声楽のための英語発音法に関する分析(2) · 2015-04-21 · 子音挿...

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23 5.分節と歌唱 歌唱においては、発音自体が(a)言語的意味の伝達の役割を担う、と同時に(b)音楽的鑑賞の 対象、となる。純粋な言語活動では(b)の役割は存在しないに等しいので、(a)だけが考察対象 となる。今仲 (2008)で述べたように、(b)について鑑賞の対象として中心に位置するのが母音と子 音群の一部の共鳴音である。共鳴音に属さない子音が(b)の機能を担うことはほとんどない。 2) このように、歌唱では二つの目的で発音が考察の対象になる。ともすれば(a)に顧慮することなく (b)に傾斜した歌唱が多くなる。すぐれた歌唱には両面のバランスが不可欠である。 歌声を楽器に見立てるとわかりやすいが、人は器楽において楽器の音色が美しいと感じるのと同様 に声楽では特に母音を中心とした歌手の声、発音など節回しも含めた全体を音楽として聴いている。 したがって楽曲の成り立ちやその性格などにより、重みづけをしながら歌とことばのバランスをとる ことが重要になる。 発話と歌唱の相違で特に注意すべき点の一つとして、後者では母音を音符に合わせ引き伸ばして歌 うということが基本にある。一方、子音はその過程で適宜挿入されてゆくもので、母音のように引き 伸ばして発音されることはないという点である。現象面からも音楽的要素として聴かれる対象が母音 だということが理解できよう。 6.母音と発声法との関係 話声による通常の発話では、音量について特段に拡声の必要がないので子母音の音量的バランスが 自然な形で程よく保たれているが、声楽的発声訓練を受けた人 3) が子音に対する配慮をせずにベル カントで歌うと主として母音が極端に拡大した形になり、母音と子音に音響上大きな落差(母音>子 声楽のための英語発音法に関する分析(2) An Analysis of English Diction for Vocal Music (2) 今 仲  昌 宏 * Masahiro IMANAKA Masahiro IMANAKA 国際言語文化学科(Department of International Studies in Language and Culture) (承前) 1)

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5.分節と歌唱

 歌唱においては、発音自体が(a)言語的意味の伝達の役割を担う、と同時に(b)音楽的鑑賞の

対象、となる。純粋な言語活動では(b)の役割は存在しないに等しいので、(a)だけが考察対象

となる。今仲 (2008)で述べたように、(b)について鑑賞の対象として中心に位置するのが母音と子

音群の一部の共鳴音である。共鳴音に属さない子音が(b)の機能を担うことはほとんどない。2)

このように、歌唱では二つの目的で発音が考察の対象になる。ともすれば(a)に顧慮することなく

(b)に傾斜した歌唱が多くなる。すぐれた歌唱には両面のバランスが不可欠である。

 歌声を楽器に見立てるとわかりやすいが、人は器楽において楽器の音色が美しいと感じるのと同様

に声楽では特に母音を中心とした歌手の声、発音など節回しも含めた全体を音楽として聴いている。

したがって楽曲の成り立ちやその性格などにより、重みづけをしながら歌とことばのバランスをとる

ことが重要になる。

 発話と歌唱の相違で特に注意すべき点の一つとして、後者では母音を音符に合わせ引き伸ばして歌

うということが基本にある。一方、子音はその過程で適宜挿入されてゆくもので、母音のように引き

伸ばして発音されることはないという点である。現象面からも音楽的要素として聴かれる対象が母音

だということが理解できよう。

6.母音と発声法との関係

 話声による通常の発話では、音量について特段に拡声の必要がないので子母音の音量的バランスが

自然な形で程よく保たれているが、声楽的発声訓練を受けた人3)が子音に対する配慮をせずにベル

カントで歌うと主として母音が極端に拡大した形になり、母音と子音に音響上大きな落差(母音>子

声楽のための英語発音法に関する分析(2)

An Analysis of English Diction for Vocal Music (2)

今 仲  昌 宏 *

Masahiro IMANAKA

* Masahiro IMANAKA 国際言語文化学科(Department of International Studies in Language and Culture)

(承前)1)

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東京成徳大学研究紀要 ―人文学部・応用心理学部― 第 16 号(2009)

