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③ 文化・芸術

世田谷パブリックシアターにおける質の高い演劇や、近隣大学との連携による文化・芸

術にふれる機会が提供されており、芸術・文化の波及力を活用した地域づくりが行われて

いる。

世田谷文化生活情報センター 平成 28年度利用者数

区分 総数 事業内容

展覧会・公演等 238,755 展覧会「日本のポータブル・レコード・プレイヤー点」、

公演「マクベス」「レディエント・バーミン」等

文化活動支援・教育

普及活動

6,336 ワークショップ、公開講座等

市民活動支援事業 22,041 市民活動支援コーナーの運営

国際交流・市民交流

事業

15,955 「世田谷アートフリマ」「穴アーカイブ」「フラーク」

「ファーザー」など

区から受託する文

化事業

34,370 セミナールーム・ワークショップルーム貸出

計 317,457

出典:世田谷区統計書(平成 29 年版)

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④ビジネス・創業支援

世田谷ものづくり学校や三茶おしごとカフェなど、区の起業・創業支援や雇用支援など

の施設が集積している。

世田谷ものづくり学校 入居事業者の状況(平成 29 年 7 月)

事業者 入居可能数

入居数 入居条件

一般事業者 32 30 工業デザイン、映像、音楽、建築、などの「ものづくり」を行っている事業者

創業支援事業者 10 9 創業 5 年以内で従業員 3 名以内の事業者で、区内移転を計画している事業者

コワーキング スペース

15 14 区内創業予定又は創業5年未満で区内移転を計画している事業者

計 57 53

世田谷ものづくり学校 世田谷らしい産業・観光拠点の育成(平成 28 年 7 月~29 年 7 月)

【来館者数:89,994 人】

項目 内容

ラボ機能(製作機能)の充実による産業育成

3Dプリンター等を活用したワークショップや講座開催など

区内事業者と入居事業者との交流促進(マッチング)

区の環境政策と合せ、区立保育園 41 園へ電力供給など

ものづくり学校内事業者間の交流促進

入居事業者間での受発注など

地方のものづくり都市との連携

新潟県燕三条市「燕三条ぐるっとフェスティバル」開催など

近隣大学との連携 昭和女子大学主催の企画展示回答の運営サポート、東京都市大学とワークショップ開催など

観光拠点化推進 行政・法人・団体等の視察(54 件)、雑誌等メディアの取材(108 件)受入、施設の一般見学開放、フリーペーパーの発行(月 1 回)等

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3.三軒茶屋の特徴(優位性・課題等)の整理

以上の状況を踏まえ、三軒茶屋の特徴を(1)優位性、(2)課題、(3)三軒茶屋を取

り巻く外部環境の変化の3つの観点から捉え、まちづくりの方向性を検討する。 (1)三軒茶屋の優位性 他都市と比べて三軒茶屋の優れている点や、居住者が三軒茶屋を選ぶメリットとして挙

げられる特徴的な点は以下の通りである。 ① 人口増の傾向 駅周辺の用途は主に住宅系用途であり、駅周辺の居住人口が多い。また、今後もます

ます人口が増えていくことが予想されている。 ⇒周辺部の人口(p.13),建物用途(p.18)

② 人口構成の若さ

15~29歳までの流入が顕著であり、人口構成は周辺と比べて若い。⇒年齢別人口(p.14) ③ 滞留人口 駅周辺には平日昼間人口の滞留が広く分布している。⇒流動人口(p.16)

④ 駅前商店街のにぎわい

駅前を中心とした商店街や自治会が複数あり、住民の結束力が高い。⇒商店街(p.26)

⑤ 飲食文化の充実

飲食を中心とした商業のにぎわいがある。⇒商店街(p.26)

⑥ 高感度店舗の増加

商店街のレトロな雰囲気が若い世代に受けており、近年、小さいながらも新たに飲食

を中心とした高感度店舗が開店している。⇒資料準備中

⑦ 公共施設群 区の公共施設が多数存在しており、その利用を目的とした来街者も多い。⇒公共公益

施設等(p.27)

