高感度cw/パルスesr装置 を用いた欠陥および 金属...

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18東レリサーチセンター The TRC News No.112(Jan.2011) ●高感度CW/パルスESR装置を用いた欠陥および金属イオンの状態分析 1.ESR法について 電子スピン共鳴(Electron Spin Resonance;ESR)とは、さまざまな物質中に存在する「不対電子」を高感 度で検出することができる分光法である 1) 。基本的には 不対電子を持ってさえいればどのような材料でも測定対 象となる。例えば、図1(a)に示すような炭素系ラジカル をはじめとした様々な有機ラジカルの同定・定量が可能 であり、塗膜や樹脂の変色/劣化評価に有効である。ま た、MgOなどをはじめとした酸化物中の酸素欠損には、 1(b)のように不対電子が1つトラップされた状態が存 在し、欠陥の同定・定量も可能である。さらに、多くの 遷移金属と希土類のイオンもESR活性であるため、金 属錯体の構造や電子状態を評価したり、酸化物中のppm オーダーの微量金属も評価することができる1(c)) ESR法の適用材料と代表的な評価例を表1に示した。 弊社ではESR法の有用性から、新たにX-バンドの CW/パルスESR装置 を 導入 し た(CWContinuous Wave)。新規導入装置の特徴は、これまで様々な分野で 用いられてきたCW-ESR測定の感度(S/N)がおおよ そ数倍~ 1桁向上していることと、新機能としてパルス ESR測定が可能であることが挙げられる。以下では、新 規導入装置の特徴をESR法の原理をふまえて説明した 後、分析事例について紹介する。 2.新規ESR装置の特徴:高感度CW-ESR測定 2(a)ESR法の原理を示した。通常外部磁場がない 場合、1つの不対電子が持つ磁気モーメントは様々な方 向を向いている※量子力学では磁気モーメントの方向 は確率的にしかわからないため、モーメントの方向は点 線・矢印で表示。ここに外部磁場が加わると、「ゼーマ ン分裂」と呼ばれるエネルギー準位の分裂が生じ、エネ ルギー的に高い準位と低い準位ができる。この₂つのエ ネルギー差に相当するマイクロ波を連続波(CW照射し、不対電子が吸収するマイクロ波量を検出する、 これがCW-ESR法である。「CW-ESR法」を単純に「ESR 法」と呼ぶことも多い。本稿では、後に出てくる「パル ESR法」と明確に区別するために、以後「CW-ESR法」 と略さずに呼ぶこととする。CW-ESR法では(1)式に示す とおり、加える磁場の強さH と吸収するマイクロ波 の周波数νによって、 値と呼ばれる量が求まるが、 この 値は物質固有の値であるため、シグナルの同定が 可能であり、シグナル強度から不対電子の定量が可能で ある。 =0.071449 ν(MHz) H (mT) 弊社が導入した新規ESR装置の特徴を示す例として図 3に、石英基板上に形成したSi膜のダングリングボンド 高感度CW/パルスESR装置 を用いた欠陥および 金属イオンの状態分析 構造化学研究部 沢井 隆利 山口 陽司 図1 ESR分析の対象 (a)有機ラジカル、(b)欠陥、(c)金属イオン 表1 ESR法の適用材料と代表的な評価例

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18・東レリサーチセンター The TRC News No.112(Jan.2011)

●高感度CW/パルスESR装置を用いた欠陥および金属イオンの状態分析

1.ESR法について

 電子スピン共鳴(Electron Spin Resonance;ESR)法とは、さまざまな物質中に存在する「不対電子」を高感度で検出することができる分光法である1)。基本的には不対電子を持ってさえいればどのような材料でも測定対象となる。例えば、図1(a)に示すような炭素系ラジカルをはじめとした様々な有機ラジカルの同定・定量が可能であり、塗膜や樹脂の変色/劣化評価に有効である。また、MgOなどをはじめとした酸化物中の酸素欠損には、図1(b)のように不対電子が1つトラップされた状態が存在し、欠陥の同定・定量も可能である。さらに、多くの遷移金属と希土類のイオンもESR活性であるため、金属錯体の構造や電子状態を評価したり、酸化物中のppmオーダーの微量金属も評価することができる(図1(c))。ESR法の適用材料と代表的な評価例を表1に示した。 弊社ではESR法の有用性から、新たにX-バンドの

CW/パ ル スESR装置 を 導入 し た(※CW:Continuous Wave)。新規導入装置の特徴は、これまで様々な分野で用いられてきたCW-ESR測定の感度(S/N)がおおよそ数倍~ 1桁向上していることと、新機能としてパルスESR測定が可能であることが挙げられる。以下では、新規導入装置の特徴をESR法の原理をふまえて説明した後、分析事例について紹介する。

