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簡易支援ツールを使用した アセットマネジメントの 実施マニュアル Ver.2.1 令和2年3月 厚生労働省医薬・生活衛生局水道課

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Page 1: 簡易支援ツールを使用した アセットマネジメントの 実施 ...簡易支援ツールを使用した アセットマネジメントの 実施マニュアル Ver.2.1

簡易支援ツールを使用した

アセットマネジメントの

実施マニュアル

Ver.2.1

令和2年3月

厚生労働省医薬・生活衛生局水道課

Page 2: 簡易支援ツールを使用した アセットマネジメントの 実施 ...簡易支援ツールを使用した アセットマネジメントの 実施マニュアル Ver.2.1

これからの日本は、世界の他の国が経験したことのないスピードで高齢化が進み、また今後の人口減少傾向は確定的で、これまでに経験したことがない人口減少社会を迎えます。

そのような社会で、これまで築いてきた社会基盤を需要に応じて維持・更新し、持続可能なシステムとして次世代に継承していくといったことが大きな課題となっています。

水道は、人々の生活、社会経済活動を支える最も重要な社会基盤の1つであり、今後ともその大きな役割は変わることはありません。安全、安心な日本の水道を、次の世代に引き継ぐためには、これから何が問題となるのかを知り、知恵を絞って将来のために行動することは現世代の責務です。

日本における社会インフラはその多くが高度経済成長期前後に建設されたもので、施設総体の老朽化が叫ばれて久しく、その計画的な更新及び中長期的な財源の確保が大きな課題となっているが、水道においても同様の状況であり、現有施設の多くが今後順次法定耐用年数を迎える中、更新需要は飛躍的に増加していく見込みです。

一方で、人口減少社会における給水収益の減少は避けられない状況であり、水道事業を取り巻く環境は厳しいものと言わざるを得ないが、そのような状況の中、水道事業者において各事業者の置かれた状況のもと、水道の安心、安全、持続を実現し、将来にわたって水道を引き継いでいかなくてはなりません。

このような状況を踏まえ、持続可能な水道事業の実現に寄与するため、『水道事業におけるアセットメント(資産管理)に関する手引き』(厚生労働省水道課、平成21年7月)を作成しました。その後、多くの水道事業者がアセットマネジメントに取り組み、3割近くが実施または実施中となるに至りましたが、中小規模の水道事業者の取組み状況は芳しくありません。

そこで、手軽にアセットマネジメントを始められるように、アセットマネジメントの『簡易支援ツール』を作成しました。

簡易支援ツールは「まず着手」といった視点で、最小限のデータ入力だけでアセットマネジメントの実施が可能となるよう作成したもので、それだけでアセットマネジメントの検討に必要なひととおりの表・グラフが作成できるような仕組みとしました。その結果、中長期的な視点で将来の状況を俯瞰することが可能です。

「まず着手」、第一歩を踏み出すことが重要です。この簡易支援ツールを活用して、水道事業のアセットマネジメントを始めていきましょう。

はしがき

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1. 簡易支援ツールとは  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2. ステップ1 ひととおりやってみる ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ステップ1_1 : データを入力する ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ステップ1_2 : 財政の条件の改善と料金水準の変更による試算 ・・・・・・・・・・・・・・

ステップ1のまとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

3. ステップ2 施設ごとに更新費用を算出してみる ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ステップ2_1 : 構造物・設備の更新需要を求める ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ステップ2_2 : 管路の更新需要を求める ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ステップ2_3 : 料金水準の変更による試算 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ステップ2のまとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

4. ステップ3 更新基準と更新規模の精度を上げる ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【参考資料】

1.簡易支援ツールのシートと内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2.様式2作成ファイルのシートと内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

3.簡易支援ツールの様式、様式2作成ファイルのシート間の関係 ・・・・・・・・・・・・・

4.手引きの”タイプ”との関係 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

5.代表的なグラフの説明 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

39

42

43

32

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22

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* * 目   次 * *

1

5

5

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簡易支援ツールを開くと自動的に「操作メニュー」シートを表示します。

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簡易支援ツールを開いている時に発生しうる障害について

簡易支援ツールをダブルクリックすることで以下の処理を行っています。

① 簡易支援ツール(エクセルファイル)を開く。② ファンクションキー(F8~F10)の機能設定を行う。

F8 : 「初期設定」シートへ移動F9 : 「操作メニュー」シートへ移動F10 : 「表グラフ確認」シートへ移動

③ 「操作メニュー」シートを表示する。

上記の各処理を行うに当たって、①のファイルオープンに時間がかかる場合、②③の処理が正しく実行されない場合があります。(②は3回リトライし4回目で次の処理③に移行します。)

②③が正常終了しないと以下のような現象が発生します。

(1) 簡易支援ツールが開かれた時点で「操作メニュー」シートが表示されない。(2) ファンクションキー(F8~F10)を押下してもシートが移動しない。

このような現象が発生した場合の対処方法

「操作メニュー」シート以外のシートが表示されている場合は、「操作メニュー」シートを表示してください。(「操作メニュー」シートはシート情報の一番左にあります。)

「操作メニュー」シートの下段中央に[ファンクションキー設定]ボタンがありますのでクリックしてください。

ファンクションキー(F8~F10)を押下してシートの移動ができるかためしてみてください。(ファンクションキーが動作しない場合は再度[ファンクションキー設定]ボタンをクリックしてみてください。)

2

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ステップ1では、最小限の作業でアセットマネジメントの検討に必要な図表を作成し、アセットマネジメントを

概観するとともに、将来必要な更新費用とその財源の見通しを把握します。

入力するデータは、建設改良費の経年実績と、最新年度の決算値のみです。

そのデータから自動処理(マクロの実行)により、将来値を予測するようツールの中で設定しているため、

更新需要や財政収支の見通しの結果が自動で作成されます。

たとえば、水道事業の開始が昭和53年であれば40年分の建築改良費と、約25項目の最新年度の決算値

の合計65個程度のデータを入力するだけで、アセットマネジメントの検討に必要な図等が一通り出来上がるため、

アセットマネジメント自体も容易に理解できます。

この段階での将来値は自動設定で算出しているため、制度が落ちるところがあるのも事実です。

そこで、次の段階として、各事業者の実情を反映し改善します。

たとえば、既往債の元利償還計画(借金の返済計画)、既存施設の減価償却予定額、拡張事業として

ダム負担金の支払い予定などを追加入力します。

そして、増大していく更新事業を実施していくには、その財源を確保する必要があるため、料金水準を変更し、

財政収支を試算してみます。

最後に、まとめのシートに表示されるグラフを見ながら、どのような状況になったか、コメントを入力します。

また、課題と対応策についても述べて、アセットマネジメントのレベルアップの方向性を示すことができれば、

ステップ1は完成です。

タイプ1Cの検討を行えました。(「タイプ」は参考表参照)

ステップ1は、過去の建設改良費で更新需要が求められる手軽さがある反面、施設の種別(浄水施設、

配水施設、管路など)がわからないため、更新需要の精度を上げることができないという限界があります。

ステップ2では、更新需要の精度を上げるため、更新需要の算定に、”どれ”(個別施設の特定)と、

”いつ”(整備時間)に関する情報を活用します。

固定資産台帳のデータではすぐに始められないことを踏まえ、施設のリスト、管路の統計データ(毎年度

整理しているもの)を使用します。(ステップ1で入力した建築改良費の実績は使用しません。)

構造物・設備は、能力・規模等から関数を用いて更新需要を求めます。(※)

管路は、管種・口径・布設延長から関数を用いて更新需要を求めます。(※)

更新事業費としての更新需要は単価を乗じて算出されます。

このように、施設の能力等から更新費用を容易に算出することにより、施設毎に更新需要を算出し、

その精度を向上させることができます。

財政収支の見通しでは、ステップ1の設定を引き続き使用するため、データの追加入力はありませんが、

更新需要の精度が高まったことを受け、勘定科目の将来値の設定を変更したい場合は、変更します。

ステップ2でも、料金水準の変更による財源確保の財政収支を試算します。

ステップ1と同様に、まとめシートの表グラフを見ながらコメント、課題、対応策を記述して完成となります。

ステップ2の検討は、固定資産台帳は用いませんが、構造物・設備、管路の区分別には事業者の基礎データ

を基にしており、資産状況を反映しているので、タイプ2の検討を行ったと言ってよいでしょう。(タイプ2C)

なお、ステップ2では、工種(建築、土木、電気、機械、管路)毎に更新基準(実耐用年数)を設定しており、

個々の施設の状況を取り入れていません。

また、施設の統廃合や規模縮小も反映しません。(これらについてはステップ3で行います。)

※:『水道事業の再構築に関する施設更新費用算定の手引き』(令和元年、厚生労働省健康局水道課)

ステップ1 : ひととりやってみる

ステップ2 : 施設ごとに更新費用を算出してみる

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ステップ3は、ミクロマネジメントの成果等を簡易支援ツールへ反映する発展的な検討です。

ステップ1、ステップ2の更新基準は、個々の施設の実態を考慮せず一律としていますが、ステップ3では、

個別の構造物・設備の更新基準の変更を反映させることが可能です。

たとえば、耐震性が低いと診断された配水池は法定耐用年数に達する前に更新し、耐震性があると診断された

配水池は更新基準を80年として更新する、といったことを取り込むことができます。

また、施設の統廃合や規模縮小による更新費用の削減結果を反映させることも、ステップ3で行います。

ステップ2では関数で算出していた更新事業費を変更することもここで行います。

財政収支の見通し及び料金水準の変更、まとめシートの作成は、ステップ2と同様に検討を行います。

このように、更新基準と更新規模(更新事業費)を、一般的な設定値から事業者の状況に合うように変更する

ことでアセットマネジメントの精度を上げます。

更新基準と更新規模の精度を上げることができれば、中長期的な更新計画とすることができます。

◎使用するファイル

各ステップで使用するファイルとセルの色は次の通りです。

エクセルは「Excel 2010」以上のバージョンのみ可

水色 初期値があり、書き換えを行わない。

濃いオレンジ

薄いオレンジ

値を直接入力する。

マクロのコピー&ペースト等で自動編集される。

初期値があるが、極力変更すべき。式の上から数値を入力してよい。

初期値があるが、必要に応じて変更する。式の上から数値を入力してよい。

濃い黄色

薄い黄色

セルの色 入力ルール(ステップ1、2向け)

