資料2 ④ 「高度冷凍技術を用いた東北地区水産資源 …...2014/04/28 ·...
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• 1) 生鮮魚介類の高度冷凍システムの確立
• 2) 高圧処理+冷凍よる新規革新技術開発
• 3) 冷凍水産物の品質評価手法の開発
• 4) 高鮮度冷凍原料を用いた未加熱練り製品、新規加工品の開発
• 5) 蒲鉾の冷凍保存技術の開発
• 6) 未利用水産資源からの凍結阻害タンパク質AFPの探索と単離応用化
(1)高度冷凍システム利用による品質保持技術の開発および高付加価値化
「高度冷凍技術を用いた東北地区水産資源の高付加価値化推進」
(2)産業化に向けた実地試験試作、試験販売
LNG冷熱利用と連携し、八戸前沖さばブランドの刺身食文化を形成する。
1) LNG冷熱利用と連携し、八戸前沖さばブランドの刺身食文化を形成する。
2)手で開けられる殻つき冷凍生牡蠣
資料2-④
1) 生鮮魚介類、加工品の高度冷凍システムの確立
(1)高度冷凍システム利用による品質保持技術の開発および高付加価値化
東北地方生鮮水産物
牡蠣
赤貝
巻貝
さざえ
サンマ
サケ
カツオ
サバ
etc・・・
要素技術の進化と統合最適システム化
生鮮水産物
2)産業化に向けた実地試験 試作、試験販売
簡易装置化過冷却凍結 ハイパーグレーズ貯蔵 氷温流水解凍
高圧力技術
+大温度差凍結IPF =Intelligent
ProgramFreezer
-20~-30℃貯蔵化 熟成効果付与
4
山本 和貴 (食品高圧技術ユニット長)
2)高圧処理+冷凍よる新規革新技術開発
分担機関:(独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所
大腸菌の中高圧冷凍殺菌効果事例(数字は log CFU/ml)
温度
圧力
(MPa)
加圧時間(分)
5 10 15 20
-20 ℃
0.1 4 4 4 4100 4 4 2 2175 1 - - -250 1 - - -300 - - - -
常温
175 4 4 4 4250 3 2 2 1300 2 2 1 1500 2 1 - -700 - - - -
「田中、大島; 生物科学・食品科学への高圧利用, 山本克博&林力丸 編, さんえい出版, 1-10 (2003)」より抜粋
過冷却深度増大! 殺菌効果増大! 高品質生食用冷凍!
bloody clamアカガイ
アサリ
二枚貝のほかに、巻貝、アワビなども可能
高度凍結技術(過冷却凍結、ハイパーグレーズ凍結、氷温水解凍)の進化型革新技術
により、東北地区独自の 高品質高付加価値 な水産物・水産加工品の供給を実現
ハイパーグレーズ貯蔵
中高圧プレ開脱殻 (高効率作業)
氷温水解凍 (高品質解凍)
生食用冷凍貝類 (高品質&高付加価値)
(高品質冷凍貯蔵)
+
+
=
圧力付加により過冷却度大→氷結晶微細化
安全
安全
過冷却深度
5
(協力機関:塩釜市 阿部善商店・株式会社なとり)
食用としての利用価値が非常に低く,また,その内在性プロテアーゼ活性が高いため練り製品になりにくいツノナシオキアミからの練り製品を開発する。
資源量が多いスルメイカから市場での需要が高い真っ白いするめの製造技術を開発する。
ケンサイキカを原料としたするめ(ぐるなび食市場より)
スケトウダラを原料とした練り製品
大迫 一史 (東京海洋大)
4) 高鮮度冷凍原料を用いた未加熱練り製品、新規加工品の開発
高鮮度冷凍ツノナシオキアミからの練り製品の開発
高鮮度冷凍スルメイカからの真っ白いするめの開発
ツノナシオキアミ
スルメイカ
(通常、スルメイカからは白いものは製造できない)
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各種かまぼこ 板付きかまぼこ
◆練り製品は、一般的に凍結による損傷を受けやすい
◆通常は凍結せずに流通するが、正月などの需要期に向けて計
画的生産が必要
◆液化ガスによる急速凍結は付加価値の高い板付き蒲鉾等に限られる
氷結晶が小さく、凍結による損傷が少ない
氷結晶が大きく、凍結による損傷が大きい
液化ガスによる急速凍結
緩慢凍結
5) 蒲鉾の冷凍保存技術の開発
岡崎恵美子 (東京海洋大)
・性状の異なる練り製品の凍結保管と品質評価・練り製品の凍結による品質劣化の解明
加熱処理条件成分組成
凍結しても品質を損なわない練り製品凍結保管技術の開発
8
33%糖溶液中の氷結晶画像
東北産水産物からの新規AFPの探索AFP大量調製方法の確立AFP使用方法の検討AFPを用いた高品質水産物、水産加工品の製造と貯蔵試験
崎山 高明 (東京海洋大) 萩原 智明 (東京海洋大)
6) 未利用水産資源からの凍結阻害タンパク質AFPの探索と単離応用化
【実施計画】
【期待できる効果】
東北産のマダラの未利用部分(アラ)にAFP活性を有する物質が含まれていることを見出した。
東北産水産物ならびに水産物加工品の高品質な凍結貯蔵実現東北産水産物および水産加工品の流通拡大(国外も含む)東北地方の水産業の先進性を世界にアピール
(AFPという最新技術の利用、資源の有効利用による地球環境保全)
分離精製したAFP を用いて、東北地方の水産物ならびに水産加工品の高品質な凍結貯蔵の実現を目指す。
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①事業の目的
〇新規革新技術により、東北地区独自で高品質な水産物・水産加工品の供給を実現
〇価格変動吸収、海外を含めた広域流通化がもたらされ、養殖産業の持続的かつ安定な産業化の確立
(1)事業終了後の産業化の構想について
(1)事業終了後の産業化の構想 その1
(2)産業化した際のコストシミュレーション 検討中であるが 十分な採算性あり
(1)事業終了後の産業化の構想 その2
(2)産業化した際のコストシミュレーション 検討中 特に過冷却高圧凍結処理コストが?
