学習するシステムwatsonの医・ヘルスケア...

学習するシステムWatsonの医療療・ヘルスケア分野への応⽤用と今後の展望

⽇日本アイ･ビー･エム株式会社Watsonソリューション担当元⽊木　剛

Watson/Cognitive Computingとは?

2 © 2015 International Business Machines Corporation

プログラム可能なシステムの時代

集計機の時代

コンピューターのインテリジェンス

時間

学習するシステムの時代（コグニティブ・システム）

新しいコンピューティングの時代に向けて


Jeopardy!グランドチャレンジ

2011

コグニティブ・システム化を加速させた要因　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　データの爆発的増加と新しいアプローチへの要請

現在

44 zettabytes

⾮非構造化データ・映像・画像・⾳音声

・⾃自然⾔言語

2010 2020

構造化データ

変⾰革は新たな天然資源であるデータによってもたらされる今⽇日、テクノロジーやビジネス、社会のあらゆる変化にデータが関わっています。急増するセンサー機器、ネットサービスやプロセスへのインテリジェンスの組み込みなどにより、データは新たな競争⼒力力の源泉になっています

4© 2015 International Business Machines Corporation

Watsonの医療療・ヘルスケア分野への応⽤用

© 2014 International Business Machines Corporation

© 2015 International Business Machines Corporation 6

2011/9/15プレスリリースWellPointとIBMWatsonの医療療分野での応⽤用で合意

2012/3/22プレスリリースMSKCCがIBMと協業してワトソンの技術をがん専⾨門医の⽀支援に適⽤用

Watsonの実⽤用化へ向けての取り組み

優先順位をつけた治療療⽅方針の候補

+判断の根拠の⼀一覧

患者のカルテ

Watson for Oncology 患者の属性データ

治療療⽅方針の候補

治療療⽅方針の評価

患者の属性データをもとにガイドラインや医師の専門知識を参考にして治療方針の候補を洗い出す

治療方針をサポートする根拠を、医療文献から作られた知識データベース（コーパス）から探し出す

医師の専門知識によって訓練されたWatsonの推論モデルを使い、治療方針の優先順位をつける

4

ガイドライン

61 y/o woman s/p mastectomy is here to discuss treatment options for a recently diagnosed 4.2 cm grade 2 infiltrating ductal carcinoma…

•  Inclusion / exclusion criteria •  MSK treatment preferences •  Drug information •  Published literature - studies,

reports, opinions from Textbooks, Journals, Manuals, etc.

医療療⽂文献からの根拠

Watsonによるがん診断⽀支援システム

治療療⽅方針を⽀支持する根拠

3 2

1 対象患者のケースについて重要情報の抽出

医療療分野におけるWatsonソリューションの現在顧客サポート研究開発診断⽀支援

Watson Engagement Advisor顧客接点の変⾰革(患者やドクターからの様々な問い合わせに対する応答を⽀支援する）

Analytics of Medical Images医療療画像分析(MRI, Mammogram, などの医療療画像を解析し診断を⽀支援する)

Watson for Oncology癌診断⽀支援(肺ガン・乳ガン・結腸/直腸ガンについて治療療⽅方針の策定を⽀支援する)

Utilization Management 医療療保険利利⽤用管理理(医療療保険適⽤用に関する事前承認審査の⾃自動化を⽀支援する）

Watson Discovery Advisorディスカバリー・アドバイザー(膨⼤大な医療療⽂文献・研究報告を分析し新しい知⾒見見を得る)

EMR(電⼦子カルテ) Advisor電⼦子カルテ・アドバイザー(過去の診断情報から重要な情報を抽出しサマリーする）Watson Clinical Trial

Matchingクリニカルトライアル・マッチング(実施中の治験とその条件に合致する患者を⾒見見つける）

Watson Genomic Analyticsゲノム解析アドバイザー(Insights into Tumor DNA Sequencing)


