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COMSOL Multiphysics 利用の手引き
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目次
1. はじめに ················································································· 1
利用できるバージョン ································································· 1 1.1.
概要 ················································································· 1 1.2.
マニュアル ··········································································· 2 1.3.
2. COMSOL Multiphysics の使用方法 ···························································· 3
COMSOL Multiphysics のコマンドライン実行 ·············································· 3 2.1.
2.1.1. TSUBAME3 へのログイン ······························································ 3
2.1.2. バージョン切り替え ································································ 3
2.1.3. インタラクティブ実行 ······························································ 3
2.1.4. バッチジョブスケジューラーUGEによる実行 ··········································· 4
2.1.5. ライセンス使用状況の確認 ·························································· 5
3. COMSOL Multiphysics の利用の流れ ·························································· 6
4. COMSOL Desktop の利用方法 ································································· 7
COMSOL Desktop の概要 ································································· 7 4.1.
TSUBAME3 上の COMSOL Desktop の起動 ···················································· 7 4.2.
ユーザ端末上の COMSOL Desktop の起動 ·················································· 9 4.3.
COMSOL Desktop の画面説明 ···························································· 10 4.4.
4.4.1. メインメニュー ··································································· 11
4.4.2. クイックアクセスツールバー ······················································· 12
4.4.3. ツールバー ······································································· 12
4.4.4. モデルビルダ ····································································· 13
4.4.5. 設定ウィンドウ ··································································· 15
4.4.6. プロットウィンドウ ······························································· 15
4.4.7. 情報ウィンドウ ··································································· 16
4.4.8. その他のウィンドウ ······························································· 16
COMSOL Desktop によるモデル作成と計算投入、データ解析 ································ 17 4.5.
4.5.1. 個体力学の設定 ··································································· 17
4.5.2. 材料の設定 ······································································· 22
4.5.3. 固定拘束の設定 ··································································· 24
4.5.4. 境界荷重の設定 ··································································· 27
4.5.5. スタディの設定 ··································································· 28
4.5.6. インプットデータの保存 ··························································· 30
4.5.7. ジョブの投入 ····································································· 30
4.5.8. データ可視化設定の作成 ··························································· 31
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ノード並列化を利用した計算用のインプットファイルの作成 ······························ 35 4.6.
4.6.1. Cluster Computing の設定 ························································· 35
5. 改定履歴 ················································································ 38
COMSOL Multiphysics 利用の手引き
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1. はじめに
本書は、COMSOL Multiphysics を東京工業大学学術国際情報センターの TSUBAME3 で利用する方法について
説明しています。 また、TSUBAME3 を利用するにあたっては、「TSUBAME 利用の手引き」もご覧下さい。利用
環境や注意事項などが詳細に記述されております。
COMSOL の開発元では COMSOL に関する Webページを公開しています。次のアドレスを参照してください。
https://www.comsol.com
また、計測エンジニアリングシステム株式会社の COMSOL のページは次の通りです。
http://www.kesco.co.jp/comsol/index.html
本書は計測エンジニアリング株式会社様作成のはじめての COMSOL Multiphysics の操作を元に作成しており
ます。
http://www.kesco.co.jp/comsol/faq/hajimete-no-COMSOL_v52a.pdf
利用できるバージョン 1.1.
TSUBAME3 で利用可能なバージョンは次の通りです。
表 1 バージョン一覧
アプリケーション名 ディレクトリ バージョン
COMSOL Multiphysics /apps/t3/sles12sp2/isv/comsol/comsol53 v53
概要 1.2.
COMSOL Multiphysics はマルチフィジックス解析を前提として設計されている有限要素法(FEM)ベースの汎用
物理シミュレーションソフトウェアです。
最大の特徴は「マルチフィジックス(連成)解析に対する柔軟性とソフトウェアのオープン性」。マルチフィジ
ックス機能はあらゆる物理現象の組み合わせに対応(3種類以上の物理現象を無制限かつ自由に組み合わせ
て連成解析)できるので、実工学現象に即した高精度モデリング/シミュレーションが可能です。
伝熱・流体・構造・電磁場・音響・物質輸送・移動メッシュのような基本物理、そして一般偏微分方程式系
のためのシミュレーション機能を搭載しています。コアソルバが一般的な偏微分方程式系に対応しているた
め、分野を問わず物理現象全般に対しシミュレーションが実行可能です。
モデル作成/CAD データ読み込み~フィジックス選択~材料設定~初期条件/境界条件設定~メッシュ作成~
ソルバ処理~ポスト処理(グラフや 3D動画生成を含む)まで一貫して 1つのソフトウェアの GUI上で処理でき
るため、今までのように対象とする物理現象によっていくつもモデルを用意したり、次の処理のためにパラ
メータを加工したり、ソフト間でデータを受け渡したりする必要はありません。
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2. COMSOL Multiphysics の使用方法
COMSOL Multiphysics のコマンドライン実行 2.1.
