【講演Ⅲ】 船級規則開発に係る 基盤研究のご紹介2019/5/27 01 14...

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【講演Ⅲ】 船級規則開発に係る 基盤研究のご紹介 一般財団法人 日本海事協会 技術研究所 Copyright by NIPPON KAIJI KYOKAI

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Page 1: 【講演Ⅲ】 船級規則開発に係る 基盤研究のご紹介2019/5/27 01 14 本研究の背景 波浪荷重解析コード検証用の水槽試験データ 少 + 荷重 構造

【講演Ⅲ】 船級規則開発に係る 基盤研究のご紹介

一般財団法人 日本海事協会 技術研究所

Ⓒ Copyright by NIPPON KAIJI KYOKAI

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2

本日の講演内容

1. NKの基幹研究領域

2. 実海域での操船影響の定量的評価

3. 波浪荷重ベンチマーク水槽試験

4. 造船へのフェーズドアレイUTの適用

5. 海事クラスターの一員として

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実海域での操船影響の定量的評価

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操船影響とは

5

操船影響

荒天回避

安全確保 貨物保護

荒天海象 実遭遇海象

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一般商船の設計想定海域

最も厳しい海域

船級規則 (IACS Rec.34):北大西洋

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7

北大西洋 荒天時の航跡 (一例)

荒天海象 (大波高海域) を避けて航行

荒天回避

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本研究の背景

船級規則:設計荷重に対して操船影響を考慮

操船影響に係る技術背景:経験工学的

実遭遇海象

荒天海象

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本研究の目的

実海域での遭遇海象を考慮した 操船影響の定量的評価

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北大西洋での実遭遇海象の把握

×

格子間隔:約50km 格子数 :約4,000

(出典: 日本気象協会)

隻数:約18,000 データ数:約3億

(出典: Marine Traffic)

実船のAISデータ (位置・時刻)

海象データ (波浪予測/波浪追算)

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有義波高による操船影響の評価 (一例)

11

操船影響の定量的評価:鋭意実施中

10-6

10-5

10-4

10-3

10-2

10-1

100

0 5 10 15 20

Bulk CarrierOil TankerContainer ShipRec.34

Pro

bab

ilit

y o

f ex

ceed

ance

Significant wave height [m]有義波高[m]

過確

実遭遇海象

IACS Rec.34 (設計想定海象)

操船影響

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• 海象データの拡充

• 解析精度の向上

• 操船影響の定量的評価

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今後の予定

新鋼船規則C編への研究成果の取り込み

2020年:新規則C編一次案の業界レビュー

2022年:新規則C編の発行 (予定)

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波浪荷重 ベンチマーク 水槽試験

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本研究の背景

波浪荷重解析コード検証用の水槽試験データ 少

+ 荷重 構造

ストリップ法, 3Dパネル法, CFD等

船舶の大型化・多様化 個船毎に高度な解析

荷重構造一貫解析の実用化 2018年:ガイドライン発行 (任意適用)

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本研究の目的

波浪荷重解析コード検証のための 包括的なベンチマークデータ構築

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3

X3/ Fn = 0.144, = 150 degs

/L

0

0.5

1

1.5

2

-90 -60 -30 0 30 60 90

P/g (S.S. 5) Fn = 0.144, = 150 degs, /L = 0.40

Girth Angle (degs)

0

0.005

0.01

0.015

0.02

0.025

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3

My/gBL2 Fn = 0.144, = 150 degs

S.S. 7.5S.S. 5.5S.S. 2.5

/L

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模型船の概要

• 船種 : 仮想14,000TEU コンテナ船

• 模型船長 : 4.0m (実船長 352.0m)

• 圧力計測 : 圧力センサー 約270点

• 断面力計測 : 模型船4分割+6分力計 3台

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水槽試験の様子 (一例)

実船相当波高6m, λ/L 0.4, 斜め向波

全150ケース 試験・データ解析:鋭意実施中

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今後の予定

水槽試験 対象船型の拡充 (実施中)

• やせ型船 (コンテナ船)

• 肥大船 (タンカー)

2020年~:ベンチマークデータの順次活用

(ご要望に応じてご提供予定)

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造船への フェーズドアレイUTの適用

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フェーズドアレイUT (PAUT) とは

複数の超音波ビーム

可視化画像を出力

PAUT

単一の超音波ビーム

超音波エコーを出力

通常UT

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フェーズドアレイUTの適用事例

• 腹部エコー検査/胎児エコー検査

• 航空機の機体構造 (複合材料製) の検査

• その他 種々の産業における非破壊検査

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船体溶接継手の非破壊検査

放射線透過試験 (RT)

船体突合せ溶接継手の交差部にRT必須

NK鋼船規則:

超音波探傷試験 (UT)

RTの代替オプション フェーズドアレイUT

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本研究の背景

• 高い欠陥検出能力

• 探傷結果の可視化

• デジタルデータで記録

造船現場で簡便に適用可能な PAUT実施要領なし

フェーズドアレイUT (PAUT) の特長

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本研究の目的

造船現場で簡便に適用可能な PAUT実施要領の確立

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PAUT実施要領の検証手順

PAUT実施要領の策定:鋭意実施中

試験体および造船現場 での実施要領の検証

シミュレーションによる探傷条件の検討

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今後の予定

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2019年12月:

フェーズドアレイUTガイドラインの発行

造船現場で簡便に適用可能な

探傷要領の具体例を収録予定

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海事クラスターの一員として

船級規則開発に係る基盤研究を通して…

• 規則の技術背景整備

• 最新技術に対応した規則整備

海事産業の

更なる発展に貢献