国立天文台今西昌俊
ダストをたくさん持つ銀河の赤外線分光観測の例プロポーザル準備 / 観測準備
未解決の科学問題を見つけ出し、解決するための観測手法を考える積分時間の計算
説得力のあるプロポーザルを書く達成可能なら
実際の観測の準備採択されたら
ある天体が見つかった。明るく輝いている。エネルギー源は何か ?
今回の科学問題:
赤外線分光観測観測手法 :
恒星オリオン座 0-1等級
星内部の核融合反応で輝いている
渦巻き銀河数万光年
楕円銀河数万光年
乱れた銀河銀河は星の集団である
小さくて、明るい天体 銀河系の外にある準恒星状天体クエーサーAGN
超巨大ブラックホール
AGN
エネルギー源が直接見えていれば、区別は容易塵に隠されている場合は、区別は困難
透過力の強い赤外線での分光観測
合体銀河:塵が多い小さな中心核が、赤外線で明るいAGN?
コンパクトな星生成 ?
陽子 原子 バクテリア テレビ信号
波長が長い
ガンマ線 X 線 UV 赤外 電波可視
0.3-23 ミクロン 1 ミクロン=1000 分の 1 ミリ
光は波である
分光:光を色(波長)ごとに分ける
長い波長
短い波長
PAH
星生成 埋もれた AGN 共存
PAH は、星生成では励起AGN の近傍では破壊される
エネルギー源を区別する方法L バンド( 3-4um )分光
星生成 埋もれた AGN 共存
エネルギー源を区別する方法K バンド( 2-2.5um )分光星は、 CO 吸収を示すAGN (に暖められたダスト)は示さない
どれくらいの波長分解能 (R) が必要か ?
R が大きいほど、感度悪くなるPAH 放射、 CO 吸収は幅広い R=100
PAH 放射 CO 吸収
どれくらいの S/N が必要か ?
15-20%の超過200%の超過
星生成 埋もれた AGN 共存
連続線に対して S/N=20 なら、 >3σ で検出可能
15-40%のへこみ
天体の明るさすばるの IRCSの感度
どれくらいの積分時間が必要か ?
L=12-13.5mag
L=13mag 、 1 時間で S/N=20 、R=100
5 分以下 : 小さい望遠鏡を使うべき20-50 時間 : 別の実現可能な科学テーマを探す
参考:30 分 -2 時間 すばるで充分実現できる!
実現可能なので、すばるにプロポーザルを出す
本テーマはこんなに面白いんだ!審査員を説得できる文章力が要求される
競争率は高い
提案手法は、自分独自の斬新な手法なんだ!行間から意欲がにじみ出る文章を!
望遠鏡の要求時間天体数 X 各天体の積分時間
これは正味の積分時間である
要求夜数の決定
オーバーヘッドの見積もり
標準星観測検出器読み出し時間天体導入 赤外では大きい
Airmass のプロット
採択されたら観測準備分光標準星の選定
A,F,G型の主系列星、矮星星大気による吸収が小さく、黒体放射近似が可能
波長依存性を持つ地球大気の補正波長
透過率
Airmass のプロット
天体A
天体C天体 B
日没 日の出
月の位置に注意
Airm
ass
時刻( LST )
実際の観測計画通りに観測が進むことは少ない一般には、様々なトラブルにより予定より遅れる
実際の観測時に、臨機応変に対応し、ベストな結果が出るように考える
経験と共に、うまくなるはず観測天体を減らす ? 積分時間を減らす ?
静止波長(ミクロン)光量
星生成的
3.3 ミクロンPAH放射
図 4a
明るさ
波長
静止波長(ミクロン)光量
埋もれたAGN的
3.4 ミクロン吸収3.05 ミクロン吸収
連続線
図 4b
明るさ
波長
3-4 um星生成
Subaru
PAH 強い
埋もれた AGN AGN/SB共存
吸収 強い 弱い PAH
Ice3.1um
Bare3.4um
Bare3.4um
PAH3.3um
PAH3.3um
Imanishi et al. 2006 ApJ 637 114-137査読論文の出版
塵に埋もれた超巨大ブラックホールが、たくさん存在することがわかった国立天文台 今西昌俊 他