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力学練習問題 1 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata の力学の項目からこの問題集の電子版と略解が入手できます。 学籍番号 氏名 f4a 仮想仕事の原理 1 f4b 仮想仕事の原理 2 f4cone 円錐に通された鎖の張力 f4eki 液の流出 f4end 4 章終わりの挨拶 f5meanfp トムソン散乱の光の平均自由行程 f6coin コイン投げの問題 (導入用) f6a 太陽内からの光子の拡散 f7a ケプラーの法則から逆2乗則を考える f7b 月の加速度から逆2乗則を考える f7d 人工衛星の速度 f8a 位置を微分して加速度(1D) f8b 加速度を積分して速度(1D) f9a 微分して加速度を得て、力を得る(2D) f9b 円運動の加速度 f9c 振り子の運動方程式 f9kep ケプラー法則(楕円)から力を出す f10a 質量中心の意味 f10bT ロケットの推進力テスト version f11eqmo 座標の回転に対する運動方程式の不変性 f11vec4 積の微分(ベクトル) f11vec1 簡単な計算 f11vec6 向心力と接線加速度 f11vec2 曲率など f11vec3 大圏コース f13a 落体に対するエネルギー保存 (1-D) f13b 落体に対するエネルギー保存 (3-D) f13c 重力の位置エネルギーを求める f13d ばねにつながれた物体のエネルギー保存 (1-D) f13e 多体系での力学的エネルギー保存 f13f 無限に広い平板の作る場 f13h 球殻による位置エネルギー f14ae 保存力なら力学的エネルギー保存則が成立 f14b 人工衛星の脱出速度 f14d 質点のポテンシャルから場を求める f14c ポテンシャルの重ね合わせ f14e 二個の質点によるポテンシャル f14f 球殻によるポテンシャルと場 f18a 棒の回転のエネルギー f18b トルクの表式の幾何学的意味 f18c ケプラー運動での角運動量保存とその応用 f18d 角運動量保存,スピンアップ f18e 車輪の運動方程式 f19a 重心の廻りの回転 f19b 半円の重心 f19c 球の慣性モーメント f19e 慣性モーメントの変化したときのスピンとエネルギー f19f 角運動量保存則の応用

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Page 1: の力学の項目からこの問題集の電子版と略解が入手 …astr-shibata/rikigaku/pa.pdf力学練習問題 2 Chapter 1~4 問題(f4a) 図のように軽い板の一端が支点によって支えられ、

力学練習問題 1

http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata

の力学の項目からこの問題集の電子版と略解が入手できます。

学籍番号 氏名

f4a 仮想仕事の原理 1f4b 仮想仕事の原理 2f4cone 円錐に通された鎖の張力f4eki 液の流出f4end 4 章終わりの挨拶f5meanfp トムソン散乱の光の平均自由行程f6coin コイン投げの問題 (導入用)f6a 太陽内からの光子の拡散f7a ケプラーの法則から逆2乗則を考えるf7b 月の加速度から逆2乗則を考えるf7d 人工衛星の速度f8a 位置を微分して加速度(1D)f8b 加速度を積分して速度(1D)f9a 微分して加速度を得て、力を得る(2D)f9b 円運動の加速度f9c 振り子の運動方程式f9kep ケプラー法則(楕円)から力を出すf10a 質量中心の意味 f10bT ロケットの推進力テスト versionf11eqmo 座標の回転に対する運動方程式の不変性f11vec4 積の微分(ベクトル)f11vec1 簡単な計算f11vec6 向心力と接線加速度f11vec2 曲率などf11vec3 大圏コースf13a 落体に対するエネルギー保存 (1-D)f13b 落体に対するエネルギー保存 (3-D)f13c 重力の位置エネルギーを求めるf13d ばねにつながれた物体のエネルギー保存 (1-D)f13e 多体系での力学的エネルギー保存f13f 無限に広い平板の作る場f13h 球殻による位置エネルギーf14ae 保存力なら力学的エネルギー保存則が成立f14b 人工衛星の脱出速度f14d 質点のポテンシャルから場を求めるf14c ポテンシャルの重ね合わせf14e 二個の質点によるポテンシャルf14f 球殻によるポテンシャルと場f18a 棒の回転のエネルギーf18b トルクの表式の幾何学的意味f18c ケプラー運動での角運動量保存とその応用f18d 角運動量保存,スピンアップf18e 車輪の運動方程式f19a 重心の廻りの回転f19b 半円の重心f19c 球の慣性モーメントf19e 慣性モーメントの変化したときのスピンとエネルギーf19f 角運動量保存則の応用

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力学練習問題 2

Chapter 1~4

問題 (f4a)

図のように軽い板の一端が支点によって支えられ、

他端が糸で釣り上げられて釣りあっている系がある。

板の長さを8m、板の上のおもりの位置を支点から

2mとする。このおもりが100kgあるとして、糸

を引いているおもりは何kgか。

1. 力のモーメントの考えを使って、この問題をと

いてみよ。

2. 仮想仕事の原理を用いて、この問題をといて

みよ。

問題 (f4b)

下図の釣りあった力学系で、糸の張力 T を求めよ。

棒の重さは無視し、おもりの重さ(M)だけを考え

れば良いものとする。棒の長さを L、支点から糸の

引いている位置 Pまでの長さを aとする。棒の鉛直

からの角度を θとする。

1. 力と力のモーメントの釣合からこの問題をとい

てみよ。

2. 仮想仕事の原理を用いてこの問題をといてみよ。

問題 (f4cone)

直円錐 (半頂角 θ)にリングになった鎖 (くさり)を

差し入れる。円錐の軸は鉛直で、鎖は水平で円になっ

て静止しているとする。円錐の表面は摩擦がなく滑

らかである。鎖に働く張力を求めよ。ただし、重力

の加速度を g、鎖の質量をM とおく。

問題 (f4eki)

図のように、容器に入った液体が、側面に取り付

けられた細口から流れ出ている。液体の密度を ρ、出

口から液面の高さをH とし、容器の断面積をA、出

口の断面積を aとする。重力加速度を gとせよ。な

お液体内部の摩擦を無視してよいものとする。

1. エネルギー保存の法則を用いて液体の流れ出る

速度 vを求めよ。(解き方の説明文を忘れずつ

けてください。)

2. 液面がどのように時間とともに下がっていく

か、時刻の関数としてH(t)を求めよ。(微分方

程式を立ててそれを解く)

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力学練習問題 3

問題 (f4end)

ここまでで、第4章まで進んだことになります。教科書はそこまで読みすすみましたか?

もしかしたら大部分は意味不明、かもしれません。特に、最初の何章かは本格的に物理を勉強していかないと、難しいでしょう。でも、がっかりしないでください。多少は、興味深いこともあったと思います。それで十分です。意味不明の箇所は無視して読み進んでください。後の章ほど分かりやすくなるでしょう。

とにかく、先にすすめましょう。

Chapter 5

問題 (f5meanfp)

宇宙の大部分の空間は電離水素ガス (水素は電離す

ると陽子と電子に分れるので、陽子と電子からなる

気体)で占められている。この電離水素ガスの中を

走る光 (光子)の平均自由行程はどれほどか? 気体の

密度をN とせよ。

[ヒント]光子からみると陽子より電子の方が大き

く見える。そしてその断面積は

σe =8π

3

(e2

mc2

)2

= 6.65× 10−25cm2

ここで、eとmは電子の電荷の大きさと質量、cは光速

である。(トムソンの断面積, Thomson cross secion).

