減価償却資産台帳の...

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更新日: 2018.12.17 ©Creative Work Station Page 1 目 次 1.入力準備 ・償却方法の選択と資産データ ············································ P.2 2.減価償却資産台帳の入力方法 ・基本操作 ······························································· P.3 ・減価償却資産台帳の入力欄 ··············································· P.3 ・「新規入力」の手順 ······················································ P.4 1) 入力例① 建物 ···················································· P.4 相続した場合の注意点 ············································ P.5 個人資産を事業へ転用した場合の注意点 ····························· P.5 2) 入力例② 20 万円未満 → 3 年均等で償却 ····························· P.6 3) 入力例③ 30 万円未満 → 特例措置で償却 ···························· P.7 4) 入力例④ 開業費(繰延資産)········································ P.8 ・「定率法」を選択する場合の注意点 ········································ P.9 1) 改定取得価額/改定償却率について··································· P.9 2) 耐用年数が 2 年の場合 ·············································· P.9 ・前年が白色申告で、償却中の資産の場合 ··································· P.10 ・年の途中で資産を売却・破棄した場合 ····································· P.11 3.入力データの修正方法 ・入力データを修正する手順 ··············································· P.12 4.減価償却費の入力方法 ・仕訳帳へ自動入力 ······················································· P.13 5.資産の入力数と印刷方法について ・資産の入力数が〔12〕以内の場合 ········································· P.14 ・資産の入力数が〔12〕を超える場合 ······································· P.14 6.参考資料 ・主な減価償却資産の耐用年数表 ········································· P.15 ・減価償却費の償却率表·················································· P.17 減価償却資産台帳の 入力マニュアル

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Page 1: 減価償却資産台帳の 入力マニュアルoyasan.kantan-aoiro.net/user_guide/manual_shisandaicho.pdf · 2018. 12. 24. · ・期首の未償却残高: 償却中の資産の場合は、前年期末の未償却残高を入力

更新日: 2018.12.17

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目 次

■ 1.入力準備

・償却方法の選択と資産データ ············································ P.2

■ 2.減価償却資産台帳の入力方法

・基本操作 ······························································· P.3

・減価償却資産台帳の入力欄 ··············································· P.3

・「新規入力」の手順 ······················································ P.4

1) 入力例① 建物 ···················································· P.4

相続した場合の注意点 ············································ P.5

個人資産を事業へ転用した場合の注意点 ····························· P.5

2) 入力例② 20万円未満 → 3年均等で償却 ····························· P.6

3) 入力例③ 30万円未満 → 特例措置で償却 ···························· P.7

4) 入力例④ 開業費(繰延資産) ········································ P.8

・「定率法」を選択する場合の注意点 ········································ P.9

1) 改定取得価額/改定償却率について ··································· P.9

2) 耐用年数が 2年の場合 ·············································· P.9

・前年が白色申告で、償却中の資産の場合 ··································· P.10

・年の途中で資産を売却・破棄した場合 ····································· P.11

■ 3.入力データの修正方法

・入力データを修正する手順 ··············································· P.12

■ 4.減価償却費の入力方法

・仕訳帳へ自動入力 ······················································· P.13

■ 5.資産の入力数と印刷方法について

・資産の入力数が〔12〕以内の場合 ········································· P.14

・資産の入力数が〔12〕を超える場合 ······································· P.14

■ 6.参考資料

・主な減価償却資産の耐用年数表 ········································· P.15

・減価償却費の償却率表 ·················································· P.17

減価償却資産台帳の

入力マニュアル

Page 2: 減価償却資産台帳の 入力マニュアルoyasan.kantan-aoiro.net/user_guide/manual_shisandaicho.pdf · 2018. 12. 24. · ・期首の未償却残高: 償却中の資産の場合は、前年期末の未償却残高を入力

