Download - DC/DCコンバータ設計セミナー - ROHM Co., Ltd. · ②リニアレギュレータの種類と回路 構成 ③長所と短所、アプリケーション ④リニアレギュレータの重要スペック
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DC/DCコンバータ設計セミナー
リ ニ ア レ ギ ュ レ ー タ と
スイッチングレギュレータの
基礎
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1. リニアレギュレータの基礎
①リニアレギュレータの動作原理
②リニアレギュレータの種類と回路構成
③長所と短所、アプリケーション
④リニアレギュレータの重要スペック
⑤効率と熱計算
1 リニア/スイッチングレギュレータの基礎
2. スイッチングレギュレータの基礎
①スイッチングレギュレータの種類
②長所と短所、リニアレギュレータとの比較
③降圧型スイッチングレギュレータの動作原理
④同期整流型と非同期整流型の違い
⑤同期整流式の軽負荷時の効率を改善する機能
⑥制御方式 (電圧モード、電流モード、ヒステリシス制御)
⑦保護機能/シーケンス機能
⑧スイッチング周波数の考慮点
アジェンダ
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①リニアレギュレータの動作原理
②リニアレギュレータの種類と回路構成
③長所と短所、アプリケーション
④リニアレギュレータの重要スペック
⑤効率と熱計算
2 リニアレギュレータの基礎
1. リニアレギュレータの基礎
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3 リニアレギュレータの動作原理
• エラーアンプ、帰還、出力トランジスタで構成
• 動作は反転増幅回路と同じ
• エラーアンプの非反転端子(分圧点)の電圧はVREFと同じ電圧なので、2本の抵抗比によりVOUTが決まる。
+
-
VIN VO
VREF
R2
R1
(=VREF)
例: VREF = 1.0V、VO = 3.3V、R2 = 10kΩ とした場合
100μA
R1が23kΩであれば、100μA×33kΩ=3.3V
IN OUT
FB
(FB)
VIN VO
エラー
アンプ
出力Tr
基準電圧
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4 リニアレギュレータの種類
• 呼称:シリーズレギュレータ、三端子レ
ギュレータ、ドロッパー、LDO(Low
Drop Out)=リニアレギュレータ
• LDOは標準型を改善し、ドロップアウト
電圧を下げたもの
• 出力固定型と可変型があるが、固定型
は可変型の外付け抵抗を内蔵したもの
• 一般にバイポーラプロセスのものは高
耐圧で消費電流は大きめ。CMOSのも
のは耐圧は低めだが低消費
• パッケージは様々だが、放熱の良いも
のが前提
リニアレギュレータ
・正電圧(固定/可変) -標準型
-LDO
・負電圧(固定/可変) -標準型
-LDO
HTSOP-J8
HSON8
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制御トランジスタには、バイポーラNPN / PNPトランジスタ、Pch /
Nch MOSFETが使われ、ドロップアウト電圧や特性が異なる。
5 リニアレギュレータの回路構成
• 制御トランジスタの種類によってドロップアウト電圧が異なる
• 動作原理は基本的に同じ
• NPN標準型は78xx/79xxなど0.5A~1A
出力のものが多い
• NPN型LDOは5A超の大電流が可能
• PNP型LDOはLDOの標準
• Pch/Nch MOSFETはさらに低ドロップアウトを目指したもの
+
-
VIN VO
VREF
R2
R1
(=VREF) 制御トランジスタ ドロップアウト電圧
NPN標準型 3V前後
NPN LDO 1V~2V
PNP LDO 0.5V以下
MOSFET LDO 0.5V以下
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6 長所と短所、アプリケーション
設計が簡単
部品点数が少ない
省スペース(放熱板を使わなければ)
ノイズが小さい
過渡応答が高速
安価
入出力差が大きいと効率が悪い
低効率=発熱が大きい
放熱器が必要になる場合がある
降圧しかできない
• AV機器
• RF、無線、通信機
• 医療機器
• 計測器
• 小電力電源など
長所 短所
アプリケ-ション
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① 入力電圧範囲
② 出力電圧範囲
③ 出力精度(Vref精度)
④ 出力電流
⑤ ドロップアウト電圧
⑥ 過渡応答特性
⑦ リップル除去比
7 リニアレギュレータの重要スペック
基本的な確認ポイント
• 絶対最大定格は必ず確認
• 温度、電圧等の条件を確認(実使用と近いか)
• 保証値だけではなく連続的な特性をグラフで確認
• Typ、Min、Max値のどれをよりどころにするか検討
スペック表の例
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① 入力電圧範囲
• 意味:入力端子に印加してよい電圧範囲
• 動作やスペックが保証される範囲なのか最大定格なのかをよくチェック
• 通常は推奨範囲に準ずる
• 動作する最低入力電圧は:VO+ドロップアウト電圧以上になることに注意
• Tj MAXにより、VO、IO、Taの条件により制限を受ける
8 リニアレギュレータの重要スペック
② 出力電圧範囲
• 意味:出力電圧の範囲(固定タイプは固定値)
• VREF~(VIN MAX-VDROPOUT)
• 通常は推奨範囲に準ずる
