たかまつ美しいまちづくりシンポジウム2012 ~暮らし訪れた...

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H24.1.21 たかまつ美しいまちづくりシンポジウム2012 たかまつ美しいまちづくりシンポジウム2012 ~暮らし訪れたいと感じるまちに~ 日時:平成 24 年 1 月 21 日(土)13:30~17:27 場所:サンポートホール高松 第1小ホール 主催:高松市、香川県都市計画協会 プログラム: 開会 あいさつ 『美しいまちづくり賞』表彰式 基調講演 「これからの景観と地域・まちづくりを考える」 早稲田大学創造理工学部社会環境工学科 教授 佐々木葉 休憩 パネルディスカッション 「協働で取り組む美しいまちづくり」 コーディネーター 関 義雄(香川大学大学院地域マネジメント研究科教授) パネリスト 冨士谷英正(近江八幡市長) 竹沢えり子(銀座街づくり会議(企画運営担当)) 古川康造(高松丸亀町商店街振興組合理事長) 大西秀人(高松市長) 内容: 13:30~14:00 『美しいまちづくり賞』表彰式 ○建築物等に関するもの 仏生山歴史街道 高尾邸 法然寺五重塔 高松丸亀町弐番街・参番街 甘味茶寮ほとり・ギャラリーほとり 男木島の魂/男木交流館 香川大学幸町南キャンパス緑地整備 ○活動等に関するもの ゆめ 花 未来ロード ~春日川と仲良く~ 小山池公園管理委員会 並みへの豊かな空地の提供 14:00~14:02 高松市長 挨拶 ・「高松市美しいまちづくり賞」は、平成21年にまちづくり条例の制定にあわせ、設けたもの。 ・知恵を出しながら良好な景観の形成に努めなければならない。 14:06~15:10 基調講演「これからの景観と地域・まちづくりを考える」 ○講師:早稲田大学創造理工学部社会環境工学科 教授 佐々木葉(ささきよう)

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たかまつ美しいまちづくりシンポジウム2012

たかまつ美しいまちづくりシンポジウム2012

~暮らし訪れたいと感じるまちに~

日時:平成24年1月21

日(土)13:30~17:27

場所:サンポートホール高松

第1小ホール

主催:高松市、香川県都市計画協会

プログラム:

開会

あいさつ

『美しいまちづくり賞』表彰式

基調講演

「これからの景観と地域・まちづくりを考える」

早稲田大学創造理工学部社会環境工学科 教授

佐々木葉

休憩

パネルディスカッション

「協働で取り組む美しいまちづくり」

コーディネーター 関

義雄(香川大学大学院地域マネジメント

研究科教授)

パネリスト

冨士谷英正(近江八幡市長)

竹沢えり子(銀座街づくり会議(企画運営担当))

古川康造(高松丸亀町商店街振興組合理事長)

大西秀人(高松市長)

内容:

13:30~14:00

『美しいまちづくり賞』表彰式

○建築物等に関するもの

仏生山歴史街道 高尾邸

法然寺五重塔

高松丸亀町弐番街・参番街

甘味茶寮ほとり・ギャラリーほとり

男木島の魂/男木交流館

香川大学幸町南キャンパス緑地整備

○活動等に関するもの

ゆめ 花

未来ロード

~春日川と仲良く~

小山池公園管理委員会

並みへの豊かな空地の提供

14:00~14:02 高松市長 挨拶

・「高松市美しいまちづくり賞」は、平成21年にまちづくり条例の制定にあわせ、設けたもの。

・知恵を出しながら良好な景観の形成に努めなければならない。

14:06~15:10

基調講演「これからの景観と地域・まちづくりを考える」

○講師:早稲田大学創造理工学部社会環境工学科 教授

佐々木葉(ささきよう)

