受難週 月曜日 日替わり部分...受難週 月曜日 日替わり部分 早 課...

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受難週 月曜日 日替わり部分 早 課 六段の聖詠】【大連祷】のあと 【アリルイヤ】 輔祭 アリルイヤ、アリルイヤ、アリルイヤ (詠) アリルイヤ、アリルイヤ、アリルイヤ 輔祭 (第一句)我 やちゅう 夜中我が たましい 靈 にて爾を慕へり、 あした 晨 より我が中心にて爾を尋ねん。 (詠) アリルイヤ、アリルイヤ、アリルイヤ 輔祭 (第二句)爾の審判が地に行はるる時、世に 居る者は義を學ぶ。 (詠) アリルイヤ、アリルイヤ、アリルイヤ 輔祭 (第三句)火は爾の敵を 噛まん。 (詠) アリルイヤ、アリルイヤ、アリルイヤ 輔祭 (第四句)主よ、爾已に たみ 民を増し、已に たみ 民を増して、己の光榮を顯せり。 -- イヤ、 アリルイ ヤ、 リル よ、 アリルイヤのあと、聖三讚詞の代わり はん ぼく 僕の むるを見 ば、僕は り、 むを ば、 当たら ざ り。 がた よ、 慎みて眠り おこた るな れ、 らくは、死に付されて 国の れん。

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  • 受難週 月曜日 日替わり部分 早 課

    【六段の聖詠】【大連祷】のあと 【アリルイヤ】 輔祭 アリルイヤ、アリルイヤ、アリルイヤ (詠) アリルイヤ、アリルイヤ、アリルイヤ

    輔祭 (第一句)我やちゅう

    夜中我がたましい

    靈 にて爾を慕へり、あした

    晨より我が中心にて爾を尋ねん。 (詠) アリルイヤ、アリルイヤ、アリルイヤ

    輔祭 (第二句)爾の審判が地に行はるる時、世にお

    居る者は義を學ぶ。 (詠) アリルイヤ、アリルイヤ、アリルイヤ

    輔祭 (第三句)火は爾の敵をか

    噛まん。 (詠) アリルイヤ、アリルイヤ、アリルイヤ

    輔祭 (第四句)主よ、爾已にたみ

    民を増し、已にたみ

    民を増して、己の光榮を顯せり。

    --

    イヤ、 アリルイ

    ヤ、

    リ ル

    よ、

    は新

    アリルイヤのあと、聖三讚詞の代わり

    半はん

    ぼく

    僕の

    むるを見

    ば、僕は

    り、

    倦うむを

    ば、

    当たら ざ

    り。

    が た

    よ、

    慎みて眠り

    おこた

    る な

    れ、

    らくは、死に付されて 国の

    れん。

  • 「光栄は」「今も」のあとトロパリを繰り返す。(ティピコンでは 3 回だが、『受難週略』では 2 回)

