水素液化貯蔵システムの開発gfrp tank saddle for 3,000 m3 class storage system. with...

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Journal of Japan Society of Energy and Resources, Vol. 37, No. 4 水素液化貯蔵システムの開発 Development of Hydrogen Liquefaction and Storage System 山下誠二 * ・新郷正志 * ・海野峻太郎 * ・今井達也 * ・洲河誠一 ** Seiji Yamashita Masashi Shingo Shuntaro Unno Tatsuya Imai Seiichi Sugawa (原稿受付日 2016 2 9 日,受理日 2016 6 16 ) 1.まえがき 地球温暖化問題の解決は世界的な課題であり,低炭素社 会に向けた各種の取り組みが行われている.日本政府はラ クライラサミットにおける CO 2 削減目標「1990 年比で 2050 年に 80%削減」を東日本大震災後も堅持している 1) .具体 的には 2013 11 月にポーランドで開催された COP19 にお いて,石原伸晃環境大臣(当時)2050 年までに世界全体で 50%削減,先進国で 80%という目標を改めて掲げており 2) その後 2014 12 月にペルーで開催された COP20 において, 望月義夫環境大臣(当時)はこの目標を引き続き掲げる声明 を出している 3) .このような 2050 年に向けた CO 2 削減目標 と整合するものとして,日本政府は 2015 7 月に COP21 に向けて 2013 年比で 2030 年に 26%削減する約束草案を提 出しており 4) ,日本は今後も高い CO 2 削減目標を世界に向 けて発信し続けるものと思われる.その後,2015 12 にフランスで開催された COP21 では,途上国を含むすべて の国が参加する 2020 年以降の新たな温暖化対策「パリ協 定」が採択され,世界の 196 ヶ国・地域が CO 2 削減に取り 組む COP21 の新枠組みが合意されたことにより,地球温暖 化の阻止へ歴史的な一歩を踏み出した 5) 一方,日本のエネルギー政策では,2014 4 月に閣議決 定された第四次エネルギー基本計画の中で,水素社会の実 現に向けて実現可能性の高い技術から社会に実装していく 必要性と,エネルギーキャリアとしての液化水素の重要性 が述べられている 6) .このような水素の潜在的輸出国とし てはノルウェー,カナダ,豪州など数多くの国が挙げられ る.例えば,ノルウェーは化石燃料,再生可能エネルギー ともに豊富でエネルギー自給率が 600%を超え,これらは 広く全土に分布している 7) .ノルウェー水素フォーラム水 素協議会議長である Steffen Moeller-Holst 氏は,ノルウェー には莫大な再生可能エネルギーの開発余地があり,北極海 経由の液化水素海上輸送により日本へ水素を輸出する潜在 能力があると述べている 8) また,日本のエネルギー事情を勘案した場合,地球温暖 化問題解決の観点に加えてエネルギー安全保障の観点から もエネルギーのパスを増やすことは重要であり,世界に豊 富で広く存在する再生可能エネルギーや未利用エネルギー を水素というキャリアで新たに導入可能にすることは,エ ネルギー輸出国においても系統の制約を受けることなく, 新たに再生可能エネルギーや未利用エネルギーを開発でき ることになり,エネルギー輸出国・輸入国の両方の経済発 展に貢献するものである. 海外の風力発電や水力発電などの再生可能エネルギー由 来水素を日本に輸入するエネルギーチェーンを図 1,2 に示 す.水素エネルギー源としては再生可能エネルギー由来電 力と水電解の組み合わせの他,褐炭ガス化による水素製造 CO 2 貯留との組み合わせ 9) など様々なパスが考えられる. Global warming is a worldwide issue to be solved and introducing hydrogen originated from abundant renewable energy that exists widely in the world is considered to be one solution strategy. Based on this scheme to import hydrogen as a new energy source, the development of 5 t/day hydrogen liquefaction system and large scale hydrogen storage system has been fulfilled. The hydrogen liquefaction system has been installed in Kawasaki Heavy Industries Harima Works in Hyogo Prefecture, Japan and system performance, reliability, maintainability and so on has been demonstrated. The tank test facility of storage capacity 1,000 m 3 has also been installed to develop vacuum insulation technology and tank structural technology including GFRP tank saddle for 3,000 m 3 class storage system. With respect to the cryogenic insulation performance, multilayer insulation (MLI) test has been fulfilled at a laboratory scale and has elucidated the boil off rate less than 0.1%/day of liquefied hydrogen equivalent. For efficient liquefied hydrogen transfer, development of submerged hydrogen pump has been also fulfilled and the stable liquefied hydrogen transfer with enough pump head of 0.18 MPa has been confirmed. The results are comprehensively examined and the feasibility of hydrogen liquefaction and storage system aiming for the future large scale hydrogen energy storage, transportation and utilization application has been clarified. 32 回エネルギーシステム・経済・環境コンファレンスの内容を もとに作成されたもの 川崎重工業株式会社 技術開発本部 技術研究所 673-8666 明石市川崎町 1 1 ** 川崎重工業株式会社 技術開発本部 水素チェーン開発センター 673-8666 明石市川崎町 1 1 1