表 1-2 データ入力のルールとセルの色

ステップ3 : 更新基準と更新規模の精度を上げる

表 1-1 各ステップで使用するファイル

ステップ 使用するファイル(エクセル)

ステップ1 ひととおりやってみる

ステップ2 施設ごとに更新費用を算出してみる

ステップ3 更新基準と更新規模の精度を上げる

簡易支援ツール

簡易支援ツール、様式2作成ファイル

簡易支援ツール、様式2作成ファイル

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ステップ1_1の作業は、下記フロー図のとおりです。(簡易支援ツールの操作メニューより)

はじめる前に

「操作間ニュー」シートの[はじめる前に]をクリックすると下記の3つについて説明書きを参照することができます。

1.資料の用意2.初期設定について3.様式1に年度別の建築改良費の実績値を入力する

[はじめる前に]クリック後に表示されるシートの一部を抜粋

  ステップ1_1 : データを入力する。

ステップ1 ひととおりやってみる2

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(1)初期設定

「初期設定」シートにはマクロや関数で必要な情報(パラメータ)を設定するためのものです。必要に応じてデータを変更してください。(詳細は「はじめる前に」を参照してください。)

[(1)初期設定]クリック後に表示されるシートの一部を抜粋

(2) 建築改良費の実績値の入力(様式1)

用意していただいた年次別の建築改良費のわかる資料を基に「様式1」シートに建築改良費を入力してください。

[(2) 建築改良費の実績値の入力(様式1)]クリック後に表示されるシートの一部を抜粋

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◆ 「7 その他」の列(黄色部分)に、年次別の建築改良費(千円単位)を入力してください。

◆ 期間は、創設から実績最新年度までとしますが、昭和42年度以前などデータが得られない場合は、抜かしてください。

◆ ここでいう創設は、水道施設を使い始めた創設時期のことで、近年、市町村合併に伴う事業統合で創設事業認可を取得した場合は、それよりも以前の水道事業の創設時期としてください。

(3) 様式1のデータを様式2-1に編集

[(3) 様式1のデータを様式2-1に編集]ボタンをクリックし、マクロを実行してください。

実行確認メッセージが表示されるので[OK][キャンセル]どちらかをクリックしてください。

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編集された「様式2-1」の一部を抜粋

「初期設定」シートより抜粋(シナリオ毎の更新基準年数)

ステップ1_1では工種を「その他1」とし法定耐用年数、更新基準年数を編集します。

(4) 様式2-1を確認

「(3) 様式1のデータを様式2-1に編集」の実行結果を確認したい場合、[(4)様式2-1を確認]ボタンをクリックしてください。

「様式2-1」の一部を抜粋

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(5) 建造物・設備の「健全度・更新需要」算定処理の実行

[(5) 建造物・設備の「健全度・更新需要」算定処理の実行]ボタンをクリックし、マクロを実行てください。

実行確認メッセージが表示されるので[OK][キャンセル]どちらかをクリックしてください。

マクロ処理の実行状況を最下段に表示します。(件数カウンタが同数になるとマクロ処理は終了します。)

↑様式2-1の明細数

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(6) 財政の最新年度実績の入力について

[(6) 財政の最新年度実績の入力について]をクリックすると説明書きを参照できます。

[(6) 財政の最新年度実績の入力について]クリック後に表示されるシートの一部を抜粋

(7) 財政の最新年度実績の入力(様式9-1)

[(7) 財政の最新年度実績の入力(様式9-1)]クリック後に表示されるシートの一部を抜粋

◆ 最新年度の決算資料等を基に、様式9-1の「●収益的収支」、「●資本的収支」、「●資金収支及び企業債残高」、「●資金残高」の黄色のセルに実績を入力してください。

◆ 「維持管理費」は、各事業者にて位置づけている区分でかまいませんが、特定しておらず記入に困る場合は、「地方公営企業決済状況調査表」の表21より、動力費、水光熱費、通信運搬費、修繕費、薬品費、路面修復費、委託費等を合算して入力してください。

◆ 過去5年の実績も入力すると、実績と将来見通しの比較がしやすくなります。(様式9-1の初期状態では5~2年前は、最新年度実績を参照する式が入っていますが、各年度の

実績値を用いる場合は、式を気にせずセルに値を入力してください。)

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(8) 表・グラフの確認

[(8) 表・グラフの確認]クリック後に表示されるシートの一部を抜粋

◆ これで、アセットマネジメントの検討に用いる最低限の表・グラフは作成できました。様式18(1)~(4)は、検討結果のまとめの表・グラフで、これから検討を進めるにしたがって、グラフの内容が変わっていきますので、どのようなグラフが描かれているか、確認してみましょう。

◆ グラフの説明などは、ステップ1のまとめ(p18.~p20.)を参照してください。

◆ 次のステップに進むと、様式9H-2以降のシートの内容が書き換わるので、この段階のファイルを特定して一時的に保存※することをお勧めします。

◆ 更新需要及び健全度は、基準年度から100年間の検討結果が得られます。なお、検討結果のまとめのグラフは、基準年度から40年間と100年間の2種類のグラフが描かれて

います。

◆ 財政収支の見通しは、基準年度から40年間の検討結果が得られます。

※簡易支援ツールを保存したい場合、[(1)簡易ツールの別ファイル保存(ファイルコピー)]ボタンをクリックしてください。

保存ファイル名を自由に設定して、[OK]ボタンをクリックするとファイル保存ができます。

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ステップ1_2の作業は、下記フロー図のとおりです。(簡易支援ツールの操作メニューより)

ステップ1_1の財政収支では、たとえば既往債の元利償還金の将来値(借金の返済予定)は、雑ぱくな設定をしています。

しかしながら、将来の支出予定は、各事業体で把握していることでしょう。また、たとえば数年後からダム負担金の支払いが始まる予定があれば、それも加えるべきでしょう。そこで可能な範囲で、勘定科目(項目)の将来値を、自動で表示される値から把握している支出予定額に

変更します。すると、財政収支の表やグラフが各事業所の実情を反映し改善された結果として表示されます。

(1) 将来設定値の入力について

[(1) 将来設定値の入力について]をクリックすると予測人口の入力についての説明書きを参照することができます。

[(1) 将来設定値の入力について]をクリック後に表示されるシートの一部を抜粋

  ステップ1_2 : 財政の条件の改善と料金水準の変更による試算

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(2) 将来設定値の入力(様式9-0)

[(2) 将来設定値の入力(様式9-0)]をクリックし、必要に応じてデータを変更入力してください。

①既往債の元利償還予定額の入力

◎ 様式9-0に、既往債(リース債を含む)の元利償還予定額を入力する。

◆ 様式9-0を用い、既往債の支払利息、元金償還額は、すでに支出予定が確実であるため、手持ちの計画値を入力してください。(24、40行目)

なお、リース債の支払利息、元金償還額はリース期間を考慮して計画値を入力してください。

◆ 表では初期値設定をしていますが、非常にラフなものですので、極力、変更してください。

②既存施設の減価償却費の入力

◎ 様式9-0に、既存施設(リース資産を含む)の減価償却費の予定額を入力する。

◆ 様式9-0を用い、既存施設の減価償却費は、すでに発生予定が明らかであるため、手持ちの計画値を入力してください。(14行目)

なお、リース資産の減価償却費は、リース期間を考慮して計画値を入力してください。

◆ 表では初期値設定をしていますが、非常にラフなものですので、極力、変更してください。

③既存施設の長期前受金戻入の入力

◎ 様式9-0に、既存施設の長期前受金戻入の予定額を入力する。

◆ 様式9-0を用い、既存施設の長期前受金戻入は、すでに発生予定が明らかであるため、手持ちの計画値を入力してください。(20行目)

◆ 表では初期値設定をしていますが、非常にラフなものですので、極力、変更してください。

④将来の有収水量の算出

◎ 様式9-0の将来の有収水量について

◆ 将来の有収水量の予測を行っている場合は、様式9-0の7行目にデータを入力してください。

◆ 将来の行政人口(6行目)を入力している場合、前年度からの人口増減率を基に算出します。

◆ 将来の行政人口が未入力の場合、「初期設定」シートのI23セルの人口増減率を基に算出します。(「初期設定」シートの人口増減率を変更しても結構です。)

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⑤その他の科目の将来値の変更

◎ 様式9-0で、その他の科目の将来値を変更する。

◆ ここで対象としている科目は、表2-2の*印の科目です。(人件費、維持管理費など)

◆ 様式9-0を用い、各項目の設定は、独自の設定が可能であれば、表を修正してください。

◆ 将来値を最新年度の値で一定としている科目で、最新年度がたまたま特異値であった場合などは、過去数年の平均値と設定する方法も考えられます。

また、維持管理費は動力費、薬品費等が給水量と連動して発生するようにと設定する方法も考えられます。

◆ 改良費には、ステップ1_1で算定した更新需要(更新事業費)を用いるため、様式9-0では、空欄のままにしておいてください。

※ 拡張費を入力する場合は、その財源計画も入力する。(様式9-0)* マニュアル(2)⑤で「その他の科目の将来値の変更」として説明しているもの

最新年度の値で一定

その他営業収益 *

人件費 *

水色 合計値など表中で計算しているため変更しない項目

最新年度の値で一定

支払利息(旧債、リース債)

