診療ガイドライン作成のための システマティックレビューの文献...

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「特別寄稿 3 診療ガイドライン作成のためのシステマティックレビューの文献検索戦略」 『Minds 診療ガイドライン作成マニュアル』 - 1 - 特別寄稿 3 診療ガイドライン作成のための システマティックレビューの文献検索戦略 森實敏夫 1 、河合富士美 2 、小島原典子 3 1 日本医療機能評価機構、 2 聖路加国際大学学術情報センター図書館、 3 東京女子医科大学衛生学公衆衛生学第二講座 2015 12 1 日 掲載 本稿は Minds ガイドラインセンターが執筆を依頼し、著者が執筆したものであり、著作権は 著者に帰属します。Minds ガイドラインセンターの見解を示すものではありません。

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「特別寄稿 3 診療ガイドライン作成のためのシステマティックレビューの文献検索戦略」

『Minds診療ガイドライン作成マニュアル』

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特別寄稿 3

診療ガイドライン作成のための

システマティックレビューの文献検索戦略

森實敏夫 1、河合富士美 2、小島原典子 3

1 日本医療機能評価機構、2 聖路加国際大学学術情報センター図書館、

3 東京女子医科大学衛生学公衆衛生学第二講座

2015 年 12 月 1 日 掲載

本稿は Minds ガイドラインセンターが執筆を依頼し、著者が執筆したものであり、著作権は

著者に帰属します。Minds ガイドラインセンターの見解を示すものではありません。

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「特別寄稿 3 診療ガイドライン作成のためのシステマティックレビューの文献検索戦略」

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1 データベースの構造と検索

データベースはレコードが単位となりデータが保管されている。ひとつのレコードには

複数のフィールドがありそこにフィールド名がラベルとして付与され、データが保管され

ている(図 1)。

自由語検索の場合には、検索語句と一致する語句がいずれかのフィールドに含まれてい

るレコードが引き出され一覧として表示される。一方、フィールドを指定して検索すること

もできる。たとえば、PubMed の場合、meta-analysis[ti]を検索すると ti すなわち Title の

フィールドに meta-analysis という語句が含まれるレコードだけが引き出される。もし[ti]

というフィールドタグ(以下タグ)を付けないで meta-analysis という語句だけを検索する

と、Title 以外のフィールドに meta-analysis という語句が含まれている場合でも引き出さ

れることになる。

レコード、フィールド、データの構造を示す。

図1 データベースの構造

PubMed の場合は、タグによって検索対象フィールドを限定できるようになっている。

検索語句の後ろに[フィールド名]を付けることによって、そのフィールドのみを検索対象と

して指定することになる。

これらのフィールドは複数あり、それぞれ文献の分類に用いられているとともに、同義語

を介した検索を可能にしている。すなわち、論文のタイトル、アブストラクトに用いられて

いる語句の同義語あるいは直接現れない語句でもその論文で取り扱われている概念を表す

語句を共通のシソーラス用語として特定のフィールドに含めることによって、それらを検

索可能にすることができる。

PubMed の場合は医学主題見出し MeSH (Medical Subject Headings)フィールドにイン

デクサーの手作業により、各論文の概念に基づく語句や同義語が記録されている。たとえば、

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humans[mh]で検索すると、タイトルやアブストラクトに humans という言葉が含まれて

いない論文であってもヒトが対象になっている研究であるとインデクサーが判定した結果

MeSH のフィールドに humans と入力されている論文がすべて引き出されることになる。

PubMed では MeSH を意識しなくても入力されたキーワードを自動で適切な MeSH

term や雑誌名、著者名などに変換して検索される。これを Automatic Term Mapping とい

う。通常の検索ではその機能を意識せずに使ってよいが診療ガイドライン作成のための検

索の場合は必ず入力した後、details でノイズとなる言葉にマッピングされていないかどう

か確認すべきである。

例えば川崎病について検索する場合、”kawasaki disease”と入力したとしよう。8000 件強

がヒットするがその details には以下の式が表示される。

"mucocutaneous lymph node syndrome"[MeSH Terms] OR ("mucocutaneous"[All

Fields] AND "lymph"[All Fields] AND "node"[All Fields] AND "syndrome"[All

Fields]) OR "mucocutaneous lymph node syndrome"[All Fields] OR ("kawasaki"[All

Fields] AND "disease"[All Fields]) OR "kawasaki disease"[All Fields]