⑧ 都心へのアクセス性の高さ 東急世田谷線は端末駅、田園都市線は急行停車駅であり、交通面で優位(三軒茶屋を

使う人が多い)⇒都市基盤整備状況(p.23)

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⑨ 道路網の充実

幹線道路(玉川通り、世田谷通り、茶沢通りなど)や首都高速道路が整備済みで、バ

スや自動車での移動も利便性が高い。⇒都市基盤整備状況(p.23)

また、上記の他にも、今後予想される以下の変化が三軒茶屋の優位性となる可能性があ

る。 ・ 若い世代を中心に、生活の質を求める働き方(「住んでいる場所で働きたい」等)への

シフトが進む。 ・ 世田谷線沿線における外国人観光客の増加や、テンプル大学のキャンパスに伴う留学生

の増加が見込まれる。 ・ 渋谷で計画されているオフィス供給の増加に伴い、オフセンターとしての新しい用途の

需要が見込まれる。 ・ 三軒茶屋の影響を受け、世田谷線沿線においてもさらなるポテンシャルの向上が見込ま

れる。 三軒茶屋の優位性 まとめ

優位性

■生活圏に様々な世代・世帯が住む

■駅前商店街や飲食文化のにぎわいがある

■公共サービスの拠点である(公共施設が集積)

■歴史的な交通の要衝であり交通利便性が高い

今後の可能性

■生活の質を求める働き方等の変化(住んでいる場所で働きたい)

■世田谷線沿線の外国人観光客やテンプル大学の留学生等の増加

■渋谷のオフセンターとしての新しい用途の需要増

■世田谷線沿線のポテンシャル向上

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(2)三軒茶屋の課題 他都市と比べて三軒茶屋の課題や弱い点、三軒茶屋に居住地や投資対象としての魅力を

感じられない理由として挙げられる特徴的な点は以下の通り。 ① 土地利用 キャロットタワー整備以降以降、土地利用の大きな転換が図られていない。⇒土地利

用(p.18)

② 用途地域

商業地域に住宅系の用途地域が接するなど、健全な土地利用が難しい。⇒用途地域(p.17)

③ 既存建物の老朽化 既存建物の更新が進んでおらず、駅前に建替え困難な老朽建築物が残存している。⇒

建物構造(p.21) ④ 都市基盤の老朽化

首都高速道路、田園都市線など、オリンピック前後に整備された基盤の老朽化が進んで

いる。⇒資料準備中

⑤ 駅前における公共空間の不足

駅前の適切な土地利用を進めるための公共空間が不足している。⇒資料準備中

⑥ 歩行者空間の不足

歩行者の通行や滞留のための空間が十分確保されておらず、玉川通りによって南北の

歩行者空間が分断されている。⇒駅入り口における歩行者空間(p.24~25)

⑦ 子育て世帯の人口流出

教育施設が多く立地しているにも関わらず、子育て世帯(30~40歳代及び 0~10歳)の

人口流出が顕著である。⇒人口移動の状況(p.14)

⑧ 空家率の高さ

駅周辺北側及び世田谷線沿道では、空家等密度が高い。⇒資料準備中

⑨ 事業所の不足

区内の事業所は小規模なものが多い。また、駅周辺に住む人の働く先の半数以上が区外

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となっている。⇒事業所及び生産額(p.9), 就業先(p.15)

三軒茶屋の課題 まとめ

■まちに大きな動き・変化がない

■都市機能が老朽化している

■まちに空間などの余裕がない

■拠点としてのまちのポテンシャルを使い切れていない

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(3)三軒茶屋を取り巻く外部環境の変化 三軒茶屋を取り巻く外部環境の変化としては、以下の点が挙げられる。 【プラス要素】

