電気設備技術基準の解釈の改正について(概要)...電気設備技術基準の解釈の改正について(概要)...

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電気設備技術基準の解釈の改正について(概要) 平成 23 7 1 (社)日本電気技術者協会総務担当理事 竹野正二 平成 23 7 1 日付けで、電気設備技術基準の解釈(以下「電技解釈」と略す。)が、全面改正 され、電技解釈の条文番号も一新された。この改正は、平成 23 10 1 日に施行される。 今回の改正は、電技解釈をより読みやすくするための改正と経済産業省原子力安全・保安院編と して出されている電技解釈の解説の中に表示されている運用部分を電技解釈に取り入れるための 改正が主体となっている。 そのほか、IEC(国際電気標準会議)規格の取入れに係る検討をしていた「電気設備施設技術基 準国際化調査(電気設備)」及び JIS 規格の調査を検討していた「電気施設技術基準関連規格等調 査(電気設備)」の報告書、日本電気技術規格委員会において新たに制定した JESC 規格の解釈への 引用による改正である。 〔1〕 電気施設技術基準整備調査の答申による改正 用語の定義の充実 用語の定義は、従来第 1 条にまとめて規定さているほか、条文の中においてもかなり定義されて いたが、頻繁に出てくる用語であって、各章に関連するものは1 に、第 3 章電線路に関するも のは49 に、第4章電力保安通信設備に関するものは134 に、第 5 章電気使用場所及び小 出力発電設備に関するものは142 に、第 6 章電気鉄道に関すものは201 に第 7 章電力系統 連系に関するものは220 にそれぞれ定義されている。 新たに定義されたもので主たるものは、第 1 条において「使用電気場所」、「需要場所」、「変電所 に準ずる場所」、「水気のある場所」、「湿気のある場所」など場所に関する定義が行われている。ま た、従来、条文ごとに「人が容易に触れないように」又は「人が触れないように」と表現されたも のを、「簡易防護装置」、「接触防護装置」という用語として定義して、規定の明確化が図られてい る。 条文の組み換え (1) 電線に係る条文の整理 旧第3条において、絶縁電線からケーブルにいたるまで電線に関する性能がまとめて規定されて いた。そしてこの 1 条の性能に適合する電線の規格が第 4 条(電線に関する共通的な規格)のほか、 5 条(絶縁電線)から第 11 条(裸電線)までに電線ごとにの種類ごとにその規格が規定されて いた。 電技解釈の前書きに示されているように、性能と規格が併記されている場合はそのいずれかの要 件に適合していれば、電技省令を満足するとなっているので、本来は性能の要件のみ規定されてい

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Page 1: 電気設備技術基準の解釈の改正について(概要)...電気設備技術基準の解釈の改正について(概要) 平成23年7月1日 (社)日本電気技術者協会総務担当理事

電気設備技術基準の解釈の改正について(概要)