2.1.1.TSUBAME3 へのログイン
次のコマンドを入力し、TSUBAME にログインします。
SSH鍵を利用する場合
$ ssh login.t3.gsic.titech.ac.jp -l USER-ID –i 鍵ファイル
SSH鍵、X転送を利用する場合
$ ssh login.t3.gsic.titech.ac.jp -l USER-ID –i 鍵ファイル -YC
sshオプションについては SSHの man page をご確認ください。
2.1.2.バージョン切り替え
バージョンの切り替えには module を利用します。
以下のコマンドでバージョンごとの COMSOL Multiphysics をロードすることができます。
$ module load 利用したいアプリケーション
COMSOL Multiphysics53を利用する場合
$ module load comsol/53
module オプションの詳細については man module もしくは module の man page をご確認ください。
2.1.3.インタラクティブ実行
ログインノードは計算ノードとは別構成となっており、ログインノード上でアプリケーションを実行するこ
とは想定されておりません。ログインノードに負荷がかからないように「TSUBAME3.0 利用の手引き」の「4.3
インタラクティブジョブの投入」の方法でインタラクティブ利用(計算ノードに接続して直接コマンド実行)
を行ってください。以下のコマンドで計算ノードに接続します。
$ qrsh -g [TSUBAME3 グループ] -l [資源タイプ]=[個数] -l h_rt=[経過時間]
プラズマモジュールのアルゴンガス充填サンプルを用いたインタラクティブ処理を以下に示します。
インタラクティブノードにログインし、実行してください。
以下はあくまでもコマンドサンプルです。実際の計算には入力ファイルが必要となります。サンプルファイ
ルはユーザがインストールした端末にインストールされます。インストール先についてはご自身の端末で確
認ください。
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$ cd <利用したいディレクトリ>
$ module load comsol/53
$ comsol batch -inputfile argon_dbd_1d.mph
28CPU を利用した並列計算
*mphファイルの構成によっては並列計算を行いません。
$ cd <利用したいディレクトリ>
$ module load comsol/53
$ comsol batch –np 28 -inputfile argon_dbd_1d.mph
2.1.4.バッチジョブスケジューラーUGE による実行
ノード並列化は mphファイルにて作り込む必要があります。4.1.1 を参照ください。
スクリプト例:
#!/bin/bash
#プライオリティ
#$ -p -5
#実行ディレクトリ:カレントディレクトリ
#$ -cwd
#$ -N COMSOL_test_job #job 名
#送信先メールアドレス
#$ -M ambertest[at]o.cc.titech.ac.jp
#エラーメッセージファイル名、設定なしだとスクリプト.e.JOBID
#$ -e uge.err
#標準出力ファイル名、設定なしだとスクリプト.o.JOBID
#$ -o uge.out
#*必須:資源タイプの指定
#$ -l f_node=2
#*必須:時間指定
#$ -l h_rt=0:10:00
#$ -V
#モジュールの呼び出し
. /etc/profile.d/modules.sh
module load comsol/53 intel-mpi
comsol batch -nn 2 -mpi intel -mpiroot $I_MPI_ROOT –mpipath $I_MPI_ROOT/lib64/ \
-np 28 -inputfile inputfile.mph -outputfile outputfile.mph
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2.1.5.ライセンス使用状況の確認
ライセンス数や利用状況については下記コマンドで確認してください。
$ lmutil lmstat -S LMCOMSOL -c 27009@lice0:27009@remote:27009@t3ldap1
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3. COMSOL Multiphysics の利用の流れ
COMSOL Multiphysics を利用する場合は大きく分けて、COMSOL Desktop の統合環境を利用して計算を行う場
合とコマンドラインで直接、各種計算プログラムを叩く場合の 2種類がございます。基本的には COMSOL
Desktop でモデルを作成し、作成したモデルを TSUBAME3 上で解析する流れを想定しております。ジョブの投
入機能はありますが、ライセンス数が少ないため、サーバデーモンはオミットされております。
COMSOL 環境の概要を,COMSOL Desktop のモデルビルダの使用方法を示す例とともに解説します。
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4. COMSOL Desktop の利用方法
COMSOL Desktop の概要 4.1.