この検索式では著者や所属に kawasaki が含まれる、いわゆるノイズとなる文献がヒット

している。このノイズを削るよう式を修正し

"mucocutaneous lymph node syndrome"[MeSH Terms] OR "mucocutaneous lymph

node syndrome"[TIAB] OR "kawasaki disease"[TIAB]

とすると 5500 件弱の“川崎病”に関する文献に絞ることができる。

また、思いついたキーワードが 100%MeSH term に変換されるわけでは無いこと、MeSH

自体ができた年が新しくそれ以前の文献を取りこぼす可能性があることから主要なキーワ

ードについては MeSH Database で MeSH を探し、解説を確認したほうがよい。

MeSH のようなシソーラスは概念的階層構造になっており、下位の概念が設定されてい

る場合には、それも自動的に検索されるが、[mh:noexp]と記述すると下位の概念は検索さ

れなくなる。noexp は no explode の略である。また、[majr]は MeSH Major Topic として

索引された MeSH term に限定するタグで、より重要な主題での分類を検索対象とする。

PubMed のタグのうち、Text Words [TW]はタイトル、アブストラクト、MeSH term、

その他の用語(著者の設定したキーワードなど)、化学物資の名称、GenBank など二次ソー

スの Identifier、個人名が検索対象となる。All Fields [ALL]は Place of Publication,

Transliterated Title, Create Date, Completion Date, Entrez Date, MeSH Date,

Modification Date 以外のすべてのフィールドが検索対象となる。雑誌名や著者の所属まで

検索されるので[ALL]は用いず[TIAB]または[TW]を使うことが勧められる。ただし、[ALL]

を用いると Automatic Term Mapping が働くので、適切な MeSH が探せない場合などには

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確認の手段として有効である。詳細は PubMed の PubMed Help1 あるいは

MEDLINE®/PubMed® Data Element (Filed) Descriptions2にある。

医中誌 Web でも PubMed の MeSH にあたる「医学用語シソーラス」により索引されて

おり、同様にマッピング機能もある。例えば集中治療を受けている患者のストレスについて

検索するつもりで“ストレス”と入力すると(ストレス/TH or ストレス/AL)にマッピングさ

れるが「心停止蘇生後の脂質代謝と酸化ストレス」のような文献も検索されてしまう。この

テーマの場合、正しいシソーラスは心理的ストレス/TH である。適切なシソーラスを選ぶこ

とによりノイズを減らし検索効率が向上する。

医中誌 Web の場合、Publication Type にあたるのは絞り込み項目内にある“研究デザイ

ン”である。メタアナリシス、ランダム化比較試験、準ランダム化比較試験、比較研究、診

療ガイドラインの5つがある。このうち「比較研究」は 2003 年以降の文献から、「メタアナ

リシス」と「診療ガイドライン」は 1999 年以降の文献から付与されているので注意が必要

である。

医中誌 Web の詳細は以下のヘルプを利用するとよい。

http://www.jamas.or.jp/web_help5/index.html (2015.10.19 accessed)