支払利息(新債)

その他営業外費用

企業債

長期前受金戻入(新設施設)様式9H-R2~R4様式9K-R2~R4様式9X-R2~R4

様式9-0

最新年度の値で一定

最新年度の値で一定

受水費 *

その他 *

20年間で直線的に減少

5年据置、25年償還、利息3.5%年賦で算出

-

-様式9-0

維持管理費 *

引当金 *

最新年度の値で一定

他会計出資補助金

「初期設定」シートにある最低補償資金残高の不足分を補完

なしと設定

40年間で直線的に減少

法定耐用年数40年、定額法、全額償還で算出

長期前受金戻入(既存施設)

初期設定

他会計借入金

国庫(県)補助金

工事負担金 *

表 2-2 財政収支の初期設定

収益的収支

項目行政人口

年間有収水量

給水収益(料金収入)

変更するシート空欄行政人口が入力されている場合、前年からの人口増減率を基に算出行政人口が未入力の場合、「初期設定」シートの人口増減率を基に算出

40年間で直線的に減少

法定耐用年数40年、定額法、全額償還で算出

減価償却費(既存施設、リース資産)

減価償却費(新規施設)

様式9-0

最新年度の値で一定その他営業外収益 *

様式9H-R2~R4様式9K-R2~R4様式9X-R2~R4

最新年度の値で一定

最新年度の値で一定

資本的収支

様式9H-R2~R4様式9K-R2~R4様式9X-R2~R4

様式9-0

最新年度の企業債残高分が、20年間で直線的に減少するよう設定

5年据置、25年償還、利息3.5%年賦で算出

最新年度の値で一定

最新年度の値で一定

企業債償還金(旧債、リース債)

企業債償還金(新債)

なしと設定

なしと設定

最新年度の値で一定

様式9-0

様式9H-R2~R4様式9K-R2~R4様式9X-R2~R4

最新年度の値で一定

事業拡張があれば計画・予定額を入力

算定した更新需要より更新事業費を設定

様式9-0リース債務があれば計画・予定額を入力

その他 *

 拡張費

様式9-0

-

様式9-0

濃いオレンジ 極力変更することが望ましい項目薄いオレンジ 将来値を持っており変更することができるなら変更したほうがよい項目

セルの色 入力ルール(ステップ1_2向け)濃い黄色 値を直接入力する。

拡張費+改良費+リース債務により算出

他会計長期借入金償還金 *

その他 *

 改良費

 リース債務

事業費

年間有収水量に、料金単価を乗じて算出

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⑥拡張計画の入力

◆ 簡易支援ツールでは、将来の事業を更新事業に基づく更新事業とそれ以外の拡張事業に区分し、財政収支の項目ではそれぞれ改良費、拡張費と表現しています。

◆ 拡張事業は、たとえば将来のダムの負担金の発生、管路未整備地区への布設、高度浄水処理施設の追加などであり、事業の拡張が途上にある場合は、様式9-0の36行目、「資本的収支」の「拡張費」の行に拡張事業費を入力してください。

◆ 拡張事業費に対応する財源計画は、55~58行目に入力してください。59行目の「自己財源等」は、拡張事業費から他の財源を差し引いた残額を充てるように計算

しており、財源の合計値は事業費と一致します。

◆ 拡張事業を起債で行う場合は、元利償還計画を61~64行目に入力してください。

◆ 拡張事業で得た資産の減価償却予定額は63行目、長期前受金戻入は64行目に入力してください。

拡張費 拡張事業費

改良費 更新事業費

⑦更新事業費の財源等の確認・変更

◆ 様式6-1J、様式7-1J、様式8-1Jで算定した更新需要は、更新事業費と見なし、それぞれ様式9H-R2~4、様式9K-R2~4、様式9X-R2~4の各シートで財政の設定を行っています。

※1:料金据置ケース

※2:財源確保ケース1・・・指定年数毎に料金改定を行う。

※3:財源確保ケース2・・・指定年数後に損益が±0になるように初年度に料金改定を行う。

◆ 簡易支援ツールの中で変更することが可能なのは、財源内訳、企業債の利率のみです。

◎ 今後も拡張事業がある場合は、様式9-0に、拡張計画として、拡張費及びその財源、元利償還計画、減価償却予定額を入力する。

財政収支の科目 事業区分 内容将来のダムの負担金の発生、管路未整備地区への布設、高度浄水処理施設の追加など。更新事業費以外の事業費これまでの検討で求めた更新需要を更新事業費として計上するもの。

表 2-3 拡張費と改良費

◎ 更新事業費の財源内訳の設定を確認し、変更したい場合は、様式9H-R2~様式9X-R4の各シートで財政の設定を行っています。

更新基準年数*指定倍率(※1)

更新基準年数(※1)

法定耐用年数(※1)

更新基準(ケース)

様式9X-R4

表 2-4 更新基準とシートの関係

様式9H-R3

様式9H-R4

様式9K-R2

様式9K-R3

様式9K-R4

更新基準年数*指定倍率(※3)

様式6-1J

様式6-1J

様式8-1J

法定耐用年数(※2)

法定耐用年数(※3)

更新基準年数(※2)

更新基準年数(※3)

更新基準年数*指定倍率(※2)

更新需要を算定しているシート 財源等を設定しているシート様式6-1J 様式9H-R2

様式9X-R2

様式9X-R3

様式7-1J

様式7-1J

様式7-1J

様式8-1J

様式8-1J

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◆ 更新事業費の財源内訳(55~59行目)のうち、55行目の企業債は、「初期設定」の最低補償資金残高の不足分を自動算出しています。

「初期設定」の最低補償資金残高の設定を変更することで企業債の発行額が変動します。

◆ 財源内訳のうち、企業債以外の補助金や出資金等の設定を行う場合は、56~58行目の該当項目に直接金額を入力してください。

59行目の「自己財源等」は、更新事業費から他の財源を差し引いた残額を充てるように計算しており、財源の合計値は事業費と一致します。

企業債はマクロと関数の組合せで算定しています。(算定に使用されている表の一部を抜粋)

◆ 起債の借入条件は、5年据置、25年償還、利息3.5%年賦と設定しており、簡易支援ツールでは「初期設定」シートにて条件変更が可能です。

「初期設定」シートの借入条件

◆ 様式6-1J、様式7-1J、様式8-1Jで算定した更新需要(更新事業費)の減価償却費は、様式9H-R2~様式9X-R4において次のような条件で算出しています。

法定耐用年数40年、償却率0.025全額償却

◆ 簡易支援ツールの中でこれらの条件を変更した計算は行えないので、変更したい場合は、別に計算を行い、その計算結果を財政収支の表の該当する行に直接入力してください。

減価償却予定額(更新事業)  62行目

◎ 更新事業費の減価償却費を確認し、変更したい場合は簡易支援ツールとは別途設定を行い、簡易支援ツールの様式9H-R2~様式9X-R4に反映する。

◎ 更新事業費の起債の借入条件は、様式9H-R2~様式9X-R4で確認し、必要に応じて変更する。

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◆ 様式6-1J、様式7-1J、様式8-1Jで算定した更新需要(更新事業費)の、長期前受金戻入は、様式9H-R2~様式9X-R4において次のような条件で算出しています。

資本的収入のうち、国庫(県)補助金、工事負担金、その他を対象法定耐用年数40年、償却率0.025全額償却

◆ 簡易支援ツールの中でこれらの条件を変更した計算は行えないので、変更したい場合は、別に計算を行い、その計算結果を財政収支の表の該当する行に直接入力してください。

長期前受金戻入(更新事業)  63行目

⑧料金水準の変更による試算

◆ 「初期設定」シートの財源確保設定シナリオの各シナリオ毎に2つの料金設定ケースを指定できます。

◆ 更新基準はシナリオ毎に異なるため、それぞれの差損益の状況に合わせて設定できます。

「初期設定」シートの一部抜粋

◆ 料金改定1では基準年度を架空の改定年とし、指定年後に初回の料金改定を行います。

◆ 料金改定2では初年度を改定年とし、指定年数の最終年が差損益±0になるように料金改定を行います。

◆ 料金改定はマクロと関数にて算定しているため、「初期設定」の変更ができましたらマクロを実行してください。

◎ 更新事業費の長期前受金戻入を確認し、変更したい場合は簡易支援ツールとは別途設定を行い、簡易支援ツールの様式9H-R2~様式9X-R4に反映する。

◎ 「初期設定」シートの財源確保設定シナリオの設定を行い、料金水準の変更による試算を行う。

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更新基準年数で改築、料金改定1ケースの様式9K-3の一部を抜粋

◆ 赤線で囲まれている部分が差損益になり、改定最終年(2030年)が±0になっているのが分かります。

◆ 料金改定前の差損益がプラスの場合は料金改定率をマイナス(値下げ)にせず、据え置ます。(2023年は2022年の差損益がプラスのため、改定なしになっています。)

◆ 料金改定の間隔は、試行錯誤的に、差損益の動きを見ながらいろいろためしてみてください。

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様式18(1)~(4)に検討結果の代表的なグラフがまとめて表示されます。

そのうち(1)、(3)、(4)は状況を簡単に整理した文を記入するようになっており、各欄にコメントを書き入れます。(書き方は、事例ファイルを参考にしてください。)

