風力発電は欧州並みに可能な のかioj-japan.com/xoops/download/fuu.pdf · 2009. 11....
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風力発電は欧州並みに可能なのか
平成20年11月日本の将来を考える会(IOJ)吉村
日本の風力発電が遅れている理由は何か
国の制度が悪い、電力が購入しないなどの非難がある
根本的な理由は風力発電は自然エネルギーであり、日本は立地条件が欧州に比べて著しく不利なことにある
安定して、強い風速のある陸地が限られていること
日本は山岳地帯が大半を占め、風力に向いた平地(農地)は狭く、人口密度も高く立地に適していない
山岳地帯も設置が難しいこと、適地の面積も大きくないことで設置が進んでいない
大規模な発電容量を確保するためには、陸上では難しく、洋上立地を目指す必要がある。
世界の風力発電の現状ドイツ、米国、スペインがtop3、日本はドイツの1/7
ドイツの新エネは風力発電とバイオマスが中心風力発電は今後は洋上発電が主体
水力
風力陸上
風力洋上
バイオマス
電力融通
地熱
The European Window Association Over 30 GW of offshore capacity planned by 2015 より
ドイツの2015までの洋上風力発電の計画
http://www.ewea.org/fileadmin/ewea_documents/documents/publications/WETF/WETF.pdfより
各地図の縮尺はほぼ同じ
日米欧の風況マップ風力発電に必要な6m/秒以上の風速の地域はデンマーク、ドイツ、イギリスは国土の大半を占めている。洋上の北海。バルト海も強い風速の海域である。米国では中央部が風速が高いが需要地から離れており、送電に課題がある。そのため、洋上が検討されている。日本は国土が狭く適地は陸上に少なく、洋上や湾岸の立地を検討する必要がある。
http://www.mlit.go.jp/kowan/kaihatuka/wind_hp/huukyo-map/wind_map.htmlより
Japan Weather Association
Wind Energy in GermanyPolicy, Status and Research ActivitiesRalf ChristmannDivision Research and Developmentin the Field of Renewable Energies
日本風力発電平成13年12月現在Japan wind turbine networkより
ドイツではほぼ全域が風速が強く、平地であり適地であるので補助金など条件が整えば容易に設置できる。(約19000基設置済み)日本は海岸線や山岳地帯が中心で適地が少なく設置が難しく、十分な発電容量は得られない(1300基設置済み)。狭い平野部に高い密度で人口が集中する日本で、ドイツ並みの風車が設置できるだろうか。ドイツでさえ最近は陸上の設置は反対が多く、洋上に移行しようとしている。日本では風の強い洋上の設置が必要になる。
http://www.ewea.org/fileadmin/ewea_documents/documents/publications/WETF/WETF.pdfより
北部が風速が早いが全域が風力発電が可能
http://www.ewea.org/fileadmin/ewea_documents/documents/publications/WETF/WETF.pdfより
ドイツなどは陸上の適地が少なくなったことから洋上に移行しつつある北海、バルト海は水深が浅く日本近海より有利
http://www.ewea.org/fileadmin/ewea_documents/documents/publications/WETF/WETF.pdfより
デンマーク 国土の全域が風力発電の適地
http://www.ewea.org/fileadmin/ewea_documents/documents/publications/WETF/WETF.pdfより
英国も北部は風が強く風力発電に向いている
日本で原子力発電並の規模のCO2 削減するためには、洋上立地計画を立ち上げる必要がある
日本では適地である風速が早く遠浅な海域が少なく、海底に基礎を設置するサイトは難しい。浮上式のサイトが必要になる。
大規模な浮上式サイトは一企業ではできず、国家プロジェクトとして推進する必要がある
日本は陸上部には適地が少ない。風速の早い山岳部はあるが設置が容易でない。沿岸には風速が早い海域がある
Japan Weather Association
「海洋にエネルギー・資源を求める」東京大学環境海洋工学専攻 鈴木英之より
日本でも洋上風力発電の検討がなされているが、国のプロジェクトにはなっていない。
沿岸の水深の浅い海域では風速が早い海域は少ない