経済産業省のキャリア教育・職業教育への取組 -...

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資料8 経済産業省のキャリア教育・職業教育への取組 経済産業省のキャリア教育・職業教育への取組 平成18年12月 経済産業省 産業人材参事官室

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Page 1: 経済産業省のキャリア教育・職業教育への取組 - …...経済産業省では、文部科学省、厚生労働省との連携の下、平成17年度からの3年間、

資料8

経済産業省のキャリア教育・職業教育への取組経済産業省のキャリア教育・職業教育への取組

平成18年12月

経済産業省

産業人材参事官室

Page 2: 経済産業省のキャリア教育・職業教育への取組 - …...経済産業省では、文部科学省、厚生労働省との連携の下、平成17年度からの3年間、

ⅠⅠ.キャリア教育.キャリア教育「地域自律・民間活用型キャリア教育プロジェクト」「地域自律・民間活用型キャリア教育プロジェクト」

ⅡⅡ.職業教育.職業教育「理科実験教室プロジェクト」「理科実験教室プロジェクト」「工業高校実践教育導入事業」「工業高校実践教育導入事業」

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ⅠⅠ.キャリア教育.キャリア教育①経済産業省がキャリア教育に取り組む背景・視点

現在、全国でキャリア教育の取組が広がりつつあるものの、必ずしも円滑に進んでいない面がある背景として、次のような問題があるのではないかと想定される。

(1) 教育委員会や学校は、キャリア教育に意欲・関心はあるものの、その業務過多や多忙感から、

産業界への協力要請やプログラム作成において、困難に直面。

(2) 地域の企業は、地域貢献やCSRの観点から、キャリア教育等への協力を積極的に行いたい

と考えているが、そのやり方や教育界側が求めるものがわからない状況。

(3) 学校は、教科学習の時間確保の必要性から、「事前学習→体験学習→事後学習」の体系的

なプログラムを作ることができず、結果として、職場訪問等が一過性のイベントになってしまうことが多い。

これらの課題への対応として、下記2点をこれらの課題への対応として、下記2点を踏まえた踏まえたキャリア教育キャリア教育支援支援が必要ではないが必要ではないかと考えられた。かと考えられた。

①① 地域におけるキャリア教育の円滑な実施のため、産業界・教育界・自治体等の関係者の

橋渡し役となり、「顔の見えるネットワーク」を構築する『『コーディネーターコーディネーター』』を活用を活用。。

②② 一過性では無い「体系的・効果的なプログラム」を作成、実施するため、民間の優れた民間の優れた

アイデアやノウハウを積極的に活用。アイデアやノウハウを積極的に活用。

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○ 経済産業省では、文部科学省、厚生労働省との連携の下、平成17年度からの3年間、ものづくり体験など地場産業を活かして様々な職業の魅力を学ぶ取組を推進。

○ 産業界や教育界、行政、地域住民等、地域の関係者を結びつける「コーディネーター」を支援することによって、地域の「ネットワーク」を構築するとともに、民間のアイデアを活用した体系的・効果的なプログラムの作成・実施に取り組んでいる。

ⅠⅠ.キャリア教育.キャリア教育②『地域自律・民間活用型キャリア教育プロジェクト』

<経済産業省モデル事業の実施体制図><経済産業省モデル事業の実施体制図>

民間コーディネーター民間コーディネーター(NPO・民間企業等)(NPO・民間企業等)

実実 施施 校校(小学校、中学校、(小学校、中学校、高校を対象)高校を対象)

経済産業省経済産業省 公募・選定公募・選定委託委託

プログラム実施プログラム実施

地域の教育委員会、PTA、自治体など地域の教育委員会、PTA、自治体など

連携連携(実施校や授業時間の確保など)

地元産業界地元産業界

協力協力(講師派遣、生徒受入、体験現場の提供など)

