青山学院女子短期大学国際関係論（月・２限）

前期第5回Chronology 2005/06　

配布物（１）問題用紙（２）解答用紙（青学の用紙）※解答用紙は回収します（問題の出来よりも取り組み方＝解答、答え合わせ、メモなどの作業を評価します）。名前・IDも忘れずに※答えは配りますが、重要な点は解説の際に線を引いたり、メモっていくこと。※どの問題の解答かわかるように、解答用紙に自分で番号やテーマを書いて下さい。※解答は後ほど配布します。ＨＰ上にも載せる予定です。

ポイント（１）ホロコーストとはなんですか。（２）CTBT以外の核に関する条約をあげなさい。（３）オバマが書いた２冊の本のタイトルをあげなさい。

ノーベル平和賞を受賞したオバマ大統領の「核兵器のない世界」構想の原点は、コロンビア大学在学中に開始した核軍縮交渉の研究にあったことが、恩師であるマイケル・バロン元教授の証言や、当時執筆した原稿によって明らかになった。８３年の文章では現在も使っている「核ホロコースト」という言葉を既に使っており、CTBTの受け入れに関する先駆的な構想を提示し、レーガン大統領の政策を烈しく非難していた。バロン元教授は当時のオバマをトップクラスであったと回顧し、オバマ本人も「図書館で多くの時間を過ごし、まるで修行僧のようだった」とふりかえっている。８３年の原稿では体験の継承の重要性についてもふれており、バロン元教授は平和賞受賞を祝福した。

（１）Holocaust（ユダヤ人側からはSHOAHとも言われる）。ナチス・ドイツによるユダヤ人絶滅政策。移動殺戮作戦、ゲットーへの隔離、強制収容所での強制労働、絶滅収容所での排ガス殺、青酸ガス殺など。５００−６００万人が亡くなったとされる。

（２）NPT（1968- インド・パキスタン・イスラエルが非加盟）、CTBT（1996- 署名して批准せず：６カ国、未署名：北朝鮮、インド、パキスタン）

（３）Dreams from My Father(1994)（『マイ・ドリーム』）、The Audacity of Hope(2006)（『合衆国再生』）

06/05/01

　国際メーデーのこの日、労働者の権利を向上させるための様々な行動が世界中で行われた。バングラデシュのダッカでは、工場の労働条件の向上、服飾産業を破壊していると抗議者たちが主張する、アメリカとヨーロッパの関税引き下げを訴えた。中国のマカオでは１万人が集まって、労働条件の改善と汚職の解消を要求してデモ行進を行った。クロアチアでは、たばこ産業の違法の疑いのある民営化に講義して、５０人のタバコ工場の労働者が廃工場にバリケードを作り、集会を開いた。キューバでは１００万人の労働者がハバナの革命広場に集まり、フィデル・カストロ大統領の演説を聴き、政府からはメーデーを祝うTシャツがプレゼントされた。「ユーロメーデー」パレードは、２２都市で２０万人の人が参加して開かれる汎ヨーロッパのイベントで、社会的、経済的な不安定性に対するデモを行った。抗議参加者は、増大しつつあるフレキシブルで、不定期で、一時的な労働慣行がもたらす職の安全保障の崩壊の防止を要求した。

　インドネシアでは１０万人がストライキを行い、フレキシブルな労働契約を促進し職の安全保障を減らす新しい労働法が実施されることに抗議した。モスクワでは２万５千人のアクティビストが集会を開き、労働者の権利の増進について話し合った。イランでは、公的には禁止されていたにもかかわらず、労働者の低賃金、悪条件、迫害に対する抗議活動が全国で行われた。トルコでは、１００万人の人々が、群衆に対して軍？が発砲したことで、３４人が射殺されたり圧殺された１９９７年のメーデーから３０周年となったことを記念して、デモに参加した。アメリカでは、「移民がいない日」と題した活動が、移民の厳しい労働条件と権利の欠如を訴える為にひらかれた。この活動は、「グリンゴのいない日」を宣言したメキシコのマルコス副司令官のアメリカ製品ボイコット運動の支援を受けていた。ジンバブエのハレレの労働者や失業者は、集会を開き、労働条件の向上を要求する集会を開催し、一部の組合指導者はムガベ大統領の解任を求めた。

