幼児教育の現状と課題について - youchien.com · 12030年以降の社会像...

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幼児教育の現状と課題について 文部科学省初等中等教育局 幼児教育課長 森友 浩史 都道府県政策担当者会議 2030年以降の社会像 幼児教育無償化に係る最近のトピック 幼児教育無償化を踏まえて 新制度の5年後見直しについて 令和2年度概算要求について 1 utline

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幼児教育の現状と課題について

文部科学省初等中等教育局幼児教育課長 森友 浩史

都道府県政策担当者会議

1 2030年以降の社会像

2 幼児教育無償化に係る最近のトピック

3 幼児教育無償化を踏まえて

4 新制度の5年後見直しについて

5 令和2年度概算要求について1

Outline

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年代 トピック 主要業種 我が国の産業界の対応

1945~1960年代

戦後復興⇒高品質な製品を志向

鉄鋼船舶

【重点分野を官民挙げて育成】

鉄鋼などの重点分野で、能率や生産コストの良好な企業に資源を集中し、国際競争力を強化。戦略的な重点投資の結果、安価に高品質な製品を生産する技術を確立。重厚長大型産業が輸出商品として台頭。

1970年代 オイルショック(1973年)⇒エネルギー効率の向上

電機自動車

【省エネルギーの進展と素材産業から加工組立型産業へのシフト】

欧米から導入した技術に、日本独自の改良を加え新商品を開発。新たな製造・工程管理・品質管理技術の整備により生産性が向上。エネルギー制約への対応はその動きを強め、自動化・省力化進展の結果、カラーテレビ、半導体、自動車等の分野で日本が躍進。特に北米市場で小型車分野のシェア拡大。

1980年代 プラザ合意(1985年)⇒価格競争力の向上

自動車 【海外進出を積極的に展開】

日米摩擦、円高への対応として、従来の輸出中心型のモデルから転換し、現地生産の拡大へ。安い人件費を求めて、我が国企業のアジア進出が一層加速。

(出典)2012年版ものづくり白書

我が国の産業界は、様々な社会変動(戦後復興、オイルショックなど)を乗り越え、経済成長を実現してきた歴史と能力を持っている。

我が国の経済成長を支えてきた産業界の変革

2

世界のGDPに占める日本の割合について、2011年時点では6.7%だったが、2030年には4.2%に低下するとの予測があり、世界経済における地位の低下を食い止めることが必要

アメリカ

22.7%

日本

6.7%

ユーロ圏

17.1%

他の

OECD諸国

18.2%

その他

11.7%

中国

17.0%

インド

6.6%

2011アメリカ

17.8%

日本

4.2%

ユーロ圏

11.7%

他の

OECD諸国

15.3%

その他

12.0%

中国

27.9%

インド

11.1%2030

(出典)「Looking to 2060:Long-term global growth prospects」(OECD)

世界のGDPに占める日本の割合

3

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15.7 16.8 17.2 19.4 19.6

3.5 4.8 5.35.6 5.5

8.7 7.46.2 5.7 6.1

21.8 21.0 19.6 17.7 18.5

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

1994 1999 2004 2009 2014

農林水産業鉱業製造業建設業電気・ガス・水道業卸売・小売業金融・保険業不動産業運輸業情報通信業サービス業その他

(出典)「国民経済計算確報」(内閣府)

我が国の産業構造は、製造業・建設業から情報通信業・サービス業へシフトしはじめている今後もSociety5.0の進展により、製品やサービスをAIやビッグデータを活用して生産性や付加価値を高める方向(モノとサービスの融合)にシフトすることは明らか

約19%

約25%

名目GDPに占める産業別割合の推移

4

10~20年後に、日本の労働人口の約49%が、技術的には人工知能やロボット等により代替できるようになる可能性が高いとの推計結果が出ている。

人工知能やロボット等による代替可能性が高い労働人口の割合(日本、英国、米国の比較)

(出典)2015年12月2日株式会社野村総合研究所News Release

※ 日本データは、株式会社野村総合研究所と英オックスフォード大学のマイケル A. オズボーン准教授及びカール・ベネディクト・フレイ博士との共同研究(2015年)米国データは、オズボーン准教授とフレイ博士の共著”The Future of Employment”(2013年)英国データは、オズボーン准教授、フレイ博士、デロイトトーマツコンサルティング社による報告結果(2014年)から採っている。

※ 日本データは国内601種類の職業について、それぞれ人工知能やロボット等で代替される確率を試算。

人工知能やロボット等による代替可能性が高い労働人口の割合

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電話販売員(テレマーケター)、物品の販売員、レストランやラウンジ、コーヒーショップの店員、レジ係保険引き受け時の審査担当、保険金請求時の審査担当、自動車保険鑑定人クレジットアナリスト、クレジットカードの承認、調査を行う作業員、不動産登記の審査・調査、税務申告代行者、不動産ブローカー銀行の窓口係、融資担当者、証券会社の一般事務員、簿記・会計・監査担当者コンピュータを使ったデータの収集・加工・分析、データ入力作業員、文書整理係受注係、調達係、荷物の発送・受取・物流管理係、貨物取扱人、電話オペレーター、車両を使う配達員図書館司書の補助委員、スポーツ審判員、モデル手縫いの仕立屋、時計修理工、フィルム写真の現像技術者、映写技師 など

整備・設備・修理の現場監督者、危険管理責任者内科医・外科医、看護師、歯科技工士メンタルヘルス・医療ソーシャルワーカー、 臨床心理士、カウンセラー、聴覚訓練士、作業療法士、聖職者消防・防災の現場監督者、警察・刑事の現場監督宿泊施設の支配人、セールスエンジニア心理学者、教師、保育士、栄養士、教育コーディネーター、 職業カウンセラー衣服のパターンナー、メークアップアーチスト人事マネージャー、コンピューターシステムアナリスト博物館・美術館の学芸員、運動競技の指導者、森林管理官 など

(出典)論文「雇用の未来」(オズボーン英オックスフォード大学准教授等)より

消える業務・低賃金業務=定型的業務・大量の知識の蓄積が必要な業務

残る業務=企画立案・対人関係業務

人工知能(AI)の発達により、将来の就業構造は二極化する可能性が高く、我が国の産業界においても、労働内容を変革していく必要がある

人工知能(AI)の発達により、10~20年後に消える仕事・残る仕事(予測)

6

新たな社会“Society 5.0”

Society 1.0 狩猟

Society 2.0 農耕

Society 3.0 工業Society 4.0 情報

Society5.0とは、「サイバー空間とフィジカル(現実)空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」

(内閣府作成)

Society5.0とは

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【出典】平成29年9月11日 人生100年時代構想会議資料4-2 リンダ・グラットン議員提出資料(事務局による日本語訳)より

2007年生まれの子どもの50%が到達すると期待される年齢

健康寿命が世界一の長寿社会を迎え、2007年に日本で生まれた子供は107歳まで生きる確率が50%あると言われている。人生100年時代においては、教育、雇用、退職後という伝統的な3ステージの人生モデルから、マルチステージのモデルに変わっていく。

3ステージではなくマルチステージの人生

「人生100年時代」の到来

8

自立した人間として、主体的に判断し、多様な人々と協働しながら、新たな価値を創造する人材の育成

「Society5.0」「人生100年時代」

第3期教育振興基本計画(平成30年6月15日閣議決定)

「人づくり革命」、「生産性革命」の一環として、教育を通じて一人一人の「可能性」と「チャンス」の最大化を目指す!

※計画期間:平成30(2018)年度-平成34(2022)年度

Ⅰ PDCAサイクルを確立し、十分に機能させる

Ⅱ EBPMを推進する体制を構築する

・「測定指標・参考指標」の設定による目標の明確化

・自治体での先進事例共有、担当職員の育成・政策評価との連動を含む、フォローアップ体制強化

・「総合教育政策局(仮称)」を新設し、総合的・客観的な政策推進

・「政策調査課(仮称)」を同局内に新設。

○ 我が国における今後の教育政策の方向性

○ 今後の政策遂行に当たって特に留意すべき視点 客観的な根拠を重視した教育政策の推進

[主な施策]初等中等教育関連

新教育要領、新学習指導要領の実施アクセス機会の確保外国語教育の強化情報教育・ICT活用の充実

高等教育関連高大接続改革 教育の質の保証大学の基盤強化 大学の連携・統合等リカレント教育の拡充 アクセス機会の確保

今後5年間の教育政策の方向性

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1 2030年以降の社会像

2 幼児教育無償化に係る最近のトピック

3 幼児教育無償化を踏まえて

4 新制度の5年後見直しについて

5 令和2年度概算要求について10

Outline

私学助成園における給食費と消費税の関係について

特定教育・保育施設ではない幼稚園における食事の提供に要する費用については、授業料(保育料)として一体的に徴収している場合には消費税が非課税とされてきたところであるが、当該徴収方法を行っている場合、この取扱いは特定子ども・子育て支援施設等である幼稚園も同様となること。なお、新基準に基づき交付する領収証においては、施設等利用費の対

象となる利用料に該当する保育料の内数と対象外となる特定費用に該当する保育料の内数とを区分して記載する必要があることに留意すること。

子ども・子育て支援法の一部を改正する法律等の施行に伴う留意事項等について(通知)(令和元年9月13日内閣府・文部科学省・厚生労働省連名通知)(抄)