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o 償却方法の選択と資産データ

減価償却費を計算する前に、償却方法の選択と入力データの準備が必要になります。

■償却方法の選択

減価償却の方法には、「定額法」と「定率法」があります。また、資産の取得金額が、20 万円

未満であれば「一括償却資産」として 3 年で均等償却、30 万円未満であれば、青色申告者への特例

措置により、購入した年に全額経費にできます。償却方法のルールや節税を考えて、選択してくださ

い。

※「定額法」「定率法」は、取得年月によって、「旧定額法」と「旧定率法(200%/250%)」とあり、計算

方法が異なります。「定率法」を選択する場合は、税務署へ届出書の提出が必要です。

※特例措置は、税制改正があるため、申告年に適用を受けられるかどうか確認が必要になります。 償却方法について詳しくは、本書の第4章「減価償却をマスターしよう!」と第6章 「6.7

減価償却費資産の入力 P.196~P.200」をご参照ください。

■資産データ

減価償却費を計算するためには、次のデータが必要になります。 <新規に取得した資産の場合>

1. 取得年月 2. 取得価額 3. 耐用年数 4. 償却方法 5. 賃貸併用住宅の場合は貸付割合 ※貸付部分の割合(%)になります。

<償却中の資産の場合>

1. 前年期末の未償却残高 2. 取得年月 3. 取得価額 4. 耐用年数 5. 償却方法

<個人資産から事業用の資産へ転用する場合>

1. 転用時の未償却残高 ※計算方法は、本書の P.134~137を参照してください。 2. 取得年月 3. 取得価額 4. 耐用年数 5. 償却方法

資産の「取得価額」は、消費税込みの金額ですか、それとも消費税抜きですか。

「取得価額」に消費税を含めるかどうかは、経理方式によります。 「税抜経理方式」を選択している方以外は、「税込経理方式」になりますので、消費税込みの金額になります。

1 入力準備

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o 基本操作

「減価償却資産台帳」への入力・修正・削除は、3つの操作ボタンで行います。「新規入力」「入力デー

タの修正」は、クリックすると入力ダイアログが表示されます。

1.新規入力: 入力は、「新規入力」から行います。 2.入力データの修正: 入力された内容を変更・訂正する場合は、「入力データの修正」から行

います。入力行の任意のセルを選択して、「入力データの修正」をクリックすると、修正ダイアログが表示されます。

3.削除: 入力データを削除する場合は、入力行の任意のセルを選択して、「削除」をクリック

します。

4.仕訳帳へ自動入力: 入力欄右下にある「自動入力」をクリックすると、「減価償却費」が仕訳帳へ自動入力されます。

o 資産台帳の入力欄

「減価償却資産台帳」の入力欄は、償却方法によって、3つのグ

ループに分かれています。「新規入力」から入力したデータは、自

動的に振り分けられます。

第1グループ: 定額法・定率法で償却する資産、

無形固定資産(定額法)など

第2グループ: 3年で均等償却する一括償却資産 第3グループ: 開業費などの繰延資産、

全額償却する特例対象資産

2 減価償却資産台帳の入力方法

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o 新規入力の手順

「減価償却資産台帳」のフォームは、税務署所定の「青色申告決算書」の「減価償却費の計算」

のフォーマットに準じています。「新規入力」へ入力した内容が資産台帳へ反映されると、「本

年分の必要経費算入額」へ減価償却費が表示されます。

■入力例① 建物

・集計区分: 物件別に集計する場合は、物件名を選択

・減価償却資産の種類:「建物・附属設備、構築物、器具備品など」を選択

・減価償却資産の名称: 建物の構造・用途を、全角 16文字以内で入力します。

・勘定科目: プルダウンメニューから「建物」を選択

・面積又は数量: 建物(貸付部分)の床面積 ※単位平米。

・取得年月:事業に使用開始した年(西暦)、月を入力

・取得価額: 建物の購入金額 ※土地代を除きます

・償却方法: プルダウンメニューから償却方法を選択 ※建物は、定率法を選択できません。

・期首の未償却残高: 償却中の資産の場合は、前年期末の未償却残高を入力

・耐用年数: ※本マニュアルの最後を参照してください。

・本年中の償却期間: プルダウンメニューから月数を選択

※取得月を含めて計算します。 (例:5月新規取得 → 8月)