• Tj MAXにより、VO、IO、Taの条件により制限を
受ける
③ 出力精度(VREF精度)
• 意味:±%で示される誤差
• 固定タイプは固定値(VO)、可変タイプはVREF
VIN MAX
VO
有効入力範囲
VDROPOUT
出力範囲
入力範囲
VREF
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④ 出力電流
• 意味:出力できる電流(能力)
• 電流リミットという表現の場合もある
• 注意:最大値なのか最小値なのか確認
• 短絡電流のスペックも(あれば)参考に
• Tj MAXにより、VIN、VO、Taの条件により
制限を受ける
9 リニアレギュレータの重要スペック
⑤ ドロップアウト電圧
• 意味:出力安定化動作のために必要な
入出力間の電圧差
• 入出力電圧差、損失電圧とも呼ぶ
• これ以下に差が縮まると動作しない
• LDOはこれが小さい
• IOや温度による変動が大きいので注意
IO、Taに対するドロップアウト電圧の変動の例 VIN MAX
VO
有効入力範囲
VDROPOUT
出力範囲
入力範囲
VREF
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⑥ 過渡応答特性
• 意味:急激な負荷電流変動によって起こる出力電圧の変動を収束させる速さ
• 大電力の負荷(CPUなど)がスリープからウェイクしたときなどに起こる
• 連続的負荷の増減による出力電圧のシフト(変動)とは分けて考える
• 基本的にはスペック値はなく、グラフで特性を確認する
• ICの性能だけではなく、出力容量(コンデンサ)の影響も受ける
10 リニアレギュレータの重要スペック
過渡応答特性の例
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10 100 1k 10k 100k 1M
⑦ リップル除去比
• 意味:入力電圧に含まれているリップル(脈動)が出力電圧では除去される比率。
dBで表すことがほとんど
• PSRR(電源電圧リップル除去)、入力電圧リップル除去とも呼ばれるが同じ
• 除去比はリップル周波数に対する依存が大きいので注意
• スイッチングレギュレータのポストレギュレータ、整流-平滑が十分でない場合に検討
11 リニアレギュレータの重要スペック
リップルリジェクションの例
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12 リニアレギュレータの効率と熱計算
VIN
VO
損失電力
有効電力
VDROPOUT
VIN
VO
IIN
IO
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13 リニア/スイッチングレギュレータの基礎
①スイッチングレギュレータの種類
②長所と短所、リニアレギュレータとの比較
③降圧型スイッチングレギュレータの動作原理
④同期整流型と非同期整流型の違い
⑤同期整流型の軽負荷時の効率を改善する機能
⑥フィードバック制御方式 (電圧モード、電流モード、ヒステリシス)
⑦保護機能およびシーケンス制御
⑧スイッチング周波数の考慮点
2. スイッチングレギュレータの基礎
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14 スイッチングレギュレータの種類
DC/DCコンバータ
非絶縁型
非同期整流式
同期整流式
絶縁型
フライバック
フォワード
プッシュプル
ハーフ/フルブリッジ
AC/DCコンバータ
非絶縁型
絶縁型
• 用途:民生、産業、国内、海外..
• 入出力条件:AC、DC、バッテリ..
• 性能目標:電力、効率、精度..
• 制限事項:サイズ、コスト、規制..
電流モード
電圧モード
ヒステリシス
PWM
PFM
降圧
昇圧
昇降圧
反転
スイッチング
レギュレータ 動作モード 出力電圧を制御する
フィードバッ ク制御方式 出力を安 定化する
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15 長所と短所、リニアレギュレータとの比較
降圧、昇圧、反転、昇降圧が可能
効率が高い
発熱が少ない
大きな出力電流が可能
設計が複雑
部品点数が多い
スイッチングノイズ/リップルがある
コストがそれなり
リニア
レギュレータ
スイッチング
レギュレータ
降圧
昇圧
昇降圧
反転
可
不可
不可
不可
可
可
可
可
効率 VO/VIN
低いことが多い
~95%前後
一般に高い
出力電力 一般に数W
放熱設計による 大電力が可能
ノイズ 小 スイッチング
ノイズあり
設計 簡単 複雑
部品数 少ない 多い
コスト ○ △
リニアレギュレータとの比較
長所
短所
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スイッチングレギュレータの降圧原理
16 降圧型スイッチングレギュレータの動作原理
75%
25%
50%
50% 50%
25%
VIN
時間(デューティサイクル %)
VO 平均化
• S1がON、S2がOFFだとL1にはVINが印加
• S1がOFF、S2がONだとL1はGNDへ接続
• VIN (DC) をVIN/GNDのパルスに変換
• C1で平均化されDCへ変換
VIN VO
S1
S2
L1
C1
平均化
必要な電力だけを入力側から取り込むので高効率です
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VIN
D1 C1
L1 S1
VO
17 降圧型スイッチングレギュレータの動作原理
• 非同期(ダイオード)整流の基本回路
• S1は通常トランジスタ素子
• D1は前ページではS2で表記
• 赤はS1 ON時の電流経路、緑はOFF時
IO
IO
IO
0
0
0
VIN
VIN
0
0
0
