殿 基準 No. 規商取 ４９２０

２０１４年０１月０６日 殿向

連続再生式小型純水装置 （クリテノンＳＨ型）

ＳＨ－４００型

取扱説明書

Rev 年 月 日 承 認 審 査 作 成

4 2013.03.28 鈴 木 三 角 宮 本

5 2013.07.25 鈴 木 岩 本 宮 本

6 2014.01.06 鈴 木 小 西 宮 本

【装置ご使用にあたってのお願い】

１．本装置をご使用いただく前に、本取扱説明書をよくお読みになり、正しく、安全にご使用 下さい。

２．この取扱説明書が、実際に装置を操作されるご担当者のお手元に届きますように、お取り

計らい下さい。

３．本装置の目的を外れて使用された場合、あるいは、本取扱説明書の記載事項が順守されない ことにより生じた不適合については、弊社は責任を負いかねますのでご承知下さい。

４．本書をお読みになった後は、必ず保管しご活用下さい。

５．この取扱説明書は、標準品について記載してあります。標準品と一部仕様の異なる装置に

つきましては、標準品の説明に準じてご使用下さい。

６．仕様、外観、及び交換部品などは、改善のため変更することがありますので、あらかじめ ご了承下さい。

７．日常点検及び定期点検は欠かさず行って下さい。

８．ご不明な点がある場合、技術サービスが必要な場合は、販売店もしくは 寄りの営業所まで

お問い合わせ下さい。

【安全上の注意事項（使用上の注意）】

１ 警告表示について

本装置を正しくお使いいただき、装置の運転者やそのまわりの人々への危害を未然に防止する ため、以下の注意事項をよくお読み下さい。

①警告ラベルの説明

◎本装置には、危険、警告、注意を示す警告ラベルを貼付けてあります。 ◎その作業にあたって、特に注意すべき内容、警告を示してあります。 ◎警告ラベルが貼られている箇所で作業を行う場合は、その内容をよくお読みになり、安全に 正しく作業を行って下さい。

②シンボルマークの説明

本取扱説明書には、安全上の警告を表示するシンボルマークが出てきます。 それぞれの意味は、以下の通りです。

危険 取扱いを誤った場合に、使用者が死亡または重傷を負う危険が 切迫して生じることが想定される場合。

警告 取扱いを誤った場合に、使用者が死亡または重傷を負う可能性が 想定される場合。

注意 取扱いを誤った場合に、使用者が傷害を負う危険性が想定される 場合及び物的損害のみの発生が想定される場合。

！

！

！

２ 安全上の注意

警告 可燃性ガス、引火物が付近にないか確認して下さい。 ！

警告 感電事故防止のため、通電中はＫＣＤＩモジュールに触らないで 下さい。 ！

警告 配線工事は、電気設備技術基準や内線規定に従って正しく行って 下さい。 ＜誤った配線工事は、感電や火災の恐れがあります。＞

！

警告 接地工事は必ず行って下さい。 ＜故障や漏電のときに感電する恐れがあります。＞ ＜緑色の線は接地線です。絶対に電源につながないで下さい。＞

！

警告 電気まわりの作業を行う場合は、必ず前もって電源を切り、電圧 が０Ｖであることを確認し作業して下さい｡ ＜活線作業は感電の恐れがあります。＞

！

警告 制御盤の扉は必ず閉めておいて下さい。 ＜感電の恐れがあります。＞ ！

注意 装置納入後、輸送中の事故・振動などで破損箇所がないか、ボルト

ナット等が緩んでいないか必ず確認をして下さい。 ＜試運転時等に水漏れ事故が起こることがあります。＞

！

注意 輸送中の振動などで制御盤内、モーター、工業計器等の接続端子 が緩んでいないか確認をして下さい。 ＜端子が緩んだまま運転すると装置の緊急停止・破損の可能性が あります。＞

！

注意 漏水事故で他の機器や生産品に被害、損傷の懸念がある場所には 設置しないで下さい。 ！

注意 本装置は取扱説明書記載の流量範囲内でご使用下さい。 ＜仕様外で運転された場合、故障の原因となるか、製品の寿命を 著しく短くします。＞

！

連続純水製造装置 クリテノン ＳＨ型

取扱説明書 目次

【装置ご使用にあたってのお願い】 【安全上の注意事項（使用上の注意）】

第１章 装置の概要 ········································ １－１

１．装置の型式 ················································ １－１

２．装置の原理・特長 ·········································· １－１

３．仕様一覧 ·················································· １－４

４．各機器の働き ·············································· １－５

第２章 設計基準 ·········································· ２－１

１．設計条件 ·················································· ２－１

１）原水水質及び給水条件 ·································· ２－１

２）脱塩水水質 ············································ ２－１

３）ＲＯユニット部分の設計条件 ···························· ２－２

２．作動条件 ·················································· ２－３

１）ユーティリティ条件 ···································· ２－３

２）装置を使用する環境条件 ································ ２－３

第３章 使用方法 ·········································· ３－１

１．装置使用前の確認事項 ······································ ３－１

１）ユーティリティの確認 ·································· ３－１

２）設置施工要領 ·········································· ３－１

３）配管施工要領 ·········································· ３－２

４）配線施工要領 ·········································· ３－３

５）その他確認事項 ········································ ３－３

２．制御盤の説明 ·············································· ３－４

１）タッチパネル画面の説明 ································ ３－４

２）制御盤内スイッチの説明 ······························ ３－１８

３）警報の説明及び対応動作 ······························ ３－１９

４）初期設定値 ·········································· ３－２２

３．初期の運転準備 ·········································· ３－２３

１）ユーティリティの確認 ································ ３－２３

２）各スイッチの確認 ···································· ３－２３

３）タッチパネル設定値の確認 ···························· ３－２３

４）電動弁の開閉テスト ·································· ３－２３

５）手動弁の開閉確認 ···································· ３－２３

６）サーマル設定及びポンプ回転方向の確認 ················ ３－２４

７）ＫＣＤＩの印加電流、電圧 ···························· ３－２５

８）初期の水漏れ確認 ···································· ３－２６

４．運転操作 ················································ ３－２７

１）自動運転 ············································ ３－２７

２）手動運転（完全手動操作） ···························· ３－２８

３）外部入力信号による自動運転 ·························· ３－２８

４）自動フラッシング ···································· ３－２８

第４章 管理の要点 ········································ ４－１

１．定期点検項目 ·············································· ４－１

２．消耗品の標準交換サイクル ·································· ４－２

３．トラブルの原因と対策 ······································ ４－３

４．メンテナンス計画表 ········································ ４－４

５．廃棄物処理について ········································ ４－４

６．長期停止をする場合 ········································ ４－５

〈添 付〉 日常点検管理記録表（クリテノン ＳＨ型 運転記録表）

第１章 装置の概要 １．装置の型式

クリテノンＳＨ型は処理水量が 400L/h のＳＨ－４００型がラインナップされています。 また、処理水量が 260L/h（ＲＯ膜：２本）のオプションもあります。

２．装置の原理・特長

本装置は、逆浸透（ＲＯ）膜により、給水中に含まれる塩類・微粒子・有機物等を除去し、次 に連続脱イオン装置ＫＣＤＩ（イオン交換膜とイオン交換樹脂を組合せた構造）に通すことに より、電気的脱イオンを行い、さらに高純度の純水を得ることができます。

再生操作がないため採水の中断がなく、連続して純水を採水することができます。

クリテノンＳＨ型は、機器をユニット内にコンパクトに収め、外部配管と電源を接続するだけ で、純水を製造することができます。

活性炭

ＲＯ膜FI

M

保安

フィルター

フィルター

DC

EC

V RIA

D D

EC M

CI

INVP

原水

純水 排水 排水 連続脱イオン装置 脱気膜

ＫＣＤＩⓇ

原水タンク

システムフロー

１－１

本装置は下記の特長を有しています。

（１）クリーンで簡潔 再生のための化学薬品を使用しないので、クリーンな環境を保つことができます。 また、排水中和処理設備も必要なく極めて簡潔なシステムです。

（２）連続採水

従来のイオン交換樹脂を用いた純水器と異なり、再生による採水中断が無く、連続して純水 を採水できます。

（３）全自動運転

クリテノンは自動運転で、専門の運転要員は不要です。

（４）運転管理が簡単 装置の運転状態は、タッチパネルに表示されるので、運転管理が容易です。

（５）省スペース

従来の再生式イオン交換純水器に比べて、１／３の設置面積です。

以下に本装置のメイン機器であるＫＣＤＩの原理について示します。

〈ＫＣＤＩの原理（働き）〉

①給水（ＲＯ処理水）は、脱イオン室と濃縮室に分かれて入ります。（図－１参照）

②脱イオン室に入った給水中のイオンは、それぞれの導電性を利用し、イオン交換膜を通って 濃縮室へ移動します。（図－２参照）

③下部では、上部での電気透析で除去されなかったイオンが一度Ｈ型で存在する陽イオン交換 樹脂とＯＨ型で存在する陰イオン交換樹脂で捕捉されます。

④その後、水の電気分解で生成したＨ＋イオンとＯＨ－イオンの働きにより、捕捉された残留

イオンは、イオン交換樹脂を離れ、イオン交換膜を通って濃縮室へ移動し除去されます。

⑤つまり、下部では残留イオンが極めて少ないために、水の電気分解が起こっており、Ｈ＋ イオンとＯＨ－イオンが生成されています。これらが、残留イオンを捕捉したイオン交換 樹脂を再生する形となり、連続的な純水採水（脱イオン）が可能となっています。