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Journal of Japan Society of Energy and Resources, Vol. 37, No. 4

水素液化貯蔵システムの開発Development of Hydrogen Liquefaction and Storage System

山 下 誠 二 *・ 新 郷 正 志 *・ 海 野 峻 太 郎 *・ 今 井 達 也 *・ 洲 河 誠 一 ** Seiji Yamashita Masashi Shingo Shuntaro Unno Tatsuya Imai Seiichi Sugawa

(原稿受付日 2016 年 2 月 9 日,受理日 2016 年 6 月 16 日)

1.まえがき

地球温暖化問題の解決は世界的な課題であり,低炭素社

会に向けた各種の取り組みが行われている.日本政府はラ

クライラサミットにおける CO2削減目標「1990 年比で 2050

年に 80%削減」を東日本大震災後も堅持している 1) .具体

的には 2013 年 11 月にポーランドで開催された COP19 にお

いて,石原伸晃環境大臣(当時)は 2050 年までに世界全体で

50%削減,先進国で 80%という目標を改めて掲げており 2),

その後 2014年 12月にペルーで開催されたCOP20において,

望月義夫環境大臣(当時)はこの目標を引き続き掲げる声明

を出している 3).このような 2050 年に向けた CO2削減目標

と整合するものとして,日本政府は 2015 年 7 月に COP21

に向けて 2013 年比で 2030 年に 26%削減する約束草案を提

出しており 4),日本は今後も高い CO2削減目標を世界に向

けて発信し続けるものと思われる.その後,2015 年 12 月

にフランスで開催された COP21 では,途上国を含むすべて

の国が参加する 2020 年以降の新たな温暖化対策「パリ協

定」が採択され,世界の 196 ヶ国・地域が CO2削減に取り

組む COP21 の新枠組みが合意されたことにより,地球温暖

化の阻止へ歴史的な一歩を踏み出した 5).

一方,日本のエネルギー政策では,2014 年 4 月に閣議決

定された第四次エネルギー基本計画の中で,水素社会の実

現に向けて実現可能性の高い技術から社会に実装していく

必要性と,エネルギーキャリアとしての液化水素の重要性

が述べられている 6).このような水素の潜在的輸出国とし

てはノルウェー,カナダ,豪州など数多くの国が挙げられ

る.例えば,ノルウェーは化石燃料,再生可能エネルギー

ともに豊富でエネルギー自給率が 600%を超え,これらは

広く全土に分布している 7).ノルウェー水素フォーラム水

素協議会議長である Steffen Moeller-Holst 氏は,ノルウェー

には莫大な再生可能エネルギーの開発余地があり,北極海

経由の液化水素海上輸送により日本へ水素を輸出する潜在

能力があると述べている 8).

また,日本のエネルギー事情を勘案した場合,地球温暖

化問題解決の観点に加えてエネルギー安全保障の観点から

もエネルギーのパスを増やすことは重要であり,世界に豊

富で広く存在する再生可能エネルギーや未利用エネルギー

を水素というキャリアで新たに導入可能にすることは,エ

ネルギー輸出国においても系統の制約を受けることなく,

新たに再生可能エネルギーや未利用エネルギーを開発でき

ることになり,エネルギー輸出国・輸入国の両方の経済発

展に貢献するものである.

海外の風力発電や水力発電などの再生可能エネルギー由

来水素を日本に輸入するエネルギーチェーンを図 1,2 に示

す.水素エネルギー源としては再生可能エネルギー由来電

力と水電解の組み合わせの他,褐炭ガス化による水素製造

と CO2貯留との組み合わせ 9)など様々なパスが考えられる.

