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産業データ共有促進事業 結果報告 2019年4月11日 経済産業省 商務情報政策局 情報経済課 資料1-2

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産業データ共有促進事業結果報告

2019年4月11日

経済産業省 商務情報政策局

情報経済課

資料1-2

産業データ共有促進事業(平成29年度補正予算事業)

生産性向上特別措置法においてデータ共有認定制度創設に伴い、Connected Industries重点5分野の協調領域における事業者等が保有するデータのさらなる活用(共有・共用)のため、その基盤となるシステムの構築や実証運用、システム構築に向けたデータ標準・互換性、API連携等の検証調査を幅広く補助。

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予算額:18億円 (定額補助、数千万円~最大3億円、約20件)

○支援条件のイメージ• Connected Industries重要5分野を中心とした広範な事業領域を想定。• 複数企業間でのデータ収集・活用(共有・共用)に向けた取組。

※対象データは産業データに限らない。事業者等が保有するあらゆるデータの収集・活用に関する取組が対象※収集、蓄積、解析等したデータの取り扱い条件は個別の事業毎に設定可能。無条件での公開等を求めるものではない。

• 特定のベンダーやメーカー等に限られない、様々な IoT機器等からのデータ収集・利活用を見通した取組。• 加点要素として、以下を検討中。

国内の他の共有基盤や諸外国の共有基盤との連携等、今後の拡張性が高い取組。 データ解析等における最先端のAI技術の利活用等、先進的な取組。 データ共有認定制度(生産性革命新法)における認定を目指した取組。

⇒上記の要件を有する者のデータ標準・互換性、API連携、あるいはデータ共有・共用に向けた基盤構築を検証するFS調査を補助。

補助対象事業

業界内

原材料

仕入れ

製造 卸 小

サプライチェーン

川上から川下までデータ活用

業界標準検討会議

A社 B社 C社

業界内でのデータ標準化や活用

調査研究事業 システム構築・実証事業

利用者、対象データ、サービスの拡張性

A社 B社 C社

DB

マーケットプレイス

マッチング型

※システム構築や実証事業の前段階である業界内でのデータ標準化やAPI連携に向けた検討調査を主目的とする事業も対象。

※データ活用(共有・共用)実現に向けたシステム開発・運用事業を支援。データ活用を目的とした事業であれば、実装方法や事業運営スキーム等は問わない。

システム構築イメージ

B社A社 C社

DB

利用者、対象データ、サービスの拡張性

シェア型(中央管理)

A社

B社

C社バリューチェーン関連データ

利用者、対象データ、サービスの拡張性

バリューチェーン型

A社

B社

C社

D社

E社

F社

シェア型(分散管理)

各社共通の目的下でデータを共有 各社のDBから必要なデータのみ共有各社が設定する条件の下データを公開 工程の自動化、効率化等の目的でデータを共有

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【参考】産業データ共有促進事業 1次公募採択者⼀覧(13件)

幹事社名 (共同申請者・コンソーシアム事業者) 事業概要

公益社団法人 関西経済連合会(国立循環器病研究センター、田辺三菱製薬、日本ユニシス)

健康・医療等のパーソナルデータを自組織内で解析、結果を統計データ化し集約(仮想統合)することでビッグデータ化、それを用いた新商品・サービス創出の可能性を検証、あわせて、プラットフォーム化の可能性を検証する。

国立がん研究センター(ファインデックス、デジタルデータソリューション)

病院内部の患者情報や診療データ、紹介元・紹介先及び患者や家族の診療外データ等を患者同意のもとに収集し一元的に管理する環境を構築する。収集したデータを共有し、産業創出につなげる。

さくらインターネット株式会社JAXA保有衛星データと欧州宇宙機関等の海外データとの連携・共有可能性の調査及び国内地上空間データ統合API等の開発事業。共通基盤としての衛星データ及びAPIの環境整備を行う。

株式会社JTB(エブリセンスジャパン株式会社)

宿泊ビッグデータを保有する観光予報プラットフォームを基本にし、観光に関する多様なデータを継続的に蓄積する仕組みを構築する検証事業。

学校法人 慈恵大学(株式会社アルム)

医療機関等からの医療情報とヘルスケアデバイスのデータを個人同意の上で多面的なPHRとして統合し、二次利用を行うことでサービス改善や新規サービス創出を推進する。

株式会社シップデータセンター運航データの収集・蓄積等、船舶に関わるデータ基盤を構築、一元管理することで利活用が促進される環境を整備、産業界全体におけるビックデータの活用機会を最大化する。

