È w ¤ ï ¬ Æ @ @ ¤ ¬ Ê ñ - kaken.nii.ac.jp · lewis í Å Í Á É ì p Í Á É ì p ......

5
科学研究費助成事業 研究成果報告書 C-19、F-19、Z-19 (共通) 機関番号: 研究種目: 課題番号: 研究課題名(和文) 研究代表者 研究課題名(英文) 交付決定額(研究期間全体):(直接経費) 21601 若手研究(B) 2013 2012 麻酔薬の耐性とカンナビノイド関連薬剤 TherelationshipbetweenthetolerancetoseveralanestheticstoCannabinoids. 60595429 研究者番号: 箱崎 貴大(Takahiro,Hakozaki) 福島県立医科大学・医学部・助教 研究期間: 24791609 平成 日現在 26 10 3,200,000 、(間接経費) 960,000 研究成果の概要(和文):亜酸化窒素投与によるラット脳CB1受容体遺伝子発現量をRT-PCR法で測定した結果、線条体 におけるCB1受容体遺伝子の発現が減少した。CB1受容体はProteinkinaseC(PKC)を活性化するGs蛋白に共役する可能 性があり、亜酸化窒素の吸入でCB1受容体が減少し、PKC活性や急性耐性形成に関与することが示唆された。 セボフルラン(Sev)投与ラットの鎮静作用の変化をロータロッド試験で観察した。今回の研究ではSevの鎮静作用に対す る急性耐性形成は確認できなかった。ロータロッド試験は脊髄での無動化作用を観察していると考えられ、その作用は 長時間のSev投与でも変化しないことが明らかとなった。 研究成果の概要(英文):RT-PCRassaysdemonstratedthatcannabinoidCB1receptorgeneexpressioninthera tbrainstriatumwasreducedbynitrousoxideinhalation.AlthoughtherelationshipbetweenCB1receptorr eductioninthestriatumandnociceptionisstillunclear,thisresultsuggeststhatCB1receptorsarered ucedbynitrousoxideinhalation,andthisreductionofCB1receptorsisinvolvedinacutetoleranceandP KCactivity. Thetolerancetoanestheticeffectofsevoflurane,thereisapossibilitythattolerancetoanestheticeff ectisformedin60mininthebrainEEGactivity,didnotdevelopby270mininhalationinthemotorbeha vioralassessmentbytherotarodtest.Therotarodtestcanobserveimmobilizationeffectinthespinallev el,andthiseffectdidnotchangeinrelativelylongtimesevofluraneinhalation. 研究分野: 科研費の分科・細目: 医歯薬学 キーワード: 全身麻酔薬 亜酸化窒素 急性耐性 カンナビノイド受容体 鎮痛作用 吸入麻酔薬 外科系臨床医学

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Page 1: È w ¤ ï ¬ Æ @ @ ¤ ¬ Ê ñ - kaken.nii.ac.jp · Lewis í Å Í Á É ì p Í Á É ì p ... content and inhibits fatty acid amide hydrolase. Patel S et al. Br J Pharmacol 2003;139:1005-13

科学研究費助成事業  研究成果報告書

様 式 C-19、F-19、Z-19 (共通)

機関番号:

研究種目:

課題番号:

研究課題名(和文)

研究代表者

研究課題名(英文)

交付決定額(研究期間全体):(直接経費)

21601

若手研究(B)

2013~2012

麻酔薬の耐性とカンナビノイド関連薬剤

The relationship between the tolerance to several anesthetics to Cannabinoids.

60595429研究者番号:

箱崎 貴大(Takahiro, Hakozaki)

福島県立医科大学・医学部・助教

研究期間:

24791609

平成 年 月 日現在26 6 10

円 3,200,000 、(間接経費) 円 960,000

研究成果の概要(和文):亜酸化窒素投与によるラット脳CB1受容体遺伝子発現量をRT-PCR法で測定した結果、線条体におけるCB1受容体遺伝子の発現が減少した。CB1受容体はProtein kinase C(PKC)を活性化するGs蛋白に共役する可能性があり、亜酸化窒素の吸入でCB1受容体が減少し、PKC活性や急性耐性形成に関与することが示唆された。セボフルラン(Sev)投与ラットの鎮静作用の変化をロータロッド試験で観察した。今回の研究ではSevの鎮静作用に対する急性耐性形成は確認できなかった。ロータロッド試験は脊髄での無動化作用を観察していると考えられ、その作用は長時間のSev投与でも変化しないことが明らかとなった。

研究成果の概要(英文):RT-PCR assays demonstrated that cannabinoid CB1 receptor gene expression in the rat brain striatum was reduced by nitrous oxide inhalation. Although the relationship between CB1 receptor reduction in the striatum and nociception is still unclear, this result suggests that CB1 receptors are reduced by nitrous oxide inhalation, and this reduction of CB1 receptors is involved in acute tolerance and PKC activity. The tolerance to anesthetic effect of sevoflurane, there is a possibility that tolerance to anesthetic effect is formed in 60 min in the brain EEG activity, did not develop by 270 min inhalation in the motor behavioral assessment by the rotarod test.The rotarod test can observe immobilization effect in the spinal level, and this effect did not change in relatively long time sevoflurane inhalation.