まとめの表には、管路総延長の実績を入力する欄がありますので、忘れずに入力してください。

最後に、作業したファイルを保存して終了です。

なお、代表的なグラフの説明は、参考資料p.50~55を参照してください。

  ステップ1のまとめ

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【様式18(1)】

(1) 更新を実施しなかった場合の健全度

◆ 更新を行わないので、グラフ(様式5-1Kグラフ)では、老朽化資産(法定耐用年数の1.5倍を超えた資産)が経年的に大きく増加していきます。

いつごろ、どの程度になるかを押さえます。(例えば、25年後には半数が老朽化資産となるなど)

◆ 健全度資産(法定耐用年数以下)は年とともに減少していくので、いつごろどの程度になるかも確認しましょう。

◆ このグラフの目的は、更新したあとの健全度と比較することで、更新の効果を説明することにあります。

(2) 法定耐用年数で更新した場合の健全度

◆ グラフは様式6-1Kで更新基準を法定耐用年数にすることで全ての資産が健全資産になることが確認できます。(ただし平準化機能を使用した場合は初年度から数年は健全資産以外も含まれる。)

(3) 更新基準年数および更新基準年数*指定倍率で更新した場合の健全度

◆ グラフは様式7-1K及び様式8-1Kで、更新基準が法定耐用年数よりも大きい年数になると、資産に経年化資産や老朽化資産が増加します。

◆ 将来どのような動きをとるかを把握します。

(4) 法定耐用年数で更新した場合の更新需要

◆ グラフは様式6-1Jでステップ1では法定耐用年数を40年と設定しています。

◆ 5年毎の更新需要(更新事業費)のグラフが表示されるので、ピーク時の時期等をコメントします。

◆ また、ステップ1の建築改良費の実績を用いた更新事業費が、想定される状況より多く出ているかあるいは少なく出ているか、そしてその要因は何かを推察します。

◆ 事業量が少なく出ている原因としては、S42年度以前の決算書がないため、昔に整備した資産が計上されない、開発業者からの受贈財産が計上されない、などが考えられます。

◆ 事業量が多く出ている原因としては、土地代や水利権等の費用も更新事業費に含まれている、すでに更新を行っている施設等が二重・三重計上になっている、といったことが考えられます。

(5) 更新基準年数および更新基準年数*指定倍率で更新した場合の更新需要

◆ グラフは様式7-1J及び様式8-1Jで、更新基準が法定耐用年数よりも大きい年数になると、(4)よりも更新事業費の発生が先送りにとなっているでしょう。

◆ 更新需要のピークはいつごろに変わったか、平準化のためにどうしたらよいか、といった視点の考察をコメント欄に入力します。

(6) 管路の延長

◆ 管路延長の最新実績値(km)を入力し、表示される更新基準60年、100年の場合の更新延長と更新の実態を比較し、コメント欄に考察を入力します。

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【様式18(2)~(4)】

様式18(2)は更新基準を法定耐用年数とした場合様式18(3)は更新基準を更新基準年数とした場合様式18(4)は更新基準を更新基準年数*指定倍率の年数とした場合

(7) 収益的収支(現行の料金を据え置いたケース)(8) 収益的収支(財源確保ケース1 数年間隔で料金改定)(9) 収益的収支(財源確保ケース 初年度料金改定 指定年後に差損益±0)

◆ グラフは様式9H-2~4収益的G、様式9K-2~4収益的G、様式9X-2~4収益的Gです。

◆ 支出の動向、収入の動向、収入と収支のバランスは経年的にどのように変化する見込みであるかを把握します。

◆ 料金の値上げ幅の程度等についてコメントします。

(10) 資本的収支(現行の料金を据え置いたケース)(11) 資本的収支(財源確保ケース1 数年間隔で料金改定)(12) 資本的収支(財源確保ケース 初年度料金改定 指定年後に差損益±0)

◆ グラフは様式9H-2~4資本的G、様式9K-2~4資本的G、様式9X-2~4資本的Gです。

◆ 収入と支出、資金残高は経年的にどのように変化する見込みであるかを把握します。

◆ 更新基準や財源確保(料金値上げ)を、資金残高の動向から見て評価します。

(13) 企業債残高

◆ グラフは様式9H-2~4資本的G、様式9K-2~4資本的G、様式9X-2~4資本的Gです。

◆ 企業債は各年度の資金残高に連動します。(最低確保資金残高の不足分を企業債で補完)

◆ 企業債は結果です。動向を把握します。

(14) 料金据置ケースと財源確保ケースの差引額と値上率

◆ グラフは値上率です。

◆ 料金据置ケースと財源確保ケースの比較(料金の差額と値上率)を見て評価します。

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ステップ1までの検討を終了したファイルは、別途保存してから、ステップ2をスタートしてください。(ステップ2は、ステップ1で作成したシートを上書きしていくためです。)

ステップ2_1の作業は、下記フロー図のとおりです。(簡易支援ツールの操作メニューより)

(1) 構造物・設備の更新需要を求めるために

[(1)構造物・設備の更新需要を求めるために]ボタンをクリックすると「様式2-1準備用」シートの入力方法~「様式2-1」シートの編集までの操作説明を表示します。

ステップ2 施設ごとに更新費用を算出してみる

  ステップ2_1 : 構造物・設備の更新需要を求める

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構造物・設備のリストを用意

◎ 取水施設、浄水場内施設、送配水ポンプ施設、配水池のリストを用意する。

◆ 構造物・設備の更新事業費は、費用関数を用い、規模等から算出するため、現在稼働中の構造物・設備のリストを用意します。

データを入力する様式2作成ファイルでは、表3-2の施設区分となっているので、このような単位で施設を把握してください。

事業年報等、活用できるものがあれば、作成する必要はありません。

◆ 費用関数は、『水道事業の再構築に関する施設更新費用算定の手引き』を基にしています。(ろ過機は手引きに掲載されていないため、独自に設定しています。)

◆ 各施設の規模に関し必要な情報は、施設能力(㎥/日)、配水池は有効容量(㎥)、場外送配水ポンプは1日送配水量(㎥/日)、井戸は深さ(m)です。

◆ 各施設は、建築年度の情報が必要です。将来の更新時期を設定するために使用するので、不明な場合はおおよその推測でも構わ

ないので、必ず準備をしてください。

◆ 建造した初期の施設を一式更新し、全てが新しくなっている場合は、更新の年次を「建設年度」に読み替えてください。

一部を更新している場合は、簡易支援ツールの様式2-1に戻ってから「取得年次」を変更します。

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(2) 様式2作成ファイル「様式2-1準備用」シートデータ入力

[(2) 様式2作成ファイル「様式2-1準備用」シートデータ入力]ボタンをクリックすると様式2作成ファイルを開き、「様式2-1準備用」シートを表示します。

◆ 「様式2-1準備用シート」には、表3-2のようにいくつかの施設が表示されており、クリックすると該当シートに移動します。

移動先のシート名は、「取水施設」「浄水施設(急速ろ過)」などで、そこで必要となる情報を黄色のセルに入力します。

◆ たとえば深井戸では、系統名(施設名称)、浄水場施設能力、建設年度を入力します。

◆ 建設年度(更新年度)が不明の場合、推測で構わないので、必ず入力してください。

◆ 更新需要算定に必要のない工種(該当する設備等がない場合)は、A列の「係数」の数値を「0」とします。

すると「⑥現在価格」「⑦取得年度」「⑧改築費」「⑩再改築費」はゼロになります。様式2-1準備シートに編集されますが簡易支援ツールの様式2-1には編集されません。「係数」は費用を補正するための増減率で、費用関数の数値が実態と相違した場合は「係数」

を変更して調整してください。

◆ 「⑥現在価格」「⑧改築費」「⑩再改築費」は費用関数で算出した価格を表示しています。

◆ 更新基準の法定耐用年数は、表3-4のように設定しています。

◆ 入力したい施設の種類が表に見当たらない場合は、似た施設の費用関数を用いてください。たとえば、調整池を所有している場合、費用関数に調整池はないので、配水池(RC)を用いる

などしてください。

◆ 似た施設の費用関数もなく、更新費用を設定できなかった構造物・設備(例えば、小規模な構造物・設備(増圧ポンプ場、減圧槽等))は、独自に更新費用を設定する必要があります。

その作業は、簡易支援ツールの様式2-1に戻ってから行います。

◎ 様式2作成ファイルを開き、様式2-1準備用シートから施設の種類を選び、該当するシートで施設能力、建築年度等を入力する。

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◆ データの入力により、更新費用が表示されるので、マクロボタンをクリックして、その情報を「様式2-1準備用」シートに編集します。

◆ マクロの実行はクリック毎に行われるため、ダブルクリック等の連打はしないでください。もし余計な書き出しを行ってしまった場合は、「様式2-1準備用」シートの余計な部分のセルの

内容を消してください。セルそのものの削除や行の削除は行わないでください。

◆ 入力と書き出しは、施設の数の分だけ繰り返します。たとえば深井戸が5ヶ所ある場合、「施設能力を入力⇒マクロで書き出し」を5回繰り返します。

◆ 入力と書き出しを繰り返す際、A列の係数を「0」としたのちに、もとに戻して使用したい場合は、M列「係数初期値」の値をA列に入力してください。

◎ [様式2-1準備用シートに適用」ボタンをクリックし、算出した更新費用を様式2-1準備用シートに書きだす。

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(3) 様式2-1準備用シートのデータを簡易支援ツールの様式2-1に編集

[(3)様式2-1準備用シートのデータを様式2-1に編集]ボタンをクリックすると様式2作成ファイルの「様式2-1準備用」シートのデータを簡易支援ツールの「様式2-1」シートに編集します。

◆ 様式2作成ファイルは保存し閉じた状態を推奨します。(開いたままの場合、マクロにてファイルを開こうとするため、確認メッセージが表示されます。)