0
0
VIN
VOUT
0
IO
IIN(平均)
0
S1
VIN
C1
L1
D1
電圧 電流
SW OFF
SW
ON SW OFF
Diode
ON Diode
OFF
Diode
ON
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18 降圧型スイッチングレギュレータの動作原理
負荷
負荷
制御回路
制御回路
比較回路
比較回路
スイッチ
スイッチ
基準電圧
基準電圧
入力電圧 出力電圧
入力電圧 出力電圧
① 出力電圧が設定電圧になっているかを基準
電圧と比較します。
② 設定電圧よりも低い場合は、スイッチがオンと
なり入力から出力へ電力を供給します。
③ この時インダクタに磁気エネルギーが蓄積さ
れます。
④ 出力電圧が設定電圧よりも高くなるとスイッチ
がオフとなります。
⑤ インダクタに蓄積されていた磁気エネルギー
が電流となって出力負荷へ供給され、再びイ
ンダクタへ戻ってきます。
⑥ インダクタの磁気エネルギーがなくなり、出力
電圧が下がってくると、再びスイッチがオンに
なります。
①
②スイッチオン
③
④スイッチオフ
⑤
スイッチ電流
ダイオード電流
インダクタ電流
スイッチ
オン
スイッチ
オン オフ オフ
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19 スイッチングレギュレータの種類
3つの組み合わせにより
降圧、昇圧、反転を作成します
VIN VOUT
降圧
VIN VOUT
昇圧
VIN VOUT
反転
VIN
昇降圧
VOUT
スイッチ
インダクタ
ダイオード
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20
降圧型の動作原理
スイッチング
(電圧を分割)
負荷
L OUT
C Vin
IN
Vout
Vout 時間
Vin 時間
SW1
SW2
時間
電圧
スイッチング周期
ON
OFF 時間
ON
OFF 時間
スイッチング周期
SW1
SW2
平滑
電流
SW1 ON
電流
電流
入力電圧 出力電圧
出力電流
降圧型の動作原理①
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21
時間 Toff Toff Toff
Ton Ton Ton SW
時間
Im Iout
時間
Id Iout
時間
FB
OSC
Vin
M1
Di 負荷
Id
L Vout
Im
SW
OSC
-
+
ERROR
AMP INV PWM
COMPARATOR
-
+
DRV FB
三角波 基準
電圧
R1
R2
ADJ電圧を基準電圧と
同じになるようFBを増幅させる
ADJ
FB電圧と三角波と比較し
ONすべき時間を決める
時間
Iout
ΔIL
ton toff
T
IL
IL
※出力電圧精度は
抵抗R1、R2のばらつき+基準電圧精度 +α
Vin
降圧型の動作原理②
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L1-N
/ V
1.94
1.96
1.98
2
Q1-S
/ V
-1
1
3
5
I(Q
1-D
) /
A
-2
0
2
4
6
Time/uSecs 1uSecs/div
194 195 196 197 198 199
I(D
1-a
node)
/ A
-2
0
2
4
6
C1
10u
L1
D1
V1
Q1
V2 R1
I1
22
降圧型は入力電圧をカットすることで
出力の電圧を決定します。
FETのON時間が長いほど
高い電圧を出力することができる。
降圧型の動作原理③
Vout
SW
FET電流
Di電流
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C1
10u
L1
D1
V1
Q1
V2 R1
I1
23 降圧型の動作原理④
DUTYの違いによる昇圧量の変化
DUTY 20% DUTY 80%
L1-N
/ V
3.69
3.72
3.75
3.78
Q1-S
/ V
-1
1
3
5
I(Q
1-D
) /
A
-1
1
3
Time/uSecs 1uSecs/div
193 194 195 196 197 198
I(D
1-a
node)
/ A
-1
1
3
R1-P
/ m
V
740
780
820
860
Q1-S
/ V
-1
1
3
5
I(Q
1-D
) /
A
-1
1
3
Time/uSecs 1uSecs/div
194 195 196 197 198
I(D
1-a
node)
/ A
-1
1
3
Vout
SW
FET電流
Di電流
Vout
SW
FET電流
Di電流
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24
昇圧型の動作原理
スイッチング
(電圧を分割)
負荷
OUT
C Vin
IN
Vout
Vin 時間
Vout
時間
SW
時間
電圧
スイッチング周期
平滑
SWON
電流
入力電圧 出力電圧
出力電流
L 電流
SWがOFFした時、インダクタに流れている電流の経路が無くなり
インダクタに蓄えられたエネルギーが高い電圧となるため
昇圧することができる
昇圧型の動作原理①
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25
時間 Ton Ton Ton
Toff Toff Toff SW
時間
Im Iout
時間
Id Iout
時間
FB
OSC
時間
Iout
ΔIL
ton toff
T
Vin
M1
Di
負荷
L
Vout SW
OSC
-
+
ERROR
AMP INV PWM
COMPARATOR
-
+
DRV FB
三角波
IL
基準
電圧
Im Id
ADJ電圧を基準電圧と
同じになるようFBを増幅させる
FB電圧と三角波と比較し