文部科学省文部科学省

連携連携

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ⅠⅠ.キャリア教育.キャリア教育③具体的取組事例:地域のネットワーク構築

○ NPOや民間企業等のコーディネーターが中心となって、地元産業界、教育委員会、実施校、行政などの地域のキャリア教育関係者によって構成される協議会を設置。

○ 更に、授業のサポート役として、地元の大学生や保護者、地域のベテラン人材の方々をボランティアとして積極的に受け入れ。

◆アニメ制作を活用したキャリア教育を地元の大学生がサポート(東京都三鷹市)

◆地域のキャリア教育関係者による協議会の開催(愛媛県大洲市)

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ⅠⅠ.キャリア教育.キャリア教育③具体的取組事例:体系的・効果的プログラムの作成・実施

○ 着実に職業観の醸成が図れるキャリア教育を実現するため、職場体験等の一過性のイベントで終わるのではなく、 「総合的な学習の時間」等を活用した「事前」→「体験」

→「事後」のカリキュラムを、約3~6ヶ月にわたって継続的に実施。

○ 例えば、愛知県瀬戸市では「瀬戸焼」、秋田県大館市では「きりたんぽ」や「秋田杉」などを活用したキャリア教育を展開するなど、子供達が、地場産業の特色や魅力を理解しながら職業観を養成できるプログラムに取り組んでいる。

カリキュラム授業時間 (愛知県瀬戸市の例)

事後学習(12時間)

・瀬戸のやきものの未来についてアイディアをまとめ、発表。市民講師による評価を得る。

体験学習(24時間)

・仮想会社を設立し、製品企画・販売計画を作成。・市民講師からやきものの技法を学び、企画した商品を製作。・せとものフェスティバルにて出店、販売体験。

事前学習(12時間)

・瀬戸のやきものについて調べる(資料館、陶器会社への訪問、文献など)

▼職人による実演(愛知県瀬戸市)

やきものの街としての特徴を活かし、子供達が、やきもの体験を通じて職人の仕事への姿勢を学んでいる。

▲きりたんぽの試作〔秋田県大館市〕

産業界の協力の下、特産の「きりたんぽ」や新産業として期待される「木材」をテーマに、子供達が商品の開発・生産・販売を行うことで、仕事の魅力を体験している

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【【北海道北海道】】○○キャリアバンクキャリアバンク㈱:(札幌市)㈱:(札幌市)小中高校生対象。北海道を代表する観光、食品等のサービス産業を中心として、「札幌ドーム」等の身近なシンボルに関わる仕事を知り、体験する授業等を実施。○○NPONPO 北海道職人義塾大学校:(小樽市)北海道職人義塾大学校:(小樽市)小中高校生対象。地域の職人が中心となってキャリア教育を推進。小樽の資源である鉄道、運河などの歴史遺産やガラス工芸などのものづくり現場を活用し、地元の職人自らが産業について教え、指導にあたる。

【【沖縄沖縄】】○㈲○㈲オーシャントウェンティーワン:(那覇市)オーシャントウェンティーワン:(那覇市)小中学生対象。伝統工芸品の紅型などをテーマに、企画、製造、販売を体験。修学旅行に体験学習を盛り込んだプログラムも実施。また、観光産業の観点から、旅行プランの企画・提案を行うカリキュラムもある。○NPO○NPO 金融知力普及協会:(名護市)金融知力普及協会:(名護市)

小中高校生対象。「国際情報通信・金融特区」という特性から、金融機関やコールセンターを活用し、お金の流れや知識を学ぶ金融経済学習を核としたキャリア教育を実施。

【【中部中部】】○○瀬戸商工会議所:(愛知県瀬戸市)瀬戸商工会議所:(愛知県瀬戸市)小中学生対象。やきものの町としての歴史を活かし、やきものづくり等の「ものづくり」体験をベースに、働く人々の「役割・工夫・喜び」を学ぶ。また、生きがい講座、コミュニケーション講座も実施。○羽島商工会議所:(岐阜県羽島市)○羽島商工会議所:(岐阜県羽島市)小中高校生対象。産業界が引っ張るキャリア

