『学びの習慣化』をめざして - windharamachi-es/manabisyukan/manabi12.pdf · 2018. 6....

10
『学びの習慣化』をめざして 原町小学校では 確かな学力 を身に付けた、 心身ともに健康 な子ども たちを育てたいと願っています。それには、学校での授業はもちろん、 子どもたちの生活の基盤である家庭の関わりがとても大切です。 平成28年度から、本校では、家庭の協力をいただきながら 『学びの習慣化』 に取り組んでいます。 『学びの習慣化』とは、子どもたちの生活リズムを改善しながら 学力向上を図ることで、その重点は次の三つです。 ①家庭学習の習慣をつけよう ②規則正しい生活リズムをつくろう ③メディアと正しくつきあおう この冊子は『学びの習慣化』に関しての、 基本的な考え方や取組方法が書かれています。 趣旨をご理解いただき、ご活用いただければ幸いです。 初めからすべてに取り組むことが難しい時には、 「できるところから」 お願いいたします。 無理はせずに できることから はじめましょう 要保存 平成30年度 【低学年版】

Upload: others

Post on 16-Oct-2020

2 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 『学びの習慣化』をめざして - windharamachi-es/manabisyukan/manabi12.pdf · 2018. 6. 10. · 『学びの習慣化』をめざして 原町小学校では確かな学力を身に付けた、心身ともに健康な子ども

『学びの習慣化』をめざして

原町小学校では確かな学力を身に付けた、心身ともに健康な子ども

たちを育てたいと願っています。それには、学校での授業はもちろん、

子どもたちの生活の基盤である家庭の関わりがとても大切です。

平成28年度から、本校では、家庭の協力をいただきながら

『学びの習慣化』に取り組んでいます。

『学びの習慣化』とは、子どもたちの生活リズムを改善しながら

学力向上を図ることで、その重点は次の三つです。

①家庭学習の習慣をつけよう

②規則正しい生活リズムをつくろう

③メディアと正しくつきあおう

この冊子は『学びの習慣化』に関しての、

基本的な考え方や取組方法が書かれています。

趣旨をご理解いただき、ご活用いただければ幸いです。

初めからすべてに取り組むことが難しい時には、

「できるところから」お願いいたします。

原 町 小 学 校

無理はせずに

で き る こ と か ら

は じ め ま し ょ う

要 保 存平 成 3 0 年 度 【 低 学 年 版 】

Page 2: 『学びの習慣化』をめざして - windharamachi-es/manabisyukan/manabi12.pdf · 2018. 6. 10. · 『学びの習慣化』をめざして 原町小学校では確かな学力を身に付けた、心身ともに健康な子ども

① 家庭学習の習慣をつけよう

~家庭に学びの環境を~

子どもたちの学習への意欲を高め、家庭での学習を習慣化させるためには、学校と

家庭の連携・協力が必要です。

学校や家庭で心がけること、家庭学習の効果・目標などが書かれています。

お子さんと一緒に手引きをよく読み、家庭での学習に役立ててください。

家庭学習の効果 ○学校で学習した内容をより確かなものにします。

○自ら学ぶ習慣が身につきます。

○がまん強さや、自己決定力が身につきます。

家庭学習の目標 低学年:「基本的な学習習慣」を身につけよう

中学年:「自分から学習に向かう習慣」を身につけよう

高学年:「自分で学習を進める力」を身につけよう

〇基礎的・基本的な知識・

技能の習得

〇思考力・判断力・表現力

等の育成

〇学習に取り組む意欲の育

学校が心がけること

・共に学び、考えを深め合え

る授業作り

・少人数指導、個別指導、・テ

ィームティーチングなど、

子どもたちの実態に応じた

指導

・朝活動の時間を活用した、

読書指導や計算・漢字指導

・家庭学習の提案

など

家庭が心がけること

・学習に集中できる環境作り

(テレビを消す。学習する場

所を片づける。等)

・学習時間の確保

(学年×10分+10分)

・温かいふれあい

(子どものがんばりを認め、

励ます。)

・早寝・早起き・朝ごはん

・アウトメディア など

生きる力 自ら学び、自ら考える力

学習の手引きには・・・

☆ 学習に集中できる環境作り

☆ 温かいふれあい

などについて、低・中・高学

年別に具体的なアドバイスが

書いてあります。

ぜひ、各ご家庭で取り組ん

でみて下さい。

「子どものほめ方」も載って

います!