検索によって引き出される文献は医学文献スペース全体のごく一部である。また、検索結

果は目的としている文献をすべて含んでいるわけではないし、目的としていない文献も含

まれている。これらの関係を示したのが図2である。

S は全文献を含む空間、T は標的文献集合、C は対照文献集合を表す。

R は検索結果、O はそれ以外、すなわち S と R の差分 S-R を表す。

図2 医学文献データベースに含まれる医学文献スペースの構成

通常の検索では検索結果 R は医学文献スペースのごく一部を占めるに過ぎず、検索結果以

外 O が圧倒的多数を占める。たとえば PubMed であれば 2000 万件以上の文献が収載され

ているので、検索式で 2000 件の文献が引き出されたとしても全体の 0.01%以下に過ぎな

い。

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2 検索式の構成

データベース検索時にはそれぞれの PC から検索式 Search query がテキスト情報として

データベースに送信され、データベースは検索式の条件に合致するレコードの一覧を返し

てくれる。

検索式は検索語句を AND、OR、NOT および( )で組み合わせたテキストで、ブール

論理に従って、条件に合致する文献が引き出される(図3)。w を検索語句とすると、w1

AND w2 は w1 と w2 の両方を含む文献、w1 OR w2 はいずれかを含む文献、w1 NOT w2

は w1 を含むが w2 は含まない文献を引き出す。

図3 検索語句と検索式

検索式はクリニカルクエスチョンの PICO (Population Intervention Comparator

Outcome)の構成語句から作成される。多くの場合、PIC それぞれの要素を表す複数の語句

を OR で結合し、それらを( )でくくったものを AND で結合し、さらに必要に応じて

検索フィルターが AND で結合される。

たとえば、「肝細胞癌に対してラジオ波焼灼療法と肝動脈化学塞栓療法の併用はラジオ

波焼灼療法単独より推奨できるか」というクリニカルクエスチョンでランダム化比較試験

とメタアナリシスを検索したいのであれば、(“hepatocellular carcinoma”[tw] OR

hepatoma[tw]) AND (radiofrequency[tw] OR rfa[tw]) AND (chemoembolization[tw] OR

tansarterial[tw] OR tace[tw]) AND (meta-analysis[pt] OR randomized controlled

trial[pt])となる。

( )はもし入れ子構造になっている場合は、より内側の( )が優先されて解釈される。

検索式は作成者の専門領域、経験、スキルの影響を受けるので、同じ CQ に対して結果

としていくつかの異なる検索式が作成される可能性が高く、それぞれの検索式は感度・特

異度も異なり、検索結果も異なる。

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3 検索のロジック

検索語句 w で検索した結果を R とすると R に含まれる文献はすべて w を含んでいる。

これを条件付き確率の表記で表すと P(R|w)=1 となる。すなわち w を含むという条件が満

たされる場合その文献が R に含まれる確率は 1 である。検索式 q で検索した結果を R とし

た場合も同じことがいえる。すなわち P(R|q)=1 となる。すなわち検索式 q という条件が満

たされる場合その文献が R に含まれる確率は 1 である。これらが成立するのはデータベー

スがそのような規則で動作するからである。

条件付き確率の表記を用いると、検索式 q の感度は P(q|T)、特異度は 1-P(q|C)、正確

度(的中率)は P(T|q)で表わされる。P(q|C)は対照文献で検索結果に含まれる率すなわち偽

陽性率であり、1-P(q|C)が特異度に相当する。P(T)を標的文献の事前確率すなわち全文献

S に占める標的文献 T の割合、P(C)を全文献 S に占める対照文献 C の割合とすると検索式

q の結果で標的文献 T である確率すなわち的中率 P(T|q)はベイズの定理に従う(図4)。

P(C)は 1-P(T)であり、文献スペースに占める標的文献以外の文献、すなわち対照文献の割

合である。

図4 検索式 qで得られる文献集合に標的文献 Tが含まれる率

的中率は標的文献が文献スペースに占める割合、すなわち事前確率と検索式の感度・特異

度によって決定される。パフォーマンスの高い検索式は感度・特異度が高い検索式であり、

結果として的中率が高くなる。

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4 検索パフォーマンスの指標

検索式の検索パフォーマンスの指標として感度 Sensitivity・特異度 Specificity、正確度

Precision、Number Needed to Read (NNR)などが用いられる。

感度は検索結果に占める標的文献の率、特異度は標的文献以外の文献集合(対照文献集合)