音)が生じてしまう。つまり声楽的発声訓練の多くが母音発音の共鳴拡大に関わる練習を基本として

いるからである。PA System(拡声装置)に頼った歌唱であれば、両者のバランスをとる対処法を

考慮する必要はほとんどないが、こうした落差を埋めるべく子音の音量拡大ないしはある種の操作を

行わない限り、バランスが崩れて結果として(a)の言語的意味の伝達媒体としては明瞭度が極端に

低い発音となる。楽曲により特に長い音符が割り当てられた音節などでは、引き伸ばされる母音長を

曲自体が規定してしまうので、基本的な母音の長短による識別や意味をもった語句としての理解など

に支障が生じやすくなる。

 母音は声帯振動によって生じた喉頭原音が声道を通る過程で形成される。母音が音声として体外に

放出される最終段階で口腔や鼻腔を通過する時に、子音調音によって母音(声)の流れが妨げられる

ことになる。ほとんどの子音は楽曲のリズムに合わせて音符の切れ目ごとに挿入されていく。子音挿

入による母音調音への阻害は完全な形で生じる場合(閉鎖音等)から部分的な場合(摩擦音)までか

なり幅がある。したがって歌唱発音全体としては母音と子音の音量的なバランスを意図的にとらない

と、聴衆の耳には極端に母音の音量が大きく、子音が弱い偏りのある発音に聞こえてしまう。歌唱で

は聴衆に対して極力自然な発音に近く聞こえるようにするため、弱い部分を強めたりするなど、修正

を様々な形で行うことで全体として整ったものにするという操作が必須4)である。

6.1 言語と母音数の関係

 英語の歌唱発音の難しさの一つに、その母音数(約24種類)の多い点があげられる。歌唱発音のシ

ステムがほぼ確立しているといわれる主な三言語、イタリア語(14種類)、ドイツ語(16種類)フラ

ンス語(16種類)5)の母音数と比較して、英語の母音数は格段に多い。英語はドイツ語と同じゲルマ

ン語派ならびに西ゲルマン語に属する強勢中心言語(stress-timed language)であるため、弱母音(//)

が頻出するという共通点がある。もともとドイツ語とは出自が共通する姉妹語であり、古英語時代

(700 – 1100)には両言語の母音数にほとんど差はなかった。中期英語から近代英語初期(1400-1600)に

かけて歴史的な大母音推移(the Great Vowel Shift)を経たことで英語の母音は大幅な発音変化を遂げ

た。現在は二重母音についてドイツ語は3種類(//, //, //)を数えるのみであるのに対し、上昇、集

中という二つの型をもつ英語の10種類(GA)(表3、図1,2参照)は飛びぬけている。6)

 また英語を除く三言語の長母音と短母音の関係は、基本的に同じ母音の長さによる違いがほとんど

であり、舌面位置にも差はなく、発音上の区別はほぼ母音長の違いによるものなので発音に関して難

易度はあまり高いものではない。一方、//—//, //—//の対立に見られる英語母音の相違は長さだけ

ではなく、緊張母音と弛緩母音の組み合わせによる音素としての基本的な音質の相違、舌面位置の微

妙な相違が存在するのでそれぞれ全く別個の母音と認識し、音色の相違を的確に調音しなければなら

ない。音素の対立上音質が区別できないと、識別に際して意味上の問題が生じてくる。母音数を多く

もつ言語ほど示差的特徴が明瞭に提示されないと、識別に際して障害となる。つまり音色と長さの違

いが意味解釈に貢献するのだが、既述したように楽曲中では各母音固有の持続時間とは無関係に音符

が割り当てられることが多いので、上記の相違を識別するのに音色の違いだけが拠り所となる。

 分節については、この二つの理由が他言語による歌唱と比較し、英語による歌唱発音を難しくして

いる主たる要因であると考えられる。言い換えると声楽的には英語が発声および調音上の困難点が多

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声楽のための英語発音法に関する分析(2)

