を付録 4.7J に定める。

9.4 温水供給運転率

日付 の時刻 における放熱器 の温水供給運転率 , , , , は、日付 の時刻 における 1時間当たりの

放熱器 の処理負荷 , , , , に依存して定まり、放熱器の種類に応じて、パネルラジエーターについて

は付録 4.7G に、ファンコンベクターの場合は付録 4.7H に、床暖房の場合は付録 4.7I に、それぞれそ

の計算方法を定める。

9.5 処理負荷

日付 の時刻 における 1時間当たりの放熱器 の処理負荷 , , , , は、式(12)により表される。

, , , , min , , , , , , , (12)

ここで、

, , :日付 の時刻 における 1時間当たりの放熱器 が設置された暖房区画の暖房負荷(MJ/h)

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの放熱器 の 大出力(MJ/h)

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である。

また、 , , , , , , の場合、未処理負荷が発生するものとする。

9.6 最大出力

日付 の時刻 における放熱器 の単位時間当たりの 大出力 , , , , は、日付 の時刻 における送

水温度 , , に依存して定まり、放熱器の種類に応じて、パネルラジエーターについては付録4.7Gに、

ファンコンベクターの場合は付録 4.7H に、床暖房の場合は付録 4.7I に、それぞれその計算方法を定

める。

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付録 4.7A 石油熱源機

A.1灯油消費量

日付 の時刻 における 1 時間当たりの熱源機の灯油消費量 , , , は、日付 の時刻 における 1 時間

当たりの熱源機の出力 , , , が0の場合は0とし、日付 の時刻 における 1 時間当たりの熱源機の出

力 , , , が 0より大の場合は、式(1)により表される。

, , ,, , , , ,

, , (1)

ここで、

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の灯油消費量(MJ/h)

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の出力(MJ/h)

, , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の筐体放熱損失(MJ/h)

, , :日付 の時刻 における熱源機の熱交換効率

である。

ここで日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の筐体放熱損失 , , は、日付 の時刻 によら

ず一定値とし、式(2)により表される。

, , 234 3600 10 (2)

日付 の時刻 における熱源機の熱交換効率 , , は、式(3)により表される。

, ,, , 3600 10 , ,

, , 3600 10 (3)

ここで、 :定格効率

:定格効率を補正する係数

, , :熱源機の仮想定格能力(W)

であり、定格効率を補正する係数 は、0.946とする。

定格効率 は0.82とする。ただし、当該機器に設置する熱源機の JIS S 3031 に定める定格効率(熱

効率)を用いてもよい。

熱源機の仮想定格能力 , , は、付録 4.7F に定める熱源機の仮想 大能力 , , に等しいとす

る。

A.2消費電力量

日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の消費電力量 , , , は、式(4)により表される。

, , , , , , , , , , , (4)

ここで、

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の消費電力量(kWh/h)

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の送水ポンプの消費電力量(kWh/h)

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の排気ファンの消費電力量(kWh/h)

である。

日付 の時刻 における 1 時間当たりの熱源機の送水ポンプの消費電力量 , , , , は、式(5)により

表される。

, , , , , , , , 10 (5)

ここで、

, :熱源機の送水ポンプの消費電力(W)

, , , :日付 の時刻 における熱源機の温水供給運転率

であり、熱源機の送水ポンプの消費電力 , は、90(W)とする。

日付 の時刻 における 1 時間当たりの熱源機の排気ファンの消費電力量 , , , , は、式(6)により

表される。

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, , , , , , , 10 3600 (6)

ここで、

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の灯油消費量(MJ/h)

:排気ファンの効率

であり、排気ファンの効率 は0.003とする。

A.3ガス消費量

日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機のガス消費量 , , , は0とする。

A.4最大出力

日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の 大出力 , , , は、式(7)により表される。

, , , , , 3600 10 (7)

熱源機の仮想定格能力 , , は、付録 4.7F に定める熱源機の仮想 大能力 , , に等しいとす

る。

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付録 4.7B ガス熱源機

B.1ガス消費量

日付 の時刻 における熱源機の 1 時間当たりのガス消費量 , , , は、日付 の時刻 における 1 時間

当たりの熱源機の出力 , , , が0の場合は0とし、日付 の時刻 における 1 時間当たりの熱源機の出

力 , , , が 0より大の場合は、式(1)により表される。

, , ,, , , , ,

, , (1)

ここで、

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機のガス消費量(MJ/h)

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の出力(MJ/h)

, , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の筐体放熱損失(MJ/h)

, , :日付 の時刻 における熱源機の熱交換効率

である。

ここで、日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の筐体放熱損失 , , は、当該住戸のガス熱

源機が従来型ガス熱源機の場合には日付 の時刻 によらず式(2a)によるものとし、当該住戸のガス熱

源機が潜熱回収型ガス熱源機の場合には送水温度の区分 に依存して式(2b)によるものとする。

当該住戸のガス熱源機が従来型ガス熱源機の場合

, , 240.96 3600 10 (2a)

当該住戸のガス熱源機が潜熱回収型ガス熱源機の場合でかつ送水温度の区分 が 1(送水温度 60oC)

の場合、

, , 225.26 3600 10 (2b-1)

当該住戸のガス熱源機が潜熱回収型ガス熱源機の場合でかつ送水温度の区分 が 2(送水温度 40 oC)

の場合、

, , 123.74 3600 10 (2b-2)

とする。

ガス熱源機の種類が不明の場合は、従来型ガス熱源機が設置されているものとして計算することと

する。

日付 の時刻 における熱源機の熱交換効率 , , は、式(3)により表される。

, ,, , 3600 10 , ,

, , 3600 10 (3)