・割増(特別)償却費: ※該当する場合のみ入力

・事業専用(貸付)割合: 貸付用の建物の場合は「100(%)」、賃貸併用住宅の場合は、貸付

面積の割合を入力

勘定科目、取得年月から、選

択できる償却方法が、プルダ

ウンメニューへ表示されま

す。

普通償却費は、資産台帳へ

入力後に自動計算されます。

※入力が不要な項目は、グレ

ー表示になります。

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更新日: 2018.12.17

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■相続した場合の注意点

相続で取得した資産を入力する場合は、次のデータの入力に注意してください。

1.「取得年月」へは、相続した年(西暦)、月を入力します。

2.「□相続・贈与で取得」へ、チェックを入れます。

「期首の未償却残高」の入力欄が、グレー(入力不要)から入力可へ変更されます。

3.「期首の未償却残高」へ、相続時の未償却残高を入力します。

※本書の P.132~133を参照してください。

4.「償却方法」は、引き継ぐことができません。取得時のルールに従って選択します。

5.「本年中の償却期間」は、 <相続した月~12月までの月数>を入力します。

■個人資産を事業へ転用した場合の注意点

個人資産から事業用の資産へ転用する場合は、次のデータの入力に注意してください。

1.「取得年月」は、(転用時ではなく)資産を購入した年月を入力します。

2.「期首の未償却残高」へ、転用時の未償却残高を入力してください。

計算方法は、本書の P.134~135を参照してください。

3.「取得価額」は、購入金額になります。

4.「耐用年数」は、購入時の耐用年数になります。経過年数は差し引きません。

5.「本年中の償却期間」は、 <転用した月~12月までの月数>を入力します。

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更新日: 2018.12.17

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■入力例② 20万円未満 → 3年均等で償却

10 万円以上 20 万円未満の資産は、耐用年数に関係なく、購入金額を 3 年間で均等割りして、

必要経費にできます。この償却方法を選択すると、償却資産税の課税対象から除外されるメリ

ットがあります。 ※一括償却資産: 本ソフトでは、便宜上償却内容を表して「3 年均等」と記載していますが、

税法上で 3年均等償却を選択した資産を「一括償却資産」と呼んでいます。

「一括償却資産」は、初期登録の科目にないため、入力する場合は、「勘定科目の設定」

にて、資産の科目へ追加が必要になります。

1. 減価償却資産の種類: プルダウンメニューから「一括償却資産(20万円未満)」を選択

2. 減価償却資産の名称: 「一括償却資産」が自動入されます。

3. 勘定科目: 「一括償却資産」が自動入されます。

4. 面積又は数量: 数量を入力

5. 取得年月:年(西暦)、月を入力

6. 取得価額: 購入金額を入力 ※複数ある場合は、合計金額を入力

7. 償却方法: 「3年均等」が自動入されます。

8. 期首の未償却残高: ※償却中の場合は、前年期末の未償却残高を入力

9. 耐用年数: ※入力不要

10. 本年中の償却期間: ※入力不要

