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食品産業の将来方向(仮称) 検討参考資料集 資料2

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  • 平 成 2 2 年 6 月

    食品産業の将来方向(仮称)

    検討参考資料集

    資料2

  • 目次Ⅰ 食品産業の現状と環境変化1 食品産業の現状(1) 最終消費からみた飲食費の流れ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1(2) 食品産業の位置づけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2(3) 食品産業のグローバル化の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5(4) 市場のグローバル化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・82 食品製造業の業種別構造・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・103 食品流通業の現状(1) 食品卸・小売業の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13(2) 卸売市場の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・144 外食産業の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・155 食品関連産業の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・166 食品産業を巡る環境変化(1) 国内外の原料調達リスクの高まり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17(2) 国内市場の構造変化への新たな対応の必要性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19(3) 成長性の高い海外市場への展開の遅れ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23(4) 食の安全と環境負荷低減等の要請の高まり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24

    Ⅱ 個別課題に関する基礎データ1 国内市場の活性化・新たな価値の創造(1) 農林水産物等の地域資源を活用する6次産業化や地域ブランドの活用等の促進・・・・・・・・・・25(2) 高齢者が飲食しやすい食品等消費者ニーズに合った新商品・メニューの開発・・・・・・・・・・・27(3) 食品の安全・消費者の信頼確保への対応の強化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30(4) 食品産業におけるCO2削減の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31(5) 食品廃棄物の削減と資源の有効利用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32(6) 消費者とのコミュニケーションの強化等の自主的な取組の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・332 フードチェーンにおける連携した取組の推進(1) 食品産業による国内農業との連携強化や農業への参入促進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34(2) 海外からの原料調達の安定化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36(3) 食品流通の効率化・高度化に係る連携した取組の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37(4) フードチェーンの関係者間で伝達が必要な事項の共通化の取組の推進・・・・・・・・・・・・・・38(5) 高齢化の進展等に対応した消費者への円滑な食料提供・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・393 海外展開による事業基盤の強化(1) アジア等への海外展開・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40(2) 日本の食文化や日本商品の価値の共同発信・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41

  • 1212..11

    食用農水産物の輸入

    【1.2兆円】

    9.4兆円

    外食産業向け

    0.6兆円【0.1兆円】

    食品製造業向け

    5.8兆円【0.7兆円】

    最終消費向け

    3.0兆円【0.3兆円】

    食品製造業

    30.1兆円

    最終製品の輸入【3.9兆円】

    一次加工品の輸入【1.4兆円】

    外外

    食食

    加加

    工工

    品品

    生鮮品等

    生鮮品等

    20.9兆円(28.5%)

    39.1兆円(53.2%)

    13.5兆円(18.4%)

    資料:総務省他9府省庁「平成17年産業連関表」を基に農林水産省で試算。※1:【 】内の数値は輸入分の数値。※2:精穀(精米・精麦等)、と畜(各種肉類)及び冷凍魚介類は加工度が低いため、最終消費においては「生鮮品等」として取り扱っている。※3:旅館・ホテル、病院等での食事は「外食」に計上せず、使用された食材費を最終消費額として、それぞれ「生鮮品等」及び「加工品」に計上している。

    外食産業

    20.9兆円

    食品小売業

    (加工品)39.1兆円

    (生鮮品等)13.5兆円

    飲食料の最終消費額73.6兆円

    食品産業

    加工食品卸売業

    食用農水産物10.6兆円

    ( 生産から消費に至る流れ )

    卸売市場

    1 食品産業の現状

    ○ 食用農水産物10.6兆円と輸入加工品5.2兆円を食材として、食品産業(流通業、食品製造業、外食・中食産業)は、国

    民に対し食料を安定供給する役割を果たしており、国内の飲食料の最終消費額は73.6兆円。しかしながら、平成12年と

    比べ、その最終消費額は約6兆円の減少。

    1

    (1) 最終消費からみた飲食費の流れ(平成17年)

    飲食料の最終消費額79.5兆円

    [平成12年]食用農水産物11.8兆円

    ( 生産から消費に至る流れ )

    Ⅰ 食品産業の現状と環境変化

  • ○ 食品産業の国内生産額の推移

    ○ 食品産業の就業者数は775万人で、全産業の就業者総数(6,153万人)の約13%。○ 食品産業の国内生産額は約82兆円(平成19年度)で、全産業(1,001兆円)の約8%であるが、食料品価格の値下げ等により1990年代後半をピークに減少傾向。

    就業者総数(産業全体) 6,153万人(100%)

    0% 20% 40% 60% 80% 100%

    食品製造業132万人(2%)

    外食産業269万人(4%)

    食品産業 775万人(13%)

    左記を除く産業全体5,378万人(87%)

    食品流通業374万人(6%)

    就業者総数(産業全体) 6,153万人(100%)

    0% 20% 40% 60% 80% 100%

    食品製造業132万人(2%)

    外食産業269万人(4%)

    食品産業 775万人(13%)

    左記を除く産業全体5,378万人(87%)

    食品流通業374万人(6%)

    ○ 生産額及び就業者数でみた食品産業の位置づけ

    生産額(平成19年度)

    就業者数(平成17年)

    資料:総務省「国勢調査」(平成17年)

    資料:農林水産省農業・食料関連産業の経済計算」(平成18年度)

    (2) 食品産業の位置づけ①

    ○ 消費者物価指数の推移

    出所:総務省「消費者物価指数年報」注)平成10年を100としている。食料には、酒類、外食を含む。

    ~~

    81,7

  • ○ 地方と都市圏の食品製造業の製造品出荷額、従業者数と全製造業に占める割合

    出所:経済産業省「工業統計表(酒類製造業を含み、たばこ、飼・肥料製造業を除く。)」(平成19年)注:従業者4人以上の事業所の統計である。

    ○ 食品産業は製造、卸売、小売、外食産業のいずれも中小企業比率が98~99%であり、事業所の総数は90万をこえている。そのうち食品製造業は、地域経済において地場産業として大きなウエイト。特に、北海道、鹿児島、沖縄では製造品出荷額の3割以上、雇用の面では、製造業の従事者の過半近くを占めるなど、地域経済の安定に重要な役割。

    ○ 食品製造業の構造

    出所:経済産業省「工業統計表」(平成20年)注:零細企業:従業者数3人以下の事業所中小企業:従業者数299人以下の事業所大企業:300人以上の事業所

    全国平均 14.3%全国平均 8.4%

    70,543(全国2位)

    51,293(全国7位)

    36,505(全国11位)

    12,484(全国34位)

    87,156(全国1位)

    28,946(全国14位)

    人数(人)

    従業者数

    8.0(全国43位)

    9.6(全国41位)

    9.8(全国39位)

    49.5(全国1位)

    45.9(全国2位)

    37.8(全国3位)

    全製造業に占める割合(%)

    3.9(全国44位)

    6.1(全国33位)

    7.0(全国29位)

    30.9(全国3位)

    35.3(全国2位)

    38.5(全国1位)

    全製造業に占める割合(%)

    18,475(全国2位)

    10,987(全国9位)

    7,479(全国14位)

    1,730(全国39位)

    20,269(全国1位)

    7,665(全国12位)

    金額(億円)

    製造品出荷額

    愛知

    大阪

    東京

    三大都市圏

    鹿児島製造品出荷額の占める割合の高い都道府県

    沖縄

    北海道

    全国平均 14.3%全国平均 8.4%

    70,543(全国2位)

    51,293(全国7位)

    36,505(全国11位)

    12,484(全国34位)

    87,156(全国1位)

    28,946(全国14位)

    人数(人)

    従業者数

    8.0(全国43位)

    9.6(全国41位)

    9.8(全国39位)

    49.5(全国1位)

    45.9(全国2位)

    37.8(全国3位)

    全製造業に占める割合(%)

    3.9(全国44位)

    6.1(全国33位)

    7.0(全国29位)

    30.9(全国3位)

    35.3(全国2位)

    38.5(全国1位)

    全製造業に占める割合(%)

    18,475(全国2位)

    10,987(全国9位)

    7,479(全国14位)

    1,730(全国39位)

    20,269(全国1位)

    7,665(全国12位)

    金額(億円)

    製造品出荷額

    愛知

    大阪

    東京

    三大都市圏

    鹿児島製造品出荷額の占める割合の高い都道府県

    沖縄

    北海道

    (2) 食品産業の位置づけ②

  • ○ 全産業に占める外食業の割合が高い都道府県

    ○ 全小売業に占める食品小売業の割合が高い都道府県

    ○ 全卸売業に占める食品卸売業の割合が高い都道府県

    割合 事業所数

    ①兵庫県②愛知県③大阪府④東京都⑤京都府

    9.02%8.83%8.82%8.23%8.18%

    21,540ヶ所29,627ヶ所37,768ヶ所56,850ヶ所10,528ヶ所

    全国平均 7.03%

    割合 事業所数

    ①長崎県②鹿児島県③沖縄県④高知県⑤秋田県

    39.8%39.7%38.5%38.0%38.0%

    6,656ヶ所7,848ヶ所5,767ヶ所3,713ヶ所4,938ヶ所

    全国平均 34.3%

    割合 事業所数

    ①高知県②和歌山県③長崎県④青森県⑤熊本県

    35.3%35.1%35.0%34.8%32.2%

    680ヶ所937ヶ所1,296ヶ所1,222ヶ所1,342ヶ所

    全国平均 22.7%

    0.1%

    99.9%

    大企業355ヶ所

    中小企業415,356ヶ所

    大企業9,003ヶ所

    中小企業380,829ヶ所

    2%

    98%

    大企業597ヶ所

    中小企業75,461ヶ所

    1%

    99%

    ○ 食品小売業の構造○ 食品卸売業の構造 ○ 外食業の構造

    出所:経済産業省「平成19年商業統計」注:「飲食料品卸売業」の数値を使用中小企業:従業者数99人以下の事業所大企業:従業者数100人以上の事業所

    出所:経済産業省「平成19年商業統計」注:「飲食料品小売業」の数値を使用中小企業:従業者数49人以下の事業所大企業:従業者数50人以上の事業所

    出所:総務省「平成18年事業所・企業統計調査」注:「一般飲食店」の数値を使用中小企業:従業者数99人以下の事業所大企業:従業者数100人以上の事業所

    出所:経済産業省「平成19年商業統計」注:「飲食料品卸売業」の数値を使用

    出所:経済産業省「平成19年商業統計」注:「飲食料品小売業」の数値を使用

    出所:総務省「平成18年事業所・企業統計調査」注:「一般飲食店」の数値を使用

    (2) 食品産業の位置づけ②(続き)