利利⽤用可能開発・実証フェーズ基礎研究

Watson Discovery Advisor が統合する知識識データ


Watson Corpus（知識識ベース）

1TB超　データ4000万超　⽂文献

など

試験管テスト

⽣生体研究

化合物

副作⽤用・毒性

クリニカル・トライアル

実験ノート

その他

化学物質データベース

公開されたゲノム情報

医療療⽂文献

Medline

他の刊⾏行行物

FDA drugs/labels

特許

Watson Discovery Advisor

GREEN – p53 Kinases RED/ORANGE/YELLOW – Predicted Targets

BMPR2 CHEK2

膨⼤大な⽣生化学研究⽂文献の分析をとおして癌治療療の研究を加速

Watsonの適⽤用：! p53の活性化を導くタンパク質キナーゼを予測するため、p53に関する7万もの科学論論⽂文を分析

! この⾃自動分析によって、ベイラー医科⼤大学のがん研究者は、新たな研究対象となり得るタンパク質キナーゼを特定

Watson Discovery Advisor 活⽤用事例例：ベイラー医科⼤大学



ベイラー医科⼤大学ゲノム研究

⼤大⼿手製薬会社感染症研究

⼤大⼿手製薬会社毒性研究

製薬会社新薬効果治験・調査

プロジェクト

P53に作⽤用するターゲットを⾒見見つける

承認済の薬からマラリア治療療に役⽴立立つ可能性をさぐる

安全性の問題点をより早く把握

何千ものケースにわたる治療療法の⽐比較課題

7つの新しい潜在的ターゲットを発⾒見見

可能性が認めらる11の薬を発⾒見見

安全性に関するアセスメントの時間短縮

より早い⽐比較重要な差異異の洗い出し結果

Watson Discovery Advisor の適⽤用ケース




東⼤大医科研が「Watson Genomic Analytics」を使ったがん研究を開始 2015年年7⽉月30⽇日

東⼤大医科研は、北北⽶米以外の医療療研究機関では初めて「Watson Genomic Analytics」を利利⽤用します。

がん細胞のゲノムを調べ、それぞれのがんに合った治療療を提供する個別化医療療の進歩はがん治療療に⽴立立ち向かう⼈人々に希望を与えますが、その実現には全ゲノム・シークエンシングから得られたデータを解析するための複雑で⼤大規模なビッグデータ解析が必要となります。

がん細胞の全ゲノム情報はおよそ60億⽂文字分のデータに相当し、遺伝⼦子解析技術の進歩は、これらの全ゲノム情報を読み取ることを可能としました。また、インターネット上には、がん細胞のゲノムに存在する遺伝⼦子変異異と関連する研究論論⽂文や、臨臨床試験の情報など膨⼤大な情報があります。

Watsonはこのような膨⼤大な情報を迅速に参照、分析し、がんの原因となる遺伝⼦子変異異を⾒見見つけ出すとともに有効な治療療⽅方法の可能性を提⽰示します。

Watson Discovery AdvisorWatson Genomic Analytics

クリニカル・トライアル・マッチング

ビジネス課題: •  患者と条件が合致する治験を⾒見見つける有効なシステムが存在しない•  計画通りに完了了する臨臨床研究は10%以下である •  治験を⾏行行っている医療療機関の30%では⼀一⼈人の患者をも同定出来ていない

Watsonのソリューション: •  患者と治験の条件のマッチング•  患者の診断記録から関与する属性を抽出 •  治験の条件に対して評価•  ⽋欠けてる条件の洗い出し

利利⽤用形態（ユースケース） •  医療療機関において：患者に合致するすべての実施中の治験をアセスする•  製薬会社において：特定の治験に関して有効な医療療機関を⾒見見つけ対象となる患者をリクルートする

" Watsonは医療療現場でのクリニカル・トライアル・マッチングの効率率率を⾼高めます" 採⽤用⽐比率率率がクリニカル・トライアルのコストに⼤大きな影響をあたえます


Initial focus is oncology, Watson is trained in breast, lung and colorectal cancer, with other tumor types to follow

Watson Clinical Trial Matching

Mayoでは8,000件の臨臨床研究を⾏行行っている

Mayo Clinicので治験に参加患者は5%どうすれば10%の患者に適⽤用できるか？

9兆5000億円が治験に投資され完了了するのは6%

“治験期間の短縮により、私たちの臨臨床研究チームは、より深い完全性の⾼高い研究をすることが出来るようになるでしょう”

– Nicholas Russo, M.D. Mayo Project Lead

2015前半の臨臨床研究適⽤用に向けて実証実験を進める

“ガンのような領領域ではʻ‘時間ʼ’がとても重要です。Watsonがもたらすスピードと正確性は個々の患者に適した治療療計画を策定することを可能にします。

患者が求める治療療を的確に、より効果的に提供出来るようになるでしょう。”Steven Alberts, M.D., Chair of Medical Oncology at Mayo Clinic

