重症心身障害・重症心身障害児とは?1...

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1 1.元気に学校に通っているよ!(医療が支えて) 2.重症心身障害児(者)医療の考え方・「支える医療」「医療的ケア」 3.家族参加型重症心身障害医学教育 4.重症心身障害児(者)医療福祉の現状・医療的ケア法制化 5.在宅重症心身障害児者に対する本人・家族支援 早期療育の必要性、レスパイト 医療的ケアが必要な子どもたちを地域で支える仕組み 14:45-15:45(60分) 桑名地域小児在宅医療講演会 ~地域で支える小児等在宅医療を考える~ 平成27年1月17日(土) 地域で医療的ケアが必要な重症心身障害児者を支え合う 名古屋大学大学院医学系研究科 障害児(者)医療学寄附講座 三浦清邦 「いのちゆたかに 重症心身障害児(者) への理解を深めるために」 社会福祉法人 全国重症心身障害 児(者)を守る会 冊子より 「重症心身障害児通園施設「あけぼの学園重度の知的障害運動障害の重複 現在の年齢は問わない。(発症年齢は大体18歳まで基礎疾患は問わない。脳の障害医学的診断名ではなく、社会福祉上の概念。 重症心身障害児(者)=重症児(者)、重心 人口1万人当たり3人程度、日本で4万人程度。 重症心身障害・重症心身障害児とは?

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    1.元気に学校に通っているよ!(医療が支えて)

    2.重症心身障害児(者)医療の考え方・「支える医療」「医療的ケア」

    3.家族参加型重症心身障害医学教育

    4.重症心身障害児(者)医療福祉の現状・医療的ケア法制化

    5.在宅重症心身障害児者に対する本人・家族支援早期療育の必要性、レスパイト医療的ケアが必要な子どもたちを地域で支える仕組み

    14:45-15:45(60分)

    桑名地域小児在宅医療講演会~地域で支える小児等在宅医療を考える~ 平成27年1月17日(土)

    地域で医療的ケアが必要な重症心身障害児者を支え合う

    名古屋大学大学院医学系研究科障害児(者)医療学寄附講座 三浦清邦

    「いのちゆたかに 重症心身障害児(者)への理解を深めるために」社会福祉法人 全国重症心身障害児(者)を守る会 冊子より

    「重症心身障害児通園施設「あけぼの学園」

    重度の知的障害と運動障害の重複現在の年齢は問わない。(発症年齢は大体18歳まで)基礎疾患は問わない。脳の障害。医学的診断名ではなく、社会福祉上の概念。重症心身障害児(者)=重症児(者)、重心

    人口1万人当たり3人程度、日本で4万人程度。

    重症心身障害・重症心身障害児とは?

  • 2

    ・H26/8/3開催 名古屋・参加者 62名(愛知28名、岐阜11名、

    三重7名、県外20名 申込)

    ・スタッフ医師数47名(愛知21名、岐阜8名、三重10名)

    ・所属(アンケート回答60名)(病院30名、クリニック20名

    その他療育施設など10名)

    第6回小児在宅医療実技講習会

    3

    東海3県 重症心身障害児(者)数

    4

    愛知県平成24年度

    岐阜県平成23年度

    三重県平成26年度

    人口 7,426,411 2,064,940 1,820,324重症心身障害児者数 2,746 731 764人口1万人あたりの

    重症心身障害児者数3.69 3.54 4.19

    重症心身障害児 938 427 222在宅

    重症心身障害児850 377 219

    児の在宅率 90.6 % 88.2% 98.6 %

    愛知県人口はH25/1/1現在、重症心身障害児(者)数はH24/12/31現在三重県の重症児の調査の最終確認日はH26/4/1岐阜県は平成23年度の在宅の調査をもとに、障害者病棟入所者を加えて便宜的に計算

  • 3

    3県の重症心身障害児(者)についての統計

    5両親の集い 第681号(2014年 5・6月号)より抜粋改変

    全国 愛知県 岐阜県 三重県

    人口(千人) 127,298↓ 7,435 2,065 1,839

    重症児の推計数 43,281↑ 2,529 601 533

    国立重心施設数(病床数)

    74(7,739床 ↑)

    2(90床) 1(142床) 2(170床)

    公立・民間施設数(病床数)

    127↑(12,493床↑) 2→6(604床)↑

    0→1(30床)↑ 1(40床)

    重心病床合計数 20,232床↑ 390→694床↑ 142床→172床 210床

    人口1万人当り病床数

    1.59↑平均以下は13県

    0.52→0.93(第47→第42位↑)

    0.69→0.83(第45位→第 )

    1.14(第39位)

    重症児(者)数は人口1000人当たりほぼ0.34人

    施設:重症心身障害児施設

    愛知県・岐阜県・三重県ともに、在宅支援の充実が必須

    ・人口はH25年10月推計値・病床数はH26年4月現在

    平成29年までに4施設新規開設

    1.元気に学校に通っているよ!(医療が支えて)

    2.重症心身障害児(者)医療の考え方・「支える医療」「医療的ケア」

    3.家族参加型重症心身障害医学教育

    4.重症心身障害児(者)医療福祉の現状・医療的ケア法制化

    5.在宅重症心身障害児者に対する本人・家族支援早期療育の必要性、レスパイト医療的ケアが必要な子どもたちを地域で支える仕組み

    14:45-15:45(60分)

    桑名地域小児在宅医療講演会~地域で支える小児等在宅医療を考える~ 平成27年1月17日(土)

    地域で医療的ケアが必要な重症心身障害児者を支え合う

    名古屋大学大学院医学系研究科障害児(者)医療学寄附講座 三浦清邦

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    ・誤嚥による気道感染の防止を目的とした誤嚥防止術。

    ・空気の通り道と唾液や食べ物の通り道を完全に分離するので、誤嚥による肺炎のリスクが回避される。

    ・頻回の気管内吸引から解放され、子どもや家族の負担が軽減される。

    ・カニューレが不要となる場合がある。

    ・気管気管支が乾燥しやすくなる。加湿がいっそう重要!