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幼稚園における2歳児保育の無償化上の扱いについて

幼稚園併設認可外保育施設(幼稚園における活動等と独立して実施されており、余裕教室や別の建物など在園児と区分された

専用のスペースで専従の職員による保育が実施されているもの)⇒9月中に児童福祉法施行規則を改正し、届出対象とする予定。届出を行っていない施設は、9月中

に都道府県への届出と、市区町村からの無償化対象施設の確認を受けていただく⇒認可外保育施設として、新3号認定の子どもは月額4.2万円まで無償化

親子登園、プレ保育(親子で活動するような2歳児受入れや、週1~2回のプレ保育)⇒認可外保育施設にも一時預かり事業にも該当せず、無償化の対象にはならない。

満3歳児・2歳児混合クラス(満3歳児クラスに未就園の2歳児を入れ、誕生日を迎えた子どもから順次在籍園児に振り替える

といったようなもので、市町村から一般型や幼稚園型Ⅱの委託を受けていないもの)⇒満3歳児に対する基準と一時預かり事業の基準をそれぞれ満たす場合は、都道府県に一時預かり事

業の届出を行い、市区町村からの無償化対象事業の確認を受けていただく(野良一時預かり事業)⇒一時預かり事業として、新3号認定の子どもは月額4.2万円まで無償化

一時預かり事業(一般型、幼稚園型Ⅱ)⇒一時預かり事業として、新3号認定の子どもは月額4.2万円まで無償化

12

幼稚園併設施設に係る認可外保育施設の届出の取扱いについて(令和元年8月30日 厚生労働省子ども家庭局総務課少子化総合対策室 事務連絡)

児童福祉行政の円滑な実施については、日頃から格別の御配慮を賜り、厚く御礼申し上げます。今般、児童福祉法施行規則及び厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令の一部を改正する省令案(以下「改正省令」という。)について、パブリックコメントを開始したところです。つきましては、改正省令のうち、幼稚園を設置する者が当該幼稚園と併せて設置している施設(以下「幼稚園併設施設」という。)に係る改正予定の内容等について、下記のとおり周知しますので、都道府県、指定都市及び中核市におかれましては、当該内容を十分御了知の上、適切な対応を御願いします。また、都道府県におかれましては、貴管内市町村(特別区を含み、指定都市及び中核市を除く。)への周知を御願いします。なお、本事務連絡は、文部科学省初等中等教育局幼児教育課と協議済みであり、幼稚園関係者には文部科学省から周知する予定であることを申し添えます。

1.改正の理由幼稚園併設施設については、当該施設における活動が幼稚園における子育て支援活動等と区別がつかないことや、幼稚園所管部局による指導監督が行われることから、認可外保育施設の届出対象外施設として、児童福祉法施行規則(昭和23年厚生省令第11号)第49条の2第3号に規定していますが、幼稚園併設施設において、幼稚園における子育て支援活動等とは区別された形で乳幼児が保育されている実態があり、認可外保育施設としての指導監督を行う必要があることに鑑み、今般、当該規定を次の2.のとおり改正する予定です。

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2.主な改正の内容(予定)幼稚園併設施設を、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第59条の2第1項の規定に基づく届出の対象とする予定です。なお、幼稚園併設施設からの当該届出は改正省令の公布・施行前に受け付けることも可能であり、適切な対応を御願いします。

留意点1:認可外保育施設の届出の対象となる幼稚園併設施設は、具体的には、幼稚園における子育て支援活動等と独立して実施されており、余裕教室や敷地内の別の建物など在園児と区分された専用のスペースで専従の職員による保育が実施されているものを想定しています。

留意点2:幼稚園型認定こども園を構成する保育機能施設や、幼稚園における子育て支援活動等と区別がつかない活動(例:幼稚園の在園児と同じ部屋で預かりを実施しているもの等)については、これまでどおり、幼稚園所管部局による当該幼稚園を設置する者に対しての指導が行われること等から、認可外保育施設としての届出は不要です。

留意点3:幼稚園が児童福祉法第6条の3第7項に基づく一時預かり事業を実施している場合については、従来どおり、児童福祉法等に則り適正に実施されることが求められるため、一時預かり事業としての届出が必要となります。

3.施行期日及び経過措置(予定)本改正省令は今夏を目途として施行する予定ですが、併せて以下の経過措置を規定する予定です。・ 改正省令の施行の日(以下「施行日」という。)時点で既に設置をしている施設については、令和元年9月30日までに届

出を行うこととすること。(施行日以後に新規に開設された施設については、児童福祉法第59条の2第1項の規定に基づき、事業の開始の日から1

月以内に届出を行うこととなります。)・ 施行日前にされた届出についても、児童福祉法第59条の2第1項各号に掲げる事項に相当する事項を都道府県知事に

届け出ていれば、届出を行ったものとみなされること。

14

2号認定子どもの公定価格における副食費の取扱の変更のイメージ(旧)

<公定価格><支出>

その他部分

副食費4,546円

※1

※1「保育所等の運営実態に関する調査結果」における平成30年3月の子ども1人当たりの副食費支出額(0~2歳:4,350円、3~5歳:4,688円)及び「福祉行政報告例(月報)(平成30年3月分)」を元に算出した保育所を利用する子ども1人当たりの副食費支出額(月額)

※2副食費の徴収が免除される世帯については、公定価格の加算(施設型給付による公費負担)により対応。

その他部分

<公定価格>

副食費約5,180円

<財源>

保育料

施設型給付

副食費4,500円

その他部分

<支出>

副食費4,546円

※1

その他部分

公定価格から除外

約680円分

副食費約5,180円

<財源>

施設が保護者から徴収※

副食費4,500円が目安

施設型給付

栄養管理加算チーム保育推進加算

の充実

令和元年9月まで(無償化前) 令和元年10月以降(無償化後)

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2号認定子どもの公定価格における副食費の取扱の変更のイメージ(新)

・10月以降の私立保育所等の公定価格(3~5歳)について、副食費として約5,180円を減額する一方で、これまで保育料に含まれていた副食費(4,500円)との差額分(約680円)の財源を活用し、加算の拡充を行うこととしていたが、

・約5,180円の減額を撤回し、月額4,500円の減額とするとともに・栄養管理加算とチーム保育推進加算の充実については本年10月の実施を見送る。

※今後、年末に向けて子ども・子育て会議において議論を行う公定価格全体の議論の中で改めて検討を行う。

16

17

令和元年以降の公定価格における副食費免除加算の概要について

1号

2号

■要件利用子どもの全てに副食の全てを提供する日(給食実施日)があり、かつ、副食費徴収免除対象子ども(※)に副食の全てを提供する日があること。

(※)年収360万未満世帯、多子世帯の第三子以降、生活保護世帯、里親、児童養護施設入所児童等

■要件全ての施設に加算

■単価225日×給食実施日数(※)×対象者数

(※)利用子どもの全てに副食の全てを提供する日。施設が把握している各月初日における副食の提供予定による。また、施設の都合によらずに副食の提供を要しない利用子どもについては副食の全てを提供しているものと見なす。

■単価4500円×対象者数

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よくある御質問と回答

Q.毎週第1・第3土曜日が開園日となっている幼稚園等で、土曜日は預かり保育事業を実施していませんが、月~金曜日については8時間以上(教育時間を含む。)、年間で200日以上の預かり保育事業を実施している場合、この幼稚園等の利用者は認可外保育施設等の利用料も無償化の対象となりますか。

A.幼稚園等の利用者が認可外保育施設等の利用料も無償化の対象となる場合の要件おける「平日」は、土・日曜日、国民の休日を除く教育課程上の活動を実施している月曜日から金曜日となります。したがって、御質問のケースでは、平日に8時間以上の預かり保育事業が実施されていることから、認可外保育施設等の利用料は無償化の対象となりません。

Q.預かり保育事業の提供が「十分な水準」である場合の要件である「平日8時間以上、年間200日以上」とは、恒常的に8時間以上開所している必要があるのでしょうか。

A.年間200日以上とは、長期休業中・休日を含めた年間の開所日数であり、長期休業中や休日に8時間未満の開所であっても平日に8時間以上開所していれば、「十分な水準」を満たしていることになります。

①預かり保育事業

Q.預かり保育事業では早朝など延長保育時間に相当するような時間帯に実施する場合でも無償化の対象となるのですか。

A.預かり保育事業を含め子育てのための施設等利用給付は、利用時間帯ではなく、月額の上限額で支給限度を定めており、早朝など延長保育時間に相当する時間帯の利用であっても、月額上限額の範囲内であれば無償化の対象となります。

19

よくある御質問と回答

Q.私学助成園の施設等利用費について、保育料分は代理受領とし、入園料分のみ償還払いという運用は可能ですか。

A.可能です。この場合、年度途中に退園するなど園児の在籍期間により、償還払いされる施設等利用費の額が変わり得ることに御留意ください。なお、幼稚園が施設等利用費を代理受領する場合、その対象となっている利用料は基本的に不徴収とすべきものと考えますが、特に年度途中に制度が施行する令和元年度では、幼稚園において入園料を一旦徴収しているものの、入園料相当分を含めて幼稚園が施設等利用費を代理受領する場合も考えられます。この場合は、徴収済みの入園料の全額又は一部を利用者に返還する場合があることを、幼稚園や利用者にあらかじめ説明しておくことが必要です。