⑥このようにして給水から効率的にイオンが除去され、高純度の純水が得られます。

１－２

濃

縮

室

側 濃

縮

室

図 － ２

側

脱 イ オ ン 室

Ｎａ＋Ｃ －

Ｎａ＋Ｃ －

ｶﾁｵﾝ樹脂

ｱﾆｵﾝ樹脂

陰

イ

オ

ン

交

換

膜

陽

イ

オ

ン

交

換

膜

樹

脂

の

導

電

性

を

利

用

し

た

電

気

透

折

＋ －

濃

縮

室

側 濃

縮

室

側

脱 イ オ ン 室

Ｎａ＋Ｃ －

ｶﾁｵﾝ樹脂

ｱﾆｵﾝ樹脂

陰

イ

オ

ン

交

換

膜

陽

イ

オ

ン

交

換

膜

＋ －

濃

縮

室

側 濃

縮

室

側

脱 イ オ ン 室

Ｎａ＋Ｃ －

ｶﾁｵﾝ樹脂

ｱﾆｵﾝ樹脂

陰

イ

オ

ン

交

換

膜

陽

イ

オ

ン

交

換

膜

＋ －

連

続

ＯＨ－Ｈ＋

電

気

的

再

生

Ｈ＋

Ｈ2Ｏ

ＯＨ－

図 － ３

図 － ４

イ

オ

ン

交

換

純 水 純 水 純 水

脱

イ

オ

ン

室

給 水

排 水

図 － １

濃

縮

室

電

極

部拡

大

上

部

拡

大

下

濃

縮

室

濃

縮

室

濃

縮

室

脱

イ

オ

ン

室

脱

イ

オ

ン

室陽イオン交換膜

陽イオン交換膜

陽イオン交換膜

陰イオン交換膜

陰イオン交換膜

陰イオン交換膜

電

極

イオンの移動度は、導電性の良いイオン交換樹脂内の方が水中よりも数オーダー高いため、 イオンの移動は水中ではなく、ほとんどイオン交換樹脂を通して生じていると考えられます。

イオン交換膜はイオンに対して半透性の膜です。つまり、特定の固定電荷を持つ膜は、反対

電荷イオンを通しますが、同種電荷イオンは通しません。また水も通しません。

よって、一旦脱イオン室から濃縮室に移動した陽イオン、陰イオンは脱イオン室に入れません。

一方、濃縮室では、左右反対の電荷を持ったイオン交換膜から移動してきた陽イオンと陰イ オンが中和状態になるため、排水はほぼ中性となります。

１－３

３．仕様一覧

型 式 SH-400 備 考

一般仕様

生産水量 Max (L/h) 400 (260) ※at 10～27℃ ( ) は RO 膜 2 本の場合

原水水量 900 (600) ※0.2～0.35MPa ( ) は RO 膜 2 本の場合

取

合

原水入口 Rc 1/2

処理水出口 Rc 1/2

ＲＯ濃縮排水出口 Rc 1/2

オーバーフロー水出口 Rc 3/4 無圧排水 ユニットドレン Rc 1/2 無圧排水

機

器

保安フィルター

材 質 強化 PP/ｱｸﾘﾙ樹脂

型 式 K-1A ※ＫＷＩ製 数 量 １基

ｶｰﾄﾘｯｼﾞ 10B×1 本（公称 10μm）

活性炭フィルター 材 質 活性炭繊維 寸 法 φ90×L1,000

数 量 ２本

原水タンク 材 質 SUS304

寸 法 W300×D250×H550

容 量 40L

ＲＯ給水ポンプ 材 質 SUS304

仕 様 22L/min×188m×2.2kW ＩＮＶ付

ＲＯ膜 型 式 KROA-1032-SN(4B) ※ベッセルは全て

ＦＲＰ製 １本用 数 量 ３本（オプションにより２本）

脱気膜 仕 様 4B×13B 数 量 １本

真空ポンプ 材 質 AIBC3/SCS14

仕 様 6.2m3/h×50Torr×0.3/0.4kW 50/60Hz

ＫＣＤＩ 型 式 IP-LXM4X-3

数 量 １台

計

測

器

直流電源器 （ＫＣＤＩ用）

仕 様 定格 3A 大 120V 数 量 １台

導電率計 レ ン ジ 0～2.0mS/m （CIA-1） 数 量 １台

比抵抗計 レ ン ジ 0～20MΩ・cm （RIA-1） 数 量 １台

圧力スイッチ レ ン ジ 0～1MPa 数 量 １台

流量計

仕 様 1～10L/min、ﾊﾟｰｼﾞﾒｰﾀ （FI-1/2） 数 量 ２台 仕 様 0.3～3L/min、ﾊﾟｰｼﾞﾒｰﾀ （FI-3） 数 量 １台

配 管 ナイロンチューブ、ＳＵＳ３０４

制御盤

型 式 軟鋼板製屋内防塵型

寸 法 W320×D390×H800

塗装色 日塗工 AN-95（マンセル N9.5）7 分艶

電力量 5.0kVA

ユニット

寸 法（幅×奥行×高さ） W650×D770×H1,750

塗装色 日塗工 AN-95（マンセル N9.5）7 分艶

製品重量 ［kg］ 350 (340) ( ) は RO 膜 2 本の場合

運転重量 ［kg］ 400 (390) ( ) は RO 膜 2 本の場合

１－４

４．各機器の働き

＜＜前処理ユニットまわり＞＞

(1) 原水入口弁（MV-1）

装置入口の電動二方弁です。装置が停止時には、自動的に『閉』になります。 また、原水タンクの水位が高（ＨＨレベル）となれば「閉」となり、（Ｈレベルまで）低下 すれば「開」となります。

(2) 保安フィルター この保安フィルターには、ＲＯ膜を保護するために公称孔径 10μm のエレメント（カート リッジフィルター）が充填されており、ここで原水から持ち込まれる大まかなゴミや鉄分等 を捕捉します。 ポリプロピレン製のエレメントは耐久性・強度に優れ、また溶出物もほとんど無いため、広 範囲の用途に適しています。

＊＊＊注記＊＊＊ エレメント交換頻度は、原水の汚れ具合により異なります。 一般に１～３ケ月に１回の交換を目安とします。

(3) 活性炭フィルター 原水中の残留塩素を除去すると共に、原水中の汚れを除去します。 繊維状の活性炭エレメントが充填されています。

(4) 原水タンク 活性炭フィルターで処理された処理水を一次的に蓄え、ＲＯへ送水するＲＯ給水ポンプの クッションタンクとなります。

＜＜ＲＯユニットまわり＞＞

(1) ＲＯ給水ポンプ 原水タンクに一度貯められた水を本ＲＯ給水ポンプで、0.7 ～ 1.2MPa まで加圧して、ＲＯ膜 に供給します。原水タンクの水位に応じて『自動』でＯＮ－ＯＦＦします。 ＲＯ出口温度によりインバータ周波数が変わります。

(2) ＲＯ膜 本装置のＲＯ膜は、ポリアミド系の４インチ膜を使用しています。この膜は、高脱塩率、高 FLUX の性能を有していますが、残留塩素や鉄分、マンガン、多量の微粒子等により、膜の酸化劣化、 性能低下等の障害を起こすことがあります。

＊＊＊注記＊＊＊ ＲＯ給水中に残留塩素が検出されないことの確認を定期的に実施して下さい。 残留塩素が存在すると、ＲＯ膜の劣化を早めるだけでなく、後段のＫＣＤＩモジュールの 損傷を引き起こすことがあります。

１－５

１－６

(3) 水質計(CIA-1、RIA-1) ＲＯ処理水の導電率とＫＣＤＩ処理水の比抵抗を測定し、タッチパネルに表示します。

(4) ＲＯ出口弁(MV-2) ＲＯ出口の送水と循環を切り替える電動の三方弁です。 装置の運転状況に応じて『自動』で切替わります。

(5) 圧力スイッチ(PS-1) ＫＣＤＩの入口圧力を検出し、ＫＣＤＩに脱塩水が供給されていることを確認します。 また、設定値 H 以上になると「ＫＣＤＩ入口圧力高」、設定値 L 以下になると「ＫＣＤＩ入口 圧力低」の警報が発生し、装置は非常停止します。

◎工場出荷時設定値･･･････ H＝ 0.4MPa

L＝ 0.05MPa

(6) 流量計 FI-2：ＲＯ濃縮水の流量を表示します。

＜＜ＫＣＤＩユニットまわり＞＞

(1) ＫＣＤＩ本体 直流電流を使用し連続的に純水を採水するモジュールです。 この本体は、陽イオン交換膜、陰イオン交換膜、陽極板、陰極板等により構成されており、 ＲＯ脱塩水中に含まれる微量のイオン性物質を除去します。

＊＊＊注記＊＊＊ ＫＣＤＩモジュールのナットは出荷時に調整してあります。ナットの増し締めは行わない で下さい。 ＜ＫＣＤＩモジュールを損傷する原因になります。＞

(2) 流量計

FI-1：ＫＣＤＩの処理水の流量を表示します。 FI-3：ＫＣＤＩ濃縮水の流量を表示します。

第２章 設計基準 １．設計条件

１）原水水質及び給水条件

項 目 単 位 原水水質 給水条件

水温 ℃ 10～27℃ 電気伝導率 mS/m ＜35mS/m ｐＨ － 6.8 ～ 7.7 ＣＯＤＭｎ mg/l ＜1mg/l 全硬度 mg/l as CaCO3 ＜50mg/l Ｃａ硬度 mg/l as CaCO3 ＜40mg/l 酸消費量（4.8） mg/l as CaCO3 ＜40mg/l 微量Ａｌ mg/l ＜0.05mg/l Ｆｅ mg/l ＜0.01mg/l Ｍｎ mg/l ＜0.01mg/l ＳｉＯ２ mg/l ＜25mg/l 残留塩素 mg/l ＜1mg/l