(1)事業終了後の産業化の構想 その3
1) 生鮮魚介類の高度冷凍システムの確立⇒赤貝など高級魚介類の広域流通へ
2) 高圧処理+冷凍よる新規革新技術開発⇒巻貝の脱殻加工技術へ応用新製品
3) 冷凍水産物の品質評価手法の開発⇒牡蠣などの品質判別、品質保障制度確立へ
4) 高鮮度冷凍原料を用いた未加熱練り製品、新規加工品の開発⇒即販売化、商品開発の活性化
5) 蒲鉾の冷凍保存技術の開発⇒添加物なし高級カマボコの広域流通
6) 未利用水産資源からの凍結阻害タンパク質AFPの探索と単離応用化⇒カマボコへの応用、他、AFP販売へ
個別課題の進捗に従って産業化への広がりを持たせる。
(2)産業化した際のコストシミュレーション 個々の課題による
②4年間で実施する事項とスケジュール(1)各年度実施する事業の内容(2)地元企業や漁協等に技術移転する方法とそのスケジュール
研究開発項目 24年度 25年度 26年度 27年度
○東京海洋大学
1)生鮮魚介類の高度冷凍
システムの確立
高級養殖魚介類および近
海漁獲物の高品位冷凍技
術の開発
新規要素技術の深化、実用
化の検討
(鈴木、渡辺)
2)
ツノナシオキアミに含ま
れるプロテアーゼの解明
ツノナシオキアミからの
水産練り製品製造技術の
開発
スルメイカに含まれるメ
イラード反応の原因物質
の解明
スルメイカからの真っ白
いするめの製造技術の開
発
(大迫)
3)
蒲鉾の冷凍保存技術の開
発
(岡崎)
一般試料による予備試験
選択 5 種試料による試験予
実サンプル本試験
長期保存試験
科学的評価法の確立
水産加工品の選定
・評価基準の選定
各種水産加工品の凍結保管と品質評価
練り製品の凍結による品質劣化の解明
練り製品の凍結保管耐性に及ぼす
成分組成等の影響の解明
24 25 26 274)テクスチャー評価法
モデル試料による評価法
の確立
水産物を用いた評価法の
確立
冷凍方法による違いの検
討
冷凍過程の追跡
テクスチャー向上の検討
(松川)
5)AFPの新規探索
抽出液大量調製および前
処理方法確立
クロマトグラフィーなら
びに濃縮・乾燥粉末化工程
の最適化
分離精製したAFPの氷結晶
成長抑制能におよぼす要
因の特定
AFPを添加した水産物・水
産加工品の貯蔵試験
(崎山、萩原)
○農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所
小規模装置での中高圧力
下での水産物の過冷却挙
動解明
中規模装置での中高圧
冷凍殺菌効果の解明
中規模装置での中高圧
開脱殻条件の解明
準実用規模での中高圧
処理を導入した高度高品
質冷凍技術の実証試験
○青森県産業技術センタ
ー
(1) 凍結方法の検討
(2) 冷凍保管条件の検討
(3) 解凍方法の検討
(4) 利用・消費期限の検討
(5) 品質保持および大量
処理に必要な機器開
発
サバ等の新規凍結技術適性
設 計 制 作 調整・改良
高鮮度冷凍サバ等の解凍後保存性
サバ等の新規解凍技術適性
サバ等の新規保管技術適性
24 25 26 27
(2)地元企業や漁協等に技術移転する方法とそのスケジュール
③実施体制
③実施体制(1)各機関が担う役割について 前述(2)産業化につなげるために、企業や地元関係者との調整の担い手について
岩手県水産技術センター 上田研究員東京海洋大学特任教授 福田裕 釜石ステーション気仙沼漁協八戸食品総合研究所 松原研究員
(3)被災地の企業や漁協との連携の状況 試料提供協力あり、情報交換あり(4)研究運営委員会のメンバー構成について
〇東京海洋大 鈴木徹、渡辺学、松川真吾、大迫一史、岡崎恵美子、崎山高明、萩原知明〇筑波食品総合研究所 高圧グループ 山本和貴研究員〇青森県産業技術センター 工藤謙一所長、松原久研究員〇内部専門委員 小川 廣男 東京海洋大学理事
福田 裕 東京海洋大学特任教授
〇外部専門有識者委員 高井 浩氏 元ニッスイ技術顧問、現日本冷凍空調学会参与