家庭での学習について、気になること、困ったこ

となどがありましたら、担任にご相談ください。

Page 3: 『学びの習慣化』をめざして - windharamachi-es/manabisyukan/manabi12.pdf · 2018. 6. 10. · 『学びの習慣化』をめざして 原町小学校では確かな学力を身に付けた、心身ともに健康な子ども

家庭学習の手引き

小学校 1,2年生

べんきょうが

おわったら、あした

のよういをしっかり

しましょう。

家庭学習のポイント

①基本的な生活習慣を身につける!

「早寝・早起き」「しっかり朝食をとる」「朝の排便」「正しい姿勢で座る」「鉛筆を正

しく持つ」「机の上を整頓する」「テレビやゲームの時間を守る」など基本的な生活習

慣を身につけることが、これからの学習の土台になります。

②愛情のこもったコミュニケーションを!

小学校低学年の家庭学習には、家族の手助けが欠かせません。その際、「よくやった

ね。」「よくできたね。」などのほめ言葉が素晴らしい意欲を生み出します。学習習慣

定着のためには、愛情あるコミュニケーションで、粘り強く働きかけていくことが大

切です。

③家庭に学びの環境を!

大人が、お手本となるような「学ぶ」姿勢を見せましょう。家族ぐるみでよりよい

学習環境づくりにつとめることが大切です。例えば、子どもにあった本を周りにお

く、読み聞かせをするなどは効果的です。

学習時間のめやす

1年生 20分

2年生 30分

☆テレビやゲームなどのじかんをへらしましょう。(アウトメディア)

めあて 基本的な学習習慣を身につけよう

Page 4: 『学びの習慣化』をめざして - windharamachi-es/manabisyukan/manabi12.pdf · 2018. 6. 10. · 『学びの習慣化』をめざして 原町小学校では確かな学力を身に付けた、心身ともに健康な子ども

自主学習ノートのヒント低学年

【始める前に】

① 勉強するところは、片付けて、すっきりさせましょう。

② テレビなどの音は消して、静かなところでやりましょう。

③ 宿題を先に終わらせましょう。

【国語】

ドリルや問題集、文字の練習(ひらがな、カタカナ、漢字など)

教科書の書き写し、しりとり、言葉集め(のばす言葉、小さな「つ」の言葉など)

読んだ本の感想、日記、作文

○文字の形に気をつけて、マスの中にていねいに書きましょう。

○習った漢字や言葉を使いましょう。

【算数】

ドリルや問題集、数字の練習、計算問題、問題作り、

形や大きさ、時計など

○数字はていねいに読み取りやすく書きましょう。

○絵や図を組み合わせると、理解が深まります。

【その他】

身近な昆虫や動植物について調べてみる、お店や消防署など、身近な場所につい

て調べる

○遊んだこと、行事のこと、お手伝いのこと、食べたこと、見たことなど(目、

耳、手、鼻、口、心など体のいろいろなところを働かせて)感じたことを書い

てみましょう。

○国語や算数の他にも、好きなことを書いて学習の幅を広げましょう。

【終わったら】

・問題を解いたときは、おうちの人に丸付けをしてもらいます。

・まちがいは、そのままにせず、間違い直しをします。

Page 5: 『学びの習慣化』をめざして - windharamachi-es/manabisyukan/manabi12.pdf · 2018. 6. 10. · 『学びの習慣化』をめざして 原町小学校では確かな学力を身に付けた、心身ともに健康な子ども

友だちのノートです

。【低学年】

Page 6: 『学びの習慣化』をめざして - windharamachi-es/manabisyukan/manabi12.pdf · 2018. 6. 10. · 『学びの習慣化』をめざして 原町小学校では確かな学力を身に付けた、心身ともに健康な子ども

② 規則正しい生活リズムをつくろう

学校生活を楽しく過ごすためには、まず心と体の健康が

大切です。睡眠・栄養・運動の習慣を見直して、毎日笑顔で

学校生活が送れるようにしたいですね。

平成 29 年度の「学びの習慣化チャレンジ 10 月」は、下のグラフのような結果

でした。

つまり、本校の健康課題として、下のような様子があることがわかりました。

リズムを崩さないように 寝る時間・起きる時間を決めましょう!

