学生のコメントとそれへの応答・抜粋 - tokushima u...1 2019/06/07...

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1 2019/06/07 総合科学入門講座 学生のコメントとそれへの応答・抜粋 学生のコメント 矢部先生の応答 今日は矢部先生による講義であった。クラウドファンディングについてという名前が付けられ た授業であったが、私はクラウドファンディングがどういったものか知らない。だからクラウド ファンディングについて調べた。 クラウドファンディングとは、インターネットを利用した資金集めの一種である。自分のやり たい計画をインターネット上で宣言し、計画に必要な資金額を公開してから、出資者が出てきて くれるのを待つ。もし、出資者が出て資金額が目標に達したら、計画通りに実行できる。しかし、 出資者が出てこない、もしくは出資者は出てきたが目標の金額に達しない場合は、計画は実行さ れず集まったお金は出資者のもとに変換される。 【参考】 https://a-port.asahi.com/guide/、クラウドファンディングとは、A-port The Asahi Shimbun六月七日閲覧 https;//www.bengo4.com/c_23/n_27/、クラウドファンディングの利用にあたって法的に注意す べきこと、弁護士ドットコム、六月七日閲覧 クラウドファンディングはインターネット上での資金集めである。そのため、計画実行者が本 当に計画通りにお金を使うかどうかは分からない。また、クラウドファンディングの出資者を守 る方法が確立されていない。実際にクラウドファンディングを使った詐欺の事例もある。インタ ーネット上でお金のやり取りができることは非常に便利なことであるが、生身の人間と直接出会 って行われる金銭取引ではないためより一層の注意が必要である。特に個人名での出資やよく知 らない会社への出資は禁物である。 今回の講義で取り上げられたクラウドファンディングは名古屋市立大学の朝ごはん屋である。 5 多岐に渡りコメントありがとうございます。ほぼ完璧に私の言い たいことがまとまっているので驚きました。授業で伝えたかったの は,「自主的」に取り組む事です。 10年前と違い,人手不足から就職が楽になっているためが,「適当」 にやっていてもどうにかなるといった傾向が強くなっているように 感じています。ただし,就職が楽なのは選ばなければの話であり, 今も昔も,ポストは有限であり,誰もが行きたいところに行けるわ けではありません。 但し,ここでも「行きたい」というのがくせ者で,大学時代に自 主的に学んでいないと,世間一般に言われる有名企業や行政に行き たいと考えてしまいますが,縮小社会になり,より流動化する現在 においては,何がよい企業なのかは分かりません。 なので,世間一般的な常識ではなくて,自分で考えて,今後の社 会の方向性を考えて,「よい」企業を考えて,行きたい企業を考える ようになって欲しいと思っています。そうなれば,仮に第一志望が ダメであっても,その次,その次と,次々に選択肢が開かれる人生 になります。単に,一般的な常識だけを頼りにしていると,一つ目 がダメだった時に次の選択肢を出すことができません。 結局,自主的に学ぶと言うことは,人生の選択肢を増やすことに なりますし,一応,総合科学部とはそういった社会の多様性を学べ る所ですので,是非,1 年生には,社会のいろいろな多様性を学び,

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2019/06/07 総合科学入門講座

学生のコメントとそれへの応答・抜粋

学生のコメント 矢部先生の応答

今日は矢部先生による講義であった。クラウドファンディングについてという名前が付けられ

た授業であったが、私はクラウドファンディングがどういったものか知らない。だからクラウド

ファンディングについて調べた。

クラウドファンディングとは、インターネットを利用した資金集めの一種である。自分のやり

たい計画をインターネット上で宣言し、計画に必要な資金額を公開してから、出資者が出てきて

くれるのを待つ。もし、出資者が出て資金額が目標に達したら、計画通りに実行できる。しかし、

出資者が出てこない、もしくは出資者は出てきたが目標の金額に達しない場合は、計画は実行さ

れず集まったお金は出資者のもとに変換される。

【参考】

https://a-port.asahi.com/guide/、クラウドファンディングとは、A-port The Asahi Shimbun、

六月七日閲覧

https;//www.bengo4.com/c_23/n_27/、クラウドファンディングの利用にあたって法的に注意す

べきこと、弁護士ドットコム、六月七日閲覧

クラウドファンディングはインターネット上での資金集めである。そのため、計画実行者が本

当に計画通りにお金を使うかどうかは分からない。また、クラウドファンディングの出資者を守

る方法が確立されていない。実際にクラウドファンディングを使った詐欺の事例もある。インタ

ーネット上でお金のやり取りができることは非常に便利なことであるが、生身の人間と直接出会

って行われる金銭取引ではないためより一層の注意が必要である。特に個人名での出資やよく知

らない会社への出資は禁物である。

今回の講義で取り上げられたクラウドファンディングは名古屋市立大学の朝ごはん屋である。5

多岐に渡りコメントありがとうございます。ほぼ完璧に私の言い

たいことがまとまっているので驚きました。授業で伝えたかったの

は,「自主的」に取り組む事です。

10 年前と違い,人手不足から就職が楽になっているためが,「適当」

にやっていてもどうにかなるといった傾向が強くなっているように

感じています。ただし,就職が楽なのは選ばなければの話であり,

今も昔も,ポストは有限であり,誰もが行きたいところに行けるわ

けではありません。

但し,ここでも「行きたい」というのがくせ者で,大学時代に自

主的に学んでいないと,世間一般に言われる有名企業や行政に行き

たいと考えてしまいますが,縮小社会になり,より流動化する現在

においては,何がよい企業なのかは分かりません。

なので,世間一般的な常識ではなくて,自分で考えて,今後の社

会の方向性を考えて,「よい」企業を考えて,行きたい企業を考える

ようになって欲しいと思っています。そうなれば,仮に第一志望が

ダメであっても,その次,その次と,次々に選択肢が開かれる人生

になります。単に,一般的な常識だけを頼りにしていると,一つ目

がダメだった時に次の選択肢を出すことができません。

結局,自主的に学ぶと言うことは,人生の選択肢を増やすことに

なりますし,一応,総合科学部とはそういった社会の多様性を学べ

る所ですので,是非,1年生には,社会のいろいろな多様性を学び,

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本以上の動画や報道を見て、名古屋市立大の事業が立派に報道されていた。夜間に開店するため、

朝方には使われない焼き鳥屋を借りての活動であった。店の営業時間外に別の団体が店を借りて、

別の営業を行う方式をヤドカリ方式という。クラウドファンディングを使って集めた資金を使い、

店を借り、材料費、光熱費、水道代、食器などを賄ったのであろう。メニューは鯛のお茶漬けで

あり、値段は 500円、開店時間は午前 5時から午前 8時までだ。

名古屋市立大が行った朝ごはん屋が開店するまでの様子を今日見た動画から知ることができ

た。鯛のお茶漬けを提供するために、料亭に足を運び鯛の切り方を教えてもらったり、開店前に

は午前 2 時から出汁をとったり、おさかなセンターで鯛を仕入れたりしていた。正規の開店前に

行われる試食会のような映像もあった。

試食会の映像の中で疑問に感じる部分があった。試食会に来てくれた人がお茶漬けを食べて感

想を言う部分だ。テレビでは、鯛をもう少し増やして欲しい、塩加減が欲しい、お茶漬けではな

くおじやになっているという助言に対して、厳しい意見と字幕を表示させて報道していた。わざ

わざ試食会まで足を運んでくれて、もっと美味しいお茶漬けにするにはどうすればよいかを考え

た助言は、ありがたい意見ではないのかと思ったのだ。しかし、厳しい意見と報道することで、

朝ごはん屋を開店するまでの悪戦苦闘ぶりが表れてよいのだろう。鯛の切り方を教えてくれた料

亭の人と、名古屋市立大学の学生をつなげてくれた人、目標売上数の三十杯に達することにツイ

ートをすることで協力してくれたオタクの人の存在を知れてよかった。テレビの報道では知るこ

とのできない、人たちもたくさんいるのだと気づかされた。

今回の講義で、地域の創生とは人とのつながりであると強く感じた。名古屋市立大学が行った

朝ごはん屋による町おこしも様々な人に支えてもらっていた。鯛のお茶漬けを提供するために、

鯛の切り方を教えてくれた料亭の方は、名古屋市立大学の間に仲介する人がいなければ出会えな

かった人である。材料の調達にも、営業する店の確保も人が関係している。調査のために料理屋

に行ったときは好き嫌いは厳禁であることや、調査に関連した予備知識が必要なことなど新しい

発見があった。まずは、調査に行き人との関係性を作ることが必要なのだ。

クラウドファンディングだけでなく、大学生活に慣れてきたときに起こりやすい現象について

も学習した。学年が上がるにつれて、自分の興味のある授業ではなく、最低限の努力で単位を獲

得できる授業をとるようになるということだ。そのことを「大学をなめてる」という言葉で表し

人生の多様な選択肢と可能性を見つけてもらいたいと思っていま

す。

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たことに非常に強い印象を持った。出席をして、先生に媚を売る感想を出せば単位がもらえると

いう表現も印象に残った。このように現実をはっきりと教えてくれる教えのはありがたい。

まだ一年生だから二年時のコース配属について何も考えがなくても仕方がないと割り切る考え

方は危険だ、という意見に賛成である。高校一年生の時に進路を考えず、そのうち決まるだろう

と楽観的に考えた結果、結局三年生になってもはっきりとした夢は見つからず漠然とした答えし

か出てこないという経験をしたからだ。大学生になって次の目標は就職試験である。就職試験は

漠然とした将来設計では絶対に勝ち残ることはできない。必ずはっきりと将来設計ができている

人に後れを取る。よいことに大学生になると、アルバイトができるようになる。アルバイトは学

校社会とは違う職業を経験できる社会である。そのため、将来の夢を決めるきっかけになりうる

と思うのだ。飲食店、肉体労働、サービスと様々な職業を経験してみたい。

人口拡大社会と人口減少社会それぞれの利点について知った。拡大社会は物が売れやすいが、

就職しにくい。反対に減少社会は物を売りにくいが、会社を問わなければ就職しやすい。

最後に総合科学部に 80点をつけた理由を述べる。まず最初に、徳島大学で得られる学びのイメ

ージと私のイメージが同じだったためだ。私の想像する大学の講義とは、教授の好きな分野を生

徒に教えるというもので、学習指導要領に縛られず自由な印象である。入学して約二か月、その

ような専門性のある学びの楽しさを教えてくれる授業に出会えたのだ。20点を引いた理由は、総

合科学部という曖昧な学部のためだ。長所を挙げれば、総合科学部ではどんな授業もできて、多

角的に学習できることだ。幅広い教養を持つジェネラリストになれるということをどこかの授業

で聞いた。しかし、総合科学部といわれても名前からは学習内容を想像できない。この理由で総

合科学部に 80点の点数を付けた。やりたい学問を追求して、二年時のコース配属を決めるのはも

ちろん大切なことであるが、直観に頼るのもよい。

今までの、山口先生による総合科学入門講座の授業コメントの書き方に倣って、授業のまとめ

から書いていく。

今回の授業の主題は、「現場に出て考える:クラウドファンディングであさごはん」であった。

題名から、クラウドファンディングとはどのようなものか、あるいはどのように運用すべきか、

自らへのコメントの字数しばりをかけるという,トップアスリー

トばりの自己鍛錬,素晴らしいですね。因みに,今回のコメントの

字数は●●さんは 2番目で 2471文字。もっとかいた強者もいました

w。

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といったことの説明がなされるのだと予測していた。しかし、クラウドファンディング自体はそ

こまで追究されず、矢田先生の総合科学部に対する考えや、「駅西あさごはん」という企画に従事

した学生たちについての始終を聞いた。

まず、「駅西あさごはん」とは、有用な将来性が見込まれる地域に赴き、自分たちに出来ること

を駆使して町を活気づけようとする企画の名称である。

では、なぜその企画の舞台が駅西なのか?

ここでいう駅西とは、名古屋駅の西側の地区である。この企画に従事した学生たち(以後、彼ら)

の調査によると、彼らは名古屋駅西地区(以後、駅西)は立地的に見ても有効な活用が期待されると

判断した。しかし、駅西の人通りは比較的少なく寂れている。だから、彼らはこの地域を「活気

づける」ための場所として選び、どのように「活気づける」のかを計画した。

また、なぜ「あさごはん」である必要があったのか?

これもまた彼らの調査によるのだが、駅西の近辺には、食事処はあっても、朝に「あさごはん」

を食べることが出来る店はあまり見られないことがわかった。そこで彼らは、人々が「あさごは

ん」を食べることが出来るような場所を、自分たちの店として提供しようと考えた。そしてこれ

らのことから、この企画は「駅西あさごはん」と命名された。

この企画は、夕方からのみ開いている地域の店を、朝方から借りて営業するという形をとった。

この手法を「ヤドカリ(宿借り)」という。店舗は間借りだったのか、また店主が快く無料で貸して

くれたのかはわからない。が、店舗を借りることが出来たのは、単に交渉が上手かったのかどう

かのどちらにせよ、店主の粋な計らいにもよるのだろう。

ところが、矢部先生は結局失敗だったとおっしゃった。

矢部先生曰く、1 杯 500 円で鯛の茶漬けを販売するに当たって、通常原価率を 3 割以下に抑え

るべきところを、3~4割ほどかかってしまった。1日 30杯しか提供しなかった、あるいは出来な

かったこともあって、単純な計算で言えば、売り上げは 1日 15,000円であった。しかし、この売

り上げから原価や宿泊費など諸々の費用を差し引くと、利益はほとんどなかったという。つまり、

これはビジネスとして成立していないのである。

加えて、当の学生は米の洗い方がわからずに Googleで調べたり、肝心の鯛の茶漬けの味付けが

難航したりした。味付けに関しては、矢部先生のご友人・堀田さんの伝手で、堀田さんの幼馴染

コメントに書いてあった,人数が多くなるほど個人が特定できな

くなって,,,,というのは,社会学では「匿名性」と言います。個人

が特定されなくなるというのは良い面もあり,私の専門である都市

社会学では,そのような匿名性を都市の特徴と考え,監視社会的な

人口の少ない農村社会に比べると,都市は人を解放する=自由な行

動を保証すると考えています。

私も基本的には,監視社会的にするのではなく,自由をもとにし

てゆきたいのですが,それにはある種の共同性が必要になります。

都市で言えば,シチズンシップ,市民性のようなもの,まちづくり

でいえばビジョンです。そういった大きなものが共有されていない

と,単なる利己的な集団になってしまい,フリーライダーも多く出

てきて,組織としてのパフォーマンスは落ちて行くことになりま

す,,,,,

ただ,別にハイパフォーマンスを出さなくてはいけないわけでは

無く,緩く生きるのでもいいのだといった価値観もあるので,,,,,,。

ただ,私の所属している地域創生コースにおいて共有されている

ビジョンは,「よい卒論を書く」ということになっているので,これ

に基づく,大学生活の過ごし方を今回話しました。

題名をクラウドファンディングで朝ご飯としたので,大学に

otsukuru というクラウドファンディングの仕組みがあり,それを使

うことが奨励されていることもあり,題名に入れたのですが,ご指

摘のように,クラウドファンディングの説明は一切しなかったです

ね。皆さんが知っている前提で話をしてしまいましたが,よく考え

ると知らない人の方が多かったかもしれないですね。ただ,そうい

った場合でも,ググったり,クラウドファンディングを実施してい

るサイトに行けば直ぐにどういったモノかは書いてあります。イン

ターネット時代は,完全に学ぶ仕組みが変わり,授業をやる意味は,

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の料理人・高橋さんが指導してくださったおかげもあって難を逃れることが出来た。