2.新規ESR装置の特徴:高感度CW-ESR測定

 図2(a)にESR法の原理を示した。通常外部磁場がない場合、1つの不対電子が持つ磁気モーメントは様々な方向を向いている(※量子力学では磁気モーメントの方向は確率的にしかわからないため、モーメントの方向は点線・矢印で表示)。ここに外部磁場が加わると、「ゼーマン分裂」と呼ばれるエネルギー準位の分裂が生じ、エネルギー的に高い準位と低い準位ができる。この₂つのエネルギー差に相当するマイクロ波を連続波(CW波)で照射し、不対電子が吸収するマイクロ波量を検出する、これがCW-ESR法である。「CW-ESR法」を単純に「ESR法」と呼ぶことも多い。本稿では、後に出てくる「パルスESR法」と明確に区別するために、以後「CW-ESR法」と略さずに呼ぶこととする。CW-ESR法では(1)式に示すとおり、加える磁場の強さ(H)と吸収するマイクロ波の周波数(ν)によって、g値と呼ばれる量が求まるが、このg値は物質固有の値であるため、シグナルの同定が可能であり、シグナル強度から不対電子の定量が可能である。

 g=0.071449 ν(MHz)H(mT) ⑴

 弊社が導入した新規ESR装置の特徴を示す例として図3に、石英基板上に形成したSi膜のダングリングボンド

高感度CW/パルスESR装置を用いた欠陥および金属イオンの状態分析

構造化学研究部 沢井 隆利山口 陽司

  図1 ESR分析の対象   (a)有機ラジカル、(b)欠陥、(c)金属イオン

表1 ESR法の適用材料と代表的な評価例

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東レリサーチセンター The TRC News No.112(Jan.2011)・19

●高感度CW/パルスESR装置を用いた欠陥および金属イオンの状態分析

のCW-ESRスペクトルを示した。通常、CW-ESR測定はマイクロ波周波数を固定し、磁場を掃引するため、横軸が磁場のスペクトルが得られる。ESRシグナルは微分曲線で得られ、(線幅が同じと考えられる場合には)最大・最小点の差が信号強度に相当することになる。図3中の青線は、弊社の従来装置で測定したスペクトル、赤線は新規導入装置で測定したスペクトルである。図3から、新規導入装置の方が強くシグナルが観測されており、この例の場合、約₆倍の感度(S/N)向上が認められた。 信号が比較的飽和しにくい遷移金属イオンや水溶液中のラジカルなどを大きなパワーで測定すれば、よりS/Nが向上するものと考えられる。測定する物質にもよるが、弊社のこれまでの経験から、新規導入装置ではおおよそ数倍~ 1桁程度の感度(S/N)向上が認められている。従って、これまで不対電子量が少なくシグナルの観測が難しかった試料に関しても、新規導入装置で評価ができる可能性がある。

3.新規ESR装置の特徴:パルスESR測定

 新規導入装置の₂点目の特徴として、パルスマイクロ波を用いた「パルスESR測定」が可能であることが挙げられる。図2(b)にパルスESR法の原理を示した。外部磁場はz軸方向にかかっているとし、緑色の矢印で「巨視的磁化」を示している。「巨視的磁化」とは、測定対象中の全ての不対電子が持つ磁気モーメントをベクトル合成したものであり、以後単に磁化と呼ぶことにする。図中の巨視的磁化は外部磁場方向と同じz軸方向を向いているが、パルスESR法ではこの磁化に対して、強い「パルス磁場」を印加する。すると、磁化はz軸に対して垂直方向に向かって倒れる。その後倒した磁化の緩和過程・時間変化を検出する。これがパルスESR法の基本である。先に述べたCW-ESR法では、「ラジカル・欠陥・金属イオンの同定や定量」が可能であるが、パルスESR法ではCW-ESR法を併用することで

     不対電子近傍の原子種     不対電子の局所濃度     不対電子間距離     不対電子の運動性     金属イオンの持つスピン量子数 S     (≒金属イオンの価数)

に関する情報が得られるといった特徴がある。 パルスESR法では先に説明したように、パルス照射後の磁化の時間変化を検出するため、横軸時間、縦軸強度のスペクトルが得られる。この横軸時間のスペクトルをフーリエ変換することで、構造や価数の情報を含むスペクトルが得られる。ここで念頭に入れておきたいことは、パルスESR法では測定に用いるパルス系列、つまりパルスの種類によって最終的に得られる情報が異なるという点である。例えば、「ESEEM(Electron Spin Echo Envelope Modulation)sequence」 や「HYSCORE (Hyperfine Sublevel Correlation)sequence」 と 呼 ば れるパルス系列を用いれば、「不対電子近傍に存在する原子の種類」に関する情報が得られ、「NUTATION sequence」と呼ばれるパルス系列を用いれば、金属イオンの価数に関する情報が得られる。 パルスESR法の工業材料への応用は、CW-ESR法に比べて遙かに遅れていると言っても過言ではない。弊社の新規導入ESR装置は、従来のCW-ESRに加えてパルスESR測定も可能であり、様々な工業材料についてCW-ESR法のみでは難しかった詳細な評価ができる可能性がある。