しっかり寝て体と心を整えることが、次の日の充実した活動につながることは、誰でも

実感できることでしょう。しかも、小学生には 9~11時間の睡眠時間が必要といわれて

います。睡眠時間が足りている子どもは、「起きたとき機嫌が良い」

「日中眠むそうにしていない」「休日の起きる時間が平日より 2時

間以上遅くなっていない」という傾向があるそうです。睡眠時間

を確保して、朝の登校時間を考えれば、おのずと寝る時間も決ま

ってくるはずです。

平日はとてもよくがんばっているけど、週末になると油断して生活の

リズムが崩れてしまい、月曜日にまで影響している!

そこで

Page 7: 『学びの習慣化』をめざして - windharamachi-es/manabisyukan/manabi12.pdf · 2018. 6. 10. · 『学びの習慣化』をめざして 原町小学校では確かな学力を身に付けた、心身ともに健康な子ども

睡眠には、体を整備し、成長させ、健康に保つだけでなく、新しく学んだ知識や運

動の技能などをしっかりと定着させる重要な役割があります。つまり、勉強や運動で

がんばる成長期の子どもたちにとって、睡眠の長さや質を整えることこそが、生活リ

ズムを整える基盤となります。

睡眠不足になると・・・「たかが睡眠不足」では済まない様々な不調が起こります

イライラしたり、落ち込んだりして気持ちのコントロールがしにくくなる

注意力やがんばる気持ちが起きなくなる

体温を上げるリズムが崩れるために、午前中の脳の活動が悪くなる

感染症にかかりやすい

けがが治りにくい

肥満になる

朝起きたらすること

① 朝の光をあびて、脳を覚醒しましょう

カーテンをあけて、目が朝の光を感じると、セロトニンというホルモンが分

泌されます。セロトニンが脳を覚醒させ、心のバランスを整えてくれます。

散歩や朝の配膳のお手伝いなどで体を動かすと、さらに良く分泌されます。

セロトニンは、眠りを誘うメラトニンの材料にもなるので、昼間十分にセロ

トニンが出ないと、夜の寝つきが悪くなります。

② 朝ごはんをよくかんで食べましょう

朝ごはんを食べて、体温を上げましょう。脳も活発に動き出します。

できれば、朝おかずをしっかり食べましょう。「ご飯+おかず」が学習効果

を高めることは科学的に実証されています。

「良くかんで食べる」とセロトニンを分泌されます。

食べ物が胃に送られると、腸も動き出し、朝の排便にも

つながります。

早寝早起きの習慣を大切にしましょう

次に

Page 8: 『学びの習慣化』をめざして - windharamachi-es/manabisyukan/manabi12.pdf · 2018. 6. 10. · 『学びの習慣化』をめざして 原町小学校では確かな学力を身に付けた、心身ともに健康な子ども

③ メディアと正しくつきあおう!

