家庭科指導者研修会 概要 平成30年度 第1回常任理事会 第58回理...
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ご多用の中、多くの理事の出席がありました。感謝申し上げます。
【日 時】平成30年5月11日(金)15:00~
【会次第】 司会:庶務部長 1 開会の言葉 2 会長挨拶 曽我部会長 3 来賓挨拶 文部科学省初等中等教育局 教育課程課教科調査官 筒井 恭子 先生 4 出席理事紹介(文書にて) 5 議 事 議長 宮田副会長 ①平成29年度各部事業報告 庶務・調査研究・広報・研究紀要・
渉外・会計 各部長 ②決算報告並びに監査報告 会計部長 監査委員 ③平成30年度役員選出・新役員挨拶 曽我部会長 ④新大会主題設定の理由について 曽我部会長 ⑤平成30年度各部事業提案・審議 各新部長 ⑥平成30年度予算提案・審議 新会計部長 6 石川大会のお礼(平成29年度)
石川代表 7 岡山大会について(平成30年度)
岡山代表 8 熊本大会について(平成31年度)
熊本代表 9 東京大会について(平成32年度)
東京代表10 閉会の挨拶
平成30年度 第1回常任理事会第58回理事総会・家庭科指導者研修会 理事総会の前に、講演会を実施しました。
講演「家庭科の学習指導と評価の充実」 講師 文部科学省初等中等教育局 教育課程課 教科調査官 国立教育政策研究所 教育課程調査官
筒井 恭子先生
将来の変化を予測することが困難な時代を前に、自らの可能性を最大限に発揮し、よりよい社会と自らの人生を切り拓いていくために、子供たちには、家庭科の学習を通して生活をよりよくしようと工夫する資質・能力を身に付けることが重要である。本年度より新学習指導要領への移行期間(平成30年4月1日~平成32年3月31日)を迎えている。家庭科については、移行期間中から「新学習指導要領の規定によることができる」としており、各学校の判断によりその全部又は一部について新学習指導要領による教育課程を編成・実施することができる。各学校においては、現行学習指導要領又は新学習指導要領のいずれによる場合でも今回の学習指導要領の改訂の趣旨を生かした指導となるよう配慮する必要がある。
1 目標についての留意点 今回の改訂では、育成を目指す資質・能力を三つの柱により明確にし、全体に関わる目標を柱書きに示すとともに、⑴として「知識及び技能」、⑵として「思考力、判断力、表現力等」⑶として「学びに向かう力、人間性等」の目標を示している。 また、⑴から⑶までに示す資質・能力の育成を目指すに当たり、質の高い深い学びを実現するためには、家庭科の特質に応じた物事を捉える視点や考え方(見方・考え方)を働かせるこ
家庭科指導者研修会 概要
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とに留意することが大切である。
2 内容についての留意点 今回の改訂では、各内容の各項目は、「知識及び技能」の習得に係る指導事項アと、アで習得した「知識及び技能」を活用して「思考力、判断力、表現力等」を育成することに係る指導事項イで構成し、育成する資質・能力を明確にしている。 現行学習指導要領で実施する場合にも、例えば、「1食分の献立」においては、献立作成に関する知識を明確にするとともに、それらを活用して献立を工夫する指導を充実することが大切である。 第5学年のガイダンスにおいては、「生活の営みに係る見方・考え方」に触れ、家庭生活を見直すことができるようにするとともに、AからDまでの各内容の学習と関連を図り、家族や地域の人々との協力、健康・快適・安全、持続可能な社会の構築等の視点から、日常生活における様々な問題について考え工夫することの大切さに気付かせるようにする。 また、新学習指導要領で実施する場合には、現行の4つの内容構成を改め、「A家族・家庭生活」、「B衣食住の生活」「C消費生活・環境」の三つの内容で構成されていることを踏まえ、中学校技術・家庭科家庭分野の内容につながる基礎的・基本的な事項を明確にし、新学習指導要領の内容と教科書等の内容との関連を確認した上で指導を行うようにする。その際、習得した知識及び技能などを実生活で活用するために、内容Aに⑷「家族・家庭生活についての課題と実践」を新設していることに留意する。 さらに、次の内容の取扱いについて確認し、適切な題材等を工夫する必要がある。
○内容A⑶「家族や地域の人々との関わり」 幼児又は低学年の児童や高齢者など異なる世代の人々との関わりについても扱う。
○内容B 日本の伝統的な生活についても扱い、生活文化に気付く
○内容Bの⑵調理の基礎のアエ、オ ・ ゆでる材料として青菜やじゃがいもなどを
扱う。 ・ 和食の基本となるだしの役割についても触
れる。〇内容Bの⑶「栄養を考えた食事」アウ 献立を構成する要素として主食、主菜、副菜
について扱う。○ 内容Bの⑸「生活を豊かにするための布を用いた製作」 日常生活で使用する物を入れる袋などの製作を扱う。○内容Bの⑹「快適な住まい方」のアア 主として暑さ・寒さ、通風・換気、採光、及び音を取り上げる。○内容Cの⑴「物や金銭の使い方と買物」のアア 売買契約の基礎について触れる。
3 指導計画作成上の留意点 円滑な移行を行うためには、指導計画の作成が重要であり、平成31年度の第5学年については、全面実施となる32年度を見通して、ガイダンスも含めて新学習指導要領の内容を卒業までに履修できるよう、2学年間を見通した指導計画を作成する必要がある。その際、小学校で扱うこととしている音などについては、漏れのないように留意して指導計画を作成し、指導を行うことが大切である。 新学習指導要領で実施する場合には、各内容の各項目に配当する授業時数及び各項目の履修学年については、児童や学校、地域の実態等に応じて各学校において適切に定めるようにする。また、題材の構成に当たっては、他教科等との関連を明確にするとともに、中学校の学習を見据え、系統的に指導ができるようにする。内容A⑷「家族・家庭生活についての課題と実践」については、2学年間で1つ又は2つの課題を設定して履修させることやAの⑵又は⑶、B、Cで学習した内容との関連を図り、課題を設定することに留意する。 新学習指導要領の全面実施に向けて、その趣旨を踏まえた実践研究を進めることが大切である。 各学校においては、実践課題として次の5点に取り組まれることを期待したい。
① 2学年間を見通した指導計画の作成②育成する資質・能力の明確化 (小・中学校の系統性)③ 新しい内容を踏まえた教材開発④ 主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善、問題解決的な学習(学習過程の工夫) ICTの活用⑤ 家庭・地域との連携