◆ 簡易支援ツールの「様式2-1」にデータが存在する場合はクリアします。ステップ1で編集した「様式1」のデータであればクリアしても問題ありません。再度、様式2作成ファイルから編集する場合ですでに「様式2-1」シートに直接データ登録

したものは再入力が必要になります。

◆ 様式2作成ファイルの「様式2-1準備用」シートの「⑥現在価格」がゼロのデータは編集対象外となります。(各施設毎の入力時に「係数」をゼロとしたもの)

◆ 編集処理が終了すると様式2作成ファイルは自動的に閉じます。

(4) 様式2-1を確認

[(4) 様式2-1を確認]ボタンをクリックすると「様式2-1」シートを表示します。

◆ 費用関数による更新費用を設定できず、様式2-1に不足している施設があれば、施設に関するデータを直接入力してください。

◆ また、費用関数の適用範囲より小さい施設(施設能力が1,000㎥/日以下)の場合は、更新費用が実績を乖離していないか確認してください。

◆ 簡易支援ツールの様式2-1に余分なデータが存在する場合は、該当する行のうちB列からL列までを選び、右クリックの削除で「上方向にシフト」の部分的な削除を行ってください。

◆ 行の削除はしないでください。また、セルの内容を消去して表の途中で空欄となる行を設けないでください。

◎ 簡易支援ツールの様式2-1の施設に余分なものがあれば削除する。

◎ 費用関数による更新費用を設定できなかった施設があれば、様式2-1でデータを追加する。

◎ マクロによるファイル間のデータ編集について

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◆ 様式2-1で、一部の施設の更新を行っている場合、「⑦取得年度」を更新時期に変更し、更新の実績をデータに反映させます。

(5) 構造物・設備の「健全度・更新需要」算定処理の実行

[(5) 構造物・設備の「健全度・更新需要」算定処理の実行]ボタンをクリックすると様式2-1のデータを基に「初期設定」のパラメータに従い、「健全度・更新需要」算定処理を行います。

(ステップ1_1 (5)と同一のマクロ処理です。)

(6) 表・グラフの確認

◆ (5)までの作業が終わると、ステップ1で作成した各シートの内容が変更され、グラフもステップ1とは異なる状態であることを確認してください。

◆ ステップ1と内容が変わらないのは、以下の3シートのみです。

様式1 (年度別建設改良費の実績)

様式9-1 (財政収支の実績)

様式9-0 ((財政)将来値の予定が決まっている項目の入力用シート)

◎ 施設更新の実績を「取得年度」に反映する。

◎ 更新需要、健全度、財政収支の見通しの表・グラフが変更されてることを確認する。

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マッピングを導入済みの事業者では、「いつ」、「どのような管路を」、「どこへ」布設したかをデータベースとして把握できるため、アセットマネジメントへの活用が期待されます。しかしながら、マッピングを導入していない場合は、データベース化が困難です。

そこで、管路の統計データ(管種別延長)を事業期間で配分し、管種別・整備年次別延長を仮定することでアセットマネジメントの基本データを作成します。

ステップ2_2の作業は、下記フロー図のとおりです。(簡易支援ツールの操作メニューより)

(1) 管路の更新需要を求めるために

[(1)管路の更新需要を求めるために]ボタンをクリックすると「管路布設情報入力」シートの入力方法~「様式2-2」シートの編集までの操作説明を表示します。

(2) 様式2作成ファイル「様式2-2準備用」シートデータ入力

[(2) 様式2作成ファイル「様式2-2準備用」シートデータ入力]ボタンをクリックすると様式2作成ファイルを開き、「管路布設情報入力」シートを表示します。

◆ 独自単価を使用している場合はその単価を設定してください。

◆ ダクタイル鋳鉄管、硬質塩化ビニル管、ポリエチレン管以外の工種の場合は必要に応じて単価を設定してください。(口径は正確性を問いません。)

  ステップ2_2 : 管路の更新需要を求める

◎ 様式2作成ファイルを開き、「単価情報」シートに単価を入力する。

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◆ 用途(A列)、管種(B列)、口径(C列)、施工区分(D列)はドロップダウンリストより選択してください。

◆ 延長(E列)、布設年度(F列)はデータを直接入力してください。

◆ 必要な情報を入力しても単価がゼロの場合は「単価情報」の単価が未設定となっています。管種、口径、施工区分を確認し、必要に応じて単価を設定してください。

◆ 用途~管種コードのデータがすべて設定されている状態か確認してください。

◆ 管路の布設情報の入力が終了しましたら様式2作成ファイルを保存し、閉じてください。

(3) 様式2-2準備用シートのデータを様式2-2に編集

[(3)様式2-2準備用シートのデータを様式2-2に編集]ボタンをクリックすると様式2作成ファイルの「様式2-2準備用」シートのデータを簡易支援ツールの「様式2-2」シートに編集します。

◆ 様式2作成ファイルは保存し閉じた状態を推奨します。(開いたままの場合、マクロにてファイルを開らこうとするため、確認メッセージが表示されます。)

◆ 簡易支援ツールの「様式2-2」にデータが存在する場合はクリアします。再度、様式2作成ファイルから編集する場合ですでに「様式2-2」シートに直接データ登録

したものは再入力が必要になります。

◆ 編集処理が終了すると様式2作成ファイルは自動的に閉じます。

(4) 様式2-2を確認

[(4) 様式2-2を確認]ボタンをクリックすると「様式2-2」シートを表示します。

◎ 様式2作成ファイルの「管路布設情報入力」シートに管路の布設情報を入力する。

◎ マクロによるファイル間のデータ編集について

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(5) 管路の「健全度・更新需要」算定処理の実行

[(5) 管路の「健全度・更新需要」算定処理の実行]ボタンをクリックすると様式2-2のデータを基に「初期設定」のパラメータに従い、「健全度・更新需要」算定処理を行います。

(ステップ1_1 (5)と同様の操作をします。)

(6) 表・グラフの確認

◆ ステップ2_2の検討が終了すると、ステップ2_1まででは作成されなかった管路関係のシートが加わり、すでに完成したシートの内容が変更となり、グラフもステップ1とは異なるグラフ等が描かれていることを確認してください。

◎ 更新需要、健全度、財政収支の見通しの表・グラフが変更されてることを確認する。

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水道事業は、将来需要水量の減少に伴い料金収入が減少し、財政状況がきびしくなると一般的には考えられています。

そこで、料金水準を変更する(上げる)ことで財源確保をする場合に、どの程度の料金値上げが必要となるのかを試算してみます。

ステップ2_3の作業は、下記フロー図のとおりです。(簡易支援ツールの操作メニューより)

(1) 初期設定(財源確保シナリオパラメータの変更)

「初期設定」シートの一部を抜粋

◆ 各シナリオ毎の「財政収支見通し(財源確保ケース1)または(財源確保ケース2)」シートに料金改定率等を算出するための条件を設定してください。

◆ 企業債に関する条件は各シナリオ共通で、料金改定の条件はシナリオ毎に変更が可能です。

(2) 企業債・料金改定率の算定処理の実行

◆ 各シナリオ毎に40年分の財源算定処理を行います。

(3) 表・グラフの確認

◆ ステップ2_3の検討が終了すると、ステップ2_2まででは作成されなかった料金据置ケースと財源確保ケースの差引額と値上率が加わり、すべてのグラフが描かれていることを確認してください。

  ステップ2_3 : 料金水準の変更による試算

◎ 「初期設定」シートの財源確保に関する情報を必要に応じて変更する。

◎ 財政収支の見通しの表・グラフが変更されてることを確認する。

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ステップ1のまとめと同様に、様式18に、検討結果のグラフがまとめられるので、グラフを見ながら、必要に応じてもとの表も参考にしながら、コメントを書き入れます。

ファイルを保存したら終了となります。

  ステップ2のまとめ

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ステップ2までの検討を終了したファイルは、別途保存してから、ステップ3をスタートしてください。(ステップ3は、ステップ2で作成したシートを上書きしていくためです。)

ステップ3の作業は、下記フロー図のとおりです。(簡易支援ツールの操作メニューより)

(1) 簡易ツールの別ファイル保存(ファイルコピー) 

ステップ1_1(8)に記載

(2) 初期設定(更新基準年数の変更) 

(3) 構造物・設備(様式2-1)のデータ変更 (4) 管路(様式2-2)のデータ変更 

◆ 構造物・設備、管種によっては、経験的に更新する年数を決めており、それは初期設定の更新基準年数とは異なっている場合もあるでしょう。

様式2-1と様式2-2では更新基準を個別に(行単位の工種、管種ごとに)変更することが可能です。

◆ そこで、変更したい構造物・設備を把握し、表示されている更新基準(年)からいくつに変更するかを、次の入力作業のために整理しておいてください。(整理のための表は用意していませんので、独自のメモ等でかまいません。)

◆ なお、「参考資料7.更新基準(実使用年数)の設定例」に事業者における更新実績を紹介しています。(「初期設定」シートにも同様に記載されています。)

◎ 様式2-1、様式2-2で、更新基準を変更したい構造物・設備および管路をピックアップする。

ステップ3 更新基準と更新規模の精度を上げる

  ステップ2までのファイルを別途保存

◎ 保存ファイル名を指定し、簡易支援ツールを別ファイルに保存する。

◎ 一律で更新基準年数を微調整したい場合は、「初期設定」シートの更新基準年度を変更する。

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◆ ピックアップした施設の更新基準の変更を、様式2-1の「⑪更新基準(現有施設)」、様式2-2の「⑩更新基準(現有施設)」のセルに直接、値を上書きして行います。

もし、間違えて別の行の更新基準を変更してしまった場合は、変更していない行の項目をコピー&ペーストすると元に戻せます。(式をコピーすることで元のデータに戻ります。)