Global warming is a worldwide issue to be solved and introducing hydrogen originated from abundant renewable energy that exists widely in the world is considered to be one solution strategy. Based on this scheme to import hydrogen as a new energy source, the development of 5 t/day hydrogen liquefaction system and large scale hydrogen storage system has been fulfilled. The hydrogen liquefaction system has been installed in Kawasaki Heavy Industries Harima Works in Hyogo Prefecture, Japan and system performance, reliability, maintainability and so on has been demonstrated. The tank test facility of storage capacity 1,000 m3 has also been installed to develop vacuum insulation technology and tank structural technology including GFRP tank saddle for 3,000 m3 class storage system. With respect to the cryogenic insulation performance, multilayer insulation (MLI) test has been fulfilled at a laboratory scale and has elucidated the boil off rate less than 0.1%/day of liquefied hydrogen equivalent. For efficient liquefied hydrogen transfer, development of submerged hydrogen pump has been also fulfilled and the stable liquefied hydrogen transfer with enough pump head of 0.18 MPa has been confirmed. The results are comprehensively examined and the feasibility of hydrogen liquefaction and storage system aiming for the future large scale hydrogen energy storage, transportation and utilization application has been clarified.

第 32 回エネルギーシステム・経済・環境コンファレンスの内容を

もとに作成されたもの

*川崎重工業株式会社 技術開発本部 技術研究所 〒673-8666 明石市川崎町 1 番 1 号 **川崎重工業株式会社 技術開発本部 水素チェーン開発センター

〒673-8666 明石市川崎町 1 番 1 号

1

Journal of Japan Society of Energy and Resources, Vol. 37, No. 4

図 1,2 では,海外で製造された水素は液化により輸送・

貯蔵密度を高めた後に水素輸送船で日本に輸入され,日本

で揚荷利用される.日本国内における水素供給については,

大規模事業用発電の場合は利用地近傍で揚荷・貯蔵して利

用する方法が考えられるほか,既に構築されている水素導

管網 10)を利用する方法も考えられる.分散型利用の場合は

液化水素あるいは高圧ガスでのトラック輸送などの既存の

配送網が利用できるほか,将来の水素利用の拡大に向けた

水素導管網構築なども提案されている 11).本稿では,この

ような海外のエネルギーを水素というキャリアで日本に大

量導入するために必要な,水素液化貯蔵システムの開発を

行った結果について報告する.

水素貯蔵

システム

海外再生可能

エネルギー

水電解

システム

水素

ガス

水素輸送船

水素液化

システム

未利用エネルギー

(褐炭等化石燃料)

電力

貯留

CO2

水素

ガス

積荷

ガス化 ガス精製

図 1 再生可能エネルギー由来水素チェーン(輸出国)

水素貯蔵

システム 水素輸送船

配送

(トラック輸送等)

揚荷

分散型発電

大規模 事業用発電

電力(送電網経由)

水素

ステーション

蒸気

電力

需要

熱需要

電力

産業用途

燃料電池

自動車

水素 導管等

図 2 再生可能エネルギー由来水素チェーン(輸入国)

2.水素液化システム

ここでは 5 t/day級水素液化システムの開発をはじめとし

て,水素液化システムの高効率化と大型高効率将来サイク

ルの展望について述べる.

2.1 水素液化の原理

水素液化は冷凍サイクルを用いて水素を約 20 K (-253℃)

の極低温にして液化することで,体積を標準状態の約 800

分の 1 にして貯蔵密度を高めるものである.水素液化の冷

凍サイクルとしては,ヘリウムを冷媒とするガス冷凍サイ

クルにより得られる冷熱で水素を冷却するヘリウムブライ

トン方式や,水素を冷媒とするガス冷凍サイクルとジュー

ルトムソン膨張により得られる冷熱で水素を冷却する,水

素クロード方式などが用いられている 12).水素クロード方

式による水素液化プロセスフローの例を図 3 に示す.図 3

では液化窒素による予冷と自己再生により作られた低温高

圧の冷媒水素ガスを,膨張タービンおよびジュールトムソ

ン弁で膨張させることにより液化水素を製造し,これによ

り原料水素を冷却して液化している.原料水素は冷却され

る過程で触媒によりオルソパラ転換を行い,より蒸発しに

くいパラ水素の状態で液化貯蔵される.これは,オルソ水

素からパラ水素への転換熱 703 kJ/kg が水素の蒸発潜熱 446

kJ/kg より大きく,液化水素の貯蔵中にオルソパラ転換が起

こった場合,完全に断熱していても液化水素が蒸発してし

まうからである.