    ◆第四「カフィズマ」

    第二十四聖詠

    しゅ

    主よ、なんじ

    爾にわ

    我がたましい

    靈 をあ

    擧ぐ。わ

    吾がかみ

    神よ、なんじ

    爾をたの

    恃む、われ

    我によよ

    世世はじ

    愧なからしめよ、わ

    我がてき

    敵をわれ

    にか

    勝ちてよろこ

    喜ばしむるなか

    毋れ。およ

    凡そなんじ

    爾をたの

    恃むもの

    者にもはじ

    愧なからしめたま

    給へ、みだり

    妄にほう

    法をおか

    犯すもの

    者はねが

    願は

    くははじ

    愧をえ

    得ん。しゅ

    主よ、われ

    我になんじ

    爾のみち

    道をしめ

    示し、われ

    我になんじ

    爾のみち

    路をおし

    訓へよ。われ

    我をなんじ

    爾のしんり

    眞理にみちび

    導きて、

    われ

    我をおし

    訓へたま

    給へ、けだし

    蓋なんじ

    爾はわ

    我がすくい

    救のかみ

    神なり、われ

    我ひび

    日日になんじ

    爾をたの

    恃めり。しゅ

    主よ、なんじ

    爾のめぐみ

    鴻恩となんじ

    爾の

    あわれみ

    慈憐とをきおく

    記憶せよ、けだし

    蓋こ

    是れえいえん

    永遠よりあるなり。わ

    我がわか

    少きとき

    時のつみ

    罪とあやまち

    過 とをきおく

    記憶するなか

    毋れ、しゅ

    よ、なんじ

    爾のいつくしみ

    仁慈によ

    依り、なんじ

    爾のあわれみ

    慈憐をもっ

    以て、われ

    我をきおく

    記憶せよ。しゅ

    主はじん

    仁なり、ぎ

    義なり、ゆえ

    故にざいにん

    罪人に

    みち

    道をおし

    訓へしめ

    示す、けんそん

    謙遜のもの

    者をぎ

    義にみちび

    導き、けんそん

    謙遜のもの

    者におのれ

    己のみち

    道をおし

    教ふ。およ

    凡そしゅ

    主のみち

    道は、その

    其やく

    約とその

    けいし

    啓示とをまも

    守るもの

    者にあ

    在りてじれん

    慈憐なり、しんじつ

    眞實なり。しゅ

    主よなんじ

    爾のな

    名によ

    因りてわ

    我がつみ

    罪をゆる

    赦したま

    給へ、その

    其おおい

    なるをもっ

    以てなり。たれ

    誰かしゅ

    主をおそ

    畏るるひと

    人たる、しゅ

    主はこれ

    之にえら

    擇ぶべきみち

    道をしめ

    示さん。かれ

    彼のたましい

    靈 はふく

    福にお

    べ、

    聖なるかな

    が か

    みよ

    神女によりて、我等

    をあ

  • り、かれ

    彼のすえ

    裔はち

    地をつ

    嗣がん。しゅ

    主のおうぎ

    奥義はかれ

    彼をおそ

    畏るるもの

    者にぞく

    属し、かれ

    彼はその

    其やく

    約をもっ

    以てこれ

    之にあらわ

    顯す。わ

    我が

    目つね

    常にしゅ

    主をあお

    仰ぐ、その

    其わ

    我があし

    足をあみ

    網よりいだ

    出すによ

    因る。われ

    我をかえり

    顧 み、われ

    我をあわれ

    憐 め、われ

    我ひとり

    獨 にしてくる

    苦し

    めらるるによ

    因る。わ

    我がこころ

    心のうれい

    憂ますます

    益おお

    多し、わ

    我がくなん

    苦難よりわれ

    我をひ

    引きいだ

    出せ、わ

    我がくるしみ

    困苦、わ

    我がつかれ

    労瘁

    をかえり

    顧み、わ

    我がもろもろ

    諸 のつみ

    罪をゆる

    赦したま

    給へ。わ

    我がてき

    敵をみ

    見よ、なん

    何ぞおお

    多き、かれら

    彼等がわれ

    我をうら

    怨むうらみ

    恨はなん

    何ぞはなはだ

    しき。わ

    我がたましい

    靈 をまも

    護りてわれ

    我をすく

    救ひ、わ

    我がなんじ

    爾にお

    於けるたのみ

    恃にはじ

    愧なからしめたま

    給へ。ねが

    願はくはむてん

    無玷

    とぎ

    義とはわれ

    我をまも

    護らん、われ

    我なんじ

    爾をたの

    恃めばなり。かみ

    神よ、イズライリをその

    其もろもろ

    諸 のうれい

    憂よりすく

    救ひたま

    給へ。

    光榮は父と子と聖神に歸す。

    (詠) 今も何時も世世に、「アミン」。

    「アリルイヤ」「アリルイヤ」「アリルイヤ」、神よ、光榮は爾に歸す。三次

    主憐めよ。三次、光榮は父と子と聖神に歸す。

    誦經、今も何時も世世に、「アミン」。

    第二十七聖詠

    しゅ

    主よ、われ

    我なんじ

    爾によ

    呼ぶ、われ

    我のかため

    防固よ、わ

    我がため

    爲にもだ

    黙すなか

    毋れ、おそ

    恐らくはなんじ

    爾もだ

    黙さば、われ

    我ははか

    墓にくだ

    下るもの

    のごと

    如くならん。わ

    我がなんじ

    爾によ

    呼び、わ

    我がて

    手をあ

    擧げてなんじ

    爾のせいでん

    聖殿にむか

    向ふとき

    時、わ

    我がいのり

    祷のこえ

    聲をき

    聆きい

    納れ

    たま

    給へ。われ

    我をあくしゃ

    悪者およ

    及びふぎ

    不義をおこな

    行ふもの

    者、すなわち

    即その

    其となり

    隣とわへい

    和平をかた

    語り、その

    其こころ

    心にあ

    悪をいだ

    懐くもの

    者ととも

    偕にほろぼ

    すなか

    毋れ。かれら

    彼等のしわざ

    所爲、かれら

    彼等のあ

    悪しきおこない

    行 にしたが

    循ひてこれ

    之にむく

    報い、かれら

    彼等のて

    手のな

    作すところ

    所にしたが

    循ひてこれ

    にむく

    報い、かれら

    彼等のう

    受くべきところ

    所をもっ

    以てこれ

    之にあた

    與へよ。かれら

    彼等はしゅ

    主のおこな

    行ふところ

    所と、しゅ

    主のて

    手のな

    作すところ

    所と

    誦経者の「光栄は」に続いて 今も 何時 も

    ミン

    アリルイヤ、アリルイヤ ア

    イヤ

    神よ光栄は なん

    じ に

    帰-

    3回す

    主 憐れめ 主憐れめ主憐れめよ、

    光栄は 父と子と

    聖- 神

    誦経者の「今も」に続く

  • をかえり

    顧みざるによりて、しゅ

    主はかれら

    彼等をやぶ

    敗り、かれら

    彼等をた

    建てざらん。しゅ

    主はあが

    崇めほ

    讃めらる。かれ

    彼すで

    已にわ

    我が

    いのり

    祷のこえ

    聲をき

    聆きい

    納れたればなり。しゅ

    主はわ

    我がちから

    力、わ

    我がたて

    盾なり、わ

    我がこころ

    心かれ

    彼をたの

    頼みしに、かれ

    彼われ

    我をたす

    けたり、わ

    我がこころ

    心はよろこ

    歡べり、われ

    我うた

    歌をもっ

    以てかれ

    彼をほ

    讃めあ

    揚げん。しゅ

    主はその

    其たみ

    民のちから

    力なり、その

    其あぶら

    膏つけら

    れしもの

    者のすくい

    救のまもり

    衞なり。なんじ

    爾のたみ

    民をすく

    救ひ、なんじ

    爾のぎょう

    業にふく

    福をくだ

    降し、これ

    之をぼく

    牧し、これ

    之をよよ

    世世にあ

    擧げたま

    へ。

    こうえい

    光榮はちち

    父とこ

    子とせいしん

    聖神にき

    歸す。

    (詠) 今も何時も世世に、「アミン」。<同上>

    「アリルイヤ」「アリルイヤ」「アリルイヤ」、神よ、光榮は爾に歸す。三次

    主憐めよ。三次

    光榮は父と子と聖神に歸す。

    誦經 今も何時も世世に、「アミン」。

    第三十一聖詠

    ふほう

    不法をゆる

    赦され、つみ

    罪をおお

    蔽われたるひと

    人はさいわい

    福 なり。しゅ

    主がつみ

    罪をき

    歸せず、その

    其しん

    神にいつわり

    譌 なきひと

    人はさいわい

    福 な

    り。われ

    我もだ

    黙ししとき

    時、わ

    我がしゅうじつ

    終日のさまよい

    呻吟によ

    因りて、わ

    我がほね

    骨ふる

    古びたり、けだし

    蓋なんじ

    爾のて

    手はちゅうや

    晝夜おも

    重くわれ

    我にくわ

    はり、わ

    我がうるおい

    潤澤のき

    消えしことなつ

    夏のひでり

    旱にお

    於けるがごと

    如し。しか

    然れどもわれ

    我わ

    我がつみ

    罪をなんじ

    爾にあらわ

    顯し、わ

    我が

    ふほう

    不法をかく

    隱さざりき、われ

    我い

    謂へり、わ

    我がつみ

    罪をしゅ

    主につうこく

    痛告すと、なんじ

    爾すなわち

    乃わ

    我がつみ

    罪のとが

    咎をわれ

    我よりのぞ

    除けり。

    これ

    此によ

    縁りてもろもろ

    諸 のぎじん

    義人はべんぎ

    便宜のとき

    時におい

    於てなんじ

    爾にいの

    祷らん、その

    其とき

    時たいすい

    大水のあふれ

    溢はかれ

    彼におよ

    及ばざらん。なんじ

    はわれ

    我のおおい

    帲幪なり、なんじ

    爾はわれ

    我をうれい

    憂よりまも

    護り、われ

    我をすくい

    救のよろこび

    喜 にてめぐ

    環らす。○われ

    我なんじ

    爾をおし

    教へん、なんじ

    にゆ

    行くべきみち

    路をしめ

    示さん、なんじ

    爾をみちび

    導かん、わ

    我がめ

    目なんじ

    爾をかえり

    顧みん。なんじ

    爾ら

    等は、たづな

    轡とくつばみ

    鑣 とをもっ

    以て

    くち

    口をつか

    束ねてなんじ

    爾にしたが

    從はしむる、むち

    無知なるうま

    馬とうさぎうま

    驢 とのごと

    如くなるなか

    毋れ。○あくしゃ

    悪者にはうれい

    憂おお

    多し、

    しゅ

    主をたの

    恃むもの

    者はあわれみ

    憐これ

    之をめぐ

    環る。ぎじん

    義人よ、しゅ

    主のため

    爲によろこ

    喜びたの

    樂しめ、こころ

    心のなお

    直きもの

    者よ、みな

    皆いわ

    祝へ。

    こうえい

    光榮はちち

    父とこ

    子とせいしん

    聖神にき

    歸す、いま

    今もいつ

    何時もよよ

    世世に、「アミン」。

  • 「アリルイヤ」「アリルイヤ」「アリルイヤ」、かみ

    神よ、こうえい

    光榮はなんじ

    爾にき

    歸す。三次

    しゅ

    主あわれ

    憐めよ。三次

    坐誦讃詞 第一調

    このひ

    當日とうと