◆ 現有施設または現有管路の更新を実施したあとの、その次の更新基準を更新したい場合は、様式2-1の「⑫更新基準(更新後)」、様式2-2の「⑪更新基準(更新後)」のセルに直接、値を上書きして行います。

◆ たとえば、現有資産の配水池(40年経過)は耐震化の問題もあり、5年後に更新する予定としたいので、法定耐用年数よりも短い45年経過後の更新となるが、更新後は法定耐用年数よりも長い80年後に次の更新と設定したい、という例の場合、様式2-1で「⑪更新基準(現有施設)」は45年、「⑫更新基準(更新後)」は80年を入力します。

図 4-2 様式2-1、様式2-2 更新基準を変更する場合の入力場所

◆ たとえば、10ヶ所の配水池を耐震化や更新を機に7ヶ所に統廃合したい、といった場合、様式2-1で廃止予定の3ヶ所の配水池の金額「⑩再投資価格」をゼロに変更します。

◆ たとえば、浄水場の規模を8,000㎥/日から5,000㎥/日に縮小したい場合、様式2作成ファイルにある費用関数より5,000㎥/日の更新費用を算出し、簡易支援ツールの様式2-1にある8,000㎥/日の費用に手入力で書き換えます。

規模縮小の更新費用は、様式2作成ファイルを使用せず、見積りや類似事例から設定してもかまいません。

◆ 費用関数から算出した更新費用(様式2-1の「⑩再投資価格」)をたとえば、類似施設の実績を踏まえた金額に変更したい、あるいは見積りをとったのでその金額に変更したい、といった場合は、「⑩再投資価格」の欄に、直接その金額を入力します。

◆ マッピングデータを活用できる場合は、様式2-2の内容に合わせてデータを整理・入力し、更新需要の算定、財政収支の見通しの検討を行ってください。

◎ 様式2-1、様式2-2で、ピックアップした構造物・設備及び管路の更新基準の変更を直接入力する。

◎ 施設の統廃合、規模縮小の予定を反映したい場合は、様式2-1に入れる。

◎ 施設の更新費用(様式2-1の再投資価格)を更新したい場合は、その金額を入力する。

◎ 管路の基本データにマッピングデータが活用できる場合は、活用を図る。

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(5) 構造物・設備の「健全度・更新需要」算定処理の実行(6) 管路の「健全度・更新需要」算定処理の実行

◆ 「初期設定」シートのシナリオ作成情報の処理区分を変更する。マクロの処理速度を早くする効果があります。

◆ 様式2-1を変更した場合は「(5) 構造物・設備の「健全度・更新需要」算定処理の実行」を行い、様式2-2を変更した場合は「(6) 管路の「健全度・更新需要」算定処理の実行」を行ってください。

◆ ステップ2_3(2)を参照してください。

ステップ2のまとめと同様に、様式18に、検討結果のグラフがまとめられるので、グラフを見ながら、必要に応じてもとの表も参考にしながら、コメントを書きいれます。

◎ [(5) 構造物・設備の「健全度・更新需要」算定処理の実行]、[(6) 管路の「健全度・更新需要」算定処理の実行]ボタンをクリックする。

◎ 財源について、更新事業費がステップ2と異なるため、ステップ2_3(2) 企業債・料金改定率の算定処理の実行を行う。

  ステップ3のまとめ

◎ 改築未実施・法定耐用年数で改築シナリオを実行しないようにする。

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【参考資料】

1.簡易支援ツールのシートと内容

新規作成

新規作成

新規作成

新規作成

新規作成

新規作成

新規作成様式9K-3方法

更新基準を更新基準年数とする場合の資本的収支・資金残高総括表(料金据置ケース)

更新基準を更新基準年数とする場合の算定方法(料金据置ケース)

更新基準を更新基準年数とする場合の財源、元利償還計画、減価償却費計算(財源確保ケース1)

更新基準を更新基準年数とする場合の財政収支見通し(財源確保ケース1)

更新基準を更新基準年数とする場合の収益的収支見通し(財源確保ケース1)

更新基準を更新基準年数とする場合の算定方法(財源確保ケース1)

シート名変更

シート名変更

シート名変更

シート名変更

シート名変更

新規作成

新規作成

新規作成

新規作成

シート名変更

シート名変更

シート名変更

シート名変更

新規作成

新規作成

新規作成

新規作成

新規作成

シート名変更

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シート名変更

シート名変更

シート名変更

項目追加

項目追加

シート名変更

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シート名変更

シート名変更

シート名変更

様式5-2Kの値を利用したグラフ(検討期間40年と100年の2種類)

様式6-1K 法定耐用年数で更新した場合の健全度(構造物及び設備)

シート名変更

シート名変更

シート名変更

シート名変更

新規作成

新規作成

新規作成

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新規作成

新規作成

新規作成

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シート名変更

更新基準を更新基準年数とする場合の財源、元利償還計画、減価償却費計算(財源確保ケース2)様式9K-R4

様式9K-4 更新基準を更新基準年数とする場合の財政収支見通し(財源確保ケース2)

様式9K-4収益的G 更新基準を更新基準年数とする場合の収益的収支見通し(財源確保ケース2)

様式9K-4資本的G 更新基準を更新基準年数とする場合の資本的収支・資金残高総括表(財源確保ケース2)

様式9K-4方法 更新基準を更新基準年数とする場合の算定方法(財源確保ケース2)

様式8-1K 更新基準年数*指定倍率の年数で更新した場合の健全度(構造物及び設備)

様式8-1K(グラフ) 様式8-1Kの値を利用したグラフ(検討期間40年と100年の2種類)

様式8-1J 更新基準年数*指定倍率の年数で更新した場合の更新需要(構造物及び設備)

シート名 シートの内容操作メニュー シートへの入力やマクロの実行を操作するためのメニュー

様式2-1 建造物及び設備の取得年度、現在価格等

様式2-1(グラフ) 様式2-1の値を利用したグラフ

様式2-2 管路の布設年度別延長

初期設定 マクロや関数で使用するパラメータを管理

表グラフ確認 作成された表グラフシートを確認(ハイパーリンク機能)

様式1 年度別建築改良費の実績

様式2-2(グラフ) 様式2-2の値を利用したグラフ

様式5-1K 更新を実施しなかった場合の健全度(構造物及び設備)

様式5-1K(グラフ) 様式5-1Kの値を利用したグラフ(検討期間40年と100年の2種類)

様式6-2K 法定耐用年数で更新した場合の健全度(管路)

様式6-2K(グラフ) 様式6-2Kの値を利用したグラフ(検討期間40年と100年の2種類)

様式5-2K 更新を実施しなかった場合の健全度(管路)

様式5-2K(グラフ)

様式6-2J 法定耐用年数で更新した場合の更新需要(管路)

様式6-1K(グラフ) 様式6-1Kの値を利用したグラフ(検討期間40年と100年の2種類)

様式6-1J 法定耐用年数で更新した場合の更新需要(構造物及び設備)

様式6-1J(グラフ) 様式6-1Jの値を利用したグラフ(検討期間40年と100年の2種類)

様式7-1J 更新基準年数で更新した場合の更新需要(構造物及び設備)

様式7-1J(グラフ) 様式7-1Jの値を利用したグラフ(検討期間40年と100年の2種類)

様式7-2K 更新基準年数で更新した場合の健全度(管路)

様式6-2J(グラフ) 様式6-2Jの値を利用したグラフ(検討期間40年と100年の2種類)

様式7-1K 更新基準年数で更新した場合の健全度(構造物及び設備)

様式7-1K(グラフ) 様式7-1Kの値を利用したグラフ(検討期間40年と100年の2種類)

様式7-2K(グラフ) 様式7-2Kの値を利用したグラフ(検討期間40年と100年の2種類)

様式7-2J 更新基準年数で更新した場合の更新需要(管路)

様式7-2J(グラフ) 様式7-2Jの値を利用したグラフ(検討期間40年と100年の2種類)

様式8-2J 更新基準年数*指定倍率の年数で更新した場合の更新需要(管路)

様式8-2J(グラフ) 様式8-2Jの値を利用したグラフ(検討期間40年と100年の2種類)

様式9-0将来金額入力用(様式9シリーズ共通)、既往歴の元利償還、既存施設の減価償却費、拡張計画(事業費及び財源、元利償還計画、原価償却費)

様式8-1J(グラフ) 様式8-1Jの値を利用したグラフ(検討期間40年と100年の2種類)

様式8-2K 更新基準年数*指定倍率の年数で更新した場合の健全度(管路)

様式8-2K(グラフ) 様式8-2Kの値を利用したグラフ(検討期間40年と100年の2種類)

様式9H-2収益的G 更新基準を法定耐用年数とする場合の収益的収支見通し(料金据置ケース)

様式9H-2資本的G 更新基準を法定耐用年数とする場合の資本的収支・資金残高総括表(料金据置ケース)

様式9H-2方法 更新基準を法定耐用年数とする場合の算定方法(料金据置ケース)

様式9-1 財政収支の実績

様式9H-R2 更新基準を法定耐用年数とする場合の財源、元利償還計画、減価償却費計算(料金据置ケース)

様式9H-2 更新基準を法定耐用年数とする場合の財政収支見通し(料金据置ケース)

様式9H-3資本的G 更新基準を法定耐用年数とする場合の資本的収支・資金残高総括表(料金据置ケース)

様式9H-3方法 更新基準を法定耐用年数とする場合の算定方法(料金据置ケース)

様式9H-R4 更新基準を法定耐用年数とする場合の財源、元利償還計画、減価償却費計算(財源確保ケース2)

様式9H-R3 更新基準を法定耐用年数とする場合の財源、元利償還計画、減価償却費計算(料金据置ケース)

様式9H-3 更新基準を法定耐用年数とする場合の財政収支見通し(料金据置ケース)