Chapter 6

問題 (f6coin)

コインを 16回投げて、表が出るか裏が出るかを調

べる。期待値は、表が 8回、裏が 8回である。1/2の

確率で表・裏になるから。

さて、実際に 16回コインを投げてみたら、表が 10

回出た。ここで君は、「このコインは 1/2よりちょっ

ぴり表がでやすいコインだ」と考えるべきかべきで

ないか、考えよう。

同じことをこんな風に言っても良い。

あたりが出るか外れが出るか確率が 1/2のくじを

友人が作ったという。そしてこんな約束をした。そ

のくじを君が 16回引いて、あたりが多く出れば君が

勝ちで、友人が君に 1000円出す。逆に、外れが多く

出れば友人の勝ちで、君が友人に 1000円出す。

さて、実際に君がくじを 16回引いたところ外れが

10回出た。そのため、君が 1000円損をした。君は

友人がもともとあたり・外れ 確率 1/2のくじを作っ

たことを疑うか。

ここで問題。xを最初、0とし、表が出たら+1し

(1を加え)、裏が出たら−1する (1を減じる) という

操作をする。実際にコイン何回か投げるとして、xの

期待値は 0であり、xの期待値からのズレは D = x

である。このズレの期待値√⟨D2⟩を求めよ。(この

値が 4以上であれば表が 10、裏が 6と出たのは不思

議なことではないことになる。)

問題 (f6a)

太陽はその中心で起こっている核融合反応のおか

げで輝いている。中心で発生した光子は途中太陽本

体を作っているガス中の電子と何ども衝突した後、

やがて宇宙空間に放たれる。光子が平均的に ℓだけ

走って電子によって散乱されるとする (この ℓ は平

均自由行程と呼ばれる)。トムソンの散乱断面積を σ

(= 6.65×10−25cm2)、太陽の平均電子密度をn(8.4×1023cm−3) とすると、

ℓ =1

σn

で与えられる。さて、中心で発生した光子はどれく

らいの時間かかって外に出て来るか。太陽の半径を

R = 6.96 × 1010cm、光速を c = 3.00 × 1010cm/sec

とせよ。

Chapter 7

問題 (f7a)

ケプラーの法則は:

I 惑星は太陽を焦点とする楕円にそって太陽の廻り

を公転している。

II 太陽から惑星に引いた動径は、同じ時間の間には

同じ面積をおおう。(面積速度一定の法則)

III 任意の二つの惑星の周期の自乗は、おのおのの軌

道の長半径の3乗に比例する: T ∝ a3/2 。

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力学練習問題 4

第 III法則と運動方程式から「太陽の引力は太陽か

らの距離の自乗に逆比例すること」を示せ。ただし、

一般の楕円運動は難しいのでここでは円運動を仮定

してよい。

name= F7A

問題 (f7b)

1. 月が地球に向かって落ちて来る加速度を下の

データから計算せよ。

月の地球のまわりの公転周期:T = 27.3日。月

と地球の間の距離:R = 3.84× 108m。

2. 地球上での重力加速度 g = 9.8m/s2 と地球の

半径 R⊕ = 6.38× 106m、そして上の問いの答

えからニュートンの引力の法則(逆自乗則)を

確かめよ。

name= F7B

問題 (f7d)

地表付近で水平に打ち出された弾丸が、空気抵抗

も障害物もないとき、地球を回る軌道に乗るのに必

要な速度を求めよ。

name= F7D

Chapter 8

問題 (f8a)

一直線上を運動する質点の座標が

x = A sinωt+B cosωt

で表されるとき、この質点の加速度はどう表される

か。ここで、A, B, ωは定数、tは時刻である。

問題 (f8b)

一直線上を運動する質点の加速度が

a =1

5exp[− t

20]

で表されるとき、この質点の速度は十分長い時間の

後どのようになるか。但し初速は 0とする。

Chapter 9

問題 (f9a)

放物体の位置が

x = v0t, y = y0 −1

2gt2

で表されるとき、この物体に働く力を運動方程式か

ら算出せよ。

但し、物体の質量を mとし、v0, y0, g は定数で

ある。

問題 (f9b)

円周上を運動する物体に働く力を求めよう。物体

の位置は極座標 (R, θ(t))を用いて表すのがよい。tは

時刻。Rは円運動なので一定である。角度 θ(t) は時

刻の関数としてが与えられているとする。

また、角速度は

ω(t) =dθ(t)

dt

で定義される。一般に、角速度は時間と共に変化する。

直交座標 (x, y)と極座標 (R, θ)の関係は

x = R cos θ

y = R sin θ

である。

ニュートンの運動方程式の xおよび y成分を書き

下し、物体に働く力 Fx, Fyの表式を求めよ。物体の

質量をmとせよ。

次に、求めた力を動径に沿った成分とそれに垂直

な成分をそれぞれ求めよ。

問題 (f9c)

前問 (f9b)の結果を利用して、振り子に対する運動

方程式がd2θ

dt2= − g

Rsin θ

であることをしめせ。ただし、θは鉛直からの振り子

の触れ角、Rは振り子の長さ、gは重力加速度、tは

時刻である。

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力学練習問題 5

問題 (f9kep)

惑星の運動に関するケプラーの法則は以下のよう

にまとめられる。

I 惑星は太陽をひとつの焦点とする楕円にそって公

転している。

II 太陽から惑星に引いた動径は、同じ時間の間には

同じ面積をおおう。(面積速度一定の法則)

III 任意の惑星の周期を T、軌道の長半径を aとする

とき、T

a3/2の値は惑星によらず同じ値になる。

太陽を原点に採った極座標 (r, θ)を用いることにし

よう。惑星の位置は時刻 tをパラメータにして表せ

る: r = r(t), θ = θ(t)。

1. 上の第二法則を式で表現するとどのようになる

か。つまり、単位時間に動径の覆う面積 (面積

速度)が一定という式を作れ。

以下では、面積速度の2倍を ℓ とおくことに

する。

2. 楕円軌道の方程式は

1

r= C(1 + ϵ cos θ)

で表せる。C, ϵ (< 1)は定数。

ケプラーの法則にしたがった運動がニュートン

の運動方程式を満たすとして、惑星に働く力を

求めよ。求めた力が距離の2乗に逆比例する引

力であることを示せ。

ヒント 式の変形に於て、ℓでできるかぎり置

き換えて、ℓが定数であることを利用すると計

算が楽である。(ℓは単位質量当りの角運動量と

いう意味を持っている)。

Chapter 10

問題 (f10a)

二つの物体が一直線上を運動しているとする。こ

の直線に沿って x座標をとる。

質量中心 (Center of Mass)の座標は

XCM =m1x1 +m2x2

m1 +m2

であたえられる。ここで、物体の質量がm1,m2、座

標の値が、x1,x2 であるとした。

以下では、二つの物体に力が働いていても良いこ

ととする。

1. 物体の速度が、V1,V2であるとき、CM系の速

度は

VCM =m1V1 +m2V2

m1 +m2

であることを示せ。

2. VCM で運動する観察者からみると、二物体の

運動量の合計はゼロであることを示せ。

3. 二つの物体の全運動エネルギーを T、CM系か

らみた時の全運動エネルギーを TCM とする。

T = TCM +1

2(m1 +m2)V

2CM

であることを証明せよ。

4. 二つの物体に各々F1,F2の力が働いているとき

質量中心 (上で考えた座標系の原点)の運動方

程式が

MdVCM

dt= F

であることを示せ。ここで、M = m1 + m2,

F = F1 + F2 である。

5. 上の問題の結果を、一直線上を運動する任意の

数の物体の場合に拡張できないか試みよ。

問題 (f10bT)

