飲料缶詰製造に伴って排出される産業廃棄物の有効利用 · 21...

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9[洋食品L蕪短大・爪洋沈,W,研究所研究報勝I!「,23‘21-28(2000)

飲料缶詰製造に伴って排出される産業廃棄物の有効利用一述統処理機を用いたきのこ1%地の製造法一

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食品産業廃棄物のイ「効利ノ「]の観点から,飲料伍諮製造に伴って排出されるコーヒー柚11{かすの

ような植物のリグニン,セルロース,ヘミセルロースからなるリグノセルロースを分解し満化で

きるきのこ栽培への利j1Iを検$i札てきた.コーヒーかすをきのこ培地として利用するために前処

理を行うが,その目的は原材料に含まれる病原菌や害虫を除去してきのこ菌糸が急速で旺盛に生

育する培地とすることである.この前処理法については従来法であるレトルトによる減1W方法,

ベンレートなどの抗Wjパリによる方法,熱処理による〃法,雌酵による方法が考えられ試験を進め

ている.前報')で東洋製|MII(鯛より縦波を受けた20mmイモ,LD24(スクリューの径と災さの比)のエクストルーグー[バリ式RY20-24,陸亜(掬製]でliil処理したコーヒーかす培地によるヒラタ

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ケ栽培試験を行い,その唯礎データを報告した.今回さらによ1)実用機に近い連続処理として40

,1,1径,L/D25のエクストルーダ-2)[型式VS40-25,池貝鉄工所㈱製]を使い培地の殺菌条

件の検討と各祁きのこの栽培試験を行った.さらにこのエクストルーグー等の巡統処理機の右利

性を活かすことで虹典となる為,現行1kg袋から3kg入I)の大型の培斐袋を試作してきのこ収11t

に及ぼす影響などを調べた.

本報では述統処理機として40mm径,L/D25のエクストルーダ-を使用したコーヒーかすによ

るきのこ培地の製造法および大型袋ときのこ収11tのIHI係について報告する.

試験材料と方法

1.コーヒー抽出かす

コーヒー柚!{lかすは近畿コカ・コーラポトリング(網)j(都工場より分譲を受けたもので排出lI(

後の水分含lit75~80%を天日乾燥して水分20%以下として試験に供した.

2.連続処理機による前処理

一軸型40mmエクストルーグー[型式VS4()-25,池1{鉄工所㈱製]を使用して前処理を行った.

当機はプラスチック成型機として使用されていたもので,主な櫛造は原料用ホッパー,ヒーター

加熱部4ゾーンを装伽したバレルとスクリュー搬送'卜''1よりなる装置である.スクリュー径は40nun,

L/D25でスクリュー聯は全体に均一な深さに改造した.コーヒーかすの標準培地(Fig.1)を

ホッパー入り口より投入し,バレルのヒーター設定温度を100~150℃・スクリューの、転数9~

60rpmの範囲で職iXj時111]を調整して前処理後,30℃以下に冷却してきのこ菌株を接砿して紋培容器に1~3kgづつ充塊した.

3.きのこ菌株

供試したIMi株はヒラタケ(PノGI('、【(SOJノノでα/'鮒),エリンギ(Ple!('℃rllsGバノl8ii),タモギタケ

(P/α"D『llscoMにopi“),ブナシメジ(日)IPS/zygllMla"''0疋'(s),シイタケ(しe'Ifiノ『【1.Tedod“)の5種類を用いた.尚ヒラタケは森産業㈱の3”繭を)ilいた.

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2時

4.栽培容器

l)既製1kg袋

日昌産業㈱製ポリプロピレン(pp)袋140×100×350mm(WDH)42mm径ペーパーフィルタ2ケ付き

2)既製大型袋

日昌産業㈱製ポリプロピレン(pp)袋200xl20x430mm(W、.H)42mm径ペーパーフィルタ1ケ付き

3)試作大型袋

日昌産業(榊製ポリプロピレン(pp)袋を利用して試作した.470x150x320mm(WDH)42mm径ペーパーフィルタ2ケ付き

形がハンドバッグに似ているところからハンドバッグ形態大型袋と称した‘

5.栽培試験

きのこ菌株を接種後栽培容器に充填し,室温22℃,湿度85%RHの培謎室で菌糸を培養し菌糸

が培地に蔓延した後に培地表面の厚膜菌糸層をかきとり,培地に注水して6時間水讃け後排水し

た.次に容器を発生室に移して室温15℃・湿度95%RHの条件で培地から発生するCO2を換気

により0.1%濃度に保ち,1日12時間100lxの光照射をした.この処理により数日後原基が形成

ざれ子実体に生長し,きのこ傘の径が1~3cmに達したものを採取して秤量した.収量は第1

回目収稚と第2回目収穫の合計及びサンプル数5点の平均で表し,それらを培地重量で割って収

率を算出した.尚栽培容器の試験では,iRi掻きに代わる新しい子実体誘導刀法として菌掻きを実

施しないで培地を袋内に収めたまま,袋の任意の部分に切り込みを入れ,そこだけに子実体を誘

導して形成させる発生口法と称する方法で行った.