ONすべき時間を決める
IL
R1
R2 ADJ
昇圧型の動作原理②
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D1-c
ath
ode /
V
8.7
8.85
9
Q1-D
/ V
-0
4
8
I(D
1-a
node)
/ A
0
3
6
Time/mSecs 500nSecs/div
1.9865 1.987 1.9875 1.988 1.9885 1.989 1.9895 1.990
3
6
26
昇圧型は電圧、電流範囲に上限があり
負荷電流により、一般的に
約3倍~5倍程度が上限となる。
V
C1
10u
L1
D1
V1
Q1
V2
1
R1
1
I1
FETのON時間が長いほど
高い電圧に昇圧することができる。
昇圧型の動作原理③
Vout
SW
FET電流
Di電流
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27 昇圧型の動作原理④ D
1-c
ath
ode /
V
5.05
5.15
5.25
5.35
Q1-D
/ V
1
3
5
7
I(Q
1-D
) /
A
-0
1
2
3
Time/mSecs 1uSecs/div
1.96 1.961 1.962 1.963 1.964 1.965
I(D
1-a
node)
/ A
-0
1
2
3
4
D1-c
ath
ode /
V
23.05
23.15
23.25
23.35
Q1-D
/ V
-0
10
20
I(Q
1-D
) /
A
-0
4
8
12
16
Time/mSecs 1uSecs/div
1.992 1.993 1.994 1.995 1.996 1.997 1.998 1.999 2I(D
1-a
node)
/ A
-0
4
8
12
16
DUTYの違いによる昇圧量の変化
DUTY 20% DUTY 80%
V
C1
10u
L1
D1
V1
Q1
V2
1
R1
1
I1
Vout
SW
FET電流
Di電流
Vout
SW
FET電流
Di電流
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28
反転型の動作原理
スイッチング
(電圧を分割)
負荷
OUT
C Vin
IN
Vout
Vin 時間
Vout
時間 時間
電圧
スイッチング周期
平滑
SWON
電流
入力電圧
出力電圧
出力電流
電流
SWがOFFした時、インダクタに電流が流れ続けようとするため
出力電流を吸い込み、スイッチング電圧がマイナスに振れることにより出力に負電圧が出る。
SW1
L
+
反転型の動作原理①
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29
時間
Ton
Toff SW
時間
Im Iout
時間
Id Iout
時間
FB
OSC
Vin
M1
Di
負荷
L
Vout SW
OSC
-
+
+
ERROR
AMP INV PWM
COMPARATOR
-
+
DRV FB
三角波
IL
基準
電圧
Im
Id
ADJ電圧を基準電圧と
同じになるようFBを増幅させる
FB電圧と三角波と比較し
ONすべき時間を決める
IL
R2
R1 ADJ
リファレンス
電圧
Toff
Ton
Toff
Ton
Toff
ΔIL
ton toff
T
反転型の動作原理②
時間
Iout
c ROHM Co.,Ltd. All Rights Reserved
D1-a
node /
V
-4
-3.8
-3.6
Q1-D
/ V
-4
0
4
I(Q
1-D
) /
A
-7
-5
-3
-1
Time/mSecs 2uSecs/div
1.99 1.992 1.994 1.996 1.998 2I(D
1-c
ath
ode)
/ A
-7
-5
-3
-1
30
反転型はインダクタのL値とDUTYによって
反転できる電圧、電流範囲が決まる。
FETのON時間が長い方が低い出力電圧を
出すことが可能。
反転型の動作原理③
Q1
I1
C1
10u
L1
D1
V1 V2
1
R1
Vout
SW
FET電流
Di電流
c ROHM Co.,Ltd. All Rights Reserved
31 反転型の動作原理④
DUTYの違いによる昇圧量の変化
DUTY 80% DUTY 20%
Q1
I1
C1
10u
L1
D1
V1 V2
1
R1
D1-a
node /
V
-17.35
-17.25
-17.15
-17.05
-16.95
Q1-D
/ V
-20
-10
-5
5
I(Q
1-D
) /
A
-14
-10
-6
-2
Time/mSecs 1uSecs/div
1.993 1.994 1.995 1.996 1.997 1.998 1.999 2
I(D
1-c
ath
ode)
/ A
-14
-10
-6
-2
D1-a
node /
mV
-220
-180
-140
-100
Q1-D
/ V
-2
0
3
5
I(Q
1-D
) /
A
-4
-2.5
-1
0.5
Time/mSecs 1uSecs/div
1.994 1.995 1.996 1.997 1.998 1.999I(D
1-c
ath
ode)
/ A
-4
-2.5
-1
0.5
Vout
SW
FET電流
Di電流
Vout
SW
FET電流
Di電流
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32 同期整流型と非同期整流型の違い
非同期(ダイオード)整流 同期整流
• S1がON時にはD1に電流は流れない(OFF)
• S1がOFF時にはD1に順方向電流が流れる(ON)
• 実際の回路では、S1はトランジスタとD1はショット
キーダイオードが使われる
• 同期式より効率は劣る
• 回路は比較的簡単
• S1がONの時S2をOFFにする