以上の他は、水道水基準に基づき設計しています。 原水水質の項には貴社原水水質を記入して下さい。

＊＊＊注記＊＊＊

給水条件から外れるものある場合は、処理できないことがあります。 ＜定期的に装置入口の水質分析を行い確認して下さい。＞

＊＊＊注記＊＊＊

ＳｉＯ２（シリカ）は、原水中の含有量、水温等の運転条件により適用限界があります。 ＜原水中にＳｉＯ２が多く含まれるとスケール生成による差圧増大、透過水量低下の原因と

なります。＞

＊＊＊注記＊＊＊ ＣａＣＯ３は、ｐＨ、全蒸発残留物等の影響によりＲＯ膜面にスケーリングをおこし、処理

にあたって障害になることがあります。 ＜原水中にＣａＣＯ３が多く含まれると回収率が低下します。＞

２）脱塩水水質

ＲＯユニット部分の脱塩水質は、原水中のイオン濃度及び回収率により異なります。 本装置の主たる処理機能材であるＲＯ膜は、経時変化により劣化しますので、脱塩水質に ついての保証は原則として行っていません。 ＲＯ膜の性能については、イオンの除去率で評価しています。

＜用語の説明＞ 回収率･･････処理を行うために供給した原水に対して、脱塩水として 使用できる水の割合。

回収率＝（脱塩水量／原水水量）×１００（％）

２－１

３）ＲＯユニット部分の設計条件

本装置の設計にあたって運転条件は以下の通りです。

運転圧力 0.7～1.2MPa 原水水温 10℃ ～ 27℃ ｐＨ 6.8 ～ 7.7

残留塩素 検出されないこと 回収率 50 ～ 60%

＊＊＊注記＊＊＊ ３５℃以上で長期間運転すると使用材質の劣化、脆化を促進します。 ＜水温は１０～２７℃の間で管理して下さい。＞

４）ＫＣＤＩユニット部分への給水条件

給 水 条 件 給水圧力 0.14～0.40 MPa 給水温度 10 ～ 30℃ 残留塩素 検出されないこと ｐＨ 4 ～ 11 ＴＯＣ ＜ 0.5 mg/l

Ｆｅ、Ｍｎ、Ａｌ、Ｈ２Ｓ ＜ 0.01 mg/l Ｃａ硬度 ＜ 0.3 mg/l as CaCO3 Ｍｇ硬度 ＜ 0.2 mg/l as CaCO3 ＳｉＯ２ ＜ 0.7 mg/l

電気伝導度 2.0 mS/m（20μS/cm）at 25℃

＊＊＊注記＊＊＊ 給水条件から外れる場合は、処理できないことがあります。 上記の表は、クリテノンを安定して長期間運転するための必須条件です。 ＜定期的に前段ＲＯユニットの水質分析を行って下さい。＞

＊＊＊注記＊＊＊ ３５℃以上で長時間運転しますと、ＫＣＤＩモジュールの劣化を促進します。

５）処理水水質 5 MΩ･cm 以上

現場ごとの原水水質により、保証水質は異なります。 処理水の比抵抗には、原水中の二酸化炭素濃度が影響してきます。

２－２

２．作動条件

１）ユーティリティ条件

項 目 ユーティリティ条件 SH-400

備 考 標準 RO 膜：3 本

オプション RO 膜：2 本

一次側 原 水 着圧 0.2～0.35MPa 900L/h 600L/h 水質は前項参照 取合い口径：Rc1/2

供給電源 AC200/220V×3φ3W×50/60Hz 制御盤内端子台取合い

5.0kVA 5.0kVA

二次側 処理水 0.1MPa 以下 400L/h 260L/h 取合い口径：Rc1/2

ＲＯ濃縮排水 0.1MPa 500L/h 340L/h 取合い口径：Rc1/2 ｵｰﾊﾞｰﾌﾛｰ 無圧排水 Max：400L/h Max：300L/h 取合い口径：Rc3/4 ﾄﾞﾚﾝﾊﾟﾝﾄﾞﾚﾝ 無圧排水 Max：900L/h Max：600L/h 取合い口径：Rc1/2

２）装置を使用する環境条件

①温度変化が少なく、常温に近いところ（10～40℃） ②腐食性ガスのないところ ③低温や多湿にならないところ（10～80％RH） ④機械的振動の少ないところ ⑤粉じん、油煙の少ないところ ⑥高圧電線やインバータの負荷主回路など、高調波を含む回路と離れているところ ⑦強磁界のないところ ⑧メンテナンススペースが十分取れるところ

右図のメンテナンススペースを 確保して下さい。

1650

1650

650

650

500

500

500

500

クリテノン

メンテナンススペース

正面

２－３

警告 ＫＣＤＩモジュールに塩が付着すると、感電の危険があり、また 脱塩効果（処理水質）が低下します。 海岸付近の場所で塩害（サビの発生等）が予想される場合は、 周囲の環境に十分注意して設置して下さい。

！

２－４

注意 漏水事故で他の機器や生産品に被害、損傷の懸念がある場所には 設置しないで下さい。 ！

注意 本装置は、屋内仕様ですので屋外への設置はできません。 屋外に設置した場合は、感電や火災の原因となる場合があります。！

第３章 使用方法 １．装置使用前の確認事項

１）ユーティリティの確認

●第２章 設計基準 ２．作動条件 １）ユーティリティ条件の項を参照し、十分な

ユーティリティの供給があるか確認します。

２）設置施工要領

●第２章 設計基準 ２．作動条件 ２）装置を使用する環境条件を参照し、適合する場所 であるか確認します。

●メンテナンススペースを十分に考慮の上設置して下さい。

●装置は付属の固定金具を使用し、アンカーボルトにて確実に固定して下さい。

警告 ＫＣＤＩモジュールに塩が付着すると、感電の危険があり、また 脱塩効果（処理水質）が低下します。 海岸付近の場所で塩害（サビの発生等）が予想される場合は、 周囲の環境に十分注意して設置して下さい。

！

注意 漏水事故で他の機器や生産品に被害、損傷の懸念がある場所には 設置しないで下さい。 ！

注意 本装置は、屋内仕様ですので屋外への設置はできません。 屋外に設置した場合は、感電や火災の原因となる場合があります。！

注意 搬入、据付にあたっては重量、搬入路などを十分考慮の上、安全 に作業を行って下さい。 ＜無理な人数及び計画で施工を行うと、思わぬ事故が起こること があります。＞

！

注意 組立図記載の取り合い配管の接続、アンカー施工は現合を行って 下さい。 ！

３－１

３）配管施工要領

●原水の配管を装置に接続する前には、必ずフラッシングを行って下さい。

●無圧排水配管（ドレンバルブと接続する配管）は立ち上げたり、配管内に水溜まりのでき ないように施工して下さい。

●処理水配管、有圧排水配管の配管抵抗（背圧）は圧力 0.1MPa 以下にして下さい。 また、装置停止時に装置内に系外の水が逆流しないような手段を講じて下さい。

●本装置と連結する配管はサイフォンによって負圧にならないようご注意下さい。

●装置との取合配管は、確実にサポート等で固定し、配管に重量負荷のかからないようにして 下さい。

＊＊＊注記＊＊＊ ＫＣＤＩモジュールの出口配管は、絶対に締切らないで下さい。 ＜純水出口配管に自動弁を付けたり、純水タンク等にボールタップを使用して締切り運転 をすると、モジュール内の水が入れ替らず加電だけされ、オーバーヒート、モジュール の形状変化、破損の原因なります。＞

危険 ＫＣＤＩモジュールに金属製のパイプなどを直接接続しないで 下さい。 ＜感電事故防止のためです。＞

！

警告

工具、ナット・ネジ等をＫＣＤＩモジュールの上に絶対置かない で下さい｡ ＜これらを置き忘れ、ＫＣＤＩモジュールのスペーサー間等に落 ちてしまった状態で運転を行ってしまうと、感電やモジュール 破損の原因となります。＞

！

注意 組立図記載の取り合い配管の接続、アンカー施工は現合を行って 下さい。 ！

３－２

４）配線施工要領

警告 電気まわりの作業を行う場合は、必ず前もって電源を切り、電圧 が０Ｖであることを確認し作業して下さい｡ ＜活線作業は感電の恐れがあります。＞

！

警告 配線工事は、電気設備技術基準や内線規定に従って正しく行って 下さい。 ＜誤った配線工事は、感電や火災の恐れがあります。＞

！

警告 接地工事は必ず行って下さい。 ＜故障や漏電のときに感電する恐れがあります。＞ ＜緑色の線は接地線です。絶対に電源につながないで下さい。＞

！

警告 ＫＣＤＩモジュールは、運転中に高電圧を印加していますので 感電する危険があります。 ＜直流電源器の電源は、装置が運転できるようになるまで入れ ないで下さい。＞

！

５）その他確認事項

●定期的に原水の水質分析を行って下さい。

注意 輸送中の事故・振動などで破損箇所がないか、ボルトナット等が 緩んでいないか確認をして下さい。 ＜試運転時等に水漏れ事故が起こることがあります。＞

！

注意 輸送中の振動などで制御盤内、モーター、工業計器等の接続端子 が緩んでいないか確認をして下さい。 ＜端子が緩んだまま運転すると装置の緊急停止・破損の可能性が あります。＞