  • ○ 食品企業のグローバル化が進む中、世界食品メーカーの売上高をみると、上位50位以内の日本企業は12社となっている。(うちビールメーカーが3社)○ しかしながら、日本企業の営業利益率は全て10%に届かない状況(平均4.4%)にあり、製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある。

    ○ 世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) ○ 地域別の利益率の比較

    ○ 主製品別の利益率の比較

    金額:100万㌦

    08 07 金額 伸率 金額 伸率

    1 1 ネスレ スイス 103,313 1.2 14,735 4.3 総合、飲料

    2 2 プロクター&ギャンブル 米国 79,029 ▲3.4 16,123 ▲3.1 総合、洗剤

    3 5 日本たばこ産業 日本 75,914 6.5 4,042 ▲15.6 総合、タバコ

    4 7 アーチャーダニエル・ミッドランド 米国 69,207 ▲0.9 2,453 ▲28.8 穀粉加工、グロサリー

    5 4 ユニリーバ 英蘭 55,353 ▲1.7 6,977 ▲30.0 総合、洗剤

    6 6 ブリティシュ・アメリカンタバコ 英国 48,846 29.3 5,352 84.2 タバコ

    7 8 ペプシコ 米国 43,251 9.5 8,475 5.6 総合、飲料

    8 9 クラフトフーズ 米国 42,201 16.7 3,817 ▲3.8 総合、乳製品

    9 16 アンヒューザーブッシュ・インベブ* ベルギー 39,000 na na na ビール

    10 10 コカ・コーラ 米国 31,944 10.7 8,446 26.4 飲料

    14 19 キリンホールディングス 日本 25,595 27.8 1,622 21.0 ビール

    20 22 サントリー 日本 16,811 1.2 903 8.0 酒類

    21 24 アサヒビール 日本 16,253 ▲0.1 1,050 8.6 ビール

    25 29 味の素 日本 13,226 ▲2.2 454 ▲32.6 総合

    30 33 日本ハム 日本 11,427 ▲0.4 238 22.4 食肉加工

    35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9,971 6.2 173 19.4 水産物ほか

    37 42 山崎製パン 日本 9,019 4.9 287 25.1 パン、菓子

    39 46 明治ホールディングス 日本 7,904 0.6 156 na 乳製品、菓子

    45 50 森永乳業 日本 6,488 ▲0.6 128 47.5 乳製品

    46 - 日本水産 日本 5,613 ▲5.4 35 ▲56.4 水産物ほか

    47 - 伊藤ハム 日本 5,412 ▲6.0 ▲27 nc 食肉加工

    編:国際流通研究所

    注:*は推定、naは不明、ncは前期または今期が赤字で算出不能。

    営業利益主製品

    順位企業名 国名

    売上高各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

    米国 12.0%

    日本 4.4%

    英国 11.5%

    オランダ 10.1%

    フランス 16.0%

    資料:国際流通研究所

    主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 9.1%

    キリンホールディングス 6.3%サントリー 5.4%アサヒビール 6.5%

    食品総合 世界平均 15.0%味の素 3.4%

    乳製品 世界平均 6.1%明治乳業 2.0%森永乳業 2.0%

    タバコ 世界平均 9.5%日本たばこ産業 5.3%

    食肉加工 世界平均 3.2%日本ハム 2.1%伊藤ハム -0.5%

    資料:国際流通研究所

    (3) 食品産業のグローバル化の状況

  • ○ 欧米の食品メーカーは、本社所在地以外での海外売上高比率が高く、グローバルに事業展開を進めている。○ 一方、我が国食品企業は、日本国内での売上に大きく依存しており、海外売上高比率は欧米の食品メーカーに大きく見劣りしている。

    ○ 欧米及び日本の主な食品メーカーの地域別売上高構成比 ○ 売上高上位3企業の進出先国

    ※ は本社所在地の属する地域を示す。

    (3) 食品産業のグローバル化の状況(続き)

  • (参考)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益・営業利益率)

    営業利益率:%

    営業利益:10億円

    (注)1.円の大きさは時価総額の規模を表す。2.通貨は全て円ベース。1ドル=99円(2009年3月31日終値)で換算

    出所:Financial Times:「Global 500 March 2009」、日本企業各社2009年3月31日現在の時価総額を基に作成(キリンホールディングスは12月決算のため2009年12月30日現在の時価総額)

    青丸:欧米の食品メーカー赤丸:日本の食品メーカー

  • WTO農業交渉のこれまでの経緯

    (4) 市場のグローバル化

    ○ 経済連携協定の提携等により、市場のグローバル化が進んでいる。

  • (参考)

  • ○ 食品製造業は安定的に利益をあげているものの、収益率は低く、過当競争状態にあると言われている。○ 法人企業統計調査(2008)によれば、売上高経常利益率は前年度よりも0.2ポイントの低下に留まっているが、自己資本比率は7.8ポイントも低下。今後は、交易条件や原材料価格の動向等を注視することが必要。

    10

    2 食品製造業の業種別構造①

    ○ 日刊経済通信社の分類による企業数等の状況

    資料:㈱日刊経済通信社調査部編「平成19年度 酒類食品産業の生産・販売シェア」(注)製パンは8社、食用植物油脂は5社のシェアの数値。

    分類 市場規模(上位10社計) 上位10社の生産・販売シェア 企業数

    しょうゆ 603,660(キロリットル) 63.5% (出荷量) 1,600

    冷凍食品 7,701(億円) 66.9% (販売額) 880

    即席めん類 4,960(億円) 96.5% (販売額) 58

    製パン 7,076(億円) 81.3% (販売高) ‐

    食肉加工品 432,500(トン) 80.6% (販売量) 165

    チョコレート 2,546(億円) 83.4% (生産額) ‐

    小麦粉 4,083,000(トン) 83.7% (販売量) 100

    食用植物油脂 2,245,700(トン) 85.6% (販売量) ‐

    資料:法人企業統計調査(財務省)

    (%)

    (%)

  • ○ 食品のカテゴリーの公的な分類の一つに工業統計表があり、食品関係では2桁分類が2、4桁分類が49、6桁分類が116。公正取引委員会の生産・出荷集中度調査は、この工業統計表の6桁分類を参考に区分しており、細かい分類であるため、集中度が高くなる傾向にある。○ 他方、食品市場全体でみると、諸外国と比べ上位企業の寡占度が低いというデータもある。

    ○ 工業統計表における産業分類

    資料:経済産業省「工業統計表」注)2桁の「飲料・たばこ・飼料」は4桁分類においてこの他に「たばこ」、「飼料・有機質肥料」を含むが、この表では含めない。 11

    2 食品製造業の業種別構造②

    30

    20

    10

    (%)

    ○加工食品市場における上位10社の寡占度(2008年)

    資料:平成22年5月16日付日本経済新聞朝刊より抜粋

    (注)ユーロモニターのデータをもとにボストンコンサルティンググループが分析

    32%

    26%

    16%

    ○ 公正取引委員会の生産・出荷集中度調査における区分(食品関連品目:80品目)のうち、「競争を実質的に制限することとなるおそれが小さい」とされる基準(※)を超えている品目の一覧

    マヨネーズ・ドレッシング類

    ルウ類

    カレールウ

    シチュールウ

    シチューミクスを除くシチュールウ

    チューインガム

    スポーツドリンク

    ビール

    発泡酒

    ウイスキー

    ビール風酒類

    インスタントコーヒー

    (注) 工業統計表の6桁分類を参考に、公正取引委員会にて区分したもの(※) 「企業結合ガイドライン」が、「競争を実質的に制限することとなるおそ

    れが小さい場合」として挙げている① 企業結合後のHHIが2500以下② 企業結合後の当事会社グループの市場シェアが35%以下のうち、①を

    基に「HHIが2500以下かどうか」を今回基準として設定資料:公正取引委員会「平成19・20年生産・出荷集中度調査」

    ○ 構造改革のメリット ― 利益ある成長へ

    ① 国内事業の競争緩和、② 商品開発力の向上、③ 価格交渉力の向上、④ 収益性の向上、⑤ 国内基盤の安定・リスク分散、⑥原料調達力の向上

  • カテゴリー 主な製品例上位4社のシェア合計(2007年度)

    市場規模(2007年度)

    構成比市場の年平均成長率(2003→2007年度)