教育。特に中学生では、技術家庭科の時間を用いたフォークリフトロボットの製作・プログラミングを行うなど、ものづくりを中心に据えた授業を実施。○富山県経営者協会:(富山県富山市)○富山県経営者協会:(富山県富山市)小学生対象。300年の歴史を誇る「富山の売薬」をテーマに、売薬の仕事を体験する。また、商品の企画、製造、販売体験を通じて、社会の仕組みを学ぶ。

【【中国中国】】○㈱○㈱中国電力:(広島県広島市)中国電力:(広島県広島市)小中学対象。疑似TV会社を設立し、地元企業のCM作成・発表・評価を通して、計画・実行・評価の「仕事のサイクル」を理解する。○○㈱ウィル・シード:(広島県三次市)㈱ウィル・シード:(広島県三次市)小中学生対象。小学校は、市内全校(29校)を対象に、職業体験型シュミレーションを用いて、自己理解の促進や、仕事と仕事のつながりなどを体験するとともに、社会に必要な能力を学ぶ。

【【九州九州】】○○NPONPO男女・子育て環境改善研究所:(福岡県福岡男女・子育て環境改善研究所:(福岡県福岡市)市)中高校生対象。生徒が執筆者となり、中高校生を対象とした「職業ガイドブック」を作成。ショッピングモールや鉄道、病院など、様々な職種が集約された企業の協力の下、取材や情報編集・発信を体験。○レベルアップ○レベルアップ㈱:(福岡県飯塚市)㈱:(福岡県飯塚市)小中学生対象。飯塚市から生まれた菓子メーカー(ひよ子、千鳥屋など)の協力のもと、商品コンセプトを考え、お菓子を製作・販売する。小学生は、特にものづくり(商品コンセプト)に重点をおき、中学生はスキル(ビジネスプラン作成やプレゼン)に重点をおいた授業を展開。○○NPO鳳雛塾NPO鳳雛塾:(佐賀県佐賀市):(佐賀県佐賀市)小中高校生対象。外部講師(商店主、銀行員など)に商売に関する講演をしてもらう。商店街へのアンケート、MBAのケースメソッドなども使い事業計画の作成を実施した上で、模擬出店を体験する。

(参考)(参考)『『地域自律・民間活用型キャリア教育プロジェクト地域自律・民間活用型キャリア教育プロジェクト』』

<全国の取組><全国の取組>【【近畿近畿】】○○NPONPO JJaeeaee、大阪商工会議所:(大阪府大阪市)、大阪商工会議所:(大阪府大阪市)小中高校生対象。会社の仕組みや企業理念、働く人の思いを学んだ後、商品やサービスの企画・提案する。その後、事後学習として、一人ひとりが将来を思い描いて、ライフプランを作成する。○NPO○NPO 南大阪地域大学コンソーシアム:(大阪府堺市)南大阪地域大学コンソーシアム:(大阪府堺市)小中学生対象。堺市が全国トップシェアを占める自転車産業を題材に関連企業の協力の下、新商品の開発というテーマで企画書を作成し、協力企業にプレゼンを行う。協力企業の㈱シマノは、キャリア教育で、平成18年度文部科学大臣表彰を受賞。○㈱キャリアリンク:(兵庫県尼崎・西宮市など)○㈱キャリアリンク:(兵庫県尼崎・西宮市など)小中高校生対象。企業等からのミッションを受け、企画等を行うプロジェクト。企業の新商品開発・制作や、地元商店街のCM作成、福祉の観点からユニバーサルデザインの商品企画作成などを行う。実施団体は、県内複数の教育委員会から教員研修を受託し、キャリア教育を推進中。○財)京都高度技術研究所(京都府京都市)○財)京都高度技術研究所(京都府京都市)小中高校生対象京都を代表する産業分野(先端産業、観光)において、新製品の企画書やビジネスプランを作成。販売体験やビジネスプランのプレゼンテーションを実施する。○オフィスメイト㈱(和歌山県田辺市)○オフィスメイト㈱(和歌山県田辺市)小中高校生対象。和歌山県の代表産業である「梅」などを活用し、PRしていための観光リーフレットやHPの製作作成や、職業体験と関連づけた企業への提案などを実施。