！

３－３

２．制御盤の説明

１）タッチパネル画面の説明

（１）タッチパネル画面共通キーの説明 各画面の 下部は、画面切替用エリアとして使用され、どの画面でも共通となっています。 各キーにタッチすることで、画面の切替を行います。

日付を表示します。 画面名称を表示します。

警報一覧画面を呼び出します。

警報発生時には点滅します。

タイマー設定画面を 呼び出します。

アナログ画面を 呼び出します。

ページ移動をします。

個別操作画面を

呼び出します。

メイン画面を 呼び出します。

３－４

（２）個別画面の説明

【１】メイン画面

①マスター画面

装置状態表示

行程表示

機器状態表示

非常停止スイッチ

マスタースイッチ

［メンテ画面］ ［オプション画面］

画面切替スイッチ

＜本画面機能＞

名 称 説 明

マスタースイッチ 「運転」を長押しすると装置が自動運転を開始します。 「停止」を長押しすると装置が自動運転を停止します。

非常停止スイッチ 長押しすると装置が非常停止します。再始動させる場合は、マスター スイッチを「停止」－「運転」と操作して下さい。

行程表示 現在の行程と残時間を表示します。

装置状態表示 装置の状態をランプ点灯・点滅で表示します。

機器状態表示

ポンプ 運転中のポンプのランプが点灯します。 トリップ時、点滅します。

バルブ 開状態のバルブのランプが点灯します。

ＫＣＤＩ 運転中にランプが点灯します。

画面切替スイッチ オプション画面

長押しするとテンキーが表示され、そこでパスワード を入力すると、オプション画面へ移行します。

メンテ画面 長押しするとメンテ画面へ移行します。

※ＫＣＤＩ出口弁は規格手配範囲外です。

３－５

②表示画面

現在値表示

水位表示

圧力表示

＜本画面機能＞

名 称 説 明

現在値表示 RO 処理水導電率・KCDI 処理水比抵抗・RO 処理水温度の現在値を表示 します。

圧力表示 各設定値になると点灯で表示します。

水位表示 現在の水位の状態を表示します。 水位が達しているレベルまでを点灯で表示します。

３－６

③インターロック画面

クリテノンのインターロック（起動するための条件）を表示します。 スイッチを運転にしてもクリテノンが稼動しない場合、この画面で原因を知ることが できます。

条件表示

条件成立ランプ

＜本画面機能＞

名 称 説 明

条件表示 装置を運転させる為に必要な条件が表示されています。 全条件が成立することで、装置は運転を開始できます。

条件成立ランプ 各インターロックの成立を点灯で表示します。

３－７

＜インターロックの説明＞

項 目 対 処

マスタースイッチ運転 タッチパネル上のマスタースイッチ「運転」を長押しして下さい。

モータートリップでない タッチパネルマスタースイッチを「停止」－「運転」と操作し、 再始動して下さい。

非常停止スイッチＯＮ でない 非常停止入力警報を解除して下さい。

原水タンク水位Ｌ→ＬＬ 原水タンクへの給水確認（原水流入量・電動弁の故障）、装置の水

バランスの確認を行って下さい。レベルＬ以上であるのにランプが

点灯しない場合、レベルスイッチ本体の不具合が考えられます。

処理水槽満水でない 装置が待機している状態です。 満水でなくなると、自動復帰します。

漏電でない 【非常停止又は 主幹遮断選択時】

漏電警報を解除して下さい。 非常停止選択時及び主幹遮断選択時はマスタースイッチを「停止」

に入れるまで警報が保持されます。

ＫＣＤＩ入口圧力高でない ＫＣＤＩ入口圧力が正常範囲になるよう、流量・圧力を調節して 下さい。 ＫＣＤＩ入口圧力低でない

瞬停検知でない 瞬停警報を解除して下さい。

漏水でない 【漏水センサ有選択時】 漏水警報を解除して下さい。

３－８

【２】オプション設定画面

「メイン」の状態表示画面にあるオプション設定画面移行スイッチを長押しし、 パスワード入力することで移行します。 各選択は、スイッチを長押しで変更できます。 尚、初期設定の為、運転途中での変更はしないで下さい。装置の運転に影響がある 場合があります。

＜各項目の補足説明＞

項 目 説 明

KCDI 出口弁有無選択 標準では「無」を選択して下さい。 装置外部に三方電磁弁（ＭＶ－３）を取り付ける場合は「有」を選択

して下さい。

処理水槽満水時選択

間欠循環

処理水槽が満水になると循環行程に入り、循環行程 設定時間後、装置は待機状態となります。 満水待機設定時間経過後、装置は再び循環行程に入 り、以降、待機→循環を繰り返します。

連続循環 （MV-3 有の 場合のみ）

処理水槽満水になると循環行程に入り、処理水槽の 水位が H 以下になるまで続行します。

瞬停再起動 停電時に自動で再起動させる場合は「有」にします。

漏水センサ 標準では「無」を選択して下さい。 漏水センサを追加取付する場合は「有」を選択して下さい。

漏電警報時動作

警報のみ 警報を発報し、装置は自動運転を続行します。

非常停止 警報と同時に装置は非常停止行程に移行します。

主幹遮断 警報発報と非常停止、並びに装置主幹ブレーカーを 遮断（トリップ）します。従ってタッチパネルも消灯

します。

３－９

＜各項目の補足説明＞

項 目 説 明

装置ポンプ容量 RO 給水ポンプ送水量

メンテ画面にて使用電力量、水使用量、CO2量を計算する為 に用います。

３－１０

【３】メンテナンス画面

「メイン」の状態表示画面にあるメンテ設定画面移行スイッチを長押しすることで 移行します。 各数値が表示されますので、メンテナンスの参考にして下さい。

リセットスイッチ

＜本画面機能＞

名 称 説 明

リセットスイッチ スイッチを長押しすると、各数値をリセットできます。 ＣＦ膜・ＲＯ膜・ＫＣＤＩフィルターについては、リセットを押すと 押した日付が前回交換日に表示され、使用日数がリセットされます。

３－１１

【４】個別操作画面

本画面で個別に電動機、または自動弁を手動操作できます。 （メンテナンス時に使用し、通常は使用しません。）

機器状態表示灯

手動操作スイッチ

＜本画面機能＞

名 称 説 明

手動操作スイッチ

各機器の動作を選択できます。 切替はスイッチ長押しとなります。

運 転 （開）

当該の機器を運転します。 周囲の状況を無視して運転されますので、運転時は十分注意 して下さい。運転の場合にも、一部の機器は設定器の制御や タイマーの制御により、運転されないものがあります。尚、 自動弁は「運転」ではなく「開」表示となります。

停 止 （閉）

当該の機器を停止します。 運転と同様、周囲の状況を無視して停止します。 尚、自動弁は「停止」ではなく「閉」表示となります。

送 水 循 環 三方弁を送水側・循環側に切り替えます。

自 動 制御盤内の表示器付コントローラの制御によって、当該機器の

運転を行います。通常は「自動」として運転して下さい。

機器状態表示灯 各機器の動作状態を表示します。

※ＫＣＤＩ出口弁は規格標準外です。

３－１２

【５】警報画面

①警報一覧画面

スイッチ 自己診断リセット

警報一覧表示

切替スイッチ 警報発生時画面移行

警報確認スイッチ

警報表示灯

＜本画面機能＞

名 称 説 明

警報一覧表示 本装置で発生する警報を一覧表示しています。

自己診断リセット スイッチ

表示器付コントローラ異常が発生し、問題を解決した場合、この釦を １秒間長押しで、表示器付コントローラを止めずにエラー解除します。

警報発生時画面移行 切替スイッチ “有”選択の際、警報発生時自動で警報一覧画面へ切替わります。

警報確認スイッチ 警報発生時に「警報確認」をタッチすると、ランプの点滅が点灯に変わり

ます。警報発生要因が無くなると、点灯は消灯します。

警報表示灯 警報が発生すると、該当する警報のランプが点滅します。

３－１３

②警報履歴画面

カーソル

復旧時刻表示

確認時刻表示

警報履歴表示

確認開始スイッチ

スクロールスイッチ

TPエラー詳細確認開始スイッチ

確認終了スイッチ

確認スイッチ

＜本画面機能＞

名 称 説 明

警報履歴表示

発生した警報の日付・時刻・名称が表示されます。 新に発生した警報が、上部に表示します。

点滅文字：現在発生中の警報で、未確認の警報です。 背景グレイ文字：現在発生中の警報で、確認済の警報です。 点灯文字：復旧済みの警報です。

確認時刻表示 警報を確認した時刻が表示されます。

復旧時刻表示 警報が復旧した時刻が表示されます。

確認開始スイッチ 警報を確認済みとするために使用します。 「確認開始スイッチ」を押すと、「カーソル」が表示されます。 確認済みとする警報を「スクロールスイッチ」で選択し、「確認スイッチ」

