新潟県立大学 における 英語教育 の構築 -...

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新潟県立大学における英語教育の構築 県立新潟女子短期大学における英語教育の評価を踏まえて 福嶋 秩子 1.はじめに 平成 10-11 年度(1998-1999 年度)の英文学科共同研究 i で英語教育の改善の方策を探 った際には、カリキュラムの点検や学生の意識調査を行い、マルチメディアを活用した授 業実践や大学教育の基礎となる高校での英語教科書の調査などについて報告した。いずれ も、実践的な英語能力の養成を目標として、いかにして教えるかが焦点になっていた。こ の研究を踏まえて、「資格英語」の導入などのカリキュラム改革、入試改革などを行った。 その後、LL に代わって CALLcomputer-assisted language laboratory)を導入し、す でに始めていた海外研修や English Day などの異文化交流とあわせて、「動機付け重視の 統合的教育モデル」(図1)を構築した(県立新潟女子短期大学英文学科 2004 ii Fukushima 2008 iii )。入学直後に英語力の現状を把握して学習目標を設定するともに、学習スキルを意 識化して学習の自己管理をさせ、e-learning による学習の個別化、学習成果の定期的な測 定や異文化交流体験などによ り達成感や自己有能感を高め て動機付けを強化することに より、自律学習者を育てると いうものである(福嶋・関・ クルソン 2004 iv )。 現在インターネットを含む情 報化も新たな時代 WEB2.0 迎えている。また、グローバ ル化の進展の中、平成 14 に文部科学省が「『英語が使 える日本人』の育成のための 戦略構想」を発表するなど、 大学での英語教育に対する期 待もさらに大きくなっている。 このような状況で、大学での 英語教育の目標(why)と、 どんな英語を教えるのか what)を再吟味し、英語教 育の方法(how)を再構築す

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新潟県立大学における英語教育の構築

県立新潟女子短期大学における英語教育の評価を踏まえて

福嶋 秩子

1.はじめに

平成 10-11年度(1998-1999年度)の英文学科共同研究 iで英語教育の改善の方策を探

った際には、カリキュラムの点検や学生の意識調査を行い、マルチメディアを活用した授

業実践や大学教育の基礎となる高校での英語教科書の調査などについて報告した。いずれ

も、実践的な英語能力の養成を目標として、いかにして教えるかが焦点になっていた。こ

の研究を踏まえて、「資格英語」の導入などのカリキュラム改革、入試改革などを行った。

その後、LLに代わって CALL(computer-assisted language laboratory) を導入し、すでに始めていた海外研修や English Dayなどの異文化交流とあわせて、「動機付け重視の統合的教育モデル」(図1)を構築した(県立新潟女子短期大学英文学科 2004ii

、Fukushima2008iii

)。入学直後に英語力の現状を把握して学習目標を設定するともに、学習スキルを意

識化して学習の自己管理をさせ、e-learningによる学習の個別化、学習成果の定期的な測定や異文化交流体験などによ

り達成感や自己有能感を高め

て動機付けを強化することに

より、自律学習者を育てると

いうものである(福嶋・関・

クルソン 2004iv)。

現在インターネットを含む情

報化も新たな時代WEB2.0を迎えている。また、グローバ

ル化の進展の中、平成 14年に文部科学省が「『英語が使

える日本人』の育成のための

戦略構想」を発表するなど、

大学での英語教育に対する期

待もさらに大きくなっている。

このような状況で、大学での

英語教育の目標(why)と、どんな英語を教えるのか

(what)を再吟味し、英語教育の方法(how)を再構築す

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ることが求められている。

実践的英語能力とはどんな英語の能力なのだろうか。大学生が身につけるべき英語力と

はどういうもので、それをどのように教授すればよいのだろうか。学ぶべきものは、話し

聞くコミュニケーション能力の他、ネット上で読み書きするための能力、大学で学ぶため

の英語の能力(English for Academic Purposes)、ビジネスでの英語の能力(English forBusiness)、各種の目的に応じた英語の能力(English for Special Purposes)など、様々なバラエティが考えられる。しかも、今求められているのは、英語で理解するだけでなく