    尊きくるしみ

    苦 はすくい

    救をほどこ

    施すひかり

    光のごと

    如くよ

    世にかがや

    輝く、けだし

    蓋ハリストスはじんじ

    仁慈によ

    因りてくるしみ

    苦 をう

    受け

    んため

    爲にきた

    來る、ばんゆう

    萬有をその

    其て

    手にたも

    保つもの

    者はあま

    甘んじてき

    木にの

    伸べらる、ひと

    人をすく

    救はんため

    爲なり。

    ――続けて――

    輔祭 われら

    我等にせい

    聖ふくいんきょう

    福音經をき

    聽くをたま

    賜ふをしゅ

    主かみ

    神にいの

    祷らん。 (詠) 主憐めよ。三次

    輔祭 えいち

    睿智、つつし

    肅みてた

    立て、せい

    聖福音經を聽くべし。

    司祭 衆人に平安。 (詠) 爾の神°にも。

    司祭、マトフェイに因る聖福音經の讀。

    (詠) 主よ、光榮は爾に歸す、光榮は爾に歸す。

    輔祭 つつし

    謹みてき

    聽くべし。 二十一章十八至四十三節

    司祭 か

    彼のとき

    時イイススまち

    城にかえ

    返るとき

    時う

    飢えたり。みち

    道のかたわら

    旁 にひとつ

    一のいちじく

    無花果樹のあ

    在るをみ

    見て、これ

    之にちか

    づきしに、いつ

    一もう

    得るところ

    所 なし、ただ

    惟は

    葉あるのみ、すなわち

    乃これ

    之にい

    謂ふ、いま

    今よりのち

    後なが

    永くみ

    果をむす

    結ばざれ、

    いちじく

    無花果樹たちどころ

    立 にか

    枯れたり。もんと

    門徒これ

    之をみ

    見て、き

    奇としてい

    曰へり、いちじく

    無花果樹なん

    何ぞたちどころ

    立 にか

    枯れたる。

    イイススこた

    答へてかれら

    彼等にい

    謂へり、われ

    我まこと

    誠 になんじ

    爾ら

    等につ

    語ぐ、なんじ

    爾ら

    等も

    若ししん

    信ありてうたが

    疑 はずば、ただ

    いちじく

    無花果樹にお

    於けること

    事をおこな

    行はんのみならず、すなわち

    乃こ

    此のやま

    山に、うつ

    移りてうみ

    海にとう

    投ぜよと、い

    云ふともまた

    成らん。かつ

    且およ

    凡そきとう

    祈祷のとき

    時しん

    信じてもと

    求むるところ

    所はことごと

    悉 くこれ

    之をえ

    得ん。かれ

    彼がでん

    殿にきた

    來りておし

    教ふるとき

    時、しさい

    司祭

    しょちょう

    諸長とたみ

    民のちょうろう

    長老ら

    等とかれ

    彼につ

    就きてい

    曰へり、なんじ

    爾なに

    何のけん

    權をもっ

    以てこれ

    是をおこな

    行ふか、たれ

    誰かなんじ

    爾にこ

    此のけん

    權を

    あた

    與へたる。イイススこた

    答へてかれら

    彼等にい

    謂へり、われ

    我もまた

    亦いちごん

    一言なんじ

    爾ら

    等にと

    問はん、も

    若しこれ

    之をわれ

    我につ

    語げば、

    われ

    我もなん

    何のけん

    權をもっ

    以てこれ

    是をおこな

    行ふをなんじ

    爾ら

    等につ

    語げん。イオアンのせんれい

    洗禮はいずれ

    爰よりせしか、てん

    天よりか、

  • そもそも

    抑ひと

    人よりか。かれら

    彼等ひそか

    竊にぎ

    議してい

    曰へり、も

    若してん

    天よりとい

    云はば、なんじ

    爾ら

    等なん

    何ぞかれ

    彼をしん

    信ぜざりしと

    云はん、も

    若しひと

    人よりとい

    云はばわれら

    我等たみ

    民をおそ

    畏る、けだし

    蓋みな

    皆イオアンをもっ

    以てよげんしゃ

    預言者とするなり。つい

    遂に

    イイススにこた

    答へてい

    曰へり、し

    知らず。かれ

    彼もまた

    亦これ

    之にい

    謂へり、われ

    我もなに

    何のけん

    權をもっ

    以てこれ

    是をおこな

    行ふをなんじ

    爾ら

    等に

    語げざらん。しか

    然れどもなんじ

    爾ら

    等いか

    如何におも

    意ふか、ある

    或ひと

    人にふたり

    二人のこ

    子あり、その

    其だいいち

    第一のもの

    者につ

    就きてい

    曰へり、

    子よ、ゆ

    往きて、こんにち

    今日わ

    我がぶどうえん

    葡萄園にこうさく

    工作せよ。かれ

    彼こた

    答へてい

    曰へり、われ

    我ほっ

    欲せず、しか

    然れどものち

    後く

    悔いてゆ

    けり。また

    又だいに

    第二のもの

    者につ

    就きて、か

    是くのごと

    如くい

    言ひしに、かれ

    彼こた

    答へてい

    曰ヘり、しゅ

    主よ、われ

    我ゆ

    往く、しこう

    而 し

    てゆ

    往かざりき。ふたり

    二人のうち

    中タレ

    孰かちち

    父のむね

    旨をおこな

    行ひたる。いわ

    曰く、だいいち

    第一のもの

    者なり。イイススかれら

    彼等にい

    謂ふ、

    われ

    我まこと

    誠になんじ

    爾ら

    等につ

    語ぐ、ぜいり

    税吏としょうぎ

    娼妓とはなんじ

    爾ら

    等にさき

    先だちて、かみ

    神のくに

    國にゆ

    往く。けだし

    蓋イオアンぎ

    義のみち

    をもっ

    以てなんじ

    爾ら

    等にきた

    來りしに、なんじ

    爾ら

    等かれ

    彼をしん

    信ぜざりき、しか

    然れどもぜいり

    税吏としょうぎ

    娼妓とはかれ

    彼をしん

    信ぜり、なんじ

    爾ら

    はこれ

    之をみ

    見たるのち

    後も、なお

    仍く

    悔いず、また

    又かれ

    彼をしん

    信ぜず。 なんじ

    爾ら

    等また

    復ひとつ

    一のたとえ

    譬をき

    聽け、かしゅ

    家主あり、ぶどうえん

    葡萄園

    をう

    樹えこれ

    之にまがき

    籬をめぐ

    環らし、その

    其うち

    中にさかぶね

    酒槽をほ

    掘り、ものみ

    塔をた

    建て、これ

    之をえんてい

    園丁にたく

    託して、たほう

    他方にゆ

    往けり。

    みのりどき

    果期ちか

    近づきたれば、かれ

    彼はその

    其み

    果をおさ

    収めんため

    爲に、しょぼく

    諸僕をえんてい

    園丁につかわ

    遣ししに、えんてい

    園丁はその

    其ぼく

    僕をとら

    執へて、

    あるもの

    或者をう

    扑ち、あるもの

    或者をころ

    殺し、あるもの

    或者をいし

    石にてう

    撃てり。また

    復た

    他のぼく

    僕をさき

    先よりおお

    多くつかわ

    遣ししに、これ

    之にもか

    是く

    のごと

    如くおこな

    行 へり。つい

    遂におのれ

    己 のこ

    子をかれら

    彼等につかわ

    遣 してい

    曰へり、わ

    我がこ

    子には

    愧ぢんと。しか

    然れどもえんてい

    園丁こ

    子を

    見て、あい

    相かた

    語りてい

    曰へり、こ

    此れよつぎ

    嗣子なり、ゆ

    往きて、かれ

    彼をころ

    殺してその

    其しぎょう

    嗣業をと

    取らん。すなわち

    乃かれ

    彼をとら

    執へ

    てぶどうえん

    葡萄園のそと

    外にひ

    曳きいだ

    出してころ

    殺せり。しか

    然らばぶどうえん

    葡萄園のしゅ

    主きた

    來らんとき

    時、なに

    何をかこ

    此のえんてい

    園丁におこな

    行 はん。

    かれら

    彼等いわ

    曰くこ

    此のあ

    悪しきもの

    者をなさけ

    情なくほろぼ

    滅し、ぶどうえん

    葡萄園をもっ

    以てた

    他のえんてい

    園丁、すなわち

    即とき

    時におよ

    及びてかれ

    彼にみ

    果をおさ

    めんもの

    者にたく

    託せん。イイススかれら

    彼等にい

    謂ふ、なんじ

    爾ら

    等はせいしょ

    聖書に、こうし

    工師がす

    棄てたるいし

    石はおくぐう

    屋隅のしゅせき

    首石と

    爲れり、こ

    此れしゅ

    主のな

    成すところ

    所にして、われら

    我等のめ

    目にきい

    奇異なりとすと、い

    云ふをいま

    未だかっ

    嘗てよ

    讀まざりし

  • か。 ゆえ

    故にわれ

    我なんじ

    爾ら

    等につ

    語ぐ、かみ

    神のくに

    國はなんじ

    爾ら

    等よりうば

    奪はれて、その

    其み

    果をむす

    結ぶたみ

    民にあた

    與へられん。

    (詠) 主よ、光榮は爾に歸す、光榮は爾に歸す。

    →戻る 13 頁「50 聖詠」

    ◆カノン。聖コスマの作 第二調

    第一歌頌。「イルモス」

    己の神聖なる命を以て渉られぬ、濤たつ海を涸らし、イズライリ民を導きて馮せしめし主に歌はん、彼

    嚴に光榮を顯したればなり。

    附誦 我等の神よ、光榮は爾に歸す、光榮は爾に歸す。

    かみ

    神のことば

    言 のこうりん

    降臨はい

    言ひがた

    難し、けだし

    蓋ハリストスはかみ

    神にしてまた

    亦ひと

    人なり、かれ

    彼がおのれ

    己のかみ

    神たるをひとごろ

    僭 ふ

    とせざることは、ぼく

    僕のかたち

    貌にあ

    在りてその

    其もんと

    門徒にこれ

    之をしめ

    示す、かれ

    彼おごそか

    嚴 にこうえい

    光榮をあらわ

    顯したればなり。

    我等の神よ、光榮は爾に歸す、光榮は爾に歸す。

    われ

    我あま

    甘んじてアダムのかたち

    貌をき

    衣たるぞうせいしゅ

    造成主、しんせい

    神性にと

    富めるもの

    者は、まず

    貧しくなりたるアダムにみずか

    自ら

    えき

    役せんため

    爲にきた

    來り、しんせい

    神性をもっ

    以てくるしみ

    苦 にあずか

    與 らざるもの

    者はかれ

    彼のあがない

    贖 としてわ

    我がいのち

    生命をす

    捐てんため

    爲にきた

    れり。

    (詠)【イルモス】己の神聖なる命を以て渉られぬ、濤たつ海を涸らし、イズライリ民を導きて馮せ

    しめし主に歌はん、彼嚴に光榮を顯したればなり。

    第1歌頌お

    神聖なる

    めい

    命を

    わた

    渉られぬ、濤たつなみ

    海を

    か涸

    し、

    イズライリ民を導きてかちわたりさせし

    わん、

    彼厳かに光栄を 顕し給へ

    り。

    小連祷へ

  • 【小聯祷】

    輔祭 我等復又安和にして主に祷らん。 (詠) 主憐めよ。

    輔祭 神よ、爾の恩寵を以て我等を佑け救ひ憐み護れよ。 (詠) 主憐めよ。