で検索結果に含まれない率、正確度は検索結果の文献集合の内、標的文献である率で Recall

あるいは的中率 Predictive value と呼ばれることもあるa。NNR は検索結果から1つの標

的文献を得るために読む必要がある文献数で的中率の逆数である(図5)。

この例では、正確度は 40%となり NNR は 2.5 となる。

図5 医学文献スペースと感度・特異度、正確度

正確度すなわち的中率が 100%であっても、標的文献がすべて検索結果に含まれていると

いう意味ではない。検索結果がすべて標的文献で占められているという意味である。感度が

100%であれば、標的文献はすべて検索結果に含まれていることを表しているが、対照文献

がどの程度混在しているかは表していない。感度・特異度の両方が 100%であれば、検索結

果はすべて標的文献であり、なおかつ漏れがないことを意味する。

感度・特異度はトレードオフの関係にあり、感度を高めようとすると特異度が低下して、

標的文献以外の文献がより多く混入する。網羅性を高めようとすると、感度を高く、特異度

を低くした文献検索戦略が必要になるが、特異度が低く NNR が大きい場合には、選定作業

でヒューマンエラーが起きる可能性が高くなることを認識する必要がある。

上記のごとく、感度・特異度が 100%の検索式があれば検索結果がすべて標的文献である

ことになるが実際にはそのような検索式を作成するのは困難である。また、システマティッ

クレビューのための文献検索では網羅性が重要視され、特異度は低くても感度を高くする

a 臨床診断における診断精度 Diagnostic accuracy あるいは正確度(精度)Accuracy の場

合とは異なる定義である。臨床診断における陽性的中率と同じ概念である。

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ことが求められる。そのため、正確度は低くなり、NNR は大きくなる傾向にある。