発信する能力である。これを育成するにはどうしたらよいのだろうか。また、英語の運用

においては、英語の文法や語彙などの基礎的な知識や技能の他に、学習スキルや文化・社

会に関わる背景知識の有無も関わっていることが知られている。さらに、学習者のニーズ

や習熟度の違いにどう対応するのかについても考慮しなければならない。時代に即応した

新たな教授法の検討と実践・評価が求められている。

2.県立新潟女子短期大学英文学科における英語教育

2.1 英文学科専門科目のカリキュラム

上記の「動機づけ重視の統合的英語教育モデル」を実践していたころの短期大学英文学

科専門科目のカリキュラムは表1のとおりである。

1年前期 1年後期 2年前期 2年後期

英語コミュニケーションIA(会話)

英語コミュニケーションIIA(会話)

英語コミュニケーションIIIA(会話)

英語コミュニケーションIVA(会話)

英語コミュニケーションIB(作文)

英語コミュニケーションIIB(作文)

英語コミュニケーションIIIB(作文)

英語コミュニケーションIC(総合)

英語コミュニケーションIIC(総合)

英文演習A 英文演習B 上級英語英語音声学 英文法時事英語A 時事英語B LL演習B LL演習C資格英語A 資格英語B

基礎英語

英文演習C英文学・米文学・英語学・英語特別演習A

英語学概論A 英語学概論B 英米文化特別演習アメリカ文化

イギリス文化 現代アメリカ研究

必修科目 日本文化概論 日本語概論選択必修科目選択科目

西洋文化論

日本と世界の文化

海外英語研修A・B英米の文学・語学・文化

英文学・米文学・英語学特殊講義英文学史・米文学史

英文学・米文学・英語学・英語特別演習B

表1 平成15年現在の英文学科専門科目カリキュラム

実務情報処理演習 簿記

実践的英語力の養成

日本言語文化論伝承文芸論

西洋史

LL演習A

英語コミュニケーションIIIC(総合)

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特徴としては、1年次はコミュニケーション重視の実践的英語能力の伸長に資する科目

が必修で課されていること、4技能の統合的科目があること、英文法や音声学など英語の

基礎を固める科目があることである。また、「資格英語」という科目は、資格対策クラスと

いうよりも、英語の学習法を学び、e-learningなどで自律学習を実践することを目的としている。2年次からは、専門的な科目を選択して履修することになっていた。英語コミュ

ニケーション科目と連動して、異文化交流を実践する English Dayが行われ、海外英語研修も単位化されていた。

2.2 英文学科の英語教育の実績

短期大学英文学科学生の TOEIC点数は以下のように伸びている(図2:データとグラフは茅野潤一郎が作成)。2007年入学生は入学後1年のうちに、平均点が 424.3点から522.3点まで、2008年入学生も 404.2点から 520.9点まで伸びた。TOEIC運営委員会のTOEICデータと比較すると、1年終了時の点数は、大学4年の平均点 499点、語学文学系(英語系)学生の平均点 491点も上回っている。一方、2年になってからの英語力の伸びは低い。2年生になってから、実践的英語力の伸長に関わる必修科目が減少し、選択科

目になっているというカリキュラム上の問題と、就職活動や編入準備などで実践的英語学

習に振り向ける余裕がなくなっていることなどが理由として考えられる。

なお、TOEICの点数を TOEFLに換算し v、なおかつ上位群・中位群・下位群に分けて

グラフに示した(図3:茅野潤一郎が作成)。入学後1年間に、上位群・中位群・下位群そ

れぞれ、平均値が 30-40点の伸びを示している。

図2 短期大学英文学科の英語力の伸び1 図3 短期大学英文学科の英語力の伸び2

TOEIC 全体の平均点 TOEICのTOEFLへの換算点

上位群・中位群・下位群の平均点

2.3 海外英語研修の実績

平成6年度から海外英語研修が単位化されている。最初は6週間以上の研修のみ単位化

したが、途中から4週間まで2単位、6週間以上4単位となった。9.11以後は、教員

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が引率する3週間程度の研修のみ実施している。研修前に半期15週の事前指導を行ってい