• S1がOFFの時S2をONにする
• 電流経路は非同期型と同じだが、SのON/OFFは
制御回路が行う
• 実際の回路ではSはトランジスタ
• 高効率だが、低負荷時効率に対する考慮が必要
• 非同期式よりも回路が複雑
D1 S2
VO VIN VIN VO
S1 S1 L1 L1
C1 C1
VIN
VO
L1
D1
S1
C1
VO
L1
C1
S1
S2
VIN
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33 同期整流型と非同期整流型の違い
ダイオード導通時間
降圧比が高い場合、D1の導通時間が長い
VOが低い場合、D1のVFによる損失の割合が
大きくなる
降圧比が高い場合にD1のVFが問題 軽負荷時の動作
軽負荷時にはインダクタ電流が0Aになる期間あり
非同期式はダイオードにて一方向にしか電流が流れず、不連続動作になり、リンギングを起こす
同期式はトランジスタにて逆流が可能で、連続動作を維持し安定。ただし、効率は低下する
0
IL
(-) 非同期整流 同期整流
連続 不連続
非同期(ダイオード)整流 同期整流
VIN
VO
L1
D1
S1
C1
VO
L1
C1
S1
S2
VIN
c ROHM Co.,Ltd. All Rights Reserved
34 不連続動作
I
1
R1
V2
Q1
V1
D1
470n
L1
C1
10u
V
5V
入力電圧:5V
出力電圧:1V
発振周波数:1MHz
V /
V
-1
0
1
2
3
4
5
Time/uSecs 500nSecs/div
99.5 100 100.5 101 101.5 102
I /
A
-0.2
0.2
0.6
1
1.4
1.8
SW電圧
L電流 インダクタ電流が0Aの時に
リンギングが発生
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35
同期整流、ダイオード整流
負荷電流が多いとき、DiodeのVf(順方向電圧)によって発生する損失が過大になるため
FET等に置き換えた物を同期整流と言う。
ダイオード整流の損失
= Vf x Io x ( 1 – ON Duty )
Vf :ショットキーDi順方向電圧
ダイオード整流 同期整流 Vin
M1
Di 負荷
Id
L Vout SW
Vin
M1
負荷 Id
L Vout SW
例) Vin=5V、Vout=1V 、Iout:2Aの時の損失例 ダイオード整流:Vfが0.5Vの時 →ダイオード損失=0.5×2×(1-1/5) = 0.8W 同期整流: FETのON抵抗が50mΩの時 →FET損失=2×2×0.05×(1-1/5) =0.16W
同期整流のON時の損失
= Io2 x Ron x ( 1- ON Duty )
Ron:SWのON抵抗
電流が多いほど
顕著に違いが出る
同期整流型と非同期整流型の使い分け
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36 同期整流型と非同期整流型の違い
同期整流の場合同時ONを避けるため
デットタイムの時間を作る必要がある。
C1
10u
V3
5
V1
L1
Q2
Q1
V2
1
R1
Q1-G
/ V
0
2
4
6
8
10
Q2-G
/ V
0
1
2
3
4
5
Time/uSecs 200nSecs/div
496.8 497 497.2 497.4 497.6 497.8 498 498.2 498.4 498.6 498.8 499
Q2-D
/ V
-0
1
2
3
4
5
Time/uSecs 100nSecs/div
488.5 488.6 488.7 488.8 488.9 489
Q2-D
/ V
-0
1
2
3
4
5
デットタイム
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37 同期整流型と非同期整流型の違い
FETには寄生にボディダイオードがあるため、FETがOFFした時、ボディダイオードを通り、電流が流れる
MOS-FETのカタログ
デットタイムが無いとFETが同時ONし
貫通電流が流れる
Q2-D
/ V
-0
1
2
3
4
5
Time/uSecs 100nSecs/div
492.5 492.6 492.7 492.8 492.9 493 493.1
I(Q
2-D
) /
A
-10
0
10
20
30
40
50
貫通電流が40A以上流れる
※FETの能力にもよるが
ほぼ破壊に至る。
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VO
L1
C1
S1
S2
VIN
不連続モード機能の追加 同期式は軽負荷時にも連続モードで動作し、これが軽負荷時の効率低下を招く
対策として、不連続モード機能を制御回路に追加
① インダクタ電流のゼロ付近を検出
② 下のトランジスタをオフにする
③ 電流の逆流を阻止
出力電圧の減衰時間が長くなるので、上側トランジスタのON開始が遅くなりスイッチングの周期が変わるため、スイッチング周波数が変動する
38 同期整流型の軽負荷時効率を改善する機能
インダクタ電流
ゼロ付近を検出すると
VO
L1
C1
S1
S2
VIN
OFF
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PWMモードからPFMモードに切り替え PWM(パルス幅変調)は周波数が一定でデューティサイクルにて調整
軽負荷時にも周波数が一定なので、スイッチング損失が効率を悪化
周波数が一定なのでノイズをフィルタしやすい
PFM(パルス周波数変調)はON(またはOFF)時間を一定にして、OFF(またはON)時間を調整
周波数を落として動作するので、スイッチング損失が減少
周波数が不定なのでフィルタが困難で可聴帯に入る可能性あり
39 同期整流式の軽負荷時効率を改善する機能