結果

1.連続処理機による殺菌条件ときのこ収量の関係

前報で20mm径一IMIエクストルーダ_を使用して試験を行い,設定温度130℃,殺菌時llfl60秒の

条件が適性とわかった経緯から,40mm径一輔エクストルーグーでこの殺測i条件ときのこ収鎚の

関係をみるために試験した.コーヒーかすを主体にした標準処方培地を40mm径一輔エクストルー

グーのホッパー入り口より役人,エクストルーダ_の殺iRi温度を130℃に固定してバレル内での

殺菌時間をスクリュー回転数により調整して前処理を行い,栽培試験をしてヒラタケ収量を比較

した.尚エクストルーグーの殺菌時間とスクリュー回転数の関係は30秒で60rpm,60秒で30rpm,

180秒で9rpmを確認した.エクストルーグーのバレル内での殺菌時間が30秒以下では培地が激

しく汚染されて子実体が形成されなかったが,殺菌時|H1が60秒から180秒まで培地1kg当たり

1709の安定した収裁が得られた(Fig2).またエクストルーグーのバレル内での殺菌時間を60

秒に固定して,殺菌温度を'00,110,120,130,150℃の5種類の条件を変えたもので前処理を行い,

ヒラタケ収量を比較した結果では殺菌温度が130℃以上で培地1kg当たり1509以上で安定した収

阯が得られ,150℃以上ではコーヒーかす培地にこげ臭が発生して不可であった(Fig.3).40m

径一軸エクストルーグーではコーヒーかすを使用したヒラタケ属きのこ培地の前処理条件は

130℃-60秒(流逓L8kg/h)で可能であった.尚コーヒーかすを用いた標準処方培地では問題が

なかったが,コーヒーかす以外の食品産業廃棄物で茶かすのような繊維質性の粘性が高いものに

ついてはエクストルーグーのスクリューの満内に間諭していわゆる共回り現象が発生した.また

エクストルーグーの殺菌条件130℃、60秒で前処理したコーヒーかす培地を凧いて各種きのこ3)I)

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のJMU苫試験を行った(Tablel).その結果ヒラタケでは1kg入りpp袋で収lil222gであったが,

エリンギ(P/Clイノり"(“ノカlgi/)では3059,タモギタケ(P/ClイノD"lFcoノアIMCO"me)で1059,プナシメジ(ノヨyPsi鋸!(s'7Jαr"IC'w(s)で1339の収量を得た.ヒラタケ5)は収jitのバラツキが少な

く,安定したきのこ収熾が得られたがエリンギ,タモギタケでは収IILのバラツキが大きく,青カ

ビ等の雑l噂に汚染されやすい傾向があった.プナシメジはエリンギ,タモギタケより雑菌に汚染

されやすく子実体形成までに至る栽培工程に注意を要した.シイタケ(Le'1/i'1"Sc`O`“)は菌糸培瀧中にすべて雑菌汚染ざれ廃蕊処分した.

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2.栽培容器ときのこ収量の関係

現行1kg袋の大型化はエクストルーグー等による述統処理の右利性を活かすことで巫要である

為3kg袋の大型袋を試作して検討した.その結果,この1kg袋と3kgハンドバッグ形態の大型袋

(jl」j気孔2ケ所)を比較したヒラタケ栽堵試験では1kg袋は201.19の収jit(培地}LiたI)の収率

201%)に対して3kg袋は714.19の収域(培地』'iたりの収率23.8%)とな}〕,ハンドバッグ形態

大型袋は1kg袋よ[)収fltで3.7%1乙但1ってlMi糸培養から原蝶の誘導,きのこの収穫までI11iiiilMに推

移した(Table2).また既製人Ii1袋では50519のlljU1t(培地当た1)の収率168%)とな')lkg

袋と3kgハンドバッグ形態の大型袋よ【)jljUltは少なかった.既製大型袋の充」リノ【111を3kgから2kg

に減らした」h勝合,収'1tは330.59(培地当たりの収率16.5%)とな})収{1tに差はないがlXi糸生長が

良く1週11Ⅱ短縮できた.また1kg袋でWi糸の培撞条件の述いを見るため,第三培錐室(温度21℃,

湿度約60%程度)と栽培室(ilil度21℃,湿度90%)の2ヶ所で培養して比i険したところ,第三培

鎚篭で185」9(端地''1たl〕の収率18.5%)栽培室で207.99(培地当たI)の収率20.8%)のIlXit

とな{),淵湿度の管理された栽培室の条件「の方がヒラタケi撒糸の生長が良く収並も良かった

(Table3).袋が大型化した」b1ケ合,垳地k而よ')jilf地底部の迦気,Hkの確保と雑菌汚染のiijl」御が難

しい.基本的には袋の大liu化においては袋の底は広く、培地のIIJIみが薄い方が有利である(Fig

4,Fig.5).