また、店の知名度については、「学生が運営する店」としてテレビなどのメディアが取り上げた

ことで広まったというのもあるが、彼らのオタクの友人が店について SNSに上げ、それがバズっ

たことで飛躍的に広まった。要は、彼ら自身が働きかけて発信した情報ではなく、とんとん拍子

に広まった情報の恩恵も少なからずあるということである。

ここからは、矢部先生の発言に即して述べていく。

矢部先生は、総合科学部はクソだ、という過激な発言とともにスライドを流していらっしゃっ

た。総合科学部の授業がぬるいから学生がなめてかかるのだ、国立大学だから、私立大学のよう

な出席の駆け引きがないのだ、ともおっしゃっていた。

この発言に関して、私は強ち間違ってはいないと思う。(レポートにおいて『思う』と書くのは

適切でないのだが。)実際、授業前に、「どこに座る?」「え~寝れる席かなあ」というやりとりをし

ている学生を見かけたこともあるし、授業中に、隠す気もないのかと思うほどに居眠りをしてい

る学生もいる。それでも、レポートや宿題プリントなどの提出物を適切に出してさえいれば、き

っと極端に悪い成績になるということはないのだろう。

なぜなら、先生側が、学生の顔と名前を一致して覚えていることはまずないであろうからであ

る。授業の規模(人数)が大きくなればなるほど、見たことのある顔、という風に学生を認識したと

しても、その学生の名前や成績までは一見してわからないだろう。例外として、ある先生が少人

数の講義を開講していて、学生の顔と名前を把握している場合もあるだろうが、大学では基本的

に毎日顔を合わせる「クラスメイト」や「担任の先生」はいないため、個人を特定して認識しに

くいのは確かである。私は、そこが高校までの授業とは違う、大学ならではの問題であると判断

する。

一概に、全ての総合科学部生が大学をなめてかかっている、とは私は断言できないが、少なか

らず「ゆるい」部分はあるのではないだろうか。厳しすぎるのも問題だが、ゆるすぎるのも問題

である。

ちなみに、私は総合科学部生ではあるが、字数を指定されていなくても毎週合計 5.000 字はレ

ポートを書くことに努めている。そのため、配布資料やスライドに書かれていない、授業中の先

生の発言は小まめにメモを取るようにしている。長さはどうであれ、レポートを慣習的な提出課

そういったネット上には載っていない,話す人だけが得ている知識,

考えなどを出して行かないと意味がない時代になっています。それ

らが皆さんが身につけて欲しい知識であるという点が伝えたかった

のですが,伝わったでしょうか。

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題にする先生が多いことについては、私にとって「ゆるくない」問題である。

余談だが、これを書き終わってから、ふと Googleで「駅西朝ごはん」と検索をかけてみたとこ

ろ、結構ヒットすることに気が付いた。

例えば、 「駅西朝ごはん」で検索をかけると、満足度(星 5 つ中)4.7 のレストランで、現在閉

業中であるという情報が一番上に出てくる。

また、「駅西あさごはん」と検索をかけると、その Twitterのアカウントの情報が一番上に出て

くる。

今回は矢部先生によるクラウドファンディングやフィールドワークについての講義だった。実

際に大学を飛び出して地域を活性化させるための研究を行った名古屋市立大学の学生の話をもと

に大学で学ぶ姿勢について考えた。講義を通して考えたことは 3つある。

1 つ目は主体性についてである。与えられることをただこなしていくことは大学生に一切求め

られていない。楽な道を選んでばかりでは 4 年間を意味のあるものにできず、誰かに頼ってばか

りでは何も得られないことを実感した。私は主体的に行動するためにはまず興味を持たなければ

ならないと考える。自分の好きなことには時間を忘れて熱中できるように興味を持った分野につ

いて課題を設定することで問題解決のために意欲的に行動できるようになる。講義で取り上げら

れた名古屋市立大学の学生からはとにかく生き生きしている様子が伝わった。関心のある分野を

見つけることは主体性を生み出す原動力になるに違いない。また、第 1 回目の総合科学入門講座

で興味から知識へ、知識から知恵へと変化させていく流れを学んだが、社会に出て役に立つであ

ろう知識や知恵の根底にも興味があるのだ。自分は一体何に興味を示すのかについて、何となく

過ごしていては明らかにならない。興味のある分野を見つけられていないうちはまだ受け身の状

態であるといえる。

2 つ目は視点の向け方についてである。講義では 2 つのテレビ局が制作した番組を視聴した。

最初に視聴した方は 1 人の大学生にしかインタビューを行っておらず活動を端的に紹介している

イメージが強かったが、後から視聴した方は取材期間が長かったのもあり複数のインタビュー対

象者が存在し、大学生が店を開くまでの過程を追っていた。どちらも同じ話題を取り上げていた

山口さんの教え方がいいのか,ほぼ完璧なコメントの書き方で驚

きました。特に第 2 点目で自分の放送部での経験を入れて書いてい

る所が良かったです。

学問は,放送部で番組を作るのとは違い,ある意味尺がきまって

おらず,また,不特定多数に受けることを目的とする必要もない点

で,ある意味自由に組み立てて発表することができます。コメント

に書いてあったように,ああいった要素で描くことが,多くの人に

受ける点であり,かつ,あれらの番組は,駅西あさごはんを応援=

多くの人に来てもらう為に作っているため,視聴者が応援したくな

ることが重要です。そういう意味では,描き方が異なれど,2 社とも

指摘にあるように同じ要素を入れている点は,流石プロというか,2

社とも社会を同じように考えているのだなと,コメントを読んで思

い,私にも新しい発見がありました。ありがとう。来年の授業では

その点も指摘しようと思います。

加えて言うと,本来のコメントの意味は,このように,発表者も

気がついていなかった点に気づく=知的創造過程です。単に,学生

が授業内容を正確に理解しているのかを把握して評価するためにす

るモノでは無いと考えています。それであれば,選択問題をつくれ

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にもかかわらず着目する点や番組の目的が異なっていた。後者の方が特集という形で活動につい

て深く掘り下げていたが、講義でも述べられていたように番組で取り上げられた部分はごく一部

でしかない。両者に共通していることはメニューの紹介、地域との繋がり、そして大学生が行っ

たという点である。

番組を見ただけでは大学生だけで 1 から作り上げたという印象を受けるが決してそうではな

い。もちろん主体となって行ったのは大学生だが町の人や先生など大人の協力も大きい。番組で

は地域の人々との関わり合いは見られても画面上に先生とのやり取りが出てくることはなかっ

た。仮に大学生と先生による試行錯誤に密着したとすればまた違った番組が 1本作れるだろうが、

決してそんなことはないだろう。大学生だけの力でここまでのことを行ったというところに凄さ

があると評価され、注目を集めるからだ。

もちろん今回取り上げられた大学生たちの活動は尊敬に値する。クラウドファンディングで資

金調達を行ったということだが、行った理由についてインタビューで多くの人からお金を集める

ことで途中で投げ出さない覚悟と責任を持つためであると語っていたことは特に印象的だ。自分

たちでアイデアを出し合い出来る限り自分たちだけで活動しようとする姿勢が真っすぐ伝わって

きた。それでも人脈には限界があり不可能な部分は大人の協力を得るしかないが、番組ではその

工程はカットされてあたかも大学生が自分たちの力で協力者を探し当てたという解釈ができるよ

うになっていた。確かに番組には尺があるため細かなところまで 1 つ 1 つ取り上げることは不可

能だ。私も高校時代に放送部として番組を制作したが限られた尺の中に組み込める内容はほんの

一端に過ぎず、番組を通して最も伝えたいことを軸として時間内にどれだけ綺麗に構成を立てら

れるかを常に意識していた。1 つの内容について視点を変えて見ていくだけで取り上げられてい

ない部分まで明らかにすることができるのだ。

3つ目は社会に出たときに本当に必要な力についてである。4年間ひたすらに「楽」を追い求め

て上っ面だけの成績優秀者になったところで何の意味もなさない。これまでの総合科学入門講座

でも「調べ、知り、書き、書き直す」ことを繰り返さなければ知識を体系化して知恵へと繋げる

ことはできないと教わってきた。つまり続けることが大切なのだ。今回取り上げられた大学生た

ちも町を盛り上げるための工夫を試行錯誤しながら生み出していた。楽を追い求める人は続ける

ことを面倒なことと捉えて 1 度で満足してしまうが、学びに対して集中力を持続させられない人

ばいい。コメント,レポートを書くことは,知的創造作業なので,

そういった視点を忘れずに今後もよろしくお願いいたします。

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が社会に出て仕事を続けられるはずがない。また、人脈や交渉術も大切になってくることだと考

えられる。1 人で何か大きなアクションを起こすことは非常に難しい。協力してもらえる人を見

つける力や協力しようと思ってもらえる接し方と人柄が社会において必要不可欠だ。これらはす

ぐに体得できる力ではないが、1 つのテリトリーに固執せず幅広い分野の人と関わろうとするこ

とで少しずつ身に付けられる力だ。大学は年齢や国籍、学問分野を問わず非常に広範囲にわたる

人が揃っている場所で、自分の視野を広げるきっかけが至る所に転がっている。楽なことばかり

求めていては確実に見逃してしまうことを再確認できた。

以上の 3つが今回の講義で考えたことである。

私は今回、矢部先生担当である総合科学入門講座の授業内容を聞き、大学という場所を再認識

し、自分が大学で学ぶべきこと、大学で身に付けるべき力を改めて考えることができた。

授業内で矢部先生がおっしゃっていた通り、私は大学をなめていたかもしれない。出席を確認

しない授業、逆に出席でしか成績をつけていない授業もある。大講義で、ただただ教授が前で話

すだけなので大半の学生が寝ていたり、内職をしている授業もある。先輩方はそういう「楽単」

と言われている授業を取ることを勧めてくれるし、私たちも「楽単」といわれている授業を好む。

なるべく楽して「大学卒業」という肩書を手にしたいのだ。

だが、よく考えてみると「大学卒業」という肩書を手に入れるためだけに大学に来た人はお金

と時間をすごく無駄にしている。いくら国立大学の授業料は安いといっても「大学卒業」という

肩書を手に入れるためだけに払う何十万というお金は高額だし、払う価値がない。

いや、価値がないというのは言い過ぎかもしれない。今の日本の社会は、学歴社会である。学

歴で就職先が決まり、給料も変わる。大学の偏差値で態度が変わることもある。だが、それだけ

ではない。人生の四年間という時間を無駄にする。この四年間を遊んで暮らすと、残りの長い人

生を四年間で得られたはずの力や知識を持たないまま過ごしていかなくてはならない。「大学卒

業」という肩書を手に入れ、ただ安定した収入で、安定した生活を送りたいなら高校生の時に公

務員の試験を受けることができる。自衛隊ならいつでも隊員募集の張り紙をしているのをよく目

にする。今、大学に通っているということは、大学は義務教育ではないので、自分の意志で学び

ほぼ完璧に,ある意味優等生的に授業の趣旨を理解していること

が分かるコメントで,驚きました。「楽単」という言葉が思い出せな

かったので,その言葉を報告では使えませんでしたが,ご指摘のよ

うに楽単批判です。ただ,「楽単」の第一の責任は,そういった授業

をしている教員にあり,学生には無いのですが,,,,,。

それと本来は一概に楽単がいけないのではなくて,重要なのは,

楽単をとって,空いた時間で何をするかです。多分,多くの学生が

楽単でできた時間を,アルバイト,,,それもマックジョブといわれ

るようなアルバイトで終えているのではないか,,,,マックジョブが

分からなかったらググって下さい,,,,,マックジョブも働いている

学生が悪いのでは無く,そういった仕事を作ってしまう経営者側類

のですが,,,,,。

理想的には,楽単をとって,空いた時間を確保して,大学に縛ら

れていてはできない,自分のやりたいことをしてゆく,つまり,卒

論のテーマぐらいは自分で見つけられて,皆がうなるような報告を

して,就職先も自分が納得するようなところをきちんと見つけて合

格する,,,こうなるための楽単が,実は,自分で卒論テーマは見つ

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に来ているのである。大学は、明らかに高校生の時とは違う。私は徳島大学に入学し、実際に自

分が大学生になった今、高校生の時の先生や親、ほとんどの大人が言っている「大学という場所

は、自分から進んで学ぶことができる子が行く場所」だと、言っていた意味を実感している。

私は、お金と時間を無駄にするために大学に来ているわけではない。自分の就きたい職業に就

くため、将来したいことをするため、必要な力を身に付けるために大学に進学してきたのだ。

今の日本は、学歴社会であるが、学歴がすべてではない。先ほど申し上げたように「楽単」を

取り、「大学卒業」という肩書を手に入れただけの人はたくさんいるだろう。確かに大学に入って

からも努力をし、その学歴に見合う能力を持っている人もいるかもしれないが、大学に入ってか

ら「楽単」を取り、楽して、ただただお金と時間を払っていただけという人もいる。こういう人

は、より偏差値の低い大学に通っていても、「楽単」を狙わず、自分の知的好奇心に沿って自分か

ら進んで学んでいる人より、社会に必要とされている知識や能力が低いと言える。自分より偏差

値の低い大学を馬鹿にする人はいるが、すべてが学歴で判断できるとは限らないのだ。

また、名古屋市立大学の学生たちが自主的に行った、名古屋駅周辺の発展に出遅れた地区を活

性化させようという活動動画をみて大学生のうちに様々なことを体験し、挑戦していくことの大

切さと、大学生のうちにしかできないことを知った。名古屋市立大学の学生が地域活性化のため

に行った、朝ごはん屋があれほど注目し手を差し伸べてくれたのは、やはり彼らが学生であるか

らだ。社会人が、彼らと同じように朝ごはん屋を開こうとしても、あれほどまで注目し、手助け

してくれることはない。もちろん、学生だから何でもかんでも応援してくれるという訳ではない

が、学生のうちに、人が手を差し伸べてくれるうちに挑戦してみることは大切だ。

「大学生のうちに色々な人との繋がりを持ちなさい」というのは、今回の名古屋市立大学の学

生の活動動画でよく理解できた。名古屋市立大学の学生たちが、鯛のお茶漬けを作るとき、お米

のとぎ方も知らない彼らに鯛のさばき方を教えたのは、矢部先生の競輪仲間の人の幼馴染だと聞

いたからだ。どこに意外な繋がりが隠れているかわからない。人は一人では生きてはいけない。

必ず誰かと支えあいながら生きているのだ。社会人になると、今のように自由には時間を使えな

い。自分の時間を自由に使うことができる大学生のうちに、新しいことに挑戦し、体験し、新た

な人との繋がりを広げ、大切にしていきたい。

このことを踏まえた上で、自分が自分自身の将来のために身に付けるべき能力や経験をし、た

けられない,就職先も微妙(実は,自分では全く納得していないが,

就活がつらいので適当に見切りをつけてやめてしまう)というのが

現実。

そもそも,そのきっかけが,コメントにもあったように,先輩が

薦めてくれるという事実。負の再生産は今年の 1 年ぐらいから止め

たいなというのを思って,本授業をしました。一応,キャリアプラ

ン入門と連動していて,去年までのあの授業も,結果的に楽単にな

っていたのではと思って,今年,てこ入れしていますので,こちら

もよろしく。

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だ「大学卒業」という肩書を手に入れるためだけに大学に進学した訳ではないと胸を張って言え

るよう、これから考え、自分の知的好奇心に沿って様々なことを学んでいきたい。学歴がすべて

ではないが、今の日本が学歴社会なのは間違いない。「大学卒業」という肩書に劣らないよう、こ

れから大学生という四年間を大切にしていく。

また、様々な人との繋がりを増やすだけでなく、その人一人一人から自分にとって必要な知識

や経験、能力を盗んでいきたい。そして、自分も人と人とを繋げることのできる人になる。

大学は出席さえ出来ているようにしていれば単位がもらえるというように考えている人は、偽

装して友達にさせたりするが、結局は 3年、4年になって就職活動や卒業論文で困るのは自分で、

今楽だと考えられる方を選んだ結果その先将来ずっと困ることになるかもしれない。大学は勉強

をしにきているのだから、授業にきちんと自分が出てきて参加しなければ、出席をとっても本当

は出席していないのなら意味がない。

高校までと違い、大学は自分で学ぶことを見つけると言われるが、今までの学力向上だけしか

考えていないような膨大な知識の詰込み勉強、正解のある問題集を解き続ける学校生活、テスト

の点数がいいほうが優れた生徒だと褒められる。何年間も問題集を解き「模範」解答を参考にし

模試やテストの結果を第一にしてすべての問題には一つの正解があって正しいという生活をして

きた脳の中を、スイッチを変えるようにいきなり変えなければならない制度に違和感を感じる。

今までも「総合的な学習の時間」や道徳や様々な講演会やプログラムで社会の課題を考えたり

議論する機会もあったが、本当はそれらのほうが大きな、か同じくらい意味のある活動だが、教

科の正解のある問題のできるようにしてとにかく点数をあげることに大半の時限がとられ、あま

りにも少なすぎだった。もっと社会で必要な社会性や思いやり、交渉力、アンガーマネジメント、

社会の課題に関する活動などの方もたくさん日常的にすればいい。最近アクティブラーニングが

進められるのは良いが、昔からあればよかったのにと思う。(論文で「思う」はだめだということ

はわかっていますが、これは意見ではなく感じた感想です)