いくつかの検索式を組み合わせることによってできるだけ効率的、網羅的に標的文献を

収集することが必要である。しかし、最終的な検索式はひとつの検索式で表すことができる。

もし、4 つの検索式 q1, q2, q3, q4 から選定作業を行った場合、それぞれの検索式の検索結

果からの選定作業を逐次行った場合でも、全体としての検索式は(q1) OR (q2) OR (q3) OR

(q4)で表すことができる。実際の検索・選定の作業では、それぞれ 4 つの検索結果には重複

があるので、すでに選定作業を済ませた文献集合は除いて残りだけを対象に選定作業を行

うことによって効率を上げることができる。

また、感度・特異度を知るためにはゴールドスタンダードとしての標的文献集合が必要で

ある。一方で、ゴールドスタンダードを知るには完全な検索式が必要となる。検索式の感度・

特異度を分析した研究、特に検索フィルターの開発と性能に関する研究論文では、ハンドサ

ーチ結果も含めたゴールドスタンダード文献集合を用意し、それを基準に感度・特異度を明

らかにする手法が用いられている。

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5 通常の文献検索:コンセプトに基づくアプローチ

通常行われている文献検索ではクリニカルクエスチョンの構成要素を表す語句をキーワ

ードとしてリストアップし、それらを組み合わせて検索式を作成する。検索語句を決める段

階では、クリニカルクエスチョンの各構成要素のコンセプトを表す単語あるいは語句を考

え出さなければならない。したがって、通常の文献検索はコンセプトに基づくアプローチが

用いられているといえる。

コンセプトを言葉で表す際に医療者あるいは検索者のそのトピックに関する知識、デー

タベースの構造に関する知識、MeSH などのシソーラスとその構造に関する知識、検索者

の経験・スキルなどが影響し、作成される検索式は一様ではない。

したがって、コンセプトに基づくアプローチは主観的で個人差が出やすく、さまざまな検

索式が可能なのでどこで完了とするか決めるのが難しく、検索式が長くなると綴りの間違

いを起こしやすくなる可能性もあり、語句の選定の間違いや組み合わせの間違いが起きる

可能性も高まる。そして、得られる文献数が多いと絞り込みの操作が必要になり、研究デザ

インで制限したり、雑誌で制限したり、年度で制限したりすることによって、網羅性が低下

する可能性が高まる。全体の作業に要する時間も長くなりやすい 3。

誰が行っても同じ結果が出せるようにするためには、後述するようなより客観的な手法

が必要となる。

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6 検索フィルター

検索フィルターは、エビデンスを引き出すためデザインされたあらかじめ定義された検

索語句の組み合わせで、研究デザイン 4, 5, 6、疾患・病態 7、治療、予後 8、診断 9, 10, 11, 12、

副作用 13, 14, 15などさまざまなものが作成され発表されている 16。検索フィルターには主観

的に作成され汎用性が不明のものと、客観的に作成されその性能について研究による裏付

けのあるものがある。

研究として検証が行われ、適切なゴールドスタンダード標的文献集合に対して感度・特異

度などの検索パフォーマンスの指標が明らかにされている検索フィルターは数多い。

PubMed の Clinical Query17, 18, 19はその一例で、病因、診断、治療、予後、臨床推測ガイ

ドに対して、Sensitive/Broad (感度が高く特異度が低い)と Specific/Narrow (感度が低

く特異度が高い)の 2 種類が用意されている 20。

これら以外に、多くの論文が発表されており 21, 22, 23, 24、検証が行われている検索フィル

ターの使用は検討されるべきである。

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7 客観的検索式作成法

7.1 事前情報の収集

検索式作成のための事前情報として 2 種類の情報がある。一つはコンセプトから導き出

されるキーワードであり、もう一つは既知の論文(から客観的に導き出されるキーワード)

である。

クリニカルクエスチョンあるいはテーマについて疾患専門家へのインタビューによって

あるいは疾患専門家の立場でコンセプトをできるだけ明確にし、検索に用いうるキーワー

ドの候補を明らかにすることが必要である。インタビューが難しい場合や疾患専門家でも

あいまいな場合には、クリニカルクエスチョンに対応する主題の研究論文、学会発表、教科

書の該当箇所などを読んでコンセプトを明らかにしつつキーワードの候補を探す。キーワ

ードは標的文献のタイトル、アブストラクト、MeSH などシソーラステーブルで用いられ

ることが想定されるような用語である。この手順は既知の論文がないような場合には必須

である。

既知の論文には、①疾患専門家がすでに知っている論文、②既存のシステマティックレビ

ューで採用されている論文、③疾患専門家の提案するキーワードに基づいた試験的な検索

で得られた文献集合から選定された文献の 3 種類がある。すべてあるいはいずれかを標的..

文献サンプル......

集合として用意する。さらに、同様に対照文献サンプル........

集合を用意する。試験

的検索で除外された文献を対照文献のサンプルとして用いることができる。

7.2 検索式の客観的作成

標的文献サンプル集合でタイトルおよびアブストラクトの語句の出現頻度の分析 25 を行

い、頻度の高い語句のリストを作成する。出現頻度はたとえば 20%以上といった基準を設

定することができるが、試験的な検索の結果を見ながら、基準を変更して検索式をチューニ

ングすることも可能である。基準を高くするほど、特異度が高くなる。

たとえばゴールドスタンダードの標的文献で 100%の出現頻度の語句を AND で組み合わ

せて検索すれば、これら標的文献が必ず引き出されるはずである。この場合、対照文献はほ

とんど引き出されない可能性が高くなる。

一方、対照文献のサンプル集合では出現頻度の低いキーワードを検索式に採用する。すな

わち、標的文献サンプル集合で出現頻度の高い語句であっても対照文献でも出現頻度が高

ければ標的文献と対照文献の識別における有用性は低くなる。したがって、標的文献サンプ

ル集合で出現頻度の高い語句が対照文献サンプル集合での出現頻度が低いことを確認する

必要がある。一つの目安として 2%以下という基準が設定できるが、試験検索の結果を見な

がら、基準を変更して検索式をチューニングすることも可能である。基準を低くするほど、

特異度が高くなる。

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標的文献サンプル集合で出現頻度が 100%に達しない語句をANDまたはOR で結合した