研究分野:

科研費の分科・細目:

医歯薬学

キーワード: 全身麻酔薬 亜酸化窒素 急性耐性 カンナビノイド受容体 鎮痛作用 吸入麻酔薬

外科系臨床医学

Page 2: È w ¤ ï ¬ Æ @ @ ¤ ¬ Ê ñ - kaken.nii.ac.jp · Lewis í Å Í Á É ì p Í Á É ì p ... content and inhibits fatty acid amide hydrolase. Patel S et al. Br J Pharmacol 2003;139:1005-13

1. 研究開始当初の背景

現在臨床使用されている麻酔薬の中には、

連用投与によりその鎮静作用や鎮痛作用

性を形成することが臨床上、動物実験双方で

報告されているものがある。古くから臨床使

用されている吸入麻酔薬である亜酸化窒素は、

比較的短時間でそ

形成される。

作用に対する急性耐性が確認できるといった

報告と、確認できないといった報告の双方が

あり、結論は不明である。

全身麻酔薬の

ニズムはいまだ明らかでない点が多いが、亜

酸化窒素の鎮痛作用に対する急性耐性のメカ

ニズムとして、

れた脳内内因性オピオイドペプチドの枯渇

( Enkephalinase inhibition prevented

tolerance to nitrous oxide analgesia in

rats. Rupreht J,

Scand. 1984 Dec;28(6):617

増 加 が 仮 説 と し て 報 告 さ れ て い る

(Involvement of brain protein kinase C in

nitrous oxide

mice.

Jun 19;140(1):227

下の図はラットにおける

作用

antinociceptive effect of nitrous oxide on

the tail flick test in rats.

Fender C

Jan;90(1):195

研究開始当初の背景

現在臨床使用されている麻酔薬の中には、

連用投与によりその鎮静作用や鎮痛作用

性を形成することが臨床上、動物実験双方で

報告されているものがある。古くから臨床使

用されている吸入麻酔薬である亜酸化窒素は、

比較的短時間でそ

形成される。他の吸入麻酔薬では、その鎮静

に対する急性耐性が確認できるといった

報告と、確認できないといった報告の双方が

あり、結論は不明である。

全身麻酔薬の作用に対する

ニズムはいまだ明らかでない点が多いが、亜

酸化窒素の鎮痛作用に対する急性耐性のメカ

ニズムとして、1)

れた脳内内因性オピオイドペプチドの枯渇

Enkephalinase inhibition prevented

tolerance to nitrous oxide analgesia in

rats. Rupreht J,

Scand. 1984 Dec;28(6):617

増 加 が 仮 説 と し て 報 告 さ れ て い る

Involvement of brain protein kinase C in

nitrous oxide-induced antinociception in

mice. Ishikawa M et al.

Jun 19;140(1):227

下の図はラットにおける

作用の種差を示した論文から抜粋した

( Strain d

antinociceptive effect of nitrous oxide on

the tail flick test in rats.

Fender C et al.

Jan;90(1):195-9)

研究開始当初の背景

現在臨床使用されている麻酔薬の中には、

連用投与によりその鎮静作用や鎮痛作用

性を形成することが臨床上、動物実験双方で

報告されているものがある。古くから臨床使

用されている吸入麻酔薬である亜酸化窒素は、

比較的短時間でその鎮痛作用

他の吸入麻酔薬では、その鎮静

に対する急性耐性が確認できるといった

報告と、確認できないといった報告の双方が

あり、結論は不明である。

作用に対する

ニズムはいまだ明らかでない点が多いが、亜

酸化窒素の鎮痛作用に対する急性耐性のメカ

1)亜酸化窒素によって放出さ

れた脳内内因性オピオイドペプチドの枯渇

Enkephalinase inhibition prevented

tolerance to nitrous oxide analgesia in

rats. Rupreht J,et al. Acta An

Scand. 1984 Dec;28(6):617-

増 加 が 仮 説 と し て 報 告 さ れ て い る

Involvement of brain protein kinase C in

induced antinociception in

Ishikawa M et al. Neuroscience. 2006

Jun 19;140(1):227-33)。

下の図はラットにおける亜酸化窒素

の種差を示した論文から抜粋した

Strain differences in the

antinociceptive effect of nitrous oxide on

the tail flick test in rats.