大学に入り自身を高めるため夢を叶えるため勉強一心に取り組むことは間違っていない。しか

し、様々な社会人の方からの講演があったが、中には部活や遊びが理由の寝不足の場合はそれは

コメントにあった「教えて欲しい」といったものは,単純に授業

で教えられるモノでは無く,メンターといった人との関係の中で身

について行くモノかもしれません。メンターとは分からなければグ

グって欲しいのですが,ドラゴンボールの初期における亀仙人,ベ

ストキットという映画におけるミヤギ,スターウォーズにおけるヨ

ーダのような人です。

何でも授業的に教えられるモノでは無く,逆に言うと数学の点数

をあげるといったことに関する知識は教えるのが簡単かつ,評価も

簡単なので効率的であるために,そういった教育は誰でもできるの

で,奨励されてしまうのだと思います。但し,大学は高等教育を名

乗っている以上,高校までの知的体系とは違ったものを教えるべき

であると考えています。

基本的な主張は,コメントに書いてあったのと同じように私も考

えています。個人的な体験を話すと,コメントに書かれていたのと

同じように,私も高校までの管理教育的なものが嫌いでして,,,,大

学の自由な雰囲気,自分のやりたいことをできる環境が非常にあっ

ていて,そのおかげで今の自分があるので,そういった環境を守り

たいと思っているのですが,こういった目に見えにくいモノは,誰

もが実感するわけでは無いので,良いと思った人が意識的に守らな

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それで解決すべき問題があるが、深夜まで「勉強」を続けていたため寝不足で寝ている人も一人

や二人ではなかった。道徳や総合的な学習の時間でも自習という名目で問題集を解く時間をとら

れることもしばしばで、高校でもいじめの蔓延する社会の中、道徳を小学校の教科にするかはと

もかくそういう話は別の話で、もっと学力以外のことを上げる教育を皆に教えてほしい。そうい

うときに、私は勉強は、特に「頭がいい」ことはそのような機会、そしてそこまで自分の大切な

身体と心まで犠牲にしてするものではないはずだと言いたい。

甘えるな、怠けるなという意見があるが、それを過剰に限界まで背負いすぎたのにそれでも助

けを求め逃げることができないようになってしまった結果が悲惨な自殺や過労死である。また班

でやり方も教えられず丸投げされて5分や10分話したところで客観的論理的な議論のスキルが上

がる量は少なく、今までの総科入門講座で言われ続けたなんとなく逆らえない、声の大きな主張

を押し進めるような人の意見に何となく流される、という一番だめな形態をとりがちだった。主

張が得意な人は積極的に発言できればそれでいいが、苦手な人はうなずくだけで発言できないま

ま数分間がたつとそれで終わりで、生産性はあまりない。

なりたいものが決まっている人はその道に進み専門なり多面的な知恵なりのために勉強すれば

いい。しかしまだ社会に出て何がしたいのか分からない生徒には、職業や会社名を決めるまでは

いかないにしても、選択の方面を決められるように、本来は甘えずに自分で決めるべきことだが、

できるのが理想だが、理想は現実に起こるとは限らないので、それがどうしてもできなくて悩ん

でいたら、最後に決めるのは自分だが「適性」のアドバイスや相談に乗ってほしかった。それな

のに先生は往々にして夏休みの面談でも「何がしたいのか考えていってね」といって考えれば決

められるようなことを言い、それよりも数学のテストの点数を上げていくための夏休みの学習習

慣や一日何時間勉強できるかといったようなことばかり目標設定させて次の人の時間になり嫌な

ことがあっても相談できる大人がいない。

もちろん学力は身に付けるべき知識や活用する力、論理的思考力などと論理に基づいて考えら

れる大人になるのに必要なことを定着できているか分かり、それらの力は必要で皆が身に付ける

べきであるため、社会に出てしたいことが決まっていようと決まっていなかろうと勉強は必須で、

成長のためにすべきだろう。生徒の本分は何より勉強である。しかし、それでも社会に出て仕事

を進め社会に貢献するためにテストや学力の(志望動機は除く)入試問題よりも必要な大事なこと

いと無くなって行きます。

ディスカッションの授業の件であったように,そのテーマのイン

プットのない議論はほとんど意味がないのですが,,,,

ただ,これまで意見を言うということに慣れていない人を社会化

するという意味はあるのと,ディスカッションがゴールでは無く,

そこで自分の知識の足りなさを知って,調べる,学ぶきっかけとす

る方が,良いと思います。議論して出た結論は結論では無く,スタ

ートであると言うことをきちんと伝えなくてはいけないですし,実

際の現場でも「優秀」な人達はそこで出た結論に安易に満足するこ

と無く,そこからブラッシュアップして行きます。

いずれにせよ,話を聞いて納得して満足するのでは無く,そこか

ら自分にとって次の課題を見つけることが重要ですので,今回のコ

メントに書いてあったような気持ちを忘れず,そこで思ったことを

行動に移していって下さい。そのように生活するようになると,大

学とはいいところです。

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の数々、偉そうに言っているがまだ私が今まで経験したことがなく実際は想像も甘いだろう社会

の厳しさに必要なこと、が何なのかというのは生徒より当の大人の方が十分分かっていると思う。

だからそれを「勉強して点数上げなさい」よりもっと社会で生きるためにほかに身に付けさせて

おくことを小さなうちから教えて後悔しないように促してほしい。

まとめ

今回の総合科学入門講座で学んだ事は、「自ら考えて、自ら行動することの重要性」である。例

えば、講義を受けるにしても、ただ単位が出やすいから取る、楽だから受けるといったことをす

ると当然ながらこの世の中の疑問点や自分の研究したい事は見えてこない。だから卒業論文をど

うすればいいのかわからない。先生によるとこの様な人は大学にいる意味がなくやめるしかない

と言う。ただこのような状況になる人が出てくるのは本人だけに原因があるのではなく、日本の

大学の仕組み、日本の社会の仕組みが影響しているという。

例えば、徳島大学については出席をしてある程度課題を出していれば単位が出るようになって

いる。このことによって生徒が先生をなめて、より楽な授業を取り、その結果、学問に真剣に取

り組んだわけではないのに成績が高くなってしまう「偽成績優秀者」が生まれてしまう。偽成績

優秀者は「私は賢いのだ、だから企業が自ら雇ってくれる」と勘違いしてしまう。そうなってし

まうと卒業論文だけでなく、就職活動も苦戦して良い企業に就職できない。何故か。それは楽な

単位ばかり取る、単位が取れれば良いとおもっているような人を企業は雇おうとは思わないから

である。それも当然だろう。企業からしてみれば「私は楽な仕事しかしません」と言っているの

と同じ意味であるからだ。

ただ、徳島大学については出席をしてある程度課題を出していれば単位が出るようになってい

る現状には場所的な問題もある。しかし、自主的に考えて動こうと思えば動くことができる環境

であるのは確かである。今後は就職活動解禁日がなくなっていくことから見ても早くから自主的

に動くことが大切である。また興味を持ったことに自主的に、積極的に取り組むことが重要であ

る。興味の内容は学問でも、サークル活動でもいい。加えて、常に考え続けることが必要である。

そうすることで、面接などで想定外の質問が来ても堂々と答えることができる。もし、なにも考

自主性のジレンマというか,コメントにもあるように自主的にや

らないと単位が取れなくした場合に,それは自主性なのかといった

問題が生じます。たたし,これは単に現状との比較だからそのよう

になっているだけで,自分で調べるというスキルを身につけて欲し

いというのがこの授業で伝えたかった趣旨です。最後の方にあるよ

うに,佐那河内にいってスダチソーダを飲んで,スダチについて知

って,そこからスダチに興味をもって調べたり,佐那河内という地

域に興味をもって調べたり,,,,そういった自主的な知的営みが自然

に行われるような人になって欲しいというのが伝えたいこと。

ただ,現状だと,そういったことには興味を示さない人間を作り

出しているのではないか?というのが私の問題提起です。特に,我々

は学校との関わる時間が長いので,自然に,大学で身につけた「成

功体験」で,他の事も通用すると思ってしまう可能性が高いので,

そのリスクを伝えてみました。ただ,これも私が思っているだけで,

結局のところは皆それぞれですから,自己判断して,自分の納得す

る人生を歩んでもらえればと思っています。

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えず楽な方ばかり選んで生きていると大学では通用してしまうかもしれないが社会では通用しな

い。

そして、もう一つ大切なのは実際に現場に行き調査することで関係を構築する事である。よく

テレビで大学生が何か活動をすると取り上げられる。それを見ていると何もかも大学生のみが行

っているように見えるがそうではない。例えば、名古屋市立大学の鯛茶漬けの例でみてみると、

確かに、実際に出す料理や接客や場所の確保など学生が行っている部分も多くある。しかし、核

となるタイの部分はどうしたか。テレビでは普通に高級料亭の料理人に鯛の扱い方などを教わっ

ていた。しかし、少し考えてみると学生と高級料亭の料理人とは会うことすら難しいはずである。

ではいかにして学生は高級料亭の料理人とつながることができたのか。それは講演会や実地調査

などで先生が知り合った人が料亭の料理人と友人であり、その知り合いが頼んだからである。も

しこの知り合いがいなければコメも炊くことができなかった学生がお茶漬けを作成して販売する

ことなど不可能であった。この様に実地調査などで会った人たちと関係を構築していくことも大

切である。

この講義に対する意見を述べる。

徳島大学総合科学部でもし、出席しているだけで単位を取ることができなくすれば、生徒が先

生をなめられないようになり、自ら考えて、自主的に行動する生徒を増やすことができるのか。

これでは結局、大学は単位を取るために勉強することを強制しているため自主的に行動をしてい

るとは言えず、自ら考えもち行動をする人物を増やすことはできない。しかも、実行しようとし

た場合、総合科学部全ての講義で行わねばならない。一つでも楽な講義があればそこに逃げてし

まう人が出てくるからだ。また単位を取ることを難しくした場合留年者も今よりも出てくるだろ

う。先生が言っていたように、場所的な問題が出てくる。

ではどうすれば大学は自主的に考え、行動をする人達を増やすことができるか。先ずキャリア

プランの講義などでそれぞれの生徒が興味ある事を見つけるきっかけを与えて、さらに、自主的

に行動をすることの重要性を伝えていけばよい。それを継続的に続けることによって、自主的に

行動ができる人が増える。

そして、今回の講義では名古屋大学の生徒さんが色々な人に支えてもらい地元の人たちと関係

を築いていた。私も同じような繋がりを持っていることをこの講義で気づかされた。それはこの

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間佐那河内村に訪れた時に、すだちのソーダを頂き、飲んでみる、とても美味だった。しかしな

がら、私は徳島に来るまですだちソーダを知らなかったし、そもそもすだちについても知らず、

さらに言えば、徳島に来て、地元の方に教えてもらうまで、徳島ではすだちが名産であることす

ら知らなかった。更には、すだちについても収穫はいつ行う等々地元の人だからこそ知る情報を

知ることができた。これは実際に佐那河内に訪れて地元の方と交流を持ったからこそ知れた情報

である。

今回の授業では、クラウドファンディングというテーマで授業が行われた。そのなかで、名古

屋市立大学の学生が実際にクラウドファンディングで資金を募り、実現した「朝ごはん屋」の映

像を閲覧した。その学生は、名古屋駅西銀座通商店街に目を付け、「衰退している名古屋駅西の活

性化」という名目で、この「朝ごはん屋」という計画を立てた。「朝ごはん屋」を開くというのに

も、明確な理由があった。名古屋駅西の商店街は、居酒屋のような夜から営業がスタートする店

が多く、朝方はどの店も閉まっているという状態であることが調査により発覚した。そこで、早

朝から営業を開始する「朝ごはん屋」を始めることで、人気が少なかった朝方に少しでも人の数

が増えるのではないか、という考えでこの計画は始まった。この「朝ごはん屋」は、名古屋で獲

れる鯛に注目し、鯛茶漬け一品で店を切り盛りしようとしていた。しかし、今まで飲食店を営ん

でいたわけでなく、また、料理の腕に自信があるわけでもない学生が、そう簡単にお客さんが満

足してくれる料理を出せるはずがなかった。実際、地元の人を招いての最初の試食会では、「鯛が

少ない」、「塩気が足りない」などの厳しい意見が寄せられ、和食店の店主に指導を受けることで、

自分たちの納得のいく味に仕上げていった。また、この和食店の店主には、鯛の切り方も享受し

てもらった。それによって、学生は店に出しても恥ずかしくない鯛茶漬けを作ることに成功した。

学生は、「朝ごはん屋」を実現するために、地域の方々と積極的にコミュニケーションを取って

いた。その結果、鯛を仕入れる市場では、すぐに鯛茶漬けとして出せるように、鯛の骨抜きなど

の作業をしてもらっていた。テレビの映像では、学生がお米のとぎ方がわからず困惑している場

面が放送されていた。そのようなことを踏まえると、学生たちにとって地域の方々の手助けは必

要不可欠である。学生たちの「朝ごはん屋」が成功に終わったのは、その地域の方々の手助けが

本授業で伝えたかったことは,まとめられているとおりです。是

非,自分で何かテーマをみつけてやりきることを大学時代に経験し

てみて下さい。

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あったというのも大きく関係している。

また、鯛茶漬けの味付けや鯛の切り方をレクチャーしてくれた和食店の店主は、矢部先生の友

達の幼馴染ということで、そのようなことが実現したのである。このことは、先ほど述べた地域

の方々の手助けと同様、人脈の大切さを実感できるものである。人脈は広げれば広げるほど、私

たちを助けてくれるものになる。これから社会に出ていく私たちにとって、人脈の広さは一つの

大きな武器になる。

今回の授業では、クラウドファンディングとは別に、就職に関しても学んだ。私たちの親の時

代だと、日本の人口は増えていたので生産年齢人口も増えていき、どんな人でも店を始めたらお

金を儲けることができるという状況であった。比喩的に言うと、上りのエスカレーターに乗って

いた、ということである。上りのエスカレーターに乗っていれば、何もしなくても上に上がって

いける。したがって、たいした能力、技術を持っていなくても社会に出て成功することができた

のである。しかし、現在の日本の人口は周知のとおり、どんどん減少していっている。というこ

とは、日本の生産年齢人口もどんどん減少していっている。生産年齢人口が減少しているという

ことは、昔のように店を開けば儲けられるという時代ではなくなっているのである。したがって、

今の時代では、然るべき能力や技術を身に付けることが就職する際に必要なのである。

そして、総合科学部はどのような学部で、どのような仕事に就くのが適しているのかを学ぶの

は無意味であるということも学んだ。医学部なら医者、法学部なら弁護士、経済学部ならエコノ

ミスト、というのが通俗的な考え方である。しかし、法学部を卒業している人が全員弁護士にな

っているわけではないことから、〇〇学部なら、この就職先という考え方が無駄であることがわ

かる。

よって、これから私たちが就職するには、必要な能力や技術を習得する必要がある。大学では、

興味・関心があるテーマを自分で決めて、自分で深めていくというように、すべて自主的に行う

ものである。すなわち、自分ひとりで学んでいかないと、大学に通う意味がないのである。また、

自分で考えて行動するというのは、社会に出てからも重要なスキルである。その必要な知識を大

学で習得することを目的にするのであれば、「卒業論文で何を研究すればいいのかわからない」と

いうのは、矛盾していることである。

今回の授業で、大学で学ぶときの姿勢を再認識できた。また、人脈の大切さも認識できた。ク

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ラウドファンディングという題目の授業であったが、学べたことは「クラウドファンディングと

