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診療ガイドラインにおける PPI(患者・市民参画) 一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパン (一般社団法人全国がん患者団体連合会) 理事長 天野 慎介

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Page 1: 診療ガイドラインにおける PPI(患者・市民参画)...診療ガイドラインにおける PPI(患者・市民参画) 一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパン

診療ガイドラインにおけるPPI(患者・市民参画)

一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパン(一般社団法人全国がん患者団体連合会)

理事長 天野 慎介

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がん告知(2000年27歳)

朝日新聞2016年8月29日朝刊「患者を生きる」/朝日新聞「アピタル」

Mindsフォーラム 2

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Mindsフォーラム

患者の身体的・精神的・社会的・スピリチュアルな苦痛

公益財団法人がん研究振興財団「緩和ケアを知っていますか」より

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思春期・若年成人(AYA)世代のがん患者が経験する悩み

厚生労働省第1回小児・AYA世代のがん医療・支援のあり方に関する検討会「思春期・若年成人(AYA)世代のがんの現状と課題」(清水参考人)

Mindsフォーラム 4

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作成・改訂・評価などに関わった最近のガイドラインの例

Mindsフォーラム 5

肺癌診療ガイドライン検討委員会薬物療法及び集学的治療小委員会委員

外部評価委員ガイドライン改訂WPG(Working Practitioner Group)員

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ガイドラインの改訂と評価に関わって

Mindsフォーラム 6

CQ13がん薬物療法を行う場合、どのような患者にG-CSF一時予防は推奨されるか?

推奨FN発症頻度20%以上の化学療法を行った場合にはG-CSF一次予防が推奨される。FN発症頻度10~20%についてはFNリスクを有する症例に一次予防が推奨される。[推奨の強さ:2(合意率70%)、エビデンスレベル:C]

解説(抄)乳がんを対象としたメタアナリシスでは、G-CSFの一次予防投与を行うとプラセボあるいはG-CSF非投与群に比べて、感染症関連死については差を認めなかった(RR=0.14、95%CI:0.02-1.29)が、FNによる入院は減少し(RR=0.93、95%CI:0.51-1.71)、早期死亡率は有意に減少した(RR=0.32、95%CI:0.13-0.77)悪性リンパ腫を対象としたメタアナリシスでは、 G-CSFあるいはGM-CSFの予防投与によりFNの発症(RR=0.74、95%CI:0.62-0.89)および感染症の発症(RR=0.74、95%CI:0.64-0.85)は有意に低かった。しかし感染症関連死(RR=0.93、95%CI:0.51-1.71)および生存率(RR=0.97、95%CI:0.87-1.09)の改善は認められなかった。(後略)

日本臨床腫瘍学会「発熱性好中球減少症(FN)診療ガイドライン」パブリックコメント案より

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ガイドラインの改訂と評価に関わって

Mindsフォーラム 7

CQ13「がん薬物療法を行う場合,どのような患者にG-CSF一次予防は推奨されるか?」については、推奨・エビデンスレベルは「2C」とされており、解説文を読めばその結論に至ることは理解できました。一方で、がん薬物療法を受けている患者さんに対しては、このような考察を十分に経ることなくルーチンに投与されているように思われる状況があり、患者さんとしても自身の感染症のリスクを少しでも減らしたいと考えて投与を希望する患者さんもおり、CQ13は患者さんの関心も高い項目と思われます。

推奨草案並びに解説において、「FN発症頻度20%以上の化学療法」などの記載があり、どの化学療法が「FN発症頻度20%以上の化学療法」なのかは、薬物療法を専門とする医療者にとっては常識的な事柄かもしれませんが、一般の医療者や患者さんには明らかではないのではないかと思われます。つきましては、当該CQまたは巻末などに、例えば「主要ながんの初回治療などにおける主要な化学療法」に関して、化学療法レジメンごとのFN発症頻度を示すことは出来ないでしょうか。

日本臨床腫瘍学会「発熱性好中球減少症(FN)診療ガイドライン」への意見

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がん患者の呼吸器症状の緩和に関するガイドライン2016年版より

Mindsフォーラム 8

ガイドラインの改訂と評価に関わって

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Mindsフォーラム 9

ガイドラインの改訂と評価に関わって

がん患者の呼吸器症状の緩和に関するガイドライン2016年版より

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Mindsフォーラム

がん研究(抜粋)(現状・課題)がんの克服を目指し、目覚ましい発展を遂げているゲノム解析や人工知能を含めた情報通信技術等をがん医療に応用すること等による、革新的な診断法や治療法の開発が求められている。

治験、臨床試験に関する計画立案の段階から、研修を受けた患者が参画することによって、患者視点のアウトカムの提案や、患者のリクルートの適正化等をより高い精度で進めていくことの必要性が指摘されている。

(取り組むべき施策)

国は、治験をはじめとした臨床研究の情報を医療従事者や国民にわかりやすく提供するとともに、関係団体等と連携し、治療開発を一層推進する。

AMEDは、海外の研究体制と同様、我が国でも患者やがん経験者が研究のデザインや評価に参画できる体制を構築するため、平成 30(2018)年度より、患者及びがん経験者の参画によって、がん研究を推進するための取組を開始する。また、国は、研究の計画立案と評価に参画可能な患者を教育するためのプログラムの策定を開始する。

国のがん対策推進基本計画(2018年3月閣議決定)

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Mindsフォーラム 11

研究への患者・市民参画(PPI)/AMED

AMEDホームページより

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Mindsフォーラム 12

日本医療研究開発機構(AMED)ホームページ/「医学研究・臨床試験における患者参画(PPI)について」より

研究への患者・市民参画(PPI)/AMED

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Mindsフォーラム 13

日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)でのPPI

いくつかのがんの臨床研究グループにおいて患者が参画し、新たな臨床試験の方向性について「治療開発マップ」などをもとに研究者と患者が話し合うとともに、新たな臨床試験における評価項目などについてディスカッションを開始している。

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Mindsフォーラム 14

がん患者や家族を支援する団体運営者または個人が、がん研究に関する理解を深めることで、がん研究に対してがん患者や家族の立場から参画する「リサーチ・アドボケート」が養成されることを目的として開催。

日本癌学会学術総会 SSP(サバイバー・科学者プログラム)

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Mindsフォーラム 15

がん患者・家族を支援する団体運営者または個人が、がん医療に関する知識と最新の情報を得ていただき、自身の活動地域や領域において、がん医療やがんの患者・家族の支援の質を向上させるための活動のリーダーとしてご活躍いただくことを目的として開催。

日本癌治療学会学術集会PAL(Patient Advocate Leadership)

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Mindsフォーラム 16

藤原紀子先生(東大医科研) 竹下啓先生(東海大学) 佐々木治一郎先生(北里大学)

講義の様子 模擬倫理委員会 修了式

全国がん患者団体連合会「がん患者カレッジ~臨床試験」