COMSOL Desktop は COMSOL Multiphysics の統合 GUI環境です。モデルビルダとアプリケーションビルダの切
り替えが随時可能で、使いやすいように工夫されており、モデルビルダは単独/多重複合の物理現象の数学
モデルを設定する機能をもった操作ウィンドウです。物理モデリング、シミュレーション、そしてアプリケ
ーション設計一式の統合環境が備わっており、モデル用に使いやすいインターフェースを構築するために必
要なツールがあります。デスクトップは、ユーザそれぞれのニーズに合わせてカスタマイズでき、ウィンド
ウは、サイズ変更、移動、ドッキング、切り離しが可能です。レイアウトを変更すると、セッションの終了
時に保存され、次回以降も利用できます。モデルを構築する際には、さらに追加のウィンドウとウィジェッ
トが表示されます。ジョブの投入機能はありますが、ライセンス数が少ないため、サーバデーモンはオミッ
トされております。
TSUBAME3上の COMSOL Desktop の起動 4.2.
下記コマンドで TSUBAME3 にログインしてください。
$ ssh login.t3.gsic.titech.ac.jp -l USER-ID –i 鍵ファイル -YC
qrshで接続したノードから直接 X転送を行います。下記の手順にて接続ください。なお、f_node のみが対象
となります。
(1) qrshコマンドの実行
(2) 別のターミナルから qrshで割り当てられたノードへの ssh接続
コマンド実行例
例では 2 時間接続で、割り当てノードとして r0i0n0 が割り当てられた場合を想定しております。
割り当てノードはコマンド実行時に空いているノードですので、明示的にノードを指定することはできませ
ん。
#qrsh の実行
$ qrsh -g [TSUBAME3 グループ] -l f_node=1 -l h_rt=2:0:0
Thu Sep 21 08:17:19 JST 2017
r0i0n0:~>
#qrsh を実行したターミナルはそのままで、別のターミナルを立ち上げてください。
Last login: Thu Sep 21 08:16:49 2017 from XXX.XXX.XXX.XXX
login0:~> ssh r0i0n0 –YC
r0i0n0:~> module load <読み込みたいアプリケーション>
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r0i0n0:~> <実行したいアプリケーションの実行コマンド>
例えば、COMSOL 53 を利用する場合は、ログインノードに接続後に以下のようにモジュールファイルを読み
込み、COMSOL Desktop を起動します。
r0i0n0:~> module load comsol/53
r0i0n0:~> comsol
図 1 comsol スタートアップ画面
上記のスタートアップ画面は Show on Startup のチェックをオフにすることで非表示にすることができます。
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図 2 COMSOL Desktop 画面
*利用している X環境によってはエラーが発生する場合があります。その場合は以下コマンドを実行し、ヘル
プを表示させ、環境に合わせたオプションを指定し、実行してください。
$ comsol -h
ユーザ端末上の COMSOL Desktop の起動 4.3.
インストール手順書にて環境変数の設定が行われていることを前提に記載しております。
下記コマンドで COMSOL Desktop を起動します。
$ comsol
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COMSOL Desktop の画面説明 4.4.