Q.私学助成園の保育料について、月額保育料に教材費込みと園則に記載している園がありますが、この場合の教材費は施設等利用費に含まれますか。一方、保育料とは別途徴収している教材費は施設等利用費に含まれますか。

A.教育課程の実施に必要な教材費のほか施設整備費や光熱水費などは、経費の性格として、教育・保育に要する経費として施設等利用費の対象となる利用料(特定子ども・子育て支援利用料)に含めて差し支えありません。一方で、教育課程の実施に不要な任意の教材購入費や、日常生活に要する費用に該当するような日用品費(文具費や制服代)ついては、施設等利用費の対象となる利用料に含まれません(特定費用)。各園においては適切に特定子ども・子育て支援利用料と特定費用を区分して領収証等の発行を行う必要がありますが、仮に園が教材費を保育料とは別途徴収し特定費用として整理した場合は、施設等利用費の対象となりません。

②施設等利用費の給付

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よくある御質問と回答

Q.法定代理受領による施設等利用費の受給額を、特定子ども・子育て支援施設等が認定保護者に通知する頻度は、毎月行わなければならないのでしょうか。

A.施設等利用費は月額単位で算定することから、施設等利用給付認定保護者への通知も月額単位になると想定されますが、利用者への通知の取り扱いについては、毎月の通知が必要ということではなく、1年分をまとめて通知する取り扱いとすることも可能と考えます。

②施設等利用費の給付

Q.私学助成幼稚園の中には、保育料に給食に係る経費が含まれている園があり、これまで消費税が非課税として取扱いがなされていました。今回の無償化を契機に課税関係が変わるのでしょうか。

A.従来、私学助成幼稚園の中には、保育料に給食に係る経費を含めて一体的に徴収し、消費税非課税の取扱いがなされてきた園もあるところ、無償化実施後も本取扱いについては変わりません。ただし、食材料費については、無償化の対象となる利用料(特定子ども・子育て支援利用料)に含めることはできないため、特定子ども・子育て支援施設等の運営に関する基準に基づき、園が保護者に対して発行する領収証においては、特定費用として記載する必要があります。施設等利用費の支給に過誤が生じないようご留意をお願いします。

③食材料費等

Q.新制度未移行の幼稚園の中には、保育料に給食に係る経費を含めて一体的に徴収し、消費税非課税の取扱いがなされてきた園もあるところです。施設等利用費を園が代理受領する場合、月額上限額を超える分の差額や食材料費について保護者から徴収することになります。この場合であっても、保育料が給食に係る経費を含めた一体的なものである限り、消費税の課税関係は変わりありませんか。

A.今回の無償化を契機に消費税の課税関係は変わりません。

1 2030年以降の社会像

2 幼児教育無償化に係る最近のトピック

3 幼児教育無償化を踏まえて

4 新制度の5年後見直しについて

5 令和2年度概算要求について21

Outline

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22

(注) ・幼稚園には幼稚園型認定こども園を、保育所には保育所型認定こども園を含む。・平成27年度より、幼保連携型認定こども園は単一の認可施設。平成26年度以前は、幼稚園及び保育所にそれぞれ算入。・平成27年度より、保育所に小規模保育事業所を算入。・幼稚園、幼保連携型認定こども園は「学校基本調査」より。・保育所は「社会福祉施設等調査」より推計。

0

50

100

150

200

250

300

昭和48 52 56 60 平成元 5 9 13 17 21 25 29

(万人) 子ども・子育て支援新制度施行

保育所 平成30年度 2,160,125人

幼稚園 平成30年度 1,207,884人

幼保連携型認定こども園 平成30年度 601,071人

昭和55年度 1,996,082人

昭和53年度 2,497,895人

女性の社会参画、共働き世帯の増加に伴い保育需要が増加

女性就業率(25~44歳)は継続的に上昇傾向

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24平成29年消費者白書 特集 若者の消費

共働きの増加は単純な「若者の選択」「子育て離れ」ではない

25(資料)1920年~2010年:「人口推計」(総務省)、2015年~2060年:「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)

(千人)

年少人口は今後2015年水準の約半分まで減少する恐れ

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3~5歳児の人口の減少は特に激しい

○ 3~5歳児人口は、2015年は310万人。○ 2025年までに45万人減少した後、10年で20万人強のペースで減少を続ける見込み。

(出典) 1975~2015年は総務省統計局「国勢調査」による。2025~2065年は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計、出生中位、死亡中位)」による。

5,910

4,633

3,649 3,497 3,109

2,665 2,435

2,205 1,941

1,735

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

1975 85 95 2005 15 25 35 45 55 65

(千人)

(年)

将来推計

26

子ども・子育て支援新制度の導入(平成27年4月~)

• 核家族化の進展、地域のつながりの希薄化、共働き家庭の増加、兄弟姉妹の数の減少など子育て家庭や子供の育ちをめぐる環境が大きく変化。

• 国や地域を挙げて子供の年齢や親の就労状況などに応じた多様かつ質の高い支援を実現する必要

• 消費税財源により、認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付である「施設型給付」の創設

• 地域の実情に応じて、柔軟に選択が可能な13の支援メニューである「地域子ども・子育て支援事業」を創設。住民に最も身近な市町村が地域のニーズに基づいて計画を策定・実施。

• 小規模幼稚園でも安定的に運営することが可能になるとともに、職員の処遇改善やチーム保育の推進といった保育の質の向上のための経費も支援。

• 多様で質の高い子ども・子育て支援が提供され、「子供の最善の利益」を実現

背景

導入

効果

27

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28

子ども・子育て支援新制度がもたらすもの

幼稚園の安定的な経営の確保と同時に、保育施設との運営費面でのイコールフッティング

29

幼児教育無償化がもたらすもの

保護者から見れば大幅な負担軽減。幼稚園から見れば、保育施設との保護者負担面でのイコールフッティング

各園のサービスの質の高さで勝負する必要

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30

地域の子供の数が減少し、園児獲得が困難になるおそれがある

保護者の就労により子供の保育ニーズは今後も高まることが予想される

教育・保育施設間の保護者負担・運営費支援のイコールフッティングの時代が到来

31

質の高い幼児教育を提供する施設であるという根幹は維持しつつ、社会的なニーズや新たな仕組みにどのように向き合っていくか

・幼稚園本来の強みである教育の質を徹底的に向上

・保護者の多様な保育ニーズに応える

など

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1 2030年以降の社会像

2 幼児教育無償化に係る最近のトピック

3 幼児教育無償化を踏まえて

4 新制度の5年後見直しについて

5 令和2年度概算要求について32

Outline

33

子ども・子育て支援新制度施行後5年の見直しにおいて今後検討が必要と考えられる事項(2019年8月26日子ども・子育て会議資料より抜粋)

1.制度全般に関する事項

(検討を行う事項)(1) 支給認定証の交付等に関する事務負担軽減の状況等を踏まえた、保育標準時間・短時間の区分、認定証の交付

や職権変更、求職要件など支給認定の在り方(2) 幼稚園で受け入れている2歳児を教育認定の対象とすることの可否(3) 大型マンション内に認可保育所を設置する場合の居住者の取扱いなど、大規模開発時の利用調整の在り方(4) 認可外保育施設の認可施設への移行に向けたインセンティブ付与など、移行促進のための方策

(中長期的な検討課題)(6) 認定こども園に係る利用調整についての、直接契約であることや、当分の間市町村が行うこととされていること等を踏ま

えた、今後の在り方(7) 総合的な子ども・子育て支援を図る観点からの、出産及び育児休業に係る給付と子ども・子育て支援給付の統合(8) 都道府県と市町村の連携強化や福祉と教育の連携推進などによる、地域における包括的な子育て支援体制の構築(9) 子ども・子育て支援に係る計画と障害児支援に係る計画の整合性の確保など、子ども・子育て支援と障害児支援との

連携強化の在り方

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提案事項 子ども子育て支援法における支給認定の年齢区分の見直し制度の現状幼稚園、保育園等の特定教育・保育を利用する場合、施設型給付を受けるためには子ども・子育て支援法で定める支給認定を受け

る必要があるが、保育を必要としない満2歳児は支給認定を受けることができない。提案内容と理由の概要子ども・子育て支援法第19条において、保育の必要性がない子どもについては、満3歳以上のみ子どものための教育・保育給付の支給