ロケットは質量を吹き出す (ふきだす=eject)こと

により吹き出したあとの残りの部分(衛星 (えいせ

い;satellite)など)を加速 (かそく)する。

以下の方法で、ロケットの運動を調べよう。運動

は簡単のため一直線上とする。

1. 始めロケットの全質量はM であり、速さは V

であるとする。質量mのガスを噴射 (ふんしゃ

eject)したあと、速さが V + U になったとす

る。ガスの噴射したときの速度については、ロ

ケットに対してガスの速度が V0であったと仮

定 (かてい assumed)する。

ガスの噴射の前後で運動量が保存することを用

いて、加速分 U を求めよ。

2. U/V0 対mのグラフを描け。

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力学練習問題 6

Chapter 11

問題 (f11eqmo)

一つの座標系 (x, y, z)とそれを θ だけ回転したも

う一つの座標系 (x′, y′, z′)がある。座標の変換式と

力の変換式はそれぞれ

x′ = x cos θ + y sin θ (1)

y′ = y cos θ − x sin θ (2)

z′ = z (3)

F ′x = Fx cos θ + Fy sin θ (4)

F ′y = Fy cos θ − Fx sin θ (5)

F ′z = Fz (6)

であたえられる。

このとき二つの座標系でニュートンの方程式の形

が変わらないことを示せ。

問題 (f11vec4)

スカラー量 f、ベクトル量 A,及び Bはともに時

間の関数である。以下の等式を証明せよ。

d

dt(fA) =

df

dtA+ f

dA

dt

d

dt(A ·B) =

dA

dt·B +A · dB

dt

問題 (f11vec1)

質量 m1 = mの粒子が v1 = 3i + 2j − k の速度

で運動している。そして質量m2 = 2m、速度 v2 =

−2i + 2j + 4k の粒子と非弾性的に衝突する(合体

する)。二つの粒子が一緒になったものの速度を求

めよ。

問題 (f11vec6)

運動する質点の位置ベクトルを r(t)とする。質点

の速度は v = dr/dt で表される。ここで tは時刻。

また、質点のスピードは v = |v|と書ける。長さ1のベクトル v = v/v は軌道の接線方向の単

位ベクトルになる。

この質点の加速度を軌道の接線方向の加速度と、

それに垂直な加速度の成分に分割できること、すな

わち

a =dv

dtv +

v2

Rn (7)

の形になることを以下の手順にしたがって示せ。こ

こで Rは軌道の曲率半径、nは軌道の接線に垂直な

単位ベクトルである。

1. 速度 v = vvを時間で微分して運動方向に沿っ

た加速とそれ以外の成分に分かれることを示せ。

2.dv

dtが v に垂直であることを示せ。

3.dv

dtの方向の単位ベクトルを n と定義すると

き、図を参考にして

dv

dt=

v

Rn

と書き表せることを示せ。この時に曲率半径の

意味についても言及せよ。

4. 以上をまとめて、(7)を示せ。

問題 (f11vec2)

質量 1 kg の粒子が運動していて、その位置は次

のベクトルで表される。(長さ及び時間の単位は m

と sec とする。)

r = ti+ (t+t2

2)j− (

4

π2sin

πt

2)k.

1. t = 0 および t = 1 でのこの粒子の位置、速

度、加速度、運動エネルギーを求めよ。

2. この運動を起こす力を求めよ。

3. t = 1に於けるこの粒子の経路の曲率半径を求

めよ。

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力学練習問題 7

問題 (f11vec3)

地球上での経度,緯度が (λ1, ϕ1) (λ2, ϕ2) である二

点間の大圏距離を求めよ。

Chapter 13

問題 (f13a)

1. 物体が鉛直線上を運動するとき力学的エネル

ギーの保存則

1

2mv2 +mgh = (一定)

が成立することをニュートンの運動方程式から

導け。m, v, h, g はそれぞれ、物体の質量、速

度、高さ、それに重力加速度である。この式の

第一項を T (運動エネルギー)、第二項を U(位

置エネルギー)と書くと

T + U = (一定)

となる。

2. 摩擦のない曲面を滑り降りるときにも同じ結果

になることを示せ。

問題 (f13b)

1. 質量mの質点の三次元運動を考える。運動エ

ネルギーは

T =1

2mv2

で定義される。質点に働く力をF、質点の速度

を vとするとき

dT

dt= F · v.

であることを示せ。

2. 上の結果を積分すると、

位置1から位置2まで運動するときの運動エネ

ルギーの変化はこの間に力のした仕事に等しい:

∆T = T2 − T1 =

∫ 2

1

F · ds

を得る。右辺の積分は物体の軌道にそった線積

分である。

上の結果を用いて、物体が鉛直下向きの重力

mg を受けて摩擦なく運動するとき (例えば、

空中に投げられた物体や摩擦のないコースを走

るジェットコースター)

1

2mv2 +mgh = (一定)

が成立することを示せ。ここで hは鉛直方向の

高さ。(運動の経路は三次元的にどんな曲線を

採ってもよいとせよ)。

注意:ジェットコースターの様な場合、コース

自身から働く力はコースに垂直だから仕事をし

ないことに注意せよ。

問題 (f13c)

固定された質点M(その質量M)があって、その廻

りを運動する質点 m(その質量 m)がMからの重力

のみを受けているとき、質点mの力学的エネルギー

の保存則は

1

2mv2 + U(r) = (一定)

の様に書ける、ここで rは質点間の距離。U(r)を求

めよ。

問題 (f13d)

点 Oに向かう大きさ kx引力を受けて、一直線上

を運動する質点m(その質量m)がある、ここで k, x

はそれぞれある定数及び点 Oと質点mの間の距離。

力学的エネルギーの保存則は

1

2mv2 + U(x) = (一定)

の様に書ける、U(x)を求めよ。

問題 (f13e)

多数個の質点が互いに重力を及ぼし合ながら運動

しているとする。この時力学的エネルギー保存則は∑i

1

2miv

2i +

∑i,jの対

−Gmimj

rij= (一定)

になることを示せ。

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力学練習問題 8

問題 (f13f)

無限に広い薄い平板から距離 a離れた点に於ける、

平板による重力場を求めよ。万有引力 (重力)定数を

G 、平板の面密度を σとする。

問題 (f13h)

質量M、半径Rの球殻を考える。質量mの質点が

持つこの球殻による重力の位置エネルギーをもとめ

よ。ただし、質点M の位置が球の内にあるときと外

にあるときと場合わけして求めよ。(球殻の中心から

質点までの距離を rとして、r < Rのときと、r > R

のときに場合分けして答えを求めよ。)

Chapter 14

問題 (f14ae)

質量 mの質点が力 F を受けて運動しているとす

る。この質点の位置および速度については文字、r(t)

および v(t) を用いよ。(注意:計算では、スカラー量

とベクトル量は明確に示すように細心の注意を払う

こと。ベクトル量は太字 (肉付け文字)や矢印などを

付ける。区別がないときは間違いとみなす。)

1. この力 F が保存力であるとする。このことは

数学的にどう表されるか。式と簡単な説明を付

けて答えよ。あたらしく導入した文字があると

きはその意味も説明するのを忘れないように!