様式9H-3収益的G 更新基準を法定耐用年数とする場合の収益的収支見通し(料金据置ケース)

様式9H-4方法 更新基準を法定耐用年数とする場合の算定方法(財源確保ケース2)

様式9H-4 更新基準を法定耐用年数とする場合の財政収支見通し(財源確保ケース2)

様式9H-4収益的G 更新基準を法定耐用年数とする場合の収益的収支見通し(財源確保ケース2)

様式9H-4資本的G 更新基準を法定耐用年数とする場合の資本的収支・資金残高総括表(財源確保ケース2)

様式9K-3資本的G 更新基準を更新基準年数とする場合の資本的収支・資金残高総括表(財源確保ケース1)

様式9K-R2

様式9K-2

様式9K-2収益的G

様式9K-2資本的G

様式9K-2方法

様式9K-R3

様式9K-3

様式9K-3収益的G

更新基準を更新基準年数とする場合の財源、元利償還計画、減価償却費計算(料金据置ケース)

更新基準を更新基準年数とする場合の財政収支見通し(料金据置ケース)

更新基準を更新基準年数とする場合の収益的収支見通し(料金据置ケース)

備考参考表-1 簡易支援ツールのシートと内容

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項目名変更

項目名変更

シート名変更

シート名変更

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塗りつぶし部分のシートはマクロ用のワークシートのため、「操作メニュー」「表グラフ確認」シートからのリンク表示は行っていません。

2.様式2作成ファイルのシートと内容

様式2-2準備用 簡易支援ツールの様式2-2へデータを編集するためのシート(管路用)

管路布設情報入力 管種別の布設更新情報の入力用シート

単価情報 管種・口径別の単価情報(独自単価の登録)

新規作成

新規作成

配水池 配水池の更新費用算出用シート(費用関数)

浄水場内施設(膜ろ過) 浄水場内施設(膜ろ過)の更新費用算出用シート(費用関数)

浄水場内施設(紫外線) 浄水場内施設(紫外線)の更新費用算出用シート(費用関数)

浄水場内施設(ろ過機) 浄水場内施設(ろ過機)の更新費用算出用シート(費用関数)

浄水場内施設(その他) 浄水場内施設(その他)の更新費用算出用シート(費用関数)

様式2-2準備について 様式2作成ファイルの様式2-2データの入力手順

シート名 シートの内容

様式9-0について 様式9-0のデータ入力方法

自己財源について 企業債の発行基準と料金改定率の算出方法

送配水ポンプ施設 送配水ポンプ施設の更新費用算出用シート(費用関数)

様式2-1準備用 簡易支援ツールの様式2-1へデータを編集するためのシート(建造物・設備用)

取水施設 取水施設の更新費算出用シート(費用関数)

浄水場内施設(急速ろ過) 浄水場内施設(急速ろ過)の更新費用算出用シート(費用関数)

計算シート4-3 更新基準年数改築シナリオ(構造物及び設備)更新需要算出マクロ用ワークシート

計算シート4-4 更新基準年数*倍率改築シナリオ(構造物及び設備)更新需要算出マクロ用ワークシート

計算シート5-2 法定耐用年数改築シナリオ(管路)更新需要算出マクロ用ワークシート(前バージョンでは共用)

計算シート5-3 更新基準年数改築シナリオ(管路)更新需要算出マクロ用ワークシート

様式2-1準備について 様式2作成ファイルの様式2-1データの入力手順

計算シート5-4 更新基準年数*倍率改築シナリオ(管路)更新需要算出マクロ用ワークシート

はじめる前に ステップ1_1の作業手順

様式9-1について 様式9-1のデータ入力方法

計算シート3-1 改築未実施シナリオ(管路)健全度算出マクロ用ワークシート(前バージョンでは共用)

計算シート3-2 法定耐用年数改築シナリオ(管路)健全度算出マクロ用ワークシート

計算シート3-3 更新基準年数改築シナリオ(管路)健全度算出マクロ用ワークシート

計算シート3-4 更新基準年数*倍率改築シナリオ(管路)健全度算出マクロ用ワークシート

計算シート4-2法定耐用年数改築シナリオ(構造物及び設備)更新需要算出マクロ用ワークシート(前バージョンでは共用)

値上率 各シナリオの料金据置ケースと財源確保ケースを比較した表グラフ

計算シート2-1 改築未実施シナリオ(構造物及び設備)健全度算出マクロ用ワークシート(前バージョンでは共用)

新規作成

計算シート2-2 法定耐用年数改築シナリオ(構造物及び設備)健全度算出マクロ用ワークシート

計算シート2-3

計算シート2-4

更新基準年数改築シナリオ(構造物及び設備)健全度算出マクロ用ワークシート

更新基準年数*倍率改築シナリオ(構造物及び設備)健全度算出マクロ用ワークシート

様式18(4)まとめ_財政グラフ 更新基準を更新金順年数*倍率とする場合の財政収支の見通しグラフ(コメント記入欄あり)

様式9X-3方法 更新基準を更新基準年数*倍率とする場合の算定方法(財源確保ケース1)

様式9X-2 更新基準を更新基準年数*倍率とする場合の財政収支見通し(料金据置ケース)

様式9X-2収益的G 更新基準を更新基準年数*倍率とする場合の収益的収支見通し(料金据置ケース)

様式9X-4方法 更新基準を更新基準年数*倍率とする場合の算定方法(財源確保ケース2)

様式9X-R2 更新基準を更新基準年数*倍率とする場合の財源、元利償還計画、減価償却費計算(料金据置ケース)

シート名 シートの内容

様式9X-2資本的G 更新基準を更新基準年数*倍率とする場合の資本的収支・資金残高総括表(料金据置ケース)

様式9X-2方法 更新基準を更新基準年数*倍率とする場合の算定方法(料金据置ケース)

様式9X-R3 更新基準を更新基準年数*倍率とする場合の財源、元利償還計画、減価償却費計算(財源確保ケース1)

様式18(1)まとめ_健全度と更新需要

まとめのためのグラフ表示とコメント記入用の表(健全度、更新重要)(検討期間が100年のグラフを表示)

様式9X-4収益的G 更新基準を更新基準年数*倍率とする場合の収益的収支見通し(財源確保ケース2)

様式9X-4資本的G 更新基準を更新基準年数*倍率とする場合の資本的収支・資金残高総括表(財源確保ケース2)

様式9X-R4 更新基準を更新基準年数*倍率とする場合の財源、元利償還計画、減価償却費計算(財源確保ケース2)

様式9X-4 更新基準を更新基準年数*倍率とする場合の財政収支見通し(財源確保ケース2)

様式9X-3 更新基準を更新基準年数*倍率とする場合の財政収支見通し(財源確保ケース1)

様式9X-3収益的G 更新基準を更新基準年数*倍率とする場合の収益的収支見通し(財源確保ケース1)

様式9X-3資本的G 更新基準を更新基準年数*倍率とする場合の資本的収支・資金残高総括表(財源確保ケース1)

様式18(2)まとめ_財政グラフ 更新基準を法定耐用年数とする場合の財政収支の見通しグラフ(コメント記入欄なし)

様式18(3)まとめ_財政グラフ 更新基準を更新金順年数とする場合の財政収支の見通しグラフ(コメント記入欄あり)

備考参考表-1 簡易支援ツールのシートと内容

備考参考表-2 様式2作成ファイルのシートと内容

シート名変更

新規作成

シート名変更

シート名変更

シート名変更

新規作成

新規作成

新規作成

新規作成

新規作成

新規作成

新規作成

新規作成

新規作成

シート名変更

新規作成

新規作成

新規作成

新規作成

新規作成

新規作成

グラフ追加

グラフ追加

グラフ追加

新規作成

新規作成

新規作成

新規作成

新規作成

新規作成

新規作成

シート名変更

シート名変更

シート名変更

シート名変更

シート名変更

シート名変更

シート名変更

シート名変更

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3.簡易支援ツールの様式、様式2作成ファイルのシート間の関係

様式2作成ファイル

構造物及び設備のデータ入力 管路のデータ入力

簡易支援ツール

構造物及び設備 管路

更新年数等 更新年数等

処理情報 処理情報

健全度(未改築、法定耐用、更新基準、更新基準*倍率) 健全度(未改築、法定耐用、更新基準、更新基準*倍率)

更新需要(法定耐用、更新基準、更新基準*倍率) 更新需要(法定耐用、更新基準、更新基準*倍率)

法定耐用年数で改築(料金据置ケース) 補足説明

データの入力が必要

必要に応じてデータを変更

改定条件等 改定率の算出はしない

関数またはマクロによる編集のみ

データの共有をしない

複数のシートでデータを共有

法定耐用年数で改築(財源確保ケース1) 算出された企業債のデータを「様式9H-R3」に編集し、

指定年数間隔で料金改定 元利償還計算の結果を「様式9H-3」に編集する。

マクロは1回の実行ですべてのシナリオ・ケースの

算出を行う。

改定条件等

マクロの実行企業債・改定率算出

様式6-1J

様式6-2J様式9H-3収益的G

様式9H-3資本的G

様式1

様式9-0様式9H-R3 様式9H-3

様式9-1

様式6-1K様式5-1K 様式7-1K 様式8-1K

様式6-1J

様式6-2J

様式9-1マクロの実行

企業債・改定率算出

様式9H-2

初期設定

様式9H-3

初期設定マクロの実行

企業債・改定率算出

様式9H-R2

初期設定

黄色

水色

単線

二重線

様式9H-R3

様式6-2K 様式7-2K

マクロの実行更新需要の算出

様式6-1J 様式7-1J

様式9-0

マクロの実行更新需要の算出

初期設定

様式5-2K

様式9H-3

オレンジ

様式9H-2

様式8-2K

様式8-1J 様式6-2J 様式7-2J 様式8-2J

様式9H-2資本的G

様式9H-2収益的G

取水施設浄水場内

施設送配水

ポンプ施設配水池

様式2-1準備用

管路布設情報入力

単価情報

様式2-2準備用

様式2-1 様式2-2初期設定 初期設定

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簡易支援ツール

法定耐用年数で改築(財源確保ケース2)