認定を行うこととしているが、満3歳到達前の子どもであっても、施設の付随事業等で幼稚園及び認定こども園の幼稚園部(以下「幼稚園等」という)に受け入れられている現状がある。こうした状況において、幼稚園等は、満2歳前後の児童にとっても、健やかな成長を促す場としての役割を果たしているが、年度途中からの随時入園となっているため、満3~5歳児学級のように全児童を対象とした通年の教育内容を組むことができない。また、満3歳到達前の子どもは、同条に定められる施設型給付の対象外となるため、施設や保護者の負担で給付分を賄っているという現状もある。「平成29年の地方からの提案等に関する対応方針」(平成29年12月26日閣議決定)6【内閣府】(19)子ども・子育て支援法(平24 法 65)(ⅰ)幼稚園における2歳児の受入れに対する支援の在り方については、平成30年度に2歳児特有の発達を踏まえた配慮や3歳児以降の幼児教育との円滑な接続等に係る調査研究を実施した上で、その結果を踏まえて検討し、平成31年中に結論を得る。その結果に基づいて必要な措置を講ずる。(関係府省:文部科学省)これまでの対応内容○「子育て安心プラン」に基づく幼稚園における2歳児等の受入れ推進について(既存制度・事業の運用の柔軟化)(平成29年6月

28日付内閣府子ども・子育て本部参事官(子ども・子育て支援担当)・文部科学省中等教育局幼児教育課・厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課事務連絡)1.幼稚園において2歳児(保育を必要とする子どもを想定)を中心とした受け入れを推進する趣旨2.認定こども園への移行促進及び小規模保育事業等の実施促進3.幼稚園設置基準及び定員超過に関する取扱い

今後の検討事項 (子ども・子育て支援法施行後5年後を目途として行う検討)支給認定の年齢区分の見直しについては、子ども・子育て支援法の施行後5年を目途として行う検討の際に、必要があると認めるとき

は、所要の措置を講ずる。 34

平成29年の地方からの提案

35

2.公定価格

(検討を行う事項)(1) 利用実態を踏まえた土曜日開所の取扱い、地域区分の在り方など、施設の運営実態を踏まえた算定方式、基本単価や

各種加減算の在り方(2) 管理業務の効率化等を踏まえた、複数施設を設置している法人に係る調整措置の在り方(3) 処遇改善等加算の職員給与への反映状況に関する実態把握と検証・分析を踏まえた、各施設における処遇改善の着実

な実施のための方策(4) 申請書類の様式統一化など、施設型給付の請求に係る事業者の事務負担の軽減方策

(中長期的な検討課題)(5) 経営実態調査等の実施周期など、今後の公定価格の実態把握の在り方

3.保育人材の確保

(検討を行う事項)(1) 土曜日における共同保育の実施、子どもの帰宅後も保育士が閉園まで勤務するという運用の改善など、働きやすい職場

づくり、業務負担の軽減による、保育士等の勤務環境の向上のための方策(2) 保育所における職員の短時間勤務について、配置可能な条件の見直し、対象職員の拡大など、配置要件の在り方(3) 地方自治体等における研修体制の整備、職員の研修受講や園内研修の実施を評価する仕組みなど、保育士等が研修

を受講しやすくするための体制づくり(4) 都市部とは違った形での人材確保対策など、人口減少地域における保育事業継続のための支援策(5) 看護師等免許保持者の届出制度と同様の制度を導入するなど、潜在保育士の就職・再就職支援の強化のための方策

(中長期的な検討課題)(6) 幼稚園教諭免許・保育士資格の一体化や、保育士資格と他の福祉職との共通資格課程の検討など、各資格の在り方

35

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4.認定こども園

(検討を行う事項)(1) 施設類型、設置者及び利用者の支給認定区分の違いによって、「特別支援教育費補助」「多様な事業者の参入促進・能

力活用事業」など、異なる制度が適用される私立認定こども園における障害児等支援の補助体系の在り方(2) 3歳以上園児の保育室の3階以上への設置の可否など、幼保連携型認定こども園の設備に関する基準の在り方(3) 5年間延長されている保育教諭の資格に係る経過措置期間中に、免許併有を促進するためのインセンティブ付与等の方策

5.地域型保育事業

(検討を行う事項)(1) 小規模保育事業における運営等の在り方(B型からA型への移行促進、一時預かり事業や共同保育実施の要件など)(2) 保育士資格を有する者が家庭的保育者等として従事する場合の、家庭的保育等研修の受講要件の柔軟化(3) 居宅で家庭的保育を実施している事業者が、5年間延長されている自園調理に係る経過措置期間中に自園調理を実現

できるようにするための支援策(4) 居宅訪問型保育事業の運用の在り方(派遣対象の拡大や対象児童等の観点からの事業類型の創設など)(5) 連携施設制度の在り方(連携施設確保促進のための地方自治体の関与、小規模保育卒園児を対象とした先行利用調

整の仕組みの検討など)

☆:多様な事業者の参入促進・能力活用事業(認定こども園特別支援教育・保育経費)

○:私学助成(特別支援教育経費)

●:一般財源化前の障害児保育事業

※1 学校法人化のための努力をする園(志向園)を含む※2 学校法人立幼稚園から構成されていた認定こども園が、新制度施行時又は施行後に社会福祉法人へ統合したもの

及び学校法人立幼稚園が新制度施行時又は施行後に保育所と統合して社会福祉法人立となったものは対象外

認定こども園 1号 2号 3号

幼保連携型

学校法人立※1,2旧接続型 ○ ○ ●

旧並列型 ○ ● ●

上記以外 ☆ ● ●

幼稚園型

幼稚園部分が学校法人立※1

単独型 ○ ○

接続型 ○ ○ ☆

並列型 ○ ☆ ☆

上記以外単独型 ☆ ☆

接続型・並列型 ☆ ☆ ☆

保育所型 ☆ ● ●

地方裁量型 ☆ ☆ ☆

私立認定こども園の障害児等支援に係る各補助の対象児童

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〔目的〕○ 保育士に対する幼稚園免許の要件を緩和することにより、幼稚園免許・保育士資格の併有を促進し、「幼保連携型認定こども園」への円滑な移行を促進する。 ※保育所に勤務する保育士の幼稚園教諭免許の併有状況:74%

【通例:大学の教職課程を履修して免許状を取得する場合】

学位(短期大学士/学士/修士) + 大学等における単位の修得

(39単位/+20単位/+24単位)普通免許状

(二種/一種/専修)

大学等における単位の修得

普通免許状(二種/一種)※

保育士としての勤務経験

+保育士資格 +

ただし、以下の施設における勤務に限る。

認定こども園、認可保育所、幼稚園併設型認可外保育施設、へき地保育所、「認可外指導監督基準」を満たす認可外保育施設

3年 かつ 4,320時間

※学士の学位を有する場合:一種免許状※短期大学士、専門学校卒の場合:二種免許状

(内訳)

・教職の意義及び教員の役割

・教員の職務内容(研修、服務及び身分保障等を含む。)

・教育に関する社会的、制度的又は経営的事項

・教育課程の意義及び編成の方法

・保育内容の指導法、教育の方法及び技術

・幼児理解の理論及び方法

2単位

2単位

1単位

2単位

1単位

〔メルクマール〕➀保育所保育指針に基づき教育・保育を実施していること➁小学校就学前の幼児を対象としていること

➂一定規模の集団により継続的に教育・保育を行うことを目的としていること➃上記①~③を担保する行政監督(許認可等)の仕組みがあること

※新たな認定こども園制度施行(平成27年4月以降)から10年間の特例

8単位

【今回の特例措置】(「幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例に関する検討会議」にて検討)

幼稚園免許状取得の特例の概要

38

○ 幼稚園教諭免許・保育士資格の併有を促進するために、幼稚園教諭免許所有者の保育士試験における保育士資格取得の特例を設ける。

保育士資格取得の特例の概要

※新たな認定こども園制度施行(平成27年4月以降)から5年後までの特例

【通常の制度】

指定保育士養成施設で68単位の教科目を修得し卒業 保育士試験で筆記試験(9科目)及び実技試験を合格または

【特例制度】 ※幼稚園教諭免許所有者

保育士登録

○ 指定保育士養成施設において、以下の特例教科目を受講

福祉と養護‥2単位 保健と食と栄養‥2単位乳児保育‥2単位 子ども家庭支援論‥2単位

○ 対象施設は以下のとおり

幼稚園、認定こども園、保育所、特別支援学校幼稚部、小規模保育事業を実施する施設、事業所内保育事業を実施する施設、特例保育を実施する施設、認可外保育施設(認可外保育施設指導監督基準を満たし、一定規模の集団により継続的に保育を行う施設)、幼稚園併設型認可外保育施設

(※)6時間×20日×3年(36ヶ月)=4,320時間

(1) 8単位の修得

(2) 3年かつ4,320時間(※)の実務経験

(1)及び(2)の要件を満たした場合

保育士試験の筆記試験及び実技試験の免除

<試験科目を免除できる場合>

※幼稚園免許所有により、保育士試験のうち、「保育の心理学」、「教育原理」及び実技試験(保育実習実技)の免除

※3年かつ4,320時間の実務経験により、上記科目に加えて「保育実習理論」の免除

※(1)で修得した単位数に応じて、上記科目に加えて「社会福祉」、「社会的擁護」、「子どもの保健」、「子どもの食と栄養」、「保育原論」、「子ども家庭福祉」の免除

保育士登録

※(1)及び(2)の順序は不問。

<9科目及び実技試験>・「保育の心理学」、 「教育原理」、 「保育実習実技」・「保育実習理論」・「社会福祉」、「社会的擁護」、「子どもの保健」、「子どもの食と栄養」、「保育原論」、「子ども家庭福祉」