    アルコール飲料 ビール、焼酎、清酒、ウイスキー 76% 3兆9,280億円 18.4% -1.30%

    嗜好飲料 缶コーヒー、日本茶(リキッドタイプ) 66% 2兆310億円 9.5% +2.63%

    乳性飲料 飲用牛乳、乳飲料、乳酸菌飲料 45% 1兆1,800億円 5.5% -1.08%

    めん類 スナックめん、チルド中華めん、パスタ 44% 1兆330億円 5.3% -1.08%

    その他ステープル パン、中華まんじゅう、栄養バランス食 66% 9,430億円 4.4% +0.39%

    畜産加工品 ハム、ソーセージ、チキン加工品 51% 8,470億円 4.0% +0.14%

    健康飲料 スポーツドリンク、薬系ドリンク、豆乳類 66% 7,230億円 3.4% -0.61%

    乳油製品 チーズ、マーガリン、バター 41% 6,180億円 2.9% +0.17%

    果実飲料 果汁飲料、野菜飲料 41% 5,910億円 2.8% +2.75%

    炭酸飲料 コーラフレーバー飲料、透明炭酸飲料 93% 5,290億円 2.5% +1.67%

    調味食品 インスタントカレー、レトルトカレー 44% 4,520億円 2.1% +0.79%

    フローズンデザート アイスクリーム、冷凍ケーキ 54% 4,180億円 2.0% +1.93%

    チルドデザート ヨーグルト、チルドプリン 59% 4,150億円 1.9% +1.18%

    その他飲料 国産ミネラルウォーター、輸入ミネラルウォーター 58% 2,780億円 1.3% +12.89%

    スナック菓子 ポテトチップス、コーン系スナック 64% 2,490億円 1.2% +2.01%

    冷凍調理済食品 冷凍ハンバーグ、冷凍ギョーザ 44% 2,290億円 1.1% +3.36%

    フライ類 冷凍水産フライ、冷凍コロッケ 51% 1,890億円 0.9% -0.77%

    スープ類 インスタントスープ、即席みそ汁 45% 1,480億円 0.7% +3.92%

    ドライデザート 和風デザート、ドライゼリー 42% 640億円 0.3% -3.44%

    調味料 食用油、しょうゆ、味噌、つゆの素 28% 1兆5,180億円 7.1% +0.71%

    農産加工品 漬物、豆腐、冷凍野菜 7% 1兆4,190億円 6.6% -0.76%

    菓子 チョコレート、米菓、キャンディ 36% 1兆1,870億円 5.5% -0.06%

    水産加工品 水産練製品、のり、水産缶詰 21% 9,550億円 4.5% +0.07%

    嗜好品 コーヒー、緑茶、ココア 29% 8,770億円 4.1% -0.03%

    米飯類 冷凍米飯類、レトルトライス、包装餅 39% 2,040億円 1.0% +0.81%

    チルド調理済食品 チルドハンバーグ、チルドギョーザ 39% 1,340億円 0.6% -0.61%

    その他調理済食品 卵焼き、うなぎの蒲焼、卵豆腐 29% 1,240億円 0.6% -5.20%

    (参考)○ 野村総合研究所の市場分類と分析

    出所:「2009年食品マーケティング便覧」((株)富士経済)よりNRI作成(注)各カテゴリーの上位4社の市場シェアを合計した 12

  • 卸売業

    18%

    食品卸売業

    外側:商品販売額

    内側:事業所数

    23%

    42,53739,952

    43,653

    38,300 39,485 37,844

    53,687

    47,48550,723

    45,295 45,054

    38,214

    34,95142,57840,256

    50,28451,416

    56,954

    40,69843,81244,017

    49,44746,43247,381

    0

    20,000

    40,000

    60,000

    H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

    30,000

    50,000

    70,000

    90,000

    (事業所数)

    (14,303) (13,505) (11,701) (11,863) (10,817)

    (7,048)(6,622)(5,990)(5,202)(3,320)

    1,804 1,888 1,670 1,668 1,675 1,585

    16,096 17,62318,707 17,691 18,485 17,865

    28,226 36,63139,628

    41,770 42,738 43,684

    495,316449,190

    384,899 380,752

    344,343323,087

    275,373

    441,041 440,757

    405,472385,985

    338,507

    0

    20,000

    40,000

    60,000

    80,000

    H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

    0

    100,000

    200,000

    300,000

    400,000

    500,000

    ○食品卸売業:事業所数(カ所)、商品販売額(10億円)の推移

    ○ 食品卸・小売業については、消費者へ円滑に食料品を提供するための重要な役割を果たしているものの、業全体の中では、相対的に小規模な事業所が多数。○ 食品卸・小売業については、近年、事業所数・商品販売額とも、減少傾向で推移。特に、食品小売業については、コンビニエンスストアは増加傾向にあるものの、中小規模の食料品スーパーや食料品専門店・中心店においては減少傾向で推移。

    資料:経済産業省「商業統計表」

    注:商品販売額には、食品以外の販売額も含む

    注:商品販売額には、食品以外の販売額も含む

    ■食料品スーパー:取扱商品販売額のうち食料品が70%以上、■食料品専門店:取扱商品販売額のうち食料品が90%以上、■食料品中心店:取扱商品販売額のうち食料品が50%以上

    ■農畜産物・水産物卸売業:「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり、米麦、雑穀・豆類、野菜、食肉、生鮮魚介等の卸売業

    ■食料・飲料卸売業:「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり、味噌・醤油、乾物、菓子類、飲料、茶類等の卸売業

    ○ 食品小売業:事業所数の推移

    ○ 業全体に占める割合(%)

    (5,850)(6,509)(6,360)(7,957)(8,906)

    (5,862) (8,791) (9,544) (10,538) (11,257)9,336 9,957 8,850 8,515 8,406

    7,447

    13,198 14,768

    16,74815,904

    17,047 17,106

    4,0115,223

    6,135 6,714 6,922 7,007

    19,881 16,578

    15,88714,187

    13,38712,608

    44,16845,76245,320

    47,62046,52646,426

    0

    5,000

    10,000

    15,000

    20,000

    25,000

    30,000

    H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

    25,000

    30,000

    35,000

    40,000

    45,000

    50,000

    【事業所数】農畜産物・水産物卸売業(農水卸)食料・飲料卸売業(食飲卸)

    【商品販売額】農畜産物・水産物卸売業(農水卸)食料・飲料卸売業(食飲卸)

    ○ 食品小売業:商品販売額の推移(10億円)

    合計(右目盛)

    総合スーパー(左目盛)

    コンビニエンスストア(左目盛)

    食料品専門店・中心店(左図:右目盛、

    右図:左目盛)

    食料品スーパー(左目盛)大規模中小規模

    注:従業員数50人未満を中小規模、50人以上を大規模とした。

    (商品販売額)

    〈食飲卸・事業所数〉

    注:商品販売額には、食品以外の販売額も含む

    〈農水卸・事業所数〉

    〈食飲卸・商品販売額〉

    〈農水卸・商品販売額〉

    3 食品流通業の現状

    (1) 食品卸・小売業の現状

    13

    小売業

    18%

    2% 4%

    24% 5%

    9%

    総合スーパー ・食料品スーパー

    コンビニエンスストア

    食料品専門店・中心店

    外側:商品販売額

    内側:事業所数

    【食品小売業】

    注:平成19年のデータを利用。

    【食品卸売業】

    卸 売 業:12.3 億円食品 卸売業:10.0 億円

    小 売 業:1.2 億円食料品専門店・中心店:0.5 億円

    (一事業所当たり商品販売金額) (一事業所当たり商品販売金額)

  • ○ 卸売市場には、中央卸売市場と地方卸売市場がある。青果、水産物の6~7割程度が卸売市場を経由して流通されており、品揃え・集分荷機能、価格形成機能等の役割を果たしており、生鮮食料品等の流通上重要な拠点。

    ○ しかしながら、食料消費の変化等の状況を受け、輸入品や加工品の需要の増加による市場外流通の増大等により、卸売市場の市場経由率は減少傾向。

    生鮮食料品等の流通及び消費上特に重要な都市(人口20万人以上の市等)及びその周辺の地域における生鮮食料品等の円滑な流通を確保するための中核的拠点として、農林水産大臣が認可

    中央卸売市場以外の卸売市場で、都道府県知事が許可

    ① 品揃え・集分荷機能:多種多様な品目の豊富な品揃えや大量単品目から少量多品目への迅速・確実な分荷

    ② 価格形成機能:需給を反映した迅速かつ公正な評価による透明性の高い価格形成③ 代金決済機能:販売代金の迅速・確実な決済④ 情報受発信機能:需給に係る情報を収集し、川上・川下にそれぞれ伝達

    ≪ 中央卸売市場 ≫

    ≪ 地方卸売市場 ≫

    ○ 卸売市場での取引の流れ

    ○ 卸売市場数、取扱金額、市場関係業者数

    出荷者(農協、個人等)

    消費者

    小売業者

    (一般小売店、スーパー等)

    卸売市場

    仲卸業者

    卸売業者

    販売

    売買参加

    販売委託又は買付

    せり売又は相対売

    82.7

    64.6

    85.3

    75.8 78.0

    46.6

    74.6 62.5

    30

    50

    70

    90

    H元 H5 H10 H15 H16 H17 H18

    (単位:%)

    (年度)

    青果 (野菜) (果実) 水産物

    ○ 卸売市場経由率の推移(推計)市場数

    取扱金額(億円)