ここで、 :定格効率

:定格効率を補正する係数

, , :熱源機の仮想定格能力(W)

である。

ここで、定格効率を補正する係数 は、当該住戸のガス熱源機が従来型ガス熱源機の場合0.985とし、当該住戸のガス熱源機が潜熱回収型ガス熱源機の場合でかつ送水温度の区分 が1(送水温度60 oC)

の場合、1.038とし、当該住戸のガス熱源機が潜熱回収型ガス熱源機の場合でかつ送水温度の区分 が 2

(送水温度 40 oC)の場合、1.064とする。

定格効率 は当該住戸に設置するガス熱源機が従来型ガス熱源機の場合0.81に等しいとし、当該住

戸に設置するガス熱源機が潜熱回収型ガス熱源機の場合0.87に等しいとする。ただし、当該機器に設

置する熱源機の JIS S 2112 に定める定格効率(熱効率)の値を用いても構わない。

熱源機の仮想定格能力 , , は、付録 4.7F に定める熱源機の仮想 大能力 , , に等しいとす

る。

B.2消費電力量

日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の消費電力量 , , , は、式(4)により表される。

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, , , , , , , , , , , (4)

ここで、

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の消費電力量(kWh/h)

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の送水ポンプの消費電力量(kWh/h)

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の排気ファンの消費電力量(kWh/h)

である。

日付 の時刻 における 1 時間当たりの熱源機の送水ポンプの消費電力量 , , , , は、式(5)により

表される。

, , , , , , , , 10 (5)

ここで、

, :熱源機の送水ポンプの消費電力(W)

, , , :日付 の時刻 における熱源機の温水供給運転率

であり、熱源機の送水ポンプの消費電力 , は、73(W)とする。

日付 の時刻 における 1 時間当たりの熱源機の排気ファンの消費電力量 , , , , は、式(7)により

表される。

, , , , , , , 10 3600 (6)

ここで、

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機のガス消費量(MJ/h)

:排気ファンの効率

であり、排気ファンの効率 は0.003とする。

B.3灯油消費量

日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の灯油消費量 , , , は0とする。

B.4最大出力

日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の 大出力 , , , は、式(7)により表される。

, , , , , 3600 10 (7)

熱源機の仮想定格能力 , , は、付録 4.7E に定める熱源機の仮想 大能力 , , に等しいとす

る。

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付録 4.7C 電気ヒーター式熱源機

C.1消費電力量

日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の消費電力量 , , , は、式(1)により表される。

, , , , , , , , , , , (1)

ここで、

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の消費電力量(kWh/h)

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の電気ヒーターの消費電力量(kWh/h)

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の送水ポンプの消費電力量(kWh/h)

である。

日付 の時刻 における 1 時間当たりの熱源機の電気ヒーターの消費電力量 , , , , は、式(2)によ

り表される。

, , , , , , , 10 3600 (2)

ここで、

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の出力(MJ/h)

である。

日付 の時刻 における 1 時間当たりの熱源機の送水ポンプの消費電力量 , , , , は、式(3)により

表される。

, , , , , , , , 10 (3)

ここで、

, :熱源機の送水ポンプの消費電力(W)

, , , :日付 の時刻 における熱源機の温水供給運転率

であり、熱源機の送水ポンプの消費電力 , は、90(W)とする。

C.2ガス消費量

日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機のガス消費量 , , , は 0とする。

C.3灯油消費量

日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の灯油消費量 , , , は 0とする。

C.4最大出力

日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の 大出力 , , , は、式(4)により表される。

, , , , , 3600 10 (4)

熱源機の仮想定格能力 , , は、付録 4.7F に定める熱源機の仮想 大能力 , , に等しいとす

る。

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付録 4.7D 電気ヒートポンプ式熱源機

D.1消費電力量

1 時間当たりの熱源機の消費電力量 , は、式(1)により表される。

, , ,, , ,

, ,10 3600 (1)

ここで、

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の消費電力量(kWh/h)

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の出力(MJ/h)

, , :日付 の時刻 における熱源機の効率

である。

日付 の時刻 における熱源機の効率 , , は、式(2)により表される。

, ,, , , 10 3600

,, , (2)

ここで、

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の 大出力(MJ/h)

, :熱源機の 大消費電力(W)

, , :日付 の時刻 における熱源機の効率比

である。

日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の 大出力 , , , は、D.4 により規定される。

熱源機の 大消費電力 , は、式(3)により表される。

,, ,

0.6 (3)

ここで、

, , :熱源機の仮想定格消費電力(W)

である。

熱源機の仮想定格消費電力 , , は、式(4)により表される。

, ,, ,

, (4)

ここで、

, , :熱源機の仮想定格能力(W)

, :熱源機の仮想定格効率

である。

ここで、熱源機の仮想定格効率 , は4.05とする。

熱源機の仮想定格能力 , , は、式(5)により表される。

, , , , 0.8 (5)

ここで、

, , :熱源機の仮想 大能力(W)

である。

熱源機の仮想 大能力 , , は付録 4.7F により規定される。

日付 の時刻 における熱源機の効率比 , , は、式(6)により表される。

, , 1.120656 0.03703 , , , , , 1 , , ,

, , ,

0.36786 0.012152 , , , , , 1 , , ,

, , ,

1

(6)

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ここで、

, , , :日付 の時刻 における熱源機の送水温度(oC)

, , :日付 の時刻 における外気温度(oC)