は何か」ということだけでなく、これからの私たちに必要なものも学べた。先生を持ち上げてお

けば単位がもらえるから、今回の授業がよかったと述べているのではなく、本当に自分のために

なったから、このように記述しているということを理解していただきたい。

今回の授業では、名古屋市立大学人文社会学部の学生たちが高層ビルが立ち並ぶ駅の東側では

なく、その裏にある駅の西側で朝ごはんを提供している映像を観た。学生たちは朝 5 時から営業

している飲食店が少ないことに目をつけた。早朝に高速バスから降りてきた人たちが休憩ためす

るにはファストフード店に行くしかなく、リラックスできない。それはその街で生活している人

たちも同様である。このことを解決するため、学生たちは朝 5時から営業する朝食専門店を開き、

安くておいしい、安心できる朝食を提供するという計画を立てた。

まず、学生たちは夜の時間帯にオープンしている居酒屋を営業していない時間帯である朝に借

りるという「ヤドカリ」という方法で朝食を提供する場所を確保した。また、開業資金はインタ

ーネットのサイトで賛同してくれる人たちからお金を集めるという「クラウドファンディング」

という方法で集めた。店で提供しようとしている朝食、鯛茶漬けについては、鯛は駅西にある市

場で新鮮な鯛を購入している。また、おいしい鯛茶漬けを作るために和食の料理人にさばき方等

を教えてもらっていた。そして開業する前に、試食会を開き、料理人や地元民たちに試食しても

らい、アドバイスをもらい改善していた。

開業すると、矢部先生や矢部先生の友人、高速バスの乗客者、地元民の人たちが訪れ、満足そ

うにしていた。やはり駅の近くに早朝から営業しているおいしい飲食店があるとその店を利用す

る人は多くなるであろう。

この映像を観ていると、開業する際にはその地域の人たちと交流を深めることが重要であるこ

とが目に見えて分かった。市場の鯛、料理人の教え、地元民のアドバイス、焼き鳥の居酒屋の鶏

の出し汁等、学生たちが作った鯛茶漬けは駅西だからこそ作れる味である。街を活発化させよう

と口にするだけでなく、実行に移す力をもっているため、地元民も心を打たれ協力してくれたの

であろう。また、開業するために店を建てることは必要不可欠ではなく、「ヤドカリ」という方法

本授業で伝えたかったことは,まとめられているとおりです。是

非,自分で何かテーマをみつけてやりきることを大学時代に経験し

てみて下さい。

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もあるということも学べた。そして私が一番印象に残っているのは「クラウドファンディング」

である。人が多く集まる場所に行き、直接呼びかけてお金を集めることも効果的であるが、ネッ

ト社会である現代においては、「クラウドファンディング」という方法を利用することによって簡

単に広く資金を集めることができる。また、ネット内で集まるまで呼びかけてくれているため、

その分の時間を別のことに使えるため時間を有効活用できる。それゆえ現代には「クラウドファ

ンディング」を利用する方が効果的であろう。

人口拡大社会の頃は大都市問題が最先端であったが、現代は人口縮小社会であり、地方の問題

が最先端である。総務省によると、「若者流出による人口減少は、労働力人口の減少と消費市場の

縮小という需要/供給の両面から地方経済に負の影響を与えている。」(総務省『人口減少社会の課

題と将来推計 』www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc141110.html, 20

19.6.9閲覧)。

若者は賃金ややりがい等、良質な雇用を求めて大都市に流出してしまう。そのため、地方はさ

らに高齢化してしまい、労働力も減少してしまう。また、消費者側からみると、人口減少は国内

市場の縮小要因となる。しかし、輸出を伸ばすことによって需要を維持し続けることができるの

ではないであろうか。現在生じている問題を先送りにせず、現代で解決すべきである。若者は地

方の問題を知った上で就職を考えるべきであるが、生産者側は雇用環境を配慮し、整えるべきで

ある。

私はまだはっきりとした未来像は持っていない。しかし大学の授業には単位を獲得できれば良

いという安易な考えではなく、今の内に少しでも幅広い知識を身につけたいという考えをもって

臨んでいる。そして最終は自分がどんな仕事に適しているのか、自分はどういう風に現代社会に

貢献したいのかということを今までに身につけてきた知識を使って多面的に見つめ、責任をもっ

て考えたい。就職に関してだけではなく、例えば文学作品等のように知識がなければ楽しめない

ものもある。自分の息抜きを有意義に楽しむ際にも知識は必要になる。2 年生からは 4 コースに

分かれるため、自分の所属しているコースの勉強が主になり、他の分野は余った時間で自分で学

んでいくしかない。しかし、1 年生である今、多様な分野が授業として扱われているため、多く

の時間を使って知識を身につけることが可能である。今はこのチャンスを生かし、ものにすべき

である。今、私はどんな仕事に就きたいのかというイメージはまだ全く浮かばないが、どんなこ

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とにも対応ができ、解決できない問題にぶつかったとしても様々な観点からその問題を見つめ直

し、できる限り良い対応ができるような大人になることが目標である。

キャリアプランでおなじみの矢部先生の授業では、最初に大学生の問題点について触れました。

ここで「大学生は、授業を受けていれば、とりあえず単位をもらえると思っている。授業がつま

んないから、大学をなめている」と聞いて、他人事ではないなぁと感じました。実際、この徳島

大学に入ってから、単位への不安をこぼすと必ず周りからは「総合科学部だろ?ならいけるだろ」

「大丈夫、大学の授業はとりあえず受けてたらいけるよ」などと諭されてきました。それに甘え

るように、私も「この授業とったの失敗だったな」と感じる授業はまるで当たり前のように、睡

眠学習になってしまいまっていました。矢部先生の話を聞いてこのままでは、私も 4 年生になっ

てゼミに入った時に「先生、卒論どうしましょう」という大学になにしに来たのか分からない駄

目な生徒になってしまいまうと直感しました。

矢部先生の最近の大学生の駄目な例を聞いていて私たち一年生は、まだ高校までの教育と大学

の教育が全然違うということを、区別出来ていないのではないかと深く痛感しました。高校まで

の教育には常に大学を意識して受けてきました。そのため先生を選んだことなんて 1 つも無けれ

ば、答えの無い課題なんてほとんど考えたことも無い上に、先生に正面切って文句をいったこと

すらありません。実施私もこの徳島大学にそうやって先生にこびへつらって推薦をもらたのです

から。

しかし、大学ではそんなことは一切関係ありません。いくら先生にこびを売ろうが、単位は落

とします。その上、自分がどんな授業を取るのか、学ぶのかということも「自分で」決めなくて

はいけません。私たちはこの「自分で」というのが特に理解出来ていないように感じます。理由

登録の際も「どれが自分の取りたい、学びたい授業か」ということよりも「どれが単位を取りや

すいか」と考えてしまいます。そうして、早々と入ったサークルの先輩達から「これが簡単だよ」

と教えられて従う訳です。聞くところによると、履修登録を全て先輩にやってもらったという人

もいるそうです。しかし、それは当然自分の意思で決めたことではありません。「この授業取るん

じゃ無かった、単位取るのが難しそう」とかいう感想を持つ時点で私たちは腐りきっているので

山口先生の授業的に言ったら良くない書き方なのかもしれません

が,私的にはなかなか面白かったコメントです。エスノグラフィー

という手法があるので,ググって調べてみて下さい。そういうのに

向いていると思いました。

先輩に全て履修登録をしてもらうという記述とか面白かったで

す。来年度の授業で使わせてもらいます。

キャリアプランの授業は,あれでも,去年に比べればだいぶテコ

入れして,自分で何かしなくてはいけないなという風になるように

はしているのですが,,,,,,。

私の言いたいことは,今回の授業で基本的には伝えたので,大事

なのは,実践です。私の言っていることが正しいと思ったのであれ

ば,それを実践してみて,本当に私の言っていることが正しいか,

自分で実践してみて検証してみて下さい。自主的に生きるのは結構

大変なので,やはり全ての先輩に決めてもらう生き方の方が案外楽

しく楽に生きられるかもしれませんよ。

Page 19: 学生のコメントとそれへの応答・抜粋 - Tokushima U...1 2019/06/07 総合科学入門講座 学生のコメントとそれへの応答・抜粋 学生のコメント

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す。自分の意思で「○○が学びたい」というのがあれば、先輩の意見なんてほぼ必要ありません

し、「この授業は難しいけど、私の進路のために必要だから勉強しないと」と思う感想が出てくる

はずです。やはり、私たちは「自分で」決めることが出来ていないと感じました。

その一方で、名古屋市立大学の生徒の取り組みは「自分で」決めた素晴らしい例だと思います。

廃れた名西に、再び盛り上げるという自分の強い意思のもと朝ご飯屋を作成する。そのために、

クラウドファンディングやヤドカリ方式や Twitter での情報拡散など自分たちに出来る現実的な

方法を考えるのは、特に自分の意思で決めることなく毎日をのうのうと生きている私たちと正反

対です。しかし、テレビの中では成功しているように報道されていましたが、実際は矢部先生な

どの支援が無ければ成り立たたなかったということ、それもあのままでは経営が持たないと聞い

て私は改めて意思だけでもだめだと感じました。しかし、自分の意思で実際にお店を開くことこ

ろまで行ける行動力は凄まじいことがあると、思いました。

また、授業の中で矢部先生は「彼らは自分の意思で行動しているから『急にビデオ撮って送っ

て』と無茶ぶりしても、すぐに送ってこれる」とおっしゃいました。これが、私たちには出来な

いと思います。今も実際、こうして授業へのコメントを書いていますが「どうして書いてるの?」

と聞かれると、小中高と同じように「先生に言われたから」と返すしかありません。他にも「な

んでサークルに入ってるの?」と聞かれてもすぐに理由を述べれない、「親がどっかに入っとけ、

と言われたから」とこれまた自分の意思で行動出来ていないことのボロが出てしまいます。今回

の授業で、私たちが抱えている問題点を深く理解することが出来ました。

それをもって、今後どのように行動するかがわたしの課題です。近くにある自分の意思いで決

める事は、夏休みです。大学の夏休みは、なにもありません。だからこそ、「自分で」決めること

が大切だと思います。例えば海外に行ったりして、普段出来ない体験をして自分の見識を広めた

いです。その上で、後期の履修登録です。ここで「単位」のことを気にせずに「自分で」しっか

りと決めたいと思います。他に授業中にも言及されていましたが、告白など自分の意思で決めた

ことをしっかりとしていきたいです。

最後に「こいつなにも分かってないな」と思われそうですが、矢部先生の言葉を選ばずにあり

のままの現状を伝える方式が大好きです。出来れば、キャリアプランやこの総合科学部入門講座

でももっと先生が前で喋って欲しいなと思います。

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今回の授業は、地域創生コースの矢部先生によるものであった。

まず、矢部先生は授業の冒頭で、大学の授業を軽視することにより、生徒は意味のある授業よ

り楽な授業を選ぶのではないかという仮説を述べていたが、そこに疑問を持った。なぜなら、大

学の授業を軽視してない場合でも、バイトや部活・サークルが忙しいからといって楽な授業を選

ぶ人もいるであろうからだ。システムの問題も確かにあるかもしれないが、それだけではなく、

大学でやることを軽視していなかったとしても、今後、この学びがどのような点で役に立つのか・

重要なのかということを具体的に説明する機会の無さも問題であるはずだ。

今日、ある授業で先生が、「『教養なんてやっていないで、はやく専門科目につきたい学生がい

るから、それを学ばせた方がいいのではないか』と言う先生がいました。しかし、これはもって

のほかです」と言っていた。なぜなら、教養がなければ、社会で信用されず、なめられるからだ。

また具体的な例も出していて、たとえば、今後 50年間生涯を共にする夫もしくは妻に「知性」が

なかったらどうか、そんな人とずっと一緒に暮らしていきたいと思うか。他にも、2 人でおしゃ

べりをしているときに、これこれこういう事があって...と片方が話して、それの返事が、「へぇー」

「ふーん」「それより、今日あのお店でバーゲンやっててさぁ...」とかいう人がいたらどうか。こ

ういう人たちが持っているのは、あの店は美味しくて、今日はあそこでセールやっているとかの

ゴシップであって、なんの知性の欠片もない。こういう人とは友達になりたくないし、自分もそ

ういう人になりたくないよね?と。

私はこの言葉を聞いたとき、すごく教養教育の大切さが身に染みた。

いままで私は教養を、自分の視野を広げるためだと思って受けていたが、自分の視野が広がっ

た感じはしなかった。何も変わった気がしなかった。しかし、今日のこの言葉を聞いて、別の大

切さを知ることができた。だから、もっと教養教育に力を入れようと思った。

これは、私の主観であるから、参考にはならないかもしれないが、少なくとも、人間、意味が

分からずに勉強するよりは、意味が分かって勉強することが大事であるのは、証明しなくても明

らかなことではないだろうか。

であるので、「実践をやらないからだ」云々だけではなくて、もっと他の理由もたくさん存在す

夫婦の話は,お互い同じような教養であったら特に問題ないので,

教養を身につけるのでは無くて,同じような教養の人を探す術を身

につけることが必要なスキルです。

教養のある人と無い人のカップルは問題ですが,お互いに教養が

無ければ,,,,,ないという言い方は差別的なので,同程度であれば,

問題は生じません。

今日の授業ではきちんと伝わらなかった点は,上記でして,私の

ゼミにやる気の無い人が来てしまうのは何故かというのが,今日の

授業の出発点です。上記のパートナー選びを失敗している夫婦のよ

うに,多分,自分に合っているゼミを選ぶスキルを身につけられて

いないことが問題なんだろうと考えました。楽な授業をしている先

生もいるのですから,そういう学生はそういう先生のゼミに行けば

いいのに,何故かそういった先生の所には行かない。二重の意味で

なめている学生だなと思っています。

サークルや諸々で楽な授業をとるのも構いませんが,そういった

学生も同様に,楽に単位を出してくれる先生のゼミに行けばいいだ

けのこと。別に全員に真面目に授業をうけろと主張したかった訳で

無いのですが,「授業」ですし,まだ素直な一年生ですので,あのよ

うな感じで授業をしました。

マッチングが大事なので,自分にあったコース,ゼミを見つけて,

楽しい大学生活を送ってく下さい。

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るであろうから、システムの問題だけで改善できると考えるに至ったかの過程を説明してほしく

思った(授業の時間的な問題で、そこまで細かくはやらないという部分もあったとは思うが...)。

次に、実際に生徒たちが「まち」に出て、活動する様子をビデオを交えながら解説していった。

これは、実際の映像で、どんなことをするかを観ることができたので、とても分かりやすかっ

た。そして、映像を観ることで、どんなことをするのかが具体的にイメージできた。

私は、今回インターンで、阿波おどり会館およびその周辺地域の新しい価値を発見する、とい

うことをやる予定だ。矢部先生は授業の中で、「たかが朝ごはん屋さん 1つを開くのにも、色々な

ところに行って、たくさんのことを知らなければならない」と言っていた。この言葉は、今回の

インターンをする上で重要なことと重なっている。私の参加するインターンでは、まず、地域を

まわって街頭調査をしてから、価値創作に向けての仮説・立案をするのだ。私は初め、街頭調査

は、地域の人々のニーズをはかるためにやるものだと思っていたが、今回の先生の言葉で、それ

だけではなく、価値創作のためには様々な知識がないといけないのだと言うことを学んだ。今回

の授業ではそのことに気づくことができて良かった。

ビデオの中では、生徒が「ひとの顔が残っている 生活が見える っていう良さ」「開発が及んで

いないっていう良さ」と言う部分があった。こういうところに目を当てて、それをわかりやすい

言葉で表現できているところに感心した。この表現の上手さなどは、実践だけではなく、様々な

本や情報を集められるものから学んだものなのだろうと思い、「実践+座学(的な学び)」の両方が

大切なのであろうと思った。

また、実践から学ぶことにおいて、「どれだけ自分は自分の『意志』でやっているか」というの

が大切だという発言にも、とても心打たれた。文書はじめの教養についての話とも重なるが、や

はり 1番重要なのは、その「自分が」やるのだ、という心持ちが大切だからだ。

今回の授業を通して、自分が気づかなかった側面についても知ることができ、また、頭の中に

はあっても、なかなか言葉として、考え方としてまとまっていなかったものが、言葉によって括

られた感じがした。

これから、この言葉やその意味を忘れずに、様々なことに取り組もうと思う。

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名古屋市立大学の生徒の朝ごはんを作るプロジェクトでは色々な人たちのサポートを受けて成