     図2 ESR法の原理   (a)CW-ESR法、(b)パルスESR法

図3 Si膜のCW-ESRスペクトルの比較

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●高感度CW/パルスESR装置を用いた欠陥および金属イオンの状態分析

4.分析事例:Si膜の欠陥構造評価

 新規導入装置による分析事例として、Si膜の欠陥構造評価事例をとりあげる。分析試料は石英基板上に形成した微結晶Si膜である。このようなSi膜は太陽電池用パネルに多用されるが、膜中の欠陥量や欠陥構造は太陽電池の性能に大きく影響すると考えられる。特に欠陥構造については従来のCW-ESR法では評価が困難であったため、新規装置を用いたパルスESR法による評価を試みた。図4に、Si膜のCW-ESRスペクトル(積分型)を示す。既に述べたとおり、CW-ESR法ではg値(ピーク位置)からシグナルの同定が可能であり、シグナル強度から定量が可能である。図4より今回のSi膜では、g=2.005にSiのダングリングボンドに由来するシグナルが観測され、シグナル強度の解析から1.0E+17個/cm3のダングリングボンドが膜中に存在することがわかった。しかしながら、Siのダングリングボンドの構造、つまりダングリングボンドの隣にはどういった原子が存在するかについては、CW-ESR法のみからでは評価が困難である。そこで、このSi膜についてパルスESR測定の一種であるHYSCORE測定を実施した。 図5にHYSCORE測定で用いられるパルス系列を示した。横軸は時間であり、長方形はパルスマイクロ波を示している。HYSCORE測定では、図5のようなパルス系列を用いて得られるシグナル強度を、パルス間隔 t 1、t 2に対してモニターすることで、「不対電子近傍の原子種」の評価が可能である。紙面の関係上、HYSCORE法の原理・解析等の詳細は文献に譲るが2-4)、図5のパルス系列から得られる横軸 t 1、縦軸 t 2の時間領域スペクトルを、時間 t 1、t 2に対して2次元のフーリエ変換を施すことで、最終的に縦軸・横軸共に周波数の2次元HYSCOREスペクトルが得られる(図6)。2次元スペクトルパターンは、主に電子スピンの周りに存在する核スピンの種類や、電子スピン-核スピン間の(超微細)相互作用に依存して変化する。一義的ではないが、図7(b)にHYSCOREスペクトルの典型例を示す。不対電子近傍に1H原子が存在する場合は、図7(b)中の青で示す領域にシグナルが観測され、また14N原子が存在する場合、ピンクで示す領域にシグナルが観測される。図7(a)に、Si膜の実測のHYSCOREスペクトルを示した(※緩和時間を長くし、感度良くスペクトルをとるため低温10Kで測定)。実測のスペクトルでは、第2、第4象限の比較的低い周波数領域(±10MHz以下)にシグナルが観測されていることがわかるが、この領域はちょうど図7(b)中の14Nに由来する領域に一致する。この結果から、Siのダングリングボンドの隣には、N原子が存在するものと考えられる。

5.分析事例:MgO中の不純物金属の価数評価

 次に、新規導入装置による分析事例として、MgO(単結晶)中の不純物金属の価数評価事例をとりあげる。MgOはディスプレイ用の絶縁膜として使用されるが、MgO中の不純物金属の種類・含有量・価数が絶縁特性に影響すると考えられる。特に金属の価数については従来のESR法では直接的な評価が困難であったため、今回パルスESR法による評価を試みた。 図8にMgOのCW-ESRスペクトル(積分型)を示した。図8のスペクトルには多数のシグナルが観測されているが、シグナルの分裂間隔や本数などより、Cr、V、Mnに由来するシグナルが観測されていることがわかる。これ

図4 微結晶Si膜のCW-ESRスペクトル(296K.、積分型)

図5 HYSCORE測定で用いられるパルス系列

図6 時間領域スペクトルの2次元フーリエ変換(模式図)

     図7 HYSCOREスペクトル       (a)Si膜の実測スペクトル(10K)       (b)スペクトルパターンの典型例

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●高感度CW/パルスESR装置を用いた欠陥および金属イオンの状態分析