2. 力 F が保存力であれば、この質点の位置エネ

ルギー U が定義でき、さらに、力学的エネル

ギーの保存(運動エネルギーと位置エネルギー

の和が一定になる):

1

2mv2 + U = (一定)

を示すことができる。ニュートンの運動方程式

から出発し実際に力学的エネルギーの保存を証

明せよ。

問題 (f14b)

1. 地球を出た人工天体が地球を脱出するための速

度は幾らか。

2. 地球を出た人工天体の全力学的エネルギー

1

2mv2 − GmM

r= E

が負であるとする。人工天体の採りうる最高高

度は幾らか。

問題 (f14d)

質量mの質点による重力ポテンシャル

Ψ = −Gm

r

から gradient(勾配)を計算することにより、重力場

Cを求めよ。ここで、r は質点からの距離、Gは万

有引力定数。

問題 (f14c)

N 個の質点(質量mi(i = 1, 2, ..., N))があるとす

る。ある点のポテンシャルは質点が一個の場合のポ

テンシャルの和

Ψ = −N∑i=1

Gmi

ri

で表せることを示せ。riはその点と質点までの距離。

問題 (f14e)

質量 m の質点が二個、座標 (a, 0, 0) と (−a, 0, 0)

に固定されている。点 (x, y, 0)に於けるポテンシャ

ルを求めよ。

問題 (f14f)

1. 質量M、半径 Rの球殻を考える。この球殻に

よる重力のポテンシャルを球の内外に場合わけ

て求めよ。

2. 上の結果からこの球殻による重力場を求めよ。

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力学練習問題 9

Chapter 18-19

問題 (f18a)

長さ l で質量の無視できる剛体の棒の両端に、質

量がmの小さな玉を取り付ける。棒の中央を中心と

して回転する場合と、棒の一端を中心として回転す

る場合とでは、回転角速度が同じ時どちらの運動エ

ネルギーがどれだけ大きいか。

問題 (f18b)

一つの平面内の回転を考えるとき、回転のトルク

は τ = xFy − yFx で与えられる。トルクの別の表現

が、Fθrおよび Fr0 であることを証明せよ。ここで

Fθ は力の回転方向の成分、rは回転の中心からの距

離、F は力の大きさ、r0 は腕の長さである。

問題 (f18c)

太陽の引力のもとで運動する惑星を考える。近日

点距離を R1、この時の惑星の速さを V1 とする。遠

日点距離とその時の速さを求めよ。

問題 (f18d)

図のように、剛体棒 (慣性モーメントは無視できる)

の両端におもり (質量M)が取り付けられており、棒

は角速度 ωで回転している。始め、中心からおもり

までの距離は aであったとする。おもりを中心方向

に引き、中心からの距離を bに縮めたとき角速度は

いくらになるか。

db���

��

gg

問題 (f18e)

半径 Rの車輪が、車軸を水平に固定して、自由に

回転できるようになっている。この車輪の慣性モー

メントを I とする。車輪の外縁に沿って力 F を加え

たとき車輪の回転角速度 ω はどの様に変化するか。

始め車輪は止まっているとする。

問題 (f19a)

質点系を考えて、その質量中心CMの座標をRCM

とする (座標原点 Oは CMとは異なるものとする)。

1. Oの廻りの角運動量と CMの廻りの角運動量

はそれぞれ

L =∑i

miri ×Vi

l =∑i

mir′i ×V′

i

で与えられる (ここで、r′i, V′i はCM系からみ

た、位置と速度である)。この時

L = MRCM ×VCM + l

となることを示せ ( ここで、M =∑

mi は質

点系の全質量である)。

2. CMの運動方程式

MdVCM

dt=∑i

Fi

と、dL/dt = (全トルク)=∑

ri×Fi を利用す

ると、CM系でも同様の式

dl

dt=∑i

r′i × Fi

が成立することを示せ。質量中心の運動と質量

中心の廻りの回転運動は分けて考えることがで

きることが分かる。

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力学練習問題 10

問題 (f19b)

質量M の半円形の円盤の重心を求めよ。

問題 (f19c)

全質量がM の球 (密度は一様)の慣性モーメント

は幾らか。

問題 (f19e)

F18Dの問題で装置の全エネルギーはどうなった

か調べよ。それが保存していない場合その理由を説

明せよ。

問題 (f19f)

慣性モーメントが I0の回転台 (turn table)がある。

台の上の一つの半径に沿って一本のレール (mono rail)

があり、そのレールに沿って質量mの物体が運動で

きるようになっている。始め全体が角速度 ωで回転

しており、物体は回転中心から半径 rの位置にある。

1. 微小時間 dtの間に物体がレールに沿って drだ

け動いたとき全体の回転角速度の変化 dωは幾

らになるか。これから ω に対する運動方程式

を求めよ。

2. 回転台が物体から受けるトルクはどの方向に幾

らか。

3. 物体が受けるトルクはどの方向で幾らか。

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力学練習問題 11

まだ校正が十分でないのでタイプミスなどがあると思います。そのときは自分で判断するなり、質問に来

るなりして自助努力をおねがいします。

1 略解

略解 (a-f4a.tex)

1. 物体が静止していれば、力のモーメントがつり合っている。

2. 糸で引いている力を xとする。時計回りのモーメントは、8x、反時計回りのモーメントは 100 × 2、

両者がつり合っているので、

x =200

8= 25[kg重] (8)

3. 糸を∆ℓだけ引いたときおもりの高さが∆ℓ/4だけ高くなる。エネルギーの増減がないとすると、

x∆ℓ = mg∆ℓ

4ゆえに、x = 25g[N ] (9)

gは重力加速度。

略解 (a-f4b.tex)

注意:力のモーメントは、力×うでの長さ、であるが、うでの長さというのは、作用線と支点の間の距離

Lである。これは、同時に支点と作用点を結ぶ直線の長さRと、この直線に垂直な力の成分の大きさ Fpの

積でもある。(下図)

力のモーメント = LF = RFp

1. 時計回りのモーメントは、MgL sin θ

反時計回りのモーメントは、Ta cos θ

これらのバランスより、

T =L

aMg tan θ (10)

2. 糸をわずかの長さ∆ℓだけ引くとき、おもりが高さ∆H だけ上昇したとする。つり合い状態なら糸の

引くときの仕事 T∆ℓ とおもりの位置エネルギーの増加 Mg∆H は等しい。よって、

T = Mg∆H

∆ℓ(11)

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力学練習問題 12

である。

あとは、∆ℓと∆H の関係を知れば良い。引っ張っている糸の長さを x、支点から棒の先端までの高

さを hとする。x = a sin θ と h = L cos θという関係がある。両辺を θで微分すると

dx

dθ= a cos θ,

dh

dθ= −L sin θ, (12)

を得る。これは、角度がわずかに ∆θだけ大きくなったら、糸の長さは ∆x = (a cos θ)∆θだけ変化

し、棒の先端の高さは ∆h = −(L sin θ)∆θだけ変化することを示している。よって、

∆H

∆ℓ=

∆h

−∆x=

L sin θ

a cos θ(13)

この結果を (11)に代入すると、

T =L

aMg tan θ (14)

(力のモーメントで求めたものと同じ答え)になる。

略解 (a-f4cone.tex)

鎖を∆ℓだけ縮めて、高さが ∆hだけ高くなったとする。縮めた時の仕事 T∆ℓ と位置エネルギーの増加

Mg∆hが等しいから、

T = Mg∆h

∆ℓ(15)

である。あとは、∆hと∆ℓの関係を求めれば良い。鎖の作る円の半径と鎖の長さの関係は ℓ = 2πrであり、

円錐の半頂角を θとすると (問題の図を参照)、鎖のある位置の水平面と円錐の頂点の距離 hは、h = r/ tan θ

で与えられる。両辺を微分して、∆ℓ = 2π∆rおよび ∆h = ∆r/ tan θの関係が得られ、これを上の式に代

入すると、

T =Mg

2π tan θ(16)

を得る。

※従来通りの力のバランスから同じ結果を導くのは結構よい頭の体操になる。今回はこのやり方をして

欲しくないが念のため従来の方法と同じ結果になることを確認する計算をしてみよう。

まず、鎖の一部を考えて、水平面で切った図を書いたとき、その鎖の一部が円錐軸を中心として作る弧の

中心角が∆ϕであったとする。すると鎖の全体の質量がM であれば、円周は角度 2πに相当するので、今

取り上げた鎖の一部の質量は∆m = M(∆ϕ/2π)である。この質量が円錐の斜面で釣り合いの状態であると

すると、この質量に働く重力と円錐面からの垂直抗力のの和は、水平で円錐の軸方向を向かう力 F になり:

F =∆m g

tan θ(17)

が成り立つ。つぎに、水平で切った面上で、この鎖の一部に働く力を考えると、鎖の一部の円弧の部分の両端

に張力 T が円弧の接線方向に働き、その合力がF になっていることが分かる。一つの張力のF の方向の成分

はT sin(∆ϕ)であるので、この2倍がF に等しいことになる。これを上の式に代入すると、T = Mg/2π tan θ

という同じ結果を得る。

試みてみよ。

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力学練習問題 13

略解 (a-f4eki.tex)

短い時間∆tにおけるエネルギーの保存を考える。液面が∆Hだけ下がったとき位置エネルギーの減少は、

∆E1 = (低下した液体の質量)× (高さ) = gH∆m (18)

で与えられる。ここで、∆mは、この間に降下した質量。従って,容器の断面積を A、液体の密度を ρと

すると、∆m = ρA∆H で与えられる。同じ質量が細口からエネルギーを持ってでる。その大きさは、運動

エネルギーとして

∆E2 =1

2(∆m)v2 (19)

となる。∆E1 = ∆E2 なので、v =√2gH を得る。

液面の高さの変化を知るための微分方程式は、液面が下がったときに、減った質量∆m = ρA∆H が、出

口からでる液量に等しいと置くことで得られる。∆t秒間に出口からでる液の長さは v∆tで、出口の面積が

aであったから、出口から出る液の質量は、ρav∆tになる。従って、

∆m = ρA∆H = −ρav∆t (20)

の関係がある。∆t → 0の極限でdH

dt= − a

Av = − a

A

√2gH (21)

を得る。これが求めるべき微分方程式である。

この微分方程式は、初期状態 t = 0から tまで時間で積分すれば解ける:ここで、初期の高さを H0 と

する、 ∫ H

H0

(H ′)−1/2dH ′ = −a√2g

A

∫ t

0

dt′ (22)

よって、 (H1/2 −H

1−1/20

)= − a

A

√g

2t (23)

H(t) =

(H

1/20 − a

A

√g

2t

)2

(24)

略解 (a-f5meanfp.tex)

ℓ =1

Nσ≈ 1.5× 1024N−1cm (25)

略解 (a-f6coin.tex)

略 (授業ノートのとおり)

略解 (a-f6a.tex)

光子と電子の衝突がN 回あると中心から√N ℓ くらい光子が外に向かって拡散する。これが表面に達す

るにはN = (R/ℓ)2回ぶつかれば良い。一回の衝突までの時間は ℓ/cなので中心から出た光子が太陽表面に

達するまでの時間は

t =ℓ

c

(R

)2

になる。 ℓ ≈ 1.8cm になるので、t ≈ 9× 1010sec (2.8千年)かかる。

※先の問題のように3次元効果をきちんといれるなら、3倍する必要がある。

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力学練習問題 14

略解 (a-f7a.tex)

円運動では

F = mrω2 = mr

(2π

T

)2

T は周期。

これに T = a3/2 を代入すると、F ∝ m/r2 になる。

略解 (a-f7b.tex)

(a) 月の加速度は

a =v2

R= Rω2 = 2.7× 10−3m/s

2

ただし、ω = 2π/T = 2π/27.3dayで日を秒になおすことをわすれずに。

(b) 地上の重力加速度が 2乗に逆比例で減少すると、

a = 9.8×(R⊕

R

)2

= 2.7× 10−3m/s2

となり、(a)の結果と一致する。

略解 (a-f7d.tex)

円軌道の半径は地球半径 R = 6.38× 106mで、その運動の加速度は v2/Rなので、

v2

R= g

が成り立つ。ここで g = 9.8m/s2 は地表面での重力加速度である。これより、

v =√gR =

√9.8× 6.38× 106 ≈ 8km/s

が求める速度である。

略解 (a-f8a.tex)

v =dx

dt= Aω cosωt − Bω sinωt

a =dv

dt= −Aω2 sinωt − Bω2 cosωt = −ω2x

略解 (a-f8b.tex)

t = 0 から T まで積分すると ∫ T

0

dv =

∫ T

0

1

5exp

(− t

20

)dt

初速が 0であることをいれると

v(T ) = 4− 4 exp

(− T

20

)T → ∞ で v → 4

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力学練習問題 15

略解 (a-f9a.tex)

Fx = mx = 0, Fy = my = −mg

略解 (a-f9b.tex)

与式を微分して

dx

dt= −R sin θ

dt(26)

dy

dt= R cos θ

dt(27)

もう一回微分して加速度 aを求めると、

ax =d2x

dt2= −R cos θ

(dθ

dt

)2

−R sin θd2θ

dt2(28)

ay =d2y

dt2= −R sin θ

(dθ

dt

)2

+R cos θd2θ

dt2(29)

これを成分に分けて力 F = maを求めると(Fx

Fy

)= −mRω2

(cos θ

sin θ

)+mR

dt

(− sin θ

cos θ

)(30)

ここで、ω = dθ/dtは角速度。これより、力の動径方向成分はFr = −Rω2、方位角方向成分はFθ = Rdω/dt

となる。

略解 (a-f9c.tex)

全問で中心に向かう力は −mRω2rである。これは振子の場合、mg cos θ− T )r に相当する。このことか

ら張力 T は

T = mg cos θ +mRω2

であることがわかる。一方、θ方向の力は、全問で mRθであることが分かっていて、振子の場合、これは

−mg sin θ になる。このことからd2θ

dt2= − g

Rsin θ

を得る。

略解 (a9kep.tex)

1. 位置を原点とする極座標 (r(t), θ(t))であらわす。tは時刻。∆t秒間に覆う面積は (1/2)r · rω∆t (ちょ

うど三角形の面積のように底辺×高さ÷2と考えれば良い )。よって、面積速度一定は

r2ω = r2θ =一定 (31)

と表現できる。ここで、dθ/dt = θ = ωである。

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力学練習問題 16

r ω ∆τ

r

ω ∆t

2. 方針:惑星に働く力を

F =

(Fx

Fy

)=

(mx

my

)(32)

に依って求める。

惑星の位置は x = r cos θ, y = r sin θ で表される。速度、加速度を求める。但し、θが出てくるたび

に r2θ = ℓで消去する。

x = r cos θ − ℓ sin θ

r, y = r sin θ +

ℓ cos θ

r(33)

x = r cos θ − ℓ2 cos θ

r3, y = r sin θ − ℓ2 sin θ

r3(34)

となる。一方、楕円の方程式を満たすから、

1

r= C(1 + ϵ cos θ),であり、 r =

Cϵℓ2 cos θ

r2(35)

を得る。結局、

F =

(Fx

Fy

)= −mCℓ2

r2

(cos θ

sin θ

)= −mCℓ2

r2r (36)

ここで、rは太陽から惑星への動径方向の単位ベクトル。よって、力は太陽方向で r2に逆比例した力

になる。

略解 (a-f9e.tex)

太陽に近い時が θ = 0の点、遠い時が θ = πの点になっている:

r1 =C

1 + e, r2 =

C

1− e, (37)

長半径は

a =r1 + r2

2=

C

1− e2(38)

楕円の性質からPF1+PF2 = QF1+QF2なのでQF1 = aである事が導ける (図参照)。また、OF1 = a−r1

である。ここで三角形 OF1Qでピタゴラスの定理を適用すると、短半径 b = QOは

b2 = a2 − (a− r1)2 =

C2

(1− e2)2− e2C2

(1− e2)2=

C2

1− e2(39)

