「3・1・2弁当箱法」を活用した
食育プログラムの開発
‐ 子ども発信の健康的な食事作り -
食生態学研究室
髙島優花 野原紗綾 森川佐世子
資料2
食事について
栄養バランスの乱れ
食嗜好 > 栄養バランス
家族との食事の質の低下
日本や地域の食文化の薄れ
食料自給率が低い
栄養バランスが整う
食嗜好= 栄養バランス
家族との食事の質の向上
食文化を伝承にする
食料自給率が上がる
~問題点~ ~こう変えたい~
背景
健康的な食事が
できていない
健康的な食事が
できている
1食に何をどれだけ食べたらよいかについて だれもが理解し、実行しやすいように開発された 食事づくり(料理の組み合わせ)のものさし
適量で栄養素がバランスよく 味・くらし・環境面からも
すぐれた食事(1食)をつくることができる
⇒ 健康的な食事につながる
作成:NPO法人食生態学実践フォーラム
(参考)PFCバランス P:15.1% F:20.0% C:61.7%
カロリーベースの食料自給率:73%
(農林水産省「クッキング自給率平成25年度版」により算出)
ルール1 食べる人にとって、ちょうどよい サイズの弁当箱を選ぶ
ルール2 弁当箱に、主食と主菜と副菜を 3:1:2の割合につめる
ルール3 同じ調理法(特に油を使った料理)は1品だけ
ルール4 しっかりつめる
ルール5 おいしそう!!につめる ©NPO 法人食生態学実践フォーラム 足立己幸が一部改変(2012)
主食 3
主菜 1
主菜 1
主食 3
副菜 2
副菜 2
学習者
≪ 小学生高学年にした理由 ≫
1) 食行動の形成期であること
2) 子→親へと波及させることで
家族共通の食育ツールとなる
目的
地域
学習者
家族
友達 学校の先生
学習者から
地域へと波及させ
栄養面
味の面
くらしの面
食行動面
環境面 の向上を目指す!
魔法のお弁当箱※セミナー 学習者
2015年9月12日(土)
• 日進市在住の小学校高学年(4~6年生)
11名 ( 男子:1名 女子:10名 )
日進市内の各小学校4~6年生にセミナーの
案内を配布し、参加希望者を募った。
※日進市提案型大学連携協働事業として企画
プログラムの目標
結果目標 健康的な食事ができている者の割合を増やす
実施目標 家族への波及により、 家庭内での食生活を見直すきっかけを作る
行動目標
・自分の適正量を知り、 バランスよく食事を選択できるようになる ・「弁当箱法」の ルールに沿った食事ができるようになる
学習目標 「弁当箱法」のルールの理解、 1食の適量把握、1食のバランスの知識をつける
環境目標 ・食事が家族のコミュニケーションツールとなる ・入手可能性が高い国産農水産物の情報
セミナーのスケジュール 過程 活動内容 ねらい
導入(10分) 自己紹介 学習者同士・スタッフと
仲良くなる
展開(80分) P
D
[実習①]普段の食事の振り返り
⇒昨日の夕ごはんを書き出す
{講義①}主食主菜副菜について
⇒料理カードを用いて学習
{講義②}ルールを知る
ルール1‥身長を測り弁当箱の
サイズを決める
ルール2‥3:1:2の詰め方を知る
ルール3‥同じ調理法は1品まで
ルール4‥しっかり詰める
ルール5‥おいしそうに詰める
[実習②]設計図の作成
[実習③]設計図に基づいた弁当づくり
ご飯を詰める → おかずを詰める
→ アドバイス → 写真撮影
弁当箱法を学ぶ前に、
主食・主菜・副菜を
理解する
弁当箱法のルールを理解し、自分にぴったりな1食を
作れるようになる
評価
まとめ(40分) C
A
会食
評価・反省 (ワークシート・アンケート)
セミナーの振り返り
家庭への実践を働きかける
{講義②}ルールを知る
「弁当箱法」のルール説明
{講義①}主食・主菜・副菜について
料理カードを用いて説明
[実習①]普段の食事の振り返り
昨日の夕ごはんをワークシートに記入
{講義②}ルールを知る
• 身長を測り、弁当箱のサイズを決めた。
• 600mlが1名、700mlが10名
ルール① ちょうどよいサイズの弁当箱を選ぶ
• 主食3:主菜1:副菜2の詰め方確認をした。
ルール② 弁当箱に主食:主菜:副菜=3:1:2に詰める
• 料理カードを用いて油・塩の多い料理の確認をした。
ルール③ 油の多い料理・塩の多い料理は1品だけ
ルール④ しっかり詰める
ルール⑤ おいしそうに詰める