11. 事業専用(貸付)割合: 事業で使用する割合(%)を入力 ※事業専用の場合は 100%

普通償却費は、資産台帳へ

入力後に自動計算されます。

※入力が不要な項目は、グレ

ー表示になります。

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更新日: 2018.12.17

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■入力例③ 30万円未満 → 特例措置で償却

青色申告者を対象にした減税措置の適用を受けて、30 万円未の満減価償却資産(合計 300 万円ま

で)を、取得した年に全額経費にする場合は、次のように入力します。

特例は、期間限定の減税措置になります。税制改正で、2年ごと延長されていますが、

廃止・改定されることがあるため、確認が必要になります。

1. 減価償却資産の種類: プルダウンメニューから「特例対象資産(30万円未満)」を選択

2. 減価償却資産の名称:全角 16文字以内で入力

3. 勘定科目: プルダウンメニューから該当する勘定科目を選択

4. 面積又は数量: 数量を入力

5. 取得年月:年(西暦)、月を入力

6. 取得価額: 購入金額を入力

7. 償却方法: 「特例措置」が表示されます。

8. 期首の未償却残高、耐用年数、本年中の償却期間: ※入力不要

9. 普通償却費: 全額経費(償却)になるため、取得金額が自動入力されます。

10. 事業専用(貸付)割合: 事業で使用する割合(%)を入力 ※事業専用の場合は 100%

11. 摘要: 「措置法 28の 2」が自動入力されます。

青色申告者になったので、30万円未満の償却中の資産を、全額経費にすることはできますか?

特例措置の対象となる減価償却資産は、申告年度に購入した資産に限られています。償却中の

資産は、対象外になります。

普通償却費は、取得価額が

自動入力されます。

※入力が不要な項目は、グレ

ー表示になっています

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更新日: 2018.12.17

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■入力例④ 開業費(繰延資産)

「開業費」は、その支出の効果が 1 年以上の期間に及ぶものということで、「繰延資産」とい

う扱いになります。「繰延資産」も、減価償却資産台帳へ記帳します。

国税庁の Webシステム(確定申告書の作成コーナー)は、開業費の任意償却には対応

していないため、償却方法によって勘定科目が異なります。

1. 「勘定科目の設定」にて、<資産の科目>へ、「開業費」を追加します。

「任意償却」を選択する場合は、<経費の科目>へ、「開業費償却」を追加します。

2. 減価償却資産の種類: プルダウンメニューから「繰延資産(開業費など)」を選択

3. 減価償却資産の名称: 「開業費」と入力

4. 勘定科目: プルダウンメニューから「開業費」を選択

5. 取得年月:開業年(西暦)と開業月を入力

6. 取得価額: 開業費の合計金額を入力

7. 償却方法: プルダウンメニューから「均等償却 または 任意償却」を選択

8. 期首の未償却残高: ※償却中の場合は、前年末の残高を入力

9. 耐用年数: 償却期間、「5(年)」を選択 ※任意償却の場合は入力不要

10. 本年中の償却期間: 月数を選択 ※開業月を含めて計算します。(例:1月に開業 → 12月)