よって

b =C√

1− e2= a

√1− e2 (40)

となる。

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力学練習問題 17

ケプラーの第二法則は面積速度一定である。これから、1周期 T で面積 πabを掃くから

h

2=

πab

T=

πa2√1− e2

T(41)

したがって、

hTover2 = πa3/2√C (42)

を得る。あとは、C が h2/GM であることを導けば良い。

ここでエネルギー保存法則を最も近くなる時と遠い時で立てると、

1

2mv21 +

1

2mv22 = GmM

(1

r1− 1

r2

)(43)

これに面積速度一定から出てくる関係、v1 = h/r1と v2 = h/r2および問1の答えを代入すると、奇麗に整

理されてh2

C= GM (44)

になる。この関係で C を消去すると、T 2

a3=

4

GM(45)

という目的の式を得る。

略解 (a-f10a.tex)

略解 (a-f10b.tex)

運動量が噴射の前後で保存するので

MV = (M −m)(V + U) +m(V − V0)

これを解いて

U =m

M −mV0

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力学練習問題 18

略解 (a-f11eqmo.tex)

教科書の通り

略解 (a-f11vec4.tex)

d (fA)

dt= lim

∆t→0

f(t+∆t)A(t+∆t)− f(t)A(t)

∆t(46)

= lim∆t→0

f(t+∆t)A(t+∆t)− f(t+∆t)A(t) + f(t+∆t)A(t)− f(t)A(t)

∆t(47)

= lim∆t→0

f(t+∆t)(A(t+∆t)−A(t)) + (f(t+∆t)− f(t))A(t)

∆t(48)

= lim∆t→0

f(t+∆t)A(t+∆t)−A(t)

∆t+ lim

∆t→0

f(t+∆t)− f(t)

∆tA(t) (49)

= f(t)dA

dt+

df

dtA (50)

内積についても同様に行えるので省略。

略解 (a-f11vec1.tex)

衝突の際に全運動量は保存するので、

m1v1 +m2v2 = (m1 +m2)v

とおける。結果、

v = −1

3i+ 2j +

7

3k

を得る。

略解 (a-f11vec6.tex)

v = vv とおく。但し、v = |v| =√v · v である。加速度は

a =dv

dt=

d (vv)

dt=

dv

dtv + v

dv

dt

ここで最後の表現で第一項はスピードの変化率である。第二項は、軌道に垂直な加速度であるが、ベクトル

dv/tの方向単位ベクトルを nとかくことにすると、

a =dv

dtv +

v2

Rn

と書くことができる。ここで、Rは軌道にぴったり円を当てはめたときのその円の半径で曲率半径とよば

れる (軌道が曲がってなければ Rは無限大である)。

実際、v · v = 1の両辺を時間で微分すると

v · dvdt

+dv

dt· v = 2v · dv

dt= 0

なので、たしかにベクトル dv/dtは軌道と直交する。

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力学練習問題 19

つぎに、 ∣∣∣∣dvdt∣∣∣∣ = lim

∆t→0

|v(t+∆t)− v(t)|∆t

を考える。この式の分子は左の図をみると半径が 1で中心角が ∆θ の弧の長さなので、∆θになる。(図は

∆ が d になってしまっているのはご勘弁) 一方、右の図では同じ ∆θ が 半径 Rで弧の長さが v∆t である

ことから∆θ =v∆t

Rであることがわかる。これから、dv/dt = (v/R)nになる。

略解 (a-f11vec2.tex)

準備:

v = i+ (1 + t)j −(2

πcos

πt

2

)k

a = j +(sin

π

2t)k

t = 0 t = 1

r 0原点 i+ 32j − 4

π2k

v i+ j − 2πk i+ 2j

v2 2 + 4π2 5

a j j + k12mv2 1 + 2

π252

t = 1での速度と加速度をしらべると、

a = j + k = a∥v + (残りの部分)

と別けて、a∥ = a · v/v = 2/√5 なので、残りの部分が

−2

5i+

1

5j + k

と分かる。残りの部分の大きさは v2/Rなので、これから、R = 5√30/6と求められる。

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力学練習問題 20

略解 (a-f11vec3.tex)

2点の座標は

r1 = (cosϕ1 cosλ1, cosϕ1 sinλ1, sinϕ1)

r2 = (cosϕ2 cosλ2, cosϕ2 sinλ2, sinϕ2)

大圏距離は ℓ = Rθでもとめられる。ここで、Rは地球の半径、θ は中心と各点を結ぶふたつの位置ベクト

ルのなす角度である。θは、位置ベクトルの内積をとることで

cos θ = cosϕ1 cosλ1 cosϕ2 cosλ2 + cosϕ1 sinλ1 cosϕ2 sinλ2 + sinϕ1 sinϕ2

= cosϕ1 cosϕ2 cos(λ1 − λ2) + sinϕ1 sinϕ2

略解 (a13b.tex)

1.dT

dt=

d

dt

(1

2mv · v

)= mv · dv

dt= v · F (51)

※非ベクトル的な表示dT

dt=

d

dt

(1

2mv · v

)= mv · dv

dt= v · F (52)

は不可。力学全般でベクトルとスカラーを区別しない回答は全て不可なので十分注意すること。

2. 左辺は

T2 − T1 =1

2mv2 −

1

2mv1 (53)

次に右辺については、粒子の軌道の直交座標での位置と変位が

s = xi+ yj + zk, ds = dxi+ dyj + dzk, (54)

であり (z方向が鉛直上向きとする)、重力が

F = Fxi+ Fyj + Fzk = −mgk, (55)

と書けることから、F · ds = −mgdzに注意して∫ 2

1

F · ds = −mg

∫ z2

z1

dz = −mg(z2 − z1) (56)

となる。ここで、z1、z2は位置1、2の z座標である。また、重力以外の垂直抗力については F ·ds = 0

であるのであっても上の結果はかわらない。左辺=右辺より

1

2mv1 +mgz1 =

1

2mv2 +mgz2 (57)

である。h = zなので目的の保存法則が得られた。ここで、何度も上下運動するときは、厳密には積

分範囲が∫ 2

1=∫ z3z1

+∫ z4z3

+ . . .+∫ z2znの様に分割されるが行き帰りの積分は打ち消されるので結論に

かわりがない。

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力学練習問題 21

略解 (a13b.tex)

1.dT

dt=

d

dt

(1

2mv · v

)= mv · dv

dt= v · F (58)

※非ベクトル的な表示dT

dt=

d

dt

(1

2mv · v

)= mv · dv

dt= v · F (59)

は不可。力学全般でベクトルとスカラーを区別しない回答は全て不可なので十分注意すること。

2. 左辺は

T2 − T1 =1

2mv2 −

1

2mv1 (60)

次に右辺については、粒子の軌道の直交座標での位置と変位が

s = xi+ yj + zk, ds = dxi+ dyj + dzk, (61)

であり (z方向が鉛直上向きとする)、重力が

F = Fxi+ Fyj + Fzk = −mgk, (62)

と書けることから、F · ds = −mgdzに注意して∫ 2

1

F · ds = −mg

∫ z2

z1

dz = −mg(z2 − z1) (63)

となる。ここで、z1、z2は位置1、2の z座標である。また、重力以外の垂直抗力については F ·ds = 0

であるのであっても上の結果はかわらない。左辺=右辺より

1

2mv1 +mgz1 =

1

2mv2 +mgz2 (64)

である。h = zなので目的の保存法則が得られた。ここで、何度も上下運動するときは、厳密には積

分範囲が∫ 2

1=∫ z3z1

+∫ z4z3

+ . . .+∫ z2znの様に分割されるが行き帰りの積分は打ち消されるので結論に

かわりがない。

略解 (a13c.tex)