会食・まとめ
1食の適量を実感してもらう
[実習③]設計図に基づいた弁当づくり
設計図通りに料理を詰める
[実習②]設計図の作成
ルールに沿ってお弁当の設計図を描く
セミナー
ワークシート 1ヶ月後の
アンケート
9/7 9/12 10/5~
10/16
事前
アンケート セミナー後
アンケート
評価方法
評価方法
7名
前後比較
11名
影響評価
プロセス評価
7名
影響評価
9/7 9/12 10/5~
10/16
設計図と実際に詰めた弁当
結果:評価について
結果目標 健康的な食事ができている者の割合を増やす
実施目標 家族への波及により、 家庭内での食生活を見直すきっかけを作る
行動目標
・自分の適正量を知り、 バランスよく食事を選択できるようになる ・「弁当箱法」の ルールに沿った食事ができるようになる
学習目標 「弁当箱法」のルールの理解、 1食の適量把握、1食のバランスの知識をつける
環境目標 ・食事が家族のコミュニケーションツールとなる ・入手可能性が高い国産農水産物の情報
結果:評価について
行動目標
• 主食・主菜・副菜をそろえた食事をしているか
学習目標
• ルールを理解できたか
環境目標
・家族へ波及したか
セミナー後と1ヶ月後に覚えていた
「弁当箱法」のルールの個数(全体)
学習目標に対する評価
0% 20% 40% 60% 80% 100%
1ヶ月後
セミナー直後 5個 4個
5個 4個 3個
n=7
セミナー後と1ヶ月後に覚えていた
「弁当箱法」のルールの個数(個人)
0 1 2 3 4 5
K
J
I
H
G
F
E
D
C
B
A
■セミナー後 ■1ヶ月後 (ルールの個数)
学習目標に対する評価
(学習者)
マイ弁当のルールの自己評価
5人
7人
7人
8人
9人
6人
4人
4人
3人
2人
0% 20% 40% 60% 80% 100%
ルール5
ルール4
ルール3
ルール2
ルール1
よくできた できた あまりできなかった できなかった
(◎:4点) (○:3点) (△:2点) (×:1点)
学習目標に対する評価、プロセス評価
n=11
14 15 16 17 18 19 20
K
J
I
H
G
F
E
D
C
B
A
マイ弁当のルールの合計点
学習目標に対する評価、プロセス評価
(点) ■■返却 ■ 未返却
主食・主菜・副菜を揃えた
食事をしている人の変化
行動目標に対する評価
7人
5人 2人
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
1ヶ月後
セミナー前
している していない
n=7
家庭で「弁当箱法」に
ついて話があった
6人
1人
3人
4人
はい
いいえ
セミナー後の食事に
変化があった
環境目標に対する評価
行動目標に対する評価
n=7
行動目標に対する評価
• 主食のご飯をしっかり食べるようになった
• 野菜を食べるようになった
「3・1・2弁当箱法」
セミナーに参加して
変化したところ
1ヶ月後のアンケート
ルールを守った食事が難しいと
思うか
• 思わない
→簡単に守れるルールだから(5人)
• 思う、少し思う
→主食・主菜・副菜の
見分け方が難しい(1人)
→ルールを5つ守るのが
難しい(2人)
セミナー後のアンケート
1人
思わない あまり思わない
少し思う 思う
1人
6人 4人
n=11
気をつけたいこと
・バランスよく食べたい・・・8名
・主食・主菜・副菜をそろえた食事をしたい・・・2名
・全体的にもう少し食べるようにしたい・・・1名
感想
・弁当箱法のルールを知れてよかった。
・家でもやってみたい。
・楽しく詰めることが出来た。
・自分に必要な量を知ることが出来た。
・ご飯が多かった など
行動目標に対する評価
学習目標に対する評価
プロセス評価
ワークシート
まとめと考察
弁当箱法のプログラムによって
・学習者の態度・行動に変化が見られた
・家庭への波及もあったという結果が得られた
さらなる地域への波及を目指し
「3・1・2弁当箱法」について
広めていきたい
今後に向けた反省
・ルール4.5の理解度が低かった。
・環境目標の達成度がアンケートの
書面だけでは確認しづらかった。
・1ヶ月後のアンケート未返却が4名いた。
セミナー内やセミナー後にも
学習者、各家庭へのアプローチの
工夫が必要であった。
実施目標に対する評価