長野県無電柱化ガイドライン...1 1 目的...
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長野県無電柱化ガイドライン
平成25年 3月
長野県建設部道路管理課
目 次
1 目的 ・・・・・・・・・・・・・・ 1
2 背景 ・・・・・・・・・・・・・・ 1
3 無電柱化推進事業の位置付け・・・・・・・ 4
4 長野県における無電柱化推進事業の観点・・ 4
5 事業化までのフロー・・・・・・・・・・・ 8
(表紙写真):(―)旧軽井沢軽井沢(停)線 軽井沢駅前
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1 目的
本ガイドラインは、次期(第7期)無電柱化推進計画(箇所)を策定するにあたり、
長野県が行う無電柱化推進事業の対象箇所、順位付け等の基本的な方向性を示すもので
ある。
2 背景
(1)長野県における無電柱化推進事業の経緯
これまで長野県の無電柱化推進事業は、国が定めた計画骨子を基に、主に都市景観の
向上や防災対策の推進を目的として無電柱化の対象箇所を定め整備をしてきた(下表参
照)。現在は、平成 21 年度を初年度とする第6期無電柱化推進計画により無電柱化を進
めている。
計画期 計画年度 整備延長 (km)
長野県内 県管理道路
計画合意箇所以外 5.7 5.7
電線類地中化計画
(第 1期)
昭和 61年度~平成 2年度
(5年間) 11.6 2.8
電線類地中化計画
(第 2期)
平成 3年度~平成 6年度
(4年間) 5.9 5.4
電線類地中化計画
(第 3期)
平成 7年度~平成 10 年度
(4年間) 31.9 9.8
新電線類地中化計画
(第 4期)
平成 11年度~平成 15年度
(5年間) 16.6 9.8
無電柱化推進計画
(第 5期)
平成 16年度~平成 20年度
(5年間) 9.4 6.3
小 計 81.1 39.8
無電柱化推進計画
(第 6期)
平成 21年度~平成 25年度
(5年間) 合意 35.5 合意 10.9
整備前 整備後
【無電柱化推進事業の整備効果】 (国)406号 長野市 柳町
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(主)長野須坂インター線 長野市 南長池
(一)塩尻(停)線 塩尻市 大門
これまでの長野県における無電柱化の代表箇所
(一)平田新橋線 松本市 本庄
(国)151号 飯田市 中央通り
(国)403号 千曲市 杭瀬下
(一)茅野(停)八子ケ峰公園線 茅野市 塚原
(国)141号 上田市 中央
(主)下仁田軽井沢線 軽井沢町 軽井沢
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(2)信州型事業仕分けの実施
平成 23年(2011 年)9月3日、県が実施する無電柱化推進事業について、信州型事
業仕分けが行われた。そこでは、「なぜ無電柱化を長野県で行うのかを明らかにした上
で事業を組み立て直すべき」、「防災なのか景観なのか優先順位をはっきりさせるべき」
などの指摘を受けた。
仕分け結果 要改善
主な対応方針
見直し(事業内容)
○県管理道路における無電柱化の将来的な方向性を明確にする
ため、長野県としてのビジョンや全体計画を策定していく
(3)仕分け結果を受けての対応方針
信州型事業仕分けの結果を受け、今後長野県が無電柱化を進めるにあたり、以下3点
の方針についてまとめたガイドラインを策定し、それに沿って実施していくこととした。
ア 国が4~5年毎に定める推進計画に基づき、長野県として5か年計画を定め、
無電柱化を推進してきたが、将来的な全体計画がなかったため、県管理道路に
おける無電柱化の方向性を明確にする。
イ 優先して行う地域の選定方針や候補箇所の順位付けの方法を明確にする。
ウ 計画の策定にあたっては関係機関との連携を図る。
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3 無電柱化推進事業の位置付け
無電柱化推進事業は、長野県の将来像をつくるにあたっての一つの手段、
ツールであり、平成 25 年度を初年度とする「長野県総合5か年計画」で
描かれている長野県の将来の姿を具現化するために、その計画に沿って無
電柱化に積極的に取り組んでいくものとする。
4 長野県における無電柱化推進事業の観点
平成25年度を初年度とする「長野県総合5か年計画」では、”私たちがめざす「未
来の信州」の姿”として、【世界をひきつける信州の魅力】、【心潤う信州の暮らし】、【ど
こでも営まれる快適な暮らし】などの将来像が記載されており、ここから導き出され