一般財団法人 石油エネルギー技術センター業界横断的に製油所の各種データや解析モデルをプラットフォーム上に共有し、製油所保安へ適応する。他業界からも多くのデータを収集し、解析モデルの適用を検討する。

株式会社大学成績センター(日本オープンオンライン教育推進協議会)

現在、一部企業の新卒採用場面の利用に限られている履修履歴データの利用を社会人でも継続可能とするDBとすることで、さらなる履修履歴データの共有・利活用を推進する。

ダイナミックマップ基盤株式会社(株式会社スマートドライブ)

高精度3次元地図データの共有を行う事業効率的な地図メンテナンスや自動走行・安全運転支援システムでの利活用に貢献する。

株式会社ちとせ研究所(三井化学、味の素)

微生物等の培養に関する基礎データを収集、共有する事業。最適な培養条件を決定するAI分析等にて、バイオ産業の生産性効率を目指す。

株式会社日本総合研究所(慶應大、ウォーターセル株式会社)

自律多機能型農業ロボットの各種センサーやデバイス等を利用し、農作業、植物体、土壌、気象、市況等のデータを収集・共有し、農業者、流通業者、メーカー等の連携や新サービス創出の基盤を構築。

日本電気株式会社(中部電力、関西電力、アイホン株)

街頭カメラや車載カメラ等で収集した映像データを基盤上に管理・共有し、人流データ等から都市計画へ貢献、また顔特徴データから宅配事業者他へ新サービス展開を図る。

横河ソリューションサービス株式会社(Hmcomm、日本ゼオン株式会社)

パイプラインを含む生産プロセスラインで発生する音声を収集、AI解析を用いて、パイプの「つまり」を中心としたプロセス異常の予知・予兆把握に活用する。

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【参考】産業データ共有促進事業 2次公募採択者⼀覧(12件)

幹事社名 (共同申請者・コンソーシアム事業者) 事業概要

一般社団法人 インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(DMG森精機、日立、ファナック、三菱電機)

製造業の生産現場に存在するデータを利活用するため、個々の製造プラットフォーム間をオープンで共通的な枠組みでつなぐことを目的に、企業を超えた利活用、連携に向けた共通辞書の仕組みを構築する。

株式会社インテージテクノスフィア(ジャパン・インフォレックス、ジーエフケー マーケティングサービスジャパン、Payke)

消費流通業界におけるビックデータ活用に必須の「商品マスター」は様々なプレイヤーが構築・収集・整備しているが、より効果的/効率的に活用するため、「商品マスター」を統合する仕組みを検討する。

SGシステム株式会社(国際大学)車両運用効率の向上及び車両運行に関するデータ蓄積基盤構築を目的に、共有基盤構築及びモビリティデータの仕様の標準モデル策定、利用に関する契約等ガイドラインの作成等を実施する。

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ多様な業界のデータ利活用者への水道業務データを共有を目的に、水道施設台帳データの共有データ項目、データ提供者向けインターフェイス、データ利活用者向けのAPI等の仕様案の策定等を実施する。

国立研究開発法人 国立国際医療研究センター(イノメディックス、エフエスユニマネジメント)

医療機器の物流データ、医療現場での消費データを一元化し、その情報を製造・流通・病院の各ステークホルダーで共有し、インターフェースの標準設定及びプロトタイプ作成、登録情報の有用性検証を実施する。

一般財団法人 さっぽろ産業振興財団各都市のオープンデータや民間データを市民や企業が活用できるプラットフォームの構築を目的に、札幌市ICT活用プラットフォームの機能追加(1kmメッシュ単位での予測等)の構築と精度検証を実施する。

千代田化工建設株式会社(JXTGエネルギー、コスモ石油)

プラント老朽化の進行や熟練の運転員・保全員の定年退職に伴う人員不足等、石油・化学プラントが抱える共通課題の解決を目的に、個社のプラントデータを収集し、共有活用及びデータ分析・解析から得られる運転・保全に関するベストプラクティスを提供する「保安高度化プラットフォーム」の実証を実施する。

東京電力フュエル&パワー株式会社(鹿島共同火力)

発電事業者及びデータ共有基盤利用者がプラントの運転データを利用できるように、パブリッククラウドによるシェア(中央管理)型のデータ共有システムを構築し、アプリケーション開発や環境整備を実施する。

株式会社日本総合研究所(関西電力株式会社)

自動走行関連デバイスから収集する移動・走行・環境データを地域内外の企業に共有し、移動サービス以外の付加価値創出を目的に、データ収集アプリ整備やデータ連携用API等の設計・開発等を実施する。