06/05/05-15

　ソウルの南にある平澤市の農場は、韓国政府と、農民及びその支持者たちの対立の中心となった。農民たちはアメリカ軍基地の拡張計画を食い止めようとしていた。地方の大秋里初等学校が、政府当局から土地を守ろうとするアクティビストたちの位置的な拠点となった。この抗議は暴力を用いた衝突となり、３０００人の部隊が小学校を襲い、１００人以上のデモ参加者が逮捕された。しかし抗議はさらに全国で広がった。ソウルでは６０００人もの農民支持者がろうそくでお祈りを行い、アメリカの計画の停止と活動家の釈放を要求した。現地での集会には、１万８千人の警察が配備され、大秋里の周りの道路を遮断したものの、３５００人以上

06/05/11

　 インド洋のチャゴス諸島から亡命してきた家族たちと国際的な支持者たちは、イギリス高等法院による、彼らは違法に退去させられたのであり、１つの島以外（ディエゴガルシア島）へ帰還してもよいという判決による勝利を喜んだ。この国際キャンペーンは、１９６０年代から７０年代にかけて、イギリス政府がアメリカに対して、空軍基地として使うために同諸島最大のディエゴガルシア島を貸与した時に、この英国領の人々が退去させられて以来、続いてき

06/05/18

２００６年５月１８日

　 ネパール人民と国際的な人権組織の持続的な圧力をうけて、ネパール議会はギャネンドラ国王の権力を剥奪することを大差で決定した。王室一家は将来は課税を受け、ネパールは公式にヒンドゥー教国から世俗国家になる予定である。

06/06/04

２００６年６月４日

　およそ４万４千人の香港住民と活動家たちが、アメリカ、ロンドン、その他の都市で、１９８９年の天安門事件（いっそうの民主化を求めて１９８９年に北京でデモを行った学生やその他の人々が虐殺された）の１７周年を祝った。お祈りや集会によって、殺害された数百の人々の冥福を祈った。デモ参加者は中国政府に対し、この暴力行為を認め、すべての親民主主義活動家の釈放と犠牲者の家族への補償を求めた。

06/06/15

２００６年６月１５日

　ブラジルのサンパウロで国際行動デーが開催され、４年間に亘り選挙してきた空きビルからの立ち退きを迫られていた４６８のホームレスの家族がとの連帯をしめした。デモ行動はパリ、東京、リスボンのブラジル大使館の外で行われた。

06/06/18-20

２００６年６月１８-２０日

　ケニヤのナイロビで、「債務放棄のための戦略」に関する国際フォーラムが開催された。アフリカ、アジア、ラテンアメリカ、カリブ諸国の３５国のアクティビストが、「債務放棄に関するナイロビ宣言」を支持した。この声明は克服すべき一連の課題を明確にし、目標に向かって協力する書集団の決意を固めるものであった。

06/06/22-24

２００６年６月２２-２４日

　 移民に関する第２回世界社会フォーラムがスペインのマドリードで開かれ、８７０の組織から３３９１人が参加した。５３カ国の人々がこれに参加した。議論された主要なテーマは、移民と亡命、政治的社会的抑圧であった。

06/07/01

２００６年７月１日

　 香港で「君たちの声を発せよ」という横断幕の元、親民主主義のデモ参加者に、５万のホイッスルが配られた。この日は香港が中国に返還されて９周年であった。

06/07/11-15

２００６年７月１１-１５日

　 ロシアのサンクトペテルブルクで開かれたG8サミットに首脳が集まったのに応じて、デモが行われた。多くの抗議は環境問題に力点を置いていた。アクティビストたちは「エネルギー安全保障」の名の下原子力エネルギーの利用が増大していると同時に、「地球の商品化」が、石油、ガス、石炭産業へのさらなる投資によって進んでいることを批判した。世界中で「気候変動に抗する直接行動国際デー」の一部として、少なくとも３５の都市で、G8と気候変動に対して抗議活動が行われた。サンクトペテルブルクでの集会は数百人が途中で足止めをくい、計画された行進が禁止されるなどして限定的なものとなった。第２回目のロシア社会フォーラムが、これと揆を一にしてサンクトペテルブルクのキーロフ・スタジアムで行われた。