    輔祭至聖至潔にして至りて讃美たる我等の光榮の女宰・生神女・永貞童女マリヤと、諸聖人とを記

    憶して、我等己の身及び互に各の身を以て、并に悉くの我等の生命を以て、ハリストス神に委託せ

    ん。 (詠) 主爾に

    司祭高声 蓋爾は平安の王、及び我が靈の救主なり、我等光榮を爾父と子と聖神に獻ず、今も何時

    も世世に。 (詠) 「アミン」

    【小讃詞】 第八調

    誦経 イアコフはイオシフをうしな

    亡ひてな

    哭けるに、こうとく

    高徳のもの

    者はくるま

    車にざ

    坐して、おう

    王のごと

    如くにうやま

    敬はれ

    たり、けだし

    蓋か

    彼のとき

    時エギペトのおんな

    婦のよく

    慾にふくえき

    服役せずして、ひと

    人のこころ

    心をし

    知りてふきゅう

    不朽のかんむり

    冠 をたま

    賜ふもの

    者よ

    りえい

    榮せられたり。

    同讃詞

    われら

    我等はいま

    今なげき

    唏になげき

    唏をくわ

    加へ、なみだ

    涙をなが

    流してイアコフととも

    偕にイオシフのため

    爲にな

    泣かん、かれ

    彼はつね

    常にきおく

    記憶

    すべきていけつ

    貞潔なるもの

    者なり、からだ

    體にてえき

    役せられ、たましい

    靈 をふくえき

    服役せざるもの

    者としてまも

    守り、つい

    遂にぜん

    全エギペ

    トをつかさど

    宰 るもの

    者とな

    爲れり、けだし

    蓋かみ

    神はその

    其しょぼく

    諸僕にふきゅう

    不朽のかんむり

    冠 をたま

    賜ふ。

    第八歌頌「イルモス」

    大く燃されたる烈しき火は敬虔なる少者の靈に合へる玷なき體に懼れて退けり、盛なる焔の衰へし時息

    めざる歌は歌はれたり、悉くの造物は手を歌ひて萬世に讃め揚げよ。

    我等の神よ、光榮は爾に歸す、光榮は爾に歸す。

    きゅうせいしゅ

    救世主はくるしみ

    苦 にゆ

    往くとき

    時その

    其とも

    友にい

    言ふ、も

    若しなんじ

    爾ら

    等われ

    我のいましめ

    誡 をまも

    守らば、その

    其とき

    時みな

    皆なんじ

    爾ら

    等がわれ

    我のもんと

    門徒た

    るをし

    知らん、なんじ

    爾ら

    等たがい

    互におよ

    及びしゅうじん

    衆人にわへい

    和平をたも

    有ち、また

    又けんぴ

    謙卑のおもい

    思をもっ

    以てたかき

    高にのぼ

    登れ、かつ

    且われ

    我のしゅ

    主な

    るをし

    識りて、うた

    歌ひてばんせい

    萬世にほ

    讃めあ

    揚げよ。

    我等の神よ、光榮は爾に歸す、光榮は爾に歸す。

  • けいてい

    兄弟のうち

    中にしゅ

    主たることはなんじ

    爾ら

    等にぞく

    属せざるいほう

    異邦のならい

    習にして、われ

    我のぶん

    分にあら

    非ず、われ

    我のしょかつ

    所轄はじゆう

    自由

    ののぞみ

    望なり、ゆえ

    故になんじ

    爾ら

    等のうち

    中たにん

    他人よりとうと

    尊からんとほっ

    欲するもの

    者はしゅうじん

    衆人のしも

    下たるべし、かつ

    且われ

    我のしゅ

    主な

    るをし

    識りて、うた

    歌ひてばんせい

    萬世にほ

    讃めあ

    揚げよ。

    (詠)我等主を讃め、崇め、伏し拜みて、世世に歌ひ讃めん。

    「イルモス」大く燃されたる烈しき火は敬虔なる少者の靈に合へる玷なき體に懼れて退けり、盛なる

    焔の衰へし時息めざる歌は歌はれたり、悉くの造物は手を歌ひて萬世に讃め揚げよ。

    第九歌頌。「イルモス」

    ハリストスよ、爾を生みし生神女を爾大なる者と爲せり、蓋吾が造物主よ、爾は我等の罪過を贖はん爲に、我

    等と均しき肉體を彼より取り給へり、我等萬族彼を讃美して、爾を崇め讃む。

    我等の神よ、光榮は爾に歸す、光榮は爾に歸す。

    ばんゆう

    萬有のえいち

    睿智よ、なんじ

    爾はしと

    使徒ら

    等によげん

    預言してい

    曰へり、しょよく

    諸慾のけがれ

    汚をことごと

    悉 くす

    棄てて、かみ

    神のくに

    國にかな

    適ふえいめい

    睿明

    のちしき

    知識をう

    受けよ、しか

    然らばなんじ

    爾ら

    等こ

    此のくに

    國のうち

    内にこうえい

    光榮をえ

    獲て、ひ

    日よりもかがや

    輝かん。

    あが

    我等主を崇め讃め伏し拝みてほ ふ おが

    めん。

    いた

    第8歌頌イルモス く

    燃やされたる

    はげ

    烈しき

    しょうしゃ かな

    敬虔なる少者の礼に合う きずなき体に懼れておそれ

    退

    り。

    盛んなる ほのほの衰え

    き、

    息めざる歌は歌わ

    り。

    ことごと

    悉くの造物

    よ。

  • 光榮は父と子と聖神に歸す、今も何時も世世に、「アミン」。

    しゅ

    主よ、なんじ

    爾はもんと

    門徒にい

    言へり、われ

    我をみ

    見て、おもい

    思をたか

    高きには

    騖するなか

    勿れ、すなわち

    乃けんぴ

    謙卑にしたが

    順へ、わ

    我がの

    飲む

    ところ

    所のさかずき

    爵 は、なんじ

    爾ら

    等これ

    之をの

    飲め、しか

    然せばわれ

    我ととも

    偕にちち

    父のくに

    國にあ

    在りてこうえい

    光榮をえ

    獲ん。

    (詠)「イルモス」ハリストスよ、爾を生みし生神女を爾大なる者と爲せり、蓋吾が造物主よ、爾は我

    等の罪過を贖はん爲に、我等と均しき肉體を彼より取り給へり、我等萬族彼を讃美して、爾を崇め讃む。

    【小聯祷】

    輔祭 我等復又安和にして主に祷らん。 (詠) 主憐めよ。

    輔祭 神よ、爾の恩寵を以て我等を佑け救ひ憐み護れよ。 (詠) 主憐めよ。

    輔祭至聖至潔にして至りて讃美たる我等の光榮の女宰・生神女・永貞童女マリヤと、諸聖人とを記

    憶して、我等己の身及び互に各の身を以て、并に悉くの我等の生命を以て、ハリストス神に委託せ

    ん。 (詠) 主爾に

    司祭高声 蓋爾は平安の王、及び我が靈の救主なり、我等光榮を爾父と子と聖神に獻ず、今も何時

    も世世に。 (詠) 「アミン」

  • ◆かみ

    神をその

    其せいしょ

    聖所にほ

    讃めあ

    揚げよ、かれ

    彼をその

    其ゆうりょく

    有力のおおぞら

    穹蒼にほ

    讃めあ

    揚げよ。

    自調の讃頌 第一調

    句 その

    其けんのう

    權能によ

    依りてかれ

    彼をほ

    讃めあ

    揚げよ、その

    其いと

    至おごそか

    嚴 なるによ

    依りてかれ

    彼をほ

    讃めあ

    揚げよ。

    しゅ

    主はじゆう

    自由のくるしみ

    苦 にゆ

    往くとき

    時、とちゅう

    途中しと

    使徒ら

    等にい

    謂へり、み

    視よ、われら

    我等イエルサリムにのぼ

    上る、ひと

    人のこ

    子は

    わた

    付されん、かれ

    彼をさ

    指してしる

    録されしがごと

    如しと。きた

    來りて、われら

    我等もきよ

    潔められたるおもい

    思をもっ

    以てかれ

    彼ととも

    偕にゆ

    き、とも

    偕にじゅうじか

    十字架にてい

    釘せられ、かれ

    彼のため

    爲にせじょう

    世上のいつらく

    逸樂にし

    死なん、しか

    然らばわれら

    我等かれ

    彼ととも

    偕にまた

    復い

    活きて、

    かれ

    彼のよ

    呼ぶをき

    聞かん、われ

    我すで

    既にくるしみ

    苦 をう

    受けんため

    爲にちじょう

    地上のイエルサリムにのぼ

    上るにあら

    非ず、すなわち

    乃わ

    我がちち

    およ

    及びなんじ

    爾ら

    等のちち

    父、わ

    我がかみ

    神およ

    及びなんじ

    爾ら

    等のかみ

    神にのぼ

    升り、なんじ

    爾ら

    等をもとも

    偕にてんじょう

    天上のイエルサリム、てん

    天のくに

    にあ

    擧げん。

    第五調

    句 ラッパ

    角のこえ

    聲をもっ

    以てかれ

    彼をほ

    讃めあ

    揚げよ、きん

    琴としつ

    瑟とをもっ

    以てかれ

    彼をほ

    讃めあ

    揚げよ。

    しんじゃ

    信者よ、われら

    我等ハリストスかみ

    神のすくい

    救をほどこ

    施すくるしみ

    苦 にいた

    至りて、かれ

    彼のい

    言ひがた

    難きにんたい

    忍耐をさんえい

    讃榮せん、かれ

    彼が

    しぜん

    至善にしてひと

    人をあい

    愛するしゅ

    主なるによ

    因りて、その

    其じれん

    慈憐をもっ

    以てつみ

    罪にころ

    殺されたるわれら

    我等をもとも

    偕におこ

    起さんため

    なり。

    我が

    # よ、

    我爾の飾りたる宮を 見

    も、

    之に入るらん為に衣を

    ころも

    #ず、

    光を ほどこす

    #の

    よ、

    たましい

    我が霊の衣をころも

    #て、

    #え。

  • 光榮は父と子と聖神に歸す、今も何時も世世に、「アミン」。

    しゅ

    主よ、なんじ

    爾くるしみ

    苦 にゆ

    往くとき

    時なんじ

    爾のもんと

    門徒をかた

    堅め、ひとり

    獨かれら

    彼等をまね

    招きてい

    曰へり、なん

    何ぞわ

    我がさき

    前になんじ

    爾ら

    等にい

    ひしわれ

    我のことば

    言をきねん

    記念せざる、およ

    凡そよげんしゃ

    預言者がイエルサリムのうち

    中にあら

    非ずしてころ

    殺さるることはしる

    録せ

    るなし、いま

    今やわ

    我がなんじ

    爾ら

    等にい

    言ひしとき

    時いた

    屆れり。けだし

    蓋み

    視よ、われ

    我ざいにん

    罪人ら

    等のて

    手にわた

    付されてはずか

    辱しめられ

    ん、かれら

    彼等われ

    我をじゅうじか

    十字架にてい

    釘し、ほうむり

    瘞 にわた

    付し、ししゃ

    死者のごと

    如くにく

    悪むべきもの

    者とせん、しか

    然れどもいさ

    勇めよ、

    けだし

    蓋われ

    我だいさんじつ

    第三日にお

    起きて、しんじゃ

    信者のよろこび

    喜かつ

    且えいせい

    永生とな

    爲らん。

    ◆挿句の讃頌 第五調

    しゅ

    主よ、ゼワェデイのこ

    子のはは

    母はなんじ

    爾がていせい

    定制のい

    言ひがた

    難きおうぎ

    奥義にた

    堪へずして、なんじ

    爾にむか

    向ひてその

    其にし

    二子に

    げんせい

    現世のくに

    國のそんき

    尊貴をたま

    賜はんことをもと

    求めたり、しか

    然れどもなんじ

    爾はこれ

    此にか

    代へて、なんじ

    爾のとも

    友にし

    死のさかずき

    爵 を

    飲まんことをやく

    約せり、かれら

    彼等にさき

    先だちてなんじ

    爾みずか