    ・発声がコミュニケーションの手段となっている子どもでは声を失う。

    喉頭気管分離術(±気管食道吻合術)

    救急医療 および重症例の急性期対応や専門医療

    重症心身障害児者医療ネットワーク(在宅生活児者)

    日常の健康管理(在宅医療)

    かかりつけ医(小児科医、内科、外科、耳鼻咽喉科、眼科、皮膚科、整形外科、歯科等)

    ・在宅療養支援診療所(在宅医療を実施する)

    (家庭医 -日本プライマリ・ケア連合学会、総合診療医、内科、外科、整形外科、小児科、麻酔科など)

    ・訪問看護・訪問リハ・訪問歯科

    中核病院(救急科、全科)

    障害者医療機関(小児科、内科、外科、整形外科、

    精神科、歯科、リハビリテーション科、等)

    レスパイト

    ・役割分担・相互理解 ・情報共有・信頼関係(顔の見える関係)

    障害専門医療

    レスパイト

    レスパイト

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    1.元気に学校に通っているよ!(医療が支えて)

    2.重症心身障害児(者)医療の考え方・「支える医療」「医療的ケア」

    3.家族参加型重症心身障害医学教育

    4.重症心身障害児(者)医療福祉の現状・医療的ケア法制化

    5.在宅重症心身障害児者に対する本人・家族支援早期療育の必要性、レスパイト医療的ケアが必要な子どもたちを地域で支える仕組み

    14:45-15:45(60分)

    桑名地域小児在宅医療講演会~地域で支える小児等在宅医療を考える~ 平成27年1月17日(土)

    地域で医療的ケアが必要な重症心身障害児者を支え合う

    名古屋大学大学院医学系研究科障害児(者)医療学寄附講座 三浦清邦

    日常的に医療的支援を要する重い障害のある児者の地域での生活への支援について平成22年11月 -障害者制度改革にあたっての日本小児神経学会の意見-

    (=QOL医療 ・ 緩和医療 ・ ホスピス)

    <目的>「健康増進」、「障害の軽減・改善」、「成長・発達の促進」

    「支える」医療

  • 6

    「支える医療」

    ・医療技術の進歩により、多くの方が救命され通常の生活にもどれるが、そのかげには重症児者をはじめ、重い障害とともに生きることを余儀なくされている(新たな人生を歩み始めるとも言える)多くの方々がいる。

    ・障害児者を支えていくことも医療の大きな使命である。と同時に、本人と家族の成長を喜び合えるのが、「支える医療の」魅力であり、先輩のY医師は、これを「ともに咲く喜び」と表現した。

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    日常的に医療的支援を要する重い障害のある児者の地域での生活への支援について平成22年11月 -障害者制度改革にあたっての日本小児神経学会の意見-

    (=QOL医療 ・ 緩和医療 ・ ホスピス)

    「支える」医療

    ≒在宅医療歯科

    歯科医師歯科衛生士

    行政

    教育福祉

    療育

    <目的> 生命を守り、豊かな生活・人生の実現「健康増進」、「障害の軽減・改善」、「成長・発達の促進」

  • 7

    教育福祉 療育

    支える医療(=QOL医療)≒在宅医療医療ネットワーク

    治す医療

    <目的> 生命を守り、豊かな生活・人生の実現「健康増進」、「障害の軽減・改善」、「成長・発達の促進」

    食事環境を種々工夫をしながら、必要なら、もうひとつ用意して、上手に経管栄養と経口摂取を併用する。

    胃瘻経鼻胃チューブ

    ★胃瘻は「第二の口」です。(大阪北野病院・小児外科・佐藤正人医師)

    ★チューブから食べるごはんです。★学校の先生「おなかの口から食べましょう」、「おなかから食べるよ」

    車いす・メガネ・補聴器と同じ生活道具と言ってもよいのではないか。

    「医療的ケア」の考え方 上手に十分に食べられない場合

    ●重症心身障害児者では栄養管理がとても重要。しっかり栄養をとることが、体と心の成長・発達、体力増進にとても重要。

  • 8

    「医療的ケア」の考え方 楽に呼吸ができない場合

    姿勢管理、体位交換、呼吸理学療法などをしながら、必要なら吸引器・気管切開・人口呼吸器・酸素療法を併用します。

    息が楽にできるようにする手助けです。合併症を予防・治療するのは医師の責任です。 注意:気管腕頭動脈瘻

    1.単純気管切開 2.喉頭気管分離+気管食道吻合

    気管切開

    電動吸引器

    口鼻腔吸引 人工呼吸器

    PB560 (コヴィディエンジャパン)

    車いす・メガネ・補聴器と同じ生活道具と言ってもよいのではないか。

    1.元気に学校に通っているよ!(医療が支えて)

    2.重症心身障害児(者)医療の考え方・「支える医療」「医療的ケア」

    3.家族参加型重症心身障害医学教育

    4.重症心身障害児(者)医療福祉の現状・医療的ケア法制化

    5.在宅重症心身障害児者に対する本人・家族支援早期療育の必要性、レスパイト医療的ケアが必要な子どもたちを地域で支える仕組み

    14:45-15:45(60分)

    桑名地域小児在宅医療講演会~地域で支える小児等在宅医療を考える~ 平成27年1月17日(土)

    地域で医療的ケアが必要な重症心身障害児者を支え合う

    名古屋大学大学院医学系研究科障害児(者)医療学寄附講座 三浦清邦

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    H23年11月1日 講座開設 (小児科1、整形外科1、精神科1)