06/07/12-08/13

２００６年７月１２-８月１３日

　 イスラエルとレバノンの間で爆撃の応酬があり、平和団体や国際人権団体はグローバルな行動を企画し始めた。翌月の流血のさなか、世界中の都市で、無差別攻撃を非難し、多くの民間人の死傷者に連帯の意思を表明するための抗議が行われた。

06/07/26

２００６年７月２６日

　 アイスランドで、アルコアアルミ精錬所に燃料を供給するためだけに設計された巨大な水力発電所を建設する計画に抗議するため、環境運動家が集まった。環境活動家は、この計画によって数多くの絶滅危惧動植物の生態環境が破壊されると主張した。彼らは、大企業が自己の地熱上の土壌を搾取することに対して、ヨーロッパに残っている最大の原野を守る必要性を強調した。

06/08/07

２００６年８月７日

　 ２年後に予定されている２００８年の北京オリンピックを控えて、国際人権団体の連合は、ＩＯＣがオリンピックの使命に従っていないという声明を発表した。同連合はさらに、選手たち、国内委員会、スポンサーに対して、中国で引き続き起きている人権侵害に対して行動を起こすように要望した。

06/08/14

２００６年８月１４日

　 アマゾンの遊牧民であるヌカク族がコロンビアに戻ったのにあわせ、先住民の権利を守るキャンペーンを行った諸団体は勝利を祝った。この、土地を離れていた部族は、彼らの森が巻き込まれた闘いの後、退去していた。しかし、国際的な圧力によって、コロンビア政府は彼らに安全地域を作った。ヌカク族のリーダーは自殺し、ヌカク族は引き続き麻薬戦争によって被害を受け、過去２０年間に１２００人から５００人に減ってしまった。

06/08/16

２００６年８月１６日

　 ラ・ビア・カンペシーナは、レバノンの民間人に対する攻撃をやめるよう要請する声明を発し、即時停戦とイスラエル軍の撤退、国連の指揮の下での国際的な平和維持軍のハイチを求めた。これは、レバノンの人々に連帯を表明し、イスラエル政府に対して圧力をかけるキャンペーンに貢献しようとするグローバル市民社会グループの数多くの声明の一例であった。

06/08/22

２００６年８月２２日

　 国際人権団体は、ヤフー、グーグル、マイクロソフトに関し、中国の政治的抑圧活動に手を貸しているとしてボイコットを呼びかけた。

06/09/13

２００６年９月１３日

　 中国政府は、市民の自由を求める活動家に対する取り締まりを開始し、１ヶ月に１００人以上を逮捕し、新たなメディア規制を設け、外国から資金援助を受けている環境・慈善活動家に対する調査を始めた。これは２００８年に行われる、世界中の注目を集めるオリンピックと関連があるとみられている。

06/09/15-16

２００６年９月１５-１６日

　 台湾で、陳水扁総統に関する汚職の疑いがわき上がり、大規模なデモが行われた。９月１５日には４０万人の台湾人が平和的に台北を行進し、総統の辞職を要求した。翌日は２０万人が特に事件もなく陳水扁の支持者がデモを行った。

06/09/17-24

２００６年９月１７-２４日

　 ハンガリーのフェレンツ・ジュルチャーニ首相が公にした告白のあと、国中で抗議行動が発生した。ジュルチャーニは、自らの政権が、再選されるために「朝昼晩嘘をついていた」ことを認めた。極右グループは初期のデモ行動を乗っ取って暴動を引き起こし、１５０人以上が逮捕された。最大の抗議行動では、２万人がブダペストの中央広場に集まり、ジュルチャーニの退陣を要求した。