平成 23年 7月 1日

(社)日本電気技術者協会総務担当理事 竹野正二

平成 23年 7月 1日付けで、電気設備技術基準の解釈(以下「電技解釈」と略す。)が、全面改正

され、電技解釈の条文番号も一新された。この改正は、平成 23年 10月 1日に施行される。

今回の改正は、電技解釈をより読みやすくするための改正と経済産業省原子力安全・保安院編と

して出されている電技解釈の解説の中に表示されている運用部分を電技解釈に取り入れるための

改正が主体となっている。

そのほか、IEC(国際電気標準会議)規格の取入れに係る検討をしていた「電気設備施設技術基

準国際化調査(電気設備)」及び JIS 規格の調査を検討していた「電気施設技術基準関連規格等調

査(電気設備)」の報告書、日本電気技術規格委員会において新たに制定した JESC 規格の解釈への

引用による改正である。

〔1〕 電気施設技術基準整備調査の答申による改正

1 用語の定義の充実

用語の定義は、従来第 1条にまとめて規定さているほか、条文の中においてもかなり定義されて

いたが、頻繁に出てくる用語であって、各章に関連するものは第 1条に、第 3章電線路に関するも

のは第 49 条に、第4章電力保安通信設備に関するものは第 134 条に、第 5 章電気使用場所及び小

出力発電設備に関するものは第 142条に、第 6章電気鉄道に関すものは第 201条に第 7章電力系統

連系に関するものは第 220 条にそれぞれ定義されている。

新たに定義されたもので主たるものは、第 1条において「使用電気場所」、「需要場所」、「変電所

に準ずる場所」、「水気のある場所」、「湿気のある場所」など場所に関する定義が行われている。ま

た、従来、条文ごとに「人が容易に触れないように」又は「人が触れないように」と表現されたも

のを、「簡易防護装置」、「接触防護装置」という用語として定義して、規定の明確化が図られてい

る。

2 条文の組み換え

(1) 電線に係る条文の整理

旧第3条において、絶縁電線からケーブルにいたるまで電線に関する性能がまとめて規定されて

いた。そしてこの 1条の性能に適合する電線の規格が第 4条(電線に関する共通的な規格)のほか、

第 5 条(絶縁電線)から第 11 条(裸電線)までに電線ごとにの種類ごとにその規格が規定されて

いた。

電技解釈の前書きに示されているように、性能と規格が併記されている場合はそのいずれかの要

件に適合していれば、電技省令を満足するとなっているので、本来は性能の要件のみ規定されてい

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ばよいわけであるが、使用者の便利のために規格も規定されている。

この考え方に変更はなく、今回の改正では旧第 3条においてまとめて規定されていた電線に係る

性能の規定は、電線の規格等を規定してる各条文の1つの項目として規定された。

(2)条文統合・組替え

類似の内容の条文が統合され、その結果、条文数が尐なくなった。主なものを挙げると次の通り。

第 106条と第 107条は 35kV以下の特別高圧架空電線に係る規定をこれらが配電線として使用され

る場合が多いことから、一般の特別高圧架空電線の規定から抜き出して規定したものである。内容

的には変更されていない。

条文統合・組替えを行った結果、これまで全 293 条文であったものが 61 条文減尐し 232 条文に

整理・統合された。

新条文 統合された旧条文

第 16条(機械器具等の電路の

絶縁性能)

第 15条から第 18条までの回転機、変圧器及び器具等の電路の絶

縁耐力に関する規格

第 17条(接地工事の種類及び

施設方法)

第 19条 接地工事の種類

第 20条 各種接地工事の細目

第 21条 D種接地工事等の特例

第 22条(特別高圧の機械器具

の施設)

第 31条 特別高圧用の機械器具の施設

第 32条 特別高圧用変圧器の施設場所

第 37条(避雷器等の施設) 第 41条 避雷器の施設

第 42条 避雷器の接地

第 58条(架空電線路の強度検

討に用いる荷重)

第 57条 【風圧荷重の種類とその適用】

第 113条 (常時想定荷重)

第 114条 (異常時想定荷重)

第 115条 (特別高圧架空電線路の着雪時の荷重等)

第 59条(架空電線路の支持物

の強度等)

第 61条 木柱の強度計算、第 62条 支線の使用

ほか第 112条、第 115 条の特別高圧架空電線路に係る規定

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第 126 条(トンネル内電線路

の施設)

第 141条から第 144条までの各種のトンネル内電線路の施設に規

〔2〕電気施設技術基準国際化調査の答申等に係る改正

経済産業省から日本電気協会等の国際化調査委員会に IEC規格について調査を依頼されていたが、

その委員会の平成 21年度の答申により、改正された事項は以下の通りである。

第 74 条(低高圧架空電線と他

の低高圧架空電線路との接近

又は交差)

第 81条 低圧架空電線相互の接近又は交差

第 82条 高圧架空電線等と低圧架空電線等との接近又は交差

第 83条 高圧架空電線相互の接近又は交さ

第 106 条(35kV以下の特別高

圧架空電線と工作物等との接

近又は交差)

第 124 条から第 127 条までの特別高圧架空電線と建造物との接

近等及び第 131 条(特別高圧架空電線と植物との離隔距離)に

関する規定のうち 35kV 以下の電線路の規定のみ第 106 条に移

第 107条(35kV以下の特別高

圧架空電線と低高圧架空電線

等との併架又は共架)

第 117 条から第 119 条までの特別高圧架空電線と架空弱電流電

線等との共架等の条文から、35kV以下の規定を移動

第 165 条(特殊な低圧屋内配

線工事)

第 183条(フロアダクト工事)、第 184条(セルラダクト工事)、

第第 185 条(ライティングダクト工事)、第 186 条 平形保護層

工事

第 172 条(特殊な配線等の施

設)

第 196 条(興行場の低圧工事)、第 197 条(作業船等の室内の配

線工事)、第 198 条(ショウウィンドー又はショウケース内の配

線工事)、第 200 条(エレベータ、ダムウェーター等の低圧屋内

配線等の施設)

第 179 条(トンネル等の電気

設備の施設)

第 219条から第 223条までの各種のトンネル内の配線の施設に関

する規定

第 198条(電気浴器等の施設) 第 231 条(電極式温泉用昇温器の施設)、第 188 条(滑走路灯等

の配線の施設)、第 232条(電気浴器の施設)

第 233条(銀イオン殺菌装置の施設)