11. 普通償却費: 均等償却 →(開業費合計金額÷5年)×本年中の償却期間の月数/12月=入力金額

任意償却 → その年に償却する金額を入力

12. 事業専用(貸付)割合: 事業の経費のため、「100(%)」と入力

開業費の償却方法は、「均等

償却」と「任意償却」から選択

します。

初期登録の科目でないため、

「勘定科目の設定」で、資産

の科目へ「開業費」の追加が

必要になります。

償却方法に従って、償却する

金額を計算の上、入力しま

す。任意償却は、その年に償

却する金額を入力します。

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更新日: 2018.12.17

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o 定率法を選択する場合の注意点について

「定率法」の計算方法は、少々複雑になっています。次の2点について注意してください。

■改定取得価額/改定償却率について

「定率法」の計算は、以下のような手順で行われます。償却額が「償却保証額」に満たなくな

った年に、「償却の基礎となる金額」と「償却率」を変更します。

「償却の基礎となる金額」が「改定取得価額」へ変更される場合は、データ移行の際に「前年

末の未償却残高」を「改定取得価額」へ自動入力し、メッセージでお知らせします。

定率法の計算手順 1. 取得した年度は、「取得価額×償却率×(使用月数/12)」で計算。

2. 翌年からは、「未償却残高×償却率×(使用月数/12)」で計算。

3. その年の償却額が、「償却保証額(取得価額×償却保証率)」に満たなくなった年に、その年

の期首残高を「改定取得価額」として、償却額の計算式を「改定取得価額×改定償却率」へ

変更します。以後、均等償却へ切り替わり、備忘価格1円(※)まで償却します。

※備忘価額1円とは: 経理上で、資産が残っていることを忘れないために残しておく帳簿

価額です。破棄または売却した場合に、1円を経費へ振り替えます。

■耐用年数が2年の場合

定率法では、耐用年数が2年の場合は、「償却率/1.000」になるため、実質1年で減価償却し

ます。

平成 23年の税制改正で、償却率が 250%から 200%へ引き下げられました。改正前は

「250%定率法」、改正後は「200%定率法」が適用されます。

定率法を選択する場合は、税務署へ届出書の提出が必要になります。

セルの色がオレンジに

変わります

「改定取得価額」へ「期首の未償却

残高」が入力され、以後、この金額

が「改定取得価額」になります

償却率が「改

定償却率」へ

変わります

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更新日: 2018.12.17

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o 前年が白色申告で、償却中の資産の場合

前年が白色申告で、償却中の資産がある場合には、次の手順で、「前年末の未償却残高」の引き

継ぎが必要になります。

■「期首残高の入力」へ残高を引き継ぎ

前年に税務署へ提出した「収支内訳書」の「○減価償却の計算」の欄へ入力したデータを、引

き継ぎます。

償却中の資産の「期末の未償却残高」を勘定科目ごとに集計して、その合計金額を「期首残高

の入力」へ入力します。

■「減価償却資産台帳」の期首残高

入力後、「期首残高の入力」と「減価償却資産台帳」の(入力欄の右下にある)「勘定科目別/

減価償却費 一覧表」の「期首の未償却残高」の金額が一致していることを確認してください。

前年期末の未償却残高を、

減価償却資産の科目ごとに

入力します。

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更新日: 2018.12.17

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o 年の途中で資産を売却・破棄した場合

償却中の資産を売却・破棄した場合は、注意点に留意して、記帳処理を行ってください。

3年で均等償却している「一括償却資産」は、破棄後も 3年で償却を行います。

■「減価償却資産台帳」への入力

1. 「入力データの修正」をクリックして、「□年の途中で売却/破棄した場合」へチェックを

入れて「本年中の償却期間」から、売却/破棄した月を選択します。

2. 「摘要」へ、売却/破棄した日付を入力して、「入力」をクリックします。

3. 資産台帳の「本年中の償却期間」と「本年分の普通償却額」が変更され、「期末の未償却残

高」が「0」になります。

■「仕訳帳」への入力

帳簿上には、売却/破棄した時点の「未償却残高」が、資産の残高として残っています。「仕訳

帳」へ、次の仕訳を入力して、帳簿の残高を「0」にします。 破棄した場合

→ 使用期間の償却額を「減価償却費」で経費へ

→ 破棄した時点の「未償却残高」を「資産損失(※)」で経費へ

※「資産損失」は、初期登録の科目にないため、<経費の科目>へ追加が必要です。

賃貸業が事業的規模でない場合、経費へ計上できる金額は、損失の金額を計上する前

の不動産所得(利益)の金額が限度になります。

売却した場合

→ 使用期間の償却額を「減価償却費」で経費へ

→ 売却した時点の「未償却残高」と「売却金額」を相殺

未償却残高>売却金額 の場合 売却損を「資産損失」で経費へ

