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野毛すっ ん 野毛すっ ん の げ ゴールデンウィーク特別号 Date of issue May 6th 2010 Powered by

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野毛すっ ん野毛すっ んの げ

ぴゴールデンウィーク特別号

Date of issue May 6th 2010

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野毛すっ んぴ

野毛の父

のげまいご

ひとやすみ

野毛珍散歩

NOGE-26

今年度2回目の「キャンプ」は、野毛へ。一週間後に予定されている「高崎フィールドワーク」の予行演習をおこないました。数時間で、冊子(フリーペーパー)をつくるのが、きょうの課題です。グループに分かれて野毛のまちを歩き、それぞれのテーマに即してページを編集しました。集められた5つのテーマを眺めつつ、このちいさな冊子のタイトルは『野毛すっぴん』に決まりました。野毛には、いくつもの表情があります。みんなが訪れたのは、まだ陽の高い時間。「準備中」のひとときです。それは、慌ただしいふうでもなく、どこか余裕さえ感じます。まもなく、夜の野毛へと様変わりするのを待っている、「すっぴん」の時間なのでしょう。わずか3時間ほどで完成させた冊子です。「すっぴん」気分でお楽しみください。

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…………………………

………………………

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………………………

ゴールデンウィーク特別号

Contents

は じ め に

「野毛すっぴん」の創刊号、お楽しみいただけたでしょうか?それぞれのチームが感じた野毛を、彼らの感性で再現しています。「野毛の父」は町の中にいた占い師さんとのやりとりと通して、「のげまいご」は歩く程に失っていく地理感覚や時間感覚を通して、「ひとやすみ」は町の中の座れる場所に注目して、「野毛珍散歩」は捉えどころのない町歩くことによって、「NOGE-26」はアルファベット 26になぞらえて町をめぐり、「野毛」を表現しました。朝と夜、平日と休日で「違う顔」を見せるこの町のほんの一部しか捉えることができなかったが、私たちよそ者からみた飾り気のない素朴な「野毛」を感じていただければ幸いである。

編 集 後 記

「野毛の父」/仲尾千枝、田中絵里、相原瑛里「のげまいご」/飯田達彦、崔祐美、多山えりか「ひとやすみ」/青木日登美、森部綾子、南美帆「野毛珍散歩」/村井洋子、横尾仁美、神通絵里花「NOGE-26」/ 水谷晃毅、三枝峻宏、石山睦弓