et al. Anesth Analg. 2000

現在臨床使用されている麻酔薬の中には、

連用投与によりその鎮静作用や鎮痛作用に耐

性を形成することが臨床上、動物実験双方で

報告されているものがある。古くから臨床使

用されている吸入麻酔薬である亜酸化窒素は、

の鎮痛作用に対する耐性が

他の吸入麻酔薬では、その鎮静

に対する急性耐性が確認できるといった

報告と、確認できないといった報告の双方が

作用に対する耐性形成のメカ

ニズムはいまだ明らかでない点が多いが、亜

酸化窒素の鎮痛作用に対する急性耐性のメカ

亜酸化窒素によって放出さ

れた脳内内因性オピオイドペプチドの枯渇

Enkephalinase inhibition prevented

tolerance to nitrous oxide analgesia in

Acta Anaesthesiol

-202)。脳内

増 加 が 仮 説 と し て 報 告 さ れ て い る

Involvement of brain protein kinase C in

induced antinociception in

Neuroscience. 2006

亜酸化窒素の鎮痛

の種差を示した論文から抜粋した

ifferences in the

antinociceptive effect of nitrous oxide on

the tail flick test in rats.

Anesth Analg. 2000

現在臨床使用されている麻酔薬の中には、

に耐

性を形成することが臨床上、動物実験双方で

報告されているものがある。古くから臨床使

用されている吸入麻酔薬である亜酸化窒素は、

に対する耐性が

他の吸入麻酔薬では、その鎮静

に対する急性耐性が確認できるといった

報告と、確認できないといった報告の双方が

耐性形成のメカ

ニズムはいまだ明らかでない点が多いが、亜

酸化窒素の鎮痛作用に対する急性耐性のメカ

亜酸化窒素によって放出さ

れた脳内内因性オピオイドペプチドの枯渇

Enkephalinase inhibition prevented

tolerance to nitrous oxide analgesia in

aesthesiol

。脳内 PKC

増 加 が 仮 説 と し て 報 告 さ れ て い る

Involvement of brain protein kinase C in

induced antinociception in

Neuroscience. 2006

の鎮痛

の種差を示した論文から抜粋した

ifferences in the

antinociceptive effect of nitrous oxide on

Anesth Analg. 2000

Lewis

種では鎮痛作用

は鎮痛作用

ことが示されている。

一方、プロポフォールの鎮静作用に対する

耐性形成はウサギによるモデルが確立されて

いる

effect in mechanically ventilated Rabbits

Ypsilantis P

Aug;103(2):359

-6

られているが、我々のラットによる予備実験

では投与後

ど明らかな耐性形成を

我々はこれまでの研究で、カンナビノイド

受容体拮抗薬の腹腔内投与が亜酸化窒素の鎮

痛作用に対する急性耐性形成を阻害する可能

性を指摘した。

Lewis 種では鎮痛作用

では鎮痛作用

は鎮痛作用は発現するが

ことが示されている。

一方、プロポフォールの鎮静作用に対する

耐性形成はウサギによるモデルが確立されて

いる。(Tolerance to propofol's sedative

effect in mechanically ventilated Rabbits

Ypsilantis P

Aug;103(2):359

6 時間で血中濃度の上昇を伴う耐性が認め

られているが、我々のラットによる予備実験

では投与後 3 時間程度で角膜反射が現れるな

ど明らかな耐性形成を

我々はこれまでの研究で、カンナビノイド

受容体拮抗薬の腹腔内投与が亜酸化窒素の鎮

痛作用に対する急性耐性形成を阻害する可能

性を指摘した。

図1

では鎮痛作用が見られず、

では鎮痛作用が強く発現する。

は発現するが急性

ことが示されている。

一方、プロポフォールの鎮静作用に対する

耐性形成はウサギによるモデルが確立されて

Tolerance to propofol's sedative

effect in mechanically ventilated Rabbits

et al. Anesth Analg. 2006

Aug;103(2):359-65)。この論文では投与後

時間で血中濃度の上昇を伴う耐性が認め

られているが、我々のラットによる予備実験

時間程度で角膜反射が現れるな

ど明らかな耐性形成を観察している。

我々はこれまでの研究で、カンナビノイド

受容体拮抗薬の腹腔内投与が亜酸化窒素の鎮

痛作用に対する急性耐性形成を阻害する可能

性を指摘した。(図1)

