dmedia2011 03
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電子メディア論 赤③
ハードウエアの20世紀
• ドラマ『太陽にほえろ!』(1972
~1986年)では刑事に愛称
• 1984年11月(623話)から登場
• 一係にマイコン(三菱製MULTI
16,愛称“ホームズ3世”)を導入
し,その成果を捜査に生かす
• クールで堅物のコンピュータ至上主義者
• ①マイクロ・コンピュータの略称– MPU(Micro Processing Unit)と制御回路を総括したも
の
• ②マイ・コンピュータの略称– My Computer。マイカー(my car)など“私の”コンピュ
ータという和製英語
• パーソナル・コンピュータ(パソコン)が「企業」では
なく「共同利用」ではなく,「個人の」を強調したよ
うに,マイコンも②の意味を内包していた?
• 日本計算器として1918年に創業
• 1966年に高性能電卓「ビジコン161」発売
• 超小型コアメモリーの技術を採用し,16桁
の加減乗除と平方根の計算ができ一時
記憶(メモリー)がつき
29万8000円
• シャープのコンペット
21Aは43万5000円
• 機種ごとにICを設計しなおす手間を省き,
電卓のプログラムをROMに記憶したマイク
ロ・プロセッサ(MPU)を発案
• インテルと共同開発し,1971年に4ビット
MPU「4004」を製品化
• 4004開発にはビジコン社
の嶋正利も参加(嶋はイン
テルで8080の開発に参画)
• モステック社(TI)と電卓用ワンチップLSIも
開発。手のひらサイズの電卓「ビジコン
LE-120A」を発売
• 1974年,ビジコン倒産
咆咉咆咡咗
• インテルが1974年に開発した8ビットMPU
• エド・ロバーツ率いるMITS社は電卓ではな
く,組み立てマイコンキット「Altair」を発売
• メモリは256バイト。トグルスイッチで2進法
入力(ON-OFF)。プ
ログラムの動作状況は
2列のLEDの点灯で確
認できる。$395
• NECが1976年に発売したマイコンキット
• インテル8080互換品のμPD8080A使用
• MPUに指令を送り,周辺装置を制御する
仕組みを学ぶ(マシン語の知識が必要)
• 8万500円。76年当時
の大卒初任給と同じ
• 月産1000台で売れる
• 1977年,アップルが世界で初めて個人向
け完成品として大量生産・大量販売した
Home Computer。キーボード,FDDなどを
備える。83年までに累計60万台
• 「1台の機械すべてを完全に自分のものと
して使えるコンピュータ」
• NECが1979年5月に発売した8ビット・マイ
コン。16万8000円
• MPUはμPD780C-1(Z80-A互換)
• RAMは16キロビット
• 160x100ドット 8色
• OSはディスクBASIC
またはCP/M(BASICイ
ンタープリタ)
• ビル・ゲイツは,Altair向けにBASIC(PD)を
書き直し,マイコン用開発環境に(NECに
もN-BASICとして供給)
• 1980年にIBM PCに,CP/Mをベースとし
たOS(PC-DOS)を売り込む
• MS-DOSとMS-BASICがPCの基本仕様
に
• ROMにBASICインタプリタが焼き込まれ,
起動とともに実行する仕様
• BASICはプログラミング言語であると同時
に,簡易なOSだった
• BASICで動作する各
種のプログラムがカセ
ットテープで販売される
• 富士通(FMシリーズ),シャープ(MZシリー
ズ),日立製作所(BASICマスターシリー
ズ)が8ビットパソコンの小さな市場で乱立
• 主力商品の価格は最小構成でも20万円
台と高く,ホビー商品の域を出なかった
• 各社のBASICには完全な互換性がなく
(同一メーカーでさえ!),基本命令以外で
の移植性は薄かった
• 左から8インチ・5インチ・3.5インチ
• 3.5インチはディスク全体にカバーがあり,
読み出し口にはシャッターが付いている
• 1983年にマイクロソフトとアスキーによっ
て提唱された8ビットパソコンの共通規格
• パソコン御三家から出遅れたメーカーに
挽回のチャンスを与え,大同団結すること
で共通規格を推進してユーザーの利便性
を高める
• 西和彦はアスキー社長と
MS極東担当副社長を兼任
• 1983年6月27日に規格が発表
• 家庭用テレビに出力できる
• BASICインタプリター(MSX-BASIC)と
MSX-DOS:CP/M互換OSを用意
• Z80,64KB,BIOSは完全互換
• ROMカートリッジによるソフト供給も
• 本体価格は5万円台
• 西和彦(26歳)がMSXでソフト発売元から
ロイヤリティ(商標使用料)を徴収する計画
を知った孫正義(25歳=日本ソフトバンク
社長)はMSXへの対抗規格を模索
• 仲介者により二人は会談し,MSXのソフト
開発でロイヤリティを徴収しない「オープ
ン方式」をとることで合意
• 「弱者連合」の域を抜け出せず
• 規格の縛りが強く,各メーカーが独自性
をアピールできる余地が少ない
• 低価格機種は漢字ROMを省くなど,日本
語処理が不十分
• 多用途を謳うものの,結局はユーザーか
らは「ゲーム専用機」としての認知
• だとすれば
• 任天堂が1983年7月21日に発売。価格は
1万4800円!!
• テレビ受像機に接続し,ROMカートリッジ
で供給されるゲームソフトを楽しむのは,
MSXパソコンと同じ
• ファミコンBASICが用意されていたから,
楽しみたければプログラミングもできる
• 1985年に16ビット規格「MSX2」をリリース
し差異化を図るが,「スーパーマリオブラ
ザーズ」に「ドラゴンクエスト」を加えたファ
ミコンのパワーは増すばかり
• 16ビット機では,NECのPC-9801シリーズ
(1982年に登場)が日本国内は席捲
• MSXが入り込む余地は狭かった
• 1984年に日本でも,漢字Talk(漢字ROM+日
本語Mac OS)を搭載して発売
• 本体のみ(HDD無し)で39万8000円,
20MBのHDD付で69万9000円
• かな漢字変換を伴うだけに,日本語ワー
ドプロセッシングは高度なスキル
• 東芝が1978年に「JW-10」(630万円)を開
発。罫線機能もあり,フロッピーディスクに
文書を保存できる
• 日本では1995年ごろまでワープロやゲー
ム機など専用機文化が根強く,汎用機
(何にでも使えるパソコン)へのニーズは
高くなかった。通信機能も搭載していた
• OSではWindows95,MS-Office(Word),イ
ンターネットが専用機を時代遅れにした?
• パソコンがあれば汎用性が確保できる時
代の到来
• ハードはIBM PC AT規格,OSはWindowsの
パソコンが世界を制圧
• 健全な対抗勢力としてアップルコンピュータ
が存在している
• 汎用機のこの支配は永遠なのか?