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避難所開設訓練 プログラム編 「楽しく防災を学ぼう」 公益財団法人ブルーシー・アンド・グリーンランド財団

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Page 1: 避難所開設訓練 プログラム編 「楽しく防災を学ぼ …...Disaster(災害)、Imagination(想像力)、 Game(ゲーム)の頭文字をとって付けら

避難所開設訓練

プログラム編

「楽しく防災を学ぼう」

公益財団法人ブルーシー・アンド・グリーンランド財団

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はじめに

大規模災害時における避難所の運営については、一義的には市町村の防災担当部局

等が責任を負うものでありますが、発災直後には直ちに避難所運営の十分な体制を整

えることが困難なこともあり得ます。そのため、海洋センターを担当される皆さんが

発災から一定期間は避難所運営の協力を可能な限り行わざる得ないことが予想され、

避難所の開設・運営を迅速に行う訓練が重要になります。

すでに配布しております「避難所開設マニュアル」に加え、本マニュアルでは、

2015・2016年度に実施した「避難所開設訓練」の具体的なプログラムを紹介していま

す。海洋センターで避難所開設訓練を行っていただく際の参考にしてください。

※「避難所開設マニュアル」はB&Gコンパス申請様式一覧に掲載してあります。

Step1

① 海洋センター職員間で「避難所開設マニュアル」を活用し、避難所開設の手順等

を確認する。

マニュアルは、チェック項目を設けて日頃から確認できるようになっています。

⇒ 実施したら「B&Gコンパス」→申請様式一覧→避難所開設訓練報告フォー

ムからご報告ください。

Step2

①既に自治体で実施している避難訓練を海洋センターで実施する。

②海洋センターの活動のひとつとして、避難所開設訓練を実施する。

⇒ 実施したら「B&Gコンパス」→申請様式一覧→避難所開設訓練報告フォー

ムからご報告ください。

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目次

1.楽しく学べるプログラム

①新聞紙スリッパ

②ペットボトルで食器づくり

③段ボールパーテーション・段ボールベッドづくり

④防災マップ作り

⑤実践型防災訓練 避難所シュミレーションゲーム

⑥避難所運営ゲーム

⑦ビデオ学習

⑧応急手当(身近なものを使用した応急手当)

⑨ロープワーク

⑩消火訓練・地震体験

⑪被災者の声に学ぶ

⑫非常食体験

⑬防災グッズの展示

2.実施例

①Step1 海洋センターで実施

②Step2 海洋センターイベントで実施

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1.楽しく学べるプログラム

①新聞紙スリッパ

~新聞紙を折るだけ、簡単新聞紙スリッパの作り方~

準備物:新聞紙2枚

①真ん中に向かって右から左に一度折る。

②同じ方向にもう一度右から左へ折る。

③裏返す。

④3分の 1の幅で右から左に向かって折る。

⑤さらに左から折る。

⑥折った片方を、もう片方の中に折り入れる

⑦上面を内側に向かって三角に折り入れる

⑧スリッパの底面が完成

⑨四隅に三角の折り目をつける

⑩四隅を内側に折り入れる

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②ペットボトルで食器づくり

準備物:2Lの空のペットボトル

つくり方・・・2Lのペットボトルの側面片側をカッターナイフやはさみで切り取る。写真の

ように点線で切る。指導者は、子供が手を切らないよう十分に注意する。

③段ボールパーテーション・段ボールベッドづくり

※作成方法は避難所開設マニュアル9ページをご確認ください。

新聞紙スリッパは保育園児(年長組)でも実施可能

なプログラムです。

大地震発生時にガラスやがれきが散乱し、室内が危

険な状況などの簡易用として活躍します。

(余った新聞や段ボールをスリッパの中敷きを入

れて補強すると底が丈夫になります)