図 3 水素液化プロセスフロー図(水素クロード方式)

2.2 産業用水素液化システムの現状

液化水素は産業用ガスの輸送・貯蔵用途やロケット燃料

などの特殊用途を中心に既に実用化されている技術である.

産業用水素液化システムの性能例を表 1 に示す 13).

水素液化システムの効率は理論液化動力を実際の水素液

化原単位で除して求められる.水素の理論液化動力は液化

水素と原料水素ガスの物理エクセルギーの差であり,原料

水素の圧力,温度,製品水素の圧力および過冷却度により

変わるが,表 1 のシステムの理論液化動力は 2.86 kWh/kg

であり 14),液化効率は 21.0%である.

図 3 の水素クロード方式を基本プロセスに採用した水素

液化システムの外観を図 4 に示す.図 4 は産業用規模で初

の純国産水素液化システムであり,当社播磨工場(兵庫県)

において実証試験を行っている.水素液化能力は 1 日あた

圧縮機 窒素

ガス

膨張

タービン

液化

窒素

原料

水素ガス

製品液化水素 ジュール

トムソン弁

オルソパラ

転換触媒

コールド

ボックス

熱交換器

冷却水

冷媒水素

(循環)

2

Journal of Japan Society of Energy and Resources, Vol. 37, No. 4

り約 5 トンであり,水素液化機本体であるコールドボック

ス,媒体水素を圧縮する圧縮機,液化した水素を貯蔵する

液化水素タンクなどで構成されている.将来の大型化と水

素の大量導入に向けた水素液化システムの導入台数の増加

を想定した場合,ヘリウムブライトン方式は冷媒のヘリウ

ム調達に制約が生じる可能性があるが,水素クロードサイ

クルの場合は製品水素を冷媒水素の補給に用いることがで

きるため,エネルギーキャリアとしての水素と親和性が高

いと考えられる.

表 1 水素液化システム性能例 13)

単位 値

原料水素

圧力 MPa 2.1

温度 K 300

製品水素

圧力 MPa 0.13

温度 K 21(飽和液)

流量kg/h 180

t/day 4.3

予冷液化窒素

圧力 MPa 0.14

温度 K 77(飽和液)

流量kg/h 1750

L/h 2210

窒素液化原単位 kWh/L 0.4

消費電力

圧縮機 kWe 1560

液化窒素製造 kWe 880

トータル消費電力 kWe 2440

水素液化性能

水素液化原単位 kWh/kg 13.6

理論液化動力 kWh/kg 2.86

液化効率 % 21.0

図 4 5 t/day 級水素液化システム

2.3 水素液化システムの高効率化

現状の水素の用途はガラス製造や半導体製造における燃

焼ガス,雰囲気ガスや石油精製における脱硫剤などの産業

用途やロケット燃料などの特殊用途である.これらは水素

の還元力や反応性,重量あたりの推進力が大きいなどの特

性を利用したものである.このような産業用途を中心とす

る水素の輸送・貯蔵手段として,水素液化は実用化されて

いる技術であるが,将来燃料電池自動車や発電などの燃料

として水素を大量に利用する場合には,水素液化システム

のさらなる高効率化が重要となってくる.

表 1 の水素液化システムのエクセルギー損失分析例を図

5 に示す.水素液化システムに投入された電力 100 は,構

成機器の不可逆変化により消費され,最終的な液化水素の

エクセルギーは 21.0 である.図 5 における最大のエクセル

ギー損失は予冷のための液化窒素製造の 23.2 である.現状

の水素液化システムの予冷は深冷分離等の別プロセスで製

造した液化窒素の冷熱を用いているから,本来顕熱で冷却

すればよいものを潜熱で冷却することになり,その製造に

余分な動力を必要とするからである.水素液化システムの

高効率化のためには先ずは予冷サイクルの改善などが考え

られる.図 5 を基に将来サイクルにおける高効率化の考え

方を表 2 にまとめる.

海外からの液化ガスによるエネルギー輸入として先行す

る液化天然ガス(LNG: Liquefied Natural Gas)では,LNG 導入

当初の 1960 年代以降,約 40 年間で 10 倍程度の大型化とプ

ロセス改善が行われ,液化効率が 50%程度にまで倍増して

いる 15).水素液化においても液化能力 100 t/day 超級,液化

効率 50%超の将来大型高効率サイクルの提案がされるなど

高効率化のポテンシャルは高く 14),将来の燃料電池自動車

や発電用途などの水素需要の拡大にあわせて,段階的に大

型高効率化が実現されるものと考える.