    H23年~毎年11月

    医学部4年生全員対象 (小児科学11講義の1つ)

    家族参加型の「障害児(者)医療学」 講義

    H24年度~

    医学部5年生全員対象

    家族参加型の 臨床実習(ポリクリ) 実施

    障害児関係施設で1日(小児科臨床実習の一部)

    ・愛知県心身障害者コロニー中央病院(165床)(障害関係の科がすべてそろっている障害児者専門病院)

    ・隣接する重症心身障害児施設「こばと学園」(約150床)

    名古屋大学障害児(者)医療学寄附講座の学生教育

    17

    重症心身障害児(者)を持つ親の願い

    目の前の患者さんの後には、兄弟がいて、家族がいて、日々生活を共にしていることを忘れないで欲しい。姉がいるのだが、日頃は気丈にしていたが、実家ではふとんの中で泣いていたと聞いた。

    快眠、快食、快便できて初めて、体調が整い、それでこそ次のステップに向けて成長していけるので、そのために医療が上手に関わってくれるとありがたい。この子達の生きていくのに力を貸して欲しい。

    10年間、回りから「かわいそう」と言われるのが一番ショック。確かにかわいそうなところはあるかもしれないが、慰めのことばのつもりかもしれないが。医療職も含めて、「頑張ってるね、すごいね」と言って欲しい。

    学生さんの皆さまが、子どもに(患者に)寄り添い、家族に寄り添って診てくださる先生になってくださることを願うばかりです。

    小児科講義 医療的ケアが必要な重症心身障害児とその家族3~4組が参加H23年11月 3組・6人、H24年 4組・8人、H25年 4組・9人(父)、H26年 4組・10人(父兄)

  • 10

    H24年4月~

    医学部5年生全員対象家族参加型の 臨床実習(ポリクリ)実施

    障害児関係施設で1日(小児科臨床実習の一部)

    ・愛知県心身障害者コロニー中央病院(165床)・隣接する重症心身障害児施設「こばと学園」

    内容小児神経科児童精神科病棟整形外科外来陪席重症心身障害児施設で診察

    患者・家族(母、時に父も)と学生(3~4人)が少人数で語り合い、重症心身障害児のお子さんを診察する(初体験)時間を1時間ずつ設けた。

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    支えよう!在宅の重症児 ★下☆中日新聞 平成24年6月19日

    20

    1.障害児者医療の理解・障害のある子に医療が必要なのがわかった。「よく分からないから」といって逃げるのではなく、自分にできる精一杯のことを他のスタッフと協力しながらやっていきたい。

    ・正直とてもショックでした。医療の進歩があるからこそ障害とともに生きていくことになった患者さんを見て複雑な気持ちになりました。

    ・NICUなどで「治す医療」が圧倒的にやりがいがあると思っていたが、親御さんや患者さんの笑顔を見て、「支える医療」にも確かな価値があるのだと感じた。

    ・障害があっても子供はかわいいなと思った。障害児がちゃんと育つ環境作りが必要だと思った。

    2.家族支援の重要性の理解・家族支援あっての障害者のQOLだと思った。

    ・障害児を支える家族、兄弟への負担も知ることができた。

    3.生命・人間の尊厳の理解 4.障害児者医療教育の重要性・必要性5.家族参加型の教育の意義 6.障害児者医療への疑問

    講義後・臨床実習後の学生の感想(1)

  • 11

    21

    1.障害児者医療の理解2.家族支援の重要性の理解

    3.生命・人間の尊厳の理解・生きるということ、生命の尊さ、強さについて改めてよく考えるきっかけとなるとともに、感銘を受けた。また親子の絆の愛に感動した。

    4.障害児者医療教育の重要性・必要性・今後医学教育の中で障害児者医療に接する機会(実習)を増やして欲し

    い。

    5.家族参加型の教育の意義・患者さんの生活、家族の方の生活や想いなど、今まで考えが及ばなかったことを聞けて大変有意義でした。

    ・保護者のかたがとても明るく前向きで、何かすくわれたような気持ちになった。

    6.障害児者医療への疑問・大切だとは思うが、財政的な制限がある状況では優先度は高くはないと感じました。

    講義後・臨床実習後の学生の感想(2)

    重症心身障害児(者)について(将来像)・講義(平成23・24・25年4年生11月)前・後・臨床実習(平成24年・25年)

    N=124人

    N=184人

    N=204人

    2%

    7%

    26%

    86%

    67%

    52%

    11%

    25%

    21%

    0%

    1%

    1%

    0% 20% 40% 60% 80% 100%

    臨床実習後

    講義後

    講義前

    自分が将来関わることは想像できない

    何科にいっても関わる可能性があると思う

    将来自分が専門として関わる可能性もあると思う

    ぜひ専門にしたい

    無回答22

  • 12

    1.元気に学校に通っているよ!(医療が支えて)

    2.重症心身障害児(者)医療の考え方・「支える医療」「医療的ケア」

    3.家族参加型重症心身障害医学教育

    4.重症心身障害児(者)医療福祉の現状・医療的ケア法制化

    5.在宅重症心身障害児者に対する本人・家族支援早期療育の必要性、レスパイト医療的ケアが必要な子どもたちを地域で支える仕組み

    14:45-15:45(60分)

    桑名地域小児在宅医療講演会~地域で支える小児等在宅医療を考える~ 平成27年1月17日(土)

    地域で医療的ケアが必要な重症心身障害児者を支え合う

    名古屋大学大学院医学系研究科障害児(者)医療学寄附講座 三浦清邦

    ③在宅生活重症児(者)の増多在宅医療の進歩医療行政上の問題世間(親)の意識の変化 ノーマリゼーション

    ①重症心身障害児(者)の漸増寿命が延びている(在宅も入所者も)発生も減っていない(ポストNICU・ポストPICU)