ら各金属の価数を評価するために、パルスESR法の一種であるNUTATION測定を実施した。 図9に、NUTATION測定で用いられるパルス系列を示した。NUTATION法では、まず磁場を固定し、図9のパルス系列を用いて得られるシグナル強度を、パルス幅 t 1に対してモニターする。得られる横軸が時間(t1)、縦軸強度のスペクトルをフーリエ変換することで、「金属イオンの価数」に関する情報が得られる。また測定の際の最初に固定していた磁場を変えて、同様のパルス測定を次々と実施することで、図10の模式図で示すような「周波数」と「磁場」の2次元のスペクトルも取得可能である。模式図(図10)中、青丸で示す部分にシグナルが観測されているとすると、この青丸の周波数は、スピン量子数Sを用いて記述されるため、周波数の値からスピン量子数Sがわかり5-7)、最終的には金属の価数評価が可能である。 図11にMgOの実測の2次元NUTATIONスペクトルを示した(※感度良くスペクトルをとるため低温50Kで測定)。実測の右側には、ちょうどCW-ESRスペクトル(340~ 360mT付近)に対応する線形も同時に描いている。実測のNUTATIONスペクトルでは、○印の位置にシグナルが観測されており、これらのシグナルの周波数から、各シグナルはS=3/2(~ 1.6MHz、Cr,V由来のシグナル)、S=5/2(~ 2.5MHz、Mn由来のシグナル)であることがわかった。一方、スピン量子数Sは金属の価数と密接な関係がある。表2に、金属イオンの価数とスピン量子数Sの関係を、d電子数と共に示した。今回観測された「S=3/2を有するV」の場合、表2からV2+であることがわかる。Cr,Mnについても同様に、「S=3/2を有するCr」はCr3+、「S=5/2を有するMn」はMn2+であると判断された。従って今回観測された各シグナル(図8)はV2+,Cr3+,Mn2+に由来し、MgO中にはこれら金属イオンが含有されていると考えられる。

6.おわりに

 新規導入した「CW/パルスESR装置」の特徴と、その分析評価事例について紹介した。新規装置では「①高感

度CW-ESR測定が可能」、「②パルスESR測定が可能」といった2つの特徴があるが、特に②のパルスESR法に関しては、定性分析(欠陥構造、金属の価数分析など)に非常に有効であると考えられるものの、応用例は多くな

図8 MgOのCW-ESRスペクトル(296K、積分型)図9 NUTATION測定で用いられるパルス系列

図10 NUTATIONスペクトルの模式図

図11 MgOのNUTATIONスペクトル(50K)

表2 金属の価数とスピン量子数Sの関係(正8面体結晶場の場合)   

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22・東レリサーチセンター The TRC News No.112(Jan.2011)

●高感度CW/パルスESR装置を用いた欠陥および金属イオンの状態分析

い。ポリマー、半導体、セラミックス、触媒、金属タンパクなど幅広い材料に対する適用を行い、お客様の様々なご要望にお応えすべく、新しい分析メニュー確立を目指す所存である。

7.参考文献

1) 大矢博昭,山内淳:“電子スピン共鳴 -素材のミクロキャラクタリゼーション”,(1989),(講談社).

2) P. Höfer, A. Grupp, H. Nebenführ, and M. Mehring:Chem. Phys. Lett., 132, 279-282(1986).

3) A. Schweiger, G. Jeschke:“Principles of pulse electron paramagnetic resonance”, p.284(2001), (Oxford University Press, Oxford).

4) Y. Deligiannakis, M. Louloudi, N. Hadjiliadis:Coor. Chem. Rev., 204, 1-112(2000).

5) J. Isoya, H. Kanda, J.R. Norris, J. Tang, M.K. Bowman:Phys. Rev., B41, 3905-39113(1990).

6) K. Sato, D. Shiomi, T. Takui, K. Itoh, T. Kaneko, E. Tsuchida,H. Nishide:J. Spectrosc. Soc. Jpn., 43, 280-291(1994).

7) T. Takui, K. Sato, D.Shiomi, K. Itho:“Magnetic Properties of Organic Materials”, Edited by P.M. Lahti, p.197(1999),(Marcel Dekker, New York).

■沢井 隆利(さわい たかとし) 構造化学研究部第1研究室  略歴:大阪市立大学大学院理学研究科博士課程修了、博士(理学)。現在、(株)東レリサーチセンターでESR分析業務に従事。 趣味:皿洗い、ストリートダンス、電子工作。

■山口 陽司 (やまぐち ようじ) 構造化学研究部第1研究室 主任研究員 略歴:大阪市立大学大学院理学研究科修士課程修了。  現在、(株)東レリサーチセンターでESR分析業務に従事。 趣味:草サッカーのコーチング。