圧縮機

冷却器 22.3

電気100

オルソ・パラ転換

吸着塔 2.2

液化窒素

製造 23.2

熱交換器 14.2

膨張タービン 13.3

絞り・混合 2.6

ボイルオフ 1.2

液化水素 21.0

図 5 水素液化システムのエクセルギー損失分析

3

Journal of Japan Society of Energy and Resources, Vol. 37, No. 4

表 2 将来サイクルにおける高効率化の考え方

項目 補足

予冷サイクル

の改善

顕熱冷却で熱交換器の伝熱のエクセル

ギーロスを減少する

多段圧縮圧縮機および中間冷却の段数を増やし

て,圧縮動力を削減する

原料水素供給

圧力の上昇

常温側の比熱が大きく,低温側の比熱

が小さくなり,水素液化の負荷がより

常温側に移動するため効率が上がる

大型化

大型化により圧縮機や膨張タービンの

空力性能の向上や無効ガスの削減が可

能になる.また,外部からの入熱も相

対的に小さくなる

低温再圧縮

ジュールトムソン弁出口気相や貯蔵タ

ンクボイルオフなどの低温水素ガスを

低温のまま再圧縮・再液化し,予冷動

力を削減する

3.水素貯蔵システム

現状の産業用水素貯蔵システムの容量は 50~500 m3 程

度であり 16),将来燃料電池自動車や発電などの燃料として

水素を大量利用する場合には大型化が必要である.本開発

は 3,000 m3級大型水素貯蔵システムの実現を目標としてお

り,これは燃料電池自動車約 5 万台分の貯蔵量に相当し 17),

水素発電に利用した場合は数 MW 級の分散型発電に利用

可能な規模である.このような,大型水素貯蔵システム開

発を実施した結果について述べる.

3.1 大型真空二重殻タンク構造の開発

3,000 m3級大型水素貯蔵システムの実現には,断熱性能

を確保しつつ大型構造物として成立させることが必要であ

る.ここでは GFRP 柱材を用いた大型真空二重殻タンクの

構造開発について述べる.図 6 に本開発における大型真空

二重殻タンク構造の概念図を従来技術と比較して示す.タ

ンクはいずれも内槽および外槽で構成される二重殻容器で

あり,液化水素は内槽の中に貯蔵される.外槽と内槽の槽

間空間に真空層を設けることで外部からの対流伝熱による

入熱を防止する.さらに内槽の外側は真空積層フィルムが

施工され,輻射伝熱による入熱を防止する.従来技術の真

空二重殻タンクでは細いロッドにより内槽を吊り下げるこ

とで熱伝導による入熱を防ぐ構造としているが 18),大型タ

ンクは重量の点でこのような方法で内槽を吊り下げること

ができず,内槽の支持に金属性の柱材を採用すれば構造は

成立するものの断熱性能が確保できない.したがって,大

型真空二重殻タンクの実現には高強度で断熱性能に優れた

柱材開発が必要となる.柱材候補材料について強度と熱伝

導率の関係を図 7 に示す.図中には GFRP および SUS304L

について圧縮強度と熱伝導率の比が等価となる線を示して

おり,右下に行くほど低断熱低強度な材料,左上に行くほ

ど高断熱高強度な材料である.図 7 より明らかなように,

熱伝導率が小さく断熱性能に優れ,かつ高強度な GFRP 柱

材を採用した.大型真空二重殻タンクとして構造が成立す

ることは,外径が開発目標である 3,000 m3級大型水素貯蔵

システムと同径で,長さ方向を約 3 分の 1 とした 1,000 m3

タンク試験設備で各種試験を行うことで確認した.タンク

試験設備の主要諸元を表 3 に示す.製作中のタンク試験設

備外観を図 8 に示す.図 8 ではタンク内槽とその下部に複

数の GFRP 柱材が確認できる.真空積層フィルムおよび外

槽を追加して,完成したタンク試験設備外観を図 9 に示す.