    重症心身障害児者をめぐる医療的・社会的背景(現状と課題)

    →医療的ケアの問題→超重症児、準超重症児の増加

    →成人重症者の医療問題→重症児(者)・親の高齢化問題

    →在宅支援不足の問題→重症児(者)・親の高齢化問題

    ②障害の重度・重複化初めから重度・重複障害を持つ途中で重度化する方も増加

  • 13

    H19年 H21年 H24年 H26年愛知県全人口(万人) 7,363 7,414 7,426 7.428愛知県人口名古屋市除 5,124 5,156 5,158 5.159名古屋市人口(万人) 2,239 2,258 2,268 2.268

    愛知県内全重症児(者)数 2,512 2,564 2,746 3,164人口1万人あたりの重症児(者)数

    3.41 3.46 3.69 4.26

    愛知県内名古屋市除重症児(者)数 1,611 1,628 1,742 1,928人口1万人あたりの重症児(者)数

    3.14 3.16 3.38 3.73

    名古屋市重症児(者)数 901 936 1,004 1,235人口1万人あたりの重症児(者)数

    4.02 4.14 4.42 5.44

    愛知県の重症心身障害児(者)の統計

    在宅率:重症児では 90.6%(平成24年)重症児(者)で 78.4%(平成23年)

    平成24年10月1日現在

    平元東氏 全国「緊急」シンポジウム今後の医療的ケアを考える(京都、H25/6/16)資料より

    北海道における医療的ケアを必要とする在宅障害児者総数

    <調査項目> 経管栄養(胃瘻など)、吸引、ネブライザー酸素投与、気管切開、人工呼吸器の使用

    人口1万人あたり6歳未満は7人、6~17歳は5人、18歳以上は0.5人

    人口 6歳未満 6〜17歳 18歳以上 合計人口比

    (対1万人)

    人口 241,807 569,693 4,694,919 5,506,419

    合計 3,592,874 100 171 155 426 1.19

    札幌市 1,913,545 68 109 91 268 1.40

    総計 5,506,419 168 280 246 694 1.26

    人口比(対1万人)

    6.95 4.91 0.52 1.26

  • 14

    1.元気に学校に通っているよ!(医療が支えて)

    2.重症心身障害児(者)医療の考え方・「支える医療」「医療的ケア」

    3.家族参加型重症心身障害医学教育

    4.重症心身障害児(者)医療福祉の現状・医療的ケア法制化

    5.在宅重症心身障害児者に対する本人・家族支援早期療育の必要性、レスパイト医療的ケアが必要な子どもたちを地域で支える仕組み

    14:45-15:45(60分)

    桑名地域小児在宅医療講演会~地域で支える小児等在宅医療を考える~ 平成27年1月17日(土)

    地域で医療的ケアが必要な重症心身障害児者を支え合う

    名古屋大学大学院医学系研究科障害児(者)医療学寄附講座 三浦清邦

    ①日中活動(社会参加):通園(児童発達支援・放課後等児童デイ)、日中一時支援→学校(地域の学校・特別支援学校)→通所(生活介護)、デイサービス等

    ②家庭での支援(訪問系サービス):医療系:訪問診療・訪問看護・訪問リハビリテーション

    訪問歯科診療(歯科医師・歯科衛生士)福祉系:居宅介護・移動入浴・重度訪問介護等教育系:訪問教育

    ③短期入所(日帰り含む)(緊急時・レスパイト):重症心身障害児施設、福祉施設、高齢者施設、病院・診療所(医療型短期入所、レスパイト入院)

    ④医療機関:障害専門医療(定期受診)+日常疾患(かかりつけ、救急・入院)

    ⑤将来の生活の場の確保:重症心身障害児施設・ケアホーム・その他

    ⑥相談支援事業(コーディネーター):重症児ケアマネージャーの創設が望ましい相談支援専門員、医療機関のソーシャルワーカー各市町村の担当者、訪問看護師・保健師らが担う

    在宅重症心身障害児者に対する支援<本人支援+家族支援>

    家族以外の者による医療的ケアが必要!

    「地域で」安心して暮らせるためのシステム・制度が必要!

    ・役割分担 ・相互理解・情報共有・信頼関係(顔の見える関係)

    医療・福祉・行政・教育の連携!!

  • 15

    ①日中活動(社会参加):通園(児童発達支援・放課後等児童デイ)、日中一時支援→学校(地域の学校・特別支援学校)→通所(生活介護)、デイサービス等

    ②家庭での支援(訪問系サービス):医療系:訪問診療・訪問看護・訪問リハビリテーション

    訪問歯科診療(歯科医師・歯科衛生士)福祉系:居宅介護・移動入浴・重度訪問介護等教育系:訪問教育

    ③短期入所(日帰り含む)(緊急時・レスパイト):重症心身障害児施設、福祉施設、高齢者施設、病院・診療所(医療型短期入所、レスパイト入院)

    ④医療機関:障害専門医療(定期受診)+日常疾患(かかりつけ、救急・入院)

    ⑤将来の生活の場の確保:重症心身障害児施設・ケアホーム・その他

    ⑥相談支援事業(コーディネーター):重症児ケアマネージャーの創設が望ましい相談支援専門員、医療機関のソーシャルワーカー各市町村の担当者、訪問看護師・保健師らが担う

    在宅重症心身障害児者に対する支援<本人支援+家族支援>

    家族以外の者による医療的ケアが必要!

    「地域で」安心して暮らせるためのシステム・制度が必要!

    ・役割分担 ・相互理解・情報共有・信頼関係(顔の見える関係)

    医療・福祉・行政・教育の連携!!