周期は一定でON/OFF時間比が変動 ON時間が一定でOFF時間が変動=周期も変動
PFM
負荷電流
効率 PFM
PWM
PWMとPFMの効率特性のイメージ
PWM
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40 同期整流式の軽負荷時効率を改善する機能
PFMモードは発振を間引き、スイッチングロスを減らすことにより効率を上げる。
CH2:インダクタ電流波形 500mA/div
CH1:SW波形 2V/div
負荷を増加すると
PFMモード:負荷:0A PFMモード:負荷:0.2A PWMモード:負荷:0.6A
負荷を増やすと発振の間引く量が減っていき、最後にはPWMモードとなる
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電圧モード制御 電圧だけの帰還ループなので制御が単純
オン時間を短くできる
ノイズ 耐性が高い
位相補償回路が複雑
41 フィードバック制御方式
電流モード制御 電圧モード制御を改良したもの
三角波の代わりに、回路のインダクタ電流を検出して使う
帰還ループの安定性が高い
位相補償回路の設計が大幅に簡単になる
負荷過渡応答が電圧モードより高速
電流検出帰還ループのノイズに注意
エラー アンプ
+
-
三角波
PWM発生器
基準電圧
+
- PWM発生器
エラー アンプ
インダクタ電流
基準電圧
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42 フィードバック制御方式
+
-
基準電圧
コンパレータ ヒステリシス(リップル)制御 コンパレータで出力を直接モニタ
非常に負荷過渡応答速度が速い
帰還ループの安定性が高い
位相補償が不要
スイッチング周波数が変動する
ジッタが大き目
リップル検出のためESRの大きなコンデンサが必要
出力電圧(出力リップル)
ヒステリシス制御のイメージ
スイッチON/OFF
しきい値
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降圧DC/DCコンバータの制御方式-電圧モード①
VOUT
REF
HG
IOUT
LG
Z1
Err
Z2
PWM Driver
VIN
VOUT +
FB
FB
HG
LG
delay time
電圧フィードバックループ
VoutとREFを比較
三角波とFBを比較し On dutyを決定
三角波
出力電圧が下がってもFBと三角波 が交わるまで応答できない
電圧モード
REF
三角波
43
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Z1
Err
Z2
PWM Driver
VIN
VOUT +
FB HG
LG
VoutとREFを比較
電圧モード
REF
三角波
44
三角波とFBを比較し On dutyを決定
特徴: エラーアンプ(オペアンプ)で安定性、応答性を調整
注目点:出力の電圧のみをモニタしているため、出力電圧が変動しない限り
応答することができない
進み補償、遅れ補償を追加する必要があり、設計が大変
負荷変動による応答速度が遅い
降圧DC/DCコンバータの制御方式-電圧モード②
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45
電圧モード
遅れ補償
進み補償
降圧DC/DCコンバータの制御方式-電圧モード③
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Z:C,Rで調整
OSC
VOUT
REF
FB
IOUT
HG
ISEN
SET signal
PWM R
S
Q
Driver
OSC
FB
REF
ISEN
LG
HG
VIN
VOUT
電圧フィードバックループ
電流フィードバックループ
Err
OSCで動作周波数 固定
FBとISENが公差する点で 発振OFF
電流モード
VoutとREFを比較
FBのZ(C,R)で調整
46 降圧DC/DCコンバータの制御方式-電流モード①
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Z:C,Rで調整
PWM R
S
Q
Driver
OSC
FB
REF
ISEN
LG
HG
VIN
VOUT
電圧フィードバックループ
電流フィードバックループ
Err
電流モード
VoutとREFを比較
47
特徴: エラーアンプの出力をC,Rを使って安定させることにより、位相余裕を調整
L電流に比例した電圧(ISEN)とFBを比較し、発振OFFタイミングを調整
注目点:位相補償はC、Rの定数で調整
安定性、応答性のバランスが良い
降圧DC/DCコンバータの制御方式-電流モード②
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電圧フィードバック
電流フードバック
48
電流モード
降圧DC/DCコンバータの制御方式-電流モード③
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ONタイム制御
VOUT
REF
IOUT
HG
Driver
REF
LG
HG
VIN
VOUT
1shot
Pulse
遅延が少なく、応答が速い
+
-
遅れ要素が無く
負荷変動に対して
高速に応答が可能
出力とREFを コンパレータで比較.
1発、設定時間ONする
発振周波数はON時間で調整
パルス幅は一定
49 降圧DC/DCコンバータの制御方式-ONタイム制御①
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ONタイム制御
Driver
REF
LG
HG
VIN
VOUT
1shot
Pulse
遅延が少なく、応答が速い
+
-
出力とREFを コンパレータで比較.