① 集約型地域構造への再編 人口減少や少子高齢化を背景として、交通利便性の高い駅周辺への都市機能の集約し集

約型の地域構造(コンパクトシティ)への再編が政策的に求められている。⇒資料準備中 ② 官民連携の推進 公共施設の更新需要に対する財源不足等が懸念される中で、PPP/PFI 手法の活用や官民連携のための規制緩和など、民間と連携したまちづくりが政府の重要施策として推進され

ている。⇒資料準備中 ③ 周辺地域における大型開発計画 渋谷、二子玉川、たまプラーザ、南町田など、周辺地域では鉄道事業者による大型開発

が進行中である。⇒資料準備中 ④ 公共施設再編の検討 区では平成 29年 3月に策定した公共施設等総合管理計画を踏まえ、三軒茶屋駅周辺の公共施設再編の検討に着手している。⇒資料準備中 ⑤ 再開発事業

三軒茶屋二丁目地区において、地権者を中心に再開発事業が検討されている。⇒資料準

備中 【マイナス要素】

① 都市間競争の激化 周辺自治体がそれぞれまちの活性化に向けた政策誘導や拠点整備を進めており、都市間

で差が出始めている。⇒資料準備中 ② 税収減による公共サービス低下の恐れ 今後の高齢化率の上昇による税収不足や公共施設の老朽化による更新など、安定的に公

共サービスの提供ができなくなる懸念がある。⇒資料準備中 ③ まちがバラバラに更新される 商業地域での住宅開発など小規模事業によって個々に更新が行われることにより、まと

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まりのないまちとなってしまう可能性がある。⇒資料準備中

三軒茶屋を取り巻く環境変化 まとめ

プラス要素

■拠点性を高める機運

■民間との連携

■三軒茶屋の変化の兆し

マイナス要素

■都市間競争の激化

■公共サービスの低下

■まちがバラバラに更新される

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第3章 三軒茶屋周辺のまちづくり方針

1.三軒茶屋のまちのビジョン(将来像)

第2章で整理したとおり、三軒茶屋は世田谷区の生活文化拠点として古くから時代に応

じた魅力をけん引し続けてきており、多くの人口集積のほか、生活、文化、業務、行政等、

様々な人を集める機能を常に集積してきたところである。

加えて、近年さかんになっている生活の質を求める働き方への変化や、世田谷線沿線の

外国人観光客やテンプル大学の留学生といった国際交流の増加、渋谷のオフセンターとし

ての新しい業務需要等の増加、東急世田谷線沿線のポテンシャル増加など、今後も三軒茶

屋は時代に応じた新たな「拠点」としての役割を担っていくポテンシャルが極めて高いま

ちである。

以上を踏まえ、三軒茶屋のまちのビジョンを「これからも多様性を受け入れ、時代に合

った拠点としてあり続けるまち」と定める。

三軒茶屋駅のまちのビジョン:

『これからも多様性を受け入れ、

時代に合った拠点としてあり続けるまち』

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2.『三軒茶屋生活圏』の設定

三軒茶屋のまちづくりは、三軒茶屋駅周辺だけではなく周辺地域との関係性も考えてい

く必要があることから、三軒茶屋を利用する人たちを対象とした以下のエリアを「三軒茶

屋生活圏」と設定し、本方針の区域である「三軒茶屋拠点機能再編区域」のまちづくりに

取り組んでいく。 三軒茶屋生活圏の定義(案)

三軒茶屋駅周辺概ね半径1kmの範囲及び以下の鉄道沿線、バス路線沿道の区域

・鉄道沿線 東急田園都市線沿線、東急世田谷線沿線

・バス路線沿道 玉川通り、茶沢通り、世田谷通り

確認後地図を作成

イメージ

:三軒茶屋拠点機能再編区域 :三軒茶屋生活圏

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3.まちづくりの方針

三軒茶屋のビジョン及び三軒茶屋生活圏の設定を踏まえ、三軒茶屋駅周辺のまちづくり

の方針について、以下のとおり定める。

方針1 :

方針2 :

方針3 :