※実務経験がない場合でも32単位の教科目を修得することにより、試験科目の全部を免除できる。

39

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40

6.地域子ども・子育て支援事業

(検討を行う事項)(1) 各事業の実施状況、運営実態を踏まえた、補助内容の在り方や事業の促進のための方策(2) 条例による事務処理特例の運用状況を踏まえた、一時預かり事業及び病児保育事業の届出先や立入検査に係る事務の

都道府県から市町村への権限移譲の可否(3) 一時預かり事業、病児保育事業、延長保育事業において居宅訪問型の実施が進まない要因の分析、実施の促進のため

の方策(4) 病児保育事業に係る人材の確保に向けた、スキルアップや待遇改善等、事業の安定的な運営のための支援等の在り方(5) 幼稚園の一時預かり事業における特別な支援が必要な子供への対応

7.その他

(検討を行う事項)(1) 職員配置改善など更なる「質の向上」のための0.3兆円超の財源確保をはじめとした、量の拡充・質の向上を図るための安

定的な財源の確保(2) 幼児教育・保育の無償化を始めとする各種政策や制度変更の効果・検証の在り方(3) 幼保連携型認定こども園において施設の設置者からの求めに応じて市町村が行う保育料の徴収事務について、幼稚園等に

対象を拡大することの可否(4) 地方の実情に応じた保育所等の面積基準等の見直しや、民間保育所等における0~2歳児の給食の外部搬入規制緩和

の要否

(中長期的な検討課題)(5) 保育所等の突然の閉鎖に対応するため、経営の安定した事業者への事業譲渡、近隣園との合併など、安定的な経営を確

保しやすくする仕組みの整備(6) 保育の長時間化など保育所の現状に関する保護者側の理解醸成の在り方

1 2030年以降の社会像

2 幼児教育無償化に係る最近のトピック

3 幼児教育無償化を踏まえて

4 新制度の5年後見直しについて

5 令和2年度概算要求について41

Outline

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幼児教育の振興背景1.幼児教育無償化の実施 141億円+【事項要求】(141億円)

背景

2.幼児教育の質の向上 5.2億円(3.4億円)

3.幼児教育の環境整備の充実 201億円+【事項要求】(39億円)

背景

○幼児教育実践の質向上総合プラン 4.8億円(3.1億円)

幼児教育の無償化とあわせて、幼児教育の質の向上も極めて重要。平成30年4月から実施された幼稚園教育要領等を踏まえつつ、幼児教育の実践の更なる質の確保・向上を図る必要がある。そのため、地方公共団体における幼児教育推進体制の充実・活用強化、幼稚園等における人材確保の取組や質向上のための評価の在り方の研究、幼稚園教諭の専門性向上に向けた免許上進の推進、障害のある幼児や外国人の幼児など特別な配慮を必要とする幼児への教育充実支援を行うとともに、Society5.0時代の先端技術の活用も対象に教育課題に対応した実証研究等の事業を実施する。

令和2年度要求・要望額 347億円+【事項要求】(前年度予算額 184億円)※臨時・特別の措置(防災・減災、国土強靭化関係)除く

○幼稚園教育課程の理解の推進・ ECEC Network事業の参加 0.4億円(0.3億円)

新幼稚園教育要領の理解の下、適切な教育課程が編成・実施されるよう、研究協議会の開催や指導資料の作成を行う。また、 OECDにおいて計画されている調査に参加し、幼児教育の質の向上を図るための政策立案に資するデータや各国の事例を収集する。

背景○私立幼稚園施設整備費 15億円+【事項要求】(5億円)

※前年度予算額は、臨時・特別の措置(防災・減災、国土強靭化関係)8億円を除く

緊急の課題となっている耐震化のための耐震補強・改築、非構造部材の耐震対策等の安全対策等の防災機能強化工事に要する経費とともに、防犯対策、アスベスト対策、バリアフリー化やエコ改修等に要する経費の一部を補助し、幼稚園の環境整備を図る。

※Is値0.3未満の耐震改築の嵩上げ(補助率:1/3→1/2)、園舎等のバリアフリー化事業の創設を要望

○認定こども園等への財政支援186億円+【事項要求】(34億円)

※前年度予算額は、臨時・特別の措置(防災・減災、国土強靭化関係)11億円を除く認定こども園の設置促進のため、認定こども園の施設整備・園舎の

耐震化・防犯対策に要する経費の一部を補助するとともに、幼稚園教諭免許と保育士資格の併有促進、研修等の実施、園務改善のためのICT化等を支援し、子供を安心して育てることが出来る体制の整備を促進する。♦認定こども園施設整備交付金 175億円+事項要求♦教育支援体制整備事業費交付金 11億円

全ての子供に質の高い幼児教育を保障するため、「子ども・子育て支援法の一部を改正する法律」等を踏まえ、令和元年10月から実施される無償化措置を着実に実施する。

42

幼児教育無償化の実施

幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものである。全ての子供に質の高い幼児教育を保障するため、「子ども・子育て支援法の一部を改正する法律」等を踏まえ、2019年10月から実施される無償化措置を着実に実施する。

幼児教育無償化の実施

幼稚園就園奨励費補助事業<令和元年9月まで> ※文科省計上予算

令和2年度要求・要望額 事項要求(前年度予算額 14,116百万円)

○対 象:子ども・子育て支援新制度未移行の私立幼稚園

○負担割合:国1/3以内

○上 限 額 :年額308,000円を限度額として、保護者の所得状況に応じて上限額を設定※令和元年度は補助対象期間が半年のため、154,000円が上限

無償化事業(施設等利用給付)<令和元年10月以降> ※内閣府計上予算

○対 象:子ども・子育て支援新制度未移行の私立幼稚園、国・私立の特別支援学校幼稚部、国立大学附属幼稚園の園児

○負担割合:国1/2、都道府県1/4、市町村1/4※国立大学附属施設は国10/10。

○上 限 額 :月額25,700円※国立大学附属施設は、幼稚園 月額8,700円、特別支援学校幼稚部 月額400円。

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幼児教育実践の質向上総合プラン 令和2年度要求・要望額 477百万円(前年度予算額 308百万円)

幼児教育推進体制の充実・活用強化事業 226百万円(148百万円)地方公共団体において、公私立幼稚園・保育所・認定こども園に対して一体的に域内全体の幼児教育の質

の向上を図るため、担当部局の教育・保育内容面に係る事務の一元化や幼児教育センターの設置等、幼児教育の推進体制を構築している都道府県及び市町村を対象に、幼児教育アドバイザーの配置及びそれらを活用した研修支援、幼小接続の推進等に必要な費用の一部を補助する。

公私・施設類型に関わらず域内全体の幼児教育の質の向上を一体的に推進

幼稚園教諭免許法認定講習等推進事業 53百万円(21百万円)幼稚園教諭免許状の上進のための免許法認定講習等の開設数が少ないことから、講習等の開設支援を通じ

て一種免許状の取得機会を拡大し、幼稚園教諭の専門性の向上を図る。

幼児教育の無償化とあわせて、幼児教育の質の向上も極めて重要。平成30年4月から実施された幼稚園教育要領等を踏まえつつ、幼児教育の実践の更なる質の確保・向上を図る必要がある。そのため、地方公共団体における幼児教育推進体制の充実・活用強化、幼稚園等における人材確保の取組や質向上のための評価の在り方の研究、幼稚園教諭の専門性向上に向けた免許上進の推進、障害のある幼児や外国人の幼児など特別な配慮を必要とする幼児への教育の充実を支援するとともに、Society5.0時代の先端技術の活用も対象に教育課題に対応した実証研究等、以下の事業を実施する。

幼稚園教諭の専門性の向上、社会的地位の向上

幼稚園の人材確保支援事業 86百万円(70百万円)幼稚園教諭の新規採用促進、離職防止・定着促進など、各地域における幼稚園の人材確保に向けた先導的

な取組を支援し、有効な方法を検証・普及する。

幼児教育の質向上のための評価支援事業 31百万円(28百万円)幼稚園等が教育活動や園運営について評価し更なる質の改善を図るため、各園の評価の実施を支援するモ

デル的な取組を開発し普及するとともに、各園の学校評価促進や幼児教育の質の向上に資する評価の在り方に関する調査研究を行う。

幼稚園等における安定・継続的な学校運営、教育活動等の改善

幼児教育の教育課題に対応した指導方法等充実調査研究 42百万円(41百万円)小学校教育との接続、家庭教育との連携等、教育課題に対応した指導の在り方を調査研究する。また、

Society5.0時代の先端技術の活用などを通じて、園内環境や幼児行動、教員の働きかけ等を総合的・多角的に捕捉・可視化し、幼児の豊かな行動を引き出す環境の構築や教師による適切な指導を支援するための実証研究を実施する。

指導方法や園内環境改善のための手法の開発

【新規】特別な配慮を必要とする幼児への教育充実支援事業 40百万円(新規)障害のある幼児や外国人の幼児など特別な配慮を必要とする幼児の受入れを行う教諭等が、必要とされる