【【四国四国】】○○NPOベンチャー・アライアンス協会:NPOベンチャー・アライアンス協会:(愛媛県大洲市)(愛媛県大洲市)小学生、高校生対象。マーケティング

を取り入れたお菓子の企画を体験。優秀作品は菓子メーカーが試作する。高校生は、大洲祭りを盛り上げるためのイベントを企画。市場調査や関係機関との交渉なども体験する。

【【東北東北】】○○NPONPO 未来図書館:(岩手県盛岡市など)未来図書館:(岩手県盛岡市など)小中高校生対象。マーケティングの手法を用いて地域企業の分析、戦略の検討や、企業や商品を題材に地域の情報誌を作成。○○””ひとひと””とと””くらしくらし””とと””まちまち””大館ネットワーク:(秋田県大大館ネットワーク:(秋田県大

館市)館市)小中学生対象。特産の「きりたんぽ」や新産業として期待される「木素材」を通し、事業計画立てから加工・販売を経験し、販売終了後の収支決算までを経験する。○ハリウコミュニケーションズ㈱:(宮城県仙台市)○ハリウコミュニケーションズ㈱:(宮城県仙台市)小中学生対象。ホームレス問題から社会、仕事、自立の意味を考え、世界的に有名な㈲ビッグイシューの協力も得て仕事展示会、企業訪問などを通し、その会社のPRを兼ねた「地域仕事マップ」を作成する。

【【関東関東】】○㈱○㈱ソシオエンジン・アソシエイツ:(東京都渋谷・杉並・荒川区)ソシオエンジン・アソシエイツ:(東京都渋谷・杉並・荒川区)中学生対象。コミュニケーション能力の育成に重点を置き、ライター等から雑誌作りの行程、インタビューのポイントなどを学び、プロのデザイナーも交えてフリーペーパーを作成。修学旅行とのタイアップも実施。○○NPONPO 三鷹ネットワーク大学推進機構(東京都三鷹市)三鷹ネットワーク大学推進機構(東京都三鷹市)小中学生対象。三鷹の森ジブリ美術館やアニメ関連産業の協力を得て、地域の産業を学び、クレイアニメを作成する。実際にクレイアニメを作成する。生徒の作品は、市主催の『三鷹の森アニメフェスタ』で上映。○NPO○NPO キーパーソン21:(神奈川県川崎市)キーパーソン21:(神奈川県川崎市)小中高校生対象。産業集積地である川崎市の企業の協力の下、現場で活躍する企業人を招いた講演や、「自分を知る」「世の中を知る」「自立を考える」というプロセスから、自分の将来の生き方や仕事についての考え方を学ぶ。○NPO○NPO 企業教育研究会:(千葉県東葛、京葉、幕張、成田地域)企業教育研究会:(千葉県東葛、京葉、幕張、成田地域)小中高校生対象。千葉大学教育学部で実践してきたノウハウをフルに活用し、県内の特色有る4つの産業地域において、日常の授業に「企業と組み立てる授業」を取り入れ、様々な教科・領域で働く人が見える授業を実践。実施団体は、キャリア教育で、平成18年度文部科学大臣表彰を受賞。○㈲つくばインキュベーションラボ:(茨城県つくば市)○㈲つくばインキュベーションラボ:(茨城県つくば市)小中高校生対象。「おしごと先生」に対するインタビューや職場体験を通じて、小中高を通じた自らの「キャリアパスポート」を作成したり、「つくば産業フェア」への出店をめざすビジネス体験を実施。○(財)静岡県生涯学習振興財団(静岡県浜松市など)○(財)静岡県生涯学習振興財団(静岡県浜松市など)小中高校生対象。観光やものづくりなど、地域特性を活かした学習プログラムを実施。また、2007年の技能五輪国際大会との連携も図る。地域住民やOB人材を地域サポーターとして活用するとともに、その中からキャリア教育マイスターの認定を行うなど、地域を巻き込んだ取組を実施。○エプソンインテリジェンス㈱:(長野県諏訪市)○エプソンインテリジェンス㈱:(長野県諏訪市)小中学生対象。家族をユーザーとして、ユーザーのニーズを取り入れたものづくりを体験。企画、製作した商品は、「諏訪圏工業メッセ」で展示するほか、チャレンジショップで販売する。地域の匠を「ものづくり教育サポーター」として認定するほか、協力企業の表彰も行っている。○NPO○NPO キャリア・起業家教育学会(長野県長野市)キャリア・起業家教育学会(長野県長野市)小中高校生対象。産業界と教員などが参加するNPOが中心となり、地元特産品から地域ブランド商品を創造するプロジェクトや、インターンシップの事前、事後学習のプログラムを充実させる。 5