考察

コーヒーかす端地の前処理として40mm徒一'lilhエクストルーグーでは殺菌条件は130℃,6()秒で

ヒラタケ」雌貯はIIJ化である.ヒラタケ以外のきのこではタモギタケ.エリンギについてはヒヲタ

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ケより雑菌に汚染されやすくきのこ収趾のバラツキが大きくなる.ブナシメジ,シイタケは子実

体の形成は難しい.しかしエクストルーグーのバレルの設定条件である温度と'1邦Ijを高めに変更

できればこれらのきのこも栽培可能と考える.また-軸エクストルーグーでは培地材料が繊維状

の固形物のようなものではスクリューに巻き付きが発生して共回り現象が起き易い.

40mm径エクストルーグーでは60秒設定でスクリューの回転数が制限されるところからコーヒー

かす培地の流逓がL8kg/hとなったが,実用機としてはさらにスクリュー径が大きくスクリュー回

転数の早いエクストルーダ_が必要である.連続処理機としてのエクストルーダ_処理ではコー

ヒーかすをきのこ培地に述続的に処理ができることと,コーヒーかすの前処理,冷却,接種,培

養容器へと一連の連続工程に自動化できる利点がある.エクストルーダ_処理でコーヒーかすの

連続大鼓処理を図るには混線,搬送性を向上させるため二軸エクストルーダ-6)が適応性があ

り,また流量を上げるためスクリュー径の大きいものが良い.迎統処理機としてエクストルーグ

ーの他にポデイダー,パドル型のドライヤーがあるがエクストルーグーのスクリューでの拠純,

搬送性とバレルでの殺iMi条件と同等以上の条件が得られ,且つ設備コストの問題が解決できれば

いずれの巡統処理機でも実用化は可能と考える.また連続処理の有利性を活かすことが重要であ

る為3kgの大型袋を試作して検討したが,袋の大型化においては袋の底は広く,培地の厚みが薄

い方が基本的に右利であることがわかった.きのこ栽培の採算計算を実施して試験を推進してい

るがきのこの培養容器代,きのこ収量,設備コストが最も寄与しているところから単価の脚いき

のこの栽培試験やきのこ収比の向上,設備コストの低減等の改善を図っていくことが今後の課題

である.

要約

食品産業廃棄物の食用きのこ栽培への利用を図るため,コーヒー抽出かすのような植物のリグ

ニン,セルロース,ヘミセルロースからなるリグノセルロースを分解し資化できるきのこ栽培への

利用を検討している.前報で東洋製縦㈱より瀧渡を受けた20mm径,L/D24のエクストルーダ_

[型式RY20-24陸皿㈱製]でコーヒーかす培地の前処理後,ヒラタケ栽培試験を行い,その基

礎データを報告した.今回さらによ1)実用機に近い述統処理機として401111,径,L/D25のエクス

トルーダ_[型式VS40-25,池貝鉄工所㈱製]を使い,培地の殺菌条件と各種きのこの栽培試

験を行って調べた.その結果40mm径一軸エクストルーグーでは殺菌条件は130℃,60秒でヒラ

タケ栽培は可能である.ヒラタケ以外のきのこではタモギタケ,エリンギについてはヒラタケよ

り雑菌に汚染されやすくきのこ収最のバラツキが大きくなる.プナシメジ,シイタケは子実体の

形成は難しい.エクストルーダ_処理でコーヒーかすの連続大量処理を図るには混線.搬送性を

向上させるため二軸エクストルーグーが適応性があり,また流堂を上げるためスクリュー径の大

きいものが良い.また連続処理.機としてエクストルーグーの連続処:理の有利性を活かすことが重

要である為,現行1kg袋を大型化した3kgの大型袋を試作して検討したが,袋の人型化においては袋の底は広く、培地の厚みが薄い方が薙本的に有利であることがわかった.

謝辞

今回の試験用にエクストルーダ一を誠渡頂いた東洋製織㈱川崎工場をはじめ,試験に当たり

ご協力を頂いた東洋製繍榊環境対策室の米田氏に厚く御礼申し上げます.

文献

l)`橋本一哉,岡崎由朗,加瀬谷泰介,宮川キミ枝,山'11計昭子:東洋食品工難短大・東洋食IhII研

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