    卸売業者数

    仲卸業者数

    売買参加者数

    中央卸売市場 76 45,762 221 4,600 39,046

    うち青 果 61 20,294 86 1,763 18,234

    水産物 48 21,107 84 2,625 7,143

    食 肉 10 2,516 10 82 1,824

    花 き 23 1,559 29 106 11,309

    その他 7 286 10 24 536

    地方卸売市場 1,207 35,457 1,454 2,361 145,210

    資料:農林水産省流通課調べ  注:(中央)市場数:21年度末、卸売業者数:21年10月、他の業者数:19年度末、        取扱金額:19年度    (地方)市場数、業者数:19年度当初、取扱金額:18年度

    区分

    卸売市場の役割

    (2) 卸売市場の現状

    資料:農林水産省流通課調べ

    14

  • 4 外食産業の現状

    ○ 単身世帯の増加、女性の雇用者の増加等社会情勢の変化の中で、食に関して簡便化志向の高まりや外部化が進行。○ 外食産業は、個人経営が総店舗数の5分の3を占め、法人形態であっても資本金1,000万円未満のものが4分の3を占めるなど、中小・零細な事業者が多い。従業員についても、約290万人の大きな雇用機会を創出しているものの、常勤雇用者に占めるパート、アルバイトの割合が高い。

    ○ 外食率、食の外部化率の推移

    33.4

    35.4

    41.2 41.5 41.3 41.240.6 40.6

    41.942.5 42.2 41.9 42.1

    41.3 41.3 41.4 41.4

    42.7 42.8 42.4

    31.8

    33.5

    37.7 37.8 37.5 37.336.7 36.5

    37.5 37.8

    36.635.6 35.6

    34.5 34.3 34.1 34.034.8 34.9 34.5

    28.4

    27.8

    25.0

    27.0

    29.0

    31.0

    33.0

    35.0

    37.0

    39.0

    41.0

    43.0

    45.0

    昭50年 55年 60年 平2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年

    食の外部化率

    外食率%

    61.942.8

    38.157.2

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    飲食店 小売・卸売業

    (%)

    ○ 外食産業(飲食店)の経営組織別事業所数の比率(平成18年)

    資料:総務省「事業所・企業統計」

    ○ 外食産業における法人の資本別割合(平成18年)

    67,203社

    500万円未満

    62%

    1,000~3,000万円

    21%

    500~1,000万円

    14%

    3,000~5,000万円

    2%

    5,000万円以上1%

    資料:総務省「事業所・企業統計」

    ○ 事業所数、従業員数等の推移

    平成13年

    平成16年

    平成18年

    事業所数(ケ所) 442,883 419,663 415,449

    従業員数(千人) 2,929 2,777 2,870

    ○ 常勤雇用者に占める正社員・正職員以外の割合(平成18年)

    製造業 22.2%

    卸・小売業 47.3%

    飲食店・宿泊業 71.4%

    一般飲食店 76.9%

    ハンバーガー店 93.3%

    資料:総務省「事業所・企業統計」

    資料:総務省「事業所・企業統計」

    資料:(財)外食産業総合調査研究センターによる推計。

    法人

    個人

    法人

    個人

    15

  • 5 食品関連産業の現状

    ○ 食品製造業は、物流のほか、製造用機械、容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている。従前より、高い物流コストや過剰包装等が問題。

    ○ 食品機械の輸出入実績推移○ 売上高物流コスト比率(業種小分類別)

    16

    (資料:財団法人日本包装技術協会)

    資料:社団法人日本食品機械工業会 ○ 物流コスト削減策

    注:回答企業数196社資料:2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

    ●製造業

    食品(要冷)

    石鹸・洗剤・塗料

    食品(常温)

    繊維

    化粧品

    電気製品

    医薬品

    ●卸売業

    卸売業(繊維衣料品系)

    卸売業(日用雑貨系)

    卸売業(食品飲料系)

    その他卸売業

    卸売業(機器系)

    卸売業(総合商社)

    ●小売業

    小売業(通販)

    小売業(生協)

    小売業(コンビニエンスストア)

    その他小売業

    ●その他

    建設

    ●在庫削減・SCM

    在庫削減

    アイテム数の整理

    ●物流システム/ネットワークの見直し

    物流拠点の見直し(廃止・統合・新設)

    直送化

    輸配送の共同化

    ●商品設計・包装の見直し

    包装容器の再使用、通い箱の利用等

    包装の簡素化・変更

    ●物流オペレーションの改善/保管・仕分け等

    保管の効率化

    ●物流オペレーションの改善/輸配送

    積載率の向上(混載化、帰り便の利用等)

    輸配送経路の見直し

    (%)

  • ○ 農家世帯員、農業就業人口、基幹的農業従事者数等の動向(販売農家)

    資料:農林水産省「農林業センサス」

    ○ 農業従事者の減少や高齢化による国内農業生産力の低下により、国産志向等多様な消費者ニーズに対応できないおそれ。○ 人口の増加や途上国の経済発展、バイオ燃料等非食用の需要増大、地球規模の気候変動の影響等により、原料農産物の国際価格の上昇が見込まれるとともに、原料産地が限定される産品等に調達の懸念。

    6 食品産業を巡る環境変化

    (1) 国内外の原料の調達リスクの高まり

    ○ 主要農産物の国際価格の動向と見通し

    ○ 中国の経済発展による食料需要の増大

    17

    (直近価格)(注)大豆:347.7 ドル小麦:161.9 ドルとうもろこし:137.6 ドル(6/11時点)米:469.0 ドル

  • (参考)○ コーヒー豆の国際市場価格及び世界の生産量の推移

    18

    ○ ニューヨーク粗糖現物相場の推移

    資料:独立行政法人農畜産業振興機構HP

    ○バター、脱脂粉乳の国際価格の推移

    バター(欧州)

    資料)USDA 「International Dairy News」注)西ヨーロッパ又はオセアニア積出港のFOB価格でいずれも当該月の高値と安値の単純平均。

    資料:国際コーヒー機関

    資料:INTERNATIONAL COCOA ORGANIZEATION HP

    ○ カカオの国際市場価格の推移

    (直近価格)平均15.8 セント/ポンド(6/10時点)

    (直近価格)〔バター〕欧州:平均4,412US$/トンオセアニア:平均4,050US$/トン(6/11時点) (直近価格)

    平均2,961 US$/トン(6/11時点)

    (直近価格)平均133.78セント/ポンド(6/11時点)

    (直近価格)〔脱脂粉乳〕欧州:平均2,912US$/トン オセアニア:平均3,200US$/トン (6/11時点)

  • ○ 人口減、高齢化等によりこれまで食品産業が基盤としてきた国内市場が縮小が見込まれる。しかしながら、高齢者になるに従ってエンゲル係数は上昇する傾向。○ また、一世帯当たりの人員減少に伴う世帯数の増加等により、商品の少量化や小口化が進む等消費構造も変化。

    (2) 国内市場の構造変化への新たな対応の必要性①

    資料:2005までは総務省統計局「国勢調査」、2010以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成18年12月推計)中位推計」

    ○ 我が国の人口の推移

    ○ 世帯数と1世帯当たり人員の推移

    19

    ○ 世帯主の年齢階層別食費支出額(年額)

    ○ 世帯主の年齢階層別消費支出に占める食費支出の割合

    資料:総務省「家計調査」(平成20年)

  • ○買い物環境の現状

    ○ 高齢者を中心に食料品購入や飲食のアクセス機会が確保できない事態の顕在化。○ 関係省庁においても、これらの事態を解決するための調査・検討に着手。

    20

    (2) 国内市場の構造変化への新たな対応の必要性②

    ○関係省庁の動き

    農林水産省・ 平成22年度に農林水産政策研究所において、総合食料局の協力を得ながら、高齢化等の進展の下での消費者の食料品へのアクセスに関する現状及び今後のあり方に関する調査研究に着手

    経済産業省・ 平成21年11月から「地域生活インフラを支える流通のあり方研究会」 を開催し、22年5月に報告書を公表・ 報告書では、官民連携ガイドラインの策定を提案するとともに、地方公共団体、民間事業者及びNPO向けに多様な活動を提言

  • (参考) 「買い物難民」に関するマスコミの主な報道例

    ○ 読売新聞

    ・ 読者の反響 「世の中から取り残される」 (2009年6月27日)

    ⑧山間部生協宅配が命綱 (6月12日)

    ⑦山間部生協宅配が命綱 (6月11日)

    ⑥生鮮食品 入手しづらく (6月10日)⑤団地住民、自ら青空市 (6月6日)④高齢者の代わりに お使いへ (6月5日)③免許返納 自転車が足 (6月4日)②ニュータウンのスーパー閉店 (6月3日)①大型店も撤退 高齢者悲鳴 (6月2日)

    ・ 連載「生活ドキュメント 買い物難民」

    ○ 毎日新聞

    買い物弱者:全国600万人 路線バス廃止、相次ぐ閉店で (2010年5月13日)

    ○ 日経MJ(流通新聞)

    未来拓く店―高齢者対応、売り場に易しさを、「買い物難民」救う店に商機 (2010年1月1日)

    【地方紙】

    ○ 京都新聞

    商店、ピークから4万超減 買い物難民対策が急務に(2009年9月30日)

    ○ 山陽新聞

    消費不振で新規出店の減少率最大 「買い物難民」増加も (2009年7月7日)

    ○ 神戸新聞

    買い物難民/過疎地だけの問題でない (2010年5月20日)

    ○ 山梨日日新聞過疎地やニュータウンで「買い物難民」が生まれ

    ていた… (2010年5月19日)