り立っていた。矢部先生の知り合いが料亭の人にアポを取ってサポートを促してくれたりと「繋

がり」がこのプロジェクトを支えたように思えた。これを見て交友関係を広げることは非常に役

に立つと感じた。社会学の樋口先生が前にアルバイトなどで同学年だけでなく年の違う人たちと

の関わりを持って欲しいとおっしゃっていたが、その意味がわかった気がした。なにか起業しよ

うと思っても、当然素人であるので一人でやろうとしても失敗するだけである。知識面だけでな

くどれだけの人にサポートを受けられるかも起業を成功させる上で非常に重要だと考えた。もち

ろん起業だけでなく、日常生活や大学生活また就職した際などいろいろな面で交友関係が広いこ

とが助けになってくれることがあるだろう。また、このプロジェクトでは友人の Twitter でのつ

ぶやきをきっかけに広まったということである。こうした思わぬ身近な繋がりが助け舟となって

くれることもある。だからこそ現在の繋がりを大切にし、これから関係を広げて行きたいと感じ

た。

矢部先生のお話で気になったのはやはり 1 年での授業で大学をなめてしまい単位取得が楽な授

業ばかりをとってしまい、卒業論文に困りしまいには就職でも困ってしまうと言う話だ。大学の

先生が見るコメントでこういったことを言うのはマズイかもしれないが、確かに矢部先生の言う

通り大学の授業は思っていたよりもつまらないものが多いと感じた。最初の方は人が多かった授

業でもどんどん人が減っているのもこういうことだと思います。つまらない授業では出席のカー

ドだけ通して帰っている人も多く見かけます。そうなると、どうせつまらないのなら単位を取る

のが楽な授業を取ろうする気持ちになってしまいます。

しかし、一方で最初から今までの授業まで多くの人が授業を聞きに来ている授業もあります。

僕の受けている授業の中では、「通常本一冊のところを三冊よんでレポートを書けば到達度で評価

するので出席したくない人は出席しなくてもよい」と先生が一回目の授業で言ったにもかかわら

ず人は減っておらず、座る席を確保するのも苦労するほどの混み具合です。別によいしょするわ

けではありませんがこの総合科学入門講座とキャリアプラン入門も人が減っているようには感じ

ません。このように当然良い授業もありますが、全体的になんかつまらないしめんどくさい授業

が多いのでできるだけ単位の取りやすい授業を取ろうとしてしまいます。

だが、けっして授業がつまらないからという理由でだけでなくやはり人はできるだけ楽したい

いい感じで,学生の悩みが書かれてあり,山口先生的には良くな

いのかもしれませんが,私の授業へのコメントとしては,100点です。

所詮,学生と教員は利益が一致しないので,コメントに書かれてい

たような授業は理想ですが,それだと教員の負担が高くなりすぎま

す。毎回コメントに点数つけるのは理想ですが,少人数ならいいで

すが,この授業のように大人数である場合は大変です。選択問題に

して自動的に点数がつくような仕組みを開発しないと時間が非常に

かかります。また,この授業もキャリアプラン入門も必修で,この

単位をとらないと卒業できないので出席しているだけだと思われま

す。

高校に比べると大学は予見できないことが多いので不安になるこ

とも多いかと思いますが,社会に出たらもっとどのような評価で動

いているのかが不明瞭です。そういった見えないモノを見る力が学

問です。明確に評価基準が書かれていなくても,これはこういった

基準で動いているはずだから,これくらいやっておけば大丈夫だろ

うと確信できる力を是非身につけてください。人生のコントロール

感覚という指標なのですが,これが高まると人生は楽しくなります。

ただし,現状の総合科学部だと,この人生のコントロール感覚を高

めるために,コメントにもあったような楽な授業をとってゆくので

すが,,,,,,。

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と思うものなのでどうしても自分の関心よりも楽さを優先してしまう面もあります。大学に入る

前に先輩などから難しい授業を取ると単位を落としてしまって大変だと聞かされたりと単位を落

としてしまうかもしれないという不安から楽な方へ行ってしまうこともあります。その要因とし

ては、授業の評価方法が明確でないというのもあります。

総合科学入門講座では提出したコメントに点数がついて帰ってきますが、帰ってこない授業も

あります。特に紙に書いて提出する授業では帰ってこない授業がほとんどです。そうなるとちゃ

んとできているか不安になります。また、シラバスに評価方法が明確に書かれていない授業もあ

ります。こうしたときも少し不安になり取るのをためらわれるかもしれません。単位を落とした

くないという不安感からも楽な授業を取りたいという気持ちになってしまいます。なので僕のよ

うな生徒からすると、面白くて比較的単位を取るのが楽な授業が理想です。しかし、将来就職時

に困ってしまうのでしょうか。前期は初めてだったので割と適当に授業を入れてしまいましたが、

後期授業を入れる際はよく考えて入れようと思います。

後、気になるとすれば現在は人手不足で就職時は選ばなければどこかには入れるということで

す。これは、素直に喜んでもいいのでしょうか。就職は何社も受けても一つも内定がもらえない

こともあると聞いたことがあります。杞憂かもしれませんが、やはり心配になります。このまま

の大学生活で就職大丈夫かなと思う時もあります。それと卒論を書くことについてですが、書き

たいと思った内容についてすでに論文があったりするとかぶってしまうのでやはり避けるのでし

ょうか。早くテーマを見つけることも大事なのでしょうか。それとも早く決めすぎるのもよくな

いのでしょうか。卒論についても気になることが多いので早めに詳しく学んでおきたいです。

「自分の意志で行動できているか」という言葉を大学生になって数か月経った自分にもう一度

問いかけたいと思った。私はこの徳島大学に来たいと思って入学したわけではないということを

言っている友達や先輩にたくさん出会ったし、自分も別に徳島大学を目指して必死に勉強をして

きたわけではない。受験に失敗した言い訳だと言われるかもしれないが、この大学に来て思うこ

とは、受験の時に気にしていた偏差値なんてお飾りにしかすぎず、本当に大切なのは自分が進ん

だ先で何をするかということだと気づいた。徳島大学の自分の周りでも授業が面白くないからと

書かれていること,ほとんど私が大学時代に感じていたことと同

じなので,読んでいて思わず笑ってしまいました。私も,国内派人

間であったのですが,留学がコスパが悪いと感じるのは,参加して

いる人間のレベルが問題なだけなので,海外には行けるチャンスが

あれば行った方がいいです。日本にいても学べますが,全く異なる

環境にいると入ってくる情報が全て異なるので,これまでの自分の

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授業に出なかったりしている人もいる。実際、旧帝大に合格したものの、授業をサボって、バイ

トばかりしている高校の時の友達もたくさんいる。

だからといってインターンシップや留学に積極的に参加してデキル大学生を演じるのも違うな

とも思う。この大学に来て「起業はいいぞ」、「留学はいいぞ」と何回も言われてきて、留学を経

験した先輩が「留学することで視野が広がりました」、「異文化に対する理解が深まりました」、「積

極的になれた」などと口をそろえて言っていたが、かなりのお金をつぎ込んで得られたものが「異

文化理解」、「視野の拡大」、「積極性」というのは幾分コスパが悪いように思った。もちろん、留

学を否定しているわけではないが、現段階では自分には必要のないことのように感じた。僕は幸

い大学で学びたい学問がすでに決まっているので、それに関する文献を読み漁って、自分が研究

したいことを早く見つけることで、大学外での調査を行って充実した学生生活を送ることができ

るはずだ。

「クラウドファンディングで朝ごはんを提供する」という話では、大学の教室に座っていては

体験することができないことをしていて大変そうだが非常に充実しているように見えた。一方、

自分の入っているサークルを悪く言ってしまうことになってしまうのでサークルの名前は出さな

いが、そのサークル(以後サークル A)は毎週毎週ミーティングを行って何をするでもなく、社会人

が使っていそうな覚えたてのカタカナ語を使って自分が「忙しい大学生」、「デキル大学生」を演

じているようにしか見えない。

ここで私が疑問に思ったのが前者と後者には一体どこに違いがあるのだろうかということだ。

名古屋市大の「駅西朝ごはん」の活動に直接関わったわけではないので正確ではないが、授業中

に見た映像から判断すると、自分が取り組む理由は何なのかということや、その取り組みを行う

ことために必要なことは何かということをしっかりと考えているという点で顕著に違いが表れて

いた。もちろん、名市大の「駅西朝ごはん」は学生たちのみで完結していたかというと、そうで

はないし、授業であったように先生の力や、大学生という肩書がなければ成り立たなかったであ

ろう。その点では私の所属しているサークル Aも全く同じということなのだが、サークルで集ま

り、内容のないミーティングを延々と繰り返していくことに満足してしまっていて、本来あるべ

き姿とはかけ離れてしまっている。

そのようなことになってしまうのは、矢部先生が冒頭で話していた、大学 1 年次の授業がしょ

経験が相対化されます。本当の異文化体験とはそういうことなので

すが,彼らの言うレベルの異文化体験なら,テレビの BS とかでやっ

ている良質のドキュメンタリーを観れば得られることは可能です。

あと,海外は誰と行くかが重要で,別に海外に限らないのです

が,,,,コスパが悪いのはそういった人と一緒に行っていないという

こともあります。大半が単なる語学研修であったりするので,,,。外

国人の留学生と仲良くなって,その人の案内で現地を紹介してもら

うと,本当の異文化経験ができますし,海外で普通に仕事をしてい

る人の案内で海外を旅すると,現地にいる人でも行かないような所

や,組織や人を案愛してくれて学ぶことは多いです。

グローバル化社会なので,実際は国内国外の区別無く,必要なモ

ノがあるところがたまたま海外であっただけなのですが,言語とい

う壁があり,日本の場合は,相対的に日本語という壁で守られた特

殊な社会でもあるので,そういった自分の社会の特徴を,海外に行

くと端的に学ぶことができ,また,自分たちとは異なったスタイル

の優れたものに出会うこともができますので,だまされたと思って,

いい人見つけて,是非,海外に行ってみて下さい。自分のやりたい

専門がきまっているとのことなので,その関連でツテをみつけて海

外にゆくのがいいかなと思います。

以前,沖縄ですが,同じワークショップで報告するアメリカ人の

沖縄研究者に沖縄を案内してもらったのですが,非常に面白かった

です。

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ぼい故に出席しているだけで点数が取れてしまう(形だけでなんとかなってしまう)といった経験

を繰り返してきたということが関連している。つまり、一生懸命に取り組んだふりをしていれば

点数や単位を簡単に取れてしまうことが当たり前になってしまい、いつしか物事を実現すること

自体に満足するのではなく、その過程自体に満足してしまっているのだ。名市大が「駅西朝ごは

ん」を行う際、資金を集めるためにクラウドファンディングを利用したのは「大学生であれ後戻

り、逃げ出せない状況を作り出すため」と授業中に見た動画で言っていた。大学生が何かを取り

組むときに「大学生だから」という言い訳ができてしまうが、いかにして成功させるかというう

危機感をもって取り組むことをしなければ、大学生のおままごとやデキル大学生ごっこにしかな

らない。また、大学 1 年次の授業がしょぼいという話が授業中であったが、それは、ただ単に授

業に受けるだけ、与えられた課題を取り組むだけといった受動的な学習態度であるからそう感じ

るだけであって、自分で文献を調べてみたり、疑問に感じたことを解決するために自分で調査を

してみたりというような能動的な学習態度をしていれば、仮に大学 1 年次の授業がしょぼいとし

ても、楽を覚えることはない。

今日のテーマは、「現場に出て考える クラウドファンディングで朝ご飯」というテーマのもと、

矢部先生からの講義だった。クラウドファンディングで知り合いでもない人からお金を集めて名

駅西を活性化させようと行動をおこした名古屋市立大学の学生の動画を例に、自ら考えて、行動

していくことの大切さを学んだ。

また、矢部先生の話の中で、今の時代は入った学部と将来の進路先は一致しないということに

ついても話があった。法学部なら弁護士、経済学部はエコノミストという風に、昔はそういう風

潮があったが、現代は学部によって進路先を決めることは古い考えであると改めて私は実感した。

今までと同じ考え方を持ってはいけないということを学んだ。昔は、成功していくための手本が

あって、その手本通りに従っていくことが当たり前だとされてきた。しかし、現代は、リキッド・

モダニティ(液状化する社会)になり、様々に考え方が変わり、今まで当たり前にやってたことが通

用しなくなり始めた。そのような現代においては、自ら考え、実行していくことが重要だ。

総合科学部は、勉強すれば進路先が決まるという学部ではなく、自ら考えて行動をしていく必

私自身,今でこそ,いろいろなまちづくり活動をしていますが,

大学生時代は実は一切そういった活動はしていませんでした。卒論

で滋賀県長浜市の子ども歌舞伎をテーマに書いて,大学院の博士課

程に行って,長浜が実は中心市街地活性化の成功事例であることを

知り,そこからまちづくりに興味を持つようになり,今に至ってい

ます。逆に,大学時代はいろいろと活動していたけれど,社会人に

なったら全くしないという人もいます。人生は長いので,無理して

今活動をしなくても,いずれ,どこかのタイミングでするべき時に

すればいいとも思っています。

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要があると改めて感じた。自分の意志で行動できない人は、就職においても不利になるし、何よ

り自分が成長することができない。

卒論ができない=就職が微妙だという矢部先生の言葉がとても印象に残っている。他の人がそう

するから自分もそうしようかなという考えではなく、迷わず、自分にどのような可能性があるか

をきちんと自分が理解することが重要であるという話があった。大学の授業においても、この授

業は単位が楽に取れるからというそのような理由ではなく、きちんと自分の将来を考えて、自分

の将来のために、この授業は大事であろうということを決めて考えることの大切さを学んだ。自

分の置かれた状況を判断して、行動していく能力が、これからは問われてくる。

個人化する社会について、どこかに所属していることと未来は直接つながらず、先例を信じて

はいけないということについて学んだ。日本の人口推移について、日本の総人口は、2004年をピ

ークに、今後 100 年間で 100 年前(明治時代の後半)の水準に戻っていき、この変化は、千年単位

で見ても類を見ない急激な減少であるという話があった。人口拡大社会では、大都市問題が最先

端であり、人口縮小社会では、地方の問題が最先端であることを学んだ。人口拡大社会から人口

縮小社会に変化していったことで、これまでの常識が通用しなくなり、自分で確かめることの大

切さに気づいた。

名駅西を活性化させようとして、クラウドファンディングによって朝ご飯の店を経営している

活動を取りあげた名古屋市立大学の学生についての動画を二つ見た。

一つ目の動画は、商品の鯛茶漬けの出汁を深夜の二時ぐらいに準備している様子などが映り、

てきぱきと学生たちが働いている動画だった。

二つ目の動画は、学生たちが店の準備をしている様子や、店を始めたばかりの様子が映し出さ

れていた。一つ目の動画とは違って、米のとぎ方に奮闘している様子や、鯛の切り方を知らない

といった、戸惑っている様子が映し出されていた。学生たちが鯛の切り方を教えてもらう様子や、

鯛を仕入れている魚屋だったりと、決して全てが学生たちの努力ではなく、地元の人たちの支え

や努力があって、学生たちは、この活動を実践することができるのだと分かった。これら二つの

動画を見て、同じ大学生が、地域の活性化のために、朝ご飯のお店を経営するというこの行動力

に感銘を受けた。

今日のこの授業をうけて、私も自分で意識して行動していける人間になりたいと強く感じた。

Page 27: 学生のコメントとそれへの応答・抜粋 - Tokushima U...1 2019/06/07 総合科学入門講座 学生のコメントとそれへの応答・抜粋 学生のコメント

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自分で目的意識をもって行動し、疑問に思ったりすることがあったら、自分からその問題解決の