1

が見られず、Fischer

が強く発現する。Wistar

急性耐性を形成する

一方、プロポフォールの鎮静作用に対する

耐性形成はウサギによるモデルが確立されて

Tolerance to propofol's sedative

effect in mechanically ventilated Rabbits

Anesth Analg. 2006

。この論文では投与後

時間で血中濃度の上昇を伴う耐性が認め

られているが、我々のラットによる予備実験

時間程度で角膜反射が現れるな

観察している。

我々はこれまでの研究で、カンナビノイド

受容体拮抗薬の腹腔内投与が亜酸化窒素の鎮

痛作用に対する急性耐性形成を阻害する可能

Fischer

Wistar 種で

耐性を形成する

一方、プロポフォールの鎮静作用に対する

耐性形成はウサギによるモデルが確立されて

Tolerance to propofol's sedative

effect in mechanically ventilated Rabbits

Anesth Analg. 2006

。この論文では投与後 5

時間で血中濃度の上昇を伴う耐性が認め

られているが、我々のラットによる予備実験

時間程度で角膜反射が現れるな

我々はこれまでの研究で、カンナビノイド

受容体拮抗薬の腹腔内投与が亜酸化窒素の鎮

痛作用に対する急性耐性形成を阻害する可能

Page 3: È w ¤ ï ¬ Æ @ @ ¤ ¬ Ê ñ - kaken.nii.ac.jp · Lewis í Å Í Á É ì p Í Á É ì p ... content and inhibits fatty acid amide hydrolase. Patel S et al. Br J Pharmacol 2003;139:1005-13

また、プロポフォールは脳内の GABAA 受容

体を賦活することでその作用を発揮すると考

えられていたが、近年の報告でプロポフォー

ルの投与により、内因性カンナビノイドであ

るアナンダマイドが脳内で増加することが報

告された(The general anesthetic propofol

increases brain

N-arachidonylethanolamine(anandamide)

content and inhibits fatty acid amide

hydrolase. Patel S et al. Br J Pharmacol

2003;139:1005-13)。

この効果はプロポフォールがアナンダマイド

の代謝酵素である FAAH を阻害することで起

きていると考えられている。また、カンナビ

ノイド作動薬である

Delta9-tetrahydrocannabinol の投与により、

プロポフォールの作用が阻害されるという報

告もある(Propofol sedation is reduced by

delta9-tetrahydrocannabinol in mice.Brand

PA et al. Anesth Analg 2008;107:102-6)。

さらに、内因性カンナビノイドがプロポフォ

ール投与後の記憶にも関与すると報告されて

いる(Propofol enhances memory formation

via an interaction with the

endocannabinoid system. Hauer D et al.

Anesthesiology. 2011 Jun;114(6):1380-8)。

一方、吸入麻酔薬であるセボフルランの投与

で、内因性カンナビノイドは速やかに減少す

ることが報告されている(Effects of general

anesthesia on anamdamide blood levels in

humans. Schelling G et al. Anesthesiology.

2006; 104: 273-7)。これらの研究結果から、

内因性カンナビノイドが全身麻酔薬の種々の

作用に関連していることは明らかであり、内

因性カンナビノイドと全身麻酔薬の関連を研

究することが、急性耐性形成機構の解明につ

ながるのではないかと考え、本研究の着想に

至った。

2. 研究の目的

(1)亜酸化窒素の鎮痛作用に対する急性耐性

形成のメカニズム:亜酸化窒素の鎮痛作用に

対する急性耐性形成をカンナビノイド CB1 受

容体拮抗薬である rimonabant の脳室内投与

で拮抗することができた。この急性耐性形成

に、実際に内因性カンナビノイドが関与して

いるかを確認するために、亜酸化窒素投与時

の脳内での内因性カンナビノイド作用分子の

発現を観察した。

(2) プロポフォール、セボフルランの鎮静作

用に対する急性耐性のラットにおける基礎的

研究:ラットにおいて、プロポフォール持続

投与によって、その鎮静作用に対して耐性が

形成されるかは不明である。そのため、プロ

ポフォールの鎮静作用に対する急性耐性の動

物モデルを、ラットを用いて作成する予定で

あったが、薬物投与ラインの不具合が多く、

実験が遂行できなかった。また、セボフルラ

ンの長期投与によって鎮静作用に耐性が形成

されるかは不明である。そのため、セボフル

ラン投与によって、その鎮静作用に耐性が形

成されるかを観察した。

3. 研究の方法

(1) 亜酸化窒素の鎮痛作用に対する急性耐性

形成のメカニズム:本研究では、亜酸化

窒素の投与によって、CB1 受容体発現量に

変化を認めるかを、PCR 法で確認した。

雄性 Wistar ラットを用いた。セボフルラ

ンを 1 分間投与したラットをコントロー

ルとした。ラットに 75 %亜酸化窒素を 60、

120、240 分投与した後に断頭し脳を取り

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出し、速やかに大脳皮質、小脳、海馬、

線条体、脳幹の

ルタイム

現量を測定した。

統計処理:

グリセルアルデヒド

ナーゼ発現量の差を取り、その

標準偏差

用い、

(2) プロポフォール、セボフルランの鎮静作

用に対する急性耐性のラットにおける基

礎的研究:今回のもう一方の研究では、

セボフルラン投与によって、

対して

ッド試験を行い、落下するまでの時間を

測定した。ロータロッド試験は、学習効

果も観察されるため、その効果を最小限

にするため、

ってから試験を行った。回転数は初速

rpm

よう設定した。

30

で観察した。麻酔薬を投与せず、コント

ロール値を測定したのち、セボフルラン

を投与した。セボフルランは酸素

空気

ラットをいれる密閉

タロッドの入るアクリル製の密閉容器に

投与した。酸素濃度とセボフルラン濃度

はガスモニターで持続的に測定し、セボ

フルラン濃度が

した。

統計処理:測定値はそれぞれのコントロー

出し、速やかに大脳皮質、小脳、海馬、

線条体、脳幹の

ルタイム PCR

現量を測定した。

統計処理:測定値は

グリセルアルデヒド

ナーゼ発現量の差を取り、その

標準偏差で表した。統計処理は

用い、P < 0.05

プロポフォール、セボフルランの鎮静作

用に対する急性耐性のラットにおける基

礎的研究:今回のもう一方の研究では、

セボフルラン投与によって、

対して耐性が形成されるかを検討した。

雄性 Wistar

ッド試験を行い、落下するまでの時間を

測定した。ロータロッド試験は、学習効

果も観察されるため、その効果を最小限

にするため、1

ってから試験を行った。回転数は初速

rpm で開始し、

よう設定した。

30 分毎に 1回ずつ測定を行い、

で観察した。麻酔薬を投与せず、コント

ロール値を測定したのち、セボフルラン

を投与した。セボフルランは酸素

空気 6 l/min,

ラットをいれる密閉

タロッドの入るアクリル製の密閉容器に

投与した。酸素濃度とセボフルラン濃度

はガスモニターで持続的に測定し、セボ

フルラン濃度が

した。270 分の測定の後

を 0 %として、

統計処理:測定値はそれぞれのコントロー

出し、速やかに大脳皮質、小脳、海馬、

線条体、脳幹の 5 部位に分割した。リア

PCR 法で CB1 受容体遺伝子の発

現量を測定した。

測定値は CB1

グリセルアルデヒド 3 リン酸デヒドロゲ

ナーゼ発現量の差を取り、その

で表した。統計処理は

P < 0.05 を有意とした。

プロポフォール、セボフルランの鎮静作

用に対する急性耐性のラットにおける基

礎的研究:今回のもう一方の研究では、

セボフルラン投与によって、

耐性が形成されるかを検討した。

Wistar ラット(n = 6)