1発、設定時間ONする
50
特徴: 動作原理が簡単
負荷変動による応答速度が速い
注目点:位相補償の調整が不要のため、比較的設計が簡単
発振周波数が入出力条件や負荷によって変動
降圧DC/DCコンバータの制御方式-ONタイム制御②
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ControlLogic
+DRV
REF
TSD
UVLO
On Time
ILIM
ILIM@PFM
On Time Modulation
0.8xREF
FB
VOSPGD
PGND
SW
PVIN
EN
VOUT
3
7
15
1
6
11
14
1uH
10uF
4
2
16
10
12
AVIN
5AGND
9
13BOOT
SS
8FSW
AVIN
1uF
0.1uF
コンパレータ
51
ONタイム制御
降圧DC/DCコンバータの制御方式-ONタイム制御③
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52
ONタイム制御の発振周波数 Ton Toff
入出力条件とTon、Toffの関係は以下のようになる。
Ton : Toff = Vout : Vin -Vout
仮に
Vin=5V
Vo=1V
ON時間を200ns固定とした時
発振周波数は
800ns 200ns : = 1 : 5-1
f= =1MHz 1
200n+800n
降圧DC/DCコンバータの制御方式-ONタイム制御④
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VOUT Driver
VOUT/VIN
Circuit
Transient
Circuit
VIN
REF
HG
LG
負荷変動が大きい場合に
ON時間を伸ばす
VOUT
REF
HG
IOUT
LG
TON+α TON
変動が多い場合は ON時間を延ばし 電圧降下を抑える
H3REGTM
53
通常動作時はONタイム制御と同じ
降圧DC/DCコンバータの制御方式-H3REGTM①
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VOUT Driver
VOUT/VIN
Circuit
Transient
Circuit
VIN
REF
HG
LG
負荷変動が大きい場合に
ON時間を伸ばす
H3REGTM
54
通常動作時はONタイム制御と同じ
特徴: ONタイム制御に追加して負荷応答を高めた制御方式
より負荷変動による応答速度が速い
注目点:位相補償の調整が不要のため、比較的設計が簡単
発振周波数が入出力条件や負荷によって変動
降圧DC/DCコンバータの制御方式-H3REGTM②
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H3REGTM
コンパレータ
55
H3REGTM
降圧DC/DCコンバータの制御方式-H3REGTM③
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56
■制御方式:電圧モード制御、電流(カレント)モード制御、ONタイム制御、H3RegTM制御
出力を安定化するフィードバック制御方式の種類です。方式により以下の特徴がある。
制御方式 電圧モード 電流モード ONタイム制御 H3RegTM
特徴 古くからある
制御方法
電圧モードより
新しい制御方式
で現在の主流
新しい方式で
負荷応答性が良好
ONタイム制御
の改良品
負荷応答性 △ ○ ◎ ◎+
スイッチング周波数 一定 一定 負荷により変動 負荷により変動
位相補償回路 複雑 容易 不要 不要
出力リップル電圧 セラコン対応 or 非対応 セラコン対応 セラコン対応 or 非対応 セラコン対応 or 非対応
マルチフェーズ
並列運転 容易 容易 困難 困難
用途 セカンダリ電源 セカンダリ電源
セカンダリ電源や
CPU, FPGAなど
低電圧&高速応答
セカンダリ電源や
CPU, FPGAなど
低電圧&高速応答
H3RegTM : エイチ・キューブ・レグ ロームオリジナル制御方式の登録商標
制御方式の特徴のまとめ
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57
+5%
-5%
公称電圧 電圧リップル
電圧レギュレーション - 基準電圧 - ラインレギュレーション - ロードレギュレーション - 帰還抵抗誤差
その他の変動
- 過渡応答
→出力電圧が低電圧になるほど、許容できる電圧精度が厳しい
例)許容できる電圧精度が±5%の場合
Vout=5V → 許容範囲:±250mV
Vout=1V → 許容範囲:±50mV
実機を正常に動作させるためには
→実機の要求仕様を満たすことが必要
ICの仕様で決まる
ICの制御方法と
外付けコンデンサ
などで決まる
電源システムの違いによるIC選定方法 ①
Vout
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電源システムの違いによるIC選定方法 ② 58
電源ICの制御方式の違いによる選定方法について
(コスト、面積が不利)
出力コンデンサの容量小
●低電圧で要求仕様を満たそうとした場合
出力コンデンサの容量によって制御方式を選択することが可能
低電圧の場合は高速応答を選択する方が優位性がある
高速応答
H3RegTM ONタイム制御 電流制御 電圧モード > > >
出力コンデンサの容量大
(コスト、面積が有利)
出力コンデンサ容量
低電圧以外の電圧は要求されるコンデンサの容量が少なくなる傾向があるため
どの制御方式でも選択可能
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サーマルシャットダウン ( Thermal Shut Down )
ICのジャンクション温度Tjが最大定格Tjmax±αで動作停止
59 保護機能
低電圧誤動作防止 ( Under Voltage Lock Out )
入力電圧が規定以下に低下した場合に動作停止
出力
0
ジャンクション温度 Tj (℃) Tjmax
- 自動復帰型
- ラッチ型
出力
0
入力電圧 VIN (V) 解除 検出
入力電圧範囲
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60 保護機能
短絡保護 ( Short Circuit Protection )
出力電圧が規定値よりも低下したときに動作停止
- 自動復帰型
- ラッチ型
過電流保護 ( Over Current Protection )
出力電流が制限値より多く流れたときに電流を制限
VO
FB
上側MOSFETゲート
下側MOSFETゲート
コイル電流
IC内部OCP信号
出力負荷電流 NormalOver
CurrentNormal
OCPスレッショルド
VO
FB
上側MOSFETゲート
下側MOSFETゲート
コイル電流
IC内部SCP信号
出力負荷電流 NormalOver
CurrentNormal
SCPスレッショルド
t
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61 保護機能
0.8V
SCP スレッショルド電圧:0.4V(Typ.)
