論文紹介Explaining the prevalence, scaling and variance
of urban phenomenaAndres Gomez-Lievano, Oscar Patterson-Lomba & Ricardo Hausmann,
Nature Human Behavior, 2016. http://www.nature.com/articles/s41562-016-0012
2017/02/28takano
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スケーリング則
● スケール変換したときの観測量の変化の法則○ x → ax ⇨ f(x) → f(ax) = ?○ べき数則の関係が成立し、この関係を明らかにすることができれば、問題の規模が変わった時の影
響とかがわかってうれしい(例 : 半導体の集積化)
● この論文 ○ 都市の人口規模 N とその都市における種々の現象の蔓延率とその分散を予測するモデルを作る
● 参考
○ 福島孝治先生の資料
■ http://www.smapip.is.tohoku.ac.jp/~dex-smi/2006/Tutorial200612/PresentationSlides/KojiHukushima.pdf■ http://www.smapip.is.tohoku.ac.jp/~dex-smi/2006/Tutorial200612/ExtendedAbstracts/KojiHukushima.pdf
○ 金融市場とスケーリング則
■ http://www.edu.tuis.ac.jp/~yamasaki/yamasaki/paper/91_201206PARITY.pdf○ “スケーリング則”, 高分子, Vol. 56 (2007) No. 2 P 82.
■ https://www.jstage.jst.go.jp/article/kobunshi1952/56/2/56_2_82/_article/-char/ja/
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人口 N と現象 Y のスケーリング:
● 人口 N が現象 Y の発生確率 p に影響を与えないのであれば、
- E{Y} = p N なるはず。
● ところが β > 1→ Nの増減に伴って Y が どのように発生するか?
が変わる。
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モデルが予測すること
● 以下が現象の複雑さqに応じて線形に変わる■ q: 現象が必要とする因子の数に関する確率
○ 特定現象の平均的な拡散率 Y_0 の対数
○ スケーリング指数β○ Y の平均標準偏差σ
● 「複雑な現象は稀であること・人口とともに急にスケールすること・流行は高
い確率的なばらつきがあること」を予測する 8
まとめ
● 都市で発生する現象の規模についてのスケーリング則をモデル化した○ 現象: 雇用率、性感染症率、犯罪率、イノベーション、教育レベルなど
● 興味のある現象についてある程度の数の都市のデータがあれば、
都市の規模から、どの程度の規模で現象が発生するか?を予測できる○ ただし、使い物になるにはもっと多くの実証が必要
● ただし、分散がかなりでかい○ そもそも、複雑な現象( qが大きい)と変動幅(σ)も大きくなるという理論的予測
○ データの獲得方法の問題
■ Yの観測範囲の問題 : 1年間?1ヶ月間? など
■ Nの定義: 男性のみ?若年層のみ? など
○ ただ、そのわりにはFitがよい(図3)
● モデルは非常に抽象的・シンプルなので適用範囲は広い
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