カレーがこぼれないよう気を付けてください。

体育館での避難では、プライバシーと音の問題が大きなストレスとなります。避難所に届く支援

物資の空き箱(段ボール)で簡単に仕切りができます。大人でもものづくりは楽しいもの。大人

も子供も楽しめるプログラムです。

災害で食器がないときや皿を洗えないときなどに防災知識として知っておくと便利です。一度

作ったことがあるとパニック状態にならず、落ち着いて対応できます。

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③避難ウォーク

準備物:バインダー・筆記用具・地図の縮小コピー

内 容:自宅から避難所(海洋センター)までの道のりを危険箇所や避難場所を確認しながら、

実際に歩く。参加者が、歩きながら気が付いたことを地図の縮小コピーに記入する。

効 果:実際に被災にあった場合、どこに逃げればよいのか、危険箇所はどこかを把握すること

ができる。

連携先:自治体の防災担当セクション・消防署等

④防災マップ作り

準備物:地図の拡大コピー・マジック(3色程度)・新聞紙(下敷)・ホワイトボード等

※DIGを実施する場合は透明シート等も必要になります。

内 容:各々が避難ウォークで気が付いたことを発表

し、地図を拡大コピーしたものにそれらをまとめる。

発表の時には、どうして危険なのかを考えさせ、発表

させると良い。

効 果:個々の発見を皆で分かち合い、足りない部分

を補うことができる。地図に残す事により、実際に被

災した際に役立つものとする。

連携先:自治体の防災担当セクション・消防署等

●DIG実施の様子

Disaster(災害)、Imagination(想像力)、

Game(ゲーム)の頭文字をとって名付けら

れた「DIG」。身近な文房具を使い、地図や

見取り図に参加者自身が書き込みをする

ことで、自分の地域や住まい・職場に潜む

災害の危険性を「見える化」し、こうなら

ないためにはどうすればよいかをみんな

で考える、頭の防災訓練です。

正解はないので、自由に意見を交換しまし

ょう。

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⑤実践型防災訓練 避難所シュミレーションゲーム

NPO 法人ホワイトベースとくしまが主となり、県内で実施している体験型の避難訓練です。実

際の避難経路に障害物を置き、けがをしたという想定で5人程度のグループで避難するもの。

「自分の命は自分で守る」ことと、助け合いを同時に学べる訓練です。

徳島市B&G海洋センターの「親子防災キャンプ」でも実施しています。

避難所シュミレーションゲームマニュアル(クリックしてください)

準備物:机、ハードル、跳び箱、椅子など障害物となるもの

内 容:液状化や建物の倒壊を想定し、避難経路上に障害物を設置する。負傷時を想定し目隠し

などを行いコースを進み、ゴール後に意見交換と振り返りを行う。

効 果 体験することで災害をイメージしてもらい、自助・共助の重要性や難しさを認識しても

らうことができる。

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⑥避難所運営ゲーム(HUG)

準備物 :HUGカード・体育館図面・付箋・ペン

内 容 :避難所運営を皆で考えるためのひとつのアプローチとして静岡県が開発したもの。避

難者の年齢や性別、国籍やそれぞれが抱える事情が書かれたカードを、避難所の体育館や教室に

見立てた平面図にどれだけ適切に配置できるか、また避難所で起こる様々な出来事にどう対応し

ていくかを模擬体験するゲームです。

プレイヤーは、このゲームを通して災害時要援護者への配慮をしながら部屋割りを考え、また

炊き出し場や仮設トイレの配置などの生活空間の確保、視察や取材対応といった出来事に対して、

思いのままに意見を出しあったり、話し合ったり

ゲームの進め方の詳細は、以下のサイトを参考にしてください。

http://www.pref.shizuoka.jp/bousai/e-quakes/manabu/hinanjyo-hug/about.html

効 果 :ゲーム感覚で避難所の運営を学ぶことができる。

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⑦ビデオ学習

準備物:防災ビデオ(子どもが楽しく学べるアニメ系のものもある。)

内 容:災害についてのビデオを観て、災害の恐ろしさ、災害時の行動の仕方、防災準備の大切

さなどについて学ぶ。内容が子ども達にも理解しやすいものかどうかを事前に確認して

おくことが大切。

効 果:災害について総合的に視覚として捉えることにより、災害に対しての意識を高める。

連携先:消防署、防災センター

⑧応急手当(身近なものを使用した応急手当)