未償却残高<売却金額 の場合 売却益は「譲渡所得」へ

※仕訳は、本書の P.215~216を参照してください。

※資産の未償却残高を経費とせずに、「譲渡所得」の取得費用にすることもできます。

売却益は、「譲渡所得」になります。「不動産所得」の収入には加えませんので、注意して

ください。また、土地・建物など不動産を売買した場合の「譲渡所得」は分離課税になりま

す。本書の P.140~141を、合わせて参照してください。

「年の途中で売却/破棄」へチェックを入

れると、「期末の未償却残高」が「0」に変

わります。

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更新日: 2018.12.17

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入力データを修正する手順

入力データを修正する場合は、「入力データの修正」から、次の手順で行ってください。

1. 入力データの任意のセルを選択して、「入力データの修正」をクリックすると、「入力データ

の修正」ダイアログが表示されます。

2. 入力内容を訂正したら、「入力」をクリックします。

3. 変更内容が、資産台帳へ反映されます。

3 入力データの修正方法

入力行の任意のセルを選択し

て、「入力データの修正」をクリッ

クしてください。

「入力」をクリック

すると、修正内容

が反映されます。

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更新日: 2018.12.17

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o 仕訳帳へ自動入力

決算時に、仕訳帳へ減価償却費の入力を行います。次の手順で行ってください。

1. 「減価償却資産台帳」への入力内容は、入力欄の右下にある「勘定科目別/減価償却費 一

覧表」へ、勘定科目別に集計されます。

2. 「自動入力」ボタンをクリックすると、仕訳帳へ「減価償却費」を自動入力します。

※家事使用分がある場合は、「必要経費算入額(減価償却費)」と「家事使用分(家事使用

がある場合)」の2つの仕訳が自動入力されます。

3. 入力内容を変更・追加した場合は、再度「自動入力」を実行してください。「仕訳帳」へ、

前回入力された「減価償却費」が削除され、最新データに更新されます。

4 減価償却費の入力方法

「減価償却資産台帳」の入力内

容を、勘定科目ごとに集計した

一覧表です。この内容が、自動

仕訳されます。

「自動入力」をクリッ

クすると、「減価償

却費」の仕訳が仕

訳帳へ自動入力さ

れます。

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更新日: 2018.12.17

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o 資産の入力数が〔12〕以内の場合

「減価償却資産台帳」へ入力した内容は、「青色申告決算書」の3ページ目の「減価償却費の計

算」へ、転記されます。1ページ目の「損益計算書」の「減価償却費」の内訳となります。

税務署所定の「青色申告決算書」の入力欄は、12行になっています。資産の数が〔12〕以内の

場合は、決算書フォームへ表示されます。

o 資産の入力数が〔12〕を超える場合

資産の数が〔12〕を超えて、「青色申告決算書」の入力欄に書ききれない場合は、別紙を作成し

て、決算書へ添付することになっています。

入力数が〔12〕を超えた場合は、「減価償却費の計算」の欄にある「別紙を印刷する」をクリッ

クして、別紙を印刷してください。

5 資産の入力数と印刷方法について

決算書の入力行

は、〔12〕になって

います

クリックすると「別

紙」が表示されま

Page 15: 減価償却資産台帳の 入力マニュアルoyasan.kantan-aoiro.net/user_guide/manual_shisandaicho.pdf · 2018. 12. 24. · ・期首の未償却残高: 償却中の資産の場合は、前年期末の未償却残高を入力

更新日: 2018.12.17

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資料: 耐用年数表

税務署発行「青色申告決算書の書き方」から転載。

Page 16: 減価償却資産台帳の 入力マニュアルoyasan.kantan-aoiro.net/user_guide/manual_shisandaicho.pdf · 2018. 12. 24. · ・期首の未償却残高: 償却中の資産の場合は、前年期末の未償却残高を入力

更新日: 2018.12.17

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Page 17: 減価償却資産台帳の 入力マニュアルoyasan.kantan-aoiro.net/user_guide/manual_shisandaicho.pdf · 2018. 12. 24. · ・期首の未償却残高: 償却中の資産の場合は、前年期末の未償却残高を入力

更新日: 2018.12.17

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資料: 減価償却費の償却率等表

税務署発行「青色申告決算書の書き方」から転載。