SCP 遅延時間1msec (Typ.)
SCP 解除
LOW
OCPスレッショルド6.0A(Typ.)
VOUT
FB端子
下側MOSFETゲート
上側MOSFETゲート
IC内部HICCUPディレイ信号
コイル電流(出力負荷電流)
ソフトスタート1msec (Typ.)
SCPリセット
SCP 遅延時間1msec (Typ.)
LOW
16msec (Typ.)
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62 保護機能
過電圧保護 ( Over Voltage Protection )
出力に設定以上の電圧が生じたときに動作停止
負荷
制御回路
比較回路
基準電圧
VO VIN
FB
OVP
VO
FB
上側MOSFETゲート
下側MOSFETゲート
IC内部OVP信号
OVPスレッショルド
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63 プリバイアス動作
出力に電荷が残っている、もしくは出力からバイアスが漏れている状態で起動した時
ソフトスタート電圧が出力電圧を上回るまでLow-sideFETをONしない動作
0V
Vout
0V
Vout プリバイアス対応 プリバイアス非対応
Low-sideFETがONした時に出力の電荷分流れてしまうため
FETが破壊する可能性がある
L OUT
C Vin
IN SW1
SW2
FETがONした時に過大な電流で
破壊する可能性
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シャットダウン :ICの制御部の動作をON/OFFする。 Enable端子など。
ソフトスタート :起動時の突入電流を防ぐため、ゆっくり立ち上げを行う。
パワーグッド出力:出力電圧が規定の値に到達した時点でフラグを出す。
他のブロックへ出力電圧が準備完了であることを知らせる。
Enable端子と組み合わせることで立ち上げシーケンスを組める。
64 シーケンス機能
ソフトスタートなし ソフトスタートあり
時間 時間
電圧 電圧
電流 電流
マイコン 電源1
EN PG
VO1
電源2
EN PG
VO2
電源3
EN PG
VO3
時間
電圧 VO3
VO1
VO2
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トラッキング :複数の電源の立ち上がりシーケンスのこと。
電源のトラッキング方式は3種類。
65 シーケンス機能
電圧
時間
マスター
スレーブ
スレーブ
同時トラッキング ( COINCIDENT )
低い電源電圧から順に
電源電圧が印加
電圧
時間
比例トラッキング ( RATIOMETRIC )
各電源が異なるスルーレート
で立ち上がる
電圧
時間
オフセットトラッキング ( OFFSET )
電源間のオフセット電圧を
固定
電源2 EN VO2
シーケンサー
電源3 EN VO3
電源1 EN VO1
電源1 EN VO1
電源2 Trac VO2
電源3 Trac VO3
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効率とサイズのトレードオフ
スイッチング周波数を高くすると外付けのインダクタとコンデンサを小さくできる
スイッチング周波数を高くすると効率は下がる:スイッチング損失による
スイッチング周波数を高くするとリップルが小さくなり、ノイズも低下傾向
スイッチング周波数を高くすると過渡応答はよくなる
66 スイッチング周波数の考慮点
スイッチング周波数 ~数百kHz 1MHz~
部品サイズ 大 小
効率 上がる 下がる
ノイズ 大きい 小さい
リップル 大きい 小さい
過渡応答 遅い 速い
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67 スイッチング周波数の考慮点
発振周波数:300kHz
非同期整流(ダイオード整流)
発振周波数:1MHz
同期整流
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1. リニアレギュレータの基礎
①リニアレギュレータの動作原理
②リニアレギュレータの種類と回路構成
③長所と短所、アプリケーション
④リニアレギュレータの重要スペック
⑤効率と熱計算
68 リニア/スイッチングレギュレータの基礎
2. スイッチングレギュレータの基礎
①スイッチングレギュレータの種類
②長所と短所、リニアレギュレータとの比較
③降圧型スイッチングレギュレータの動作原理
④同期整流型と非同期整流型の違い
⑤同期整流式の軽負荷時の効率を改善する機能
⑥制御方式 (電圧モード、電流モード、ヒステリシス制御)
⑦保護機能/シーケンス機能
⑧スイッチング周波数の考慮点