本試験設備に 388 トンの水張り試験を行った際の GFRP

柱材のひずみ分布の計測結果を図 10 に示す.図 10 には

FEM 解析により予測したひずみもあわせて示す.本試験で

のGFRP柱材への総荷重は内槽重量 85トンを含め 473トン

である.液化水素の液密度は 70.8 kg/m3と水に比べて小さ

く,本試験設備に液化水素を満充填した場合の GFRP 柱材

への総荷重は内槽重量を含め 140 トン程度であり,本試験

の総荷重 473 トンは液化水素を満充填した場合の 3 倍以上

の荷重をかけている.GFRP の圧壊ひずみは-8,000 με程度

であり,図 10 から GFRP 柱材のひずみ分布に偏りがあるも

のの,ひずみの最大値に対し圧壊ひずみはさらに 3 倍程度

の余裕があり,GFRP 柱材が真空二重殻タンクの構造材と

して十分な強度を有することが確認できる.

外槽

内槽

真空層

真空積層

フィルム

柱材

ロッド

図 6 真空二重殻タンク構造(左:従来技術 右:本開発)

100

1000

0.1 1 10 100 1000

圧縮

強度

(MPa)

熱伝導率(W/mK)

マグネシア

(煉瓦)

GFRP

SUS304L

Ti-6Al-4V

CFRP

布フェノール

AL5083

低断熱低強度

高断熱高強度

図 7 各種材料の強度と熱伝導率

4

Journal of Japan Society of Energy and Resources, Vol. 37, No. 4

表 3 1,000 m3タンク試験設備の主要諸元

形状 外径 11 m×長さ 17 m

重量 200 トン(うち内槽重量 85 トン)

容量(幾何容積) 1,000 m3

材質 オーステナイト系ステンレス鋼

板厚 15~30 mm

図 8 タンク内槽および GFRP 柱材

図 9 1,000 m3タンク試験設備外観

-3000

-2500

-2000

-1500

-1000

-500

0

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17

ひず

みμε

FEM解析計測結果

柱材番号

ひずみの総和

FEM解析:-11,077με計測結果:-14,771με

図 10 GFRP 柱材のひずみ分布

3.2 真空積層フィルム断熱の開発

水素貯蔵システムの開発において,大型タンクに適した

断熱構造の確立が必要である.液化水素のような極低温の

液体の貯蔵には,真空積層フィルム断熱が有効である.こ

れは先に述べたように,真空層による対流伝熱の防止と,

積層フィルムによる輻射伝熱の防止を組み合わせることで,

高い断熱性能を実現するものである.真空断熱における真

空度は10-3 Pa以下のいわゆる高真空とするのが一般的であ

り 19),本開発においても同様の真空度を選定している.

真空積層フィルム断熱は,フィルムの種類や層数,施工

の仕方によって,性能が大きく異なるという特徴がある.

そこで,液化窒素を用いた要素試験により大型タンクへの

施工を模擬した真空積層フィルム断熱試験を行い,所定の

断熱性能を満たすフィルムの選定を行った.真空積層フィ

ルムについては表4, 図 11に示す 4 種類について試験を実

施した.真空積層フィルムのスペーサーは輻射シールド同

士が接触して熱伝導により入熱が発生することを防止する

ものであるが,フィルム D はスペーサーを用いずに輻射シ

ールドにしわ加工を施すことでスペーサーの機能を持たせ

ている.真空積層フィルム断熱試験装置を図 12 に示す.真

空積層フィルム施工のばらつきによる断熱性能への影響を

排除するため,フィルム施工時は単位厚みあたりの積層数,

いわゆる層密度を 4~6 枚/mm に管理した.試験対象とする

測定容器は直径 200 mm,高さ 600 mm の円筒容器であり,

上下に高さ 300 mm の試験対象外の保護容器を設けて端部

の影響を排除した.タンクの液位は液中に複数の温度計を

挿入し飽和温度を示すか否かで計測し,試験中の液位は 70

~90%を維持した.気温の変化による影響を排除するため,

外槽表面温度をヒータで 40℃一定に維持した.試験はパラ

メータ毎に約1時間行い,断熱性能としての熱流束は試験

時間を通した平均値で整理した.液化窒素の蒸発量は図 12

に示す流量計で体積流量を計測し,液化窒素の液密度 1.250

kg/Nm3で質量流量に換算し,蒸発潜熱 199.2 kJ/kg を乗じて

測定容器への入熱量を求めた.熱流束は入熱量を測定容器

の円筒外面の面積で除して表示した.