COMSOL Desktop は以下のような複数の要素で構成されております。本項目では各項目についての説明を行い
ます。
図 3 COMSOL Desktop 画面
表 2 COMSOL Desktop 画面の機能概要
図内番号 名称 概要
1 メインメニュー 詳細機能を提供します。
2 クイックアクセスツールバー
これらのボタンは、ファイルを開く/
保存、取り消し/やり直し、コピー/
貼り付け、削除などの機能を呼び出
すときに使用します。
3 ツールバー
(Windows にはリボン)
モデリングプロセスのステップを制
御するボタンとドロップダウンリス
トがあります
4 モデルビルダーツールバー
モデルツリー内で利用するツールを
提供します。4,5をあわせてモデル
ビルダといいます。
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5 モデルツリー
モデルツリーにはモデルの概要の
他、モデルの構築と求解、結果処理
に必要な機能や操作が示されます。
6 設定ウィンドウ
モデルツリーの任意のノードをクリ
ックすると、モデルビルダの横にそ
のノード関連の設定ウィンドウが表
示されます。
7 グラフィックスウィンドウツールバ
ー
グラフィックウィンドウ内で利用す
るツールを提供します
8 グラフィックスウィンドウ
グラフィックスウィンドウでは、ジ
オメトリノード、メッシュノード、
結果
ノードの相互作用的なグラフィック
スが表示されます。操作には、回転、
パン、ズーム、選択があります。
9 情報ウィンドウ
情報ウィンドウには、求解時間、求
解の進捗状況、メッシュ統計、ソル
バーログの他、場合によっては、結
果テーブルなど、シミュレーション
時に不可欠なモデル情報が表示され
ます。
4.4.1.メインメニュー
メインメニューは詳細な機能を提供するためのアクセスポイントです。機能の概要については下記の通りで
す。
図 4 メインメニュー
表 3 メインメニューの機能
項目 機能
File すべてのアプリケーションおよびモデルに関するアクション(COMSOL Desktop の終了も含ま
れます)
Edit アプリケーションおよびモデルの変更に関連するアクション。
Window 各種機能ウィンドウのアクセスポイント。レイアウト変更についても含まれます。
Option ライセンスおよび COMSOL Desktop の設定
Tools ツールバーの表示/非表示
Help ヘルプ、キーボードショートカット、チュートリアルなどへのアクセス。テクニカルサポート
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へのアクセスが含まれています。
4.4.2.クイックアクセスツールバー
ワークスペースはリガンドなどの低分子構造やタンパク質の立体構造などといった中~大規模分子構造を可
視化する領域です。
図 5 クイックアクセスツールバー
4.4.3.ツールバー
図 6 ツールバー
モデリングプロセスのステップを制御するボタンとドロップダウンリストを提供します。
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4.4.4.モデルビルダ
図 7 モデルビルダ
モデルビルダには設定項目が記載されており、右クリックして開くことで詳細な項目がツリー状に展開する
(コンテクストメニューという)ため、あらゆる設定箇所へのアクセスが瞬時に可 能になります。ここで、
各設定項目、すなわちツリー状構造の各要素をノードといいます。
モデルビルダの代表的なノードを以下に示します。
・グローバル定義[A]:ファイル全体に使われるパラメータや変数を設定します。
・コンポーネント[B]:モデルビルダの中にある部品という意味合いをもっています。モデルビルダが扱う現
象のある側面をとらえるためにジオメトリ、材料、フィジックス、メッシュを含んでいます。
・スタディ-[C] :モデルビルダの内容をもとに数値解析します。
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図 8 コンテクストメニュー
例えば、コンテクストメニューを利用して、グローバル定義のパラメータを開く場合、グローバル定義を右
クリックしてパラメータを選択することで設定したいパラメータを開くことができます。
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4.4.5.設定ウィンドウ
図 9 設定ウィンドウ
ジオメトリの寸法、材料のプロパティ、境界条件、初期条件、ソルバでシミュレーションを実行するのに必
要なその他情報など、モデルの仕様をすべて入力するためのメインウィンドウです。以下の図は、ジオメト
リノードの設定ウィンドウです。
4.4.6.プロットウィンドウ
グラフィックス出力用のウィンドウです。グラフィックスウィンドウ以外に、結果の可視化にはプロットウ
ィンドウも使用します。複数の結果を同時に表示する場合は、複数のプロットウィンドウを使用できます。
特別な例としては、モデルの実行中に求解プロセスの収束状況をグラフィカルに表示する収束プロットウィ
ンドウがあります。これは自動的に生成されるプロットウィンドウです。
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4.4.7.情報ウィンドウ
これらは、非グラフィックス情報のウィンドウです。情報ウィンドウには、以下の種類があります:
•メッセージ:このウィンドウには、現在の COMSOL Multiphysics セッションに関する各種情報が表示されま
す。
•進捗:ソルバからの進捗状況情報。停止ボタンがあります。
•ログ:自由度、求解時間、ソルバ反復データなど、ソルバからの情報。
•テーブル:結果ノードに定義されたテーブル形式の数値データ。
•外部プロセス:クラスタージョブ、クラウドジョブ、バッチジョブのコントロールパネルがあります。
4.4.8.その他のウィンドウ
•材料を追加と材料ブラウザー:材料プロパティライブラリ。材料ブラウザーでは、材料プロパティを編集で
きます。
•選択リスト:現在選択できるジオメトリオブジェクト、ドメイン、境界、エッジ、ポイントのリスト。
•キャンセルボタンのある進捗バー:現在の計算をキャンセルするボタン付きの進捗バーは、COMSOL Desktop
インターフェースの右下隅にあります。
•ダイナミックヘルプ:ヘルプウィンドウでは、ウィンドウとモデルツリーノードに関するコンテキスト依存
のヘルプテキストを利用できます。(たとえば F1を押して)デスクトップでヘルプウィンドウを開いて、ノー
ドやウィンドウをクリックすると、ダイナミックヘルプ(英語のみ)を呼び出すことができます。ヘルプウィ
ンドウからは、メニュー項目など、その他のトピックスも検索できます。
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COMSOL Desktop によるモデル作成と計算投入、データ解析 4.5.