る無電柱化の観点を、国土交通省道路局「無電柱化に係るガイドライン」における無
電柱化事業の対象をふまえて、長野県が目指すべき無電柱化の観点として絞り込んだ。
③ 人々が集い歩く場所での安全で快適な歩行者空間の確保
② 地域の特色・風土を活かす景観の形成及び保全
① 地震などの災害時における輸送・避難空間の確保
写真:国土交通省道路局
『青空の広がる安全で安心
なみちづくりのために 無
電柱化』より
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(1)施策1:地震などの災害時における輸送・避難空間の確保
災害時に避難地や防災拠点を結ぶルートにおいて、人流・物流を確保するために、
電柱・電線が通行の支障とならないよう無電柱化を図る。
[評価項目]
□ 緊急輸送路
□ 人口集中地区(DID)内の路線
□ 短区間で避難地や防災拠点等を連結する路線(1km 以内)
□ 物資輸送拠点へのアクセス路線
□ 広域避難場所へのアクセス路線
□ 総合病院へのアクセス路線
□ 拠点ヘリポートへのアクセス路線
□ 交通結節点へのアクセス路線(駅・バスターミナル)
□ 耐震改修促進計画に位置付けられた路線
□ 東海地震に係る地震防災対策強化地域内の路線
□ 東南海・南海地震に関わる防災対策特別措置法に基づく対策推進地域内の路
線
□ 国や市町村と一体となって防災効果を発現する路線
□ 住民を主体とするまちづくり協議会等で提案された路線
□ 5年以内で事業が完了する路線
□ 道路拡幅等と同時整備
【施策1のイメージ】
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(2)施策2:地域の特色・風土を活かす景観の形成及び保全
国際競争力の高い魅力ある観光地域の形成、伝統文化や歴史風土を活かした地域づ
くりを推進するために、無電柱化を図る。
[評価項目]
□ 山岳・高原・湖沼などの景勝地に資する路線
□ 国際的に知名度の高い観光地に資する路線
□ 優れた温泉・スキー場に資する路線
□ 著名な避暑地に資する路線
□ 北陸新幹線停車駅の周辺路線
□ 観光地利用者延数が50万人以上の観光地域内及びアクセス路線
□ 地域文化の振興・復興に資する路線
□ 交通結節点等からの眺望に資する路線
□ 市町村の総合計画・景観計画等に無電柱化に関する記載がある区域内の路線
□ 歴史まちづくり法の重点区域内の路線
□ 住民を主体とするまちづくり協議会等で提案された路線
□ 国や市町村と一体となって観光効果を発揮する路線
□ 5年以内で事業が完了する路線
□ 道路拡幅等と同時整備
【施策2のイメージ】
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(3)施策3:人々が集い歩く場所での安全で快適な歩行者空間の確保
少子高齢化社会において、誰もが安全・安心して暮らすことができる社会を目指し、
バリアフリーの歩行者空間を確保するため、無電柱化を図る。
[評価項目]
□ 利用者数が 3,000人/日以上の駅・バスターミナル等へのアクセス道路
□ バリアフリー新法で規定する重点整備地区内の路線
□ 不特定多数の人が利用する病院や商業施設・社会福祉施設等の周辺路線
□ 歩道の有効幅員 2.0m以上が確保される路線
□ 通学路
□ 短区間で円滑な通行が導線的に確保される路線(1km 以内)
□ 市町村の総合計画等に無電柱化に関する記載がある区域内の路線
□ 住民を主体とするまちづくり協議会等で提案された路線
□ 国や市町村と一体となって効果を発揮する路線
□ 5年以内で事業が完了する路線
□ 道路拡幅等と同時整備
【施策3のイメージ】
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5 事業化までのフロー
「第7期無電柱化推進計画(H26~H30)」の策定にあたって、電線管理者と協議を行
う箇所については、長野県が目指すべき無電柱化の観点に合致し、かつ市町村の計画
や意向と整合しているものをリストアップし、3施策毎に評価項目の該当が多い箇所
を優先して、候補箇所として位置づけていく。また、他部局との連携がある箇所につ
いても考慮していくこととする。
上記により、候補箇所となったものについて、長野県電線類地中化協議会で電線管
理者と調整し、5か年計画に位置付ける箇所を決定していく。
各施策毎に候補箇所を評価
箇所名 施策1 施策2 施策3
○○市○○
○○村○○
○○町○○
A事務所 施策3
施策1
B事務所 施策1
C事務所 施策2
長野県電線類地中化協議会
リストアップ
新規5箇年計画 候補箇所あげ
事業化
・電線管理者との調整
・道路管理者による合意条件の整理
リストアップ
合 意