い言語であることがわかる。

6.2 二重母音

 英語の二重母音は二大別され、図1,2の母音図のように上昇二重母音と集中二重母音があり、声楽

上異なる対処法が必要である。

 上昇二重母音(/, , , , /)は第一要素と第二要素に分けて考えると、第二要素は前舌//、後

舌//のいずれかで終結する。// を例に挙げると、発話では音節主音である第一要素がやや長く強

く発音されるが、両者のバランスは基本的にほぼ一定した形で発音される。一方歌唱では、音符に附

された母音を歌うために、本来の母音長よりも長くなる音符に対しては第一要素をその音符全体に引

き伸ばして歌い、音節副音の第二要素はその音符の最後で後続の子音ないしは母音で始まる音符に移

行する際に短く発音して受け継ぐように歌うのが普通である。

図1 上昇二重母音 図2 集中二重母音(GA)

表3 英語母音一覧

four

car

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譜 例 1

 したがって比較的長い音符に附された二重母音の例では、譜例1(G. F. Hndel:Messiah)のよ

うにI [] は四分音符、my [] は二分音符、それぞれ割り当てられている長さだけ第一要素(音節

主音)が本来の長さよりも引き伸ばされて歌われることになる。第二要素の ] は各音符の終わりに

短く発音されて、次の音符に移行する。

 RPの3種類集中二重母音/, , /の場合は、第二要素がすべて//で終結する。声楽的に歌いやす

く、かつ音楽的にも美しく母音処理するために伝統的に認容発音(Received Pronunciation)に近い発

音を採用することが多い。例えば、譜例2のようにhair//を基本的には音符の長さに関わらず、第

一要素の//を長く引き伸ばし、次の音符に移行する際にわずかに第二要素の//を発音する程度が好

まれる。

譜 例 2

 これは母語話者の最小対立に関わる母音認識感覚から来るもので、集中二重母音の第二要素は上昇

二重母音ほどには第二要素を強く発音しなくとも認識・理解の点で支障がないので、より音楽的な

発音処理が可能となるからである。なお一般米語(General American)では母音の後に/ /のように ]

が入る。これは次節で述べるように、曲の成り立ちなどから米音的な発音が必要とされない限りは、

挿入しない方がより音楽的で夾雑性の少ない響きになるためである。

 さらに二重母音発音に関しては複数の方言やスタイルがあるので、歌詞の内容や歌唱の性質によ

り、複数の型の中から取捨選択が必要となる。例えば、ヘンデル作曲のオラトリオなどでは、もとも

と英国で英語の歌詞に作曲されたものであるから、RPの母音体系を母体として用いるのが自然な選

択となる。しかしながら必要に応じて部分的に修正ないしは変更された音形が伝統的に用いられる。

例えばgo /g/(RP)という二重母音の例では、口語体発音では第一要素 // が狭母音となり、発声

面から見て口腔がかなり閉じた状態での発音となり、声の拡散の点で非効率と考えられるために、慣

例的に第一要素は開口度をより広くできるGAの // を用いる。

 またfire /f/, // などのように、調音の様態に基づいた母音の分類の一つとして便宜的に

「三重母音(triphthong)」と呼ばれる現象がある。音節主音である母音が持続する間に二度音質の変

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化が起きるケースを指すもので、基本的に二重母音と同様に割り振られた音符のほとんどを第一要素

で歌い、後続の音符の直前で残る二つの母音を連続して短くほのかに聞こえるように発音する。やは

り識別上の問題がないので、第二・第三要素の二母音をあまり明瞭に発音しない歌い方が多く行われ

ている。

6.3 母音+ r の発音処理

 GAの特徴的な発音として「母音+r」があるが、通常この r] は舌を巻き上げて、母音の口腔内の

通路(声道)を妨げる形で発音する。これは声の放出や拡散の障害となる、ある種のマスキング現象

である。これは調音時の舌の動きを複雑にするだけでなく審美的観点からは、声がくぐもった音色に

なるという欠点がある。この r] は基本的に音素ではないので任意的な扱いとなり、作品解釈の面か

ら「V+r」を使う必然性がない限り、RPのように r] は発音しないのが慣例である。ただし、作品

により曲の背景など歌詞内容等からアメリカ英語であることを歌唱の中で発音として示す必要がある

場合には、標準型のGAよりは東部方言(Eastern Dialect)のように r] 音を母音末尾に弱い形でつける

という方法をとることが多い。7)