ここでは「はじめての COMSOL Multiphysics」の 15ページ以降の問題を利用してモデル作成を行います。
モデル作成後に TSUBAME3 を用いた解析を実施します。
10cmx1cmx1cm の直方体の 1面に圧をかけた際の変形を解析します。
4.5.1.個体力学の設定
COMSOL Desktop を起動してください。
図 10 Blank Model の呼び出し
今回の操作では Blank Model を選択してください。Show on Startup のチェックをオフにしていた場合は次
の操作に移ってください。
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図 11 COMSOL Desktop
COMSOL Desktop が表示されます。
図 12 コンポーネントの追加(メニュー)
COMSOL Desktop が表示されたらツールバーの上記画面の赤枠をクリックし、Add Component>3D とクリックし
てください。
図 13 追加されたコンポーネント
コンポーネントが追加されます。
図 14 コンポーネントの追加(コンテクストメニュー)
以下は参考ですが、コンテクストメニューで行う場合は、Untitled.mph を右クリックし>Add Component>3D
とクリックしてください。
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図 16 ブロックの設定
追加されたブロックの設定ウィンドウを開き、10cmx1cmx1cm の直方体とするため、画面の様に設定を行いま
す。画面では m となっていますが、次の操作で変更しますので、無視してください。
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図 17 ブロックの設定
ブロックの親ノードのジオメトリを選択し、Length Unitを cm に変更します。
図 18 ブロックの設定
ブロックを選択し、Build Selected をクリックするとジオメトリが生成されます。
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図 19 生成されたブロック
4.5.2.材料の設定
系内ジオメトリの材料を設定します。「はじめての COMSOL Multiphysics」と同様に銅を設定します。
図 20 マテリアルの読み込み
メニューもしくはコンテクストメニューから Add Material をクリックします。
メニューの場合は追加したいコンポーネントとなっているか、コンテクストメニューの場合はマテリアルを
指定しているかを確認してください。
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図 21 マテリアル選択画面
マテリアルの選択画面が表示されます。上図では検索窓から銅を検索しております。言語設定にかかわらず、
英語表記となります。検索後は Add to Component をクリックしてください。
図 22 モデルビルダとグラフィックスウィンドウ
マテリアルに銅が追加されグラフィックスウィンドウにも反映されます。
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4.5.3.固定拘束の設定
固定面の設定を行います。「はじめての COMSOL Multiphysics」と同様に固定面は 1cmx1cm の正方形の 1面と
します。
図 23 Physics の選択(メニューから選択)
メニューもしくはコンテクストメニューから Add Physics をクリックします。
図 24 Physics 選択画面
Physicsの選択画面が表示されます。上図では検索窓から solid を検索しております。言語設定にかかわらず、
英語表記となります。検索後は Add to Component をクリックしてください
図 25 モデルビルダに追加された Physics
Physics が追加されます。
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図 26 固定拘束の追加
固定拘束を行うため、メニューもしくはコンテクストメニューから Fixed Constraint をクリックします。
図 27 固定拘束面の指定
モデルビルダに追加された Fixed Constraint 1 を選択して、グラフィックスウィンドウ中の拘束したい面を
クリックします。上図の赤い箇所が選択面です。
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4.5.4.境界荷重の設定
境界荷重の設定を行います。「はじめての COMSOL Multiphysics」と同様に境界荷重は 10cmx1cm の長方形の 1
辺に z軸方向に-10000 とします。
図 29 境界荷重の追加
固定拘束を行うため、メニューもしくはコンテクストメニューから Boundary Load をクリックします。
図 30 荷重をかける面の指定
モデルビルダに追加された Boundary Loadを選択して、グラフィックスウィンドウ中の拘束したい面をクリ
ックします。上図の赤い箇所が選択面です。
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図 31 荷重をかける面
選択された面は設定ウィンドウに表示され、グラフィックスウィンドウにも青色の表示となります。
図 32 荷重設定