を押します。 確認時刻が表示され、確認が完了します。 「確認終了スイッチ」を押すと「カーソル」が消え通常状態に戻ります。

画面表示されている以前の警報も「確認開始スイッチ」を押し 「スクロールスイッチ」を操作することで、見ることができます。

確認スイッチ

確認終了スイッチ

カーソル

スクロールスイッチ

TP エラー詳細確認 スイッチ

表示器付コントローラ異常警報発報時、 エラーコードを表示します。

３－１４

【６】タイマー設定画面

タイマー設定スイッチ

タイマー残時間表示

行程表示

・テンキー 画面をタッチして、設定値を入力します。

＜本画面機能＞

名 称 説 明

タイマー設定スイッチ タイマーの設定値が表示されます。スイッチを押すと「テンキー」が 表示されますので、画面をタッチして入力して下さい。

タイマー残時間表示 タイマーが稼動するまでの残り時間を表示します。

行程表示 現在の行程を点灯表示します。

３－１５

【７】アナログ画面

①計測画面

＜セキュリティ変更画面＞ ＜パスワード入力画面＞

＜本画面機能＞

名 称 説 明

制御値設定スイッチ 制御値を入力します。スイッチを押すと「テンキー」が表示 されますので、画面をタッチして入力して下さい。

現在値表示 現在の測定値を表示します。

フルスケール設定スイッチ フルスケール設定値を変更する場合に使用します。 「セキュリティスイッチ」を押して「セキュリティ変更画面」

に移行します。「変更スイッチ」を長押しすると、「パスワード

入力画面」が表示され、パスワードを入力するとセキュリティ

が解除されます。変更する「フルスケール設定スイッチ」を 押すと「テンキー」が表示されますので、数値入力を行って 下さい。「変更終了スイッチ」を押すとセキュリティが掛かり、

タイマー設定画面に戻ります。 ※基本的に初期設定から変更しないようお願いします。

セキュリティスイッチ

変更スイッチ

変更終了スイッチ

変更終了スイッチ

変更スイッチ

テンキー

制御値設定 スイッチ

現在値表示

セキュリティスイッチ フルスケール設定スイッチ

３－１６

②トレンド画面

２４時間分のアナログデータをトレンドグラフで見ることができます。

グラフ表示

古データ日時表示

＜本画面機能＞

名 称 説 明

グラフ表示

各測定値のアナログデータのグラフです。 アナログトレンドグラフは、右軸が 新の情報となり、左軸へ行くほど 過去のデータを表示します。一時間に１０点のデータをグラフ化し、 ２４時間分のデータが描かれています。

古データ日時表示 古のデータの取得時間が表示されます。

３－１７

２）制御盤内スイッチの説明 盤内スイッチの説明

制御盤内に以下のスイッチが配置されています。 制御盤内に以下のスイッチが配置されています。 各スイッチの名称、動作は以下のようになります。 各スイッチの名称、動作は以下のようになります。

No. No. 名 称 名 称 内 容 内 容

SS-P1 「Ｐ－１」 RO 給水ポンプ スナップスイッチ

「ＯＮ」 ・・・強制的にポンプを運転します。 「ＯＦＦ」 ・・・強制的にポンプを停止します。 「ＴＰ」 ・・・タッチパネルの操作により運転します。

【通常選択】

SS-VP1 「ＶＰ－１」 真空ポンプ スナップスイッチ

「ＯＮ」 ・・・強制的にポンプを運転します。 「ＯＦＦ」 ・・・強制的にポンプを停止します。 「ＴＰ」 ・・・タッチパネルの操作により運転します。

【通常選択】

SS-FAN 「ＦＡＮ」 盤内ファン スナップスイッチ

「ＯＮ」 ・・・ファンを運転します。 「ＯＦＦ」 ・・・ファンを停止します。

5-PIRES 「ＶＶＶＦ」 インバータ リセットスイッチ

インバータエラーが起きた場合、エラーの原因を解消した後、 このリセットスイッチを押します。

３－１８

３）警報の説明及び対応動作

警報の種類 自動対応 対 応 動 作

漏 電

警報のみ 又は

装置停止 （非常停止）

又は 主幹遮断

◎主幹ブレーカーの漏電リレーにて漏電を検知した場合、

この警報が発生します。 ・オプション設定画面上の漏電時動作選択スイッチにより

自動動作を選択します。 ・主幹ブレーカー内の漏電リレーが作動しているか確認 して下さい。（赤ランプにて確認）

・絶縁抵抗測定にて漏電の原因を調査し、処置後に リセット釦を押して復旧して下さい。

・装置停止及び主幹遮断選択時はタッチパネルのマスター

スイッチを「停止」－「運転」と操作し、再始動して 下さい。

モータートリップ／ インバータ異常

装置停止 （非常停止）

◎モーター保護用のサーマルにて設定値以上の過電流を 感知した場合、この警報が発生し、装置は停止します。

・モーターの定格電流とサーマルの設定値があっている か、又ポンプの運転電流が正常か確認して下さい。

・原因調査・対処後サーマルリレー又はインバータを リセットして下さい。

・タッチパネルのマスタースイッチを「停止」－「運転」

と操作し、再始動して下さい。

原水タンク水位低 ＲＯ給水 ポンプ 停止

◎原水タンク付属のレベルスイッチ（LS-1）が水位低 （ＬＬ）を感知した場合、この警報が発生し、ＲＯ給水

ポンプが停止します。 ・水位がＬレベルまで復帰したら、、ＲＯ給水ポンプは自動

復帰し運転を再開します。 ・原水タンクへの給水確認（電動弁・定水位弁の動作）、 装置の水バランスの確認を行って下さい。

・保安フィルター、活性炭フィルターに目詰まりが無いか

確認して下さい。

漏 水 （漏水センサ有の場合）

装置停止 （非常停止）

◎キャビネット内で水漏れが発生し、漏水センサが働いた

とき、この警報ランプが点灯し、装置は停止します。 ・止水後、キャビネット内の漏水個所の確認と原因個所の

補修を行い、タッチパネルのマスタースイッチを「停止」

－「運転」と操作し、再始動して下さい。 ・漏水センサに異常がないか、確認して下さい。

表示器付コントローラ 電池低 警報のみ

◎表示器付コントローラのバッテリーが低下した場合、 この警報が発生します。

・バッテリーを交換して下さい。

表示器付コントローラ 異常

内容に より

装置停止

◎表示器付コントローラに異常が発生した場合、この警報

が発生します。 ・タッチパネル警報履歴画面の TP エラー詳細確認スイッ

チ又は専用ツールでエラー番号を調査し、表示器付コン

トローラ取扱説明書にてエラー内容を確認して下さい。

３－１９

警報の種類 自動対応 対 応 動 作

ＫＣＤＩ入口圧力高 装置停止 （非常停止）

◎ＫＣＤＩ入口圧力（PS-1）が設定値以上になった場合、

この警報が発生し、装置は停止します。圧力が正常値に

戻ったことを確認した後、タッチパネルマスタースイッ

チを「停止」－「運転」と操作し、再始動して下さい。

・圧力スイッチ（PS-1）の設定値、作動状況の確認と、 ユースポイントの使用状況確認をして下さい。

・処理水送水ラインが締め切りとなっていないか確認して

下さい。 ・ＫＣＤＩの目詰まりが起こっていないか確認して下さい。

（S-13 に圧力計を仮設）

ＫＣＤＩ入口圧力低 装置停止 （非常停止）

◎ＫＣＤＩ入口圧力（PS-1）が設定値以下になった場合、

この警報が発生し、装置は停止します。圧力が正常値に

戻ったことを確認した後、タッチパネルマスタースイッ

チを「停止」－「運転」と操作し、再始動して下さい。

・圧力スイッチ（PS-1）の設定値、作動状況の確認と、 ユースポイントの使用状況確認をして下さい。

・ＲＯ給水ポンプが正常動作している確認して下さい。 ・装置内で水漏れが起こっていないか確認して下さい。 ・ＲＯ膜の目詰まりが起こっていないか確認して下さい。

ＲＯ処理水水質低 警報のみ

◎ＲＯ処理水水質（CIA-1）が設定値以上になった場合、 この警報が発生します。

・運転圧力の低下、給水水質の変動、水質計の故障（電極

の汚れ、劣化）等を確認して下さい。 ・ＲＯ膜、活性炭フィルターが劣化していないか確認して

下さい。 ・ポータブルで測定し、誤差があれば校正を実施して下さ

い。

ＫＣＤＩ処理水水質低 警報のみ

◎ＫＣＤＩ処理水水質（RIA-1）が設定値以下になった場合、

この警報が発生します。 ・ＫＣＤＩ運転電流、電圧が適正であるか確認して下さい。

・通水圧力、流量が変化していないか確認して下さい。 （S-10 に圧力計を仮設）

・ポータブルで測定し、誤差があれば校正を実施して下さ

い。

ＲＯ処理水温度異常 警報のみ

◎ＲＯ処理水温度（TIC-1）が設定値 H 以上、又は L 以下

になった場合、この警報が発生します。 ・インバータのコントロール状態を確認して下さい。 ・計器が正常に動作しているか確認して下さい。

非常停止入力 装置停止 （非常停止）

◎タッチパネルの非常停止スイッチ長押しにより非常停止

した場合、この警報が発生し、装置は非常停止します。

・再始動する場合は、タッチパネルマスタースイッチを 「停止」－「運転」と操作して下さい。

瞬 停 停止状態 継続

（非常停止）

◎オプション設定画面の瞬停再起動「無」を選択した場合、

停電により装置停止後、復電した時、自動再起動しませ

ん。その時にこの警報が発生します。 ・再起動する場合、タッチパネルのマスタースイッチを 「停止」－「運転」と操作して下さい。

３－２０

警報の種類 自動対応 対 応 動 作

CF 膜交換 警報のみ ◎CF 膜の交換時期が近づいていることを知らせます。 膜交換の目安として下さい。 前回交換日より３６５日経過で発生します。

RO 膜交換 警報のみ ◎RO 膜の交換時期が近づいていることを知らせます。 膜交換の目安として下さい。 前回交換日より７３０日経過で発生します。

KCDI フィルター交換 警報のみ

◎KCDI フィルターの交換時期が近づいていることを 知らせます。 フィルター交換の目安として下さい。 前回交換日より１４６０日経過で発生します。

３－２１

４）初期設定値

初期納入時のデータ設定値です。運転状況により設定変更することは可能ですが、問題発生時 の原因究明及び対策検討の為に、弊社に変更履歴を提示出来る様に運用お願い致します。