    豊田市こども発達センター内母子療育グループ「わくわく」

    • まだ歩くことが出来なく、健康状態も安定しない子ども達に必要な時から(0歳から)開始できる療育を提供するため、平成11年度から始めた母子グループです。月に2回、10時から午前中だけの活動です。

    • 療育活動を通じ、子どもへの発達支援、御家族の子育て支援、そして保護者同士の仲間作りを支援してきました。保護者アンケートでは、「子どもが喜ぶ」「仲間に出会えてうれしい」「専門の先生に子どものことを相談できてうれしかった」等々の意見がありました。

    • 市内のNICUと年に2回情報交換会。

    肢体不自由児の超早期療育豊田市の取り組み

    資料は豊田市こども発達センター「たんぽぽ」施設長松野俊次氏より頂く。

  • 16

    登録児数の推移

    20

    3334

    4043

    37 36

    63

    48

    66

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    11年度 13年度 15年度 17年度 19年度 21年度 23年度

    不明

    5歳児以上

    5歳児

    4歳児

    3歳児

    2歳児

    1歳児

    0歳児

    53

    (人)

    75

    68

    資料は豊田市こども発達センター「たんぽぽ」施設長松野俊次氏より頂く。

    → 2~3歳からは、旧肢体不自由児通園施設へ母子通園へ

    育んできたこと

    • 開始時期を問わない開かれた療育グループ として、必要な時から支援の出来る体制

    • 通院が多く体調が整いにくいお子さんにとって、無理なく通うことができる設定

    • 地域の子育て支援センターには行きづらい保護者への通う場所(居場所)の提供

    • 保護者同士の仲間の作りの支援• 子どもとゆっくり向き合い、専門家のアドバイスによる子育てへ

    のほのかな自信の回復の支援

    資料は豊田市こども発達センター「たんぽぽ」施設長松野俊次氏より頂く。

  • 17

    重症心身障害児のネットワーク設立デイサービス連携

    重度の心身障害がある子どものデイサービス事業所をつなぐ全国組織「全国重症心身障がい児デイサービス・ネットワーク」の設立総会が、名古屋市中区の名古屋都市センターで開かれた。ネットワークには東北や関東、九州などから37事業所が参加し、事業所開設や職員の育成を支援していく。

    事務局は名古屋市港区のNPO法人「ふれ愛名古屋」が担う。(ふれ愛名古屋は、保護者の集まりを、理事長が牽引)

    重症心身障害児を対象にした児童デイサービス(児童発達支援と放課後等児童デイサービス)は2012年の法改正で認可制度が始まった。ただ定員5人程度の小規模事業所が多く経営が安定しない上、専門知識や技能のある職員の配置が必要になるなど開設までのハードルが高い。事業所を取り巻く課題に対応するため、ふれ愛名古屋を中心に事業者に連携を呼び掛けた。

    児童発達支援・放課後等児童デイサービスで

    レスパイト

    中日新聞 H26/11/13 朝刊 つなごう医療 中日メディカルサイト

    重症児者の通所の場を増やす取組みが始まる社団法人全国重症心身障害児デイサービス・ネットワーク結成(2014.11)

    34H26/9/3時点で45事業所加盟

  • 18

    訪問療育「いるか」の取り組み

    重い障害を持つこどもたちの家庭を訪問し、療育活動を行っている。訪問介護事業所「NPO法人かすみ草」(東京都杉並区)の「訪問療育部門」として2011年に立ち上げた。

    医療的ケアが常時必要な重い障害を持った子どもたちは、地域の通園施設に通うことはむずかしく、家のベッドの上で楽しみの少ない毎日を過ごさざるを得ない現状です。このような子どもたちに対して、家庭を訪問し、早期に療育活動を行う中で、重い障害があっても「遊びの楽しさ」を知って、感受性豊かな心に成長し、家族と共に笑顔で毎日過ごして欲しい、との願いから立ち上げた。

    特別支援学校の元教員でヘルパー資格を取得したスタッフと理学療法士。

    対象は原則未就学児。現在10名の家庭を訪問。

    訪問療育は総合支援法の対象ではないので、療育の時間は自費。その前後の身体介護に関して支援時間としている。

    通園に通いたくても通えない子どもたちがいるので、このような在宅療育の制度化が望まれる。

    全国重症心身障害児(者)を守る会 「両親の集い」2014年12月第686号より

    ①日中活動(社会参加):通園(児童発達支援・放課後等児童デイ)、日中一時支援→学校(地域の学校・特別支援学校)→通所(生活介護)、デイサービス等

    ②家庭での支援(訪問系サービス):医療系:訪問診療・訪問看護・訪問リハビリテーション

    訪問歯科診療(歯科医師・歯科衛生士)福祉系:居宅介護・移動入浴・重度訪問介護等教育系:訪問教育

    ③短期入所(日帰り含む)(緊急時・レスパイト):重症心身障害児施設、福祉施設、高齢者施設、病院・診療所(医療型短期入所、レスパイト入院)

    ④医療機関:障害専門医療(定期受診)+日常疾患(かかりつけ、救急・入院)

    ⑤将来の生活の場の確保:重症心身障害児施設・ケアホーム・その他

    ⑥相談支援事業(コーディネーター):重症児ケアマネージャーの創設が望ましい相談支援専門員、医療機関のソーシャルワーカー各市町村の担当者、訪問看護師・保健師らが担う

    在宅重症心身障害児者に対する支援<本人支援+家族支援>

    家族以外の者による医療的ケアが必要!

    「地域で」安心して暮らせるためのシステム・制度が必要!