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たかまつ美しいまちづくりシンポジウム2012

○プロフィール

・昭和36年神奈川県鎌倉市生まれ

・早稲田大学理工学部建築学科卒業

・東京工業大学大学院終了

・東京大学助手、名古屋大学助手、日本福祉大学助教授などをへて

2003年より現職

・専門は景観論及び土木構造物の景観論

○はじめに

・高松には委員会のこともあり、これまでに10回ぐらいは来ている。

・高松自動車道の景観検討委員会にも携わっていて、その時にもお邪魔した。

・これまでに見聞きした興味あるものを紹介し、これからの高松のまちづくりのヒントになれば。

○風景・景観という言葉

・けしき:「気配」に近い、対象から感じ取るもの

平安時代・人の様子

などにも使う

・風景:平安時代・漢語・使う人は一部

・景観:明治時代にドイツ語のLandschaft

の訳語として生まれた

・美観:戦前の都市計画や橋梁に対してよく使われた

・風致:みどりや文化があるところをさして使われた

戦前の公園や都市・森林に対して

・景観:1960年代に工学的な研究対象となった

1970年代

まちなみへの関心

1980年代

景観ブーム

バブルな時代だったので、モニュメントを置くような景観

に走っていた

・風景:1990年代

まちづくりの場面では風景と呼ばれる場面が多くなった

・2004年

景観法が出来、景観の観点からの計画やまちづくり

・時代と共に言葉は変わってきた。

○景観法に基づく景観まちづくりを始めている自治体(2012年1月時点)

・ボタンを押さないと意味をなさない法律。

うちは景観法に従ってまちづくりをします

」と宣言し取り組んでいかないと意味のない法律

524の自治体がエントリー(景観団体)

323の自治体が景観計画策定済み

・全国自治体数は1,766

県・市は832

○鎌倉では

・景観を壊すような造成はだめよね。

・では、見えなければいいの

か?

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たかまつ美しいまちづくりシンポジウム2012

○景観とは?

・人間を取り巻く環境の眺め(中村良夫先生の定義)

・写真に撮ったときの美しさ・・だけ?

・景観を支える地域の人々の暮らしの問題

・「わが町・地域」の唯一性を認識すること

○景観の概念

・景観は物理的な要素だけではなく、人や暮らしや

社会システムがある。

・人、生業、社会システムなどが一体として存在し、

価値を持つ

○福島の風景

原発から20km圏

・水面に多くの水鳥が戯れる風景

・その中に、コンクリートの消波ブロック

・その水面の中に道路

奇異な風景

・地盤沈下をしてしまい、水が入

り、沼のような風

景。人が居ないので水鳥が多くいる。

・人の手が入らないことで、昔の風景が戻ってきた。

○風景のありかた

・ある風景

・なる風景

間口に比例して税金を取られるので、できあがった町並み

・つくる風景

庭園など

現代のまちづくりの結果の「なる風景」?

シャッター通り

○景観まちづくりへの様々なアプローチ

・横浜市 元町商店街

官地と民有地を使って広い歩道を整備、蛇行さ

せた車道、車道に張り出してベンチを設置

中華街は売り上げが落ち、元町は売り上げが増

加している

・新潟県 塩沢

牧之通り

はじめは、歩道無し、統一感のないまちなみ、

商店街の停滞、定住人口の減少

道に面した家の意匠を統一する。

「雁木」という空間

プライベートな空間が公共の空間となっている。

空がとても広くなり、遠くの山がよく見える →

他にない、ユニークな場所と感じられる

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たかまつ美しいまちづくりシンポジウム2012

○まちのにぎわいづくり

としてのデザイン

・愛知県豊田市

児ノ口公園

・殺伐とした池周辺の風景、単純な風景、道具と遊ぶ20世紀末の子ども達

・遊具を無くすことに多くの反対があった。

・工事中から説明会をし、生態系としても豊かな公園となった。

・自然と遊ぶ21世紀の子ども達

・愛知県豊田市 矢作川

・山から材木を流していく中継点「土場」だったのが、生業がなくなったことで、ジャング

ルのようになって、水辺に近づけなくなった。

・水辺にたどり着けるような空間を作った →

心地よい場所となった →

居場所となった

○ひとびとの居場所

としてのデザイン

・静岡県 三島市 源平川

・そういったことを誰がやるのか →

そこを使っているまちの人たち

・グランドワーク

右手にスコップ、左手に缶ビール

NPO三島グランドワーク →

自分たちでまちを作っている

雇用も生まれている

・大分県豊後高田市染莊 重要文化的景観

・中性の頃から500年にわたって変わってい

ない風景

田圃の形、道の位置など

変わっていない。

・夕田神宮(ゆたじんぐう)