解答は教科書の通りである。

それでも、簡単に書き下ろしてみると:

質点の運動方程式は

mdv

dt= −G

mM

r3r

ここで、v, rは質点の速度と位置ベクトル、r = |v| である。Gは万有引力定数。両辺に v·をかける (内積

をとる)とd

dt

(1

2mv2

)= −G

mM

r3v · r = −G

mM

r3r · ds

dt

を得る。dsは微小変位である。はじめの状態 1から終わりの状態 2まで時間で積分すると、運動エネルギー

T = mv2/2の変化は

∆T =

(1

2mv2

)2

−(1

2mv2

)1

= −∫ 2

1

GmM

r3r · ds

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力学練習問題 22

とかける。変位を (経路に沿って)、半径方向の単位ベクトルと er とそれに垂直な単位ベクトル e⊥とに分

割して、

ds = drer + dye⊥

と書くことにすると,仕事の計算は e⊥ · r = 0に注意して

−∫ 2

1

GmM

r3r · ds = −

∫ 2

1

GmM

r3r · (drer + dye⊥) = −

∫ 2

1

GmM

r3rdr

となる。よって

∆T = −∫ 2

1

GmM

r2dr = GmM

[1

r

]21

= GmM

(1

r2− 1

r1

)これを別の表現をすると (

1

2mv2

)2

− GmM

r2=

(1

2mv2

)1

− GmM

r1

このようにして力学的エネルギー保存がしめされ、

U(r) = −GmM

r

であることがわかる。

略解 (a13d.tex)

U(x) = −∫ 1

x

F · ds =

∫ x

0

ksds =1

2kx2

(参考) なお、フックの法則に従う力 F = −kx が保存力かどうかについては、分かりにくいか

もしれませんね。なぜなら、ここで考えているのは一次元運動なので、Aから Bまで行く経路

によらず仕事が同じというような考えかたができないようにみえる。一直線状ならAから Bま

で行く経路は一つしか無い。それでも、一直線状で Aから Bまで行くかわりに、Aから Cに

行き、戻って Bに行くようなことも考えられる。Aから Bに行く仕事と、途中 Cに立ち寄った

時の仕事が同じになることが保存力の条件になる。そして、フックの法則については保存力に

なる。

略解 (a13e.tex)

dT

dt=

∑i

d

dt

(1

2mivi · vi

)(65)

=∑i

vi ·(mi

dvi

dt

)(66)

(ここで、運動方程式を代入)

=∑i

∑j =i

vi ·

(−G

mimjrijr3ij

)(67)

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力学練習問題 23

上式を整理して書くと

dT

dt= −G

m1m2

r312v1 · r12 −G

m1m3

r313v1 · r13 . . .

−Gm2m1

r321v2 · r21 −G

m2m3

r323v2 · r23 . . .

−Gm3m1

r331v3 · r31 −G

m3m2

r332v3 · r32 . . .

= −∑

(i,j) の対

Gmimj

r3ij(vi − vj) · rij

(68)

一方、

dV

dt=

∑(i,j) の対

d

dt

(−G

mimj

rij

)(69)

=∑

(i,j) の対

Gmimj

r2ij

drijdt

(70)

ここで、r2ij = rij · rij の両辺を時間で微分すると、

2rijdrijdt

= 2rij ·drijdt

= 2rij · (vi − vj)

になることに注意すると、dV

dt=

∑(i,j) の対

Gmimj

r3ijrij · (vi − vj) (71)

これと、(68)を比較すると、d(T + V )/dt = 0であることが分かる。

略解 (a13f.tex)

上図のような状況で考える。重力場の面に垂直な成分 dCzは、微小な面状の質量 dmからの寄与とすると

dCz =Gdm

r2a

r=

Gaσdρdθ

r3

である。ここで、面密度 σ を用いると dm = σdxdy = σρdρdθ と置けることをもちいた。(ρ, θ) は、平面

(x, y)にたいして極座標を導入した。r2 = a2 + ρ2なので、rdr = ρdρで積分範囲も変わることに注意する。

Cz =

∫ ∞

0

2πGaσ

r3ρdρ =

∫ ∞

a

2πGaσ

r3rdr = 2πGρ

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力学練習問題 24

略解 (a13h.tex)

この問題で質量m = 1としたものの答えが f14fの答えになるので、f14fの答えをご覧下さい。

略解 (a14ae.tex)

1. 質点が点 P1 から P2 まで移動するとき、質点に働く力を F としてこの力によってされた仕事は力 F

の移動経路に沿った線積分で表される。任意の二つの経路1と経路2について力のした仕事が同じになる、

つまり

W =

∫ P2

P1 経路 1F · ds =

∫ P2

P1 経路 2F · ds (72)

がなりたつとき力 F は保存力であるという。単に、仕事W が経路によらない時、力 F は保存力であると

いってよい。

2. 上記の質点 (質量 m)の運動方程式は

mdv

dt= F (73)

とかける、ここで vは質点の速度である。この両辺に v·をかけると、

mv · dvdt

= v · F (74)

d

dt

(1

2mv2

)= v · F (75)

ここで、v2 = v · vである。質点は、時刻 t1 で点 P1 を通過し、t2 で点 P2 を通過したとすると、この間で上の式を積分すると、∫ t2

t1

d

dt

(1

2mv2

)dt =

∫ t2

t1

v · F dt (76)[1

2mv2

]t2t1

=

∫ t2

t1

v · F dt (77)

となる。左辺は時刻に関して積分しているが、経路の道のりについての積分に変換すると、vdt = dsと

して、1

2mv22 −

1

2mv21 =

∫ P2

P1

F · ds (78)

と書くことができる、v1 と v2 はそれぞれ時刻 t1 と t2 における速さ (スカラー量)である。

どこかある場所を基準点 Oとし、任意の点 Rまで物体が移動したとき力 F がした仕事にマイナス符号

をつけたもの U とすると、U は移動経路によらず、点 Rの位置だけの関数となる:

U(R) = −∫ R

O

F · ds (79)

これを点 Rにおける質点mの位置エネルギーと定義する。すると、(78)は、

1

2mv22 −

1

2mv21 =

∫ O

P1

F · ds+

∫ P2

O

F · ds (80)

= −∫ P1

O

F · ds+

∫ P2

O

F · ds (81)

= U(P1)− U(P2) (82)

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力学練習問題 25

と変形できる。従って、1

2mv22 + U(P2) =

1

2mv21 + U(P1) (83)

を得る。これは点の位置は任意であるので、

1

2mv2 + U =一定 (84)

が示された。

略解 (a14b.tex)

新たな推進が無ければ、人工天体の全力学的エネルギーは保存するので

E =1

2v2 − GmM

R=

1

2mv∞

と書ける。ここで、vは地球を出たときの初速、Rは地球の半径、v∞ は地球から十分離れたとき (無限遠

とする)の速さである。mとM はそれぞれ人工天体と地球の質量。

(a) E < 0なら v∞ は求められないのでこれは無限遠にはいけないことになる。E = 0 なら v∞ = 0、

E > 0なら無限遠で有限の速度である。よって脱出条件は E > 0で

v >

√2GM

R

となる。

(b) E < 0なら速度がゼロになる点がありそこが最大高度になる。このとき力学的全エネルギーは E =

−GmM/rmax になるので、

rmax = −GmM

E= − GM

v2/2−GM/R

で最大高度になったときの地球中心からの距離が与えられる。

略解 (a14c.tex)