ッド試験を行い、落下するまでの時間を

測定した。ロータロッド試験は、学習効

果も観察されるため、その効果を最小限

1週間連日ロータロッドを行

ってから試験を行った。回転数は初速

で開始し、60 秒後に

よう設定した。60 秒をカットオフとした。

回ずつ測定を行い、

で観察した。麻酔薬を投与せず、コント

ロール値を測定したのち、セボフルラン

を投与した。セボフルランは酸素

6 l/min, セボフルラン

ラットをいれる密閉された容器と、ロー

タロッドの入るアクリル製の密閉容器に

投与した。酸素濃度とセボフルラン濃度

はガスモニターで持続的に測定し、セボ

フルラン濃度が 0.5~0.6

分の測定の後に

として、300 分の測定を行った。

統計処理:測定値はそれぞれのコントロー

出し、速やかに大脳皮質、小脳、海馬、

部位に分割した。リア

受容体遺伝子の発

CB1 受容体発現量と

リン酸デヒドロゲ

ナーゼ発現量の差を取り、その平均値±

で表した。統計処理は t 検定を

を有意とした。

プロポフォール、セボフルランの鎮静作

用に対する急性耐性のラットにおける基

礎的研究:今回のもう一方の研究では、

セボフルラン投与によって、鎮静作用に

耐性が形成されるかを検討した。

(n = 6)にロータロ

ッド試験を行い、落下するまでの時間を

測定した。ロータロッド試験は、学習効

果も観察されるため、その効果を最小限

週間連日ロータロッドを行

ってから試験を行った。回転数は初速

秒後に 11.2 rpm となる

秒をカットオフとした。

回ずつ測定を行い、300 分ま

で観察した。麻酔薬を投与せず、コント

ロール値を測定したのち、セボフルラン

を投与した。セボフルランは酸素5 l/min,

セボフルラン 0.6 %

された容器と、ロー

タロッドの入るアクリル製の密閉容器に

投与した。酸素濃度とセボフルラン濃度

はガスモニターで持続的に測定し、セボ

0.6%になるように

に、セボフルラン

分の測定を行った。

統計処理:測定値はそれぞれのコントロー

出し、速やかに大脳皮質、小脳、海馬、

部位に分割した。リア

受容体遺伝子の発

受容体発現量と

リン酸デヒドロゲ

平均値±

検定を

プロポフォール、セボフルランの鎮静作

用に対する急性耐性のラットにおける基

礎的研究:今回のもう一方の研究では、

鎮静作用に

耐性が形成されるかを検討した。

にロータロ

ッド試験を行い、落下するまでの時間を

測定した。ロータロッド試験は、学習効

果も観察されるため、その効果を最小限

週間連日ロータロッドを行

ってから試験を行った。回転数は初速 4

となる

秒をカットオフとした。

分ま

で観察した。麻酔薬を投与せず、コント

ロール値を測定したのち、セボフルラン

5 l/min,

0.6 %を、

された容器と、ロー

タロッドの入るアクリル製の密閉容器に

投与した。酸素濃度とセボフルラン濃度

はガスモニターで持続的に測定し、セボ

%になるように

、セボフルラン

分の測定を行った。

統計処理:測定値はそれぞれのコントロー

ル値を

間での平均値±標準偏差で表した。統計処

理は

比較は

とした。

4.

(1)

(2)

ル値を 100 %

間での平均値±標準偏差で表した。統計処

理は反復測定による分散分析を行い多重

比較は Turkey

とした。

4. 研究成果

(1) 亜酸化窒素の鎮痛作用に対する急性耐性

形成のメカニズム

投与によって、コントロールと比較し、

線条体における

量が減少する傾向が確認された。

PKC 阻害薬を脳室内投与すると、マウス

における亜酸化窒素の鎮痛作用に対する

耐性形成が阻止されることが報告された。

CB1受容体は

クに共益している可能性があり、今回の

結果は、線条体における変化が鎮痛作用

とどのように関連しているかは不明であ

るが、亜酸化窒素の吸入によって

容体が減少し、

に関与していることを示唆し

(2) プロポフォール、セボフルランの鎮静作

用に対する急性耐性のラットにおける基

礎的研究(図

よってロータロッド試験

トロール値と有意差を持って低下した

100 %とした百分率とし、各測定時

間での平均値±標準偏差で表した。統計処

反復測定による分散分析を行い多重

Turkey 法を用い、

亜酸化窒素の鎮痛作用に対する急性耐性

のメカニズム(図 2)