編集 / 小林みずほ、落合裕美、馬場葉子監修 / 加藤文俊

メ ン バ ー

野毛の父

二〇一〇年五月六日。GW明けの暑い

日、地下鉄桜木町駅の構内で、彼に

出会った。

フロアの一角にぽつんと佇む占い

コーナー。机と椅子と、膨大なファ

イル。客の名前の画数を調べる辞書、

指導書、方位磁石と物が溢れていた。

一人三十分三千円からと、学生には

少々厳しいお値段だったが、交渉に

より一人十分千円にしてくれた、占

い歴三〇年以上というベテランの小

塚桐範さん。落ち着いた物腰、有無

を言わさぬ口調のまま

,

恋愛を中心

に私たちの運命を語った。

相原瑛里 総画四〇 天格一九 人格三〇

 地格二一

「結婚は三十歳過ぎから!」開口一番にそ

う言いきった野毛の父。性格的に面倒見が

よく用心深いため騙されてしまうそうだ。

しかも持ってはいけない二一という数を

持っていて、才能はあれど運気が下がる

云々…

結論として下の名前の改名が候補に

あがった。そんな暗い話ばかりでもなく、

今年は胃腸と気管支に気をつけていれば運

気は好調のようだ。恋愛運もまあまあであ

り悪くはなさそうだが、それは慎重になれ

ばの話である。

田中絵里 総画三五 天格九 人格二三

地格二六

恋愛は恥ずかしくて中々出来ないタイ

プ。合っているのかいないのか。相原と

同じく早期婚はNGと言われたが、二七

歳からならOKとの事。今年は変革期な

のであまり運気は良くなく、再来年から

天誅殺なので来年から社会人ならば仕事

は早く覚えるように、と注意された。

画数から不平不満が多い性格だそう。も

し結婚してOから始まる名字になったら

(笑)運気は多少上がるが、ただし偏屈

になる。要するに良い事なんもなし。

仲尾千枝 総画二四 天格一三 人格

十 地格一一

総画二四、光り輝くこの数字を持つ私

は金運が良いらしい。特に二〇一〇年、

二〇一一年は金運が絶好調。今年は金

運だけでなく全体的に運勢が良い様で

「やり直しがきく年」。今までやりそこ

なったことに挑戦するとうまくいく…

素晴らしい。地味にショックだったの

は、「他人から見て何を考えているかわ

からない」と言われたことだ。三年後

に天誅殺を迎える私は今年か来年に結

婚するか、その次のチャンスは三十路

になったとき…

うーん、まだまだ先だ。

運命鑑定・人生相談

桐範鑑定事務所

師範鑑定士 小塚 桐範

商店街、と言うとふつう賑やかな印象を受けるだろう。しかしシャッターが閉ざされ、活気はない。野毛小路の入り口の時計が壊れて止まっているものもあり、時間感覚が分からなくなるほどである。営業中にも関わらず寝ている店主も見られた。少し細い路地に入ると人気もなくなり、ちらほら夜の顔が見え出す。その道を無邪気な子供達が駆けて行く。このまちは懐かしさ、古めかしさを感じさせながらも、どこか寂しく、重く、踏み入れることを躊躇させる雰囲気を漂わせている。店のドアが開けっ放しにされていたり、物理的にはオープンなのだが、まるで空気自体がクローズしているようだ。細い道が幾重にも重なり、数えきれないほどの店が立ち並ぶ。違う道、違う店であるのに、なぜかどこを歩いても同じ道を歩いているかのような印象を受ける。道が、店が、空気が、迫ってくる。そのせいだろうか、私たちは、まるで迷子になってしまったかのような感覚に陥ってしまうのである。このまちは訪問者を迷子にする、丌思議な力を持っているようだ。

のげまいご。

①「のげまいご」スタート!!アーケードのアーチには、壊れたままで時間の止まった時計。②野毛小路と名付けられた通りには、所狭しと、居酒屋が連なる。③ちょっと進んでいくと、駐車場やアパート。飲み屋街と飲み屋街の間の、裏道に迷い込む。④大々的にビデオBOXと書かれているのに2階への階段は見当たらず。1階はまぐろや。なのに羊肉も食せる。営業中であったが、店主はお昼寝中であった。⑤ズラリと並んだスナック。昼過ぎであったために、人の気配は感じられなかったが、夜には賑わうのだろうか。

⑥橋を渡る。まいご脱出か。⑦いわゆる、歓楽街と呼ばれるような場所の通り。日中に歩いているのに、どこか怯えながら歩く。

⑧大通り近くを通ると、公園で遊ぶ少年たちが。飲み屋街から急に、穏やかな昼下がりに出会う。

⑨古くから営まれていたのであろう、和菓子屋。しかし店内には人の姿もなく、営業している様子もない。ショーケースの中にはサンプルが、ケースの上には電卓が残る。

⑩角を曲がると、突如、韓国にあるような居酒屋。この一角では、さらに迷子に。⑪「のげまいご」ゴール!!入口とはまた異なった時を指して、反対側のアーチの時計は止まっていた。

③④

⑤ ⑥ ⑦

⑨ ⑩ ⑪

 ある晴れた日の昼さがり、ここ野毛でちょいと「ひとや

すみ」。

桜木町や伊勢佐木町の賑わい、人混みから抜け出して、少

し歩けば野毛のまちへとたどり着く。飲み屋が多く立ち並

んでいるけれど、昼間となれば、華やかであろう夜の雰囲

気をちっとも感じさせないような穏やかな時が流れてい

る。繁華街でほんの少し遊び疲れたこころとからだを休め

る場所がところどころに存在しているこのまちで、おいし

いもの片手にさわやかな風をあびながらひとやすみ。たま

にはこんなひとときを過ごしてみるのもいかがですか。

 昼の野毛のまちは、夜の賑わいに向けての準備タ

イム。下ごしらえを進める店から立ちのぼるおいし

い匂いが鼻をくすぐる。そんな温かなまちを歩けば、

ちょっと休息(rest)

できる場所(spot)

、”

れすぽっと”

に巡り会うことができる。

 まちのあちらこちらで目についたのは、商店街の

店の軒先にベンチを置いていること。横浜・桜木町

など、人通りの多い都市からほんの少し離れただけ

で、喧騒とは無縁の、下町な風景を味わうことがで

きる。軒先に席を設けている店も少なくなく、夏の

夜空の下でお酒をかわすことが出来たら、なんとも

贅沢だろう。

 まちの高台にある野毛山公園。坂を登る途中にあ

る図書館のまえにも、れすぽっとを発見。並んだベ

ンチの上には、銅像の鳥がちょこんとお出迎え。大

きな木の下にできた木陰スペースもあり、ひとやす

みには最適だ。

 橋を渡ってすぐのところに広がるのが福富町西公

園。おおきなすべり台が目印のこの公園。取材した

日は、小学生が水風船をつくって楽しそうにはしゃ

いでいた。

 「梅やの鶏肉」という、鶏肉専門店。店頭には焼き

鳥をはじめ、鶏肉を使ったお惣菜も並べられており、

塩唐揚げレモン風味(180

円/100g)