・右の方向は、圃場整備整備により昔の形はな

くなった。

東の方向は、昔の景観を残そう

お田植え祭

などの文化も外の人の力も借りて残そう。

○生業

(なりわい)の再生

としてのデザイン

・魅力的な景観を糧に新しい景観を創造する

・岐阜県恵那市 無人駅

・交通機関としてだけではなく、地域のコミュニティの場

・中学生が夏休みに駅をピカ

ピカにする

・かかしをたてる

○公共交流機関としてのデザイン

・他者とのコミュニケーションをするのによい空間

教育の空間

・赤字だからやめろ、お客を増やせ

ではなく、社会での機能を生かすことが出来ないか

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たかまつ美しいまちづくりシンポジウム2012

○高松の風景の魅力

・まちの印象を日常受けるのは「道」

・街路樹やみどり

・曲がりと線形 ただものではない

・歴史的な建物が残っていることだけが価値ではなく、道幅や線形など、歴史の中で生み出

された空間がある →

家は建て替えられていっても、まちなみは継承される

・山とため池

・四国に来たと感じるのは、ポ

コッポコッとした小さな山々とため池の存在

・ため池のゴルフの打ちっ放し

・ため池

生業が変わってきた

田圃の面積が減り、役割が変わってきている

・ため池の多面的な機能

農業用水だけでなく、生態系や防災の機能

・山は百年たっても無くならない

携帯の中継アンテナは技術が変わり、将来はなくなるかも

・屋島

屋島の風景、屋島からの風景 →

まちの歴史を見ることができる

・マンション

積み木をポコポコ置いたように見えた

・いくつまでバラマかれても良いのだろうか

・風景を見ることで、そこで起きている問題を直感

することができる →

これでいいの?

大丈夫?

風景にはそんな役割もある

・庵治石

生業の風景

人と風景がバランスしてい

・採石場

採石の技術的側面から作り出された風景

・庵治港

生業の価値をどう与えればいいのか

・見る場所が変わると、風景の見え方が変わる。同じ物でも見え方が変わる。

・若い人たちは、根っこがない。自分がここに居るんだ、ちゃんとした地面に足を着けて暮らし

ているんだという安心感がない。

・地域の暮らしを風景から感じることができる。

○地域の景観を魅力的にするためのまちづくり

・景観とは哲学のよう

に感じられるが、景観という目に見える、見ればわかる、そんなわかりや

すいところから議論を始めればいい。

・その景観を成り立たせている地域の暮らし、コミュニティにまで議論を深める。

・表面的な整備ではない、持続的な地域のまちづくり活動に展開。

・その結果として、魅力的で個性的な景観が形成、維持される。

15:10~15:14 質疑

男性Q:つくられたばかりは「景観」、それが時間がたつことで「風景」になり、さらに時間がたつ

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たかまつ美しいまちづくりシンポジウム2012

ことで「風土」となるといった話を聞いたことがある。まちづくりには長い時間が必要であり、

しいまちなみをつくるには、人づくりや思いをいかに次の世代に伝承していくかということ

もキーになると思う。そんな人づくりにも取り組んでいるような事例があれば紹介いただけな

いか。

佐々木A:

・今日は、出来上がった事例を紹介した。

・いずれの場所も、住民と役場が何度となく打ち合わせを繰り返したり、様々な反対やぶつかり

合いを経て出来上がっている。

・ほかの多くの情報にふれる、視点を変えてみる、よそを真似てみる。

・教育(人づくり)の話があったが、小学生に景観教育をどう行うか。日々の通学路が狭かろう

が、防犯上心配だと

かも地域のコミュニティの協力のもと、道の真ん中を遊びながら帰れるよ

うな通学路を実現することも景観教育である。

15:14~15:29 休憩

15:29~17:27

パネルディスカッション「協働で取り組む美しいまちづくり」

○コーディネーター 関

義雄(香川大学大学院地域マネジメント研究科教授)

パネリスト

冨士谷英正(近江八幡市長)

竹沢えり子(銀座街づくり会議(企画運営担当))

古川康造(高松丸亀町商店街振興組合理事長)

大西秀人(高松市長)

○パネリスト紹介

:「美

しい景観」なんていうのが出てきた背景は、工業団地が暮らしを支

えてきていたのが、グローバル化により地域の工場が海外に出ていき、

どうやって生きていけばいいのだろうかとなった。そこで、綺麗なまち、

豊かなまちにして、外から人を呼び、誇りを持って暮らしていけるよう

にしようとなったのでは。パネルディスカッションでは、もう少し景観

づくり、まちづくりに的を絞って進めていきたい。

富士谷英正(近江八幡市長):

・平成16年に景観法が制定され、当市の取り組みについて紹介する。

・~資源を活かした誇りあるまちづくり~

○近江

八幡(おおみはちまん)

・琵琶湖をひかえ、市街化地域が15%の田舎。

・琵琶湖にある内湖も干拓されてきた。

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たかまつ美しいまちづくりシンポジウム2012

・重要文化的風景に平成19年に指定された。年間300万人の来訪者を迎えている。

・淡水湖に浮かぶ世界唯一の有人島の「沖島」に、370人が住む漁村。この島には幼稚園と小

学校がある。

○まちづくり基本理念と将来像

・自然の恵み、歴史と文化に根付く「生業」が広がり、起業する活力と全ての人々が支え合える、

ぬくもり あふれたまち

・琵琶湖、西の湖、安土城跡、商家のまちなみ、農業、漁業、よし、祭り、地蔵盆

市民活動でよみがえった風景資産

◇~八幡堀保存再生運動~

・1970年頃

八幡堀が迷惑がられるようになった 悪臭 →

埋めて道路、駐車場、公園に

しろと住民から要請が出てきた

・青年会議所が自分たちで全面浚渫をする運動を展開。家庭排水が八幡堀に流れ込むことで、水

質や環境を悪化させていた。

~浅小井町近隣景観形成協定地区~

・167世帯で協定を締結

住民主体のまちづくりをする中で、町民が楽しみながら自らのまち

づくりを良くしている。

○風景づくりの波及

~資源から資産への熟成~

・ボランティア活動が盛んで、「

おやじ連」

13の会、約400人が様々な活動をしている。八

幡山の山を年間8回清掃している。

○景観法の活用

・「風景」の言葉にこだわった

・「風景」とは、景色に人々の営みを融合させたもの。

○風景の特性を大切にしたゾーニング

・水郷風景計画区域

~水と緑、人々の営みが織りなす美しい水の郷~

○総合学習

・人生伝承塾

地域のお年寄りが学校に来て子供たちに教える

・風景を点から線、さらに面へ活用

風景を全てのことに活用する。

○最後に

・まちづくりとして景観を活用するには「人」

・まちづくり、景観づくり

、人づくりは点から線さらに面への総合力

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たかまつ美しいまちづくりシンポジウム2012

竹沢えり子(銀座街づくり会議(企画運営担当)):