である。

D.2ガス消費量

日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機のガス消費量 , , , は0とする。

D.3石油消費量

日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の石油消費量 , , , は0とする。

D.4最大出力

日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の 大出力 , , , は、式(7)により表される。

, , , 11.62 0.2781 , , 0.00113 , ,

0.1271 , , 0.00363 , , , ,, ,

6, ,

0.853600 10

(7)

ここで、

, , :日付 の時刻 におけるデフロスト補正係数

であり、デフロスト補正係数 は、外気温度 が5 oC 未満かつ外気相対湿度 が80%以上の場合は

0.85とし、それ以外の場合は1.0とする。

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付録 4.7E ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型暖房機

E.1 消費電力量

日付 の時刻 における 1 時間当たりの熱源機の消費電力量 , , , は、日付 の時刻 における 1 時間

当たりの熱源機の出力 , , , が0の場合は0とし、日付 の時刻 における 1 時間当たりの熱源機の出

力 , , , が0より大の場合は、式(1)により表される。

, , , , , , , , , , , , , , (1)

ここで、

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の消費電力量(kWh/h)

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりのヒートポンプユニットの消費電力量(kWh/h)

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりのガスユニットの補機の消費電力量(kWh/h)

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりのタンクユニットの補機の消費電力量(kWh/h)

である。

E.2 ガス消費量

日付 の時刻 における 1 時間当たりの熱源機のガス消費量 , , , は、日付 の時刻 における 1 時間

当たりの熱源機の出力 , , , が0の場合は0とし、日付 の時刻 における 1 時間当たりの熱源機の出

力 , , , が0より大の場合は、式(2)により表される。

, , , , , , (2)

ここで、

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機のガス消費量(MJ/h)

, , , :日付 の時刻 における 1時間当たりのガスユニットのガス消費量(MJ/h)

である。

E.3灯油消費量

日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機の灯油消費量 , , , は0とする。

E.4消費電力量及びガス消費量

E.4.1タンクユニットの補機消費電力量

日付 の時刻 における 1時間当たりのタンクユニットの補機の消費電力量 , , , , は、式(3a)及び

式(3b)により表される。

, , , , , , , 10 (3a)

, , , , , , , (3b)

ここで、

, , , :日付 の時刻 におけるタンクユニットの補機の消費電力(W)

, , :日付 の時刻 におけるヒートポンプユニットの断続運転率

であり、 , , はタンクユニットの補機の消費電力を求める関数である。

E.4.2ヒートポンプユニットの消費電力量

日付 の時刻 における 1時間当たりのヒートポンプユニットの消費電力量 , , , は、連続運転(日

付 の時刻 におけるヒートポンプユニットの平均出力 , , , が日付 の時刻 におけるヒートポン

プユニットの 小出力 , , , 以上)の場合、式(4a-1)及び式(4a-2)により表され、断続運転(日付

の時刻 におけるヒートポンプユニットの平均出力 , , , が日付 の時刻 におけるヒートポンプ

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ユニットの 小出力 , , , 未満)の場合、式(4b-1)及び式(4b-2)により表される。

, , , , , , の場合(連続運転の場合)

, , , , , , 10 (4a-1)

, , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , (4a-2)

, , , , , , の場合(断続運転の場合)

, , ,, , ,

, , ,

, , ,1 1 , ,

10 (4b-1)

, , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , (4b-2)

ここで、

, , , :日付 の時刻 におけるヒートポンプユニットの平均出力(W)

, , , :日付 の時刻 におけるヒートポンプユニットの 小出力(W)

, , , :日付 の時刻 における連続運転時のヒートポンプユニットの消費電力(W)

, , , :日付 の時刻 におけるヒートポンプユニットの 小消費電力(W)

, , :日付 の時刻 における外気温度(oC)

, , :日付 の時刻 における外気相対湿度(%)

, , , , :日付 の時刻 における熱源機の戻り温水温度(oC)

, , , :日付 の時刻 におけるヒートポンプユニットの出湯温度(oC)

:CD 値

, , :日付 の時刻 におけるヒートポンプユニットの断続運転率

である。ここで、CD 値は0.23とする。また、 , はヒートポンプユニットの消費電力を求める関数で

ある。

日付 の時刻 におけるヒートポンプユニットの断続運転率 , , は、1.0を超えない範囲で、式(5)

により表される。

, ,, , ,

, , , (5)

ここで、

, , , :日付 の時刻 におけるヒートポンプユニットの平均出力(W)

, , , :日付 の時刻 におけるヒートポンプユニットの 小出力(W)

である。

日付 の時刻 におけるヒートポンプユニットの 小出力 , , , は、式(6)により表される。

, , , , , , , , , , , , , , , , (6)

ここで、

, , :日付 の時刻 における外気温度(oC)

, , , , :日付 の時刻 における熱源機の戻り温水温度(oC)

, , , :日付 の時刻 におけるヒートポンプユニットの出湯温度(oC)

であり、 , , はヒートポンプユニットの 小出力を求める関数である。

日付 の時刻 におけるヒートポンプユニットの平均出力 , , , は、式(7)により表される。

, , , , , 10 3600 (7)

ここで、

, , :日付 の時刻 における 1時間当たりのヒートポンプユニットの出力(MJ/h)

である。

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E.4.3ヒートポンプユニットの出力

日付 の時刻 における 1時間当たりのヒートポンプユニットの出力 , , は、式(8)により表される。

, , , , , , , , , , , , , , , , , , (8)

ここで、

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの熱源機のヒートポンプユニット分担出力(MJ/h)

, , , , :日付 の時刻 における 1 時間当たりのヒートポンプユニット運転時のガスユニットの熱損

失量(MJ/h)