 次に‘r’に関連してRP特有の現象の一つとして、綴りが -r(e)で終わる語が母音で始まる語または

接尾辞の前に来る場合、連結の‘r’(linking r)が生じる。これは母音の連続として発音する場合と比

べて、例えば for us f], hearer ] などのように、母音と母音の境界(-VCV-)に‘r’を置くこと

で、より安定した音節構造を形成することになる。区切りが明確になり、音声認識にも有利となるた

めに挿入されるものと考えられる。これはフランス語のリエゾン(liaison)と共通する現象である。た

だし子音が後続する場合には生じないもので、通常は単顫動音または弾音(flap)で発音される。これ

は能動的調音器官(active articulator)である舌先が受動的調音器官(passive articulator)である歯茎を

一度だけ打つもので、複数回打つ顫動音(trill)が用いられる頻度は今日では少なくなっている。特に

バロックから古典派、ロマン派、20世紀初頭までに作曲された声楽作品においては連結の‘r’はディ

クションを明瞭にする上で広く行われている。20世紀中頃以降現代に近い時代に作曲された作品など

ではスタイルを考慮して挿入しない選択肢もある。(Marshall : 232)これは実際のRPの変化と連動し

ており、1920年代以降はこの連結の‘r’は徐々に減少をはじめ、現在はほとんど使われていないとい

う報告がある。(Labouff: 231-232)

6.4 開口度と母音

 ヒトのもつ口腔内の容積や発音器官は基本的に共通しているという前提で、言語の母音数に無関係

に、誰もが同じ調音器官を使って調音を行わねばならない。歌唱時の信頼に足るデータは存在しない

が、図3(鳥居・兼子 : 21)のようにX線写真を用いて調査した、発話における日英語の母音の開口度

を比較すると、日本語は英語と比べて母音数が少ない分だけ全体的に小さな開口角で区別が可能であ

ることがわかる。歌唱では声の拡散を考えて、普通の発話時よりも広い開口度で口腔音を発音するの

が通例である。したがって口腔内の舌面位置の各母音間の距離についても会話時に連動して互いの舌

面位置をより引き離した形で調音できることになる。したがって発話時と同様に音色の違いを明確に

できる余地がある。そのため母音数の多い英語では、開口度を大きくすることはもとより、可能な限

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り母音間の距離を空けた形で発音する調音努力が必要である。言い換えると各母音の対比を舌面位置

の距離を発話時よりも大幅に広げることにより、発音上巧みに違いを作り出せば、母音の区別の明瞭

度を高めることが可能だということである。8)

6.5 音域と母音

 歌う側の立場から声域の守備範囲と英語発音との関係を考える時、中・低音域では声帯への負担が

少なく、発声が容易に行えるので比較的調音に注意を払うことができる。しかし歌手にとって声域の

上限付近(高音部)での発声は声帯筋(内喉頭筋および輪状甲状筋)を極度に緊張させるために、ま

ず音楽的に美しい声を出すことを優先させねばならなくなる。つまり歌手は発声行為自体に集中しな

いと美しい声が出しにくくなる。そのため高音域のパッセージでは子母音ともに明瞭な発音が全体的

に困難になる傾向がある。言い換えると中・低音域では声帯筋の緊張も少ない上、日常会話で使用す

る音域、いわゆる「話声位」に近いということなどもあり、発声や発音はいずれも円滑に行うことが

できる。これに対し高音域は通常の会話には用いない音域であり、歌唱時だけの使用域となる。高音

発声時は声帯のごく一部だけを振動させるなど、特殊な発声法が求められる状況下でしかも十分に理

解してもらえる発音にしなければならない。(荻野・後野 : 23;米山 1997: 46-55)