指定年数後に損益が±0になるよう初年度に料金改定

改定条件等

更新基準年数で改築(料金据置ケース)

改定条件等 改定率の算出はしない

更新基準年数で改築(財源確保ケース1)

指定年数間隔で料金改定

改定条件等

更新基準年数で改築(財源確保ケース2)

指定年数後に損益が±0になるよう初年度に料金改定

改定条件等

様式9-0

様式9K-R4 様式9K-4

様式7-1J

様式7-2J様式9K-4収益的G

様式9K-4資本的G

様式7-1J

様式7-2J様式9K-3収益的G

様式9K-3資本的G

様式9K-4

様式9-1 初期設定マクロの実行

企業債・改定率算出

様式9K-3

様式9-1 初期設定マクロの実行

企業債・改定率算出

様式9-0

様式9K-R3 様式9K-3

様式9-1 初期設定

様式7-1J

様式7-2J様式9K-2収益的G

様式9K-2資本的G

様式9K-2

様式9-1 初期設定マクロの実行

企業債・改定率算出

様式9-0

様式9K-R2 様式9K-2

様式9-0

様式9H-R4 様式9H-4

様式6-1J

様式6-2J様式9H-4収益的G

様式9H-4資本的G

様式9H-4

マクロの実行

企業債・改定率算出

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簡易支援ツール

更新基準年数*倍率で改築(料金据置ケース)

改定条件等 改定率の算出はしない

更新基準年数*倍率で改築(財源確保ケース1)

指定年数間隔で料金改定

改定条件等

更新基準年数*倍率で改築(財源確保ケース2)

指定年数後に損益が±0になるよう初年度に料金改定

改定条件等

各シナリオ毎に料金据置ケースと財源確保ケースの差額と値上率を算出

様式9H-4

様式9K-2

様式9K-3

様式9K-4

様式9X-2

様式9X-3

様式9X-4

値上率

様式9-0

様式9X-R4 様式9X-4

様式8-1J

様式8-2J様式9X-4収益的G

様式9X-4資本的G

様式9H-2

様式9H-3

様式9-0

様式9X-R3 様式9X-3

様式8-1J

様式8-2J様式9X-3収益的G

様式9X-3資本的G

様式9X-4

様式9-1 初期設定マクロの実行

企業債・改定率算出

様式9-0

様式9X-R2 様式9X-2

様式8-1J

様式8-2J様式9X-2収益的G

様式9X-2資本的G

様式9X-3

様式9-1 初期設定マクロの実行

企業債・改定率算出

様式9X-2

様式9-1 初期設定マクロの実行

企業債・改定率算出

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4.手引きの”タイプ”との関係

手引きでは、アセットマネジメントの検討レベルにより、”タイプ”分けをしています。ステップ1~3の更新需要は、タイプ1~3に該当します。財政収支の見込みは、どの段階でもタイプCです。(それより下位のレベルのタイプA、Bは用意して

いません。ある程度の仮定を設ければ、収益的収支、資本的収支の両方の簡易な財政シミュレーションを行うことが可能であるためです。)

なお、勘定科目の将来見込みの精度を上げれば、同じタイプCでも財政収支見通しを充実させることができます。ただし、簡易ツールの中には勘定科目の将来設定の精度を上げるための仕組みはないため、別のところで検討を行い、その成果を簡易ツールに反映させることになります。

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5.代表的なグラフの説明

○ 資産の健全度資産の健全度は、資産全体の言わば年齢分布を表し

ています。資産は、時間の経緯とともに不具合が生じやすくなり、

機能停止・事故発生等のリスクが高まると考えられます。そこで、資産を使用経過時間に応じて健全資産、経年

化資産、老朽化資産の3区分に分類し、その割合の変化を見ます。

資産の健全度の経年的な変化を見ることで、経年的なリスクの変化や資産の更新必要性の変化が把握できます。

健全資産は、問題なく使用できると考えられる時間経過以内の資産です。経年化資産は、一定程度の使用期間を経て、リスクはそれほど高くないが今後の更新

対策を考えていくべき資産です。老朽化資産は、適切な使用期間を超えて使用し続けており、速やかに更新することが望ましいと考えられる資産です。

上のグラフは、管路の更新を行わない場合の健全度の例、下のグラフは更新を法定耐用年数の1.5倍で行った場合の例です。

グラフを比較することで、更新事業を行うことによりリスクの大きな老朽化資産を持たずに事業を継続できることが視覚的に把握でき、更新の必要性や効果を確認することができます。

参考図-2 資産の健全度(法定耐用年数の1.5倍で

更新を行った場合の例)

参考図-1 資産の健全度(更新を行わない場合の例)

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○ 更新需要

更新すべき資産の量と更新時期を金額(管路の場合は延長)で表しています。

更新すべきかどうかは、更新基準(更新を実際に行う実耐用年数)を超えているか否かにより判断されます。  すなわち、該当する期間に更新基準を超えた資産の量が、更新需要となります。

ステップ1では、更新需要をこれまでの投資額である建設改良費の実績から求めているため、更新需要の内訳はわかりません。また更新基準は、平均的な耐用年数の設定値を用いています(40年)。そのため、いつごろどのような施設の更新需要があるか、という点は明確ではありませんが、中長期的な更新需要のボリューム感は把握できるでしょう。

ステップ2の検討のように、資産の内容がわかれば、更新需要の内容(工種:土木、電気、機械など)も把握できるようになります。

参考図-3 ステップ1の更新需要の例

参考図-4 ステップ2の更新需要の例

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○ 収益的収支

収益的収支は、1年間の企業の経営活動に伴って発生するすべての収入と収支のことで、サービスを提供するために要する支出(水作るための支出)と、サービスの代価による収入(水道料金収入等)を表したものです。

収益的収支の大部分は、水道料金収入です。一般的に料金収入は、人口減少等に伴う使用水量の減少により、減少していくと見込まれます。(料金水準に変化がない場合。)

収益的収支は、電気代や運転委託費などのランニングコストと、資本的な費用(減価償却費、支払利息)を含みます。

また、収益的支出のうち資本的な費用(減価償却費、支払利息)は、事業を実施するとその影響が時間遅れで一定期間に及ぶように現れます。

収益は収益的収支・支出の差分であり、支出が収入を上回ると”赤字”となりますが、支出には現金支出を伴わない原価償却費を含むため、直ちに資金不足となるものではありません。

収入が支出を上回り、黒字となった場合、更新需要や拡張事業などに必要な経費(資本的収支)の財源に回されます。

簡易支援ツールでは、財源確保策として料金水準を任意に変更することが可能で、その場合の収支の状況を、表・グラフで把握することができます。

上のグラフは、将来も現況の料金水準とした場合、下のグラフは同じ支出に対して資金残高(事業者の”貯金”)が概ね無くならないような料金水準とした場合の事例です。

参考図-6 料金水準を変更した場合の収益的収支の例

参考図-5 現行料金水準の収益的収支の例

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○ 資本的収支

資本的収支は、施設を建設・整備するための経費とその財源のことです。

資本的収支には、更新事業などの事業費や、企業債償還元金(過去に実施した事業の財源として借りた企業債の元金返却分)があります。

資本的収支は事業費の財源として借りる企業債や、補助金などです。

資本的収支は一般的に支出超過であり、不足分はストックした資金(事業者の”貯金”)で補償します。

資金残高は、ストックしてある資金の金額であり、マイナスは”倒産”の状態と言えます。

参考図-7 財源を確保しない場合の資本的収支の例

簡易支援ツールでは、収益的収支において料金水準を変更し、黒字分を増やして資金残高を増やすことで、更新事業の財源確保策とする検討を、表・グラフで確認することができます。

上のグラフは、将来も現況の料金水準とした場合、下のグラフは同じ支出に対して資金残高(事業者の”貯金”)が最終的にマイナスとならないような料金水準とした場合の事例です。

参考図-8 財源を確保した場合の基本的収支の例

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○ 起債比率

事業の財源として借りる企業債の事業費に対する割合で、「企業債金額÷事業費」です。

○ 企業債残高

借りている企業債の総額、いわば借金の総額です。中長期的な動向を把握し、料金収入と比較、人口

一人当たりの金額など、様々な視点で適正な範囲を独自に設定しておくと、判断の助けとなるでしょう。

参考図-9 起債比率の例

参考図-10 企業債残高の例

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○料金据置ケースと財源確保ケースの差引額と値上率

財源確保ケースの水道料金がどのように推移していくか示した表・グラフです。

料金改定の時期や周期等の検討の材料とし、さまざまなケースを策定してみるとよいでしょう。

料金改定期間の最終年の損益額で改定率にかなり違いがあることが分かると思います。

参考図-11 差引額と値上率の例

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ステップ2までの検討で、アセットマネジメントの概要を把握し、中長期的な視点で将来像を俯瞰することが

できたことでしょう。

ステップ3の検討も行えれば、簡易支援ツールを活用しながら更新需要の精度を改善することもできました。

アセットマネジメントは、持続可能な水道を実現していくための1つの手段に過ぎません。

ここまでの検討結果を活用し、経営マネジメントを実践していくことで、持続可能な水道事業のための更新

計画の策定、さらには料金改定、投資計画、広域化検討、第三者委託など、さまざまな事業運営方法の検討

などへ発展させていくことが望まれます。

おわりに