curio lab #2 『フィンランドに学べ!』miikkaさんインタビュー
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2015 年 3 月 19 日
第2回 フィンランドから学べ !
i.school Program Managar
Miikka Lehtonen さんインタビュー
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Miikka Lehtonen さん
Miikka J. レヒトネンフィンランド出身。 2014 年にビジネススクールのアアルト大学から博士号を取得。現在は i.school でのプログラムマネージャのほか、東京大学助教授として働いている。視覚的な研究方法、ゲーム業界、スタートアップ、および視覚的についての研究実績があり。現在の研究対象は、多くの形態で感情や創造性を中心に展開。
※ 写真およびプロフィールは i.school ホームページより抜粋。http://ischool.t.u-tokyo.ac.jp/
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Curio School に来校!
フィンランドの教育についてインタビューさせていただきま
した!
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【 Miikka さん自身が受けてきた フィンランドでの教育について】
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Q.elementary( フィンランドの基礎教育。 9 年間の最初の 6 年 ) ではどのような授業を受けていましたか?
最初の 2 年は読み書き、計算、体操をしていました。準備期間のようなのでとても優しい内容です3 年生になると織物を行います。宗教の勉強も行いました。英語の勉強も 3 年生から始まります。他にも生物や地理のちょっとしたさわりを勉強しました。
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Q. ディスカッションやディベートは行いましたか?
ディスカッションやディベートは行いませんでした。ほかの授業が多かったからです。デンマークのほうが多いと思います、例えば宗教に関するディベートとか。フィンランドはそんなにしゃべりたがらないですからね ( 笑 )
デザイン思考のようなことは行いましたか?一部で行っていました。というのは、教師は裁量が大きいので、どのように授業時間割りを作るのかが自由だったのです。デザイン思考に当てはめればボトムアップ型のようなものだと思います。 ( 教師が問題意識を持ちながら時間割を創っていく部分がボトムアップアプローチのようなもの? )
デザイン思考の授業に関してはリンダ・リウカスさんが参考になると思います。
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Q. 先生は授業中はどのように接していましたか?
11 歳から 12 歳のときにコンピュータクラブにいました。放課後活動のときも先生は積極的に接していました。おしゃべりやからかったりもしましたよ。
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Miikka さんからの質問)日本の小学校はどうでしたか?
とても議論する時間が少ないですね。 1 クラス 40 人でしたMiika: え?私のクラスは 12 人でしたよ!!!平均でも 25 人です。フィンランドの教育機関は、数が多いと生徒に対応できないと考えています。
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Q. 高校ではどのような授業をとっていましたか?
とても自由に授業が選択できました。単位制でしたね。英語やドイツ語、フランス語をとっていました。スウェーデン語もですね ( ! )
哲学や地理も取っていました。自然科学はちょっと苦手でしたから避けました笑スウェーデン語の先生はチェスの先生でもありましたので、私は知っていました。
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Q. どうして普通高校に進学したんですか?
ジェネラリストになりたかったからですね。社会科学や自然科学に興味がありました。 15 歳で大学に行きたいと思いましたね。19 歳から大学に進学したんです。だいたいフィンランドでは 18 歳から 20 歳のときに大学に進学します。
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Q. どうして 15 歳の時に大学に入りたいと思ったのですか?
本を読んだり勉強に対してとても興味がありました。じつは高校を卒業した時にはすぐに大学に入りませんでした。1 年だけ大工仕事を学びに職業訓練高校に入りました。そこでわたしはこの仕事は無理だと思いましたね笑椅子がうまく作れませんでしたね。ほかの人は座りやすそうなものを作っていたのに笑
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Q. ということは、普通高校から職業訓練高校に移動できたのですか?
どこでも移動できますね。行ったり来たりできます。その時にはきちんと高校にアプライしないといけません。
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Q.Miikka さんの質問)日本の高校ではいかがだったですか?
職業訓練高校のようなものはありません。ほとんどの人が普通科の高校に行きますね。
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Q. どんな授業でしたか?
ここでも入門のようなものだったはずです。例えば哲学ではよい生き方とは何かなどを勉強しました。本もたくさん読みましたね。語学はとても楽しかったです。本を読んだり、グループワークをしたりといった時間がとてもありました。教科書は英語でした。
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Q. フィンランドの大学入試はどうでしたか?
嫌なものでした。政治の入学試験では 1冊本を読んでそれに関することを試験がありました。ビジネスの大学の試験では本を読むことに加えてインタビューやグループディスカッションもありました。
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Q.専攻はなんですか?
政治学と国際経営でした。 Ph.D は国際経営で撮りました。Ph.D の研究がデザイン思考でした。 IDBM というプログラムで研究していました。
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Q. どうしてデザイン思考に興味を持ったのですか?
デザイナーと仕事をすることがとても好きでした。デザインの研究は自分の内部を研究しますから。ビジネスの研究では自分の外部を研究していて、それらを統合しています。
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【フィンランド教育の特徴について】
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Q. 先生はどのように生徒を評価していましたか?
相対評価でした。基本的に先生の主観です。 10段階で評価していました。1 つの授業は 45 分でした。最初の 6 年間はどの授業もそうでしたね。
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Q. フィンランドでは先生が生徒の発言に対してなぜと問いかけると聞いたのですがそれって本当ですか?
おそらく先ほどの質問であるディスカッションやディベートは行いましたか?と関連していますね。先生はグループワークなどを課します。先生はとても知りたがりでした。ただしたくさんの事実を生徒に押し付けるようなことはしませんでした。1 つの授業は 45 分でした。最初の 6 年間はどの授業もそうでしたね。
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Q. フィンランドでは宿題が少ないとのことでしたが本当ですか?
宿題の量も先生が決めます。私は 1 時間で終わるような宿題でした。
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Q. フィンランドでは放課後活動はどうなっていますか?
塾みたいなものはありましたが、大学入学を控えた高校生用で小学生用にはありませんでした。アイスホッケーを行うようなところ等はありました。次は junior high に入ると、そのときに高校を選ばないといけませんでした。 1つは大学進学のため、もう 1 つは職業訓練校でした。職業訓練校は、大工や商業高校などがあります。大学進学をしたいなら高校から進学したほうがもっとも入りやすいです。職業訓練校から進学するのも不可能ではないです。
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Q. 日本の学生と他の国の人との違いはありますか?
日本の人は集中力がありますが、インタラクティブではないですね。
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Q. とても勉強を楽しんでいますが (Miikka さん「勿論だよ!!」 ) 、 その好奇心の下地になったものは何でしょうか?
これは個人的な話ですが、 11 歳の時に友人とトラブルを起こしていました。その時に Substitute Teacher( 日本でいうと副担任? ) に怒られたんです。「 nothing will ever become of you !」 ( このフレーズはアインシュタインも言われてますが、あんたみたいな人間は他にいないわよ ( ってくらいひどいやつだ ) という意味? ) しかし、両親は常に励ましてくれて、自分の勉強に対して好奇心を持たせるようにしていました。両親の影響はありました。
もう 1 人はスウェーデン語の先生ですね ( チェスの先生でもあったあの人です。 )彼の教え方は私に影響を与えています。私が生徒指導をするときも彼のようにしますね。「明日勉強する気をなくすように多くを勉強することは決してするな。つねに情熱をもって勉学に励めということですね。これが私のとても大事な考え方になっています。 ( 意訳するとつねに情熱をもって学び、だけど無理をしない程度にみたいな話?腹八分ってことかしら? )」 過労死するような方法は私には無理ですね。
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Thank you Miikka!