荷重設定を設定ウィンドウの Force から上図のように行います。
4.5.5.スタディの設定
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設定した現象の解析を行います。“定常”の設定がされているので、スタディを追加します。
図 33 スタディの追加(コンテクストメニュー)
メニューもしくはコンテクストメニューから Add Study をクリックします。
図 34 スタディ選択画面
Stationary を選択し、Add Study をクリックします。
COMSOL Multiphysics 利用の手引き
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図 35 モデルビルダと設定ウィンドウ
定常状態を計算する Studyが追加されました。Compute はクリックしないでください。
4.5.6.インプットデータの保存
File>Save もしくは Save As …をクリックして、名前をつけて保存してください。
図 36 メニューからの保存
4.5.7.ジョブの投入
本書では TSUBAME3 に投入します。先程保存したデータを TSUBAME3 にアップロードしてください。
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下記コマンドでインタラクティブノードに入り、インプットファイルを配置したディレクトリに移動してく
ださい。<>は各自環境に合わせて読み替えてください。
$ qrsh -l h_rt=0:10:0 -l f_node=1
$ cd <インプットファイルを配置したディレクトリ>
以下のコマンドでモジュールの読み込みと計算の実行を行います。<>は各自環境に合わせて読み替えてくだ
さい。
$ module load comsol/53
$ comsol batch -np 28 -inputfile <先程保存したファイル> -outputfile <出力ファイル>
今回作成した系では 8 秒もかからず終了します。
---------- Current Progress: 100 % - Solving linear system
Memory: 1115/1115 10847/10847
Solution time: 1 s.
Physical memory: 1.13 GB
Virtual memory: 10.85 GB
Ended at 19-Sep-2017 12:15:31.
----- Stationary Solver 1 in Study 1/Solution 1 (sol1) ------------------------>
Run time: 3 s.
Saving model: 出力ファイル
Save time: 0 s.
Total time: 8 s.
---------- Current Progress: 100 % - Done
Memory: 1132/1132 10847/10847
計算後のデータは端末にダウンロードしてください。
4.5.8.データ可視化設定の作成
GUIで計算を行う場合は必要ありませんが、batch 実行の場合は自動的に結果の可視化は行われないため、可
視化設定を行います。先の項目でダウンロードしたデータを利用します。計算後のデータを COMSOL Desktop
で開いてください。
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図 37 計算後データ
計算後のデータの結果>Data Sets に Study 1 Solution1 が追加されていることを確認してください。
図 38 3D Plot Group の追加
3D Plot Group をクリックして 3D Plot Group を追加してください。
図 39 追加された 3D Plot Group
モデルツリーに追加されますので、選択します。
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図 40 表面の追加
Surface をクリックして表面を追加してください。
図 41 表面の設定
設定ウィンドウを開き、上図のように設定します。
図 42 変形の追加
最後に Deformation をクリックして変形を可視化します。
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ノード並列化を利用した計算用のインプットファイルの作成 4.6.
4.6.1.Cluster Computing の設定
COMSOL で複数ノードを利用したノード並列化計算を実行する際にはスタディにてクラスターコンピューテ
ィングの設定を行う必要があります。
図 44 ビルダツリーの詳細表示
ビルダツリーの詳細表示をオンにします。ビルダツリーの○枠のアイコンをクリックし、Advanced Study
Options をクリックしてください。
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図 45 ビルダツリーの詳細表示
Study のコンテクストメニューが詳細表示になるので、Cluster Computing をクリックします。
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図 46 設定ウィンドウ
上記のように設定を行います。サンプルデータは micromixer_cluster.mph が該当しますので、参考にしてく
ださい。計算投入は 2.1.4を参照ください。