・銀座らしい街並みのために

・近江八幡宮と銀座が大きく異なることは、銀座が繁華街である、商業地であるということ。

・江戸時代に作られたのが碁盤の目のまちなみ。

・「銀ブラ」

歩いて楽しい町のサイズ

・東西1km、南北1.4kmほど

84ha

人口3,453人

○銀座の二つのルール

①地区計画「銀座ルール」

各通りごとに、建物の高さ、容積率、壁面後退を決定

②デザイン協議会制度

100m

2

以上の新築、確認申請の

必要な改築について内容を協議会で協議する制度

○銀座デザインルール ← 冊子

・銀座がこれからも

銀座らしい街並みを

なだらかに継承しながら、かつ、先進性を規制する

ことのないような、デザインルールの作成

・銀座らしさの考え方と根拠および数値ルールをまとめたもの

・数値や言葉による規制を行わない。

・一件ごとの協議。

・事例の積み重ねによって、「

銀座らしさ

」を浮かび上がらせていく。 →

ルール化

・事業者は「これは銀座らしいのではないか」と、提案して欲しい。

◇全銀座会:町会、通り会、業界団体他 → 任意団体

自分たちの会費で運営しており、行政からの補助金をもらっていない。

・清掃活動

・環境安全運動

・銀座ガイドによるパトロール

・全銀座会定例会(月1回)

・銀座通連合会、町会、通り会ほか、各月1回程度

・催事委員会ほか、各委員会活動等

古川康造(高松丸亀町商店街振興組合理事長):

・高松丸亀町

これからの街づくり戦略

・土地問題をどう解決したかがポイント。

風俗店であろうがパチンコ屋であろうが、地権者がやるといえば、止められない。

・コミュニティに依存しなければ、この土地問題は解決できなかっ

た。

住宅整備とテナントミックスは、車の両輪

・A街区(壱番街)

セレクトショップゾーン:ブランドショップ

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パブリックスペース:市民ホール、カルチャーセンター

ドーム・広場の整備:札の辻の復活

市の中心地(街道の基点)

市民が自由に使える広場 ←

道路の民間使用

・B街区(弐番街)

フードコート:飲食、カフェ ←

飲食店を復元した

カジュアル:雑貨

・G街区

都市居住:広場、生鮮、大型マンション

都市観光:ホテル

○都市計画エリア

・地権者による提案型

・デザインコードの一部を地区計画に定める

・セットバック、高さ、敷地の最低限度等

・斜線制限を緩和する街並み誘導型

○地区計画のミソ → 地区計画

・640名の地権者

自分たちの町のルールを自分たちで作る

・官民連携

道路は規制の嵐

建物のセットバック

民間が土地を提供し道路を広げている →

8m道路を11mに拡張

植栽、ベンチが官地である道路上にある、自転車専用レーンの整備

○パブリックスペースの整備

・私たちが拘った広場「札の辻」

・民間の土地を提供し、2倍の広さの広場にした。

最も土地の高い

地域で、具現化できたのは

・市民の持ち込みによるイベントが毎週末行われている。想定以上の効果。

○ファザードの整備

(ファサードとは、店舗の正面の外観のこと)

・景観に依存する街のルール

・ファザードの整備で排除された不法駐輪

・規制なんてかけなくても、綺麗なところには駐輪されない

○街の景観・低炭素化

・新しいEcoアーケード

・耐用年数100年のアーケード

・証明を外す

・排煙装置を外す

・LED証明の採用

・店舗ファサードの照明活用

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たかまつ美しいまちづくりシンポジウム2012

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・夜間のライトアップ

・木漏れ日のアーケード

ご婦人の服装が

替わった、明らかにお洒落になった。せっかくに良い服を買っても、それを披露

できる場所がないと、神戸に行ってしまっていた。

大西秀人(高松市長):

・高松の進めようとしている美しいまちづくりについて紹介する。

・高松市も人が郊外へ出ていき、中心部が空洞化してきた。これからは人口減少と高齢化が進み、

自動車を持たない老人が増え、全ての人が不便な町になってしまう →

多核連携型コンパク

トシティの推進

その中に美しい景観を取り込んでいく

・コンパクトなまちを目指すことは、人が行きかう賑わいあふれるまち、将来的に発展を

支える

基盤を形成することにつながる。

・ヨーロッパの街並み

ビルのラインは揃い、看板はなく、車は街の中に入って来なくてもよい

街のシステム

○これまでの美しい街づくりに関する取組

・高松市都市景観条例:平成5年3月25日制定

目的:良好な都市景観の形成

・高松市環境美化条例:平成9年3月27日制定

目的:環境美化の推進

・高松市美しいまちづくり条例:平成21年12月21日制定

目的:美しいまちづくりに関す

る施策の基本となる事項を定め、その総合的かつ計画的な実施を図り、魅力的な美しいまちづ

くりを推進する。

○美しいまちづくり基本計画(平成23年3月30日策定)