 またメロディーが高音域で持続する箇所や、中・低音域から高音域へと音程が跳躍する箇所などで

も同様に、発声を優先しなければならない。一般的に低母音と比較して高母音 // や // は高音域で

は特に発音が難しい。図3にみられるように、高母音は舌面位置が高いので、口腔内で声道がかなり

狭隘になる。低母音を高音域で歌う際、メガホンである口腔を広く開けることができるので母音発音

に特に大きな障害は生じないが、開口度を小さくしなければならない高母音の場合、いわゆる二律背

反の状況になる。すなわち相反する調音を同時に行わなければならないということになる。このよう

な場合、発音困難な母音を比較的発音しやすい音で代用することがしばしば行われる。その一つの方

法として、// のように音響的に // に近い音色を持つ母音でかつ、 // よりも低い舌面位置の音で代

用をする。しかし // と聞き間違えられないように口の開け方や口唇の形、舌の位置など調整できる

器官を総動員し、できる限り聞き手には // に聞こえるような音色に近づけるのである。効果を考え

図3 日本語と英語の開口比率

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声楽のための英語発音法に関する分析(2)

ると目標の母音に最も近い音色をもつ音声で代用することが重要となる。目標の音色に近い音でない

と操作が難しくなるだけでなく、聞き手もある種の錯覚をおこしてくれないからである。同様に //

の場合は // の舌面位置で代用することがよく行われる。

6.6 強さアクセントと母音

 音節拍リズム(syllable-timed rhythm)をもつといわれるフランス語のように、音節の長さが時間的

にほぼ等価となるリズムは歌唱において有利な側面をもっているといえる。一方、英語の強さアクセ

ント(stress accent)は音節ではなく、強勢がほぼ等しい時間間隔で現れる等時間間隔(isochronism)を

もつので、これを何らかの形で歌唱に生かす工夫が必要である。つまり作品の楽曲上の制約から強勢

の強弱を示すことや音符(母音)長が本来の強い強勢と必ずしも一致するとは限らないので、意味の

伝達を考える時歌唱の中でどのような形で強勢を反映させるかが演奏上の課題となる。

 英語においては強い強勢が置かれた音節と弱い音節との落差が中心的要因となり、英語独特のリズ

ムとなって発音に現れる。文の卓立(prominence)の分布を決定するのは文強勢(sentence stress)ある

いは意味強勢(sense stress)という。厳密なものではないが文中で強い強勢が置かれる語と弱強勢の語

は、基本上は区別されている。すなわち内容語(content word)9)と機能語(function word) または形式

語(form word)に分類されて強勢が配分される。強い強勢は文中で独立した意味を担う語である内容

語に置かれ、文法上の概念(統語的・文法的機能)のみを担う機能語には弱強勢が多く配されるとい

う原則である。現象面では強音節で強い強勢が置かれるだけでなく、弱音節よりも母音が長く発音さ

れ、「強さ」と「長さ」が音声上同時に実現される。

 機能語に属する語は、冠詞、be動詞、助動詞、代名詞、前置詞等である。こうした語は特殊な場

合を除き、弱強勢を受けることが多く、必然的に // が多く出現する。 // の多い発話はリズムのコ

ントラストが明確になるので母語話者には理解しやすいものである。通常の言語活動での発音は楽曲

による制約とは無関係なので、かなり自由に発音が行われている。しかし弱母音が多く出てくる日常

的発音をそのまま歌唱に持ち込むことは、様々な問題を引き起こすことになる。

 英語で言葉の意味を正確に伝えるには語、句、文の強勢も歌唱の中で可能な限り正確に表出するこ

とが求められる。しかし前節で述べたように、歌で音符をたどる際には、どの音節も声を十分に響か

せて音楽的に貧弱にならないように配慮する必要もある。つまり対照強勢という観点から、意味の伝

達を優先すれば声を美しく響かせるという点が疎かになり、声を第一義とすれば対照強勢が疎かにな

るという、ここでも二律背反の関係になる。

 次に具体例を見るが、まず単音節語について、母音が長い音符に割り振られた場合、表4のように

長い音符では弱形の // を強形ないしはfull formに変更し、短い音符の場合は収縮形の // にする方

法が一般的によく用いられるものである。各発音は長い音符に附されて持続時間が長くなるに従い、

その発音が曲中で担う音響上の重みが増すことになる。長い音符であればあるほど、それに見合った

強母音として発音しなければ、音符自体が音楽的にもたないことになる。例えば、接続詞で機能語に

属する語である and に短い音符が割り当てられる場合は /nd/ に近い音形でよいが、長い音符の場

合は強形 /nd/ に変更する必要がある。作曲家が音符に込めた意図や強弱記号の指示等も考慮した上

で強勢を発音に反映させる必要があるが、基本的に長い音符は曲中でそれなりの音価を持っていると

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解釈できるので、強形にすることで音響的に重い役割を持たせることが重要となる。機能語には単音