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりのタンクユニットのタンクの熱損失量(MJ/h)

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりのタンクユニットのヒートポンプ配管の熱損失量(MJ/h)

である。

日付 の時刻 における 1 時間当たりのタンクユニットのヒートポンプ配管の熱損失量 , , , ,

は、式(9a)及び式(9b)により表される。

, , , , , , , , 3600 10 (9a)

, , , , , , , , , , , , , (9b)

ここで、

, , , , :日付 の時刻 におけるタンクユニットのヒートポンプ配管の熱損失(W)

, , , , :日付 の時刻 における熱源機の往き温水温度(oC)

, , :日付 の時刻 における外気温度(oC)

であり、 , , はタンクユニットのヒートポンプ配管の熱損失を求める関数である。

日付 の時刻 における 1時間当たりのタンクユニットのタンクの熱損失量 , , , , は、式(10a)

及び式(10b)により表される。

, , , , , , , , 3600 10 (10a)

, , , , , , , , , , , , , (10b)

ここで、

, , , , :日付 の時刻 におけるタンクユニットのタンクの熱損失(W)

, , , :日付 の時刻 におけるヒートポンプユニットの出湯温度(oC)

, , , :日付 の時刻 におけるタンクユニットの周囲空気温度(oC)

であり、 , , はタンクユニットのタンクの熱損失を求める関数である。

日付 の時刻 におけるヒートポンプユニットの出湯温度 , , , は、日付 の時刻 における熱源機

のヒートポンプユニットの出力分担率 , , が1.0を下回る場合は85 oC とし、1.0に等しいかつ日付 の

時刻 における熱源機の往き温水温度 , , , , が40 oC の場合は65 oC とし、1.0に等しいかつ日付 の

時刻 における熱源機の往き温水温度 , , , , が60 oC の場合は85 oC とする。

日付 の時刻 における 1 時間当たりのヒートポンプユニット運転時のガスユニットの熱損失量

, , , , は、式(11a)及び式(11b)により表される。

, , , , , , , , 3600 10 (11a)

, , , , , , , , , , , , , , (11b)

ここで、

, , , , :日付 の時刻 におけるヒートポンプユニット運転時のガスユニットの熱損失(W)

, , , , :日付 の時刻 における熱源機の往き温水温度(oC)

, , , :日付 の時刻 におけるタンクユニット周囲空気温度(oC)

, , :日付 の時刻 における熱源機のヒートポンプユニットの出力分担率

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であり、 , , はヒートポンプユニット運転時のガスユニットの熱損失を求める関数である。

日付 の時刻 における1時間当たりの熱源機のヒートポンプユニット分担出力 , , , , は、式(12)

により表される。

, , , , , , , , , (12)

ここで、

, , , :日付 の時刻 における熱源機の出力(MJ/h)

, , :日付 の時刻 におけるヒートポンプユニット出力分担率

である。

E.4.4ガスユニットの補機の消費電力

日付 の時刻 における 1 時間当たりのガスユニットの補機の消費電力量 , , , , は、式(13a)、式

(13b)及び式(13c)により表される。

, , , , , , , , , , , , , , , , 10 (13a)

, , , , , , , , , (13b)

, , , , , , 0.0 (13c)

ここで、

, , , , :日付 の時刻 におけるガス燃焼時のガスユニットの補機の消費電力(W)

, , , , :日付 の時刻 におけるガス非燃焼時のガスユニットの補機の消費電力(W)

, , :日付 の時刻 におけるガスユニットの出力分担率

, , :日付 の時刻 におけるヒートポンプユニットの出力分担率

, , , :日付 の時刻 におけるガスユニットのガス消費量(W)

であり、 , , はガスユニットの補機の消費電力を求める関数である。

E.4.5ガスユニットのガス消費量

日付 の時刻 における 1時間当たりのガスユニットのガス消費量 , , , は、式(13a)、式(13b)及び

式(13c)により表される。

, , , , , , , , 3600 10 (14a)

, , , , , , , , , , (14b)

, , , , , , , (14c)

ここで、

, , , :日付 の時刻 におけるガスユニットのガス消費量(W)

, , :日付 の時刻 におけるガスユニットの出力分担率

, , :日付 の時刻 におけるガスユニットの出力(W)

, , , :日付 の時刻 における熱源機の出力(W)

, :ガスユニットの定格効率

, :ガスユニットの定格能力(W)

であり、 , はガスユニットのガス消費量を求める関数であり、熱源機の往き温水温度 , , (60 oC

又は40 oC)に応じて定義される。また、ガスユニットの定格効率 は0.87に等しいとし、ガスユニッ

トの定格能力 , は14000に等しいとする。

E.4.6出力分担率

日付 の時刻 におけるガスユニット出力分担率 , , 及び日付 の時刻 におけるヒートポンプユニ

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ット出力分担率 , , は、それぞれ式(15)及び式(16)により表される。ただし、日付 の時刻 におけ

るヒートポンプユニットの出力分担率 , , は0を下回る場合は0とし、1を上回る場合は1とする。

, , 1 , , (15)

, ,, , , , , , , , , , ,

, , , , , (16)

ここで、

, , , :日付 の時刻 におけるヒートポンプユニットの 大出力(W)

, , , , :日付 の時刻 におけるヒートポンプユニット 大運転時のタンクユニットのタンクの熱損

失(W)

, , , , :日付 の時刻 におけるヒートポンプユニット 大運転時のタンクユニットのヒートポンプ

配管の熱損失 (W)

, , , :日付 の時刻 における熱源機の出力(W)