・目標像:『誰もが暮らしたい、訪れたいと感じる

美しいまち

高松』

○協働による美しいまちづくりの推進に向けて

・市:ルールの策定、法定手続き

地元住民:STEP1

地元住民の意識の変化

STEP2

『美しい街づくりアドバイザー』の派遣 ←

市より

STEP3

組織作り

STEP4

ルール作り

・屋外広告物に強制力を持つ条例を策定

・色彩についても規制を行う → 色彩基準

・栗林公園からの眺望規制

勧告対象とする

・屋外広告

物の規制を強化

5つの項目を定める

:銀座でも同じと思うが、ケバケバし

いお店が出た場合、規制できるのか。

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竹沢えり子

(銀座街づくり会議(企画運営担当)):

・全銀座会で活動されている方は、地権者だったり、お店をやっている方などさまざま。

・どうしてもやるといった場合、お客様に判断してもらう。情報を公表することで対処。

・ファサードのリニューアル

・店舗看板の色やスケール

マツモトキヨし

最悪の夜景とインターネットでも言われていた。

CIを変えるとの話を聞いたので、いろいろな意見を言った。これを機会に地域

の人としっか

り議論をし、銀座でのマツキヨの業態を見直した。商品も内装も変え、新しいマツキヨを生み

出した。 →

これがダメと規制するだけでなく、マツキヨにとっても新たな銀座スタイルを

生み出せた

路上に段ボールを出さない、呼び込みをしない、など、協議会は言った。

・LED照明も事前に動画を見せてもらって協議している。

・docomo

「銀座に行かないと見られない看板にしてくれ!」と言い続けている。

・H&M

性的な表現、露出度の高い看板も・・

・仮囲い

楽しく、明るい物にしてもらえるようお願いしている。

・大規模開発

(仮称)ギンザコマツ計画

TSビル(旧東芝ビル)

6丁目開発(松坂屋含む)

松竹歌舞伎座の建て替え

◇単体としてのデザイン

色彩/スケール感・デザイン/高さ/材料/照明/銀座ならではのデザイン/協働の徹底

地域性の考慮/業態・用途/建物の運営

◇建物を取り巻く空間デザイン

ファサード/セミパブリック空間/建物裏側/路地機能の維持・再生/間口サイズ ほか

◇街並みの、空間的・歴史的文脈の維持と生成

都市的な共領域的な空間の確保と創出

高度化から高質化へ

急激な変化から適度な変化へ

新たな文化拠点の創造

・デザイン協議会の場の意味

自分たちのデザインを考える共有の場になっている

・事業者にとって、協議が良い結果につながっていることが大事。町とコミュニティがとれるこ

とで、町の良い一員となっている。

・地権者も活動する人も入っていることで、良いコミュニティとなる。

:富士谷様に、近江八幡でうまく行っている原動力について、それは高松でも使えるか。

富士谷英正

(近江八幡市長):

・自発的に声が挙がるのを待つ、声が挙がるような環境整備をする。

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たかまつ美しいまちづくりシンポジウム2012

12

・小学校区ごとに、まちづくりの協議会、コミュニティセンターを

拠点と

して、まちづくりや景観をどうするのか議論をする。最低でも800万

円、最高1,600万円。

金は出すが、口は出さない。

・地域資源はその地域の人が一番知っており、それを活かしてもらう。地

域の人を信じて。

:行政としては難しいかもしれないが、地元の人を信じることが大事。丸亀町商店街を銀座のよ

うにブランド化することについてはどう考えているか。

古川康造(高松丸亀町商店街振興組合理事長):