    自らこ

    此のさかずき

    爵 をしょざい

    諸罪のきよめ

    潔としての

    飲まんとい

    言へり、

    ゆえ

    故にわれら

    我等なんじ

    爾によ

    籲ぶ、わ

    我がたましい

    靈 のすくい

    救よ、こうえい

    光榮はなんじ

    爾にき

    歸す。

    句 しゅ

    主よ、つと

    夙になんじ

    爾のあわれみ

    憐 をもっ

    以てわれら

    我等にあ

    飽かしめよ、しか

    然せばわれら

    我等しょうがい

    生涯よろこ

    歡びたの

    樂しまん。なんじ

    爾われら

    我等

    をう

    撲ちしひ

    日、われら

    我等がわざわい

    禍 にあ

    遭ひしとし

    年にか

    代へて、われら

    我等をたの

    樂しましめたま

    給へ。ねが

    願はくはなんじ

    爾のわざ

    工作は

    なんじ

    爾のしょぼく

    諸僕にあらわ

    著れ、なんじ

    爾のこうえい

    光榮はその

    其しょし

    諸子にあらわ

    著れん。

    しゅ

    主よ、なんじ

    爾 はもんと

    門徒にいと

    最かんぜん

    完全なること

    事をはか

    謀るべきをおし

    教へて、しも

    下なるもの

    者のうえ

    上にけん

    權をと

    執ることにおい

    於て

    いほうみん

    異邦民になら

    效ふべからざるをい

    云へり、なんじ

    爾ら

    等われ

    我のもんと

    門徒におい

    於てはか

    斯くあるべ

    可からず、けだし

    蓋われ

    我はあま

    甘ん

    じてまず

    貧しきもの

    者とな

    爲れり、なんじ

    爾ら

    等のうち

    中にかしら

    首 たるもの

    者はしゅうじん

    衆人のぼく

    僕とな

    爲るべし、つかさど

    司 るもの

    者はつかさど

    司 ら

    るるもの

    者のごと

    如く、とうと

    尊きもの

    者はひく

    卑きもの

    者のごと

    如くなるべし、けだし

    蓋われ

    我みずか

    親らまず

    貧しくなりたるアダムにえき

    役し

    て、わ

    我がいのち

    命をあた

    與へて、こうえい

    光榮はなんじ

    爾にき

    歸すとわれ

    我によ

    呼ぶおお

    衆くのもの

    者のあがない

    贖 をな

    爲さんため

    爲にきた

    來れり。

  • 句 ねが

    願はくはしゅ

    主わ

    吾がかみ

    神のめぐみ

    恵はわれら

    我等にあ

    在らん、ねが

    願はくはわ

    我がて

    手のわざ

    工作をわれら

    我等にたす

    助けたま

    給へ、わ

    我が

    手のわざ

    工作をたす

    助けたま

    給へ。

    第八調

    けいてい

    兄弟よ、み

    果をむす

    結ばざるによ

    因りてか

    枯れたるいちじく

    無花果樹のこらし

    懲戒をおそ

    懼れて、われら

    我等かいかい

    悔改にかな

    合ふみ

    果をむす

    結び

    て、われら

    我等におおい

    大なるあわれみ

    憐 をたま

    賜ふハリストスにたてまつ

    獻 らん。

    こうえい

    光榮はちち

    父とこ

    子とせいしん

    聖神にき

    歸す、いま

    今もいつ

    何時もよよ

    世世に、「アミン」。

    へび

    蛇はだいに

    第二のエワとしてエギペトのおんな

    婦 をえ

    獲てへつらい

    諛 のことば

    言 をもっ

    以てイオシフをつまづ

    跌 かしめんとつと

    務め

    たり、しか

    然れどもかれ

    彼はころも

    衣をのこ

    遺してつみ

    罪をさ

    避け、らたい

    裸體にしては

    耻ぢざりき、はじめ

    始につく

    造られたるひと

    人のいはん

    違反

    のさき

    前のごと

    如し、ハリストスよ、かれ

    彼のきとう

    祈祷によ

    因りてわれら

    我等をあわれ

    憐みたま

    給へ。

    一時課、三時課共通

    ◆小讃詞 第八調

    イアコフはイオシフをうしな

    亡ひてな

    哭けるに、こうとく

    高徳のもの

    者はくるま

    車にざ

    坐して、おう

    王のごと

    如くにうやま

    敬はれたり、

    けだし

    蓋か

    彼のとき

    時エギペトのおんな

    婦 のよく

    慾にふくえき

    服役せずして、ひと

    人のこころ

    心をし

    知りてふきゅう

    不朽のかんむり

    冠 をたま

    賜ふもの

    者よりえい

    せられたり。

    六時課

    ◆預言の讃詞、第六調。

    せかい

    世界のきゅうしゅ

    救主よ、われら

    我等いた

    傷めるたましい

    靈 をもっ

    以てなんじ

    爾にふくはい

    伏拜して、なんじ

    爾にいの

    祈る、けだし

    蓋なんじ

    爾はつうかい

    痛悔するもの

    者のかみ

    なり。

    司祭 つつし

    謹みてき

    聽くべし。

    誦經 ポロキメン、 (第四調。第百二十五聖詠)

  • しゅ

    主はシオンのとりこ

    擄をかえ

    返せり。(詠) しゅ

    主はシオンのとりこ

    擄をかえ

    返せり。

    誦經(句) その

    其とき

    時われら

    我等のくち

    口はたのしみ

    樂 にてみ

    滿ちたり。(詠) しゅ

    主はシオンのとりこ

    擄をかえ

    返せり。

    誦經 しゅ

    主はシオンのとりこ

    擄を (詠) かえ

    返せり。

    司祭 睿智。

    誦經 イエゼキイリのよげんしょ

    預言書のよみ

    讀。 一章一至二十節

    司祭 つつし

    謹みてき

    聽くべし。

    誦經 だいさんじゅうねん

    第三十年しがつ

    四月のいつか

    五日に、われ

    我ホワルがわ

    河のほとり

    邊に、とりこ

    俘擄のうち

    中にあ

    在りしとき

    時、てん

    天ひら

    開けて、われ

    我かみ

    のいしょう

    異象をみ

    見たり。イオアキムおう

    王のとりこ

    擄にせられしよりだいごねん

    第五年のその

    其つき

    月のいつか

    五日に、ハルデヤじん

    人のち

    に、ホワルがわ

    河のほとり

    邊におい

    於て、しゅ

    主のことば

    言はワゥジヤのこ

    子しさい

    司祭イエゼキイリにのぞ

    臨めり、しゅ

    主のて

    手かしこ

    彼處

    にかれ

    彼のうえ

    上にあ

    在りき、われ

    我み

    見しに、み

    視よ、はげ

    烈しきかぜ

    風きた

    北よりきた

    來れるに、おおい

    大なるくも

    雲およ

    及びも

    燃ゆるひ

    火のたま

    あり、こうみょう

    光明これ

    之をめぐ

    環れり、その

    其うち

    中よりして、ひ

    火のうち

    中よりはっ

    發するところ

    所のと

    鎔かしたるかね

    金のひかり

    光のごと

    如きもの

    出でたり、また

    又その

    其うち

    中よりよつ

    四のいきもの

    生物のかたち

    式み

    見えたり、その

    其さま

    状か

    是くのごと

    如し、かれら

    彼等のかたち

    象はひと

    人にに

    似たり、

    おのおの

    各よつ

    四のおもて

    面あり、おのおの

    各よつ

    四のつばさ

    翼あり、その

    其あし

    足はすぐ

    直なるあし

    足、その

    其あし

    足のうら

    跖はこうし

    犢 のあし

    足のうら

    跖のごと

    如くにし

    て、みが

    磨けるあかがね

    銅 のごと

    如くひか

    光れり、その

    其つばさ

    翼はかろ

    輕し。つばさ

    翼のした

    下に、その

    其のしぼう

    四旁に、ひと

    人のて

    手あり、こ

    斯のよつ

    のもの

    者にはみな

    皆おもて

    面あり、つばさ

    翼あり、その

    其つばさ

    翼はたがい

    互いにあい

    相つらな

    連れり、その

    其ゆ

    往くとき

    時まわ

    轉らずして、おのおの

    各その

    其おもて

    のむか

    向ふところ

    所にゆ

    往けり。その

    其おもて

    面のかたち

    式は、よつ

    四のもの

    者みな

    皆みぎ

    右のかたわら

    旁 にはひと

    人のおもて

    面およ

    及びしし

    獅のおもて

    面あり、ひだり

    左の

    かたわら

    旁 にはよつ

    四のもの

    者みな

    皆うし

    牛のおもて

    面あり、また

    亦よつ

    四のもの

    者みな

    皆わし

    鷲のおもて

    面あり。その

    其おもて

    面とその

    其つばさ

    翼とは、うえ

    上におい

    於てわか

    分れ、

    おのおの

    各ふたつ

    二のつばさ

    翼たがい

    互いにあい

    相つらな

    連り、ふたつ

    二はその

    其み

    身をおお

    蔽へり。かれら

    彼等おのおの

    各その

    其おもて

    面のむか

    向ふところ

    所にゆ

    往き、しん

    神のほっ

    受難週 月曜日:(4調)シオンの虜を

    え せ

  • するところ

    所には、かれら

    彼等かしこ

    彼處にゆ

    往けり、その

    其ゆ

    往くとき

    時まわ

    轉らざりき。その

    其いきもの

    生物のさま

    状はや

    爇くるすみ

    炭のごと

    如く、も

    燃ゆ

    るともしび

    燈 のごと

    如し、ひ

    火はいきもの

    生物のあいだ

    間 にゆき

    往かえり

    返し、ひ

    火かがや

    輝 きて、その

    其うち

    中よりいなずま

    電い

    出でたり。いきもの

    生物はは

    馳せ

    てゆき

    往き

    來す、いなずま

    電 のひらめ

    閃くがごと

    如し。われ

    我いきもの

    生物をみ

    見しに、み

    視よ、ちじょう

    地上に、いきもの

    生物のかたわら

    旁 に、その

    其よつ

    四のおもて

    のまえ

    前に、おのおの

    各ひとつ

    一のわ

    輪あり、その

    其わ

    輪のさま

    状がらみな

    皆あまね

    徧くめ

    目あり。いきもの

    生物のゆ

    行くとき

    時は、わ

    輪その

    其かたわら

    旁 にゆ

    行き、

    いきもの

    生物ち

    地よりあが

    擧るとき

    時は、わ

    輪もまた

    亦あが

    擧れり。しん

    神のゆ

    往かんとほっ

    欲するところ

    所には、かれら

    彼等もかしこ

    彼にゆ

    往けり、しん

    いずれ

    何にゆ

    往くとも、わ

    輪もかれら

    彼等にならび

    並びてあが

    擧れり、けだし

    蓋いきもの

    生物のしん

    神はわ

    輪のうち

    中にあ

    在りき。

    司祭 つつし

    謹みてき

    聽くべし。

    誦經 ポロキメン(第四調 第百二十六聖詠)