ために率先して行動していくことが重要である。実際に現場にでて行動をおこした学生の活動の

様子をみて、その活動に魅力を感じた。実践から学ぶという姿勢はとても重要なことで、外から

見ていたら見えないことでも、自分が実践して関わっていくことで、見えなかったものが見える

ようになり、多くのことを理解することができる。実践しようと行動をおこしていく際にも、他

人からの誘いではなく、やはり自分の意志が重要になってくる。現代の液状化している社会にお

いて、私は自分の意志で行動し、世の中の様々なことに柔軟に対応できる人間になっていきたい。

今回、自分の今までの行為を振り返るきっかけにもなったので、有意義な講義であった。この四

年間の大学生活を充実したものにするのはやはり、自分にかかっていると強く感じた。

集団の社会から個人化する社会へと変わっている。これは多様性と言い換えることもできる。

現代では、「ある枠組みの中に入っているから将来のビジョンは見えている」といったことは必ず

しもあるわけではない=所属と未来が一致するわけではない。したがって、「◯◯学部だから◯◯

だろう」と言ったように所属や名前だけで決めつけてしまったり、所属に身を委ねたりするので

はなく、実際に個々が自分の意思で決断をしていくこと=自己決定することが大切である。

先例を信じるのかという問いもあった。自分自身について決めることに消極的になり、自分の

生き方や判断を他人に委ねてしまうこともあり得る。

矢部先生の「1950〜2000年を生きた人々は上りのエスカレーターに乗っていた」というのは面

白い例えだ。1955〜1973 年にかけて高度経済成長があり、その中で三種の神器である白黒テレ

ビ・電気洗濯機・電気冷蔵庫が普及し、オリンピック景気で公共投資が拡大した。加えて輸出の

増加や、いざなぎ景気、3Cと呼ばれる乗用車・クーラー・カラーテレビの普及があった。最終的

には崩壊し、1900年代は不況に陥ったものの、バブル景気もあり、まさに上りのエスカレーター

に乗っている。よって、自分が前進している様に見えてしまう。

また、人口減少についても触れた(2)。人口減少、主に少子化に伴って見られた変化は大学入学

と就職だ。平成 6 年度において進学率は 50%に達していないが、平成 29 年度の進学率は 57.3%

で 2人に 1人以上が進学していることになる(1)。大学進学が当たり前の時代になっているのだ。

自分でいろいろと考えるきっかけに授業がなったようで嬉しい限

りです。「正解」がないので,自分でいろいろと考えて,限られた制

限時間の中で納得した答えを出して進んでみて,ダメならまたそこ

で考えて修正して,,,,そういったトライアンドエラーのなかで人生

をサバイブするスキルを是非大学で身につけて下さい。

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しかし、少子化により定員割れをしている大学がある。すると、大学は学生確保に力を入れる。

本来は入学を請うはずの立場である「志願者」が、「大学側」へと変化することも起こり得る。さ

らに入学後の問題として、履修登録の際、自分の興味・関心を基にすることなく、単位の取りや

すさのみを念頭に置いて科目を選択する学生がいる。そうすると、単位の取得が容易なため、成

績優秀となり、「自分は優秀だ」と錯覚する。やがて、卒業論文に取りかかる際、テーマを決める

ことができず、「どうしたらいいか」とつまずいてしまう。それは、就職活動にも影響する。自分

で判断・決定をしてこなかったため、自ら主体的に行動することができないのだ。

とはいえ、企業は人手不足で学生を必要としているため、学生 1 人つき 2 社から内定を貰って

いる(3)。しかし、これは落とし穴。昔も今も変わらず人気の企業の倍率は依然として高い。つま

り、自分の希望する就職先によって変わる。「2社からの内定」というのは「選ばなければ」の話

だ。当然、希望先の倍率が高ければ競争は激化する。また、内定を貰っても、その企業が上手く

カモフラージュしているだけで、ブラック企業という可能性も拭えない。もはや、現代社会は上

りのエスカレーターではない。集団や所属によって、点と点が線になるなど無いことを理解しな

ければならない。

最後に、名古屋市立大学の朝ごはんについて。彼らの着眼点や発想が良かったというのもある

が、驚くべきは「繋がり」だ。食に関して詳しく知らないところから、人から人へコンタクトを

取ることによって、最終的にプロの料理人から教わる段階にまでたどり着くことができた。市場

で鯛を仕入れる際にも、相手のご老人が「孫の様で可愛いから」と言っていた。これも「繋がり」

や「人の情」などがこのプロジェクトを前進させた証だ。

参照

1.文部科学省

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2018/02/05/1388639_1.pd

f 2019年 6月 8日閲覧

2.総務省統計局 https://www.stat.go.jp/data/jinsui/pdf/201905.pdf 2019年 6月 8日閲覧

3.日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22734330W7A021C1XVA000/ 2019

年 6月 8日閲覧

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今日は待ちに待った矢部拓也先生の授業でした。キャリアプランの授業一回目のときから私は

矢部先生のファンなので、今日の矢部先生の授業はすごく楽しみでした。私は大学入学前、そし

て入学して当初は、大学の先生というものは厳つい、おじいちゃんのような、考え方の古めかし

い人ばかりだと思い込んでいましたが、矢部先生は私の考える先生像の真逆を行く人でした。文

部科学省や徳島大学の授業のことを迷いなくクソと言うし、キャリアプランで 90分講義したあと

の先生の話を直後に即否定するし、良い意味で先生っぽくなくて、すごく授業を聞いていて楽し

いです。正直なところ、今までの総合科学入門講座の山口先生の授業よりよっぽど楽しくて、1

度も眠くならずに聞くことが出来ました。これからも全部矢部先生が授業してくれないかなあと

本気で思います。

私の第 1 志望のコースは心身健康コースなのに、矢部先生の授業の受けたさのために今少し地

方創生コースとも迷っています。誰得情報ですが、私の推している先生は矢部先生、樋口先生、

内海先生、高橋先生です。なので、内海先生と矢部先生の共演を見られた先日のキャリアプラン

の授業はとても私得でした。できればもっとやって欲しいです。

今日の授業では、まず、今の徳島大学 4 年生がダメな理由は徳島大学総合科学部の教育にある

のではないかという話を矢部先生から聞きました。大学に入学して楽な授業を重視して取り始め

ると、自分の進路と関係ない授業ばかり楽さのためにとるようになり、結果充分な学力や思考力

のない学生が育ち、その学生達には大学卒業や就職に値するほどの能力を持てないようになる、

という話を聞いて、それが今の私と同じすぎて少しドキッとしました。私も大学入学直後、部活

の先輩たちに楽な授業は何なのか聞いて回ったりしたので、図星を突かれているようでした。

その後の授業では、名古屋市立大学の学生さん達が主体的に、名古屋駅西口の焼き鳥屋さんの

店舗を借りて朝ごはん屋さんを開くという地方創生の活動について話を聞いたりビデオを見たり

しました。夜など限定された時間にしか営業しないお店の店舗を閉まっている間借りて営業する、

というヤドカリ方式など、初めて知ることが沢山ありました。テレビ番組などが、「大学生が」地

方創生のために主体的に活動するというエピソードを美談として良い面だけを放送するのを鵜呑

みにし、凄いな、かっこいいな、と感じるだけでしたが、その後の活動以前からの密着テレビ番

矢部,樋口,内海,高橋というラインナップ,普通の人が見たら,

一見バラバラのように見えますが,私は,なかなかセンスがあるな

と思いました。樋口先生は,一緒にされて嫌がるかもしれませんが。

実は私も大学 1 年生の時は臨床心理に興味がありました。今から

思うと,完全にカルトですが,高校時代にはコリン・ウイルソンと

いう参加の本にはまっていて,大学に行ったらそういうことをした

いなと思っていたのですが,色々とあり,学部では,ゼミは政治学

科の社会学のゼミにゆき,大学院では都市社会学を学び,今は地域

社会学をしています。

サークルは考古学研究会に入っていて,マスターキートンという

マンガのような人物になりたいと一時思ったこともあったのです

が,夏休みに合宿で発掘に行くときに,父の入院がありそれで行け

なくなり,友達たちに遅れをとったので,考古学の道はあきらめま

した。ただ,こういった過去があるために,考古学の中村さんとは

気があったりして,今の人生を豊かにしてくれています。学部のコ

ースを選ぶためだけの学問では無く,人生を豊かにするモノですか

ら,心理の道に進んでも,社会学や民俗学への興味は,他の人には

無い個性と人生の豊かさをもたらしてくれると思います。

シャンプーに関してはよく言われるのですが,普通のシャンプー

を使い,髪もドライヤーを使わず,そのままタオルでちょっと拭い

てそのままです。多分,いろいろと付けたり,ドライヤーで乾かし

たりしないことが結果的に今のような感じなのだと思われます。

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組での、鯛の捌き方やお米のとぎ方、出汁のとり方などに悪戦苦闘する学生達の姿や、試作品を

酷評される姿などを見て、地方創生をやってみるうえで、難しいことは沢山あるし、やってみよ

うというやる気だけで全てが上手くいくわけではないんだなということを感じさせられました。

日本料理のお店の方や地方の方が学生を手伝ってくださっている様子を見て、地方創生という

のは、学生や大学教員など少数だけで出来るものではなく、その地域に住んでいる方々や料理人

の方、漁師さん、その他大勢の人の協力があってこそ成り立つものなんだなと感じました。私は

今まで心理学にしか興味がありませんでしたが、今回の駅西朝ごはん屋さん開店に至るまでの良

い面、悪い面などを 1 部分見て、楽しそうだな、やってみたいなと少し思いました。今回の授業

を受けて、私は今まで楽さや課題の少なさなどで適当に授業を受けたり履修登録したりしていま

したが、今後は自分の将来の夢と関連のある授業を積極的にとっていこうと思いました。

今後もし心身健康コースに進めたなら、コースは違いますが、矢部先生の授業にも参加したい

なと思うような楽しい授業でした。最後にひとつ質問なのですが、矢部先生はシャンプー、トリ

ートメントは何を使われているんですか?(いつも矢部先生の髪がツルツルサラサラなので、ずっ

と気になっています。)あと、今回の授業でとったコース希望の集計結果などを、キャリアプラン

の授業などで学生に向けて教えて下さると嬉しいです。今日は本当に楽しい授業でした。ありが

とうございました!!

今日の授業は、矢部先生の『クラウドファンディングであさごはん』でした。ビデオを 3 本ぐ

らい見ました。そのビデオは、活気がない名古屋駅の駅西を何とかしようとして、駅西で朝ご飯

を提供している大学生の方が提供してくれたものでした。

はじめ、大学生がお店をするというのを聞いて、準備などが大変そうだとか、あまりもうから

なかったらどうするのだろうと思っていました。しかし、大学生のそのような活動を好意的に受

け止めている方がいたり、お店に来てくれる方がいるということが分かったので、大学生だから

と言って相手にされないわけではないんだとおもいました。

しかし、だからといって、うまくいくことだけではないということも知らされました。大学生

の方が、魚介類を取り扱う料理人の方に、鯛茶漬けで出す鯛のさばき方を教わっているところが

ありました。矢部先生は、お店の準備をするにあたって、どんな人とつながっているかというこ

朝ご飯の継承者を探すことに関しては,実は,私も同じ事を彼ら

に言っていました。彼らも他大学に声をかけたりしていろいろと活

動はしたのですが,就活もあったりして,結局後継者が見つからず

終わってしまいました。私が名古屋にいれば,もちろんどうにかし

ますが,徳島であるのと,そこまでして無理矢理続けても結局は上

手く行かないと思うので,,,こういった活動の難しいところです。

ただ,商店街活性化の基本は商店主ですから,筋論としては,彼

らがすべきだと私は思いますが,本来すべき人が動かないのではど

うしようも無い。また,学生の活動ですから,この程度でも良いの

かと思います。

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とがとても大切だとおっしゃっていました。また、教わっていたのは高級料理店の方だったので、

ある程度の知識がないと、相手にされないと思います。だから、お店をするために協力を得たい

のであるならば、教養を持つことも大事なことだと分かりました。

しかし、わたしは、少しこうしたらよかったのではないのかと思うことがありました。

ビデオで見た大学生の方たちは、クラウドファンディングで資金を募って、夜にしか営業をし

ない居酒屋を朝の時間に借りて、営業をしていました。しかし、利益が本当の目的でなく、学生

という身分もあって、そのお店は 3ヵ月間しか営業されていませんでした。

しかし、わたしは、自分たちがやった後も誰かがお店を引き継げるようにしてみてもよかった

のではないのかと思いました。理由は、お店をやっているときに 1日に 30杯用意していた鯛茶漬

けが完売しているということを知ったからです。決して、毎日、完売していたということはない

と思いますが、お客さんは来ていたので、需要は少なからずあったんだと思います。

しかし、お店も鯛茶漬け 1 杯の値段を 500円としていたことや、居酒屋の貸出料が高かったこ

とから、利益は本当に少しだけしか出ていなかったので続けることができる商売ではなかったと

思います。

そこで、もう少しお店を出す期間を延長して、どのぐらいの値段であればお客さんは鯛茶漬け

を食べてくれるのかといったことや、従業員は何人が望ましいかなどといったことを検証してみ

ればよかったのではないのかと思いました。そうすれば、お店を続けることができ、駅西を活気

づけることができると思います。

また、私はこの授業で学んだことがたくさんありました。

一つは、先例を当てにしてはいけないということです。もちろん私たちの時代と、親の時代で

は、ずいぶんと違っているので、当てにしてことがうまく運ぶとは限らないからです。また、私

は、公務員であれば安定していると思い込んでいたことがありますが、万が一国家が破産したら、

給料をもらえなくなってしまうので、公務員であったとしても確実な安全は保証されていないと

いうことなので、公務員だから安心だとは思わないようにしようと思いました。

もう一つは、教員ばっかりを当てにせず、自分たちで行動してみることが大事だということで

す。今日の大学教育では、生徒たちが主体的に学べるような変革を求められています。もちろん

授業をするのは大学教員ですが、そのことを教員にまかせっきりにせず、自分たちも何かを学び

もちろん,大人の活動であれば,きちんと三ヶ月で利益を出すの

か,今後の展開を見出すなどをする必要があります。そこらへんが

プロとアマの違いですね。

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取ろうとする積極的な姿勢を身に着け、授業に対してコメントを書き、授業をよりよくすること

が大切だと思いました。

また、主体的な学びのためには、大学内だけに留まらず、インターンシップなどの経験を通し

て社会に出ることも大事だと思いました。そして、社会の価値観を身に着けて、困難に直面して

も冷静に状況判断ができ、問題解決する力を身に着けることが大学のゴールではないのかと思い

ました。

以下は授業のまとめである

今回の講義では、まず大学の状況についてお話があった。

「卒論が微妙だと、就職もだめだ」という現象があるという。この原因は様々であるが、その

一つに GPA 制度があるという。GPA 制度には授業の難易度が反映されていないため、生徒は興

味のある授業よりも楽な授業を選びがちになってしまう。こうして大学という自主的に学ぶ場に

いるにも関わらず、学校の制度に甘え、自分から興味を持つ経験なしに卒論の段階までくると何

について書けばいいか分からなかったり、就職に際しても、することが出来ないために、あふれ

るほどの情報の中から自分に必要なものを選び取ることができず、置いていかれ、最後に残った

ブラック企業に就職するはめになることもあるという。こうならないためには、やはり自分の置

かれた状況から物事を判断する能力を身に着けることが重要である。

昔は、「大学に行けば就職」とルートが決まっていたのに対し、今は大学に行っていても就職と

直接結びつかず、このような社会をバウマンは「液状化する社会」と呼ぶのだという。別の言い

方をすれば、「個人化する社会」という言葉が表すように、どこかに所属していることと未来が繋

がらないという状況である。(例;総合科学部に来たからと言って、みんながある特定の職業に就く

わけではない。)このように、昔とはまるきり状況が変わってしまっている今、「先例を信じては

いけない」ということであった。

例えば、かつては「人口拡大社会」で、徳島でも人口が増えていいるくらいだったため、アメ

リカなどの大都市を見習っていれば良く、社会のシステムもそれに準ずる形で組み立てられてい

る。しかし「人口縮小社会」になった今、人口の減少は地方だけの問題ではなくなっているが、

解決策はもはや都市にはなく、むしろ地方にこそあるのだという。かねてから人口が少なかった

感想にあるように,セカンドベストを見つけられるかが重要です

ね。ただ,考え方によっては,人気の授業は誰もが思うことなので

レッドオーシャン。人気がないということは,ブルーオーシャンで

もあるので,ニッチ産業としての可能性がありますので,ポジティ

ブに,いろいろな可能性を読み取る能力を身につけて下さい。

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地方こそが、人口の少ない時代の代表であり最先端なのだ。つまり、先例はない。先例がないか