・銀座のすごいことは、ルールで細かく決めていないこと。

・銀座の真ん中に風俗店が入っても、客が入らないので、1ヶ月もすれば

出ていく。「これは出来ないんだ」、「ここでそんなことをやっても儲から

ないんだ」という、究極の暗黙のルールを。

・先ほどのファザードの整備による駐輪の問題

・土地転がしの人に土地を買われないようにルールを作った。

:行政が、まちづくり、風景支援、行政はどこまでタッチ出来て、どこは住民と考えているのか。

大西秀人(高松市長):

・枠組みは景観計画など行政が作らなければならない。銀座は、届け出し

なさいということだけ決めておき、運用は地域の人たちが自主的に行わ

れている。それが理想。

・近江八幡堀が埋めら

れようとしたとき、若いJCの方々の力で再生され、

景観が守られている。コミュニティ施策も進んでいる。

・高松市でも、コミュニティ協議会も思い切った取組をして欲しいと、100万円までなら何を

しても良いと昨年始めたところだが、800万とはとうてい・・

:景観とは目に見えていることだけでなく、暮らし、そこに住んでいる人たちが精神的に豊かな

ことが美しさにつながってくる。近江八幡さんの次の一歩は。

富士谷英正(近江八幡市長):

・自己決定、自己責任でやってくださいと言っている。

・自然のままの風景は、住んでいる人

にとっては当たり前となっているが、

外から「素晴らしい」と言われる。当たり前が世間では当たり前でなく

なっていることを認知してもらう。

・「水郷に船を浮かべたら」と外の人の声で始まった。行政は何もしなくて

も、市民は自発的なグループが始めている。グループで出来ないところは行政がサポートする。

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たかまつ美しいまちづくりシンポジウム2012

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:銀座の視点から高松へ提言を。

竹沢えり子

(銀座街づくり会議(企画運営担当)):

・84haあるが、通りごとに違いがある。

・市長さんは市全体を考える立場。話しやすいエリアや地域の人たちと進

めていくことが大事と感じた。

議論は抽象的ではなく、具体的な議論をすべき。景観は見ればわかる議

論。色をどうするかは、議論する場があること、そんな場が出来る仕掛

け、黒子、サイズを見いだす。

:古川さん

行政との関わりを考えたとき、頼むこと、連携はどんなことがあるか

古川康造

(高松丸亀町商店街振興組合理事長):

・法律のことは行政との連携が必要。

・民間は「行政を何とかしろ」、行政は「民間の意識、協力が・・」と、双方を批難する。

・民間から言わせてもらうと、お役所は怖くて、何か言うと規制をかけられると思っている。「官

は民が立ち上が

れば必ず支えますよ」といったスタンスで。

:豊かな生活を維持するための食料、エネルギー、水。大半を海外や早明浦ダムに頼っており、

暮らしていく最低限のものは高松市で持久できる取組が要るのでは。まとめを。

大西秀人

(高松市長):

・美しいまちづくりを通じて心の豊かさ、住むことの誇り、そういうことを聞いて外から人が来

ること。

・創造都市のシンポを行った。定住人口が減っても、高齢社会になっても、活動を維持するには

どうしたらいいのか。交流人口を増やす。高齢者がいても住みやすい町。

・産業経済部と国際文化スポーツ

部をひとつにし、いろんな形で高松をブランド化し、シティプ

ロモーションをしていく。

・屋外広告物の規制も、サイズを小さくするだけでは抜け穴がある。行政は枠組みを作るだけ。

大きな広告がでた際に、地域コミュニティの了解を取ってくださいよ、ということで地域でも

議論が行われ、地域ルールが出来る。

規制を運用するのは地域。

・里山とため池

団塊の世代のUターンをねらって、「いざ里山市民活動」

見た目が美しいだけ

でなく、人の手が入って美しく、生業が成り立っているのが美しい。

・ため池支援事業

高松らしい里山やため池を綺

麗にし、住んでいる人たちが誇りを持ち、来訪

者のある美しい町づくりを。

- 以上 -