, , :日付 の時刻 におけるヒートポンプユニット 大運転時のヒートポンプユニット運転時の

ガスユニットの熱損失(W)

である。

日付 の時刻 におけるヒートポンプユニットの 大出力 , , , は、式(17)により表される。

, , , , , , , , , , , , , , , , (17)

ここで、

, , :日付 の時刻 における外気温度(oC)

, , , , :日付 の時刻 における熱源機の戻り温水温度(oC)

, , , :日付 の時刻 におけるヒートポンプ 大運転時のヒートポンプユニットの出湯温度(oC)

であり、 , , はヒートポンプユニットの 大出力を求める関数である。

日付 の時刻 におけるヒートポンプ 大運転時のタンクユニットのヒートポンプ配管の熱損失

, , , , は、式(18)により表される。

, , , , , , , , , , , , , (18)

ここで、

, , , , :日付 の時刻 における熱源機の往き温水温度(oC)

, , :日付 の時刻 における外気温度(oC)

であり、 , , はタンクユニットのヒートポンプ配管の熱損失を求める関数である。

日付 の時刻 におけるヒートポンプ 大運転時のタンクユニットのタンクの熱損失 , , , , は、

式(19)により表される。

, , , , , , , , , , , , , (19)

ここで、

, , , :日付 の時刻 におけるヒートポンプ 大運転時のヒートポンプユニットの出湯温度(oC)

, , , :日付 の時刻 におけるタンクユニット周囲空気温度(oC)

であり、 , , はタンクユニットのタンクの熱損失を求める関数である。

日付 の時刻 におけるヒートポンプ 大運転時のヒートポンプユニット運転時のガスユニットの熱

損失 , , は、式(20)により表される。

, , , , , , , , , , , , (20)

ここで、

, , , , :日付 の時刻 における熱源機の往き温水温度(oC)

, , , :日付 の時刻 におけるタンクユニット周囲空気温度(oC)

である。

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日付 の時刻 におけるヒートポンプ 大運転時のヒートポンプユニットの出湯温度 , , , は 85

oC とする。

E.4.7 熱源機の平均出力及び熱源機最大出力

日付 の時刻 における熱源機の出力 , , , は、式(21)により表される。

, , , , , , 10 3600 (21)

ここで、

, , , :日付 の時刻 における熱源機の出力(MJ/h)

である。なお、日付 の時刻 における熱源機の出力 , , , は、本文により定義される(日付 の時刻

における熱源機の 大出力 , , , を超えない範囲で日付 の時刻 における温水熱需要 , , , に

等しい)。

日付 の時刻 における熱源機の 大出力 , , , は、式(22)により表される。

, , , , 3600 10 (22)

ここで、

, :ガスユニットの定格能力(W)

である。

E.4.8 タンクユニット周囲の空気温度

日付 の時刻 におけるタンクユニット周囲の空気温度 , , , は、タンクユニットを室内に設置す

る場合は式(23a)により表され、タンクユニットを室外に設置する場合は式(23b)により表される。

タンクユニットを室内に設置する場合

, , , 0.25 , , 0.75 , , (23a)

タンクユニットを室外に設置する場合

, , , , , (23b)

ここで、

, , :日付 の時刻 における外気温度(oC)

, , :日付 の時刻 における室内温度(oC)

であり、暖房運転時において、日付 の時刻 における室内温度 , , は、20oC とする。

E.4.9 戻り温水温度

日付 の時刻 における熱源機の戻り温水温度 , , , , は、式(24)により表される。

, , , , , , (24a)

, ,∑ , , , ,

∑ , , , , 0.027583 (24b)

, , , ,, , , , , , , , 00 , , , , 0 (24c)

ここで、

, , , , :日付 の時刻 における熱源機の往き温水温度(oC)

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの放熱系統 の温水熱需要(MJ/h)

, , , , :日付 の時刻 における 1 時間当たりの温水熱需要が発生する場合の放熱器 の 大出力

(MJ/h)

, , :日付 の時刻 における対数平均温度差(oC)

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの放熱器 の 大出力(MJ/h)

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であり、関数 は、対数平均温度差から戻り温水温度を求める関数である。

E.5 評価関数

E.5.1 ヒートポンプユニット

ヒートポンプユニットの消費電力を求める関数 , は、式(25a)及び式(25b) により表される。

, , , , , , , , , 0.1869 0.2963 0.565 10 (25a)

0.42108 , 10 0.03889 0.00762 0.03313 , ,

0.00449 , 0.82066 (25b)

ここで、 :外気温度(oC)

:外気相対湿度(%)

, :ヒートポンプユニットの平均出力(W)

, , :熱源機の戻り温水温度(oC)

, :ヒートポンプユニットの出湯温度(oC)

である。

ヒートポンプユニットの 小出力を求める関数 , , 及びヒートポンプユニットの 大出力を求

める関数 , , は、式(26) 及び式(27)により表される。

ヒートポンプユニットの 小出力

, , , , , , ,

6.08 46.56 , , 0.04 , 4739.62 (26)

ヒートポンプユニットの 大出力

, , , , , , ,

1.36 89.85 , , 46.5 , 5627.07 (27)

ここで、 :外気温度(oC)

, , :熱源機の戻り温水温度(oC)

, :ヒートポンプユニットの出湯温度(oC)

である。

E.5.2タンクユニット

タンクユニットの補機の消費電力を求める関数 , , は、式(28)により表される。

, , 5 10 (28)

ここで、 :ヒートポンプユニットの断続運転率

である。

タンクユニットのヒートポンプ配管の熱損失を求める関数 , , は、式(29)により表される。

, , , , , 2.8 , , (29)