履歴項目：変更日時、タイマー設定№、変更前設定値、変更後設定値、変更理由、変更者名

①タッチパネル、タイマー設定画面

№ タイマー項目 初期設定値 インターロック 000 停止 － 001 － 002 ＲＯ運転 20 秒 タイマー経過後次 STEP に移行

003 ＲＯ水質チェック 2 分 CIA-1：H 以下で次 STEP に移行 設定時間後、警報発生

004 ＲＯ出口弁開 10 秒 タイマー経過後次 STEP に移行

005 ＫＣＤＩ入口圧力チェック 5 秒 PS-1：L 以上 H 以下で次 STEP に移行 設定時間後、警報発生・装置非常停止

006 ＫＣＤＩ運転 10 秒 タイマー経過後次 STEP に移行

007 ＫＣＤＩ水質チェック 5 分 RIA-1：L 以上で次 STEP に移行 設定時間後、警報発生

008 送水 － タイマー設定なし 009 循環 10 分 タイマー経過後次 STEP に移行 010 送水停止 5 秒 タイマー経過後次 STEP に移行 011 ＫＣＤＩ停止 5 秒 タイマー経過後ＫＣＤＩ停止 012 － － 013 満水待機 5 時間 自動フラッシング有の場合有効 014 非常停止 － タイマー設定なし 015 ＫＣＤＩ入口圧力高 1 秒 016 ＫＣＤＩ入口圧力低 5 秒 017 ＲＯ処理水水質低 120 秒 018 ＫＣＤＩ処理水水質低 120 秒 019 ＲＯ処理水温度異常 10 秒 020 漏水検知 2 秒 漏水センサ有の場合 021 真空ポンプ停止遅延 3 秒 022 ブザー停止 30 秒

②タッチパネル、アナログ設定画面

機器№ 機器名称 初期設定値 備考 CIA-1 ＲＯ処理水導電率 Ｈ：1.0 mS/m RIA-1 ＫＣＤＩ処理水比抵抗 Ｌ：5.0 ＭΩ・cm TIC-1 ＲＯ処理水温度 Ｈ：35℃

Ｌ：10℃

３－２２

３．初期の運転準備

１）ユーティリティの確認

「第２章 設計基準」の「第２項 ユーティリティ条件」の項を参照し、十分なユーティリ ティの供給があるか確認して下さい。 また、各装置間の配管、配線接続及びユース側の準備がなされていることを確認して下さい。

２）各スイッチの確認

●制御盤内スナップスイッチが以下の通りであることを確認します。

●P-1【SS-P1】 ····················· ＯＦＦ ●VP-1【SS-VP1】 ·················· ＯＦＦ

●以下のブレーカーをＯＮとします。

●MCB-0 ··························· ＯＮ（主幹）

●タッチパネルの個別操作スイッチが以下の通りであることを確認します。

●P-1 ＲＯ給水ポンプ ·············· 停止

●VP-1 真空ポンプ ················· 停止 ●KCDI ·························· 停止 ●MV-1 原水入口弁 ················· 閉

●MV-2 ＲＯ出口弁 ················· 循環 ●MV-3 KCDI 出口弁 ··············· 循環（オプション）

３）タッチパネル設定値の確認

●タッチパネルのタイマー設定画面・アナログ計測画面で各設定値が正しいことを確認します。 （タッチパネルの画面、操作手順、設定値の詳細は､本章の「タッチパネル画面の説明」を 参照して下さい｡）

４）電動弁の開閉テスト

●タッチパネルの個別操作スイッチで、電動弁の開閉テストを行います。 作動が正常であることを確認します。

●開閉が正常であれば「自動」に設定します。

５）手動弁の開閉確認

以下手動弁の開閉状態の確認を行って下さい。

バルブ番号 名称 開閉状態

V-1 原水入口弁 開

V-11 ＲＯ濃縮水出口弁 開

S-1A/B,10,11,12,13 各サンプリング弁 閉

３－２３

６）サーマル設定及びポンプ回転方向の確認

●サーマルの設定を行います。以下の表を参考にして設定及び確認を行います。 各型式とも共通です。（ＲＯ給水ポンプはインバータ Pr.9 で設定します。） ※実機のラベル表示値を必ず確認願います。 ポンプメーカーにて予告無し変更（高効率化など）の可能性があります。

ＲＯ給水ポンプ 真空ポンプ

50/60Hz(200V) 60Hz(220V) 50Hz(200V),60Hz(200/220V) モーター電気容量 (A) 8.45 7.9 3.8 サーマル設定範囲 (A) （電子サーマル） 2.8 ～ 4.2A 工場出荷時設定値 (A) 8.45 7.9 3.8

●制御盤内の RO 給水ポンプスナップスイッチ[SS-P1]を、一瞬『OFF』→『ON』→『OFF』

とし、モーターの回転方向を確認します。 （回転方向は、モーターに貼ってある矢印の方向が正回転です。）

注意 モーターの回転方向が逆の場合は、必ず元電源を切り、電源コード

３本のうち２本を入れ替え、再度回転方向の確認をして下さい。 ＜電源コードの入れ替えの際に元電源を切って行わないと、感電 することががあり危険です。＞

！

＊＊＊注記＊＊＊ 逆回転で運転するとポンプの性能を十分発揮できないばかりでなく故障の原因となります。

●回転チェックが終わったら、スナップスイッチを『TP』にします。 ●真空ポンプも同様に、スナップスイッチ[SS-VP1]で確認します。

３－２４

７）ＫＣＤＩの印加電流、電圧

初期運転時はＫＣＤＩの電流、電圧値を設定する必要があります。設定は直流電源器で以下の 手順にて行って下さい。

①制御盤内の電源ブレーカー、「ＤＣ電源」のスナップスイッチをＯＮとします。 ②ＫＣＤＩ給水水質より印加電流値を計算します。（計算方法は下記参照） ③直流安定化電源器の印加電圧値（ 大値）、印加電流値（計算値）の設定を行います。 ④まず、印加電圧値（ 大値）の設定を行います。「Ｖ」ランプが点灯し、VOLTS 表示部が 「FA_V」を表示するまで電流電圧切替(V/A)ボタンを押します。「FA_V」が表示されたら 調節ツマミを廻し、印加電圧値（ 大値）を 50V に設定します。 （印加電圧値の微調整は「Ｖ」ランプが点灯し、VOLTS 表示部が「SA_V」を表示する まで、電流電圧切替(V/A)ボタンを押したあと、調節ツマミを廻します。）

⑤次に、印加電流値の設定を行います。「Ａ」ランプが点灯し、VOLTS 表示部が「FA_A」 を表示するまで電流電圧切替(V/A)ボタンを押します。「FA_A」が表示されたら調節ツマミ を廻し、計算した印加電流値に設定します。 （印加電流値の微調整は「Ａ」ランプが点灯し、VOLTS 表示部が「SA_A」を表示する まで、電流電圧切替(V/A)ボタンを押したあと、調節ツマミを廻します。）

⑥ 後に自動スタートモードに設定を行います。このモードは、電源のＡＣ入力遮断する 直前の設定値、及び出力がＯＮの状態で復帰させます。このモードを選択するには、 「OUT」ボタンを押し続けて下さい。約３秒後、表示は「AS ON」（自動スタート ON） と「AS OFF」（自動スタート OFF）が約３秒毎に繰り返されます。「AS ON」表示の時 に「OUT」ボタンを離すと電源を自動モードに設定します。

印加電流、電圧許容値 項 目 数 値 ① 電流効率（EFF）値※1 標準 15％ （10～15％） ② 印加電流値 ※2 DC 3.0Ａ以下 ③ 印加電圧値 ※3 標準許容値 (at 25℃) DC 50 V 以下

④ 直流安定化電源器 ※4 定電流制御 印加電流リミット制御、電圧はリミッターを設定

注記：１．上記値を越えた場合は、劣化やスケールが発生する可能性があり、モジュール交換と

なる場合があります。 ２．現場にて運転開始安定後、処理水水質を保証値内で低めに下げ抑えておく場合は電流

効率 15～25％でも可とする。これは印加電圧も低く抑える方向となる。 ３．電流値が少なすぎる（電流効率値が大きすぎる）場合は、処理水水質低下方向となる。

３－２５

※１ EFF（電流効率）： 単位：％単位：％

実際に印加する電流値に対して、給水イオン負荷を除去するのに必要な電流値が占める割合。 実際に印加する電流値に対して、給水イオン負荷を除去するのに必要な電流値が占める割合。 余剰に電流を印加するほど、電流効率は低くなる。 余剰に電流を印加するほど、電流効率は低くなる。

※２ 印加電流値（Ｉ）算出方法は次の通り。 単位：Ａ ※２ 印加電流値（Ｉ）算出方法は次の通り。 単位：Ａ 13.1×当量導電率（mS/m）×処理水量（m3/h）／60×1000／4 13.1×当量導電率（mS/m）×処理水量（m3/h）／60×1000／4 EFF 値（％） EFF 値（％） 印加電流値（Ｉ）＝

当量導電率（mS/m）＝ 電気導伝率（mS/m at 25℃）＋ CO2濃度（mg/L at CO2）×0.266 当量導電率（mS/m）＝ 電気導伝率（mS/m at 25℃）＋ CO2濃度（mg/L at CO2）×0.266