ることが特色である。毎年行き先や内容の異なる複数の研修を実施し、短大として最後の

実施となった平成20年度には学科定員100人中6割以上が参加した(図4)。

図4 短大英文学科における海外英語研修参加人数の推移

3.新潟県立大学における英語教育

3.1 ACE (Academic Communicative English)新潟県立大学における英語プログラムは ACE (Academic Communicative English)と名付けられている。

Academicとは、「専門的・学術的」という意味である。Saville-Troike (2006)viにおい

て、コミュニケーション能力の再定義がなされている(135-136)。“In considering thepurposes for which people learn second languages, we must make a distinctionbetween at least two fundamental types of communicative competence: academiccompetence and interpersonal competence.” これによると、interpersonal competenceは “knowledge required of learners who plan to use the L2 primarily in face-to-facecontact with other speakers”であり、一方、academic competenceは “the knowledgeneeded by learners who want to use the L2 to learn about other subjects, or as a toolin scholarly research, or as a medium in a specific professional or occupational field”であると定義されている。いわゆる会話のような面と向かったコミュニケーションだけで

なく、科目を勉強したり、学術研究に利用したり、専門的・職業的な目的で英語を利用し

たりするときに必要な知識も、広い意味のコミュニケーション能力なのである。高等教育

における英語教育の目的として、interpersonal competenceのみならず、academiccompetenceを伸長することは意味のあることであると考えられる(Fukushima 2008vii,2009viii

)。

この観点から、ACE (Academic Communicative English)では、英語をコミュニケーションのためのみならず、学習、学術、職業上の目的で用いられるものとして捉えている。

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昨今、「学術的な目的のための英語」(English for Academic Purposes (EAP))が高等教育における英語教育のキーワードとして浮上している。英語を用いて学習することを通

じて英語を学習することになる。これは「特別な目的のための英語」(English for SpecificPurposes (ESP))の一種でもある。EAPとして学習を組織することで、明確な教育目標を示すことができる。たとえば、講義を聞いたり、ノートをとったり、テキストを読んだ

り、レポートを書いたりというようなことである。ACEでは、これらの訓練を授業項目の中に組み込んだ。

EAPの躍進の背景には、英語による教育(English-medium teaching)のニーズの高まりがある。Coleman (2000)ix

によると、ヨーロッパにおける高等教育における英語による教

育は、1950年代にオランダとスウェーデンで始まり、1980年代にフィンランド・ハンガリー・ノルウェー、1990年代に西ヨーロッパ、中央ヨーロッパ・東ヨーロッパに広まったとされる。1999年6月にヨーロッパ 29ヶ国の教育担当省が署名したボローニャ宣言に基づくヨーロッパの高等教育改革の動きは「ボローニャ・プロセス」と呼ばれ、この動きを

加速した。世界におけるヨーロッパの高等教育の価値を高めることをめざし、ヨーロッパ

圏内の高等教育の学術交流促進、ヨーロッパ高等教育圏(European Higher EducationArea)の構築が進められている。学生や教員の移動性を高めるにあたり、英語そして英語以外のヨーロッパの諸言語の能力獲得のための支援が必要とされた。現在 46ヶ国が参加している

x。

3.2 教授法

EAPは、学習プロセスを授業の中に組み込むことから、意味中心のアプローチに基づく教授法が採用される。いわゆる「内容中心教授法」(Content-based teaching)ということになる。目的のある活動を組み込むことから、「タスク中心教授法」(Task-basedteaching)という側面ももつ。高校までの学習法とは違う新しい学習法に取り組ませることになるので、学習者の自律

性(learner autonomy)を育てることをめざし、学習スキルや学習方策の意識化を促進すること、明確な目標とフィードバックを与えること、学生が協調的に学習に取組む環境を