日本電気株式会社(日本気象協会)

食品バリューチェーン上の企業間連携により需要を予測し、業務効率化、生産性向上を図るため、気象・市場データ等を収集する「需要最適化プラットフォーム」構築に向けたデータ標準化ルール作りを実施する。

阪急阪神ホールディングス株式会社(理化学研究所、OKEIOS)

企業・自治体・健診機関等が分散管理する個人のライフログデータを、個人の要請に基づきPDS(Personal Data Store)に集約し、利活用できるデータ流通基盤を構築する。

ユニバーサルマテリアルズ インキュベーター株式会社(化学品イー・データ開発)

個別の技術要素やデータベースに分散して存在する素材・化学産業の多種多様な技術及び周辺情報につき、事業・案件毎に分類、分析を加えることで、新事業情報として利活用を実施する。

事業概要

事業モデル データ利用イメージ

IoS(インターネットオブシップス)オープンプラットフォーム実証事業

株式会社シップデータセンター

情報通信技術の発展により、運航中の船舶から多量かつ多様なデータを収集することが可能となったが、データの収集や分析のプロセスは個別に実施されているのが現状である。これらのデータの更なる活用には個別に管理されているデータ名称の統一と集約が必要となるが、多大なコストやセキュリティ対策といった問題から、必ずしも容易ではない。この現状を踏まえ、本事業では船舶に関わるビッグデータ基盤として十分なセキュリティ確保の下、運航データを収集、蓄積し、また利用者にデータを提供し、一元管理されたデータが低廉なコストで利用できる環境を協調領域として提供する ことで、海事産業にとどまらず、国内外の産業界全体におけるビッグデータの活用機会を最大化することを目指す。

船舶の運航データを収集し、船位情報と時刻にマッピングした海象気象情報を付加 尚且つ、データ項目名称をISO19848(FDIS)の標準データ名称に変換した上で、造船所、舶用メーカ、船主、オペレータ、船舶管理会社及び、 データ分析・解析などのサービス提供事業者を介してデータを共有する

2018年度は、増大するデータ量に耐えうるシステム基盤の増強と、データの見える化を実施するとともに、業界内でのデータ利活用ルールの整備を継続実施する。

2022年には、データ保管隻数を550隻、データ取引件数を350件にすることを目指し、船舶IoTの共通基盤、データ取引所として社会に必要な産業データ共有基盤となることを想定している。

今後のスケジュール

事業概要

事業モデル データ利用イメージ

高精度3次元地図の効率的なメンテナンス及びデータ収集/提供システム構築

ダイナミックマップ基盤株式会社 (株式会社スマートドライブ)

現在、自動走行用の高精度3次元地図データは、高速道路・自専道を初期整備。今後は、本データの維持・更新を図ると共に、一般道への展開を推進し、自動走行以外のインフラ整備などの多用途展開を図り、事業を拡大する計画であり、 これらを実現するための課題としては、高精度地図データの鮮度を保つための迅速な道路変化点情報取集及び抽出の仕組みの実現が急務となっている。 また、一般道での地図作成用データ作成のためには、道路計測データを広く収集する連携体制と他の業界(インフラ関連事業者、自治体など)へのデータ利活用を促進することで初期整備コストの配分と作業効率化を図っていく計画である。

3D基盤情報を収集し、データの図化・構造化を実施。高精度3次元地図データの基盤構築及び自動走行用協調領域データを整備し、多用途展開を図ることでデータを広い分野で共有(提供)する

2018年度は高速・自専道の初期整備を完了予定、次年度以降は高速・自専道の更新と一般道初期整備の開始の実行を計画。また、5年後には一般道整備が完了し、高速・自専道と共に半永久的にデータを更新していくことで、自動走行用データとして 社会に必要な産業データ共有基盤となることを想定している。

【KPI】2020年までに高速自専道30,000km(リンク長)の維持・更新スキーム構築、サービス開始2022年までに一般道84,000km(リンク長)の初期整備、維持・更新スキーム構築

データ利用イメージ

今後のスケジュール

事業概要

事業モデル データ利用イメージ

製造プラットフォームオープン連携事業

一般社団法人インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(DMG森精機株式会社,株式会社日立製作所,ファナック株式会社,三菱電機株式会社)

我が国の製造業の生産現場に存在するさまざまな価値あるデータを利活用するためには、製造プラットフォーム(以下、PF)が重要な役割をもつ。本事業では、こうした個々の製造PF間をオープンで共通的な枠組みによってつなぐことを目的とし、企業を超えた連携のための共通辞書のしくみを構築する。