    若ししゅ

    主いえ

    家をつく

    造らずば、つく

    造るもの

    者いたづら

    徒 にろう

    勞す。(詠) も

    若ししゅ

    主いえ

    家をつく

    造らずば、つく

    造るもの

    者いたづら

    徒 にろう

    勞す。

    (句) も

    若ししゅ

    主しろ

    城をまも

    守らずば、まも

    守るもの

    者いたづら

    徒 にけいせい

    儆醒す。(詠) 繰り返す

    誦經 も

    若ししゅ

    主いえ

    家をつく

    造らずば、 (詠) つく

    造るもの

    者いたづら

    徒 にろう

    勞す。

    嗣ぎて司祭四福音經中の某章を讀む。

    六時課、九時課共通

    ◆小讃詞 第八調

    イアコフはイオシフをうしな

    亡ひてな

    哭けるに、こうとく

    高徳のもの

    者はくるま

    車にざ

    坐して、おう

    王のごと

    如くにうやま

    敬はれたり、

    けだし

    蓋か

    彼のとき

    時エギペトのおんな

    婦 のよく

    慾にふくえき

    服役せずして、ひと

    人のこころ

    心をし

    知りてふきゅう

    不朽のかんむり

    冠 をたま

    賜ふもの

    者よりえい

    せられたり。

    若し主家を 造ら

    造るもの

    いたずら

    労 す

  • 晩 課

    ◆「主や爾によぶ」を一調で歌う

    誦経 しゅ

    主よ、わ

    我がくち

    口にまもり

    衞 をお

    置き、わ

    我がくちびる

    唇 のもん

    門をふせ

    扞ぎたま

    給へ、わ

    我がこころ

    心 によこしま

    邪 な

    ることば

    言 にかたぶ

    傾 きて、ふほう

    不法をおこな

    行 ふひと

    人ととも

    共に、つみ

    罪のいいわけ

    推諉せしむるなか

    毋れ、ねが

    願はくはわれ

    我は

    かれ

    彼らのあまみ

    甘味をな

    嘗めざらん。

    ぎじん

    義人はわれ

    我をばっ

    罰すべし、こ

    是れきょうじつ

    矜恤なり、われ

    我をせ

    譴むべし、こ

    是れい

    極とうるわ

    美 しきあぶら

    膏わ

    我が

    こうべ

    首 をなやま

    悩 すあた

    能はざるもの

    者なり、ただ

    唯わ

    我がいのり

    祷 はかれら

    彼等のあくじ

    惡事にてき

    敵す。かれら

    彼等のしゅちょう

    首長 は

    いわお

    巌石のあいだ

    間 にさん

    散じ、わ

    我がことば

    言 のにゅうわ

    柔和なるをきき

    聽く。われら

    我等をつち

    土のごと

    如くき

    斫りくだ

    碎き、わ

    我が

  • ほね

    骨はじごく

    地獄のくち

    口にち

    散りてお

    落つ。しゅ

    主よ、しゅ

    主よ、ただ

    唯わ

    我がめ

    目はなんじ

    爾 をあお

    仰ぎ、われ

    我なんじ

    爾 をたの

    恃む、

    我がたましい

    靈 をしりぞ

    退 くるなか

    毋れ。わ

    我がため

    爲にもう

    設けられしわな

    弶、ふほう

    不法しゃ

    者のあみ

    羅よりわれ

    我をまも

    護りたま

    へ。ふけんしゃ

    不虔者はおのれ

    己 のあみ

    網にかか

    羅り、ただ

    唯われ

    我はす

    過ぐるをえ

    得ん。

    句 わ

    我がたましい

    靈 をひとや

    獄よりひ

    引きいだ

    出して、われ

    我になんじ

    爾のな

    名をさんえい

    讃榮せしめたま

    給へ。

    しゅ

    主はじゆう

    自由のくるしみ

    苦 にゆ

    往くとき

    時、とちゅう

    途中しと

    使徒ら

    等にい

    謂へり、み

    視よ、われら

    我等イエルサリムにのぼ

    上る、ひと

    人のこ

    子は

    わた

    付されん、かれ

    彼をさ

    指してしる

    録されしがごと

    如しと。きた

    來りて、われら

    我等もきよ

    潔められたるおもい

    思 をもっ

    以てかれ

    彼ととも

    偕に

    行き、とも

    偕にじゅうじか

    十字架にてい

    釘せられ、かれ

    彼のため

    爲にせじょう

    世上のいつらく

    逸樂にし

    死なん、しか

    然らばわれら

    我等かれ

    彼ととも

    偕にまた

    復い

    活きて、

    かれ

    彼のよ

    呼ぶをき

    聞かん、われ

    我すで

    既にくるしみ

    苦 をう

    受けんため

    爲にちじょう

    地上のイエルサリムにのぼ

    上るにあら

    非ず、すなわち

    乃わ

    我がちち

    およ

    及びなんじ

    爾ら

    等のちち

    父、わ

    我がかみ

    神およ

    及びなんじ

    爾ら

    等のかみ

    神にのぼ

    升り、なんじ

    爾ら

    等をもとも

    偕にてんじょう

    天上のイエルサリム、てん

    天のくに

    にあ

    擧げん。

    第五調

    句 なんじ

    爾おん

    恩をわれ

    我にたま

    賜はんとき

    時、ぎじん

    義人はわれ

    我をめぐ

    環らん。

    しんじゃ

    信者よ、われら

    我等ハリストスかみ

    神のすくい

    救をほどこ

    施すくるしみ

    苦 にいた

    至りて、かれ

    彼のい

    言ひがた

    難きにんたい

    忍耐をさんえい

    讃榮せん、かれ

    彼が

    しぜん

    至善にしてひと

    人をあい

    愛するしゅ

    主なるによ

    因りて、その

    其じれん

    慈憐をもっ

    以てつみ

    罪にころ

    殺されたるわれら

    我等をもとも

    偕におこ

    起さんため

    なり。

    句 しゅ

    主よ、われ

    我ふか

    深きところ

    處よりなんじ

    爾によ

    呼ぶ。しゅ

    主よ、わ

    我がこえ

    聲をき

    聽きたま

    給へ。

    しゅ

    主よ、なんじ

    爾くるしみ

    苦 にゆ

    往くとき

    時なんじ

    爾のもんと

    門徒をかた

    堅め、ひとり

    獨かれら

    彼等をまね

    招きてい

    曰へり、なん

    何ぞわ

    我がさき

    前になんじ

    爾ら

    等にい

    言ひ

    しわれ

    我のことば

    言 をきねん

    記念せざる、およ

    凡そよげんしゃ

    預言者がイエルサリムのうち

    中にあら

    非ずしてころ

    殺さるることはしる

    録せる

    なし、いま

    今やわ

    我がなんじ

    爾ら

    等にい

    言ひしとき

    時いた

    届れり、けだし

    蓋み

    視よ、われ

    我ざいにん

    罪人ら

    等のて

    手にわた

    付されてはずか

    辱しめられん、

  • かれら

    彼等われ

    我をじゅうじか

    十字架にてい

    釘し、ほうむり

    瘞 にわた

    付し、ししゃ

    死者のごと

    如くにく

    悪むべきもの

    者とせん、しか

    然れどもいさ

    勇めよ、けだし

    蓋われ

    だいさんじつ

    第三日にお

    起きて、しんじゃ

    信者のよろこび

    喜かつ

    且えいせい

    永生とな

    爲らん。

    句 ねが

    願はくはなんじ

    爾のみみ

    耳はわ

    我がいのり

    祷のこえ

    聲をき

    聽きい

    納れん。

    しゅ

    主よ、ゼワェデイのこ

    子のはは

    母はなんじ

    爾がていせい

    定制のい

    言ひがた

    難きおうぎ

    奥義にた

    堪へずして、なんじ

    爾にむか

    向ひて、その

    其にし

    二子

    にげんせい

    現世のくに

    國のそんき

    尊貴をたま

    賜はんことをもと

    求めたり、しか

    然れどもなんじ

    爾はこれ

    此にか

    代へて、なんじ

    爾のとも

    友にし

    死のさかずき

    をの

    飲まんことをやく

    約せり、かれら

    彼等にさき

    先だちてなんじ

    爾みずか

    自 らこ

    此のさかずき

    爵 をしょざい

    諸罪のきよめ

    潔としての

    飲まんとい

    言へ

    り、ゆえ

    故にわれら

    我等なんじ

    爾によ

    籲ぶ、わ

    我がたましい

    靈 のすくい

    救よ、こうえい

    光榮はなんじ

    爾にき

    歸す。

    句 ばんみん

    萬民よ、しゅ

    主をほ

    讃めあ

    揚げよ、ばんぞく

    萬族よ、かれ

    彼をあが

    崇めほ

    讃めよ。

    しゅ

    主よ、なんじ

    爾はもんと

    門徒に、いと

    最かんぜん

    完全なること

    事をはか

    謀るべきをおし

    教へて、しも

    下なるもの

    者のうえ

    上にけん

    權をと

    執ることにおい

    於て

    いほうみん

    異邦民になら

    效ふべからざるをい

    云へり、なんじ

    爾ら

    等われ

    我のもんと

    門徒におい

    於てはか

    斯くあるべ

    可からず、けだし

    蓋われ

    我はあま

    甘ん

    じてまず

    貧しきもの

    者とな

    爲れり、なんじ

    爾ら

    等のうち

    中にかしら

    首 たるもの

    者はしゅうじん

    衆人 のぼく

    僕とな

    爲るべし、つかさど

    司 るもの

    者はつかさど

    司 ら

    るるもの

    者のごと

    如く、とうと

    尊きもの

    者はひく

    卑きもの

    者のごと

    如くなるべし、けだし

    蓋われ

    我みずか

    親らまず