投与によって、コントロールと比較し、

線条体における CB1 受容体遺伝子の発現

量が減少する傾向が確認された。

阻害薬を脳室内投与すると、マウス

における亜酸化窒素の鎮痛作用に対する

耐性形成が阻止されることが報告された。

受容体はPKCを活性化する

クに共益している可能性があり、今回の

結果は、線条体における変化が鎮痛作用

とどのように関連しているかは不明であ

るが、亜酸化窒素の吸入によって

容体が減少し、PKC 活性や急性耐性形成

に関与していることを示唆し

プロポフォール、セボフルランの鎮静作

用に対する急性耐性のラットにおける基

図 3):セボフルランの吸入に

よってロータロッド試験

トロール値と有意差を持って低下した

とした百分率とし、各測定時

間での平均値±標準偏差で表した。統計処

反復測定による分散分析を行い多重

法を用い、P < 0.02 を有意

亜酸化窒素の鎮痛作用に対する急性耐性

2):亜酸化窒素の

投与によって、コントロールと比較し、

受容体遺伝子の発現

量が減少する傾向が確認された。近年、

阻害薬を脳室内投与すると、マウス

における亜酸化窒素の鎮痛作用に対する

耐性形成が阻止されることが報告された。

を活性化する Gsタンパ

クに共益している可能性があり、今回の

結果は、線条体における変化が鎮痛作用

とどのように関連しているかは不明であ

るが、亜酸化窒素の吸入によって CB1

活性や急性耐性形成

に関与していることを示唆し

プロポフォール、セボフルランの鎮静作

用に対する急性耐性のラットにおける基

セボフルランの吸入に

よってロータロッド試験の測定値はコン

トロール値と有意差を持って低下した

とした百分率とし、各測定時

間での平均値±標準偏差で表した。統計処

反復測定による分散分析を行い多重

を有意

亜酸化窒素の鎮痛作用に対する急性耐性

:亜酸化窒素の

投与によって、コントロールと比較し、

受容体遺伝子の発現

近年、

阻害薬を脳室内投与すると、マウス

における亜酸化窒素の鎮痛作用に対する

耐性形成が阻止されることが報告された。

タンパ

クに共益している可能性があり、今回の

結果は、線条体における変化が鎮痛作用

とどのように関連しているかは不明であ

CB1 受

活性や急性耐性形成

に関与していることを示唆した。

プロポフォール、セボフルランの鎮静作

用に対する急性耐性のラットにおける基

セボフルランの吸入に

測定値はコン

トロール値と有意差を持って低下した

Page 5: È w ¤ ï ¬ Æ @ @ ¤ ¬ Ê ñ - kaken.nii.ac.jp · Lewis í Å Í Á É ì p Í Á É ì p ... content and inhibits fatty acid amide hydrolase. Patel S et al. Br J Pharmacol 2003;139:1005-13

(3.6

吸入中変化しなかった。セボフルラン吸

入中止で速やかに測定値は上昇し、コン

トロール値と有意差を認めなかった。

即ち、

を行ったが、ロータロッド試験からは耐性形

成は確認できなかった。

た過去の報告

Metabolic, and Hemodynamic Effects of

Desflurane in Dogs. Lutz JL et al.

Anestheiology 73: 125

分で脳波上鎮静効果の減弱、即ち耐性形成を

確認しているが、今回セボフルランではその

ような効果を確認することはできなかった。

揮発性麻酔薬は、脳及び脊髄に効果を発揮す

ることが知られている。今回脳波は測定しな

かったが、

効果の減弱が現れた可能性は否定できない。

今回のように運動機能を評価する方法で鎮静

レベルを評価すると、脊髄レベルでの

作用が持続していれば、脳での鎮静効果に対

し耐性が形成されていてもそれを確認するこ

とはできなかった。

鎮静状態の指標として脳波を、脊髄での電気

活動抑制の指標として運動誘発電位を経時的

に記録し、吸入麻酔薬の鎮静効果に対する耐

(3.6~16 %)

吸入中変化しなかった。セボフルラン吸

入中止で速やかに測定値は上昇し、コン

トロール値と有意差を認めなかった。

即ち、ラットに

を行ったが、ロータロッド試験からは耐性形

成は確認できなかった。

た過去の報告(

Metabolic, and Hemodynamic Effects of

Desflurane in Dogs. Lutz JL et al.

Anestheiology 73: 125

分で脳波上鎮静効果の減弱、即ち耐性形成を

確認しているが、今回セボフルランではその

ような効果を確認することはできなかった。

揮発性麻酔薬は、脳及び脊髄に効果を発揮す

ることが知られている。今回脳波は測定しな

かったが、過去の報告のように

効果の減弱が現れた可能性は否定できない。

今回のように運動機能を評価する方法で鎮静

レベルを評価すると、脊髄レベルでの

が持続していれば、脳での鎮静効果に対

し耐性が形成されていてもそれを確認するこ

とはできなかった。

鎮静状態の指標として脳波を、脊髄での電気

活動抑制の指標として運動誘発電位を経時的

に記録し、吸入麻酔薬の鎮静効果に対する耐

図 3

)。その効果はセボフルラン

吸入中変化しなかった。セボフルラン吸

入中止で速やかに測定値は上昇し、コン

トロール値と有意差を認めなかった。

ラットに 270 分のセボフルラン吸入

を行ったが、ロータロッド試験からは耐性形

成は確認できなかった。デスフルランを用い

(The cerebral Functional,

Metabolic, and Hemodynamic Effects of

Desflurane in Dogs. Lutz JL et al.