＋ SiO2濃度（mg/L at SiO2）×0.194 ＋ SiO2濃度（mg/L at SiO2）×0.194 ※３ 印加電圧値（推奨初期値） ※３ 印加電圧値（推奨初期値）

50V 以下 50V 以下 印加電圧値（Ｖ20）予測値算出方法（目安、水温 20～25℃時） 印加電圧値（Ｖ20）予測値算出方法（目安、水温 20～25℃時） 印加電圧（Ｖ20）＝Ｉ×Ｒ 印加電圧（Ｖ20）＝Ｉ×Ｒ Ｉ：前述にて算出した印加電流値（Ａ） Ｉ：前述にて算出した印加電流値（Ａ） Ｒ：20Ω Ｒ：20Ω

（水温低下による電流値低下分を印加電圧値上昇で補う場合は、表１温度換算係数表を （水温低下による電流値低下分を印加電圧値上昇で補う場合は、表１温度換算係数表を 用い目安電圧値を算出すること。） 用い目安電圧値を算出すること。）

※４ 電流効率 10％未満及び許容電圧値以上にならないように、印加電圧及び印加電流出力に ※４ 電流効率 10％未満及び許容電圧値以上にならないように、印加電圧及び印加電流出力に リミットをかけておくこと。 リミットをかけておくこと。

表１． 温度換算係数表 表１． 温度換算係数表

温度[℃] 温度[℃] TCF(t℃) TCF(t℃) 温度[℃] 温度[℃] TCF(t℃) TCF(t℃) 9 0.7465 20 1.0000 10 0.7685 21 1.0245 11 0.7905 22 1.0492 12 0.8129 23 1.0739 13 0.8356 24 1.0993 14 0.8583 25 1.1245 15 0.8813 26 1.1503 16 0.9045 27 1.1761 17 0.9281 28 1.2022 18 0.9518 29 1.2286 19 0.9758 30 1.2252

８）初期の水漏れ確認

装置の運転初期には、装置の上部カバー・前面カバーを外し運転中に水漏れが無いか確認を 行って下さい。（運転方法は次項を参照下さい。） 水漏れがあった場合は、配管の増し締め、チューブフィッティングのチェックを行って下さい。

注記．装置の運送中の振動などにより、配管が緩む可能性がありますので、装置運転前には 必ず増し締め、水漏れチェックを必ず行って下さい。

３－２６

４．運転操作

通常では、「運転・停止」はタッチパネルの操作だけで行われますが、本項では装置の運転条件

の確認等の基本動作も含めて記してあります。制御関係の詳細は、第３章 第２項「制御盤の説明」 を参照して下さい。尚、長期停止する場合は、第４章 第６項「長期停止をする場合」を参照して 下さい。

〔（運転準備） → 運転開始 → 水バランスと → ユースポイントでの水使用開始〕

水質をチェック

【通水開始】

通常は、自動にて運転して下さい。

１）自動運転

①タッチパネル操作スイッチ画面にあるマスタースイッチの「運転」を長押します。 ②運転ランプが点滅します。 自動で原水入口弁(MV-1)が開き、水位をチェックしてインバータがＯＮになり、原水ポンプ が運転します。 その後、ＲＯ処理水水質をチェックしてＲＯ出口弁(MV-2)が開き、直流安定化電源がＯＮ します。その後、ＫＣＤＩ処理水水質をチェックして、送水が開始されます。 原水ポンプは送水温度により周波数コントロールしています。

③運転ランプが点灯します。

注１．原水槽水位低になっている場合は「運転」をＯＮにしても、原水槽以降の通水は開始 されません。又、警報が鳴りますので「警報確認」で警報を止めて下さい。 その後、所定の水位になったら自動的に通水が開始されます。

☆運転中、警報が発生した場合は第４章 ３項トラブルの原因と対策を参照して対応下さい。

注２．運転中に「非常停止」行程に移行し、装置が停止した場合、自動起動しません。

該当の警報と対応項目を参照し、異常原因を取り除いた後、マスタースイッチ「停止」 を押すと、「非常停止」から「停止」行程に移行し、下記「停止する場合は③」の状態 となります。

停止する場合は

①タッチパネル操作スイッチ画面にあるマスタースイッチの「停止」を長押します。 ②停止ランプが点滅します。 自動で直流安定化電源、インバータがＯＦＦになり、ＲＯ給水ポンプが停止し、ＲＯ出口 弁(MV-2)が循環側に切り替わり、原水入口弁(MV-1)が閉まります。

③停止ランプが点灯します。

注３．長期装置停止時、配管内の水質（導電率又は比抵抗）が自然に低下することにより、 タッチパネルに「PGEF130 入力データ異常」のメッセージが表示されることがあり ます。（タッチパネルの機能制約上のアナログ信号入力レンジオーバーの意味。） 自動制御的には問題無い為、メッセージを×キーで閉じて下さい。 実際の水質と、通常通り自動運転できることを確認して下さい。

３－２７

３－２８

２）手動運転（完全手動操作）

手動では、水質、圧力、流量、水位における警報が働きませんので注意して下さい。 通常時は手動運転を行わないで下さい。 ①タッチパネル個別操作画面の個別スイッチを、各々任意に手動で操作して下さい。 （「タッチパネルの説明」を参照して下さい。）

②フローシート等により水の流れを十分理解した上で、必要な機器の ON-OFF 又は運転を 行って下さい。

＊＊＊注記＊＊＊ ポンプ類、ＫＣＤＩ等を無通水状態で運転していると、空焼き等を起こし危険です。

３）外部入力信号による自動運転

自動運転は以下の条件により、運転・停止をします。

①外部運転指令入力条件 「運転中」になっていれば、この信号により運転を開始します。 ②外部入力信号による自動運転 ○処理水槽レベル信号ＨＨ入力で待機ランプが点滅し、自動停止した後点灯します。 ○処理水槽レベル信号Ｈ入力で運転ランプが点滅し、自動運転した後点灯します。

４）自動フラッシング

処理水槽の満水待機が長く続く場合、ＲＯ、ＫＣＤＩ内の水の入れ替えの為、満水待機 タイマー（初期設定：５時間）経過後、強制的に通水します。通水中は処理水が送水されます。

処理水側等の条件により、処理水側に送水したくない場合は、ユニット後段に自動三方弁（MV-3、 規格手配範囲外）の設置が必要です。

自動フラッシング間隔を変更したい場合は試運転時に設定の変更を行って下さい。 （設定の変更方法は「タッチパネルの説明：タイマー画面」を参照して下さい。）

第４章 管理の要点 １．定期点検項目

点検項目 点検頻度 内 容

水質分析 １回／３ヶ月 ●給水、ＲＯ脱塩水、ＫＣＤＩ処理水の水質分析を行います。

残留塩素 １回／週 ●原水と原水槽の残留塩素の測定をします。

ＲＯ膜 １回／３ヶ月 ●定期点検を行い、目詰まり、水質悪化を生じている場合は、

交換します。

脱気膜 １回／３ヶ月 ●スケーリングなどが生じた場合は、交換します。

ＫＣＤＩ モジュール １回／３ヶ月 ●スケーリングなどが生じた場合は、交換します。

ＲＯ給水ポンプ １回／年 ●定期的に点検を行い、３年目を目安に内部部品等の交換を 行います。

真空ポンプ １回／年 ●定期的に点検を行い、３年目を目安に交換を行います。

水質計 １回／年 ●清掃点検により、３年を目安に交換します。

圧力センサ １回／年 ●点検校正を行い、異常があれば修理もしくは交換を行います。

３年を目安に交換します。

流量計 １回／年 ●清掃点検を行い、異常があれば修理もしくは交換を行います。

モーターバルブ １回／年 ●点検を行い、異常があれば修理もしくは交換を行います。

動力制御盤 １回／年 ●端子の増締め、絶縁抵抗の測定等を行います。

４－１

２．消耗品の標準交換サイクル

消 耗 品 交換頻度 内 容

保安フィルター （ＭＦ）

１回／ １～３ヶ月

●装置の使用条件により異なりますが、一般に左記頻度で 交換することをお奨めします。

活性炭フィルター

（ＡＣＦ） １回／１年 ●装置の使用条件により異なりますが、一般に左記頻度で 交換することをお奨めします。

ポンプ メンテナンス １回／１年 ●メカシールの交換等、左記頻度で交換する事をお奨め

します。

ＲＯ膜 １回／２年 ●装置の使用条件により異なりますが、一般に左記頻度で 交換することをお奬めします。

脱気膜 １回／２年 ●装置の使用条件により異なりますが、一般に左記頻度で 交換することをお奬めします。

ＫＣＤＩ モジュール １回／３年 ●装置の使用条件により異なりますが、一般に左記頻度で

交換することをお奬めします。

配管チューブ １回／３年 ●装置の環境条件により異なりますが、左記の頻度で交換 することをお奬めします。

水質センサ １回／３年 ●一般に左記頻度での交換をお薦めします。

直流安定化電源 １回／３年 ●一般に左記頻度での交換をお薦めします。

※ 保安フィルターが詰まると「原水槽水位低」の重警報を発生して、自動復帰しません。 ※ 交換頻度目安は主に標準寿命年月を基にしたもので、もし期間内でも原水水質、運転状況等

により性能が確保出来なくなれば、その都度交換等を実施して下さい。

注記：上記以外に、消耗品として次の物があります。 弁類、計器類、表示器付コントローラ、パッキン、小物部品、etc.