    ○ 信濃毎日新聞

    買い物難民 あの手この手の知恵で (2010年5月19日)

    21

  • ○ 優越的地位の濫用行為等を課徴金の適用範囲に追加する改正独占禁止法が本年1月1日から施行されているが、大規模小売業者による優越的地位の濫用行為については、依然として協賛金やセンターフィー、従業員派遣等、多くの改善すべき課題が存在。

    ○ (財)食品産業センターが行った平成21年度の調査においても、「こうした課題の改善は進んでいないことに加え、過度の情報開示の要求などの新たな課題が顕在化している」との結果。

    22

    (2)B社(平成21年6月)独占禁止法第19条(不公正な取引方法。第14項〔優越的地位の濫用〕第4号に該当)の規定違反。B社のフランチャイズ・チェーンの加盟者が経営するコンビニエンスストアで廃棄された商品の原価相当額の全額が、加盟者の負担となる仕組みの下で、推奨商品のうちデイリー商品に係る見切り販売を行おうとし、又は行っている加盟者に対し、見切り販売の取りやめを余儀なくさせ、もって加盟者が自らの合理的な経営判断に基づいて、廃棄に係るデイリー商品の原価相当額の負担を軽減する機会を失わせている。

    (1)A社(平成20年6月)独占禁止法第19条(大規模小売業者による納入業者との取引における特定の不公正な取引方法。第2項、第7項及び第8項に該当)の規定違反納入業者に対し、①店舗の開店及び閉店に際し、閉店に際して割引販売をすることとした商品及び開店に際して最初に陳列する商品について、当該割引販売前の販売価格に100分の50 を乗じる等の方法により算出した額をその納入価格から値引きさせていた。②店舗の開店及び閉店に際し、その従業員等を自社の業務のための商品の陳列、補

    充等の作業を行わせるために派遣させていた。③店舗の開店に際し、事前に算出根拠、目的等について明確に説明することなく、「即

    引き」と称して、開店に当たって納入させる特定の商品について、その納入価格を通常の納入価格より低い価格とすることにより、通常の納入価格との差額に相当する経済上の利益を提供させていた。④店舗の開店に際し,事前に算出根拠,目的等について明確に説明することなく、「協

    賛金」と称して、金銭の負担をさせていた。

    ○ 最近の独禁法違反事件の事例(食品産業関係)

    資料:公正取引委員会HPから抜粋

    (2) 国内市場の構造変化への新たな対応の必要性③

    8.1%

    6.7% 6.7%6.3%

    4.3%

    2.3%

    1.1%0.6%

    4.3% 4.5%

    0.0%

    5.0%

    10.0%

    不当な返品

    不当な値引き要請

    不当な従業員等の

    派遣要請

    不当な経済上の

    利益の提供要請

    不当な購入要請

    不当な受領拒否

    特売商品等の

    買いたたき

    不当な委託販売取引

    要求拒否の場合の

    不利益な取扱い

    全行為類型平均

    ○ 納入業者が受けた不当な行為・要請の内容(複数回答)

    資料:公正取引委員会「大規模小売業者と納入業者との取引に関する実態調査報告書」(平成22年5月)

    (注) 平成20年9月から平成21年8月にかけて行った書面調査結果(回答数1,603)

    ○ 不当な行為又は要請があると回答があった行為の業態別状況

  • ○ アジア地域の2010年の実質国内総生産(GDP)は、前年比7.5%増の見通しで、特に、中国とインドの伸びは9.6%、8.2%と高水準。高成長を支え、今後の市場規模に大きな影響を与える中・高所得者層(世帯可処分所得5,000ドル以上)の人口は、今後10年程度で現在の2倍以上に増加する見通し。○ 製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況。

    (3) 成長性の高い海外市場への展開の遅れ

    ○ 加速する、我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

    資料:「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

    2位 東南アジア(34.1%)

    4位 タイ(29.5%

    3位 台湾(31.8%)

    1位 中国(65.9%)

    * 海外出店を積極化する、又は今後進出を予定している企業の出店先は、中国がトップ(複数回答あり)。

    * 我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

    2009年度(233千法人)

    全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

    食品製造業

    国内法人数に対する現地法人数の割合

    1.1%

    その他の製造業3.2%

    資料:「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省資料:「海外進出企業総覧(2009年実績)」

    東洋経済新報社

    ○ 世帯可処分所得5,000ドル以上の人口の推移

    出所:NIRA研究報告書。(所得別の家計比率はEuromonitor International, World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した。2008 年までの人口はIMF, International Financial Statistics、2010 年以降はUN, WorldPopulation Prospects を参照。)

    35億人

    30 ‐

    25 ‐

    20 ‐

    15 ‐

    10 ‐

    5 ‐

    01990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

    +10億人2倍増

    見通し(NIRA推計)

    インド

    ベトナム

    インドネシア

    フィリピン

    マレーシア

    タイ

    シンガポール

    韓国

    香港

    中国

    ○ アジア太平洋主要国・地域別の経済成長見通し

    8.79.6

    7.28.2

    5.2

    7.5

    5.3 6.5

    4.55.5

    ‐1.7

    5.3

    ‐5

    0

    5

    10中国

    インド

    アジア

    ベトナム

    インドネシア

    マレーシア

    2009年 2010年(見通し)

    出所:Asian Development Outlook 2010(注)「アジア」は、日本など域内先進国を除くアジア太平洋主要国・地域の平均値。

    中国インドアジアベトナムインドネシアマレーシア

    23

  • ○ 食品の安全に対する消費者の意識の高まりに加え、環境配慮や法令遵守等への企業の取組姿勢に対する国民の関心の高まりとともに、様々な法制度の制定・見直し等が実施。また、消費者庁発足以降、消費者の信頼確保に関わる様々な課題についての検討が行われているところ。

    (4) 消費者の信頼確保や環境負荷低減、食品の安全等への要請の高まり

    ○ 食品表示及び環境負荷の低減、食品の安全に関わる法律等の主な

    制定・改正○ 消費者庁で最近検討されている消費者の信頼確保に関わる問題について

    24

    年 法律など

    1994 製造物責任法制定

    1995 容器包装リサイクル法制定

    1995 食品の日付表示制度改正(製造日から期限表示へ)

    1998 HACCP法制定

    1998 地球温暖化対策推進法制定

    2000 食品リサイクル法制定

    2000 JAS法:すべての生鮮食品に名称、原産地等の表示を義務化

    2000 有機農産物・有機農産物加工食品のJAS規格制定

    2001 JAS法:すべての加工食品に名称、原材料等の品質表示を義務化

    2001 JAS法、食品衛生法:遺伝子組換え食品表示の義務化

    2001 食品衛生法:アレルギー物質表示の義務化

    2001 資源有効利用促進法:容器・包装の識別マーク表示の義務化

    2002 健康増進法制定[栄養改善法廃止]

    2003 食品衛生法:国・地方・事業者の責務の明確化

    2003 期限表示用語の統一(賞味期限・品質保持期限→賞味期限)

    2003 牛肉トレーサビリティ法制定

    2004 環境配慮促進法制定(環境報告書の作成・公表)

    2005 有機飼料・有機畜産物のJAS規格制定

    2005 食品に残留する農薬等の残留基準、ポジティブリスト制度に変更

    2006 JAS法:生鮮品に近い加工食品20食品群に原料原産地表示を義務化

    2008 JAS法:業務用食品に表示義務の適用拡大

    2009 JAS法:産地偽装に対する直罰化

    2009 米トレーサビリティ法制定

  • ○ 農山漁村には、農林水産物をはじめとする様々な「資源」が豊富に存在する。

    農村に由来する様々な「資源」

    ○ 農産物

    ○ バイオマス

    ○ 自然エネルギー

    ○ 経験・知恵

    ○ 風景

    太陽光 水力風力

    林地残材食品廃棄物

    ○ 伝統文化

    米:約866万トン(平成20年産)野菜:約1,242万トン(H19)

    [約1,900万トン(H18)] [約800万トン(H20)]

    (1) 農林水産物等の地域資源を活用する6次産業化や地域ブランドの活用等の促進

    1 国内市場の活性化・新たな価値の創造

    地域団体商標制度の活用

    ○ 地域の名称と商品(役務)の名称等からなる商標について、一定の範囲で周知となった場合には、事業協同組合等の団体が、その構成員に使用させる「地域団体商標」として登録することができる制度(H18.4スタート)。本制度により地域名を冠した商標登録が容易に。

    農林水産物・食品の出願件数(H21.11現在):626件(総件数:916件)(事例)・小田原かまぼこ(小田原蒲鉾水産加工協同組合)・加賀みそ(石川県味噌工業協同組合)・京つけもの(京都府漬物協同組合)・沖縄そば(沖縄生麺協同組合) など

    25

    Ⅱ 個別課題に関する基礎データ

    馬 路 村 の ゆ ず 加 工 品 (高 知 県 )馬 路 村 の ゆ ず 加 工 品 (高 知 県 )

    ・ 特 産 の 「 ゆ ず 」 か ら ぽ ん 酢 し ょ う

    油 、 ジ ュ ー ス 、 化 粧 水 等 を 商 品 化 し

    、 全 国 で 販 売

    ・ 「 ご っ く ん 馬 路 村 」 等 親 し み や す い

    ネ ー ミ ン グ (商 標 登 録 )、 「 ゆ ず の 風新 聞 」 の 発 行 等 に よ り 、 消 費 者 に 浸

    ・ ゆ ず の 生 産 量 : 9 5 万 ト ン ( S 5 0 )→ 7 0 0 万 ト ン ( H 1 8 )・ ゆ ず 加 工 場 の 雇 用 : 2 人 ( S 5 4 )→ 7 2 人 ( H 1 8 )