    医療系

  • 19

    救急医療 および重症例の急性期対応や専門医療

    重症心身障害児者医療ネットワーク(在宅生活児者)

    日常の健康管理(在宅医療)

    かかりつけ医(小児科医、内科、外科、耳鼻咽喉科、眼科、皮膚科、整形外科、歯科等)

    ・在宅療養支援診療所(在宅医療を実施する)

    (家庭医 -日本プライマリ・ケア連合学会、総合診療医、内科、外科、整形外科、小児科、麻酔科など)

    ・訪問看護・訪問リハ・訪問歯科

    中核病院(救急科、全科)

    障害者医療機関(小児科、内科、外科、整形外科、

    精神科、歯科、リハビリテーション科、等)

    レスパイト

    ・役割分担・相互理解 ・情報共有・信頼関係(顔の見える関係)

    障害専門医療

    レスパイト

    レスパイト

    移行期医療の概念図 (日本小児科学会雑誌 118巻1号 98-106 2014年)日本小児科学学会 移行期の患者に関するワーキンググループ

  • 20

    喉頭気管分離術。人工呼吸器使用。

    胃瘻あり。経口摂取と注入を併用。

    高校卒業にあわせて、医療面の中心は、N総合病院小児科の主治医からAクリニック(内科)へ移行。月に2回訪問診療を受け、月に1回胃瘻交換。必要物品の提供を受ける。体調不良時はAクリニックへ連絡、指示または往診を受ける。入院が必要な場合は、入院指示が出される。A医師からN総合病院へ連絡が入り、入院治療となる。

    肺炎や気管支炎や喘息などの呼吸器疾患の場合は、入院は呼吸器内科の病棟。通常は呼吸器内科の入院が大半。

    ある入院では、脱水による電解質異常があり、主治医は内分泌科。その際にも、呼吸器内科の医師も小児科医師も毎日回診あり。夜間、付添は不要。4人部屋。

    訪問看護と訪問リハを週に1回ずつ。

    てんかんはてんかん専門医により治療は継続されている。

    理想的な移行期医療(トランジッション)

    25歳 男性 重症心身障害

    【方法】2012年11~12月に、名古屋大学病院地域医療センターが、名古屋市内の全医療機関1261施設(大学病院等の地域中核病院、精神科・美容外科を除く)に郵送によるアンケート調査を行った。回収数337施設(26.7%)

    1.名古屋市内医療機関への小児在宅医療に関する調査

    【気管切開下 人工呼吸器療法 に対応可能】

    40

    専門診療科

    対象年齢対応可能

    内科(呼吸器内科)

    小児科 麻酔科 外科

    1歳未満 7 5 (3) 1 1

    1歳~就学 11 8 (4) 1 1 1

    小学生 17 10 (5) 1 1 5

    中学高校 18 11 (5) 1 1 5

  • 21

    【方法】在宅医療実施診療所にメールでアンケート調査を行った。

    診療所における在宅医療の実態

    訪問診療患者数(全体)

    18歳未満発症患者(現在18歳以上

    :18歳未満)障害児(者)割合

    /小児割合

    在宅療養指導のみ

    (18歳未満発症)

    小児科1 8 8 ( 2 : 6 ) 100% / 75% 0

    小児科2 3 3 ( 0 : 3 ) 100% / 100% 0

    小児科3 0 0 0 2

    小児科4 21 21 ( 3 : 18 ) 100% / 86% 2

    小児科5 71 71 (55 : 16) 100% / 23% 0

    在宅療養支援診療所1 105 3 ( 2 : 1 ) 3% / 1% 0

    在宅療養支援診療所2 153 11 ( 3 : 8 ) 7% / 5% 0

    在宅療養支援診療所3 123 2 ( 0 : 2 ) 2% / 2% 0

    在宅療養支援診療所4 98 10 ( 8 : 2 ) 10% / 2% 0

    在宅療養支援診療所5 220 4 ( 4 : 0 ) 2% / 0% 0

    在宅療養支援診療所の医師の専門科:外科、消化器内科、呼吸器内科、内科、総合診療科等

    2.診療所における在宅医療の実態 H26年6月実施

    上記医師とは別に、平成26年度になり、愛知県内で、小児科出身の開業医が2人、産婦人科・小児科病院の小児科医師が1人、小児在宅医療を開始した。

    内科医と連携した小児在宅医療:診療連携で小児・障害児者を支えるTDR5(チームドクターファイブ)の活動

    平成18年4月在宅療養支援診療所の設置開始と同時に、京都乙訓地域で開業医5人(内科3名、整形外科1名、小児科医1名)で「チームドクターファイブ」という診診連携を立ち上げた。

    情報共有した在宅時医学総合管理料1の患者数は、175名(死亡97名、在宅看取り55例)。そのうち、小児例・障害児者9例の発表。

    18トリソミー、13トリソミー、横隔膜ヘルニア、ARC症候群、脳腫瘍、重症心身障害児者3名、Joubert症候群。

    死亡3、訪問中止1。

    気切3。TIPPV1、NPPV1。胃瘻2、経鼻経管栄養3。在宅酸素2。

    長期入院NICU患者、超重症児、重症心身障害児者について、病院主治医と地域かかりつけ医との連携の重要性、小児科医と内科医師との連携の重要性。退院・かかりつけ医探しに医師会や小児科医会が介在するシステムの構築を提案する。

    横林文子先生 第38回日本重症心身障害学会(H24.9.29) で発表

  • 22

    ①日中活動(社会参加):通園(児童発達支援・放課後等児童デイ)、日中一時支援→学校(地域の学校・特別支援学校)→通所(生活介護)、デイサービス等

    ②家庭での支援(訪問系サービス):医療系:訪問診療・訪問看護・訪問リハビリテーション

    訪問歯科診療(歯科医師・歯科衛生士)福祉系:居宅介護・移動入浴・重度訪問介護等教育系:訪問教育

    ③短期入所(日帰り含む)(緊急時・レスパイト):重症心身障害児施設、福祉施設、高齢者施設、病院・診療所(医療型短期入所、レスパイト入院)

    ④医療機関:障害専門医療(定期受診)+日常疾患(かかりつけ、救急・入院)

    ⑤将来の生活の場の確保:重症心身障害児施設・ケアホーム・その他

    ⑥相談支援事業(コーディネーター):重症児ケアマネージャーの創設が望ましい相談支援専門員、医療機関のソーシャルワーカー各市町村の担当者、訪問看護師・保健師らが担う

    在宅重症心身障害児者に対する支援<本人支援+家族支援>

    家族以外の者による医療的ケアが必要!

