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誘電体と電場の復習
• コンデンサ
• コンデンサのエネルギー
• 誘電体と電気容量
• 誘電分極と双極子モーメント
コンデンサー
2枚の金属板に電池をつなぐとどうなるか?
電界:E = V/d 電荷:Q
電位差:V 面積:S 距離:d
静電誘導 金属板に電荷がたまる!
Q と V の関係は??
コンデンサー 電界E [V/m]、電荷+Q,-Q [C]、距離 d [m]
よって、ガウスの定理から
電気力線はE 本/m2
このとき電極間の電圧をV [V]
蓄えられる電荷Qは
C: 電気容量 [F]
コンデンサーに蓄えられたエネルギー
コンデンサーに電気を蓄えるには(電池につなぐなど)外部から仕事をしなければならない。
電気を蓄える=余分なエネルギーを持つ
電場E、距離dのコンデンサーを考える。 このコンデンサーに微小電荷q0を蓄えるのに必要な仕事(=電荷q0を電極間で運ぶ仕事)
v は極間の電位差
繰り返して合計電荷Qを蓄えた時(電位差V)の、 合計の仕事は
電界中の絶縁体
(1)はく検電器と金属板Aを正に 帯電する。
(2)絶縁体(誘電体)を差し込む。
• はく検電器は開き • 金属板Bにはアースより負の電荷が帯電する。
はく検電器の開きが小さくなる。
総電荷は変化しない 正電荷がAに集まった 金属板間の電圧が下がった
誘電体と電気容量
絶縁体(誘電体)を入れると誘電分極が起きる。
誘電分極で現れた誘電体表面の電荷が外部の電界と逆向きの電界を作る。
一部の電界を打ち消す。
電界が弱まり、電圧が下がる。
E=V/d
電圧が下がることは、電荷がQなら 電気容量Cが大きくなったこと。
Q = C V
同じ電圧でたくさんの電荷をためることができる。
誘電分極
+ + + - - -
配向分極 変形分極 電子分極
分子の回転 分子の伸縮、変角 電子遷移
マイクロ波 赤外線 可視光線・紫外線
遅い 速い
分極を起こすためには、電場を与える(=電磁波を照射する)必要がある。
分極の大きさ
双極子モーメント
どの程度分極しているか。 どの程度離れているか。
素電荷:1.60 x 10-19C
もし、1Aの距離で完全に1電子が完全に分極したら、
1.60 x 10-19C x 1.0 x 10-10m =1.60 x 10-29Cm
1D=3.34 x 10-30Cm
=4.8D
演習4
8µFのコンデンサーを1000Vに充電した。蓄積された電荷はいくらか? また、有するエネルギーはいくらか?
演習4
8µFのコンデンサーを1000Vに充電した。蓄積された電荷はいくらか? また、有するエネルギーはいくらか?
演習5 向かいあった極板の面積が2m2で、間隔を1mmにしてその間にガラス板をはさんだ。このコンデンサーの電気容量はいくらか? ただし、ガラスの比誘電率を5.0とする。
演習5 向かいあった極板の面積が2m2で、間隔を1mmにしてその間にガラス板をはさんだ。このコンデンサーの電気容量はいくらか? ただし、ガラスの比誘電率を5.0とする。
S=2m2
d=1mm
演習6
K+ Cl-
2.667A
塩化カリウムの双極子モーメントを求めよ。
ただし、原子間距離は2.667A、電荷は完全に分離しているとする。
演習6
K+ Cl-
2.667A
塩化カリウムの双極子モーメントを求めよ。
ただし、原子間距離は2.667A、電荷は完全に分離しているとする。
双極子モーメント
素電荷:1.60 x 10-19C
(測定値10.48 D)
電流
• 電流とはなにか
• オームの法則
• 抵抗(率)で温度を測る
• 電流による仕事、ジュール熱
• 電力・電力量
電流
電流の担い手は荷電粒子 (電子、イオン)
電場 + -
電子
電流
電場の中に電子を置く 電子は負から正に向けて動く
電流は正から負に流れる(仮想的)
流れの量(電流): 1秒間に1Cの電荷(電子6.3 x 1018個)が流れるときが1A
キャリア
キャリアの電荷は電気素量e(=1.60 x 10-19 C)の整数倍
電流の流れ
流れ(電流)は何に依存するか?
山の上のカルデラ湖
ダム
川
山の高さ(電位差) 流れの太さと長さ(抵抗)
オームの法則
長さd [m]の導体の両端に電位差V [V]をかける。 電界を生じ、内部の電荷(電子)は力を受けて動く。
F = q E = q V / d
dが一定ならVが大きくなると電界Eも大きくなる。
電荷には電位に比例する力Fがかかるので、等加速度運動するはずである。
F=mα, v=αt
しかし、実際には電子は金属イオンにぶつかるので加速され続けない。 電場に比例する平均的な一定の速度になる。
v S
導線中の電子の流れ
n:単位体積の電子の個数
電流 (i)=envS
V ∝ I 比例定数をR(電気抵抗)として
電気抵抗(R)は断面積 S [m2]に反比例し、 長さ L [m]に比例する。 抵抗率 [Ωm]
抵抗の接続
(1)直列
(2)並列
電圧降下
抵抗率の温度変化
ρ1をt1℃における抵抗率、 ρ2をt2℃における抵抗率とすると一般に次の関係が成り立つ
金属の抵抗率は温度と ともに上昇する。
Fe :0.0050 Ag :0.0038 Cu :0.00393 Al :0.0039 Pt :0.0039 温度係数α
抵抗温度計で温度を測る
α=0.0039
たとえば、0℃で100Ωの白金抵抗温度計である温度を測ったら、 103.9Ωだった。
Pt100測温抵抗体基準抵抗値表
電流による仕事
V [V] の電位にある電荷 q [C] はW(=qV) [J]のエネルギーを持つ。
この電荷が電流(i A, t 秒)として流れた時の仕事は
ジュール熱
熱の仕事当量をJ [J / cal] とすれば、発生する熱量Q [cal]は
1Ωの抵抗に電流 1 Aを 1 秒間流すと1/J cal の熱量を発生する。
回路が電源と抵抗のみの場合、この仕事W [J]はすべて熱に変わる。
電力・電力量
電力(P):電流が単位時間にする仕事(=仕事率)
電力量(W):ある時間に電流がする仕事
500Wの電子レンジで2分間 500 [W] x (2 x 60) [s] =60000J = 14320cal
200gの水を75℃上昇させるのに必要な熱量:15000 cal
500 [W] x 2/60 [h] =16.7 Wh
(1kWh = 3600kJ)
100Wの白熱電球を100Vで一時間点灯したら、どれだけエネルギーを消費するか?
演習7
8Cの正電荷が12V電位の低いところまで動くとき、どれだけの仕事をするか? また、この電荷が抵抗線を流れていくとき、いくらの熱を発生するか?
ただし、熱の仕事当量は4.2J/calとする。
演習7
8Cの正電荷が12V電位の低いところまで動くとき、どれだけの仕事をするか? また、この電荷が抵抗線を流れていくとき、いくらの熱を発生するか?
ただし、熱の仕事当量は4.2J/calとする。