    ○ 地 域 ブ ラ ン ド 化 の 事 例

    882万トン(H20)

  • 認定件 数 : 連携事業計画 369件支援事業計画 6件

    (平成20年9月~22年4月)

    地場企業の食品加工技術と特産品を融合させた健康食品「完熟柿・みかんジュース」と「完熟柿ゼリー」の開発【和歌山県】

    寒冷地栽培に適した低アミロース米「ゆきのはな」の特徴を活かした「冷凍押し寿司」の開発と広域流通による販路拡大【青森県】

    豚肉の旨味であるオレイン酸を簡易測定できる装置の開発と本装置により科学的に選別された「光黄金豚」の開発【東京都】

    米転作作物としてのハトムギの生産拡大、焙煎技術の向上や機能性付加による「はとむぎ茶」の健康飲料としてのブランド確立【富山県】

    乳製品製造で培われた殺菌技術を水産物加工に応用し、風味豊かなシラス製品を開発【愛知県】

    徳島杉の間伐材と木造住宅建築技術を活用した、耐久性、断熱性等に優れる「つみきブロック工法」による企画住宅の開発【徳島県】

    減農薬栽培した原料を使用し、最新特許技術により加工する高付加価値な介護食品(嚥下食や薬膳がゆ)の開発【広島県】

    規格外の柿を有効利用し、機能性の高い甘味素材として期待される柿ピューレ、柿シロップの開発【福岡県】

    沖縄在来種のハイビスカス(アカバナー)を有機栽培し、花茶、エステドリンクの開発など、生産から販売まで一貫したシステムを確立【沖縄県】

    良質なタンパク質、脂肪酸、ミネラルが豊富なペポカボチャの種の本格生産と旭川ブランド「焼き菓子」の開発【北海道】

    ○農商工等連携促進法による取組

    酒造メーカーと農業者が連携し、減農薬栽培の酒米「五百万石」を使用した新感覚の清酒「発砲清酒」を開発【群馬県】

    26

  • ○ 高齢社会の到来による高齢者向け食品市場の拡大や、1世帯当たりの人員減少に対応した商品の小口化、簡便化等が進展している。また、朝食を欠食する者を対象とする潜在的な市場も存在する。

    〇 高齢者向け食品等の市場規模

    2兆492億円(2020年)※2008年10月富士経済株式会社による調査を基に農林水産省が推計

    〇 朝食欠食の市場規模

    〔高付加価値介護食品〕

    ・ 食品メーカーA社は、県の試験研究機関の協力のもと、新たな加工技術である凍結含浸法を活用し、高齢者が噛まずに食べられる食品の開

    発・販売に取組。

    ・ 地域の農業者は、Aメーカーが求める減農薬栽培米等を生産、供給。

    ※農商工等連携促進法に基づく事業計画の認定(H20.9)

    〔朝食用レトルトカレー〕

    ・ 食品メーカーB社は、朝食にカレーを食べる人が増えていることに着目

    し、朝食用レトルトカレーを商品化。

    ・ 容量を一般的なレトルトカレーの4割程度に押さえるとともに、原料に

    果物、ヨーグルトといった朝食に登場しやすいものを使用。

    〇 企業の先駆的な取組の事例

    (2) 高齢者が飲食しやすい食品等消費者ニーズに合った新商品・メニューの開発

    〇 昨今のヒット商品におけるキーワード「3つのレス」

    1:タイムレス(時間を短縮)2:スキルレス(調理技術が不要)3:ストレスレス(献立の悩みを解消)

    (例)食べるラー油、具入りソース など

    全国

    平均 20歳代 30歳代 40歳代

    朝食欠食率 (%) 13.2 28.1 24.7 20.3

    人口(20年10月1日) (千人)

    127,692 14,735 18,605 16,187

    1日の欠食数 (千人) 16,855 4,141 4,595 3,286

    年間欠食数 (億食) 62 15 17 12

    市場規模 (億円) 18,000 4,500 5,100 3,600

    全国

    平均 20歳代 30歳代 40歳代

    朝食欠食率 (%) 13.2 28.1 24.7 20.3

    人口(20年10月1日) (千人)

    127,692 14,735 18,605 16,187

    1日の欠食数 (千人) 16,855 4,141 4,595 3,286

    年間欠食数 (億食) 62 15 17 12

    市場規模 (億円) 18,000 4,500 5,100 3,600

    資料:厚生労働省平成20年「国民健康・栄養調査結果の概要」総務省人口推計(平成20年10月1日)

    注:市場規模は、1食あたり300円として試算。

    27

    (出所:キューピー)

  • ○ 食品工業における研究開発体制

    全製造業 食品工業

    平成19年 平成19年

    研究者数 430,288人 14,429人

    従業員1万人当たりの研究者数 966人 314人

    社内使用研究費(売上高比率) 3.62% 0.99%

    一企業等当たり社内使用研究費 65,871万円 10,693万円

    研究を行っている会社総数 18,490社 2,617社

    研究を行っている会社の割合 12.8% 16.0%

    社内使用研究費総額 121,796億円 2,798億円

    社外支出研究費総額*1 17,743億円 157億円

    受入研究費総額*2 3,894億円 26億円

    資料:総務省「科学技術研究調査報告」 (平成20年、平成11年)注:研究者数は、平成20年3月31日現在及び平成11年4月1日現在*1:社外支出研究費とは、委託等社外(外部)へ研究費として支出した金額*2:受入研究費とは、受託費等社外から研究費として受け入れた金額

    ○ 他の製造業と比べた食品製造業の特色は、①研究開発を行う会社の割合は高い(全製造業平均の12.8%に対して食品製造業は16.0%)が、研究開発への投資が少ない(全製造業平均の3.62%に対して食品製造業は0.99%)、②研究開発体制も脆弱(従業員1万人あたりの研究者数は314人と、製造業平均の3分の1)という点にある。○ 農林水産省としては、①食の安全、品質管理の徹底、信頼性の確保、②健康維持・増進、③資源利用の効率化、コスト縮減、副産物利用、廃棄物リサイクル、省エネCO2削減、④国産農産物の利活用増進、自給率向上、地域活性化、食農連携への対応、⑤生産性向上、国際競争力の強化の5つの社会的要請領域を定め、5年後の実用化を見据えて、重点的に開発を進めるべき技術についてのロードマップの策定を進めているところ。

    (参考) 研究・技術開発体制①

    ○ 食品産業技術ロードマップの事例

    28

    資料:食品産業技術ロードマップ集

    技術課題 2010 2011 2012 2013 2014年 2015年の到達目標

    鮮度保持・日持ち向上による廃棄物削減(ネオフリージング技術によるコールドチェーンの再構築)

    超低温コールドチェーンの普及によるローカル食資源の利用効率の向上

    チルド流通食品を冷凍保管流通網に切り替えることによる小売食品廃棄ロス(年間125万トン)および家庭での食品廃棄ロス(年間500万トン)の削減への指針の提言

    超低温コールドチェーン構築への実用技術確立(省エネ、二酸化炭素排出削減)微細氷結晶生成による高品質冷凍技術の確立とその実用化

    結果のまとめ(普及への人材育成)

    コールドチェーン技術の高度最適化検討委員会設置(学際・業際連携コンソーシアム)

    流通実証試験(コスト/効果)

    品質評価法の標準化

    FSとモデル産品の選択

    技術検討③:超低温凍結技術の高効率化・低コスト実用化

    超低温冷凍・保管技術の実証試験・まとめ超低温冷凍装置の省エネ化・設備の小型化(特に断熱材)

    技術検討①:超低温コールドチェーン構築(地域特産物の高付加価値化、利用効率向上)

    実証試験製造ライン化検討処理能力向上検討圧力容器のコストダウン・食品への影響評価

    技術検討④:高圧利用技術(圧力移動凍結)

    FS(現状分析ならびに経済効果、モデル品目等)

    凍結・保存試験 実証試験 総括(コスト/効果)

    技術検討②: チルド流通食品の冷凍保存流通へのシフト(凍結食品種の拡大,廃棄ロス削減)

    コールドチェーン技術の最適化と新たな技術開発、その活用

  • ○ 食品関連の技術開発に投じられている研究開発費(*)は、約3,000億円となっており、企業の自己資金のほか、農林水産省の競争的資金や他省庁の研究開発資金の支援を受け推進されている。○ 国の支援としては税額控除の制度のほか、農林水産省や経済産業省、文部科学省の競争的資金、農商工連携や環境の枠組で新商品開発や技術の利用を促す事業がある。

    29

    民間企業・民間ミン関

    民間企業・機関約3,000億円*

    研究者約14,000人

    大学公立食品試験研究機関国・独法の研究者

    約2,200人

    ○ 国の主な事業(平成22年度)

    ・ 農林水産省

    イノベーション創出基礎的研究推進事業(競争的資金): 60億円

    新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業(競争的資金):62億円

    農商工等連携支援: 7.7億円

    技術の改良による食品廃棄物新規用途開発推進事業 0.4億円

    ・ 経済産業省

    地域イノベーション創出研究開発事業: 34億円

    ・ 文部科学省

    (独)日本学術振興会 科学研究費補助金: 1,298億円の内数

    青色申告書を提出する個人又は法人が試験研究費を支出した場合、試験研究費の一定の割合(8%~10%、中小企業等は12%)の金額を、所得税額又は法人税額から控除できる。また、試験研究費が増加した場合は、さらに増加額の5%を所得税額又は法人税額から控除できる。