    貧しくなりたるアダムにえき

    役し

    て、わ

    我がいのち

    命をあた

    與へて、こうえい

    光榮はなんじ

    爾にき

    歸すとわれ

    我によ

    呼ぶおお

    衆くのもの

    者のあがない

    贖 をな

    爲さんため

    爲にきた

    來れり。

    第八調

    句 けだし

    蓋かれ

    彼がわれら

    我等にほどこ

    施すあわれみ

    憐 はおおい

    大なり、しゅ

    主のしんじつ

    眞實はなが

    永くそん

    存す。

    けいてい

    兄弟よ、み

    果をむす

    結ばざるによ

    因りてか

    枯れたるいちじく

    無花果樹のこらし

    懲戒をおそ

    懼れて、われら

    我等かいかい

    悔改にかな

    合ふみ

    果をむす

    結び

    て、われら

    我等におおい

    大なるあわれみ

    憐 をたま

    賜ふハリストスにたてまつ

    獻ら ん。

    光榮は父と子と聖神に歸す、今も何時も世世に、「アミン」。

    蛇は第二のエワとしてエギペトの婦を獲て、諛の言を以てイオシフを跌かしめんと務めたり、然れども彼は衣

    を遺して罪を避け、裸體にして耻ぢざりき、始に造られたる人の違反の前の如し、ハリストスよ、彼の祈祷に

    因りて我等を憐み給へ。

  • <戻る 聖にして福たる>

    輔祭 謹みて聽くべし。

    司祭 衆人に平安。

    輔祭 睿智、謹みて聽くべし。

    誦經 ポロキメン、(第六調 第百二十七聖詠)

    しゅ

    主はシオンよりなんじ

    爾にこうふく

    降福せん、なんじ

    爾ざいせい

    在世のしょじつ

    諸日イエルサリムのあんねい

    安寧をみ

    視ん。(詠)繰り返す

    誦經(句) およ

    凡そしゅ

    主をおそ

    畏れてその

    其みち

    途をゆ

    行くもの

    者はさいわい

    福 なり。(詠)繰り返す

    誦経 しゅ

    主はシオンよりなんじ

    爾にこうふく

    降福せん、(詠) なんじ

    爾ざいせい

    在世のしょじつ

    諸日イエルサリムのあんねい

    安寧をみ

    視ん。

    輔祭 えいち

    睿智。

    月曜日光

    栄は父と子と聖神に帰す、

    いま

    いつ

    世-

    --

    ミン

    1.

    びは第2の エ

    ヴァ

    て、

    2.エギペトの 女を

    て、

    3.へ

    らいの言を以てイオシフを躓かしめんと

    た-

    り。

    1. 然れども彼は衣を残して 罪を

    け、

    2. 裸体にて

    き、

    3.始めに作られたる日との 違反の

    し、

    終結 ハリストス

    よ、

    彼の祈祷に因りて我等を憐れみ

    え。

    聖大月 晩1 (6調) 主はシオンより

    降 -

    福せん、

    爾在世の諸日、イズライリの

    見ん

  • 誦經 エギペトをい

    出づるき

    記のよみ

    讀。 一章一至二十節

    輔祭 つつし

    謹みてき

    聽くべし。

    誦經誦す、

    イズライリのしょし

    諸子、その

    其ちち

    父イアコフととも

    偕にエギペトにい

    入りしもの

    者のな

    名はさ

    左のごと

    如し、おのおの

    各その

    其ぜんか

    全家と

    とも

    偕にい

    入りたり、ルワィム、シメオン、レワィイ、イウダ、イッサハル、ザワゥロン、ワェア

    ミン、ダン、ネファリム、ガド、アシルなり。イオシフはすで

    既にエギペトにあ

    在りき。イアコフ

    よりい

    出でたるもの

    者はすべ

    總てしちじゅうご

    七十五にん

    人なり。イオシフと、その

    其しょ

    諸けいてい

    兄弟と、その

    當よ

    世のひと

    人とみな

    皆し

    死せり、イズ

    ライリのしょし

    諸子はおお

    饒くこ

    子をう

    生み、いよいよ

    愈ま

    増し、いよいよ

    愈ふ

    殖え、はなはだ

    太甚しくつよ

    強くなりて、その

    其ち

    地にみ

    充つるに

    いた

    至れり。ここ

    茲にイオシフのこと

    事をし

    知らざるあたら

    新しきおう

    王エギペトにおこ

    起れり、かれ

    彼その

    其たみ

    民にい

    謂へり、み

    視よ、

    イズライリのしょし

    諸子のぞく

    族はたすう

    多數にして、われら

    我等よりもつよ

    強し、きた

    來れ、われら

    我等たくみ

    巧なるはかりごと

    計 をもっ

    以てかれら

    彼等

    をあしら

    待はん、おそ

    恐らくはかれら

    彼等ますます

    益おお

    多くなり、せんそう

    戰争のおこ

    興ることあるとき

    時は、われら

    我等のてき

    敵にくみ

    與し、われら

    我等に

    勝ちて、こ

    此のち

    地よりい

    出でんと。すなわち

    乃えき

    役をつかさど

    督 るもの

    者をかれら

    彼等のうえ

    上にた

    立てて、おも

    重きえき

    役をもっ

    以てかれら

    彼等を

    つか

    疲らせたり。かれら

    彼等はファラオンのため

    爲にけんご

    堅固なるまち

    邑ピフォ、ラメッシ、およ

    及びヲン、すなわち

    即 エリオ

    ポリをた

    建てたり。しか

    然れどもいよいよ

    愈かれら

    彼等をせ

    窘むるにしたが

    随ひて、かれら

    彼等いよいよ

    愈ま

    増し、いよいよ

    愈つよ

    強くなりて、

    エギペトじん

    人イズライリのしょし

    諸子をおそ

    懼るるにいた

    至れり。ゆえ

    故にエギペトじん

    人はきび

    嚴しくイズライリのしょし

    諸子

    をろうどう

    勞動せしめ、どろこね

    和泥、かわらつくり

    作甎 のくえき

    苦役、たはた

    田圃のもろもろ

    諸 のこうさく

    工作、およ

    凡そむご

    酷くかれら

    彼等にな

    爲さしむるりょくえき

    力役を

    もっ

    以てかれら

    彼等のどせい

    度生をくる

    苦しくせり。 また

    又エギペトおう

    王はエウレイのさんば

    産婆にい

    謂へり、その

    其ひとり

    一のな

    名はセプ

    フォラ、ひとり

    一のな

    名はフアなり、これ

    之にい

    謂へり、なんじ

    爾ら

    等エウレイのおんな

    婦女のため

    爲にとりあげ

    収生をな

    爲すとき

    時は、その

    さん

    産をみ

    見て、も

    若しなんし

    男子ならばこれ

    之をころ

    殺せ、にょし

    女子ならばこれ

    之をそん

    存せよ。しか

    然れどもさんば

    産婆はかみ

    神をおそ

    畏れ、エ

    ギペトおう

    王のかれら

    彼等にめい

    命ぜしごと

    如くな

    爲さずして、なんし

    男子をそん

    存せり。エギペトおう

    王さんば

    産婆をめ

    召してかれら

    彼等にい

  • えり、なんじ

    爾ら

    等なん

    何ぞこ

    此のこと

    事をな

    爲して、なんし

    男子をそん

    存する。さんば

    産婆ファラオンにい

    謂えり、エウレイのおんな

    はエギペトのおんな

    婦のごと

    如くならず、かれら

    彼等すこやか

    健 にして、さんば

    産婆のかれら

    彼等にい

    入らざるさき

    先にう

    産みおわ

    畢るなり。

    これ

    此によ

    縁りてかみ

    神はさんば

    産婆におん

    恩をほどこ

    施せり、しこう

    而してたみ

    民いよいよ

    愈ま

    増してはなはだ

    甚つよ

    強くなれり。

    輔祭 謹みて聽くべし。

    誦經 ポロキメン、(第六調。 第百二十八聖詠)

    われら

    我等しゅ

    主のな

    名をもっ

    以てなんじ

    爾ら

    等をしゅくふく

    祝福す。(詠)繰り返す

    (句)わ

    我がいとけな

    幼 きとき

    時よりかれら

    彼等おお

    多くわれ

    我をせ

    攻めたり。(詠)繰り返す

    誦經 われら

    我等しゅ

    主のな

    名をもっ

    以て、(詠) なんじ

    爾ら

    等をしゅくふく

    祝福す。

    其後輔祭高降にして曰く、

    めい

    命ぜよ。

    司祭兩手に香爐及び火を點じたる燭を執り、聖寶座の前に立ち、

    東に嚮ひて、聖號を畫して曰く、

    睿智、肅みて立て。

    嗣ぎて西に轉じて、衆に向ひて曰く、

    ハリストスのひかり

    光はしゅうじん

    衆人をてら

    照す。

    誦經 イオフ書の讀。 一章一至十二節

    輔祭 謹みて聽くべし。

    誦經、アウシティディヤのち

    地にな

    名はイオフとい

    云うもの

    者ありき、その

    其のひと

    人むてん

    無玷、こうぎ

    公義、とくじつ

    篤實、けいけん

    敬虔

    にして、およ

    凡そのあく

    悪にとお

    遠ざかれり。その

    其う

    生めるもの

    者はなんし

    男子しちにん

    七人、にょし

    女子さんにん

    三人、その

    其かちく

    家畜はひつじ

    羊しちせん

    七千、らくだ

    駱駝

    さんぜん

    三千、うし

    牛ごひゃく

    五百ぐう

    耦、めろば

    牝驢馬ごひゃく

    五百、その

    其ぼくじゅう

    僕從はなはだ

    甚おお

    多し、ちじょう

    地上におおい

    大なるぎょう

    業をな

    爲せり、こ

    此のひと

    人はひがし

    のうち

    中にいと

    最おおい

    大なるもの

    者たりき。その

    其なんし

    男子はおのおの

    各おのれ

    己のいえ

    家にじゅんじ

    順次ふるまい

    宴 をもう

    設けて、ひび

    日日にあい

    相あつま

    集り、さんにん

    三人

    聖大月 晩2(8調)