    「地域で」安心して暮らせるためのシステム・制度が必要!

    レスパイト = 休息(介護者からの視点)≑ 短期入所、レスパイト入院≑ 日中一時支援、通所、通園、(幼保、学校) = 本人支援本人も楽しく過ごせるレスパイト!家族も心から休めるレスパイト!

    レスパイト・短期入所不足に対する工夫あれこれ(1)

    <医療型短期入所・医療機関等でのレスパイトの工夫(1)>

    ・医療型短期入所(重症心身障害児施設) 日帰りのレスパイト、利用者の病状により入院で対応するなど、臨機応変に各施設毎で工夫。

    ・開業医が医療型短期入所(泊を伴わない) 横浜市。家族の就労支援も。月曜日から土曜日まで午前8時から午後18時までの日中預かりと送迎、1日24000円、市が定期利用、毎日利用を認めている。採算はとれる。

    ・開業医(有床診療所)が医療型短期入所(泊を伴う) 岐阜市。

    ・病院内施設で医療型短期入所 岐阜県総合医療センターに新病棟、重症心身障害児施設(医療型障害児入所施設)、2015年度開設へ。

    ・一般病院で短期入所 大阪市が補助 一般病院でのレスパイト入院制度。担当4病院が空床を1ずつ確保。確保料は1日4万円。実際にレスパイトするとさらに1万円。実際にレスパイトすれば医療型短期入所の3万円弱も支給される。

    ★全国の1/3の急性期病院が福祉目的の入院を実施している(小児科学会調査2014)。

    ・療養病床をもつ民間病院で預かり入院 検査入院扱い。

  • 23

    45

    短期入所・入院の実状

    ○ 2013年12月に日本小児科学会が小児科専門医研修施設・研修支援施設の517施設に対してアンケート調査を実施。○ 「急性期病床を使って医療的ケアを必要とする重症心身障害児(重症児)のレスパイトを目的とした短期入所または入院を行っているか?」との質問に対し、37%が短期入所もしくは医療入院を実施していた。※ レスパイトとは、ここでは「在宅で重症心身障害児者を介護されているご家族の方が、病気や出産、冠婚葬祭、旅行などの理由により一時的に介護ができなくなった時に、短期間入所し、看護、療育、日常生活の支援(食事の提供・入浴等)、健康管理および医療を受けるための支援」を意味する。

    (a) 障害者総合支援法に基づく空床利用型短期入所でレスパイトを受入れている

    (b) 主たる目的が在宅管理の適正度を判断する「医療」であり医療法上の入院であるが、従たる目的がレスパイトなど「福祉」目的の場合も行っている

    (c) 「医療」が目的の場合以外は行っていない(d) 重症児の短期入所または入院は行ってい

    ない

    13 20

    100

    2 180

    12 31

    (a) (a)と(b)(b) (b)と (c)(c) (c)と(d)(d)

    N=358 重症児の一般病院小児科における短期入所(入院)の実態と課題日本小児科学会小児医療委員会長期入院児の移行問題WG

    37%

    ★収入改善の方策①自治体と受入契約して上乗せ18施設、②検査入院15施設、③補助金4施設

    レスパイト・短期入所不足に対する工夫あれこれ(2)

    <医療型短期入所・医療機関等でのレスパイトの工夫(2)>

    ・一般病院で付き添いを入れて短期入所 岐阜高山、重症心身障害児者の訪問看護活用モデル事業。短期入所時に外部訪問看護師を病院へ。いつもの訪問看護師が病院で付きそう。付き添い中は同病院の非常勤職員扱い。給料は県が負担。

    ・一般病院で預かり入院 横浜市の民間病院。生活介護施設診療と連携。毎月3泊4日、検査なし。共同利用ベッド扱い・入院扱い。期間中S医師が一度回診。

    ・訪問看護ステーションで短期入所 福岡市。ステーションの一室を借り、重症児が日常的に利用している訪問看護師やヘルパーを一時的に配置して2泊3日程度預かるモデル事業。

    ・老健で短期入所 東三河、福岡県等。福岡(地域の老健に障害児・者へのケアを学んでもらう県独自の研修を実施、必要な医療器具購入の補助。施設を増やすと同時に、質の高い医療的ケアを提供できる職員の育成や環境づくり)

  • 24

    レスパイト・短期入所不足に対する工夫あれこれ(3)

    <福祉型短期入所の工夫>・ケアホームで短期入所 豊橋等、地域のケアホームで医療的ケアの必要な方の短期入所をしている。市町村が上乗せして契約。

    ・開業医が日中一時預かり 宇都宮等。地域生活支援事業に市町村が上乗せして契約。

    ・児童発達支援・放課後等児童デイサービス 重症心身障害児専用で届け出る。「全国重症心身障がい児デイサービス・ネットワーク」設立

    ・療養通所介護事業所(介護保険)での実施 主に重症心身障害児の通う「児童発達支援・放課後等児童デイサービス」や主に重症心身障害者の通う「生活介護」を併設。

    ・自宅でレスパイト 島田市、沖縄等。沖縄(無料で研究事業→有料へ。1時間2500円。一泊だと3万円。重度訪問介護を長時間認めてもらえば可能であるが、レスパイト目的ということでは市町村が長時間認めてくれないので、結局個人契約となってしまう。)