構築することなどが必要である。

このような自律学習を支える環境・施設として、従来からある CALLの他に、SelfAccess Learning Center(SALC)を設置する。自習用のリーダーや CD,DVDの教材や、パソコンなどの機器を整備し、学習を支援するアドバイザー(英語メンター)や学生ボラ

ンティアを常駐させる。英語を代表とする外国語が自然に使われる環境づくりを行い、

様々なイベントを企画運営して、学生の実際的な外国語活用を促す。

3.3 ACE (Academic Communicative English) の目標とカリキュラム新潟県立大学の外国語教育の目標は「グローバルな環境で英語が使える学生の育成」で

ある。1-2年次に集中した英語教育を行い、使える英語力を伸長する(表2)。

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表2 新潟県立大学の英語教育 ACE(Academic Communicative English)●必修 ◇選択

1年次には、週2回開講の Core Englishの他にWriting、Speakingを全学必修とし、国際地域学部は、さらに Lectureと Effective Learning Iが必修となる。Core Englishには、多読(extensive reading)と多聴(extensive listening)を組み込み、SALCの活用を促す。Writingでは作文を書きためた portfolioを作り、Speakingでは presentationの方法を学ぶ。Lectureでは、英語による講義を聴く訓練を行う。短い講義から始め、ノートをとり、要約を行い意見を加えることを学ぶ。最終的には 90分の講義を聴けるようにする。Effective Learning Iでは、自らの英語学習を振り返り、CALLを使った新しい学習法を学び実践する。また、Effective Learning IIと Basic Englishが選択クラスとしておかれる。

1年次の主要科目は、年度初めのプレースメントテストに基づき、習熟度別クラス編成

で行う。Core English とWritingは、国際地域学部は3レベル、人間生活学部は2レベルで行う。その他の科目は(Speakingと Effective Learning II、さらに 2010年度からはLectureも)2レベルである。2年次以降は、スキル別あるいは目的別のクラスが用意される。国際地域学部の必修ク

ラスは、前期の Project English Iのみで、あとは選択クラスである(Project English II,Advanced Reading, Advanced Writing, Current English, CALL, TOEIC English)。3年次には、Business Englishがおかれる。一方、人間生活学部は2年の必修クラスとして

Reading, ESP (English for Special Purposes) がおかれる。

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3.4 資格試験の活用

短大時代は TOEICを入学直後に受験させ、自分の英語力を把握させるとともに、TOEICの点数の向上をその後の学習成果の目安として活用した。新潟県立大学においては、EAPということから、TOEFLを学習成果の測定に利用する。卒業時までに、国際地域学部はTOEFL得点の100点アップ、人間生活学部は50点アップを目標とするよう指導することとした。ただし、2年次以降、就職を考慮し TOEICへの切り替えを目指す学生の学習支援も行う。

3.5 幅広い学び

英語力の伸長を支えるのは、幅広い学びである。ACEのみならず、SALCや CALLに支えられた課外の自学自習、課外の特別講義・ワークショップ、学内外の国際交流体験・

学修体験、英語圏の大学や将来的には東アジア地域の大学における海外研修、さらに、専

門科目における英語による講義や英語資料を使った講義演習等、多様な機会を通じて英語

を実地に使い、英語力を伸長していく。

新潟県立大学の海外研修は、英語の他に露中韓も行い、短期・中期・長期の3種類の研

修がある。英語研修は、短期1週間、中期3週間、長期5週間である。短大時代と同じく、

事前指導をしっかり行うとともに、大学教員による講義や社会体験中心の講座、英語研修

中心の講座など、多様なニーズにこたえる研修を用意したいと考えている。

3.6 多文化リテラシー教育

学士力の一部として、「多文化・異文化に関する知識の理解」があげられているxi。「多

文化リテラシー」とは、本来「言語や歴史・地理、習慣や価値観など自分と異なる文化に

ついての知識の理解」を意味するが、「自分の文化(自文化)と比較して理解し評価する

力」も含まれる。さらには、「異なる文化を理解し、多文化状況で出会う多様な人間性を受

け入れ交流していくために必要な能力・資質」と定義することもできよう。英語力の伸長

は、広い意味の多文化リテラシー教育の一部と捉えられる。

「多文化リテラシー教育」には、以下のものを含めることができる。

・多文化リテラシーの意義についての理解

・現代日本あるいは新潟さらに世界で起こっている多文化状況についての理解

・個別の異文化の理解: 英語や英語圏文化・北東アジアの言語と文化

・自文化の理解

・異文化コミュニケーション能力の育成 (言語能力、談話能力、背景知識など)