節語が多いので基本的にこのような方策(Marshall :152)で対処することが望ましい。

 一方内容語に多い多音節語については、全く異なる扱いにする必要がある。一語の中に複数の音

節をもつために、語中での母音対照についても配慮することが単音節語と異なる点である。仮に多

音節語中の弱音節の // を最も舌面位置が近いfull formの // に換えてしまうと、対照性が完全に失

われる恐れがある。つまり強勢上の差が識別困難になり、英語本来のリズムではなくなってしまう

からである。(a) beautiful [f] という口語でよく生じる発音は、PA Systemを使った歌唱の場

合、そのまま用いることが可能だが、クラシック音楽では中間をとって、基本的に辞書項目的発音

(b) [f] を用いることが多い。母語話者にとって話し言葉では(a)の発音の方がより自然な響きで

あり、日常多く耳にする音10)であるが、歌唱ではschwaが頻繁に生じる発音は既述したように音楽的

な立場からは避けざるをえない。したがって(b)は発音の余剰性(redundancy)を多く含んだ音形で聞き

手に折り目正しい印象を与え、中間的で好ましい発音ということになる。11)

6.7 子音による音節の強調

 強母音が割り振られている音符を弱音で歌う楽曲上の指示があり、母音に強勢を置いて歌いにくい

というような事例では子音の発音に手を加えることで、聞き手にその音節(音符)が強調されている

ように感じさせるという手法がある。つまり強勢についての問題を解決するために、母音ではなく子

音発音を調整することで強い強勢があるように聴衆に感じさせる方法である。

 子音には継続音(continuant)と非継続音(non-continuant)があり、前者は音を通常よりもやや長く伸

ばすことで強調することができる。後者の例では、閉鎖音であればその破裂を強くすることでその効

果を狙う。ただ注意が必要なのはこうした子音の強調方法は度が過ぎると音楽では不可欠なレガート

唱法から乖離してしまう恐れがある。また歌唱上の様式感が薄れたり、文学的解釈に傾きすぎる可能

性などもあるので、節度を守った形で用いるべきである。

 例えば、If you love me, という歌詞で曲想から弱音で歌う必要があって、love に強勢を置きたい場

合、loveをllloveという具合に // の発音を前の音符に少しはみ出すように、フライング気味に開始し、

通常の長さよりもわずかに長く引き伸ばすと同時に、歯茎からの舌の解放を強めに行うことにより、

母音を強調することなく、子音の調音操作によってあたかも love /�/ の母音が強調されているよう

な錯覚を起こさせるのが狙いである。また // は共鳴音に属する子音なので、// などの阻害音を引き

伸ばす場合よりもノイズ的要素が少ないので、より音楽的な響きとして処理ができることになる。

表4 単音節語(機能語)の音収縮

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声楽のための英語発音法に関する分析(2)

6.8 母音の挿入

 現代英語では revealed /d/ という語(過去・過去分詞形)は二音節だが、楽曲中(ex. G. F.

Händel: Messiah) では三音節として扱われ、語末の –ed にも音符が割り振られているという事例が

ある。もともと母音が存在しない箇所であるから、あえて挿入するならば弱音節とすべきであり、

(a) [d] という音形を想定するのが穏当である。この語の第一強勢は第二音節にあるので、第三

音節に母音を挿入する必要が出てきた場合、普通ならばバランスを考慮して弱音節を配するはずであ

る。しかし譜例3のように本来なら母音が存在しないはずの第三音節に音符が与えられ、三拍分の長

さを歌わねばならないという制約の中では、各音節に割り振られている音符の長さからも当然ながら

影響を受ける。綴り字や音楽的な響きを考慮すると、(a)ではなく、(b) [d] を使う方がより音楽

的に充実した響きになる。付点二分音符を(a)のように [] で引き伸ばして歌うことは音楽的にも発声

的にも望ましいとはいえない。

譜 例 3

 弱音節に生じる [] は口語体的特徴の一つであり、日常会話では頻繁に生じ、英語母音の中で頻度

数が最も高い音である。(Denes 1963) [] はしばしばneutral vowelとも呼ばれているように、複数の

母音が弱化した場合、収斂する先の音と捉えられているので、別の母音で代用する場合には状況に応

じてもとにもどす形で [, , , ] 等の複数の母音が代用音の候補として考えられ、適宜いずれかに変

更して挿入する。音の選択は綴り字や文脈、楽曲の性質等を考慮した上で決定する。(Labouff :19)