は商店街の道に

並ぶ円柱に座って、揚げたてほやほやをいただく。

商店街を一本はいった所にあるれすぽっとは、「和菓

子屋もみぢ」。ショーケースには、お手製の和菓子が

並び、見ているだけで穏やかな気持ちに。親切な店

主さんの笑顔に癒されつつ、茶まんじゅう(1

個130

円)

をお供にほっとひと息。

 晴れた日には中心部から少し足をのばしてのんび

りと、ここ野毛のまちの風を楽しんでいただきたい。

 

野毛珍 散歩

野花商店街という名前の割には花が少ない!と思いきや、たくさんの家の玄関に植木がある。そして見つけた、パンチパーマの小人…ボンバーイエ―!

なんだか愛嬌のあるおじさん。コック服売ってます。今なら20%OFFなので、コックになりたい方はぜひこの機会にお買い求めを!

優雅にカレーを食べて抹茶を飲めちゃったりするとかしないとか。その上、競馬中継が見れちゃう。ただ、気をつけてください、入り口はシブヤです。

準備中の札落ちちゃってます。よっぽど準備が忙しいのでしょう…。昼の商店街独特の風景ですね。いたるところで「準備中」の札が見てとれました。

自転車や木材で入り口を塞いである閉店した飲食店が多く見られるなか、美しく、人を拒んでいる店「たかし」。

あぶない感じの組合の事務所に驚いた矢先、窓を空けっ放したド派手なラブホを発見。そのまま進むと妖しげな風俗街に突入した。とてもピュアには見えないカーペットは、私たちには踏み込めない雰囲気を漂わせていた。

私たちが野毛の商店街を歩いたのはちょうど1時間程度。飲み屋やパプなど夜から営業が始まる店が多いため、人通りは少なくどこも静かだった。洒落たイマドキの店と歴史を感じる古い店が混在するなか、街角のふとしたところに着目すると「クスッ」と笑ってしまうような”珍”な場所・モノがあふれていた。小さなポイントでありながらも、それらが野毛という町を彩る大きな要素となっていた。

私、「野毛」って勝手に田舎というか、のどかな感じを想像してたんです。だって名前からして「野毛」ってねぇ。あ、もちろん馬鹿にしてるわけじゃないですよ。でも、いざ野毛を巡ってみると、予想を大きく裏切られちゃいました。とりあえず、おもしろいんです!この町!おかしいんです!色々!さぁ、ぶらり野毛珍散歩にでかけてみましょう。

BARなんですよ、BAR。多分。

近づいてみると…あれ、通信社らしいです。しかもただいま出張中。

合言葉は「NG!」NGとは、もちろん野毛のこと。しゃれてます。

今回のフィールドワークで一番最初の写真。日ノ出スタジオは、実際にアーティスト・作家が入居し、各ショップや建築設計事務所が所在する。高架下のモダンな建築。ちなみに、写真の Sourire は、ヨーロッパ古着ワンピース専門店である。

オトナなお店。AAA(トリプルエー)なんて、さぞ高級なサービスを提供してくれるのだろうか…。野毛から少し歩いた日ノ出町には、怪しげな通りがいっぱい。昼間でも近寄りがたい雰囲気が(怖)。良い子はむやみに出歩かないように。

「たば Z」は、たばこの中のたばこである。なんとなく、字面から神々しい輝きが見えてくるような、そんなものは全く見えないような。たば Zは喫煙者の味方になのか、それとも非喫煙者の味方になのか。計り知れないたば Zの脅威。

Leemart。リーさんがご主人の店と予想。野毛と日ノ出町の中間地点には、流行りの(?)韓流の店が並ぶ。近くの韓国系スナックからは、白昼のカラオケだろうか、のびやかな歌声がかなりの音量で聴こえてきた。他にも、韓国料理店等が並列する。

今回の小冊子の編集スペースHana*Hana。桜木町駅から徒歩 3分。オープンスペースなので、気軽に使おう。

NO

GE-26

 今回の舞台は、神奈川県・野毛町。横浜からほど近いこの町の大通りには、美味しそうなラーメン屋がいくつも続く。しかし一歩裏通りに入ると、さびれた小料理屋がひっそりと営業しており、さらに駅から離れた奥のエリアにはスナックや風俗店が立ち並ぶ。 そんな多彩な顔を持つ町を舞台に、全26種類の「アルファベット」を探して歩いてみた。「なんか看板が多いよね」という、直感的な理由から決まったこのテーマ。「ABCの歌」を口ずさめば、新たな何かが見えてくる。