知識を得ることができるよう、必要となる研修プログラムの開発及び指導上の配慮に関する研究を行う。

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幼児教育推進体制の充実・活用強化事業

背景 ○ 教科書のような主たる教材を用いない「環境を通して行う教育」の難しさを乗り越える人材育成が必要。

○ 幼稚園教育要領等の着実な実施、小学校教育への円滑な接続、特別な配慮を必要とする幼児への対応など、現場での研修ニーズは高い。

○ 若年保育者が多く離職率の高い職場において、園長のリーダーシップの下、学び・育て合う仕組み作りと支援が必要。

○ 関係団体が独自の研修を実施しており、既存の資源やネットワークを生かした連携が必要。

○ 幼児教育は複数の施設類型が存在し、その多くが私立であるため、教育内容面の支援に関して、公立中心の小学校以降とは異なる対応が必要

• 3~5歳児の約半数ずつが幼稚園、保育所にそれぞれ在園• 幼稚園の約8割、保育所の約7割、認定こども園の約9割の園児数は私立

○ 約6割の地方公共団体で公私、施設類型により担当部局が異なり、一体的な取組の実施に課題がある

○ 教育委員会では、他学校種と比べて幼稚園に係る体制が手薄幼児教育担当指導主事を配置する都道府県・市町村は、約4割、うち専門性を有するのは、約半数

背景

事業概要地方公共団体において、公私立幼稚園・保育所・認定こども園に対して一体的に域内全体の幼児教育の質の向上を図るため、担当部局の教育・保育内容面に係る事務の一元化や幼児教育センターの設置等、幼児教育の推進体制を構築している都道府県及び市町村を対象に、幼児教育アドバイザーの配置及びそれらを活用した研修支援、幼小接続の推進等に必要な費用の一部を補助する。

主な要件

● 事業期間:3年間● 補助対象者:都道府県・市町村● 補助率:1/2

担当部局を一元化していること※ 教育・保育内容面に係る事務のみの一元化でも可※ 事業開始翌年度からでも可幼児教育センターを設置していること小学校指導担当課との連携体制確保

主な補助内容:

• 幼児教育アドバイザーの配置、質向上のための取組、新規アドバイザーの育成体制の充実

体制活用のための人材育成方針

体制の活用

域内全体への波及

教育内容面での質向上を担う地方公共団体の体制が、必ずしも十分ではない

地方公共団体の体制に関する現状と課題 幼児教育現場における現状と課題

保育者の専門性の向上は公私・施設類型に共通する課題

• 幼児教育の実践の質向上のためのガイドラインの作成・活用保育者に必要な資質・能力の明確化、それに基づくキャリアステージに応じた

人材育成の内容・方法の明確化 など

• 研修支援、幼小接続の推進

• 都道府県・市町村の連携を含めた域内全体の質向上を図るための仕組み作り

保育者の専門性の向上や幼小接続等に関する公私・施設類型を超えた一体的な研修支援、巡回訪問、園内研修の中核となるミドルリーダーの育成 など

都道府県・市町村アドバイザーの連携、行政関係者、園長会、関係団体等による関係者協議会の開催 など

令和2年度要求・要望額 226百万円(前年度予算額 148百万円)

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幼稚園教諭免許法認定講習等推進事業○ 現職の幼稚園教諭は、二種免許状所有者が中心であり、他学校種と比べてもその割合が極めて高い。(幼稚園:68%、小学校:14%、中学校:3.9%)

事業内容

期待される効果保育者の専門性の向上(特に、中堅教師のキャリアアップとして活用)園運営の改善、幼児教育の質の向上、幼稚園教員等の社会的地位の向上

幼稚園教諭免許状の上進のための免許法認定講習等の開設数が少ないことから、講習等の開設支援を通じて一種免許状の取得機会を拡大し、幼稚園教諭の専門性の向上を図る。

■委託先:大学*、都道府県、指定都市、中核市の教育委員会*短期大学は専攻科を有する場合に限る。

背景

各学校における保有免許状別の教員構成(%)

※各学校に勤務する養護教諭、栄養教諭を含む。「その他」は臨時免許状、特別免許状等を含む。文部科学省「平成28年度学校教員統計調査」より作成。

幼稚園 小学校 中学校国立 公立 私立 国立 公立 私立 国立 公立 私立

専修 0.5 9.8 0.7 0.4 5.1 17.1 5.0 6.3 8.4 25.9 7.6 17.1一種 27.2 64.3 42.6 23.6 78.9 73.6 79.2 61.9 87.3 71.3 88.2 77.2二種 68.0 22.5 54.0 71.3 14.0 8.2 14.0 16.9 3.9 2.5 4.0 2.3その他 4.3 3.4 2.7 4.7 2.0 1.1 1.8 14.9 0.4 0.3 0.2 3.4

本来要請されている一種免許状所有者の増加を促進する必要○ 教育職員免許法 (昭和二十四年法律第百四十七号)(二種免許状を有する者の一種免許状の取得に係る努力義務)第九条の五 教育職員で、その有する相当の免許状(中略)が二種免許状であるものは、相当の一種免許状の

授与を受けるように努めなければならない。

大学・教育委員会

文部科学大臣

幼稚園団体

幼稚園教員等

①認定講習申請

②認定

④受講・単位修得

一種免許状の取得促進目標の提示

<事業イメージ>

免許法認定講習等の開設

③科目、単位数に関する受講相談

講習の実施に係る講師謝金、旅費、会場借料等の経費を支援

○ 保育士資格の併有率は約82%と高い。※文部科学省「平成28年度幼児教育実態調査」

都道府県教育委員会

⑤上進の申請

⑥一種免許状の授与

○ 上級免許状取得のための単位は大学等で修得する必要があるが、休日や長期休業期間中に履修するなど、現職教員が働きながら上進できる環境が求められている。

○ 現状では、そうした単位修得に資する免許法認定講習等は、半数以上の都道府県で実施されておらず、実施件数等も少ない。

平成30年度

令和2年度要求・要望額 53百万円(前年度予算額 21百万円)

開設者数 開設状況教育委員会 大学 計(都道府県数) 科目数 単位数

20 3 23 (20) 65 69※例えば、特別支援学校教諭免許状に関する認定講習等は全都道府県で開設されている。

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○過去3年間の事業実施により、幼稚園団体等による新規採用促進・離職防止・再就職促進の個別の好事例を創出したが、各主体の連携や取組の横展開に課題

○自治体等が取組の中心となり、幼稚園団体・各幼稚園・養成校の取組を結びつけ、総合的な人材確保の取組を行う事例を創出

背景・課題【近年の動向】

子ども・子育て支援関係の人材需要の急速な増加を受けて、幼児教育の質を支える優秀な人材の確保が喫緊の課題

【主な課題】・ 免許取得者が他業種に就職 ⇒ 新規採用促進

・ 若年離職者が多い ⇒ 離職防止・定着促進

・ 離職者の再就職が少ない ⇒ 再就職促進

幼稚園教諭免許取得者の幼稚園・認定こども園への就職率 : 約27%(小学校教諭免許状取得者の小学校への就職率 : 約49%)

幼稚園教諭離職者のうち30歳未満の割合 : 約61%(小学校教諭 :約8%)幼稚園教諭の平均勤続年数 : 約7年(小学校教諭 : 約17年)

・人材不足による幼稚園運営の不安定化・幼稚園における教育の質の低下・担い手不足による預かり保育の収容能力の低下 幼稚園教諭採用者のうち元教員の割合 : 約13%(小学校教諭 : 約27%)

幼稚園の人材確保支援事業 令和2年度要求・要望額 86百万円(前年度予算額 70百万円)

◇委託先(予定):10団体(都道府県、市区町村及び幼稚園団体)

◇事業規模: 400万円~900万円程度

事業の内容 幼稚園の取組

団体の取組 養成校の取組

・社労士等を活用した持続可能な就業規則策定・ICT導入による働き方改革・時短勤務・複数担任制の導入 等

・合同就職説明会の開催・幼稚園向けアプリ開発・仕事の魅力発信・退職者への継続的な情報支援・キャリアアドバイザーの配置

・園と協力した魅力的な教育実習・継続的な職場インターン導入・コミュニケーション・保護者対応・退職者への継続的な情報支援

自治体の取組・各取組を連携・コーディネート・好事例の横展開・他業種における人材確保の取組との連携

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幼児教育の質向上のための評価支援事業

課題

幼児教育の無償化の実施や、新しい幼稚園教育要領において「社会に開かれた教育課程」の理念が示される中、幼稚園等における評価手法の開発や学校評価を通じた幼児教育の質の向上が求められている。幼稚園等は教育活動や園運営について評価し、その評価結果を踏まえた自園の現状や改善の状況を保護者や地域住民等に伝えていくことが求められている。

事業内容

評価の実施の支援や評価の質に関する調査研究が進むことにより、各園における評価に基づいた教育活動・学校運営の改善が図られる。

調査研究を通じて期待される効果調査研究を通じて期待される効果

【幼稚園現場の実施上の課題】

・幼稚園は1園あたりの教員数

平均人数が9名と規模が小さく

評価の実施体制が弱い。

・他校種に比べ、評価を実施し

ない理由について、実施方法が

わからない、時間的余裕がない

等の回答割合が高い。

【評価の現状と課題】

背景背景

・自己評価の義務、学校関係者評価の努力義務が課されているが、他学校種と比べて学校関係者の実施が進んでいない。

・各園における評価の結果活用が十分ではなく園内・家庭・地域間のコミュニケーション・ツールとして一層活用していくことが必要。

・形式的な評価にとどまることなく、PDCAサイクルの中で有効に機能する評価の在り方の検証が必要。

○ 園の自主性に任せるだけでは評価の実施が進まないことが考えられるため、自治体や関係団体等が支援するモデル的な取組の開発・普及を通じて、学校関係者評価等の促進を図る。