 このように芸術作品には口語では母音が生じない箇所にまで、作曲上の理由から音符が割り振られ

るということもしばしばある。その場合便宜的に何らかの形で適切と考えられる母音を挿入し、「音

符を歌う」必要がある。この例では二音節語を三音節語化すること自体がある意味で「自然で日常的

な発話」からは乖離したものなのだが、発音上の工夫をすることで少しでも意味の伝達と音楽面との

折り合いをつける必要がある。

 基本的には強勢のコントラストが歌唱に反映するように発音するのが望ましいが、楽曲の性格や音

楽面からの要求によりバランスを考慮し、ある程度の平均化が必要である。このような操作を加える

ことはある種の技巧であり、聴衆に対して音楽的にも美しくなおかつ自然な発話に近く聞こえるよう

に配慮するものである。

6.9 声門閉鎖による声立て

 口語体で頻繁に生じる音声現象として、母音で始まる語の母音開始点への声門閉鎖音(glottal stop)

の挿入がある。これは声帯が開放状態から内転 (adduction) して喉頭原音の振動状態(断続気流音)

に移行する際、声門が一旦完全に閉じた状態から振動を開始する時、声の冒頭に出る外破(explosion)

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東京成徳大学研究紀要 ―人文学部・応用心理学部― 第 16 号(2009)

音である。音韻上の意味はないものの、この現象は声帯の振動開始のきっかけを作る上で容易な方

法なので、歌唱時にも持ち込まれる確率が非常に高い。12) また母音連続(hiatus)において、音節の切

れ目(hierarchy [], go on [n])で語中、語境界いずれにも入り込みやすい音である。

6.3で述べたように、/CVC/のより安定した音節構造を志向することから、子音のある種の代用音と

して挿入されるものと考えられる。声楽では「声門閉鎖による声立て」(glottal attack)と呼ばれ、こ

のような発音を排除する訓練が徹底して行われる。これを厳しく排除するのは、声帯の数ある振動パ

ターンの中で音程を形成するための振動のみに特化13) することにより、歌唱時の声帯疲労を極力避

けることと審美的側面の二つの理由からである。

注1)今仲昌宏(2008)「声楽のための英語発音法に関する分析⑴」『東京成徳大学研究紀要』第15号, 29-37.2)厳密にいえば、優れた歌手は阻害音であっても微妙な陰影を表現することができ、音楽的、文学的な表

現はいずれも可能であるといえる。3)歌唱時の母音発音は発声法の訓練と深く結びついていて、いわゆる「発声練習」とは母音共鳴の訓練が

基本であり、繰り返し行うことで通常の言語活動時とは全く異なる共鳴(声量の拡大)を習得することになる。その上で自己の声域にわたり、各母音のあらゆる音階、デュナーミク(Dynamik)にわたってもれなく美しい声を出せるようになるまで訓練することになる。したがって各母音ごとに豊かな共鳴で低音から高音まで音の強弱をつけつつ、歌手が自己の声域について満遍なく共鳴するように練習を重ねてゆくことになる。その際言語によって母音数に隔たりがあるので、日本語の五母音のように母音数の少ない言語の方が訓練上圧倒的に有利となる。英語は本稿でとり上げる言語の中で最も母音数が多いために当然多くの練習が必要になる。

4)例えば (a)開音節を基本とする言語(イタリア語、日本語等)や (b) 閉音節を基本とする言語(ドイツ語、英語等)などにみられるように、言語により音節構造が異なるため、構造に応じた子音の補強方法を考える必要がある。開音節を基本とする場合はそのほとんどがCV型であるため、補強の難易度は低くなる。この点に関しては(a)の方がより歌唱に向いているといえる。これに対し、閉音節構造は基本的にはCVC型で多くの子音連続(子音クラスター)を母音の前後にもつために、歌唱では子音の処理について様々な工夫が不可欠となる。(Labouff : 8; Coffin :76)