らこそ、自分で考えなければならないのだ。これからの社会で生き抜くためには「どれだけ自分

の意志で行動できているか」が鍵になるという。

次に「自分の意志で行動する」ことの例として、名古屋市立大学の朝ごはん屋さんを追った VTR

などを見た。大学生が、駅前を活性化させるために何ができるか自ら考え、朝ごはん屋さんを開

店することにしたのだという。店は、夜に営業している居酒屋を借りる「ヤドカリ方式」で、資

金は「クラウドファンディング」で工面した。料理経験がなかった大学生たちは、老舗料理店の

店主に料理を習った。材料は近くの市場に自ら出向いて調達した。大学生が...凄いなあという感

じの VTRだった。

しかしこの映像には見えていない部分があるという。まず老舗料理店の店主に教えてもらえた

のは、大学生らの教師の知人であったからである。こういったネットワークがなければ、見ず知

らずの大学生にわざわざ教えることはしないだろう。次に、このビジネスは成り立たないという

ことである。破格の値段で料理を提供するため、売り上げから賃料と材料費を除けばほぼ手元に

残らず、そこから給料を払うのは困難であるからだ。最後に、この朝ごはん屋さんに客が足を運

んだのは、大学生の友人が拡散してくれたからであり、彼らだけの力では効果がなかったという

ことになる。

まとめとして、やはり重要なのは新しい場所に出て人とつながることであるということであっ

た。

以下は感想である。

履修登録の際、興味のある授業をとりたくても、抽選漏れしてしまってとれなかった。みんな

がみんな希望通りにというのは不可能だとは分かっているが、やるせない気持ちになった。そん

な中で学んでいくには、その時々で興味を見つける努力をしなければ確かにやっていけないなあ

と思った。「将来何したいとかあるの?」と言われて「うーん...」と首をひねってしまう私、かな

り危険だなとも思った。

今日は、学生が朝ごはんのお店を出すということを用いて学んだ。ニュースによって取り上げ

有名連に入っていると言うことで,キャリアプラン入門での阿波

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方が全然違っていたり、実際は大人のつながりで成り立っていたりということが分かってとても

面白かった。

私は、私と同じくらいの歳の学生が、「朝ごはんの店を出す」というのを実行したのが本当にす

ごいと思う。自分が、何となくお店出せたらいいのになとか、こんなことできたら楽しいのにな

と思うことはたくさんあるけど、それを実行するとなったら、また話が違うだろうといつも考て

しまうのに、現実にはできている人がいるというのがびっくりした。また、飲食店となると、衛

生面を一番に考えないといけないので、雑貨とかを売るよりも神経をとがらせて計画運営してい

く必要があるから大変そうだと思った。それを乗り越えるには、やはり大人の助けが必要で、大

人の中でもその知識や実力をしっかり持っている人とつながっておく必要があるのだということ

が分かった。

ビデオレターを送っていた男子生徒が矢部先生の急な注文にも応えて、短時間で伝えたいこと

をまとめられるのにも驚いた。普段からしっかり自分の意見を持ち自分の考えで行動しているか

らこそできることだと思う。そこで、自分は大学に入学して二か月間、自分の意志で考え行動で

きているかを改めて考えてみた。

私は、徳島にきて、阿波踊りを始めた。それもサークルではなく、有名連に入連した。サーク

ルを選ばずに、わざわざその連に入ること自体は、かなり自分の意志で行動していたと思うが、

最近は厳しい練習のせいもあり、仕方なく練習している感じである。

もちろん、自分から始めたときはとてもやる気があって、しんどい練習でも乗り越えられたし、

楽しかったが、練習をする目的を見失ってしまったら、やらされている感じがしてきて、入連し

たから何となく続けている、ということになってしまう。

踊りというのは、比較的自分の成長が目に見えてわかりやすい。しかし、その踊りでさえ、目

的を見失ってしまえば、なかなか自分の意志で練習することができなくなり、周りにつられて何

となく続けるだけになってしまうのだ。

では、大学の学問に対する自分の姿勢はどうだろうか。明らかに、踊りよりも自分の成長は目

に見えてわかりにくいし、大学はとりあえず行ったほうがいいだろうという考えで入学したのも

事実である。私は、英語の教員になりたいという夢があったので、国際教養コースを選択したい

という思いが元々あった。しかし、最近大学で国際について学ぶうちに、民族音楽や日本語教育、

おどりの番組はいかがでしたでしょうか。

身体性というか,おどりなどで自分が成長している感覚と同じ事

は,学んで行く中でも身について行きます。私自身,今回の話も何

回かしているのですが,話している中で気づきがあり,自己成長を

感じる瞬間があります。そういう言い流れに入ると良いのですが,

なかなか難しいですね。

朝ご飯にかんしても,あそこに行くまでには紆余曲折あり,もと

もとは実践活動をする気はあまりなく,真面目な社会調査をしてい

ました。調査結果の解釈などが間違っていることが結構多く,その

原因が,彼らが全く実践経験がないのに,まちづくりについていろ

いろと言っているからだ思いました。彼らもそこらへんが分かって

きたみたいなのと,私も実践を薦め,リノベーションスクールとい

うこういったまちづくり活動をしているグループのボスが知り合い

なので,講演会したり,,,,,色々と彼らにインプットした結果があ

あいった活動に結びつきました。ある意味偶然という所もあります

が,もともと,彼らがアクティブであったことは間違いないですの

で,何事にも前向きに頑張って行こうとの最後のくだりはその通り

であると読んでいて思いました。

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多文化共生など、英語教師以外の色々なことに目が向いてきて、余計にフラフラさまよってしま

っている気がする。そうすると、大学での学び自体も、何となくこなしたらいいかという発想に

なってしまって、これでは良くないなと自分でも考えていた。また実際に、一般教養などでは興

味のない授業もあるので、適当になってしまいがちだ。どうすれば、大学の学びを最大限に自分

にとって意味のあるものにできるのか。

私は、興味のある分野にとことん打ち込んで、自分のモチベーションを上げることで、興味の

ない分野も勢いに乗って頑張ってしまうというやり方が一番自分に合っていると思う。そうすれ

ば、興味のある分野を学び知ることで、もっと知りたいという欲を持つことができるため、自ら

学ぶという姿勢が途切れることもないし、興味のない分野の勉強が苦になることもない。

学生が、朝ごはんの店ができたらいいな思ったことを実現できるということは、やはり、興味

をもって貪欲に知ろうとすることとそれを実現しようと少しでも行動することが大切だというこ

とだ。また、それを専門とする人に頼ることも自分の夢への近道になると思う。だから、大学で

は、自分の意志で、教授に貪欲に質問をして、それをしっかり自分のものにし、得た知識を用い

さらに行動に移すということを頑張っていきたいと思う。

今回の講義で学んだことについてまとめる。

まず、卒業論文を書けない人は、自分の就きたいところに就職ができないという事である。大

学で、卒業論文を制作するときに、何について書けばよいかわかりませんと言ってくる学生がい

る。そのような人は、単位がとりやすいや受業が楽であるなどを理由に、自分にとって、楽であ

る道を歩んできたため、自分が何をしたいのか、自分が何について調べ研究したいのかという明

確な目標を定めていないないがために、そのようなことを言ってくるのである。しかし、楽な道

を歩んできたにもかかわらず、単位や成績がつくので、自分は成績優秀であると勘違いしてしま

っているのである。そのような人は、自分で考えて行動に移す力が身についていないのだ。現代

は、個人化した社会であるため、自分が所属していることが、みんながどこにし就職するかとい

う事にはつながらないのである。

次に現代と過去が、大きく変わってきているという事についてで、現代と過去では大きく異な

山口先生の授業では,きちんと内容をまとめる訓練ができていて

驚くばかりです。1年生の必修の授業では,エンターテイメント性

を重視しているために,今ひとつ,授業内容まではきっちり固定し

ておらず,その時々の皆さんの反応をみながら,反応が良い感じの

方向に進んでゆくので,こういったまとめをしてくれると,振り返

りになって勉強になります。

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る点がある。現代は、人口が大きく減り、人手不足の時代であるが、過去は、ベビーブームの影

響もあり、現代とは違い人口が増えていた。そのため、極端に言えば、店の前に物を何かおいて

いたら、売れていくという時代であったのだ。このように、現代と過去では、私たちが置かれて

いる状況は、大きく異なっているのである。そのような現代を生きる私たちにとって、先生や先

輩が話していることは本当のことであるのか、本当に私たちに当てはまることであるのかはわか

らないのである。ここで大切になってくるのが、自分で確かめるという事である。これまでの常

識が通用しなくなった先例を信じてはいけない時代を生きる私たちにとって、自分の意志で行動

していかなくてはならないのだ。

つぎに、名古屋市立大学の学生の方たちが行った活動についてで、名古屋市立大学の学生の方

たちは、名古屋駅の西側をもっと活性化させたいという思いから、夜に営業をしている店を借り

て、朝の 5 時から、鯛のお茶漬けをつくるお店を開くという活動をした。そのお店を開店させた

裏側には、店を開店させる前日には仕込みをしたり、駅前で宣伝のビラを配ったり、よいだしを

完成させるために試食会を開き意見を求めたり、実際に魚の料理屋にいって鯛のさばき方を教わ

ったりするなど、たくさん念入りに準備されていた。名古屋市立大学の学生の方たちは、名古屋

駅の西側のポテンシャルをもっと生かすにはどのようにすればよいのかを、自分たちなりに考え

て、行動に移していたのである。また、先生が、動画を送ってほしいと頼んだ時にもすぐに準備

をできていた。それは、まちをこれからどうしていくのか、どうすればよいのかという事に対し

ての自分の考えをしっかりと持っているためである。

また、この活動が、学生たちだけの力ではできなかったことも事実である。大人と大人の様々

な関係性によって、あの鯛のお茶漬けができたのである。たとえば、鯛のお茶漬けを作るにあた

って大事になる、鯛の切り方は、先生の知り合いの方の紹介によって、実際に魚料理をを作って

いる方に教えてもらうことができたのである。これらからも分かるように、コアな部分を支えて

いたのは、日常的な関係性であったのだ。社会において、自分の身の回りに、たくさんの関係性

をはりめぐらせて、自分のやりたいことが見つかり、それを実際ににしようというときネットワ

ーキングし、展開していくことが重要なことであるのだ。

最後に、今回の講義では実際にほかの大学生が行っている活動のの動画を見るなどして、自分

で考えてそれを行動に移すこと、自分の周りのたくさんの人たちとの関係を張り巡らせておくこ

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との重要性を学ぶことができた。

今回の授業では、名古屋の学生が、地元で地域活性化のためにお茶漬け屋をするという取り組

みに密着した動画を見た。この学生達は、名古屋駅の駅西が東側に比べてまだまだ発展していな

いことから、駅西をもっと活性化させるために活動を始めた。私がこの動画を見て最も印象に残

ったのは、学生たちの行動力だ。駅西を活性化させるために何ができるのかを考え、自分達でパ

ワーポイントを作り、計画し、自分達で実際に店まで出してしまった。確かに矢部先生の言われ

た通り、店を出す上で重要なお茶漬けの味付けというところでは、外部の力がなくては決してで

きなかったことだ。しかし、この駅西活性化計画の始まりは、あの学生達の行動力あってのもの

だ。今まで、高校で先生から与えられた課題に、自分なりに工夫して取り組んできたこととは全

く違う。学校という枠組みからも外れ、社会の一員としてゼロから自分達で行っている。いくら

一生懸命に学校の課題に取り組んでいても、これはできないことだと思う。社会のことに目を向

け、地域活性化のために今の自分達ができる範囲内で最大のことを分かっていなければならない。

この動画を見て、今大学での慣れないレポートに苦戦し、レポートを終わらせることができた

だけで満足してしまう自分は、本当に学校内にしか目を向けられていないと思った。学校の課題

は最低限やらなければいけないことだから、もう一度時間の使い方を見直し、学校外の活動にも

目を向けられるようにしなければならない。そして、学校外の繋がりをもっと作っていきたい。

名古屋の学生達が、お茶漬けを販売できる味付けにできたのは、先生方の学校外の繋がりがあっ

てのことだった。昔から私は、学校内での繋がりを作ることで精一杯で、それ以外での繋がりは

かなり少なかったように感じられる。大学生になったのを期に、バイトで社会人の人と接したり、

サークル活動で他校の学生と話す機会を自分から作っていき、今までとは違った繋がりを増やし

たい。

今の徳島には、名古屋の駅西以上に活性化させていかなければならないところが多くある。地

元のことはつい見落としてしまいがちで、いいものは何でも都会にあるように思えてしまう。し

かし、もう一度徳島を見直し、都会と何でも比べるのではなく、田舎ならではの良い点を見つけ

ることが徳島活性化の第一歩になるのだと思う。

昔は,生協の学生委員が,楽単を教えていたようなのですが,そ

ういったある種の「まじめ」な学生だけでなく,普通に先輩は楽な

授業を教えてくれるんですね。そういったダメな先輩は,その時は

よい先輩のように見えてしまい,サークルなどでも地位をもってし

まうという負の連鎖。

ただ,そういった先輩だけではないと思うのですが,面白い授業

とか,ためになる授業を教えてくれる先輩は皆無なのでしょうか?

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矢部先生は授業の前半に、自分が学びたいと思うものではなく、先輩から聞いた楽な授業ばか

りを専攻し、大学を卒業していった生徒をどんな企業が欲しがるだろうかという話をされていた。

この話を聞いていて、私は正直ドキリとした。前期の授業で大変だと思うものがいくつかあるの

だが、その授業中に「何でもっと簡単そうな授業にしなかったのか。」と少し思ったからだ。また、

友達が「あの授業すごく楽なんだよ。」と言っていたのを聞いて、どうして自分もそっちにしなか

ったのかと思ったこともあった。しかし、自分がやりたいことではなく、楽な道ばかりを選んで

いては、本当に自分がやりたいことでさえも分からなくなってしまう。就職活動の時に、自分の

やりたいことが分からなくなるということは、核を失ってしまうことと同じのように思う。なぜ

なら就職は、会社のコンプライアンスもとても重要だが、自分がこれから社会でどんな活動をし

ていきたいかということも同じくらい重要だからだ。就職活動の時に、自分のやりたいことはこ

れだとはっきりと言えるように、授業はしっかりと自分の興味関心に沿って選びたい。そして、

専攻した授業は、受け身な姿勢で受けるのではなく、積極的に話し合いなどに参加し、得られる

ものを少しでも増やしていきたいと思う。

今回の授業の内容を段落的に説明する。

1:徳島大学の授業はぬるい。

2:卒論と就職。

3:フィールドワーク。

矢部先生の授業は、聞いていて面白い。周りの人や誰かがしたことをなりふり構わず否定して

いくところが好きだ。先生の主張が全て正しいということはないかもしれないが、先生の主張に

はなるほど、と納得できることが多い。というか、納得させる話術が巧みな気がする。

さて、授業の内容にはなしを移す。授業の始めには徳島大学は教室のキャパ数が少ないため、

留年させることができない。よって学生が真面目に授業を受けなくとも、単位が取れる。これが

意味することは私大に比べて授業がぬるい、という徳島大学批判があった。わたしには関西大学

に通う双子の弟がいる。彼がいうには、教室の収容人数が大きかろうが少なかろうが勉強しない

奴はしないし、する奴はする、らしい。わたしもそう思う。むしろ、仮にも国立大学である徳島

大学の生徒の方が授業を真面目に受けるのではないかと思う。

まるしぇ雨で無くなるかもしれません,,,,

山口さんは哲学者であり,テキストの批判的な検討を通じて真実

に達するやり方を教えています。実は,私がフィールドでもやって

いるのも同じやり方です。自分なりに現実社会を批判的に検討して,

正しいかを確かめています。

また,先行研究がある場合はそれを調べた方がいいです。全く無

手勝流でやっているような感じで話しましたが,私自身それなりに

も文献は読んでいますが,最先端の事情は本になっていないので現

場で収集するしかありません。現場に出るのは,いわば,参考文献

を読むようなモノです。その場合,その本のレベルが大事で,どこ

でも現場に行けばいいわけでは無く,学ぶべき価値がある現場であ

るのか,何を学べる現場なのか,,,,ここら辺は山口さんの文献の選

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次に、卒論と就職の関係について教えてもらった。矢部先生の言葉を引用すると、「卒論がうま