真空積層フィルム断熱の試験結果を図 13 に示す.横軸に

フィルムの積層数,縦軸に断熱性能としての熱流束を示し

ている.いずれの積層数においても,積層フィルム A が最

もよい性能を示している.これは積層フィルム A のスペー

サーが不織布であり,フィルムとスペーサーの接触面積が

小さく,熱抵抗が大きく断熱性能に優れているためと考え

られる.フィルム施工時の層密度を管理しているものの,

フィルムDについては積層数が小さい時の断熱性能がやや

不確実である.フィルム D はスペーサーがなく,フィルム

自体のしわ加工によりフィルム同士の接触面積を小さくす

る考え方であり,特に積層数が小さい時にフィルムのしわ

のばらつきの影響が排除できないためと思われる.以上の

結果より,本開発における水素貯蔵システムでは積層フィ

ルム A を採用する.なお,積層数を増すほど熱流束が小さ

く断熱性能が高くなるが,次第に積層数増加の効果が鈍く

なるため,積層数は 40 層を選定する.図 13 より積層フィ

ルムAを 40層積層した場合の熱流束は約 0.5 W/m2である.

5

Journal of Japan Society of Energy and Resources, Vol. 37, No. 4

これを表 5 に示す諸元の 3,000 m3級大型水素貯蔵システム

に適用した場合の蒸発率は式(1)~(4)で試算され,1 日当た

りの蒸発率が 0.1%以下であることが確認できる.

SqQ Ain

= 0.5 (W/m2)×1430 (m2) = 715 (W) (1)

Qin:タンク入熱,qA:熱流束,S:内槽表面積

latinv h/QG

= 715 (W) / 446 (J/g) = 1.6 (g/s)

= 138 (kg/day) (2)

Gv:単位時間当たりの蒸発量,hlat:水素の蒸発潜熱

lVM

= 3,000 (m3)×90%×70.8 (kg/m3) = 191 (t) (3)

M:貯蔵量,V:幾何容積, :液充填率, l :液密度

M/GBOR v

= 0.138 (t/day) / 191 (t)

= 0.07 (%/day) < 0.1 (%/day) (4)

BOR:蒸発率

表 4 真空積層フィルム主要諸元

フィルム基材

(厚み) 輻射シールド スペーサー

A PET シート

(9 μm) 両面アルミ蒸着 不織布

B PET シート

(12 μm) 両面アルミ蒸着 PE ネット

C アルミ箔(6 μm) ガラスクロス

D PET シート

(12 μm) 片面アルミ蒸着

しわ加工による

スペーサー機能

ふく射シールド スペーサー

A

B

C

D しわ加工による

スペーサー機能

図 11 真空積層フィルム外観

ガス窒素ボンベ

バリアブルリークバルブ

クリスタルイオンゲージ真空計

真空ポンプユニット(ドライポンプ+ターボ分子ポンプ)

流量計

測定容器

液化窒素

VG

真空積層フィルム

下降管

上昇管

液化窒素導入管

窒素ガス取出管

上保護容器

下保護容器

ヒータ

温度計(液位計)

外槽

図 12 真空積層フィルム断熱試験装置

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

10 20 30 40 50 60 70 80

熱流

束(W

/m

2)

積層数(層)

B

C

D

A

BB

図 13 真空積層フィルム断熱性能

表 5 3,000 m3級水素貯蔵システム主要諸元

タンク形式 横置き円筒型真空二重殻タンク

液化水素物性蒸発潜熱 446 kJ/kg

液密度 70.8 kg/m3

容量(幾何容積) 3,000 m3

貯蔵量191 トン (液化水素)

液充填率 90%

タンク内槽表面積 1,430 m2

断熱方式

および

断熱性能

真空積層フィルム断熱方式

真空度 10-3 Pa 以下 (高真空)

積層フィルム A 積層数 40 層

熱流束 0.5 W/m2

6

Journal of Japan Society of Energy and Resources, Vol. 37, No. 4

3.3 液化水素ポンプ

水素液化貯蔵システムにおいて,液化水素の効率的な移

送のために,液化水素ポンプは不可欠である.また,ポン

プからの流体の漏洩がないことや断熱の観点から,ポンプ

構造はポンプと電動機を一体にして液化水素中で作動させ

る浸漬型が有効である.液化水素用のポンプとしては水素

ステーション等を想定した小容量(1 m3/h 以下)の浸漬型超

伝導ポンプの開発例はあるが 20),大容量液化水素ポンプの

実績は見当たらない.現状の産業用水素等における大容量

液化水素移送は液化水素自身を加熱,蒸発させてタンクに

蓄圧して移送する,いわゆる自己加圧方式が用いられてい

るが 13),これは液化した水素の一部を蒸発させてしまうた

めに貯蔵効率が悪く,効率の良い大容量移送ポンプの開発

が必要である.ここでは,燃料電池自動車や発電用途など

将来の水素需要の増大に向けた大容量の浸漬型移送ポンプ

の開発について述べる.