Mayo Clinic における適⽤用ケース


Watson Clinical Trial Matching


• 根拠の量量的な強さ• 概念念の近似・類似性• 論論理理的な関係性• 特定領領域で検証された事実・法則• 専⾨門家の判断・知⾒見見に基づいて学習された統計なモデル

答えの候補根拠の抽出評価質問の理理解

•  ガイドラインにある治療療⽅方針

•  過去の診断データ•  研究者の仮説•  Drugs•  Animal Models•  Clinical Trial Data

答と確信度度

•  患者の検査データ•  医者の所⾒見見•  ゲノム変異異情報•  個別の研究課題

• 診断結果• 治療療⽅方針• ⼀一致するクリニカルトライアル• 根拠によりサポートされた研究仮説

•  医学⽂文献・論論⽂文•  過去の症例例•  薬の副作⽤用や毒性についてのレポート

•  Drugs•  Animal Models•  Clinical Trial Data

Watsonが活⽤用するデータと複合的な推論論アルゴリズム

Medical Sieve プロジェクト


医療療画像とテキストデータの分析による先進的な診断⽀支援コグニティブ・システムの開発

Anomaly

ねらい!  読影量量の低減!  医者のワークロードの低減!  診断の質の向上

IBM、医療療画像処理理など扱うMerge Healthcareの買収を発表


[⽶米国ニューヨーク州アーモンク、イリノイ州シカゴ -‐‑‒ 2015年年8⽉月6⽇日（現地時間）発]IBM（NYSE：IBM）は本⽇日（現地時間）、Watsonの⾼高度度な画像アナリティクス機能およびコグニティブ機能とMerge Healthcare Incorporated（NASDAQ: MRGE）の医療療画像管理理プラットフォームから得られるデータや画像を組み合わせることで、Watsonの画像処理理機能を強化する計画を発表しました。IBMは、患者ケアにおけるより適切切な判断に役⽴立立つ医療療画像の活⽤用に向けた取り組みの⼀一環として、医療療の質と効率率率を⾼高めるために設計された医療療⽤用の画像処理理システム、相互運⽤用システム、臨臨床システムの⼤大⼿手企業であるMergeを買収する予定です。

Mergeのテクノロジー・プラットフォームは、⽶米国の7,500カ所以上の医療療施設をはじめ、世界の最先端の医療療研究機関や製薬会社のほとんどで、増加する医療療画像の管理理に利利⽤用されています。本構想は、これらの組織がHIPAA対応環境でWatson Health Cloudを利利⽤用して、現在および過去の画像や電⼦子カルテ、ウェアラブル端末で収集したデータなどの関連する医療療データから成る患者中⼼心の統合ビューから新たな洞洞察を引き出せるようにすることを⽬目指すものです。

IBM Researchおよびソリューション・ポートフォリオ担当シニア・バイス・プレジデントであるジョン・ケリー（John Kelly）は、次のように述べています。「医療療ソリューションの提供において20年年以上の実績を持つリーダーであるMergeの買収により、Watson Healthプラットフォームが⼤大幅に強化されます。医療療はIBMが今後10年年間の最⼤大の成⻑⾧長分野と位置付ける分野の1つであるため、IBMは⼤大規模投資を通じて業界の変⾰革と医療療の質の向上を進めています。Watsonの強⼒力力なコグニティブ機能とアナリティクス機能をMergeなどの主な戦略略的買収で得た機能と組み合わせることで、IBMは、21世紀の健康と医療療の本質を変えようと取り組む医療療提供者、研究機関、⽣生物医学企業、保険会社といった組織をサポートできます。Watsonの医療療画像処理理機能によって、業界のまったく新しい可能性を引き出します。」

IBM Watson Health Cloud

19

Clinical Payments & Claims Lab &

diagnos6c Medical Devices Genomic

Exogenous data ...

認知基盤

Scien6fic Journals

Medical Guidelines

Published Texts

Terminology & Taxonomy ...

分析基盤

オープン・プラットホームの確⽴立立 – 研究者、医療療機関、保険会社、製薬会社、医療療機器メーカー、ビジネス・パートナー

Apple, Johnson & Johnson Medtronic

ソリューション･パートナー

IBM Watson Health Cloud

知識識データ

ありがとうございました


学習するシステムwatsonの 医・ヘルスケア...

Documents

学習するシステムwatsonの医・ヘルスケア...