ここで、

, , :熱源機の往き温水温度(oC)

:外気温度(oC)

である。

タンクユニットのタンクの熱損失を求める関数 , , は、式(30)により表される。

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, , , , , max 0,1.6 , , 72.1 (30)

ここで、

, :ヒートポンプユニットの出湯温度(oC)

, :タンクユニットの周囲空気温度(oC)

である。

E.5.3ガスユニット

ガスユニットのガス消費量を求める関数 , は、式(31)及び式(32)により表される。

, , , , , (31)

, , , (32)

ここで、 :ガスユニットの出力(W)

:ガスユニットの筐体放熱損失(W)

:ガスユニット燃焼室の熱交換効率

:ガスユニットの定格効率を補正する係数

, :ガスユニットの定格効率

, :ガスユニットの定格能力(W)

である。

ガスユニットの定格効率を補正する係数 及びガスユニットの筐体放熱損失 は、熱源機の往き

温水温度 , , に応じて表 E.1 により表される。

表 E.1 ガスユニットの定格効率を補正する係数及びガスユニットの筐体放熱損失

熱源機の往き温水温度 , , , ,

40 oC の場合 60 oC の場合

ガスユニットの定格効率を

補正する係数 1.064 1.038

ガスユニットの筐体放熱損失

123.74 225.26

ヒートポンプユニット運転時のガスユニットの熱損失を求める関数 , , は、式(33)により表さ

れる。

, , , , , , max 5 , , , 100,0 (33)

ここで、

, , :熱源機の往き温水温度(oC)

, :タンクユニットの周囲空気温度(oC)

である。

ガスユニットの補機の消費電力を求める関数 , , は、式(34)により表される。

, , , 73 0.003 , (34)

ここで、

, :ガスユニットのガス消費量(W)

である。

E.5.4戻り温度

対数平均温度差から戻り温水温度を求める関数 は、送水温度に応じて、熱源機の往き温水温度

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を超えない範囲で、式(35)により表される。

0.0301 0.1864 20 熱源機の往き温水温度 , , 60

0.0604 0.1881 20 熱源機の往き温水温度 , , 40 (35)

ここで、 :対数平均温度差(oC)

である。

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付録 4.7F 熱源機の仮想最大能力

熱源機の仮想 大能力 , , は、当該住戸の温水暖房で暖房する暖房区画の床面積の合計 により、

式(1)により表される。

, , , (1)

ここで、

, , :熱源機の仮想 大能力(W)

, :単位面積当たりの必要暖房能力(W/m2)

:温水暖房で暖房する暖房区画の床面積の合計(m2)

:外気温度能力補正係数

:間歇運転能力補正係数

である。

単位面積当たりの必要暖房能力 , は、地域の区分及び放熱器が設置される暖房区画の種類ごとに

表 F.1 により定める。

外気温度補正係数 は、1.05の値とする。間歇運転能力補正係数 は、表 F.2 の値とする。

表 F.1 単位面積当たりの必要暖房能力(W/m2)

地域の

区分

(い)温水暖房の放熱器を主たる

居室及びその他の居室に設置する

場合

(ろ)温水暖房の放熱器を主たる

居室に設置しその他の居室に設置

しない場合

(は)温水暖房の放熱器を主たる

居室に設置せずその他の居室に設

置する場合

1 90.02 139.26 62.28

2 77.81 120.65 53.26

3 73.86 111.32 53.81

4 77.74 118.98 55.41

5 83.24 126.56 59.43

6 69.76 106.48 49.93

7 74.66 112.91 53.48

8 - - -

表 F.2 間歇運転能力補正係数

主たる居室の運転方法 その他の居室の運転方法 間歇運転能力補正係数

連続運転 連続運転 1.0

連続運転 間歇運転 1.0

間歇運転 連続運転 2.25

間歇運転 間歇運転 2.25

連続運転 放熱器を設置しない 1.0

間歇運転 放熱器を設置しない 3.03

放熱器を設置しない 連続運転 1.0

放熱器を設置しない 間歇運転 1.62

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付録 4.7G 配管

F.1線熱損失係数

線熱損失係数 , は、配管の断熱の有無によって区別し、配管のすべての部分について線熱損失

係数が0.21(W/mK)を上回るものについては0.21とし、それ以外のものについては0.15とする。

F.2長さ

配管 の断熱区画外における長さ , , 及び配管 の断熱区画内における長さ , , は、それぞれ式(1)

により表されるものとする。

, , , , ,,

(1a)

, , , , ,,

(1b)

ここで、

, , , 、 , , , :断熱区画 ごとに表 G.1 により表される係数

:当該住戸における床面積の合計(m2)

, :表 G.2 により表される係数

である。

表 G.1a 係数 , , , 及び , , , (戸建て住宅の場合)

居間

食堂 台所 主寝室 子供室1 子供室2

(い)熱源機と主たる居

室の距離が近い場合 , , , 10.06 17.80 0.00 0.00 0.00

, , , 0.00 0.00 16.54 12.90 20.30

(ろ)(い)に該当しな

い場合 , , , 16.38 13.20 0.00 0.00 0.00

, , , 0.00 0.00 22.86 19.22 26.62

表 G.1b 係数 , , , 及び , , , (集合住宅の場合)

居間

食堂 台所 主寝室 子供室1 子供室2

(い)熱源機と主たる居

室の距離が近い場合 , , , 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00

, , , 6.94 20.08 12.88 27.88 27.70

(ろ)(い)に該当しな

い場合 , , , 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00

, , , 26.90 20.70 27.72 5.20 12.14

表 G.2 係数 ,

戸建て住宅の場合 120.08

集合住宅の場合 70.00

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付録 4.7H パネルラジエーター

H.1温水供給運転率

日付 の時刻 における放熱器 の温水供給運転率 , , , , は、式(1)により表される。

, , , ,, , , ,

, , , , (1)