それぞれの製造PFはそれぞれ個別の辞書が定義されているため、共通辞書の内容は“ゆるやかな標準”として、状況に応じて変化し成長するしくみとし、3つの製造PFの3つの連携シナリオに沿って利用する辞書の共通化を図り、それ以外の製造PFも含めたオープンな辞書データ管理のしくみとして国内の中小企業やグローバルにも展開する。

2019年度以降では、より実践的な基盤として運用を本格化させるとともに、中小企業でも容易に利活用できる環境を整え、国際的にも認知されるよう、海外企業、特にアジア企業と連携していく。

今後のスケジュール

【将来的な事業イメージ】

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産業データ共有促進事業

船の運航データ

物流データ

履修履歴

素材・化学分野技術データ

農業データ

衛星データ

観光予報

三次元マップ

石油保安データ

採択25事業者

産業データ共有促進事業採択者に対するデータ共有の支援本事業では、産業データの活用が促進されるよう、経済産業省「平成29年度補正予算 産業データ共有促進事業費補助金」にて採択された25の補助事業者に対し、データ共有の実態や課題・要望を調査し、その結果を踏まえてデータ共有に関して、一社)データ流通推進協議会に支援していただいた。

①事業者支援教材の作成

②事業者への勉強会の実施

③個別アドバイス会の実施

補助事業者自身で、「データカタログ」「データ語彙」を策定するための手順書を作成・公開。

①の教材を活用した、「データカタログ」「データ語彙」の策定に関する勉強会を実施。

アドバイスを希望する補助事業者に対して、進捗の状況に応じた「データカタログ」「データ語彙」策定に関するアドバイスを実施(8事業者)。

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各分野において、主なビジネスモデルをバリューチェーンによりビジネスアーキテクチャとして整理、データの利用・共有の流れをシステムアーキテクチャとして整理、分析した。

国内調査:分野と対象団体の選定

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データ共有及び利活用に関わる標準化関連団体を調査するにあたり調査対象となる団体間の全体像を掴むために、下記のような団体の位置づけについてマッピングを作成し(*)、優先度の高い標準化関連団体(IDSA、IEEE、W3C)を調査した。

* 富士通(株)提供

海外団体調査:関連団体の位置付けとヒアリング先選定

Connected Industries推進のための協調領域データ共有・AIシステム開発促進事業

平成31年度予算額 30.4億円(新規)

商務情報政策局 情報経済課03-3501-0397

事業の内容

条件(対象者、対象行為、補助率等)

国交付

民間企業等

事業イメージ

事業目的・概要

データを巡るグローバル競争の主戦場は、バーチャルデータからリアルデータを

活用したビジネスに移行しています。ここで日本の強みである現場の良質な

データを活かし、データを介して機械、技術、人などが繋がることで、新たな付

加価値創出と社会課題解決を目指す「Connected Industries」の実現

が重要です。

本事業では、数多くの事業者がデータを共有・共用し協調領域を拡大させ、

そのデータをAI等の先端技術を用いて利活用し新たなサービスを開発するこ

と、及びそうした開発が持続的に行われる環境を構築することを目指します。

具体的には、事業者間のデータ共用プラットフォームの本格整備を支援する

ことで協調領域拡大を促進すると同時に、そのデータ等からSaaSとして提供

可能で、かつ国際競争力のあるAIシステムの開発を支援します。加えて、

データ利活用環境の設計図となるアーキテクチャ設計を実施します。

成果目標

平成33年度までに、Connected Industriesの重点5分野で、それぞれ

2以上のSaaSとして提供可能で、かつ国際競争力のあるAIシステムの開

発に向けた取組がなされることを目指します。

• 業界内又は業界横断的にSaaS(Software as a Service)として提供可能で、かつ国際競争力のあるAIシステムの開発(AIベンチャーを含む多様なユーザーの参画)

AIシステム

利活用されるデータ量の拡大協調領域の拡大

最先端のAI技術を用いたAIシステムの創出AI・データの好循環

(研)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)

補助(2/3、1/2)

委託

• Connected Industries重点5分野の協調領域拡大に向けたデータ共用プラットフォーム構築及びグローバルな連携を見据えたプラットフォーム間連携

共用されるデータの拡大によって高度なAIサービス開発が可能となり、それが更なる協調領域の拡大につながる「AI・データの好循環」の実現

他業界データPF

海外データPF

リアルデータ(A社)

リアルデータ(B社)

データ共用プラットフォーム

・・・

データ活用アーキテクチャ

AIシステム開発支援事業

データ共用プラットフォーム構築事業