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ⅠⅠ.キャリア教育.キャリア教育④キャリア教育の成果

○ 本事業については、詳細な事後評価を実施。次のような点で、キャリア教育の成果を確認。

①様々な仕事があることを認識。仕事についてのイメージが向上。(基本的な職業観の醸成)

②学校の勉強と仕事の関係性を認識。(学習意欲の向上)

③「社会人基礎力」の必要性への気付き。(成長目標の設定)

◇アンケート調査による生徒からの評価◇アンケート調査による生徒からの評価

1.11.69

29.8

58.4

とても思う

まあまあ思う

分からない

あまり思わない

全く思わない

47.2

19.8 26.2

4.32.4

とても思う

まあまあ思う

分からない

あまり思わない

全く思わない

「様々な仕事があることがわかった」 「学校の勉強と仕事との関係がわかった」① ②

◇成長した点・チームで協力できた。・自分で考えられるようになった。・自分の力に自信がなかったが、少し自信がついた。

◇今後つけたい力・もう少し自分の意見を言う力をつけたい。・強い責任を持つ。・最後までやり遂げる力。

【感想】③

「仕事というキーワードからイメージされる言葉」

・信頼、協力、人のため、努力、楽しみ

体験前37%→体験後61%に増加

・お金

体験前38%→体験後16%に減少

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(参考)「社会人基礎力」について(参考)「社会人基礎力」について

○ 「社会人基礎力」とは、産業界で求められる能力の変化を受け、基礎学力・専門知識を活かして、職場や地域社会で活躍するために必要な基礎的な能力(2006年2月、「社会人基礎力に関する研究会」〔座長:諏訪康雄法政大学大学院教授〕で整理。)として経済産業省が新たに提唱した概念。

社会人基礎力(3つの能力/12の能力要素)

発信力 自分の意見をわかりやすく伝える力

傾聴力 相手の意見を丁寧に聴く力

柔軟性 意見の違いや立場の違いを理解する力

情況把握力 自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力

規律性 社会のルールや人との約束を守る力

ストレスの発生源に対応する力

主体性

物事に進んで取り組む力

働きかけ力

他人に働きかけ巻き込む力

実行力

目的を設定し確実に行動する力

創造力

課題発見力

新しい価値を生み出す力

現状を分析し目的や課題を明らかにする力

課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力

計画力

前に踏み出す力(アクション)~一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力~ 考え抜く力(シンキング) ~疑問を持ち、考え抜く力~