場合の感度・特異度は、標的文献サンプルおよび対照文献サンプルの分析によって推定値を

得ることができる。2 つの語句が互いに関連していて同時に使われる可能性が高い場合には、

個々の語句の出現頻度だけでなく 2 つの語句の相関を取り入れた感度・特異度を算出する

必要がある。3 つ以上の語句の組み合わせの場合も同様である。そのためには分析対象の各

文献の各語句の有無に関するデータが必要となる。このデータを表形式で作成すれば、一覧

することで感度・特異度の推定値を得ることは容易である。統計学的に処理して、複数の語

句の AND または OR で結合した検索式の感度・特異度を計算することも可能である。

このように標的文献サンプル集合と対照文献サンプル集合での語句の出現頻度の分析結

果を用いることによって、客観的な検索式の作成が可能になる 26。これらのサンプル集合は

記録しておくことで、再現性と透明性を確保できる。

さらに、検索実行後に検索結果によって標的文献サンプルおよび対照文献サンプルに追

加される文献が得られることが多い。その際は、必要に応じて新たに語句の出現頻度を分析

し新しい検索式を作成して検索を繰り返すことでより精度の高い検索式の作成できる可能

性がある 27。

標的文献集合の異質性が高い場合は、できるだけ均質な集合に分割してそれぞれの集合

に対応した検索式を作成し、後に結果を結合する方法が有効と考えられる。異質性の高い文

献集合を網羅的に得ようとすると、キーワードを OR で結合した検索式が必要になり、対照

文献の混入が多くなる可能性が高く、選定作業の負担が大きくなる。

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8 診療ガイドラインシステマティックレビューのための文献検索の手順

診療ガイドライン作成においては透明性が求められ、文献検索についても用いたデータ

ベース、検索式、検索実行日、検索実行者、検索結果で得られた文献数が記録される。さ

らに、文献の選定基準(採用基準と除外基準)、一次選定で採用された文献数、二次選定

で採用された文献数が記録され、これらいずれの情報も何らかの形で公表される。また、

上記のごとく検索式を作成するために用いた事前情報も記録する必要がある。

透明性を確保することは診療ガイドラインの信頼性を高めるために必要であることに異

論はないと考えられるが、文献検索・選定が完全ではないという認識が前提としてあるこ

とも忘れてはならない。もし別の担当者が異なる検索式を用いた場合に、異なる文献集合

が得られる可能性があること、選定作業の再現性が確実であるという保証はないこと、す

なわち選定作業でエラーが起きる可能性があることを認識しておく必要がある。

担当者による検索結果の変動、選定作業のエラーを減らすために、2 名で作業すること

が推奨されるが、本来最も重要なことは同じクリニカルクエスチョンに対しては誰が行っ

ても同じ結果が得られるようにすることであり、検索の客観性の確保である。そのための

文献検索の手順について以下に述べる。

図6 客観的文献検索手順

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1. クリニカルクエスチョンの概念を明確にする。(例:疾患専門家にインタビューする)。

2. 対応するキーワード(検索語句)候補を提案する。(例:疾患専門家に提案してもらう。

3. 代表的な教科書の該当箇所を読み、キーワードの候補を探す。(標的文献で出現頻度が

高く対照文献で出現頻度が低い語句。)