方針1 三軒茶屋生活圏の魅力を高める拠点の形成

生活拠点や文化交流拠点としての機能に加え、現在、区内に不足している商業機能、業

務機能の集積を誘導し、世田谷区の東の玄関口としてふさわしい拠点性の向上を図る。 方針2 三軒茶屋生活圏を支える都市基盤の整備

都市機能が適切に更新される契機となるような開発の連続的な事業化を推進する。また、

鉄道事業者との連携や再開発事業等により、駅周辺の歩行者空間や歩行者動線等、魅力的

なオープンスペースを創出する。 方針3 駅周辺での多様な暮らし方が選択できるまちづくり

都市機能の整備に加え、子育て支援や就労・創業支援、文化芸術活動など、駅周辺での

多様な暮らし方が選択できるまちづくりを実現するソフト事業の充実を図る。

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4.まちづくりの視点

三軒茶屋の衰退、埋没を避けるためには、今からまちの将来像に向けた再編へ舵を切っ

ていく必要がある。しかし、キャロットタワー整備以降、大きな土地利用の転換もなく、

駅至近には活用可能なまとまった公共空間等も不足している。 そのため、三軒茶屋の拠点再編に向けては、三軒茶屋の強みや契機を活かしながら、現

在事業化に取り組んでいる三軒茶屋二丁目地区での市街地再開発事業など、民間事業者や

鉄道事業者と連携を図り、拠点性の向上と都市機能の整備を誘導していくことが求められ

る。 現状の課題や社会的な環境変化を踏まえると、今後、三軒茶屋の拠点としての持続可能

性を高めるまちづくりを進めていくにあたっては、以下の4つの視点に基づき検討を行う

事が求められる。

① 公民連携

三軒茶屋の魅力を向上させるためには、官民連携手法や民間資金の導入を前提としたま

ちづくりが必要となる。

② ハードとソフト一体

単なる都市機能のハード的な整備で終わるのではなく、ソフト面の施策や関連事業と結

びついた事業の実現を目指す。

③ 広域を見る・長期的に見る

用途地域の見直しや地区計画の策定を含め、広域的な動向や、長期的な社会変化を見据

え、都市間競争に生き残るためのまちづくりを行う。

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5.方針実現に向けた取組み

(1)方針1「三軒茶屋生活圏の魅力を高める拠点の形成」を実現させるための取組み ① 考え方 三軒茶屋生活圏の魅力を高める要素としては、商業、業務という拠点性の高い用途の集

積の誘導に加え、土地の高度利用を進めていくことが必要となる。集積を誘導するととも

に、高度利用も進めていくことで、三軒茶屋らしい、三軒茶屋生活圏の魅力を形成してい

くことが必要となる。

② 方針実現に向けた取組み 三軒茶屋生活圏の魅力を高める拠点を形成するための方策として想定されるのは下記の

とおり。 方針実現に向けた取組み 具体的内容・事例

にぎわいと魅力

の拠点形成

1:連続性のある商業の集

○商業機能の集積

○幹線沿道の商業空間における回遊空間の整備

2:ビジネスエリアの形成 ○駅中心部および幹線道路沿道部における業務

機能の集積

○玉川通り沿道への業務立地誘導

3:まちの顔となる駅前空

間整備

○まちの玄関口にふさわしい広場空間整備

○まちのシンボルとなる建物整備

○駅とまちの一体開発

4:文化・芸術による魅力

づくり

○文化・芸術活動への支援

○観光イベントやまち歩きツアー等の実施

○観光情報の発信機能の強化

5:市街地再開発事業の誘

○再開発の気運の高まっている地域における再

開発事業の誘導

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(2)方針2「三軒茶屋生活圏を支える都市基盤の整備」を実現させるための取組み ① 考え方 三軒茶屋の魅力向上には、拠点性の確保に加え、都市基盤の整備があわせて必要となる。