ある点における重力場はその点に単位質量を置いたときに働く重力で与えられる。この力は、多数の質点

からの重力の和で与えられる (重ね合わせの原理)ので、

C =

N∑i=1

Gmi

r3iri

と書ける。

重力ポテンシャルは、基準点からその点まで単位質量を運んだときに重力のする仕事に負号をつけたも

のである。よって

Ψ = −∫

C · ds =

N∑i=1

(−∫

Gmi

r3iri · ds

)

である。括弧内は一つの質点のときの重力ポテンシャルなので、Ψ = −N∑i=1

Gmi

riとなる (ポテンシャルも

重ね合わせればよい)。

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力学練習問題 26

略解 (a14d.tex)

重力場の x成分はC = −∇Ψより

Cx = −∂Ψ

∂x= −Gm

∂x

1

r= Gm

1

r2∂r

∂x

ここで、x2 + y2 + z2 = r2 なので

2x = 2r∂r

∂x

であることを用いると、Cx =Gmx

r3となる。そのほかの成分についても同様に計算すると、

C =Gm

r3

x

y

z

=Gmr

r3

略解 (a14e.tex)

Ψ1 = −G,

r1, Ψ2 = −G,

r2

を重ねあわせれば良いので、

Ψ(x, y, z) = Ψ1 +Ψ2 (85)

により求められる。ただし、r21 = (x− a)2 + y2 + z2、r21 = (x+ a)2 + y2 + z2 である。よって

Ψ = −Gm

{1√

(x− a)2 + y2 + z2+

1√(x+ a)2 + y2 + z2

}

略解 (a14f.tex)

球殻の中心から rだけ離れた点 P の重力ポテンシャル Ψ は

dΨ = −Gdm

ℓ(86)

を質量素片 dm全体に渡って積分すると得られる。ここで、ℓ は質量素片と点 Pの間の距離である。球殻

の中心O と点 P を結ぶ直線を z軸とする球座標 (r, θ, φ)を取ると、質量素片は球殻面上の面素と面密度 ρ

の積 dm = ρR2 sin θdθdφになるので、

Ψ =

∫ 2π

0

∫ π

0

(−GρR2 sin θ

)(87)

となる。ここで、φに関する積分は簡単に出来る。また、|OP| = rとしたとき、ℓ2 = r2 +R2 − 2rR cos θ

なる関係を用いて積分変数を θから ℓ に変えることを考える。ℓdℓ = rR sin θdθ であるので、

Ψ =

∫dℓ

(−2πGρR

r

)(88)

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力学練習問題 27

と書ける。ここで積分範囲は、Pが球殻の外にあるときは ℓ = r − R から r + R までであり、Pが球殻の

内にあるときは ℓ = R− rから R+ rまでである。よって

Pが球殻の外の時:Ψ = −GM

r(89)

Pが球殻の内の時:Ψ = −GM

R(90)

となる。ここで、ρ = M/4πR2 の関係を用いた。

重力場は

F = −∇Ψ =

{−GM

r3 r 球殻の外

0 球殻の内(91)

になる。

略解 (a18a.tex)

棒の中央が回転中心のとき v = (ℓ/2)ωなので運動エネルギーは

T =1

2

(ℓ

)2

× 2 =mℓ2ω2

4

になる。質点がふたつあることに注意。

棒の端が回転中心のときは v = ℓωなので運動エネルギーは

T =1

2(ℓω)

2 × 1 =mℓ2ω2

2

になり、こちらの方が大きい。

略解 (a18b.tex)

教科書の通り

略解 (a18c.tex)

遠日点距離とそのときの速さをそれぞれ R2 と V2 とおく。角運動量保存より

ℓ = mV1R1 = mV2R2 =一定

また、エネルギー保存則より

E =1

2mV 2

1 − GmM

R1=

1

2mV 2

2 − GmM

R2=一定

がなりたつ。

角運動量保存から x = R1/R2と定義すると V2 = V1x になる。xが分かればただちに、V1、R2が分かる。

Vg =

√2GmM

R1および a = V1/Vg を定義すると、エネルギー保存 は a2 − 1 = a2x2 − xになる。これは、

x = 1を自明な解としてもつのでただちに因数分解できて、(x− 1)(a2x− 1 + a2) = 0となる。よって

x =a2 − 1

a2=

V 21 /(2GM/R1)− 1

V 21 /(2GM/R1)

を得る。

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力学練習問題 28

略解 (a18d.tex)

おもりによる慣性モーメントは始め I = 2ma2 で、おもりを中心方向に引っ張ったあとは I ′ = 2mb2 で

ある。

おもりを引っ張った時の力は回転の中心を向いているので、トルクはゼロであり、角運動量は保存する:

Iω = I ′ω′。ここで、後の角速度を ω′ とした。よって

2ma2ω = 2mb2ω′ (92)

と言う関係が成り立つ。ゆえに ω′ = (a2/b2)ωである。

略解 (a18e.tex)

車輪の運動方程式は

Idω

dt= FR  よって、

dt=

FR

I= (一定)

tで積分すると、

ω =FR

It+ ω0

t = 0で ω = 0なら ω0 = 0として ω = (FR/I)tで回転角速度が増化する。

略解 (a19a.tex)

教科書のとおり

略解 (a19b.tex)

質量中心は多数の質点の場合は以下の式であり、これは連続した物質については積分で書けることに注

意しよう。

xCM =

∑Ni=1 mixi

Ni=1

∑mi

→∫xdm∫dm

半円形の板 (円盤の部分)について図のような座標系を考えて、斜線部分を領域 Dとする。

分母は∫dm = M である。面密度 σ = 2M/πR2 を用いると

(分子) ==

∫D

xσdxdy =

∫D

xσrdrdθ =

∫ π/2

−π/2

∫ R

0

dr σr2 cos θ =2

3σR3

積分は t = sin θと置くとうまくいく。

以上から、xCM =4R

3πとなる。同様に計算して (あるいは対称性から) yCM = 0になる。

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力学練習問題 29

略解 (a19c.tex)

慣性モーメントは多粒子については、

I =∑i

mi(腕の長さ)2 (93)

なので、球座標では

I =

∫dm(r sin θ)2 (94)

=

∫ R

0

dr

∫ π

0

∫ 2π

0

dϕ ρr4 sin3 θ (95)

ここで、密度は ρ = 3M/4πR3 である。

cos θ = µと置くと、sin θdθ = dµなので、

I =

∫ R

0

dr

∫ 1

−1

∫ 2π

0

dϕ ρr4(1− µ2) (96)

これを積分して、密度の関係式を代入すると、

I =2

5MR2 (97)

これを積分して、密度の関係式を代入すると、

略解 (a19d.tex)

平行軸の定理より、質量中心の軸からの距離を RCM とし、質量中心の回りの慣性モーメントを I ′ とす

ると、

I = MR2CM + I ′ (98)

= MR21 +

R21 +R2

2

2M (99)

=3R2

1 +R22

2M (100)

略解 (a19f.tex)

(a) はじめの慣性モーメントは I0 +mr2で、dr移動後の慣性モーメントは、I0 +m(r+ dr)2になってい

る。角運動量の保存法則より

(I0 +mr2)ω = [I0 +m(r + dr)2](ω + dω) (101)

これより、一次の項を取ると、

dω = − 2mωr

I0 +mr2dr (102)

dt= − 2mωr

I0 +mr2vr (103)

ここで、vr = dr/dtと置いた。

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力学練習問題 30

(b)テーブルについてトルクは

τtab = I0dω

dt= −2mI0ωrvr

I0 +mr2(104)

(c)物体の角運動量は L = mr2ω なので、物体のトルクは

τm =d

dt(mr2ω) (105)

= 2mrωdr

dt+mr2

dt(106)

=2mI0ωrvrI0 +mr2

(107)

になる。(τtab + τm = 0)