4. 疾患専門家に既知の文献をあげてもらい、MEDLINE 形式でダウンロードしたテキス

トファイルを用意する。

5. 既知文献のタイトル、アブストラクトの単語の出現頻度の分析を行い、キーワードの候

補を探す。

6. キーワード選定のための文献検索:キーワードの候補を組み合わせ、できるだけ特異度

の高い検索を行い、標的文献を選定し、既知の文献とともに標的文献サンプルを用意す

る。この際に既存の検索フィルターを活用することを考慮する。

7. 6 で除外した文献で対照文献サンプルを用意する。

8. 標的文献サンプルと対照文献サンプルのタイトル、アブストラクト、MeSH の語句の頻

度を分析し、一定基準でキーワードを再度選定する。

9. 試験的検索:新たにキーワードを組み合わせて検索式を作成し試験的検索を行う。

10. 検索結果から必要に応じて標的文献サンプル、対照文献サンプルを追加しキーワードの

取捨選択を行う。

11. 異なる検索式の結果から選定を行う場合には、すでに選定作業(タイトル、アブストラ

クトに基づく一次選定)を終えた文献リストは除外した上で行う。

12. 必要に応じて、検索式を調整し、検索と選定作業を繰り返す。

13. 検索の終了。

14. すべての作業を記録する。

テキスト分析ソフトウェアはさまざまなものが開発されている。R のパッケージでは

tm、ウェブ上で動作するプログラムとしては Compleat Lexical Turor28、市販されている

プログラムとしては Concordance29、筆者(TM)がウェブ上で動作するプログラムとし

て作成した preselect30などがある。これらを用いて、単語の出現頻度を知ることができ

る。

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9 記録と文献の管理

文献検索と選定作業については再現可能とする記録を付ける。以下に示す一定の形式の

Excel シートを利用する。

まず重要臨床課題およびクリニカルクエスチョンを記入・記録する。クリニカルクエスチ

ョンは文献集合の単位に基づいてアウトカムごとに分割するか、全体としてひとつの文献

集合を得るようにするかを考える。複数のアウトカムが設定されているが、共通の文献集合

で答えられるのであれば、ひとつの文献集合を得ることを目標にする。しかし、害のアウト

カムでランダム化比較試験だけでなく観察研究も対象とするような場合には、益のアウト

カムに関する文献集合と害のアウトカムに関する文献集合は別に作業を進める方が効率的

な場合もあろう。また、ひとつの文献検索活動に対応する CQ を記載しておく。

採用基準と除外基準をあらかじめ設定する。たとえば、ランダム化比較試験だけにするよ

うな場合は、それを採用基準に記述する。もし途中で採用基準、除外基準の変更が必要にな

った場合は、原則として選定作業をやり直す。

キーワードの候補も記録しておく。試験的検索でキーワードを追加した場合も記録する

(図7)。

図7 重要臨床課題、クリニカルクエスチョン、採用基準、除外基準、文献検索に対応し

た CQ(Clinical Question)、キーワード候補、コメントを記載するシート。

既知の文献がある場合には、それをあらかじめ検索して一定の形式で記録しておく(図

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8)。

第一著者 年度を文献コードとし 1 列目に、書誌情報を 2 列目に、

文献へのリンクまたはアブストラクトを 3 列目に入力する。

図8 CQに対応した既知文献リスト

標的文献サンプルおよび対照文献サンプルも一定の形式で記録しておく(図9)。これ

らのサンプルを得るのに用いた検索式も文献検索作業記録に記録しておく。

第一著者 年度を文献コードとし 1 列目に、書誌情報を 2 列目に、

文献へのリンクまたはアブストラクトを 3 列目に入力する。

図9 標的文献サンプルと対照文献サンプルの記録のためのシート

標的文献サンプルおよび対照文献サンプルの語句の頻度分析の結果も記録しておく(図

10)。

図10.頻度分析の記録

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検索を実行したら、検索式と得られた件数、実行日、データベースなどを記録しておく