取組施策としては、「快適に移動できる交通手段の確保・整備」「回遊性を高めるためのネ

ットワーク・歩行空間の確保」の両面からの取組が必要となる。 ② 方針実現に向けた取組み

三軒茶屋生活圏を支える都市基盤の整備のための方策として想定されるのは下記のとお

り。 方針実現に向けた取組み 具体的内容・事例

快適に移動でき

る交通手段の確

保・整備

1:多様な交通手段の確保 ○路線バス、カーシェアリングの導入促進

○パーソナルモビリティの普及支援

○福祉移動サービスの推進

2:多様な交通手段の利用環

境の整備

○多様な交通手段を結ぶ交通結節機能の強

○公共交通等の利用環境の向上

○自転車利用環境の整備

回遊性を高める

ためのネットワ

ーク・歩行空間

の確保

1:ネットワークの強化 ○地下ネットワークの整備

○道路横断機能の改善

○自転車走行環境の整備

2:ゆとりある歩行空間の確

○歩行空間の拡充

○歩行環境の快適性の向上

○生活道路への通過自動車交通の抑制

○道路空間の活用

3:にぎわいを創出する空間

の創出

○広場内の環境空間整備

○広場内の商業利用

○広場内の活用に向けた仕組みづくり

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(3)方針3「駅周辺での多様な暮らし方が選択できるまちづくり」を実現させるための

取組み ① 考え方 三軒茶屋は常に新しい役割を担いつづけてきたまちということから、今後も常に多様な

暮らし方が選択できるようにしておくことが必要となる。そのためには、まず多様性を尊

重する必要がある。その上で、多様な働き方ができるまちづくりを進めていくことが重要

となる。

② 方針実現に向けた取組み 駅周辺での多様な暮らし方が選択できるまちづくりとして想定されるのは下記のとおり。

方針実現に向けた取組み 具体的内容・事例 多様性を尊重す

るまち 1:地域の国際化に対応し

た生活環境整備 ○多言語に対応できる施設整備の促進 ○多言語化に対応した情報発信の拡充

多様な働き方が

できるまち 1:新しいワーキングスタ

イルの構築 ○多様な働き方の導入 ○子育て世代への支援機能の充実 ○誰もが働きやすい就労環境の実現 ○職住近接の推進

2:マッチングサービスの

拡充 ○就労に関する情報共有 ○ビジネスマッチング等の支援

3:創業支援機能の構築 ○起業に向けた情報提供 ○起業に係る支援事業の実施

子どもの輝きを

育むまち 1:子育て支援 ○妊娠期からの切れ目のない支援の推進

○保育・幼児教育の充実 ○地域における子育て支援の充実

2:教育環境の充実 ○家庭教育支援の充実 ○地域を学ぶ体験学習の充実

3:高度な専門分野に触れ

る ○大学等専門教育との連携 ○文化芸術スポーツ関連との連携 ○専門性の高い企業との連携

地域参加が盛ん

なまち 1:活動の場を創出する ○公共公益施設の活用

○セミナーやワークショップの開催 ○NPO団体等の支援

2:様々な社会参加 ○社会参加のための情報提供 ○社会参加できる環境づくり

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取り組み説明イメージ(にぎわいと魅力の拠点形成) 取組み(1)-1:連続性のある商業の集積

拠点機能再編区域を中心に、土地を高度利用し商業・業務機能や文化交流機能を

集積する。

幹線沿道においては、駅中心部からつながる連続性のある商業空間として、日常

の買物や生活サービスを提供する。

具体的な内容・事例

①商業機能の集積

土地を高度利用することで、商業・業務機能や

文化交流機能を集積する。

②幹線沿道の商業空間における回遊空間の整備

幹線沿道の商業空間については、歩道拡幅や建

物後退など、歩きやすく回遊性の高い歩行者空間

の整備を進める。

③にぎわいのあるまちづくりを進めるためのルールづくり

広域生活・文化拠点にふさわしいまちづくりを

進めるため、地域特性を活かしたまちづくりのル

ールづくりを進める。

<下北沢駅周辺地区地区計画>

(出典:世田谷区HP)

元町商店街(出典:横浜市HP)

ヒカリエ(出典:渋谷区HP)


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