    主の名を

    以て

    爾等をしゅ

    ふ く

  • のしまい

    姉妹をもまね

    招きて、とも

    共にくいのみ

    食飲せり。その

    其ふるまい

    宴 のひ

    日のいっしゅう

    一周するごと

    毎に、イオフつかい

    使してこ

    子をあつ

    集め、

    かれら

    彼等をきよ

    潔めたり、すなわち

    即つと

    夙にお

    興きて、かれら

    彼等のかず

    數にしたが

    循ひて、かれら

    彼等のため

    爲にはんさい

    燔祭をささ

    獻げ、また

    又ひとつ

    一のうし

    をかれら

    彼等しゅう

    衆のたましい

    靈 のつみ

    罪のため

    爲にささ

    獻げたり。けだし

    蓋イオフい

    曰へり、あるい

    或はわ

    我がしょし

    諸子はつみ

    罪をおか

    犯し、かみ

    神にたい

    してその

    其こころ

    心 にあ

    悪しきこと

    事をおも

    念ひしならんと。イオフのな

    爲ししところ

    所 はつね

    恒にか

    此くのごと

    如し。あるひ

    一日かみ

    神の

    つかいら

    使等きた

    來りてしゅ

    主のまえ

    前にた

    立てるに、ディアワォルもかれら

    彼等ととも

    偕にきた

    來れり。しゅ

    主はディアワォルにい

    謂え

    り、なんじ

    爾いずこ

    何處よりきた

    來れる。ディアワォルしゅ

    主にこた

    答へてい

    曰えり、ち

    地をめぐ

    巡り、てんか

    天下をす

    過ぎて、ここ

    斯にあ

    り、しゅ

    主はディアワォルにい

    謂えり、なんじ

    爾こころ

    意をもち

    用いてわ

    我がぼく

    僕イオフをみ

    觀しか、けだし

    蓋ちじょう

    地上にかれ

    彼のごと

    若き

    もの

    者なし、むてん

    無玷、とくじつ

    篤實、けいけん

    敬虔にして、およ

    凡そのあく

    悪にとお

    遠ざかれるひと

    人なり。ディアワォルこた

    答えてしゅ

    主に

    謂えり、あに

    豈イオフはえ

    獲るところ

    所なくしてかみ

    神をとうと

    尊むか、なんじ

    爾はかれ

    彼およ

    及びその

    其いえ

    家、また

    又その

    其いっさい

    一切のしょゆう

    所有のまわり

    四周

    にまがき

    藩籬をもう

    設けしにあら

    非ずや、その

    其て

    手のわざ

    業は、なんじ

    爾これ

    之をしゅく

    祝し、その

    其かちく

    家畜は、なんじ

    爾これ

    之をち

    地にはんしょく

    蕃殖せしめ

    たり。しか

    然れどもなんじ

    爾のて

    手をの

    伸べて、およ

    凡そかれ

    彼のも

    有てるもの

    物にふ

    觸れよ、その

    其とき

    時かれ

    彼あに

    豈なんじ

    爾をしゅくさん

    祝讃せんや。

    ここ

    是におい

    於てしゅ

    主はディアワォルにい

    謂えり、み

    視よ、われ

    我かれ

    彼のいっさい

    一切のしょゆう

    所有をなんじ

    爾のて

    手にあた

    與ふ、ただ

    唯かれ

    彼のみ

    身に

    觸るるなか

    毋れ、ディアワォルすなわち

    乃しゅ

    主のまえ

    前よりい

    出でたり。

    <「願わくは我が祈りは」歌う 61 頁>

    えいち

    睿智、つつし

    肅みてた

    立て、せい

    聖ふくいんきょう

    福音經をき

    聽くべし。

    嗣ぎてしゅうじん

    衆人にへいあん

    平安。

    詠隊 なんじ

    爾のしん

    神にも。

    輔祭 マトフェイによ

    因るせい

    聖ふくいんきょう

    福音經のよみ

    讀。 二十四章三至二十五節

    詠隊 しゅ

    主よ、こうえい

    光榮はなんじ

    爾にき

    歸す、こうえい

    光榮はなんじ

    爾にき

    歸す。

  • 司祭 つつし

    謹みてき

    聽くべし。

    輔祭誦す、

    彼のとき

    時イイススエレオンざん

    橄欖山にざ

    坐せるに、もんと

    門徒ひそか

    私にかれ

    彼につ

    就きてい

    曰へり、こ

    請ふ、われら

    我等につ

    告げよ、いずれ

    のとき

    時にこ

    此のこと

    事あらん、また

    又なんじ

    爾のこうりん

    降臨とよ

    世のおわり

    終末とのしるし

    兆はいか

    如何なるか。イイススかれら

    彼等にこた

    答へて

    曰へり、つつし

    慎みてひと

    人にまど

    惑はさるるなか

    勿れ。けだし

    蓋おお

    多くのもの

    者はわ

    我がな

    名をおか

    冒してきた

    來り、われ

    我はハリストス

    なりとい

    云ひて、おお

    多くのもの

    者をまど

    惑はさん。また

    又なんじ

    爾ら

    等たたかい

    戰 とたたかい

    戰 のうわさ

    風聲とをき

    聞かん、つつしみ

    慎 みておそ

    懼る

    るなか

    勿れ、けだし

    蓋こ

    此れみな

    皆あ

    有るべし、ただ

    惟こ

    此れなお

    尚おわり

    末期にはあら

    非ず。けだし

    蓋たみ

    民はたみ

    民をせ

    攻め、くに

    國はくに

    國をせ

    攻めん、

    ききん

    饑饉、えきびょう

    疫病、じしん

    地震ところどころ

    處處 にあ

    在らん。こ

    此れみな

    皆くなん

    苦難のはじめ

    始なり。その

    其とき

    時ひと

    人なんじ

    爾ら

    等をくるしみ

    艱苦にわた

    付し、なんじ

    等をころ

    殺し、なんじ

    爾ら

    等わ

    我がな

    名のため

    爲にばんみん

    萬民ににく

    憎まれん。その

    其とき

    時おお

    多くのもの

    者はつまづ

    躓き、あい

    相わた

    付し、あい

    相にく

    憎まん。

    また

    又おお

    多くのぎよげんしゃ

    僞預言者おこ

    起りて、おお

    多くのもの

    者をまど

    惑はさん。ふほう

    不法のま

    増すによ

    因りて、おお

    多くのもの

    者のあい

    愛はひややか

    にならん。ただ

    惟おわり

    終にいた

    至るまでしの

    忍ぶもの

    者はすく

    救はれん。また

    又こ

    此のてんごく

    天國のふくいん

    福音はあまね

    徧くてんか

    天下につた

    傳へられん、

    ばんみん

    萬民にしょう

    證をな

    爲さんため

    爲なり、しか

    然るのち

    後おわり

    末期いた

    至らん。ゆえ

    故になんじ

    爾ら

    等よげんしゃ

    預言者ダニイルをもっ

    以てい

    言はれたる

    あれはて

    荒廃のにく

    憎むべきもの

    物のせいしょ

    聖處にた

    立つをみ

    見ば、(よ

    讀むもの

    者さと

    悟るべし、)その

    其とき

    時イウデヤにあ

    在るもの

    者はやま

    山に

    のが

    遁るべし、や

    屋のうえ

    上にあ

    在るもの

    者は、その

    其いえ

    家よりもの

    物をと

    取らんため

    爲に、くだ

    下るべからず、た

    田にあ

    在るもの

    者は、その

    ころも

    衣をと

    取らんため

    爲に、かえ

    歸るべからず。そのひ

    當日にははら

    妊めるもの

    者とち

    乳をの

    哺まするもの

    者とわざわい

    禍 なるかな

    哉。なんじ

    爾ら

    のに

    遁ぐることのふゆ

    冬あるい

    或 はスボタ

    安息日にあ

    在らざらんため

    爲にいの

    祈れ。けだし

    蓋その

    其とき

    時おおい

    大 なるかんなん

    患難あらん、せかい

    世界の

    はじめ

    始よりいま

    今にいた

    至るまで、いま

    未だか

    此くのごと

    如きはあらざりき、のち

    後もまた

    亦あらざらん。も

    若しその

    其ひ

    日げん

    減ぜられ

    ずば、およそ

    凡のにくしん

    肉身のすく

    救はるるもの

    者なからん、しか

    然れどもえら

    選ばれたるもの

    者のため

    爲にその

    其ひ

    日げん

    減ぜられん。その

    其とき

    若しひと

    人なんじ

    爾ら

    等につ

    告げて、み

    視よ、ハリストスここ

    此にあ

    在り、あるい

    或はかしこ

    彼にあ

    在りとい

    云はば、しん

    信ずるなか

    勿れ。けだし

    僞ハリストおよ

    及びぎ

    僞よげんしゃ

    預言者お

    起りて、おおい

    大なるきちょう

    奇徴ときせき

    奇蹟とをほどこ

    施し、も

    若しよく

    能すべくば、えら

    選ばれた

  • るもの

    者をもまど

    惑はすにいた

    至らん。み

    視よ、われ

    我あらかじ

    預 めなんじ

    爾ら

    等にい

    言へり。ゆえ

    故にも

    若しなんじ

    爾ら

    等につ

    告げて、み

    視よ、

    かれ

    彼はの

    野にあ

    在りとい

    云ふもの

    者あらば、いだ

    出づるなか

    勿れ、み

    視