    ○ 試験研究を行った場合の特別控除制度の概要

    資料:総務省「平成20年科学技術研究調査」より

    *研究開発費には、企業の自己資金の他受託費、補助金等の外部からの資金が含まれる。

    (参考) 研究・技術開発体制②

  • (3) 食品の安全・消費者の信頼確保への対応の強化

    ○ HACCP手法については、その導入には施設整備、人材育成が必要であることから、大規模層は相当程度導入が進んでい

    るが、大多数を占める中小規模層の導入率は低位にあり、零細規模層は極めて低位。

    ○ 食品のトレーサビリティは、現在、食品衛生法において、全ての農林漁業者、食品産業事業者等を対象に、入出荷記録の

    作成、保存について「努力義務」が課されている。また、本年10月から米トレーサビリティ法において、米・米加工品を取り扱

    う事業者を対象に、入出荷記録の作成・保存を義務化。

    ○ 全ての食品事業者団体において、傘下会員に対して「コンプライアンス」を指導するための「自主行動計画」を策定している

    が、個別中小企業の「企業行動規範」の策定は約7割程度。

    ○ 食への信頼向上に向けた食品産業事業者の主体的な活動を促すため、食品産業事業者や関連事業者との間でネットワー

    ク(「フード・コミュニケーション・プロジェクト」)を構築し、食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提

    供や、この取組の取引先や消費者による適正な評価を働きかけているところ。

    HACCPの取組拡大 食品業界のコンプライアンスの確立

    ○ コンプライアンスの確立のためには、各食品事業者における「企業行動規範」等の策定の取組が有効

    食品関係団体自主行動計画の策定(全ての食品関係団体で策定済み)

    指導

    食品関係事業者企業行動規範の策定→H22年度目標:中小食品企業で7割以上現状:7割程度更なる策定率の向上に向けた取組が必要

    支援

    個別企業における「企業行動規範」等の策定率を向上させ、コンプライアンスの確立を図るため、・実践的なセミナーを全国で開催・食品関係団体の要請に応じたセミナー講師派遣・コンプライアンス経営のメリットや優良事例の調査・紹介

    ○食品製造事業者のHACCP手法の導入率・中小規模層(1~50億円)は低位【16%】・零細規模層(1億円未満)は極めて低位【5%未満】

    このため

    ・工程管理の責任者養成研修の強化・低コスト導入手法の構築・普及

    ・HACCP手法の導入の前提となる施設・設備、従事者の衛生管理など一般的衛生管理の徹底

    ○HACCP手法導入上の問題点・施設整備に一定のコスト・製造現場でHACCP手法を導入・実践できる人材が不足

    ○中小規模層でのHACCP手法導入を加速化○中小規模層でのHACCP手法導入を加速化

    ○HACCP手法導入が困難な零細規模層等への対策○HACCP手法導入が困難な零細規模層等への対策

    ○目標:中小規模層のHACCP手法導入率を16%(H18年度)→50%(H24年度)に拡大

    食品のトレーサビリティの取組拡大

    ・米トレーサビリティ法の趣旨、内容の関係事業者への浸透・行政の巡回指導体制の整備

    ・ 「食品衛生法」では、全ての農林漁業者、食品事業者等を対象として入出荷記録の作成・保存が「努力義務」(H15.8施行)・ 「米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律」の公布により、米及び米加工品へのトレーサビリティの導入が決定 (H22.10施行)

    米・米加工品について、トレーサビリティを導入米・米加工品について、トレーサビリティを導入

    H22.10~

    食品トレーサビリティの確立

    ・施行上の課題、米以外の品目の取組実態の把握

    米トレーサビリティの実施状況を把握米トレーサビリティの実施状況を把握

    ・ 米トレーサビリティ法の施行の状況を踏まえ、入出荷記録

    の作成・保存の取組の拡大について検討

    トレーサビリティの取組拡大に向けた方策の検討トレーサビリティの取組拡大に向けた方策の検討

    30

  • (4) 食品産業におけるCO2削減の推進

    ○ 食品製造業においては、基準年比でCO2排出量を10.6%削減しているが、環境問題への意識が低く、取組が遅れている中小企業も多く存在しており、今後、中期目標(2020年に1990年比25%削減)を視野に入れ、CO2削減の取組を一層推進する必要がある。

    1990

    12.61億トン

    2008

    12.82億トン

    11.86億トン

    2008~2012

    6%削減

    京都議定書

    削減約束1.6%増

    2020

    9.46億トン

    中期目標

    25%削減

    15.6

    うち食品製造業

    10.6%削減

    百万トン百万トン

    17.5

    億トンCO2排出量

    資料:実績値は、(独)国立環境研究所温室効果ガスインベントリ(2008年度確定値)

    ○我が国におけるCO2排出量の状況と目標

    【惣菜製造・販売業】

    チェックリストの作成と自己点検によるエネルギー削減

    設備投資を伴わないソフト面での取組事例

    Q1 開店準備中は、必要最低限の照明だけを点灯している。

    Q2 調理機器・冷凍冷蔵庫の温度チェックを定期的に実施している。

    Q3 冷凍冷蔵庫のドアの開閉回数・時間を必要最小限にしている。

    Q4 調理終了と同時に、不必要な調理機器のスイッチは切っている。

    Q5 機具機材のメンテナンスが終わると、換気扇を切っている。Q6 冷凍冷蔵庫・空調機のフィルター清掃を定期的に実施している。

    □YES

    ※例えば、フィルターを毎日掃除すると年間10%の電力量を削減できる!

    □YES□YES□YES□YES□YES

    米メーカー

    【パン製造業とその他食品メーカー】 【飲料製造業とJR、運送業者】

    共同配送システムの構築によるトラック台数と燃料の削減

    物流

    センター

    Aチェーン店舗

    (一元化)Bチェーン店舗

    Cチェーン店舗

    JR及び運送業者と連携し食品に適した輸送形態を工夫

    コンテナ内の温度変化軽減や振動防止等を工夫

    <流通ルートの一元化>

    共同配送

    <鉄道へのモーダルシフト>

    物流における連携の取組事例

    惣菜メーカー

    菓子メーカー

    パンメーカー

    31

  • ○食品循環資源の再生利用等実施率の推移

    ○ 食品廃棄物の発生量は年間約1,100万トンと横ばい傾向で推移。また、再生利用等実施率は、上昇傾向にあるものの、食品流通の川下に至るほど廃棄物の発生が少量分散型になるなど再生利用が難しくなることから、食品製造業、食品卸売業、食品小売業、外食産業と順に低下。○ 食品廃棄物の発生抑制については、企業が独自に取組を進めたり、NPO法人が軸となるフードバンク活動が活発化。また、 食品リサイクルについては多店舗展開している食品小売業や外食産業が食品リサイクル・ループの構築を推進(食品リサイクル法に基づく認定計画22件(22年5月10日現在))。

    出典:「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」(農林水産省統計部)

    85%

    24年度目標

    70%

    45%

    40%

    サトレストランシステムズ(株)における食品ロス削減の取組み

    ○ 店舗における食材仕入れの小ポーション化(最小では1人前単位へ量目変更)や仕込み・準備数の多頻度少量化等を実施。

    炊飯を4キロ釜から2キロ釜に交換

    少量炊飯のためロスが少ない。

    ○ 本部において、各店舗の食材使用量を分析し、データ化。各店舗にフィードバック。○ ご飯の量を顧客が選べるように工夫(小ご飯50円引き、大盛りはサービス)。○ 以上の取組等の結果、食品廃棄物の発生量を10%削減。

    小田急グループにおける食品リサイクル・ループの取組

    更 に ガス炊飯器からマイクロ炊飯器(2kg)に交換

    保管に伴う黄変が少なく、16時間の保管が可能(従来4時間)。

    (5) 食品廃棄物の削減と資源の有効利用

    (有)長田サービス等4社(廃掃法に基づく許可業者)の保冷車による収集・運搬

    上記小田急グループが、年間65t の豚肉(1,301頭相当量)を購入し販売

    ㈱小田急ビルサービスにおいて加水し、液体飼料化(年間1,038t の生産見

    込み)

    食品関連事業者食品関連事業者

    東京・神奈川に亘る小田急電鉄㈱、小田急商事㈱及び㈱小田急百貨店の計28店舗の食品残さ:692t/年

    ・朝霧ヨーグル豚販売(協)[静岡県]・㈱あずみ野エコファーム[長野県]・(有)亀井畜産[神奈川県]が、液体飼料を使用し、年間計1,301頭の豚を生産

    再生利用事業者再生利用事業者

    農林漁業者等農林漁業者等

    32

  • ○ 食品産業事業者の社会的責任(CSR)において、重要なステークホルダー(利害関係者)である消費者とのコミュニケーションを強化し、そこで得られた消費者の意見を経営判断に取り入れることが、持続可能なビジネスの成功にもつながるものとして、重要視されている。○ 食品産業事業者が伝えている情報と消費者の知りたい情報の間にはギャップが大きいと指摘されており、効果的なコミュニケーションによる相互理解の促進は、消費者の食への信頼確保に貢献するとともに、国内市場の活性化にも資する。