○ 幼児教育の質の向上に有効な評価の在り方について検証等を行い、その成果の普及を通じて、幼稚園における評価の質の向上を図る。

学校関係者評価・実施率

(1) 自治体等と連携した学校評価の実践研究

地域内のモデル園を指定し、園の実態に応じて専門家と連携しながら評価実

施を支援する(委託期間2年、委託先3団体)。

(支援の観点の例)

・各園に応じた評価項目の設定や評価指標の立て方 ・園の教育内容等に関

する評価者との情報共有の在り方

・カリキュラム・マネジメントと関連させた学校評価の実践方法

・負担軽減に留意した効率的・効果的な評価結果のとりまとめや公表の方法

33.6%

54.6% 55.7%

84.5%95.6% 97.4%

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

平成20年度間 平成23年度間 平成26年度間

幼稚園

小学校

(2) 評価の在り方についての実態検証

幼稚園における評価の実態について検証を行い、幼児教育の質の向上に

向けた評価の在り方について提言等を行う(委託期間1年、委託先2団体)

(支援の観点の例)

・教育改善に有効な評価の在り方

・幼稚園の実態等に応じた評価指標の開発

・評価結果の教育改善への活用方法

令和2年度要求・要望額 31百万円(前年度予算額 28百万円)

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個別の教育支援計画の作成が必要であると判断している幼児数は年々増加しており、受入れに当たる幼稚園教諭等の資質・能力の向上など、適切に指導上の配慮を行うための方策が求められている。

特別な配慮を必要とする幼児への教育充実支援事業

事業内容

自治体や園の研修の充実や指導上の留意事項等の研究成果の普及を通じ、受入れに当たる幼稚園教諭等が必要な知識を得、幼児等の実態に応じた指導上の工夫を行う等、適切な対応を行うことに資する。

調査研究を通じて期待される効果

令和2年度要求・要望額 40百万円 (新規)

1.外国人幼児等への教育充実支援事業1.外国人幼児等への教育充実支援事業

背景

(1) 幼稚園における研修プログラムの開発幼稚園特有の以下の配慮点などを踏まえた研修プログラムの開発を行う。

【委託先:大学、関係団体等 1団体(事業期間3年)】(幼稚園の特徴の例)・言語を体系的に教えるのではなく生活や遊びを通して教える時期であること・母語と日本語の両方を獲得していく必要があること・保護者からの子育ての相談など、子育ての支援も幼稚園の役割であること

(2) 幼稚園における指導上の配慮等に関する研究外国人幼児の受入れに当たっての指導上の留意事項の整理や教材の在

り方等に関する実証研究を行い、その成果の普及を図る。【委託先:地方公共団体、幼稚園等 3団体(事業期間1年)】

(実証研究の視点の例)・幼稚園の教育制度、生活等の保護者に対するわかりやすい説明の在り方・外国人幼児が日本での幼稚園生活に親しんでいくために有効な教材の開発・外国人幼児と日本人幼児がともに学び合う活動の在り方・小学校教育への円滑な接続を踏まえた教育活動や小学校との連携の在り方

事業内容

2.障害のある幼児等への教育充実支援事業2.障害のある幼児等への教育充実支援事業

背景

(1) 幼稚園における研修プログラムの開発幼稚園特有の以下の配慮点などを踏まえた研修プログラムの開発を行う。

【委託先:大学、関係団体等 1団体(事業期間3年)】(幼稚園の特徴の例)・社会性や言語など、これから発達していく時期であること・早期支援のためには、障害に関する家庭の理解や連携が重要であること・1園あたりの教員数平均人数が9名と規模が小さいこと

(2) 幼稚園における指導上の配慮等に関する研究障害のある幼児等の受入れに当たっての体制整備の在り方や指導上の留意事項等に関する調査研究を行い、その成果の普及を図る。

【委託先:地方公共団体、幼稚園等 3団体(事業期間1年)】(実証研究の視点の例)・小規模な幼稚園の実態を踏まえた体制整備の在り方・特別支援教育コーディネーターを中心とした関係機関との連携の在り方・早期発見に資するアセスメントの開発や活用・小学校教育への円滑な接続を踏まえた教育活動や小学校との連携の在り方

入管法の改正により新たな在留資格が創設される等、在留外国人数が年々増加する中で、外国人幼児の受入れに当たる幼稚園教諭等の資質・能力の向上など、適切に指導上の配慮を行うための方策が求められている。

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幼児教育の教育課題に対応した指導方法等充実調査研究

課題○ 国では、全国的に一定の教育水準を確保するとともに、実質的な教育の機会均等を保障するため、大綱的基準である幼稚園教育要領を定めている。

○ これまで概ね10年に一度改訂が行われてきているところであり、次期検討に向けて資料やデータを蓄積しておく必要がある。

背景

○ 幼稚園教育要領は大綱的な基準であるため、それを踏まえ各園が自らの課題や強みを踏まえた教育課程や指導計画、指導方法を改善していく必要がある。

○ そのため、幼児教育の教育課題に対応する調査研究を進め、次期改訂の検討の際の資料や、文部科学省が指導資料を作成する際の資料として活用する。

目的

○ 幼児教育における教育課題に応じた指導方法等の調査研究

今後の教育課程の基準の改善等に向けた資料・データの収集のため、小学校教育との接続、家庭教育との連携等、教育課題に対応した指導の在り方を調査研究する。また、Society5.0時代の先端技術の活用を通じて、幼児の豊かな行動を引き出す環境の構築や教師による適切な指導を支援するための実証研究を実施する。

【委託先:大学、研究機関、地方公共団体等 6件程度】

事業内容

改訂の検討の際に必要となる幼児教育の実践に関する資料やデータを収集し蓄積しておくことで、次期幼稚園教育要領の内容や、国が作成する指導資料の内容の充実が図られる。

※前回の改訂スケジュール2014年11月諮問 → 2016年12月答申 →2017年3月告示→2018年4月実施

調査研究を通じて期待される効果

調査研究を通じて期待される効果

事業実施期間:3年間

令和2年度要求・要望額 42百万円(前年度予算額 41百万円)

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幼稚園教育課程の理解の推進

背景 課題○ 平成29年3月に新しい幼稚園教育要領が示され、平成30年4月から全面実施されている。○ 各幼稚園において新幼稚園教育要領の正しい理解の下、適切な教育課程が編成・実施されるよう、研究協議会の開催や指導資料の作成を行い、新幼稚園教育要領に基づく充実した教育活動の展開を促進する。

背景・目的

幼稚園教育理解推進事業 幼稚園教育要領の実施のための指導資料の作成

期待される成果 幼稚園教育要領の内容や、幼稚園教育要領に基づいた先進的な実践について理解することで、各幼稚園における適切な教育課程の編成・実施が促進される。

各都道府県において行う幼稚園教育に関する専門的な研究協議等の成果を、中央協議会において発表・共有することで、さらなる幼稚園教育の振興・充実を図る。

新しい幼稚園教育要領に基づく教育活動を着実に実施するため、その内容を踏まえた具体的な教育課程の編成や指導の在り方等に関する指導資料を作成する。

都道府県協議会(教育委員会)(新幼稚園教育要領に関する説明、専門的な研究協議等)

中央協議会(文部科学省)(都道府県協議会の成果の発表、先進事例の発表等)

教育委員会指導主事、幼稚園園長等の参加

公立私立幼稚園教員、小学校教員等の参加

協議主題の提示中央協議会への参加依頼 等

協議の成果報告中央協議会への参加 等

○令和元年度指導資料第1集「指導計画の作成と保育の展開」について、幼稚園教育要

領の改訂を踏まえ、「幼稚園教育において育みたい資質・能力」「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」などの内容を加筆し、改訂を行う。

○令和2年度(案)新幼稚園教育要領に基づいた以下の内容の指導資料を作成する。・幼児期の教育と小学校教育の接続について

事業内容

令和2年度要求・要望額 26百万円(前年度予算額 23百万円)

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OECD ECEC Network事業への参加

背景 課題○ 平成27年4月より質の高い幼児期の教育の提供を基本理念とする「子ども・子育て支援新制度」が始まった

が、国際的にも幼児教育への関心が高まっている。現在、OECDにおいて、質の高い幼児教育を提供するための基礎データとなる国際比較調査事業等が計画されている。

○ これらの事業等への参加により、現在は収集されていない国際比較可能な幼児教育・保育施設の保育者の活動実態に関するデータや、幼児教育の質の向上に関する各国の好事例など、質の高い幼児教育の提供に向けた施策展開のための重要な基礎情報を得ることができる。

背景・目的

事業の主な概要

OECD国際幼児教育・保育従事者調査 (International ECEC Staff Survey) ※9カ国が参加中勤務環境や研修などの保育者の資質・能力の向上に関する状況等を2018年に調査し、分析結