テレビ・ゲーム・DVD・ケータイ・スマホ…今や生活になくてはならない存在となった電

子メディア。しかし、これらの電子メディア(以降メディアと書きます)は、かかわり方によっ

ては、子どもたちの心や体の健康や成長に深刻な問題を与えます。

左のグラフは、7万人の仙台市内の小中

学生の学力調査結果です。

スマートフォンの利用時間が増えると成

績が下がることがわかります。

さらによく見ると、家庭で 2時間以上勉

強しても、スマートフォンの利用時間が増

えるとほとんど勉強しない子より成績が悪

くなっています。つまり、学習の効果が消

えているのです。

この研究をしている東北大学の横田晋務

さんは、メディア利用により前頭葉の活動

低下が起きて理解力が低下してしまうこと

が原因ではないかと警告しています。

WHOがゲーム依存を「ゲーム障害」として分類しようとしていることが話題になってい

るように、メディアには依存性があります。そして、一度依存になったら、そこから抜け出

すためには大変な努力が必要になります。上手にメディアを利用していくためには、家庭で

ルールを作り、それをきちんと実行し、生活習慣を整える能力を身につけることが必要なの

です。

年度初めにメディア接触について家庭でのルールを確認しましょう。

メディアと上手につきあうためには、ルールが必要です。年度の初めには、学年に応じた家

庭でのルールを作りましょう。

時間のルール……例)ゲームは1日30分。宿題を済ませてからする。見たい番組が終わったら消す。

時や場所のルール…例)歩きながらや乗り物の中でしない。友だちの家や公園にゲームを持ってい

いかない。寝る直前までしていない。

内容のルール……例)ゲーム機やソフトの交換を勝手にしない。ゲームやパソコンを持っていな

い友だちを仲間外れにしない。ゲームの年齢制限を守る。

ルールが守れなかったら禁止にする……守らないルールは「ない」のと同じです。

○ 食事のときにはテレビやゲーム、ケータイ、スマホなどを

やめて、家族がふれあう時間にしましょう。

○ テレビ・ゲーム・DVD・ケータイ・スマホなどメディアへの

接触は1日2時間以内にしましょう。(日本小児科医会の提言)

川島隆太監修 横田晋務著 「やってはいけない脳習慣」より

Page 9: 『学びの習慣化』をめざして - windharamachi-es/manabisyukan/manabi12.pdf · 2018. 6. 10. · 『学びの習慣化』をめざして 原町小学校では確かな学力を身に付けた、心身ともに健康な子ども

メディア接触が長いと…何が心配?

~身体活動が減って体の成長が悪くなる~

メディア接触が長くなると、1日のうち何時間もじっとしているので、体を動かして遊ぶこ

とが少なくなります。そのため、筋力や体のバランスをとる力が育ちにくくなります。

持久力がなく疲れやすい

転んでも手が出ない

じっと立っていられずふらふらする

動く光源を見続けるため、視力が悪くなる

~コミュニケーション能力が育たない~

メディアに接している時間が長ければ長いほど、家族や友達との交流が減り、言葉のやりとりは少なくなります。そして、言葉の発達が遅れ、人と人との交流に苦手意識をもった子どもたちは、ますます人と口をきく必要のないメディアの世界にはまり込んでいってしまいます。

自分の感情や思いを伝えるのに言葉を使わず、低年齢では「かみつく」「ひっかく」「体当た

り」「奇声」などで表現し、年齢が上がると「殴る」「蹴る」などの行動で表現するようになる

ことがあります。

~脳の発達にも影響がある~

長時間メディアに接触していると、感情をコントロールしたり、欲望を制御したり、相手を

思いやったり、未来を予測したりといった人間らしさを司る大脳の「前頭前野」という部分の

働きが悪くなります。そうすると、いつもイライラしたり、感情をうまくコントロールできず、

ちょっとしたことでキレたりします。

また、記憶や睡眠を司る海馬の発育にも影響するため、やる気や集中力がなくなり、学力低

下にもつながります。特に、脳が発達してくる子どもの時ほど影響を受けやすいので注意が必

要です。

Page 10: 『学びの習慣化』をめざして - windharamachi-es/manabisyukan/manabi12.pdf · 2018. 6. 10. · 『学びの習慣化』をめざして 原町小学校では確かな学力を身に付けた、心身ともに健康な子ども

授業ではこんなことを大切にします

①学習に向かうために

『原小 学習のルール7』 ☆学習の基本として、1 チャイム着席 学習のルールを守ります。2 あいさつは、礼儀正しく元気よく

3 正しい姿勢で学習しよう

4 はっきり話そう、しっかり聞こう

5 自分の考えを進んで発表しよう

6 わからなかったら質問しよう

7 用意をしたら休み時間

②学習に必要な持ち物

☆毎日の学習に必要な持ち物です。忘れずに準備しましょう。【筆箱の中に】

□えんぴつ5本 □消しゴム(白・四角)□赤・青えんぴつ

□ネームペン □定規 □授業に必要で担任が許可したもの

※児童の気が散るような飾りのついた物などはさけまし ょ う 。

③しっかりと話を聞く

☆人の話を聞くことは、理解するための第一歩です。・話す人の方を向いて聞く。

・自分の考えと比べながら聞く。

④しっかりと伝える。

☆自分の考えを伝えることで、理解が深まります。

『発表のしかた』(これを基本とします)・呼ばれたら「はい」の返事をして立ちます。

・みんなに聞こえる声で、最後まではっきり話します

【話し方】

・はい。~です。

・はい。~さんにつけたします。

・はい。ぼくは(わたしは)~と思います。

・はい。~のほかにまだあります。

・今、考えています。

【質問のしかた】

・もう一度いってください。

・~がわかりません。