く書ける人は就職も上手くいく。反対に卒論に時間がかかる生徒はいつまでたっても就職活動を

始めることができず就職を決められない」。ではなぜ卒論を書くのに時間がかかってしまうのか。

それは自分の所属するゼミを決める際、自分のやりたい授業ではなく楽して単位を取れる授業を

選択しているからである。一時的な利益のために自分から甘やかすと、長期的に見たときに結局

就職と言う最終的なゴールに到達することができない。僕は、その意見を参考にして、後期の課

題発見ゼミを決めるとき、自分の進みたいコース、やりたい学問研究テーマを元に、属するせん

せい、ゼミを選ぼうと思った。

ここで 1 つ、地域創生コース所属である矢部先生に聞きたいことがある。地域創生とはその名

の通り、地域の産業、観光などを発展させることで地域の活性化を目指すコースだと思う。だが、

現在の日本は急速に少子高齢化が進み、地方は過疎化が著しくなっている。今回紹介してもらっ

た駅西商店街の大学生の取り組みなどもある程度は効果があったかもしれないが、それをしたこ

とによってあの地域はそれ以降どうなったんだろうか、名古屋はまだ都会だが、もっともっと地

方で、人がいない地域の支援は、どうすればいいのか、わたしには見えてこなかった。これから

もっと急速に人口が減少し高齢化が進み日本の地域を助けるためにはどうすればいいのか、矢部

先生はどう考えているのか?疑問に思っている。ぜひ答えてもらいたい。

次に、フィールドワークがもたらす論文やレポートの説得性について教えてもらった。これま

で私たちは総合科学入門講座の山口先生を筆頭に、論文やレポートを書く際には引用をし、出典

を明記することの大切さを何度も聞かされてきた。その影響からか、私たちは何か自分の主張を

するときには、第三者の意見である引用をしてきた。だが矢部先生は自分の主張の根拠を自分の

経験を根拠にすることもできると教えてくれた。むしろ、自分で考え、実践したことならば、主

張にも筋が通り、相手を納得させることができると説いた。わたしも高校時代、論文を書いたと

き、その主張に説得力を持たせるために、そして身を以て学ぶために自分の興味ある業界にイン

ターンシップをしに行った。その経験は目的を果たすことができ、身を以て学ぶことは大切だと

知ることができた。これも後期の課題発見ゼミでも活かそうと思う。

1つ矢部先生に報告がある。6月 30日のマルシェ、訪れようと思います。

び方とかそういったものでやれと言われたことと多分同じだと思い

ます。

直観主義のように見えるかもしれませんが,ロジカルに物事を組

み立てて行くことが重要で,一応,皆さんが説得力があるのは,皆

さんが感じているだろう学校生活を予測して,それを参照する形で,

論理を組み立ているからです。それと,実は,授業でのなめている

理論は,コーススペースで四年生に話してみて,まあまあ OKがでた

ので,授業で話しています。ある意味,参考文献にあたって,論を

組み立てています。

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大学生が自ら名古屋の駅西を活性化するために、駅西周辺にどんな店があるか調べて計画した

り、午前中閉店している店の場所を借りて店を開いていました。ただでさえ勉強で忙しい大学生

が、駅西で朝ご飯を売りに出すのは行動力があってすごいと思いました。米のとぎ方もわからな

いような大学生が鯛茶漬けを作るのは相当大変だったと思います。二つの番組を見比べたり、矢

部先生から裏話を聞くことで裏側も見えました。でも実際は、赤字だったり、ツイッターでバズ

ったから、結果的に成功したのだと聞いて、驚きました。テレビを見る限り、この取り組みは成

功しているように見えたが、実際は赤字だと聞いて驚きました。いかにも取り組みが成功してい

るように見せることができるのでテレビは恐ろしいと感じました。現実は甘くないと思いました。

テレビは重要なシーンを切り取ることも可能で、表面的なことしかわからないと思いました。実

は私たちがテレビで見ていることは単にテレビ局が伝えたいことだというだけで、事実をそのま

ま伝えているわけではありません。情報に流されて、事実を知ることができていないことは、今

回のことだけではなく、今までにもたくさんあるのではないかと気づき、恐ろしく感じました。

しかし今の世の中で情報操作に流されることなくたくさんの情報の中で、どれが事実なのか見

極めることはほぼ不可能なのではないかと考えました。でも、教養をつけることで、完璧ではな

くとも、勘違いを防ぐことはできるのではないかと思った。だから、これからは今まであまり読

むことのなかった本を読んだり、大学の授業に意欲的に取り組んでいきたいと思いました。

総合科学部は、他学部によく、何を学んでいるかよくわからないし、そんな学部を出て、将来

なんの役に立つのだと馬鹿にされることがあります。私も入学する前は、そう感じることもあり

ましたが、私はまだやりたいこともわからないし、まだ高校生なのに、学部を決めて将来の可能

性を狭めてしまうのはよくないと思いました。意味のない勉強はないと思いました。どこでやく

に立つかなんてわからないと思います。専門的なことだけを学んでも、本当に知識のある人には

なれないと思います。幅広い知識を身に着けて、将来活かせるように頑張りたいと思いました。

視聴者に伝えたいことだけが伝わるように情報を操作することもできるので、テレビだけの情報

で判断するのはやめようと思った。また、二つの番組を見比べることでテレビ局によって、同じ

出来事なのに、全く見た後の印象が異なることに驚いた。メインでなにを伝えるか決めることで、

印象が 180度変わってくると思います。

小松島の商工会議所に呼ばれて講演に行ったことが何回かありま

すが,,,,残念ながら実践まで持って行く人がいない,,,,,,何か小

松島でやろうかと思いました,是非,ご相談下さい。

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矢部先生が近隣住民として出演していたので面白かったです。しかし、何も事情を知らない人

から見ると本当に近隣住民に見えるなと思いました。

また、今回の講義で、社会学の良さも理解することができました。座学じゃなくて、実際に外

に出て、学んでいきたいと思った。高校までは、座学ばかりでしたが、大学生になったら、その

ような実践的な授業も増えていくと思うので楽しみだと思いました。私も実際に今住んでいる小

松島をもっと活性化させるために、なにか活動したいと思いました。大学生になったら実践的な

活動をしたいと思った。例えば、小松島は、たけちくわや、タヌキが有名なので、それに因んだ

スイーツを作ったらいいと思いました。若者が地方に出て行っているので、それを地方に呼び戻

すために、若者が好みそうなものを選んだらいいと思いました。都市だけでなく地方にももっと

人口を移して活気を取り戻す必要があると感じました。

今日の総合科学入門講座では現場に出て考えるというテーマで矢部先生に話をしていただい

た。総合科学入門講座というより、キャリアプラン講座に近いものであった。

今日の講座の内容は、まず総合科学部の評価は何点?と言われた。入って三か月目となったが、

入学してよかったと思えるところがある反面、まだ何をしていく学部なのか分からないといった

のが個人的な感想である。だからこう考えているため、上記の点数を付けた。また同じく質問と

して進級時の希望コースは?ということであった。まだ自分は将来なりたいものを決めていないた

め、とても迷った。だから、改めて徳島大学のサイトのコース紹介を見て、今少し興味を持って

いることが学べるコースを選んだ。正式に決める時までに自分のやりたいことを見つけておきた

いと思う。

次にクラウドファンディングで朝ご飯というテーマの話であった。その言葉を聞いた時、疑問

しかなかった。クラウンドファンディングという言葉は、聞いたことはあったが、どういうもの

か知らなかった。こんなものがあるのだと知ることができたのでよかった。今回名古屋市立大学

の学生さんが行っている活動を動画等で見た。同じ大学生が自分たちで考えて行動を起こし、店

を行っていたのには、衝撃を受けた。と同時に、自分は大学生活中にこんなことができるのかと

不安になった。

確かに,キャリアプラン入門の講座でも可能ですね。総合科学部

の学生時代のキャリアの話は入門講座の話でもあるので。

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最初は、すべて順調に進んでいたわけではなかったのに町を盛り上げたいという気持ちを原動

力に取り組んでいたのにとても尊敬した。自分だったら、困ったことがたくさんあったら、あき

らめていただろう。でも今回この学生さんの取り組んでいる姿を見て、自分も何かあってもあき

らめないようにしたい。

また、人脈は大切だと分かった。今回のことは一人だけではできることではない。一緒に取り

組む仲間やこの店を始めるにあたって手伝ってくれたたくさんの人がいたからこそ、できたもの

である。大学生活を通して、人脈を広げることは、すべての学生にとって、必要なことである。

大学内だけでなく、ボランティアや興味の持てる活動などに参加して、大学外でも人脈を作ろう

と思える講義であった。

さらに感じたことは、今ある時間を無駄に使いたくないということであった。なんとなく授業

を受けて、なんとなく過ごし、一日が終わるのは、とてももったいないと改めて考えさせられた。

せっかく時間があるのだから有効に使おうと決意した。だが、何かに挑戦しようという気持ちだ

けでは、駄目である。何をしたいか、具体的に目標を決めることで実行できるだろう。目標を立

てるのと立てないのでは、全然違うというのは、経験済みである。というのも、高校の時、ただ

成績を上げたいという気持ちだけでは、うまくはいかなかった。それに対し、次のテストで何点

取るといったように、具体的に目標を立てたときは、本当に目標達成することができたのである。

だから、大学でも、ただ実行したいという気持ちだけでなく、明確な目標をもって実行できるよ

うになりたい。

今回の講座は、自分にとって、考えさせられるものであった。今はまだ知識も実力も持ってい

ない自分だが、大学四年間を通して、今回講座で見た学生さんのように、自ら行動できる人にな

りたい。そして、地域の役に立てる人になりたいと思う。

私は、前期授業の履修登録の際、楽に単位が取れるかという判断ではなく、自分の興味がある

かどうかに基づいて授業を選択した。出席するだけで単位がもらえるとは思っていないし、先生

に媚びて単位をもらおうとも思っていない。普通に、真面目に授業を受けているつもりである。

だがしかし、私は総合科学部に入るという選択をしてよかったのだろうか、という不安が 6 月に

不安があるなら,仮面浪人して,次年度のセンター試験を受けて,

経済学部に行くのが王道であると思います。それなしで,不安は払

拭されないかと。

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なった今でも完全には拭えないでいる。私は元々経済学部を志望していたが、結果的に総合科学

部に入学することになった。勿論、様々な分野を学ぶことができ、視野を広げることができると

いうのは総合科学部の良い点であると思う。とはいえ、やはり「広く浅く」の裏返しとして、他

大学の文系の専門的な学部に比べると、どうしても専門性に欠けてしまうのではないだろうか。

以前キャリアプラン入門の授業で、心理学の内海先生が「総合科学部に入ってよかった」とい

う話をしてくださったが、それでもまだ私は物足りないのである。総合科学部の良いところは何

だろうか、私が心から「総合科学部に入ってよかった」と思えるように、総合科学部の強みを教

えていただきたい。私はこの大学での 4 年間を、不安を感じたまま中途半端な時間として過ごす

のではなく、自分の選択に自信を持った、深く有意義な 4年間にしたい。

また、今回、名古屋市立大学の学生の授業を視聴した率直な感想として、「それが成功したのは

都会だからではないのか?」という疑問を挙げる。放送されたテレビは、視聴者に「大学生の力で

このプロジェクトが成功したのか、すごいな」と思わせるような内容であったが、矢部先生の、

あの成功は大人たちの力があってこそのものだという話は大いに納得した。社会はそんなに甘く

ないだろうし、やはり若さだけでは難しいのだろうなと思った。

だが、その納得とは別に、何だか心にモヤモヤが残った。それは、都会に対する劣等感である。

同じ条件で大人の力があったとして、あのプロジェクトは徳島で成功するのだろうか。私は地域

活性化について何の知識も無いが、というかそれ故、疑問に思う。テレビの中で、駅西商店街の

おばさんは「駅西はさびれている」と言った。駅西がどの程度さびれているのか、あのテレビを

見ただけでは私にはあまりわからないが、徳島市中心部の東新町のシャッター街を見ても、おば

さんは同じセリフを口にするだろうか(東新町商店街の皆さんごめんなさい)。そもそも名古屋は都

会であり、駅西は名駅(と呼ぶなんて私は初めて知った)のすぐそばにあるのだから、宣伝が上手く

いけば、ある程度の人は集まるだろう。その後の経営はどうであれ、人が集まるかどうかという

ところにまず大きなハンデがあると思う。私は「これだから都会は有利だなぁ」と感じてしまっ

た、そう私のように感じる人が都会に流されていってしまうのか、とも。地域創生や町おこしに

ついて取り組むとき、都会で学ぶのと田舎で学ぶのでは、内容に差が出てしまうのだろうか。

最後に伝えておきたいこととして、この文章を読み返すと、私が田舎を毛嫌いしているような

印象を与えてしまいかねないが、私は地元が好きである。都会に少し憧れつつも、落ち着いたこ

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の町に愛着を持っているということを前提において、以上の質問をさせていただいた。

初めに、矢部先生は「卒業論文のテーマを決められない学生」を取り上げて、学生が授業をな

めているのは授業が良くないからなのではないだろうか、という仮説を立てられた。授業がショ

ボいために、授業をなめた学生が出席を偽装してアルバイトに励み、いざ卒業論文を書くとなる

と、何について書けば良いのか分からなくなってしまうという。

そういうふうに「何をすべきか分からない」と言う学生は、大学に来るべきではない、と先生

はおっしゃった。「分からない」「どうしましょう」という質問だけでは答えるほうも答えられな

いので言うな、というお話は高校時代から聞かされたし、そんなことをいう大人はダメな大人だ

と世間では言われたりするが、1年生には厳しすぎるのではないだろうか。

今は昔と違って、「法学部を出たら弁護士になる」という常識は昔のものになってしまった。な

ぜなら、法学部を出ても、弁護士にならない人もいるからである。また、よい大学を出て、大企

業に就職し、結婚してマイホームを持つというサクセスストーリーも、今では通用しない。なぜ

なら、いまや昔と比べて多くの若者が大学に通っており、大卒という肩書はそんなに重視されな

いからだ。大企業への就職でもよいが、自分のやりたい仕事をしたいという人もおり、また、女

性の社会進出などに見られるように、結婚に縛られない生き方も広がっている。日本は今、人口

が減少する社会のため、親世代の言うことを鵜呑みにしてはいけない。

名古屋市立大学のまちづくりを学ぶ学生によるあさごはん屋の企画を知った。名古屋駅の西側

は東側と比べてさびれているが、これからは発展していくと見越してのことだった。まだ大学生

なのに、ビジネスチャンスを見つけたりペルソナを考えたりして、学生だけで企画や運営をして

店を出すのはすごいと思った。

彼らは名古屋駅の西側に朝ご飯を食べられるお店がほとんどないことに注目し、夜行電車から

降りてきた人々や地域の住民をターゲットにした。地元の魚屋さんなどとつながりを持ち、場所

を貸してくれた焼き鳥屋さんによる鶏のダシを地元の鯛のダシに合わせたりなど、お客さんに喜

んでもらえるように工夫していた。

彼らの企画を報道した 2 つのテレビ放送を見比べた。1 つ目と比べて 2 つ目の報道では、お米

1 年生には厳しいですが,何をしていいのか分からないという例で

あげたのは 4 年生です。質的な変化が無ければ,何年いても同じか

もしれないなと思ったのが,今回の授業ショボい理論です。1年生の

今と同じまま,気がついたら 4年生になっていないことを祈ります。

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の研ぎ方が分からない大学生がお茶漬けを売るという、まだ未熟な一面もある大学生の姿も映し

出していて、共感した。放送の仕方によって受ける印象がこんなに違うんだなと思った。

そして実際は、魚の切り方などを教えてくれた方は人脈のある方で、学生たち自身で何もかも

をこなしたわけではないことも教わった。やはり、大学生が出来ることには限界がある。なので、

事前に人脈を広げておく努力の大切さを学ぶことができた。そのために、一通りの知識を頭に入

れておくことも、大人に必要なことらしい。大人は大変なのだなと思った。

授業のテーマはクラウドファンディングだったのに、それについての話がほとんどなかったの

が残念である。結局先生は「人脈を広げておくのが大切だ」とおっしゃりたかったのだろうか。

あまり人が見たがらないような、綺麗じゃない社会の部分を、笑いを取り入れながら学べる授

業スタイルが面白かった。

徳島大学の授業は何点?回答分布