新潟県立大学国際地域学部の教育課程自体が「多文化リテラシー教育」を内包している。

たとえば、基盤科目(教養科目にあたる)には、「国際学」科目群(国際学 A、国際学 B)、「新潟学」科目群(新潟県の子育て子ども家庭福祉、新潟県の経済と産業、新潟県の東ア

ジア交流、新潟県の歴史と文化、新潟県の保健医療)、「文化と文明」科目群(文明と宗教

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i 県立新潟女子短期大学英文学科 2000「国際化・情報化時代の英語教育の研究」県立新潟女子短期大学共同研究事業報告書

ii 県立新潟女子短期大学英文学科 2004 平成 16年度「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」申請書 「動機づけ重視の総合的英語教育モデルの構築」iii Fukushima, C. 2008. “Examining English Curriculum in a Junior College EnglishDepartment.” The Bulletin of Niigata Women’s College 45. 155-158.iv 福嶋秩子・関昭典・David Coulson. 2004.「学生の自律英語学習を促す総合的アプローチ― 短大英文学科における英語教育 10年の総括―」県立新潟女子短期大学研究紀要 41.101-110.

v TOEICと TOEFLは,それぞれ異なる分野の能力を測定するため,厳密には一方のスコアを他方に換算することはできないものの,一般的には,以下の換算式が多く用いられて

いる。TOEICスコア× 0.348+296=TOEFLスコアvi Saville-Troike, M. 2006. Introducing Second Language Acquisition. Cambridge U. P.vii 同上 Fukushima, C. 2008.viii Fukushima, C. 2009. “Teaching academic communicative English at university:Background principles of language education.” The Bulletin of Niigata Women’sCollege 46. 85-88.ix Coleman, J. A. 2006. “English-medium teaching in European higher education.”Language Teaching 39. 1-14.x 駐日欧州連合ホームページ EU News 64/2007 ボローニャ・プロセスを世界に拡大:

フィゲル教育・訓練・文化担当欧州委員会委員、高等教育制度改革を地球規模の問題と

して位置づける 2007/05/10http://www.deljpn.ec.europa.eu/home/news_jp_newsobj2226.phpxi 「学士課程教育の構築に向けて」中央教育審議会答申の概要http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/siryo/attach/1247211.htm

(聖書学)、モンゴル文化史、地中海文明史A、地中海文明史B、イスラーム文明史)があ

る。また、環日本海圏新潟という地理的条件から、「東アジアの諸言語」という講義を国際

地域学部の必修科目として、東アジアの諸言語や文化に対する関心を喚起している。

展開科目(専門科目にあたる)においても、国際地域学部共通科目における国際地域学、

行政経済系科目、地域社会系科目では、グローバル化の進む地域社会の変容とそれに対応

する行政経済の仕組みや多文化共生などについて学ぶことができる。

平成 21年度に国際地域学部として申請した「環日本海圏新潟発の多文化リテラシー教育」が大学教育推進プログラム(GP)として採択された。平成 21-23年度に、(1)使える英語能力の伸長、(2)多文化リテラシー教育、(3)キャリア形成支援を三つの柱に取組を推進する予定である

xii。

4.結びにかえて

新潟県立大学の教育はまだ始まったばかりである。学生の実態とニーズも踏まえながら、

構想を形にしていきたい。そのためには、関連する教員間の協同と真摯な議論の継続が必

要である。

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xii 新潟県立大学国際地域学部の大学教育推進プログラムのホームページhttp://www/gp-unp.net/