06/09/24

２００６年９月２４日

　 環境活動家がイギリスのノッティンガム東ミッドランド空港のセキュリティを破って、滑走路に鎖を作り、全ての空港を「気候変動工場」というラベルを貼った。バプテスト派のある牧師は、滑走路の上で気候変動の犠牲者に対する追悼式を行い、「飛行機なんてバカみたい」の活動家が持ってきた簡易説教壇から、飛行機旅行の増大がもたらす危険について説教を行った。

06/10/02-04

２００６年１０月２-４日

　Ｇ８＋５気候変動サミットに合わせて、メキシコで気候変動に対するデモが行われた。デモ活動は、抗議する学生に対してメキシコ軍と連邦警察が発砲したトラテロルコ虐殺事件の３８周年を記念した、メキシコシティでの１０万人の親デモクラシー活動家の行進で始まった。

（参考：『トラテロルコの夜』藤原書店）１９６８年１０月２日午後６時、メキシコ・シティー中心部の三文化広場（トラテロルコ）において、８０００人の学生労働者が政府の抑圧政策に反対し て政治集会を開いていた。これにたいし数百人の軍の部隊が戦車で包囲、約２時間３０分のあいだに約７０，０００発の銃弾を発射、無数の死者、重傷者が残さ れた。当時の学生運動、全国ストライキ協議会（ＣＮＨ）の指導者、ラウル・アルバレス・ガリンは、「その瞬間、何も考えなかった。助かることすら。ただ起 こったことを見た。それは残虐行為を超えるものだった」と言う。参加者は「軍隊だ！」と叫んで逃げまどった。公式発表は４４人の死者、一般には３００人以 上が殺されたと考えられている。メキシコ・オリンピックの１０日前の出来事である。当時のグスタボ・ディアス・オルダス大統領（１９６４－７０）は、オリ ンピックの開催をひかえて、集会参加者は混乱状態を作り出そうともくろんでいたと主張した。逮捕されたものは政府軍本部に連行され、拷問による取り調べを 受けた。ロンドンに本部を置くアムネスティー・インターナショナル（ＡＩ）は、４０周年をまえに、メキシコ政府、フェリペ・カルデロン大統領にたいし、い まだ何ひとつ責任がとられておらず、誰一人裁かれず、誰が命令を下したかも明らかにされず、死者の数すら判明していない現状を批判し、正義を行なうように 求める声明を発表した。犠牲者とその家族に補償が行わなければならない、と。メキシコにおいてはチリやアルゼンチンのように人道にたいする犯罪が裁かれて いない。ガリンは言う、「４０周年は事件を終わらせる記念日ではない。国際的な事件究明の序章なのだ」。（０１６４）

06/10/12-15

２００６年１０月１２-１５日

　 ボリビアのコチャバンバで、第１回の先祖の叡智に関する国際社会フォーラムが開かれ、アメリカ大陸中から活動家や市民社会組織が、クリストファー・コロンブスの新世界の「発見」記念日に集まった。先住民族のコミュニティーから集まったメンバーは、資本主義者の進めるグローバリゼーションの圧力の中でのアイデンティティや文化をめぐる闘争について、先住民の法律家たちのネットワークの発展について議論し、持続可能な生活を促進するために、古来からの方法や叡智に関する知識を広げていくことを誓う憲章に署名した。

06/10/18

２００６年１０月１８日

　国際人権団体は、中国政府が、スノー・ロータスという新疆ウイグル地区で活動する大学のＡＩＤＳとＮＧＯ活動チームが、地方の中学校がＢ型肝炎の学生を退学処置にしたというニュースを発行した後で活動を禁止したことを非難した。

06/10/26

２００６年１０月２６日

　 バーレーンの人権センターのウェブサイトが、他の２１のサイトとともに、バーレーンの主要なインターネットプロバイダであるバテルコによって遮断された。これは、同センターが、近く行われる議会選挙を前にして政府に対する批判をできなくするためであると活動家が主張している。