ここで、

, , , , :日付 の時刻 における放熱器 の温水供給運転率

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの放熱器 の処理負荷(MJ/h)

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの放熱器 の 大出力(MJ/h)

である。

H.2最大出力

日付 の時刻 における 1時間当たりの放熱器 の 大出力 , , , , は、式(2)により求まる。

, , , , , ,, , 20

60 203600 10 (2)

ここで、

, , :放熱器 の 大能力(W)

, , :日付 の時刻 における送水温度(oC)

である。

放熱器 の 大能力 , , は、付録 4.7J に定める放熱器 の仮想 大能力 , , , に等しいもの

とする。

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付録 4.7I ファンコンベクター

I.1消費電力量

日付 の時刻 における 1時間当たりの放熱器 の消費電力量 , , , , は、日付 の時刻 における 1時

間当たりの放熱器 の処理負荷 , , , , に応じて、式(1)により表される。

, , , , , , , , の場合

, , , , , ,, , , ,

, , , ,10 (1a)

, , , , , , , , , , , , の場合

, , , , , ,, , , , , , , ,

, , , , , , , ,, ,

, , , , , , , ,

, , , , , , , ,

10

(1b)

, , , , , , , , の場合

, , , , , , 10 (1c)

ここで、

, , , , :放熱器 の単位時間当たりの消費電力量(kWh/h)

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの放熱器 の処理負荷(MJ/h)

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりのファンコンベクター の 大出力(MJ/h)

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりのファンコンベクター の 小出力(MJ/h)

, , :ファンコンベクター の 大消費電力(W)

, , :ファンコンベクター の 小消費電力(W)

である。

I.2温水供給運転率

日付 の時刻 における放熱器 の温水供給運転率 , , , , は、式(2)により表される。

, , , ,, , , ,

, , , , (2)

ここで、

, , , , :日付 の時刻 における放熱器 の温水供給運転率

である。

I.3最大出力

日付 の時刻 における放熱器 の単位時間当たりの 大出力 , , , , は、日付 の時刻 における 1

時間当たりのファンコンベクター の 大出力 , , に等しいものとする。

I.4ファンコンベクターの最大出力及び最小出力

日付 の時刻 における 1 時間当たりのファンコンベクター の 大出力 , , , , 及び日付 の時刻

における 1 時間当たりのファンコンベクター の 小出力 , , , , は、それぞれ式(3a)及び式(3b)に

より表される。

, , , , , ,, , 20

60 203600 10 (3a)

, , , , , ,, , 20

60 203600 10 (3b)

ここで、

, , :ファンコンベクター の 大能力(W)

, , , :ファンコンベクター の 小能力(W)

, , :日付 の時刻 における送水温度(oC)

である。

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ファンコンベクター の 大能力 , , は、付録 4.7K に定める放熱器 の仮想 大能力 , , , に

等しいものとする。

ファンコンベクター の 小能力 , , , は、式(4)により表される。

, , , 0.4859 , , (4)

I.5ファンコンベクターの最大消費電力及び最小消費電力

ファンコンベクター の 大消費電力 , , 及び 小消費電力 , , は、それぞれ式(5a)及び式

(5b)により表される。

, , 7.564 10 , , (5a)

, , 7.783 10 , , (5b)

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付録 4.7J 床暖房

本文中における敷設面積及び上面放熱率については、当該住戸に設置される温水暖房用床暖房の値

を用いるのではなく、本付録により仮想床面積から求まる値を使用するものとし、本付録ではそれぞ

れ仮想敷設面積及び仮想上面放熱率と呼ぶこととする。

J.1熱損失

日付 の時刻 における 1時間当たりの放熱器 の熱損失 , , , , は、式(1)により表される。

, , , , , , , ,1 ,

, (1)

ここで、

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの放熱器 の処理負荷(MJ/h)

, :床暖房 の上面放熱率

である。

J.2温水供給運転率

日付 の時刻 における放熱器 の温水供給運転率 , , , , は、式(2)により表される。

, , , ,, , , ,

, , , , (2)

ここで、

, , , , :日付 の時刻 における放熱器 の温水供給運転率

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの放熱器 の処理負荷(MJ/h)

, , , , :日付 の時刻 における 1時間当たりの放熱器 の 大出力(MJ/h)

である。

J.3最大出力

日付 の時刻 における放熱器 の単位時間当たりの 大出力 , , , , は、式(3)により表される。

, , , , , , , ,, , 20

60 203600 10 (3)

ここで、

, , , , :日付 の時刻 における放熱器 の単位時間当たりの 大出力(MJ/h)

, , :床暖房 の 1 平方メートル当たりの上面 大放熱量(W/m2)

, , :床暖房 の仮想敷設面積(m2)

, , :日付 の時刻 における送水温度(oC)

である。

床暖房 の 1平方メートル当たりの上面 大放熱量 , , は162W/m2とする。

J.4仮想敷設面積

床暖房 の仮想敷設面積 , , は、式(4)により表される。

, , , (4)

ここで、

, , :床暖房 の仮想敷設面積(m2)

:床暖房 を設置する暖房区画の床面積(m2)

, :床暖房 の敷設率

である。

床暖房 の敷設率 , は、式(5)により表される。

,,

, (5)

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ここで、

, :当該住戸における床暖房 の敷設面積(m2)