5)フランス語の母音数は舌面位置という観点から数えれば正確には口腔音の12種類である。16種類のうち、鼻母音は既存の12の口腔音中の4種 (//, //, //, //) を舌面位置を変えずに鼻音化 (//, //, / /, //) したものである。鼻母音は他の言語と比較して特殊ではあるものの、口腔音と鼻腔音の違いだけで舌面位置は共通であるため、全体の母音数は調音の観点からは最も少ないということになる。

6)フランス語には一音節内での「わたり音」的な二重母音は基本的には存在しないが、イタリア語には上昇および下降二重母音がある。しかし下降二重母音と呼ばれているものは第一要素が二つの半母音 /j/ (//, //, //, //, //, //), /w/ (/w/, /w/, /w/, /w/, /w/, /w/)であるため、英語の二重母音とは構造的に異なり、本来ならば半母音と母音の連続と考えるべきものである。残る上昇二重母音は英語に近いと考えられ、第二要素がいずれも/i/ (//, //, //, //) か/u/ (//, //, //) に集束する7種類が存在する。これらを総合するとイタリア語も英語ほど複雑な二重母音体系ではないことがわかる。(Colorni :112-119)

7)r]は弱い方が洗練された印象を与えるからであり、オペラなどの役作りではこのr]をどの程度の強さで発音するかは重要な要素となる。

8)非英語母語話者による歌唱の中には、英語の綴り字に忠実な発音として各音節を開口度に無頓着ですべて強形で歌ってしまう例が多く見られる。こうした音形は母語話者にとって意味の理解において大きな問題となる。(Labouff : 18)

  成節子音の処理とも一部共通するが、弱音節では口を必要以上に開けすぎると声の拡散が促進されて強い強勢が自然に生じてしまい、強勢のコントラストが失われやすくなる。したがって英語特有の強弱感が弱められてしまうことになる。よって意味の伝達に不都合が生じるだけでなく、母語話者の耳には衒

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声楽のための英語発音法に関する分析(2)

学者的な、または教条主義的な発音(Marshall 1946: 153-4)に聞こえるのである。逆に自然な発話に近づけて弱音節の母音共鳴を必要以上に縮小させてしまうと、声帯を十分に鳴らして共鳴・拡声することができなくなるために音楽的に声を響かせることや声の拡大が難しくなる。発声的側面からみても歌唱時の弱音を十分に共鳴させるには高度な技術が必要である。

9)規範文法において、本動詞、名詞、副詞、形容詞等の語が内容語の主体である。10)母語話者は語発音について口語体の音形を歌唱にそのまま持ち込む傾向がある。例えばMonday /nd�� /

の下線部の弱音節発音の連想から単独のdayを本来なら /d/と すべきところを /d/ と歌ってしまったり、長い音符上の二重母音の第一要素を引き伸ばして歌う場合、次の音符に移行する時に第二要素を完全に落としてしまうとか、聴衆が聞きとれる発音にならないことがしばしばある。(Marshall : 165) また古語の発音に慣れていないため、thou // と発音すべきところを綴り字の影響で // (though)と発音してしまうことなどもある。母語話者といえども歌唱では特別な訓練が必要な所以である。

11)アクセント体系が異なるので、ロマンス語系言語には英語のような弱母音が高い頻度で生じることはほとんどない。ドイツ語には英語に近い特徴はあるものの、やはり語尾に生じる弱母音などが限定的な形でみられる程度である。したがって // の処理方法は特に英語発音についてとりわけ重要だといえる。(Odom & Schlollum : 87)

12)特にドイツ語の通常の発話では、母音で始まる語にはほぼ例外なく声門閉鎖音が挿入される。英語と比べても生じる頻度が非常に高く、歌唱に持ち込まれる可能性も殊の外高いのでドイツ語の歌唱指導ではとりわけ重要な練習項目である。(Odom & Schollum : 71)

13)音程を伴わない時の声帯振動は、周期的なものではなく、不規則な波形である。これは歌唱時の周期的振動と比べて特に声門の左右の声帯接触面が早く疲労するためである。

参考書目

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