準備物:三角巾(適当な大きさに切ったシーツも可)、ほうき、モップ、毛布など

内 容:洋服やシーツを三角巾のかわりに使っての応急手当や、毛布等とモップを使った応急タ

ンカの作成方法などを学ぶ。また消防署の協力を得て、心肺蘇生法、止血法、除細動の

講習などを行う。

効 果:すぐに病院へ行けない被災時の状況を想定して、自分や周囲の人を助ける応急手当を学

ぶ事ができる。講義だけでなく、実技も行う事で体験的に理解する。

連携先:消防署

防災ビデオは自治体の防災担当課や消防署より借用

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⑨ロープワーク

準備物:ロープ

内 容:もやい結びやエイトノットなど、防災時に役立つ結び方を学ぶ。ロープワークを学んだ

後、ロープワークを活用してテントを立てたり、ペットボトルを使用したレスキュー方

法を学んだりと、他のプログラムと組み合わせるのもよい。

効 果:基本的なロープワークを身に付け、それを被災時に応用する術を学ぶことができる。

毛布・上着を使った応急担架の作り方

「わたしの防災サバイバル手帳」

より抜粋

発行:株式会社 ぎょうせい

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⑩消火訓練・地震体験

内 容:消防署や防災センターと連携して消化訓練や地震のシミュレーション体験を行う。

効 果:実際に煙や地震を体験する事により、災害の怖さを全身で感じる。防災の必要性を身も

もって感じ取る。

連携先:消防署、防災センター

⑪被災者の声に学ぶ

内 容:被災体験を持つ方から、その当時の状況を語っていただく。当時の写真やビデオ、資料

などもあるとよい。

効 果:実際に災害を体験した人から、災害時はどのような状況で、どのような困難なことがあ

ったのかを、直に聞く事ができる。被災者の生の声を聞く事により、災害に備える意識

を高める。

連携先:総務課、消防署、近隣の被災体験者

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⑫非常食体験

内 容:市販されている非常食の紹介、実際に調理してみて朝食や夕食にて食す。

効 果:災害時に備えるべき、非常食にどのようなものがあるのかを知る。その調理法、利用法

を学ぶ。また普段から非常食を用意しておく意識をつける。

⑬防災グッズの展示

内 容:自治体の防災担当部署が持っている防災グッズを展示

アルファ米は、水を入れるだけでご飯ができあが

る便利な非常食。 非常食の見本を展示。

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2.実施例

① Step1 まずは海洋センター職員で避難所開設のプロセスを確認。

時 間:2時間

場 所:海洋センター

参加対象:海洋センター職員等

準備物:避難所開設マニュアル・体育館図面

時間 内容

13:00~13:30 もしものときを想像してみる。

災害発生時に海洋センターはどんな状態になるのか話し合う。

13:30~14:00 避難所開設マニュアルにそってチェック項目を確認する

14:00~15:00 体育館間取りでのレイアウトを作成する。

※事前にレイアウトを作成しておくことで運営者・避難者とも

に混乱を無くすことができます。

受付・救護室・物資保管場所・授乳室・ゴミ箱などを記入。「あるべき避難所」の配置を話し合

う。

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②Step2 地域住民参加型事業として実施

・徳島市 B&G海洋センター 水と親しむ親子防災キャンプ

期間:1泊2日

場所:海洋センター

参加対象:小中学生とその家族

定員:100人

参加費:1,000円(非常食材料費)

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・防災イベント

時間:1時間半~3時間

準備物:災害時トラブルカード・ハサミ、カッター、接着剤など

時 間 内 容

13:00~13:15 体験談を読む、またはもしものときを想像してみる。

13:15~14:15 災害時のトラブルを解決する練習をする。

1.問題を出す。

・まず進行役が問題を出します。⇒出題例参考

2.グループで解決策をつくる。

・グループで協力し問題を解決する。

3.グループごとに発表する。

14:15~14:30 今日の感想をひとりづつ発表

まとめ

出題例

問題 トイレがありません。ここにあるもので簡易トイレを作ってください。

材料 バケツ・ポリ袋・新聞紙など

問題 避難所にやってきました。簡易ベッドと枕をつくりましょう。

材料 段ボール・新聞紙・ブルーシートなど

問題 食事を配るために、簡単なお皿とスプーンが必要です。食器を作ってみましょ

う。

材料 ペットボトル・牛乳パック・新聞紙・ラップ

集めておくと応用できる素材

・段ボール、紙、輪ゴム、段ボール、布、ポリ袋、ラップ、ペットボトル、牛乳パッ

「東京防災」より抜粋

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2017年 2月 11日 読売新聞

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2017年 3月 22日 日経新聞

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【2017.03.30作成】

● 問い合わせ先

公益財団法人 ブルーシー・アンド・グリーンランド財団

事業部 海洋センタークラブ課 避難所開設訓練担当 美濃越(みのこし)・藤田