, :当該住戸における床暖房 を敷設する居室の床面積(m2)

である。

J.5仮想上面放熱率

床暖房 の上面放熱率 , は、式(6)により表されるものとし、表 J.1 に示すように値を丸めて算出す

ること。ただし、土間床に設置された床暖房パネルの上面放熱率は式(6)によらず0.9とする。

表 I.1 上面放熱率

設計一次エネルギー消費量算出に用いるカテゴリ 式(1)により算出された値

70%未満 0.7 未満

70%以上 80%未満 0.7 以上 0.8 未満

80%以上 90%未満 0.8 以上 0.9 未満

90%以上 95%未満 0.9 以上 0.95 未満

95%以上 0.95 以上

,1

(6)

ここで、 :床上側表面熱伝達抵抗(m2K/W)

:床暖房パネル内の配管から床仕上げ材上側表面までの熱抵抗(m2K/W)

:床暖房パネル内の配管から床暖房パネル床下側表面までの熱抵抗(m2K/W)

:床暖房パネルを除く床下側の熱抵抗(m2K/W)

:床下側表面熱伝達抵抗(m2K/W)

:温度差係数

である。

1) 床上側表面熱伝達抵抗 と床暖房パネル内の配管から床仕上げ材上側表面までの熱抵抗 の合計

床上側表面熱伝達抵抗 と床暖房パネル内の配管から床仕上げ材上側表面までの熱抵抗 の合計

は、0.269に等しいとする。

2) 床暖房パネル内の配管から床暖房パネル床下側表面までの熱抵抗

床暖房パネル内の配管から床暖房パネル床下側表面までの熱抵抗 は、床暖房パネル(ここで床暖

房パネルとは工場生産された一体のものをいう。)内の配管の中心から床暖房パネル下面まで(図 I.1)

の熱抵抗を指し、0.267に等しいとするか、式(7)に定める方法により算出するものとする。湿式モル

タル工法等、放熱部の配管が現場施工の場合、配管から下面の熱抵抗は下記の 3)に計上するものとし、

床暖房パネル内の配管から床暖房パネル床下側表面までの熱抵抗 は0とする。

(7)

ここで、 :床暖房パネル内の配管の中心から床暖房パネル下面までの建材 の厚さ(m)

:床暖房パネル内の配管の中心から床暖房パネル下面までの建材 の熱伝導率(W/(m・K))

である。なお、式(4)を適用するにあたっては、床暖房パネル内の材料は高さ方向に均一とし、小根太

又は床暖房パネル内の配管等は無視して計算すること。また、熱伝導率は、当該建材の JIS に定めが

ある場合の熱物性値で、JIS 表示品又は同等以上の熱物性値を有していると確認されたもののほか、JIS

A1420 により求めた熱物性値又は第三章「暖冷房負荷と外皮性能」第二節「外皮の熱損失」付録 3.2A

で定める熱物性値を用いることとする。

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図 J.1 床暖房パネル内の発熱体の中心から床パネル下面までの範囲の例

3) 床暖房パネルを除く床下側の熱抵抗 と床下側表面熱伝達抵抗 の合計

床暖房パネルを除く床下側の熱抵抗 と床下側表面熱伝達抵抗 の合計 は、床暖房パネル

下面から外気又は隣接空間までの熱抵抗である。これは、第三章「暖冷房負荷と外皮性能」第二節「外

皮の熱損失」に定める部位 i の熱貫流率 から上記で算出した 及び を除いた値であり、式(8)

のように計算される。ここで、鉄筋コンクリート造等住宅の部位及び鉄骨造住宅の部位における線熱

橋係数は 0とする。

10.269 (8)

ただし、第三章「暖冷房負荷と外皮性能」第二節「外皮の熱損失」に定める部位 i の熱貫流率 を計

算する際に、床パネルの熱抵抗を含めずに計算した場合は、式(8)に限り の値を 0とすることができ

る。

4) 温度差係数

温度差係数 は、床暖房を設置する床の隣接空間等が断熱区画外の場合は第三章「暖冷房負荷と外皮

性能」第二節「外皮の熱損失」における「表 3.2.6 外皮等の隣接空間等の種別に応じた温度差係数」

の値を用いるものとし、床暖房を設置する床の隣接空間等が断熱区画内の場合(戸建て住宅 2 階に床

暖房を設置し 1 階はリビング等、断熱区画内である場合など)は、1~3 地域の場合は0.05とし、4~7

地域の場合は0.15とする。

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付録 4.7K 放熱器の仮想最大能力

放熱器 の仮想 大能力 , , , は、放熱器 を設置する暖房区画の床面積 により、式(1)により

表される。

, , , , (1)

ここで、

, , , :放熱器 の仮想 大能力(W)

, :単位面積当たりの必要暖房能力(W/m2)

:放熱器 を設置する暖房区画の床面積(m2)

:外気温度能力補正係数

:間歇運転能力補正係数

である。

単位面積当たりの必要暖房能力 , は、地域区分ごとに表 K.1 により定める。外気温度補正係数

の値は1.05とする。間歇運転能力補正係数 は、運転方法に依存し、表 K.2 の値とする。

表 K.1 単位面積当たりの必要暖房能力(W/m2)

地域の区分

1 2 3 4 5 6 7 8

主たる居室 139.26 120.65 111.32 118.98 126.56 106.48 112.91 -

その他の居室 95.97 82.03 84.97 86.55 94.44 80.58 84.94 -

表 K.2 間歇運転能力補正係数

主たる居室 その他の居室

連続運転の場合 1.0 1.0

間歇運転の場合 3.034 4.805