(図11)。頻度分析の結果は標的文献サンプルの結果の上位の語句だけを記録すれば十

分であろう。

事前情報のまとめを記載し、検索式、得られた文献の件数、検索者のイニシャル、

実行日、対照データベース、その結果から採用された件数などを記載する。

図11 検索記録

一次選定の作業は扱う文献数が多く、すべてを記録しても意味がないので、選定され採

用された文献リストだけを記録すればよい(図12)。

検索式の番号を検索#の列に書き入れる。

図12 一次選定で採用となった文献のリスト

文献リストは 1 行が、文献 ID として“第一著者 年度”、書誌情報として“著者名:タ

イトル. 雑誌名 年度;巻:最初のページ-最後のページ.”、アブストラクトつきのページへの

リンクで構成されるようにする。選定作業を依頼する場合には、リンクではなくアブスト

ラクトそのものをデータとして含めるようにすることも考えられる(図13)。

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図13.文献リストの例

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10 データベースの選択

PubMed/MEDLINE と医中誌 Web は必須の検索データベースとする。Cochrane Central

Registry of Controlled Trials (Central)、Cochrane database of systematic reviews もで

きるだけ含める。Embase は可能であれば含める。

Google Scholar については PubMed と比較された研究がいくつかあり 31, 32、いずれも

Google Scholar だけでは不十分であることが示されている 33。Google Scholar は検索語句

の候補を探すための初期の試験的な検索や検索漏れのチェックに用いてもいいかもしれな

い 34。

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11 ハンドサーチ

データベースの検索に加えていくつかの医学雑誌を手作業で読んで文献を探すことをハ

ンドサーチと呼ぶ。ハンドサーチの必要性については、さまざまな検討が行われているが 35、

追加の文献が得られるかどうかは不明なので、それだけの時間と労力を費やす意義がある

かどうかは個別に判断する。

たとえば、①既知の論文があるにもかかわらず、用いた検索式でその論文が得られない

場合などでデータベース検索だけでは不十分と考えられる場合、②データベースに収載さ

れていない雑誌で重要な論文があることが想定される場合などはハンドサーチの実行が正

当化される。しかし、前者の場合は、上記の客観的な検索式の作成を行えば、必ず検索結

果に含まれてくるはずである。

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用語解説

用語 定義

感度

Sensitivity

検索結果に占める標的文献の率。

特異度

Specificity

標的文献以外の文献集合(対照文献集合)で検索結果に含まれ

ない率。

正確度

Precision

検索結果の文献集合の内、標的文献である率。Recall と呼ば

れることもある。的中率 predictive value とも呼ばれる。

用語索引

Concordance

文献に含まれる語句を頻度のデータとともに列記したもの。

ストップリストを除外するのが一般的。

テキスト語句

Text words

同義語(シソーラス)テーブルを参照せずに検索される語句。

ワイルドカードが使用可能。

出現頻度

Frequency

その語(句)が文献集合で出現する回数または確率。(文献単

位での頻度は引用 citation 回数)。

検索語句 Keywords 検索に用いられるテキスト語句、MeSH Term、コンセプトを

表す語句。

医学主題見出

MeSH

Medical subject headings 米国国立医学図書館の制御された

医学生物学用語でPubMedでは text wordsの指定が無い場合

Automatic term mapping の機能で参照され自動的に合成さ

れる検索式に含まれる。

サ ブ ヘ デ ィ ン グ

Subheadings

共通性の高い補助概念として MeSH term と組み合わせるた

めに設定された語句。

シ ソ ー ラ ス 用 語

Thesaurus terms

MeSH terms などでひとつの概念を表す複数の用語を一括し

て表すために設定された用語。

検索結果 retrieval 検索で得られる文献集合。イールド Yield とも呼ばれる。

検索フィルター

Search filter

エビデンスを引き出すためデザインされたあらかじめ定義さ

れた検索語句の組み合わせ。研究デザイン、疾患・病態、治療、

予後、診断などさまざまなものが作成されている。

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