果を2019~2020年度にかけて公表予定。幼児教育の多面的な質に関する調査研究(Quality beyond Regulations in ECEC)※参加ヵ国数未定2019~2020年に各国における幼児教育の質向上に関する政策について調査し、幼児教育の多面的な質に関する政策フレームワークを作成予定。

※ 拠出金については、文部科学省、厚生労働省、内閣府で按分して負担。※ 国内における調査実施の事務的経費については国立教育政策研究所で負担。

下記の事業へ参加し、幼児教育の質向上のための施策立案に活かす。

両事業のデータをあわせて分析し、2021年度に最終報告書(幼児教育・保育白書第6巻)を公表予定。

園レベルでの実態調査

行政レベルでの調査

令和2年度要求・要望額 13百万円(前年度予算額 11百万円)

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私立幼稚園施設整備費補助金 令和2年度要求・要望額 1,500百万円 + 事項要求(前年度予算額 525百万円)※前年度予算額は、臨時・特別の措置(防災・減災、国土強靭化関係)769百万円除く

事業概要

学校法人立幼稚園等の緊急の課題となっている耐震化のための耐震補強、耐震改築、非構造部材の耐震対策等に要する経費とともに、防犯対策、アスベスト対策、バリアフリー化、エコ改修等に要する経費の一部を補助することにより、幼稚園の環境整備を図る。

対象事業内容

1. 耐震補強工事 ・・・ 耐震補強、非構造部材の耐震対策、防災機能強化

2. 防犯対策工事 ・・・ 門・フェンス・防犯監視システム等の設置工事

3. 新築・増築・改築事業 ・・・ 新築、増築、耐震改築、その他危険建物の改築

4. アスベスト等対策工事 ・・・ 吹き付けアスベストの除去等

5. 屋外教育環境整備 ・・・ アスレチック遊具、屋外ステージ等の整備

6. エコ改修事業 ・・・ 太陽光発電の設置、省エネ型設備の設置

7.バリアフリー化工事 ・・・ スロープの設置、障害者用トイレのバリアフリー化等

補助率○ 地震による倒壊等の危険性が高い(※)施設の耐震補強工事、

耐震改築工事(※)非木造:Is値0.3未満、木造:Iw値0.7未満 ・・・【1/2以内】○ 上記以外 ・・・【1/3以内】

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○ 幼稚園教諭免許状と保育士資格の併有の促進を支援するため、幼稚園教諭免許状を取得等するための受講料、及び保育士資格を取得する幼稚園教諭の代替に伴う雇上費を補助。

○ 負担割合: 国1/2、都道府県・指定都市・中核市1/2

教育支援体制整備事業交付金

認定こども園等への財政支援

認定こども園整備

認定こども園施設整備交付金17,500百万円+事項要求(2,290百万円)

※前年度予算額は、臨時・特別の措置(防災・減災、国土強靭化関係)1,135百万円を除く1,100百万円(1,081百万円)

幼稚園耐震化整備

○ 認定こども園の施設整備に要する費用の一部を補助(新増改築、大規模改修等)

・幼保連携型認定こども園の教育を実施する部分(いわゆる幼稚園部分)

・幼稚園型認定こども園の幼稚園部分・保育所型認定こども園の幼稚園機能部分

○ 負担割合: 国1/2、市町村1/4、事業者1/4※ 年度内に自治体の定める認定基準を満たす必要がある。

既存の幼保連携型認定こども園の機能拡充も補助の対象。

○ 認定こども園への移行を予定する私立幼稚園について、園舎の耐震指標等の状況に応じて実施する耐震化を支援。(改築、増改築等)・私立幼稚園の耐震化経費

○ 負担割合: 国1/2、事業者1/2※ 既に認定こども園に移行した場合を含む。

防犯対策整備

○ 幼稚園型認定こども園における門、フェンス、防犯カメラ等の設置に要する費用の一部を補助。・幼稚園型認定こども園の防犯対策整備

○ 負担割合: 国1/2、市町村1/4、事業者1/4※幼保連携型認定こども園、保育所型認定こども園における防犯対策

整備については、厚生労働省所管の保育所等整備交付金で対応。

保育教諭確保のための幼稚園教諭免許状取得支援事業

幼児教育の質の向上のための緊急環境整備○ 施設における遊具・運動用具・教具・衛生用品等の整備費用を支援。○ 負担割合: 認定こども園の場合・・・国1/2、事業者1/2

認定こども園等における教育の質の向上のための研修支援

認定こども園等への円滑な移行のための準備支援

園務改善のためのICT化支援

○ 認定こども園における質の向上に関する研修、幼稚園・保育所の教職員の合同研修等の実施費用等を支援。

○ 負担割合: 国1/2、事業者1/2※ 都道府県や関係団体等が主催する研修が対象。

○ 認定こども園等に移行する幼稚園の準備に必要な経費を支援。○ 負担割合: 国1/2、事業者1/2

○ 認定こども園等における園務を改善するため、園のICT化を促進し、事務負担の大幅な軽減を図る。

○ 負担割合: 国3/4、事業者1/4

認定こども園の設置促進のため、認定こども園の施設整備・園舎の耐震化・防犯対策に要する経費の一部を補助するとともに、幼稚園教諭免許と保育士資格の併有促進、研修等の実施、園務改善のためのICT化等を支援し、子供を安心して育てることが出来る体制の整備を促進する。

事業概要

令和2年度要求・要望額 18,600百万円 + 事項要求(前年度予算額 3,371百万円) ※臨時・特別の措置(防災・減災、国土強靭化関係)除く

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私立高等学校等経常費助成費等補助(幼稚園分)の概要 令和2年度要求・要望額 273億円(前年度予算額 271億円)

事業内容

一般補助 162億円(+1億円)○ 園児一人当たりの単価を1.2%増(幼児教育無償化に伴い生じる事務負担への対応等)○ 幼稚園教員の人材確保の取組に対する支援を引き続き実施

特別補助 111億円(+2億円)

都道府県が、特別な支援が必要な幼児が2人以上就園している私立の幼稚園又は幼保連携型認定こども園に特別な助成を行う場合、国が都道府県に対してその助成額の一部を補助。

・対象園児数:約1.7万人(+約200人)

預かり保育推進事業 37億円(+1億円)幼稚園の教育時間終了後や休業日に「預かり保育」を実施する私立の幼稚園等に特別な助成措置を講じる都道府県に対して、国がその助成額の1/2以内を補助。

・通常の預かり保育における基礎単価の増:10万円

幼稚園の子育て支援活動の推進 11億円(前年同額)教育機能又は施設を広く地域に開放することを積極的に推進する私立幼稚園等に特別な助成措置を講じる都道府県に対して、国がその助成額の1/2以内を補助。

※括弧内は対前年度増減額。単位未満四捨五入のため、計が一致しない場合がある。

幼稚園等特別支援教育経費 64億円( +1億円)

教育改革推進特別経費(子育て支援推進経費) 48億円( +1億円)

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教育改革推進特別経費(子育て支援推進経費)

事業内容子ども・子育て支援の更なる質の向上を図るとともに、平成29年6月に策定された「子育て安心プラン」等を踏まえ、多様な保育の受け皿を拡充し、待機児童の解消等を目指すため、幼稚園における預かり保育や子育て支援活動を支援する。

令和2年度要求・要望額 48億円(前年度予算額 47億円)

預かり保育推進事業 37億円(+1億円)幼稚園の教育時間終了後や休業日に「預かり保育」を実施する私立の幼稚園等に特別な助成措置を講じる都道府県に対して、国がその助成額の1/2以内を補助。

幼稚園の子育て支援活動の推進 11億円(前年同額)教育機能又は施設を広く地域に開放することを積極的に推進する私立の幼稚園等に特別な助成措置を講じる都道府県に対して、国がその助成額の1/2以内を補助。

令和2年度概算要求での対応

「子育て安心プラン」 の内容や、子ども・子育て支援新制度に移行した幼稚園等の状況を踏まえつつ、子ども子育て支援の更なる質の向上を図るため、通常の預かり保育に係る基礎単価を増額(10万円増)し、支援の充実を図る。

※括弧内は対前年度増減額。単位未満四捨五入のため、計が一致しない場合がある。

- 預かり保育時間5時間~6時間/日

預かり保育時間6時間~7時間/日

預かり保育時間7時間以上/日

- 100,000円 200,000円 300,000円

預かり保育担当者数2人/日 250,000円 500,000円 750,000円   950,000円

預かり保育担当者数3人以上/日 500,000円   820,000円   1,200,000円   1,450,000円

預かり保育担当者数2人/日

預かり保育担当者数3人以上/日

預かり保育推進事業単価表(令和2年度要求における変更案)

①通常の預かり保育

基礎単価  開園日の半分以上の日数、 1日2時間以上開設 700,000円→ 800,000円

加算単価  次の要件に該当する幼稚園等

②長期休業日等預かり保育

基礎単価(1)長期休業日の10日以上の日数、1日2時間以上開設 80,000円

(2)休業日の19日以上の日数、1日2時間以上開設 150,000円

  260,000円   370,000円

(1)長期休業日 (2)休業日

  140,000円   200,000円

加算単価  次の要件に該当する幼稚園等

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