    ・私的契約でレスパイト 豊田

    ・日中一時支援(地域生活支援事業) 春日井、名古屋、東三河等。

    ①日中活動(社会参加):通園(児童発達支援・放課後等児童デイ)、日中一時支援→学校(地域の学校・特別支援学校)→通所(生活介護)、デイサービス等

    ②家庭での支援(訪問系サービス):医療系:訪問診療・訪問看護・訪問リハビリテーション

    訪問歯科診療(歯科医師・歯科衛生士)福祉系:居宅介護・移動入浴・重度訪問介護等教育系:訪問教育

    ③短期入所(日帰り含む)(緊急時・レスパイト):重症心身障害児施設、福祉施設、高齢者施設、病院・診療所(医療型短期入所、レスパイト入院)

    ④医療機関:障害専門医療(定期受診)+日常疾患(かかりつけ、救急・入院)

    ⑤将来の生活の場の確保:重症心身障害児施設・ケアホーム・その他

    ⑥相談支援事業(コーディネーター):重症児ケアマネージャーの創設が望ましい相談支援専門員、医療機関のソーシャルワーカー各市町村の担当者、訪問看護師・保健師らが担う

    在宅重症心身障害児者に対する支援<本人支援+家族支援>

    家族以外の者による医療的ケアが必要!

    「地域で」安心して暮らせるためのシステム・制度が必要!

    ・役割分担 ・相互理解・情報共有・信頼関係(顔の見える関係)

    ネットワーク構築!

  • 25

    <社会医療法人宏潤会 大同病院>・名古屋市南部の民間総合病院

    ・クリニック併設で在宅医療に取り組んでいる。・短期入所を実施している病院・地域で勉強会を始めている。

    平成26年度重症心身障害児者の地域生活モデル事業による国庫補助

    49

    医療・介護・福祉統合ネットワークシステム

    名古屋大学が開発した多職種連携を支える情報共有基盤システム

    名古屋大学医学部附属病院 先端医療・臨床研究支援センター 杉下明隆氏より

  • 26

    51

    在宅医療(療育)・福祉(介護)統合ネットワークシステム

    医療・福祉支援チーム内での情報共有や各種相談 患者・家族向けに発信される情報や育児記録

    名古屋大学が開発した多職種連携を支える情報共有基盤システム

    電子@連絡帳の基本機能①

    52

    見るだけで、簡単に情報共有。

    見る

    基本的な使い方は、自分が担当している患者、プロ

    ジェクト等をただ見るだけ。

    支援チームの発言や資料など、まとめて見る事が出

    来ます。

    支援チームの記事や資料は、時系列で分かりやすく

    表示。患者のケア状況についても、前後の流れが把

    握しやすくなっています。

    支援チームの医師や看護師、薬剤師、ケアマネー

    ジャー等の支援チーム間で行われているやり取りが

    一目でわかります。

    パソコン(Windows, Mac)、スマフォ・タブレット、携帯

    などとつかって利用できます。もちろん、セキュリティ

    は医療情報が扱えるぐらい万全。

    時系列だから分かりやすい。

    他のメンバーのやり取りもわかる。

    使い慣れている機器で利用できる。

    好きなときに、好きな場所で。

    連絡したい事や共有したい資料がある場合には、そ

    の場で伝言メモを残す感覚で書き込んでください。

    他のメンバーが都合の良いときにすぐ確認できま

    す。

    診療情報や申送り、FAXなど支援チーム間で共有し

    たい資料は、写真にとって登録するだけでOKです。

    メールを送る手軽さで共有できます。

    あなたの記事は、支援チームのメンバーしか見る事

    ができません。メンバー外やサービス提供者も見る

    事ができません。特別便を利用すればメンバー内の

    特定の人とだけのやりができます。

    メール感覚で資料を登録。

    メンバーしか見ないから安心。

    介護事業に必要な主治医意見書、訪問看護指示

    書・報告書等を標準装備しているので、簡単登録で

    きます。

    項目を選ぶだけで様式ができる。

    書き込む

    患者

    プロジェクト

    その他

    見守りサポート

    レスパイト

    ・・・

    【情報カテゴリー】

    【追加機能】

  • 27

    電子@連絡帳の広がり

    愛知県 長野県

    福島県

    【ネットワーク名】

    瀬戸旭もーやっこネットワーク【運用者】

    瀬戸旭在宅医療介護連携推進協議会

    【ネットワーク名】

    愛・ながくて夢ネット【運用者】

    長久手市医療・介護・福祉ネットワーク連絡協議会

    【ネットワーク名】

    いきいき笑顔ネットワーク【運用者】

    いきいき笑顔ネットワーク連絡協議会

    【ネットワーク名】

    東三河ほいっぷネットワーク【運用者】

    東三河電子連絡帳協議会

    【ネットワーク名】

    長野こどもしろくまネットワーク【運用者】

    長野県立こども病院

    【ネットワーク名】

    SHINPEIネット(仮)【運用者】

    公立岩瀬病院

    平成26年9月1日現在

    【ネットワーク名】

    つながろまい津島【運用者】

    津島市

    県医師会のGOOD LIFE PROJECTとして推進中

    瀬戸市・尾張旭市

    実運用中

    今年度稼働

    検討中

    田原市豊橋市 豊川市 新城市

    【ネットワーク名】

    北名古屋レインボーネット【運用者】

    北名古屋市

    人口:21.2万人

    地域人口:6.9万人

    地域人口:5.4万人

    地域人口:6.4万人

    地域人口:8.2万人

    地域人口:66.7万人

    ~地域で皆で連携して支え合おう~

    本人と家族

    コロニー中央病院外来伊藤一美氏より提供一部改変

    教育

    教育福祉

    福祉

    行政行政

    地域の人々

    地域の人々

    医療(医・歯)保健

    医療(医・歯)保健

    ・役割分担・相互理解・情報共有・信頼関係(顔の見える関係)

    おわり御清聴ありがとうございました