４－２

３．トラブルの原因と対策

運転上、異常がありましたら状況に応じて、以下の対処を実施して下さい。 該当する項目が無い場合、又調整等を実施しても改善されない場合は、運転状況を再度確認 いただいた上で弊社担当者にご連絡下さい。

①使用に関して発生した場合

症 状 想 定 原 因 対 処 １．ポンプが運転しない。 電源が入っていない →

・一次側電源 ・装置内制御盤内ブレーカー ・制御スイッチ

電源を入れる

インバータ異常が発生している→ インバータエラーの内容をイン

バータの取説にて確認後、修復

し、問題解決したらマスター スイッチを「停止」→「運転」

と長押しする ２．運転スイッチを押しても

装置が反応しない。 （通常運転にならない）

①処理水槽が満水位待機に入って

いる ※１ ・タンクの水位の変動により、

自動的に通常運転に戻る。 ②警報が出ている ・警報修復し、リセットする。

③漏電している ・漏電個所の修理をする。

３．ＲＯ脱塩水の水質が低下 してきている。

①残留塩素のリーク →

原水タンクより採水したＲＯ原

水の残留塩素が 0.05ppm 以上 ある

・ＲＯ洗浄

②原水水質、水温の変動 運転データ確認 ③膜の寿命（２年以上使用） 交換

４．ＲＯ脱塩水の水量が低下 してきている。

①スケール等の発生 ②水温の低下 １０℃未満 ③ＫＣＤＩの圧力変動 ＫＣＤＩの運転状況確認

５．ＫＣＤＩ生産水の水質が 低下してきている。

①ＲＯ脱塩水水質低下 ②残留塩素のリーク 原水タンクより採水したＲＯ原

水の残留塩素(遊離塩素又は結合

塩素)が 0.05ppm 以上ある

活性炭フィルター、ＲＯ、 ＫＣＤＩ交換

③ＣＯ２の影響 ＲＯ原水のＣＯ２を測定 （原水タンクより採水）

④ＫＣＤＩの寿命（３年以上使用） ＫＣＤＩ交換 ⑤直流安定化電源の寿命 （３年以上使用）

直流安定化電源の交換

６．ＫＣＤＩ生産水の水量が 低下してきている

①ＲＯ生脱塩の水量が低下 ②スケール、バクテリア （薬品洗浄） ③残留塩素のリーク 原水タンクより採水したＲＯ原

水の残留塩素（遊離塩素又は結

合塩素）が 0.05 ppm 以上ある

活性炭フィルター、ＲＯ、 ＫＣＤＩ交換

※１ 処理水槽満水待機・・・処理水槽の水位が満水で、装置が一時停止している状態。 規定の水位に達すると自動的に運転再開。

４－３

４．メンテナンス計画表

装置を正しく、安全に、末永く使用していただくためには、メンテナンスが必要不可欠と

なります。 本装置が納入された際には、添付のメンテナンス計画書を参考にされ、本装置以外の周辺

機器も含め、装置のメンテナンスをご計画下さい。 ５．廃棄物処理について

●廃棄物処理法では、「事業者は自己の事業活動に伴って生じた廃棄物（産業廃棄物）を自己の 責任と費用で、適性に処理する責任を負うこと。」が原則とされています。

●産業廃棄物の処理を他人に委託する場合は、都道府県知事から許可を得ている専門の廃棄物処 理業者に委託することが法律で定められています。

４－４

４－５

６．長期停止をする場合

一次電源を長期間（１０日間）ＯＦＦする場合、膜への微生物発生及び膜の乾燥などにより、

ＲＯ膜、ＫＣＤＩの性能劣化の危険があるため、事前に（出来るだけ早く）弊社に御連絡の上、 下記の処置をして下さい。 尚、下記の内容を実施する場合は、装置及びフロー等について十分理解している必要があります

ので、作業については必要に応じ有償にて弊社でも実施させて頂きます。御相談下さい。

［一般例］

１．長期停止直前 （ ）値は連続停止期間目安

・ＲＯ、ＫＣＤＩ ・・・・・ 薬品封入（１４日以上）、密封 ・活性炭フィルター ・・・・ フィルターの抜き取り、処分（２ヶ月以上） ・タンク類 ・・・・・・・・ 水抜き

２．再通水前

・タンク類 ・・・・・・・・ ブロー又は薬品洗浄 ・活性炭フィルター ・・・・ 交換（２ヶ月以上） ・保安フィルター類 ・・・・ エレメント交換 ・ＲＯ、ＫＣＤＩ ・・・・・ 押し出し洗浄、ＲＯフラッシング

３．通水開始

・水漏れ等がないか確認 ・ＲＯ、ＫＣＤＩ生産水等の水質を確認 ・運転データに異常な点がないか確認 ・その他、装置全体に異常な点がないか確認

注：ユース側で水を使用される前には、十分、配管フラッシング等を実施して下さい。

メンテナンス計画表

装置名：クリテノン SH 型

Ｎｏ．１

機 器 名 メンテナンス内容 数量 計画頻度 備 考

１．本体

① 活性炭フィルター エレメント交換 2 本 1 回／1 年

② 保安フィルター エレメント交換 1 本 1 回／2 週間メンテナンス頻度は使用状況

によって決定

ハウジングＯリング交換 1 式 1 回／6 ヶ月

③ ＲＯ膜 膜交換 本 1 回／2 年 メンテナンス頻度は使用状況

によって決定

（標準：3 本） （オプション：2 本）

ブラインシール（ＲＯ膜）交換 ヶ 1 回／2 年 ＲＯ膜交換時に交換

Ｏリング交換 （ｲﾝﾀｰｺﾈｸﾀｰ、ﾌﾞﾛﾀﾞｸﾄｷｬｯﾌﾟ） 式 1 回／2 年 ＲＯ膜交換時に交換

Ｏリング交換 （ＲＯベッセル） 式 1 回／2 年 ＲＯ膜交換時に交換

④ 脱炭酸膜 交換 1 本 1 回／3 年 メンテナンス頻度は使用状況

によって決定

⑤ ＫＣＤＩ ＫＣＤＩモジュール交換 1 台 1 回／4 年 メンテナンス頻度は使用状況

によって決定

定期点検（水質分析、運転 データ、外観の確認） 1 台 1 回／1 年

⑥ ＲＯ高圧ポンプ 定期点検（流量、圧力、電流値、

絶縁抵抗測定） 1 台 1 回／1 年

【P-1】 消耗品（ﾓｰﾀｰﾍﾞｱﾘﾝｸﾞ、ﾒｶﾆｶﾙｼｰﾙ）

交換 1 式 1 回／2 年

メンテナンス計画表

装置名：クリテノン SH 型

Ｎｏ．２

機 器 名 メンテナンス内容 数量 計画頻度 備 考

⑦ 真空ポンプ 定期点検（流量、圧力、電流値、

絶縁抵抗測定） 1 台 1 回／1 年

【VP-1】 消耗品（V-ﾘﾝｸﾞ、ﾒｶﾆｶﾙｼｰﾙ） 交換 1 式 1 回／2 年

⑧ 二方電動弁 作動チェック 1 台 1 回／1 年

【MV-1】 本体交換 1 台 1 回／2 年

⑨ 三方電動弁 作動チェック 1 台 1 回／1 年

【MV-2】 本体交換 1 台 1 回／2 年 メンテナンス頻度は使用状況

によって決定

⑩ 手動弁 Ｏリング等交換 1 式 1 回／3 年 メンテナンス頻度は使用状況

によって決定

⑪ 原水タンク 清掃点検 1 基 1 回／1 年

【T-1】

⑫ チューブ継手 増し締め、点検 1 式 1 回／1 年

交換 1 式 1 回／5 年 メンテナンス頻度は使用状況

によって決定

⑬ 水質計 クロスチェック 2 台 1 回／1 年

【CIA-1,RIA-1】 センサ交換 2 台 1 回／3 年

メンテナンス計画表

装置名：クリテノン SH 型

Ｎｏ．３

機 器 名 メンテナンス内容 数量 計画頻度 備 考

⑭ レベルスイッチ 作動チェック 1 台 1 回／1 年

【LS-1】 交換 1 台 1 回／5 年

⑮ 圧力スイッチ 動作確認 1 台 1 回／1 年

【PS-1】

メンテナンス計画表

装置名：クリテノン SH 型

Ｎｏ．４

機 器 名 メンテナンス内容 数量 計画頻度 備 考

２．制御盤

① 制御盤本体 盤内状況確認（腐食・温度） 1 式 1 回／1 年

動力回路端子増し締め 1 式 1 回／1 年

絶縁抵抗測定 1 式 1 回／1 年

マグネットスイッチ、MCB、 補助リレー交換 1 式 1 回／5 年

DC 電源ユニット交換 1 式 1 回／5 年

直流安定化電源装置交換 1 台 1 回／5 年

② シーケンサ・ タッチパネル

表示器付コントローラ、 アナログ入力モジュール交換 1 式 1 回／7 年

タッチパネル用バックライト 交換 1 式 1 回／3 年

③ インバータ 冷却ファン交換 1 式 1 回／3 年

平滑コンデンサ交換 1 式 1 回／5 年

プリント基盤交換 1 台 1 回／5 年

ヒューズ交換 1 式 1 回／10 年

④ プログラム内容確認 タイマー、バックアップ出力等 1 式 1 回／1 年

クリテノン ＳＨ型 運転記録表

年月日

ＲＯ 処理水 導電率

ＫＣＤＩ 処理水 比抵抗

ＲＯ 処理水 温度

純水水量

ＫＣＤＩ

入口 圧力

原水槽 残留塩素

継手 緩み

回転 機器の 異音

CIA-1 RIA-1 TIC-1 FI-1 PS-1

mS/m MΩ･cm ℃ L/min kPa ppm 有無 有無