チームで働く力(チームワーク) ~多様な人々とともに、目標に向けて協力する力~

ストレスコントロール力

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ⅠⅠ.キャリア教育.キャリア教育⑤キャリア教育への取組から得られた、人材育成の新しい考え方

○ 人材の成長において、基礎学力・専門知識と「社会人基礎力」は、双方を学ぶことでより一層相乗効果が生まれる関係。

○習得した知識を頭の中にとどめるのではなく、実際に活用する経験を得ることにより、「学ぶ意欲」の高まりや、社会や仕事との関係性に気付くことで、人材の“スパイラルな成長”を実現。

新しい成長のイメージ(“成長の好循環”)

○キャリア教育○職業教育※職業観に加え、「社会人基礎力」を育成。

○基礎学力○専門知識

< 知 識 教 育 > < 実 践 教 育 >

知識の活用

「学ぶ意欲」の高まり

高等教育

初等・中等教育

家庭/地域社会 ★学習と社会のつながりを知る。★複数の人間で学び合う。

社会人としての活躍

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ⅡⅡ.職業教育.職業教育①「理科実験教室プロジェクト」

○ 将来のものづくり人材を育成していくためには、早期から子供達の理科への興味・意欲を喚起し、理科離れを防止することが不可欠。

○ そのため、平成19年度より、文部科学省との連携の下、小学校の理科の授業に地元企業の技術者やOB人材等の外部講師を派遣し、“実社会と結びついた理科授業”を実施。

<実施スキーム図> 経済産業省経済産業省 文部科学省文部科学省

教育界教育界教員、教員OB

地元産業界地元産業界技術者、OB

科学館科学館

企業科学館等

◆プログラムの開発◆外部講師DBの作成

(NPO・企業等)学校教育学校教育

小学校5・6年生小学校5・6年生◆外部講師の派遣◆事前研修の実施

(教育委員会)派遣

〔〔地域地域〕〕

■平成16年度より、学校と企業が連携した学習活動の研究を開始。福井大学を介して、地元企業が、学校の正課の理科授業を実施。

<単 元 名> 身の回りの物質の性質

<地元企業名> 武生特殊鋼材株式会社 ※打刃物用鋼材の製造<授業の狙い> 企業の製品や技術を通じて様々な金属の性質を知る。<授業の概要> 金属の性質を利用した製品や、異種金属同士を接合する

技術等を活用。

(参考事例)福井大学の取組

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ⅡⅡ.職業教育.職業教育②工業高校実践教育導入事業

○ 従来、ものづくり現場の若手技術者を輩出してきた工業高校の専門教育は、地域産業のニーズから乖離し、産業界の求める人材を育成できていない。

○ そのため、地域の産業界と工業高校の協力の下、学校への企業技術者の講師派遣、生徒や教員の現場研修等を行うことにより、工業高校への実践的教育の導入を促進するとともに、地元ものづくり企業への就職に直結させる。

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技術者など

生徒

経済産業省経済産業省経済産業省

専門高校専門高校((工業高校をはじめとするをはじめとするものづくりに関する専門高校)ものづくりに関する専門高校)

水産加工業に関する水産高校や、

農産加工に関する農業高校も包含した地域

参加参加 参加参加

連携連携連携

地方自治体の県教育委員会地方自治体の県教育委員会地方自治体の県教育委員会連携連携連携

産業振興財団・商工会議所等

(企業と学校のコーディネート)

産業振興財団産業振興財団・商工会議所・商工会議所等等

(企業と学校のコーディネート)(企業と学校のコーディネート)

指定指定

企業で高度技術習得

学校で実践的授業

教員など

企業実習の実施

企 業企企 業業

地方自治体の商工労働部局

地方自治体の地方自治体の商工労働部局商工労働部局

人材育成連携人材育成連携推進委員会推進委員会(地域の特色に応じた(地域の特色に応じた連携方策を検討)連携方策を検討)

文部科学省文部科学省文部科学省