    (6) 消費者とのコミュニケーションの強化等の自主的な取組の推進

    「CSRとは責任ある行動が持続可能なビジネスの成功につながるという認識を企業が持ち、社会や環境に関する問題意識を、その事業活動やステークホルダーとの関係の中に、自主的に取り入れていくための概念」(資料:「CSRに関する欧州委員会からのコミュニケーション:持続可能な発展への企業の貢献(2002)」)

    「企業がCSRの取組みの信頼性を高めるためには、ステークホルダーとの効果的なコミュニケーションが不可欠であり、そのための適切な情報開示、対話などにより社会に対する説明責任を果たすこととステークホルダーによる評価が重要な要素となる。」(経済産業省「企業の社会的責任(CSR)に関する懇談会」中間報告 2004)

    ○ CSRにおけるコミュニケーションの重要性

    ○ 消費者とのコミュニケーションに関する食品事業者からの声

    ・伝えたい情報が消費者に伝わりにくいという課題解決に向けて消費者との相互理解が必要 (製造A社)・一社で情報発信を行うより、まとまって行った方が効果的な場合がある。(製造B社)・消費者が本当に知りたいことは何か、ということをきちんと考える必要がある。企業側の提供する情報と消費者の求める情報のギャップがあると感じる。(小売A社)・企業からの情報はたくさんあると思うが、自分には届いていないと感じる。欲しい情報がなかったり、都合よく自分の目に入らなかったり、自分から積極的に求める努力をしなければ届かないと感じている。(消費者A)

    農林水産省によるヒアリング調査(平成20、21年度)

    ○ 消費者が得たい情報と企業が提供する情報(商品・サービス選択時)

    商品・サービス選択時には、消費者の方が圧倒的に各種情報を重視しており、企業は消費者の情報ニーズに応えきれていない。

    33

  • ○ 食品産業の原材料の多くは国産に依存。フードチェーンの適切な機能の発揮を図るためには、国内農業の実需者ニーズへの適確な対応の下、食品産業と農業との結びつきを一層強化していくことが重要。

    77.1

    73.4

    8.4

    8.9

    14.5

    17.7

    0% 20% 40% 60% 80% 100%

    平成12年

    平成17年

    国産農水産物

    (5.8)

    (0.7) (1.2)

    (0.7)

    輸入農水産物

    輸入一次加工品

    (6.4)

    (1.4)

    資料:「産業連関表」を基に農林水産省で試算。

    ○ 食品製造業の加工原材料調達割合(国産・輸入)括弧内は調達額(兆円)

    回答者数

    267人

    国産の割

    合を増や

    したい

    81.3

    無回答

    現在の国

    産と外国

    産の割合

    は変えな

    い 16.9

    外国産の割

    合を増やし

    たい 1.5

    ○ 食品製造業・外食産業の国産野菜の使用意識・意向(国産・外国産の両方をしようとしている業者)

    ○ 農商工等連携促進法(H20.7施行)の実施状況(H22.4月現在)

    ○ 食品産業事業者の取組状況申請事業者 420者うち食品産業 339者(81%)

    ○ 広域での取組認定計画 369件うち県域を越えるもの 68件(18%)

    〇 認定事例:高品質な国産茶葉を使用した高級ボトリング茶の商品化

    (1) 食品産業による国内農業との連携強化や農業への参入促進

    2 フードチェーンにおける連携した取組の推進

    (資料)加工・業務用野菜の取り扱いに関する意識・意向調査(平成20年6~7月実施)

    ロイヤルブルーティージャパン㈱ 〔神奈川県〕従来、台湾の青茶をメインに高級ボトリング茶飲料を生産し、高級レストランを中心に販売。(5,000~20,000円/1本750ml)

    【連携体】

    ㈲カネタ太田園 〔静岡県〕

    【事業概要】原料を輸入から国産の高品質な茶葉に転換した高級ボトリング茶飲料を商品化し、市場の拡大及び国産茶葉の需要開拓を図る。

    34

  • ○企業名:イオン株式会社(食品関連産業)○主な作物:キャベツ・小松菜・水菜等○面積:2.6ha(平成21年)○従業員数:2名(パート10名)○収穫物:関東地方のジャスコ店舗

    約15店で販売○営農開始時期:平成21年7月○特徴地域密着経営の基本理念のもと、農地法の特例を活用して、茨城県牛久市から農地を賃借し、農場の運営を開始。

    農業参入の事例

    35

    計 建設業 食品関連産業 その他

    414 405 148 79 178

    (100%) (37%) (21%) (42%)

    (平成19年9月1日現在) 256 256 88 58 110

    資料:農林水産省調べ

    注:特定法人貸付事業(リース方式)は農地法等の改正により廃止。全体の計と特定法人貸付事業実施

      参入法人数の計との差は、特定法人貸付事業実施後、農業生産法人に移行したもの。

    計 特定法人貸付事業実施参入法人数

    平成21年9月1日現在

  • (2) 海外からの原料調達の安定化

    ○ 原料農産物の国際価格は、当面従来に比べて高い水準が続くものと見込まれる中で、新興国との間で原料農産物の買い負けが生じたり、消費者ニーズに沿った品質、形態の農産物の調達が困難な状況になりつつあるなど原料調達の不安定性は拡大。○ 農産品の需給状況等に応じて、原料生産への関与の強化、調達の多角化などいくつかの手法を組み合わせて対応している企業もある。

    ○原料調達安定化に向けての手法

    品質に見合った「量」を確保

    品質に見合った「量」を確保

    「価格」の変動リスクの低

    「価格」の変動リスクの低

    原料生産への関与の強化(農園・牧場経営、契約栽培)、物流インフラの確保(サイロ、エレベータ、船舶等)

    原料生産への関与の強化(農園・牧場経営、契約栽培)、物流インフラの確保(サイロ、エレベータ、船舶等)

    調達の多角化(産地分散、調達方法(一次産品のままか、加工品とするか等))

    調達の多角化(産地分散、調達方法(一次産品のままか、加工品とするか等))

    ロットを大きくすることによる交渉力の向上(共同調達、会社の規模拡大等)

    ロットを大きくすることによる交渉力の向上(共同調達、会社の規模拡大等)

    備蓄(米、小麦、大豆、飼料穀物)備蓄(米、小麦、大豆、飼料穀物)

    価格・期間のヘッジ(契約方法、為替、金

    利、商品価格)

    価格・期間のヘッジ(契約方法、為替、金

    利、商品価格)

    ポルトガル

    ○カゴメの主な原料野菜の調達実績[調達の多角化等の事例]

    スペイン

    ケール

    日 本

    ニュージーランドオーストラリア

    中 国

    イタリア

    アメリカ

    チ リオランダ

    トルコ

    ポーランド

    ドイツ

    カゴメ社員による定期的な指導・監督の実施

    トマト かぼちゃにんじん 黄にんじんりんご ほうれん草

    カゴメ社員による使用農薬記録の確認

    カゴメ社員による生産・加工時の立会い監査

    36

  • ○ 卸売市場経由率の推移(重量ベース、推計、単位:%)

    ○ 食品小売業における商品販売額の推移(単位:10億円)

    75.8

    46.6

    82.7

    64.6

    85.3

    78.0

    74.6

    62.5

    40

    60

    80

    H元 H5 H10 H15 H16 H17 H18(年度)

    青果 (野菜) (果実) 水産物

    資料:農林水産省「食料需給表」等により推計

    ○ 小売価格に占める各流通経費等の割合(青果物平均)

    小売経費, (26.8)生産者受取価格

    (44.1)

    (43.3)

    (41.9)

    集出荷経費(22.6)

    (18.6)

    (20.0) (5.1)

    卸売経費(5.1)

    仲卸経費(8.1)

    (8.1)

    (7.8)

    (26.8)

    (25.1)

    (0.0) (20.0) (40.0) (60.0) (80.0) (100.0)

    H20年

    H19年

    H18年

    小売価格22,615円/100kg

    小売価格21,822円/100kg

    小売価格20,195円/100kg

    資料:「食品流通段階別価格形成調査(青果物経費調査)結果の概要」(農林水産省統計部)

    ○ 中央卸売市場における取扱金額の推移(単位:億円)

    25,579

    20,294

    13,44315,140

    10,0426,851

    21,107

    33,131

    0

    5,000

    10,000

    15,000

    20,000

    25,000

    30,000

    35,000

    40,000

    H元年度 H5 H10 H15 H17 H18 H19

    青果 (野菜) (果実) 水産物

    資料:農林水産省流通課調べ

    46,426 46,52647,620

    45,320 45,76244,168

    9,336 9,957

    8,850 8,515 8,4067,447

    13,198

    14,768

    16,74815,904

    17,047 17,106

    4,0115,223

    6,135 6,7146,922 7,007

    19,88116,578

    15,887 14,187

    13,387

    12,608

    25,000

    30,000

    35,000

    40,000

    45,000

    50,000

    0

    5,000

    10,000

    15,000

    20,000

    25,000

    30,000

    H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

    合計

    総合スーパー

    食料品スー

    パー

    コンビニエンスス

    トア

    食料品専門店・

    中心店

    資料:経済産業省「商業統計表」注 :商品販売額には、食品以外の販売額も含む。

    (3) 食品流通の効率化・高度化に係る連携した取組の推進

    ○ 食品の小売価格には、一定割合で流通経費が含まれている。一方、小売業における販売額や卸売市場における取扱金額は近年減少傾向にあり、食品流通事業者の経営は総じて厳しい状況。

    ○ 卸売市場は、生鮮食料品流通の基幹的インフラであるが、情勢の変化への対応の遅れ等から機能が十分発揮できな