Anestheiology 73: 125-131, 1990

分で脳波上鎮静効果の減弱、即ち耐性形成を

確認しているが、今回セボフルランではその

ような効果を確認することはできなかった。

揮発性麻酔薬は、脳及び脊髄に効果を発揮す

ることが知られている。今回脳波は測定しな

過去の報告のように

効果の減弱が現れた可能性は否定できない。

今回のように運動機能を評価する方法で鎮静

レベルを評価すると、脊髄レベルでの

が持続していれば、脳での鎮静効果に対

し耐性が形成されていてもそれを確認するこ

とはできなかった。今後の課題として、脳の

鎮静状態の指標として脳波を、脊髄での電気

活動抑制の指標として運動誘発電位を経時的

に記録し、吸入麻酔薬の鎮静効果に対する耐

3

。その効果はセボフルラン

吸入中変化しなかった。セボフルラン吸

入中止で速やかに測定値は上昇し、コン

トロール値と有意差を認めなかった。

分のセボフルラン吸入

を行ったが、ロータロッド試験からは耐性形

デスフルランを用い

The cerebral Functional,

Metabolic, and Hemodynamic Effects of

Desflurane in Dogs. Lutz JL et al.

131, 1990)では、

分で脳波上鎮静効果の減弱、即ち耐性形成を

確認しているが、今回セボフルランではその

ような効果を確認することはできなかった。

揮発性麻酔薬は、脳及び脊髄に効果を発揮す

ることが知られている。今回脳波は測定しな

過去の報告のように脳波では鎮静

効果の減弱が現れた可能性は否定できない。

今回のように運動機能を評価する方法で鎮静

レベルを評価すると、脊髄レベルでの無動化

が持続していれば、脳での鎮静効果に対

し耐性が形成されていてもそれを確認するこ

今後の課題として、脳の

鎮静状態の指標として脳波を、脊髄での電気

活動抑制の指標として運動誘発電位を経時的

に記録し、吸入麻酔薬の鎮静効果に対する耐

。その効果はセボフルラン

吸入中変化しなかった。セボフルラン吸

入中止で速やかに測定値は上昇し、コン

トロール値と有意差を認めなかった。

分のセボフルラン吸入

を行ったが、ロータロッド試験からは耐性形

デスフルランを用い

The cerebral Functional,

Metabolic, and Hemodynamic Effects of

Desflurane in Dogs. Lutz JL et al.

では、30

分で脳波上鎮静効果の減弱、即ち耐性形成を

確認しているが、今回セボフルランではその

ような効果を確認することはできなかった。

揮発性麻酔薬は、脳及び脊髄に効果を発揮す

ることが知られている。今回脳波は測定しな

脳波では鎮静

効果の減弱が現れた可能性は否定できない。

今回のように運動機能を評価する方法で鎮静

無動化

が持続していれば、脳での鎮静効果に対

し耐性が形成されていてもそれを確認するこ

今後の課題として、脳の

鎮静状態の指標として脳波を、脊髄での電気

活動抑制の指標として運動誘発電位を経時的

に記録し、吸入麻酔薬の鎮静効果に対する耐

性形成を確認したい。

5.主な発表論文等

(研究代表者、研究分担者及び連携研究者には下線) 〔雑誌論文〕(計 〔学会発表〕(計 〔図書〕(計 〔産業財産権〕○出願状況(計 名称:発明者:権利者:種類:番号:出願年月日:国内外の別: ○取得状況(計 名称:発明者:権利者:種類:番号:取得年月日:国内外の別: 〔その他〕ホームページ等なし6.研究組織(1) 箱崎

福島県立医科大学・医学部 研究者番号: (2)

研究者番号: (3)

研究者番号:

性形成を確認したい。

5.主な発表論文等

(研究代表者、研究分担者及び連携研究者には下線)

〔雑誌論文〕(計

〔学会発表〕(計

〔図書〕(計 0

〔産業財産権〕○出願状況(計

名称: 発明者: 権利者: 種類: 番号: 出願年月日: 国内外の別:

○取得状況(計

名称: 発明者: 権利者: 種類: 番号: 取得年月日: 国内外の別:

〔その他〕 ホームページ等なし 6.研究組織 (1)研究代表者 箱崎 貴大(福島県立医科大学・医学部研究者番号:

(2)研究分担者 研究者番号:

(3)連携研究者

研究者番号:

性形成を確認したい。

5.主な発表論文等

(研究代表者、研究分担者及び連携研究者に

〔雑誌論文〕(計 0 件)

〔学会発表〕(計 0 件)

0 件)

〔産業財産権〕 ○出願状況(計 0 件)

○取得状況(計 0 件)

ホームページ等

貴大(Hakozaki Takahiro福島県立医科大学・医学部研究者番号:60595429

( )

研究者番号:

( )

研究者番号:

(研究代表者、研究分担者及び連携研究者に

Hakozaki Takahiro) 福島県立医科大学・医学部・助教

(研究代表者、研究分担者及び連携研究者に