試作した液化水素ポンプの諸元を表 6 に示す.3,000 m3

級水素貯蔵システムに必要なポンプの開発仕様は全揚程

260 m,流量 200 m3/h であるが,試作では全揚程を開発仕

様と同一にして,流量は約 10 分の 1 のスケールモデルとし

た.なお,液化水素の密度は約 70 kg/m3であり,開発仕様

の全揚程 260 m は約 0.18 MPa に相当する.液化水素の密度

は水や LNG と比べて小さく,全揚程のうち実揚程の割合は

小さく配管抵抗が支配的である.軸受潤滑はグリースや油

では極低温のために凝固してしまうため,移送流体である

液化水素自身で潤滑する形式とした.移送流体による潤滑

は LNG 等の液化ガス移送において実績のある形式である.

なお,液化水素の粘度は LNG の粘度より小さく,軸受にと

ってはより過酷な状況であり,軸受にはセラミック相当の

高耐久性軸受材料を選定した.

試作したポンプの機能および性能試験のための試験設備

のフロー図を図 14 に示す.本試験設備は真空断熱容器内で

移送した液化水素を循環させ,液化水素の移送先のキャッ

チタンクを省略することで,試験設備の省スペース化を実

現した.吐出流量はオリフィス流量計により計測した.吐

出流量を正確にオリフィス流量計で計測するためには,吐

出液が液単相流の状態である必要がある.そこで,本試験

設備ではオリフィス流量計が,液化水素に浸漬されている

状態として,配管内の移送流体を周囲の液化水素により冷

却し,気液二相流となるのを防止している.

ポンプの全揚程を確認するため,ポンプの定格回転数に

おいて,流量を変更する運転試験を行った.試験結果を図

15 に示す.広い流量範囲において全揚程の実績値は計画値

を上回っており,液化水素を安定して移送できることを確

認した.

表 6 試作液化水素ポンプ諸元

全揚程 260 m (0.18 MPa)

流量 30 m3/h

回転数 3600 rpm

移送流体 液化水素

軸受材料高耐久性軸受

(セラミック相当材)

∆P

液化水素

気体水素

パージガス

電源

計測

流量測定用オリフィス

真空断熱容器

T

液化水素

温度計(吐出液)

圧力計(吐出液)

差圧計

P

図 14 液化水素ポンプ試験設備フロー図

200

240

280

320

360

0 10 20 30 40

全揚

程(m

)

流量 (m3/h)

計画値

実測値

図 15 液化水素ポンプ試験結果

7

Journal of Japan Society of Energy and Resources, Vol. 37, No. 4

4.まとめ

海外の風力発電や水力発電などの再生可能エネルギー由

来水素の大量導入を想定した,水素液化システムおよび大

型水素貯蔵システムの開発を行い,将来の水素の大量導入

に必要な,水素液化貯蔵システムの実現可能性を明らかに

した.以下に結論をまとめる.

・水素クロード方式を基本プロセスに採用した水素液化シ

ステムを開発した.これは,産業用規模で初の純国産水素

液化システムである.

・産業用規模の水素液化システムの損失分析を行い,将来

サイクルにおける高効率化の考え方を示した.液化効率

50%超の将来大型高効率サイクルの提案もされており,水

素需要の拡大にあわせて,段階的に大型高効率化が実現さ

れるものと考える.

・高強度で断熱性能に優れたGFRP柱材を採用した 1,000 m3

タンク試験設備を製作するとともに荷重試験を行い,大型

真空二重殻タンクの構造が成立することを確認した.

・真空積層フィルム断熱試験を行い,フィルムの種類や層

数および層密度などを適切に選定し,熱流束 0.5 W/m2 以下

の断熱性能が達成できることを確認した.これを 3,000 m3

級水素貯蔵システムに適用した場合,1 日当たりの蒸発率

は 0.1%以下に相当する.

・流量 30 m3/h の浸漬型移送ポンプの試作および試験を行

い,広い流量範囲で液化水素を安定して移送できることを

確認した.

謝辞

この成果は平成 25 年度経済産業省「再生可能エネルギー

貯蔵・輸送等技術開発」および平成 26~27 年度国立研究開

発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「水素

利用等先導研究開発事業」の委託業務他により得られたも

のです.ご指導いただきました皆様に御礼申し上げます.

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