(3)解説に記載されている技術基準への適合性判断事項を解釈に移行。

省令に定める技術基準への適合性判断に関係する事項については、本来解釈において示すこと

が適切である。このような事項で解説に記載されているものについて、新たに解釈に取り入れら

れた。そのほか新しい知見に基づいた改正も行われた。この事項については各章ごとの改正され

た条文ごとの紹介の項で述べる。

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① 鉄骨造等の建造物における新しい接地方式の導入(第 18条第 1項)

第 18条第 1項として鉄骨造等の建造物における新しい接地方式が導入された。

建物の鉄骨等の一部が地中に埋設されている場合は、A種、B種、C種及び D種接地工事はもとよ

り、第 19 条の規定による電路の中性点に施す共用の接地極として使用することを認めたものであ

る。

② 第 218条(IEC60364 の適用)の改定〔旧第 272条〕

本条の表において、導入できる IEC規格と、この規格に基づく JIS規格が掲げられていたが、JIS

規格には IEC規格によらないでよい部分いわゆるデビエーションの事項が含まれている。このこと

にかんがみ、今回 218-1表においては、IEC規格の表示が削除された。

③ 第 219条(IEC 61936-1規格の適用)の改定〔旧第 272条の 2〕

高圧又は特別高圧の電気設備の施設に導入されている IEC 61936-1 規格は、平成 22 年 1 月に導

入されたが、その後この規格が改正されたので、この改正された「4.2.7 電界及び磁界」「4.2.9

高調波」などの規格が取り入れる改正が行われた。

〔3〕平成 21年度関連規格等調査に係る改正

解釈に引用している JISについて引用後に改正されたものにつき、最新の JIS を引用することの

妥当性を平成 21 年度関連規格等調査において調査・検討した結果妥当であるとの結論が得られた

ものについて改正がおこなわれた。主なものは次の通りである。

① 第 9条(低圧ケーブルに規格)

低圧ケーブルの規格のうちMIケーブルに使用する銅管の厚さは、「JCS 第 4316 号無機き絶縁ケ

ーブル(MIケーブル)によることとされた。

② 第 122条(地中電線路の加圧装置の施設)

地中電線路の加圧装置の施設に於ける自動的に圧縮ガスを供給する圧力容器の圧力管の材料は

JIS B 8265「圧力容器の構造」によることされ、圧力タンクの等の安全弁は、JIS B 8210「蒸気用及

びガス用のばね安全弁」に適合することとされた。

〔4〕日本電気技術規格委員会規格JESCに係る改正

新しく制定された日本電気技術規格委員会規格(JESC)が電技解釈に導入された。

1 高圧電線及び 35kV以下の特別高圧電線と植物との離隔

(第 79条第三号、第 106条第 6項)

標記の電線にケーブルを用い、かつ、JESC規格に適合する「ケーブル用防護具」に収める場合は、

電線と植物とが接触しても良いことにされた。

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2 35kV以下の特別高圧絶縁電線と造営物との離隔距離の緩和

(第133条第6項)

35kV以下の特別高圧絶縁電線を JESC E 2021(2010)「臨時電線路に適合する防護具及び離隔距

離」に適合する「特別高圧防護具」に収める場合の電線と造営物との離隔距離を 6 ケ月以内に限り、

建造物の上方で2mから1mにすることなど同規格で規定されている離隔とすることが規定され

た。低圧及び高圧電線の場合の離隔も同表に一括して規定され。これらの電線は電圧階級に応じて

絶縁電線以上の絶縁効力のあるものを使用する必要がある。

〔5〕新しい電技解釈の目次

上記のような各種の委員会の答申により、電技解釈が全面改正が行われた。その結果新しい電技

解釈は、表に示すような構成になった。参考のために関連する旧条文を表示してある。ゴシックで

示された条文は、内容に変更があったものや表現方法が大幅に変更された条文である。

新条文 (旧条文)旧別表

第 1章総則

第 1節通則

第 1条 用語の定義 (1,3,14,43,51,57,65

,68,72,76,78)

第 2条 適用除外 (2)

第 2節

電線

第 3条 電線の規格の共通事項 (4)

第 4条 裸電線等 (11) 16

第 5条 絶縁電線 (3,4,5,30) 4

第 6条 多心型電線 (3,4,6)

第 7条 コード (7)

第 8条 キャブタイヤケーブル (3,4,8) 8,9

第 9条 低圧ケーブル (3,4,9) 11,12

第 10条 高圧ケーブル (3,4,10) 13,14,15

第 11条 特別高圧ケーブル (3,10)

第 12条 電線の接続法 (12)

第 3節

電路の絶縁

及び接地

第 13条 電路の絶縁 (13)

第 14条 低圧電路の絶縁性能 (14-1)

第 15条 高圧又は特別高圧の電路の絶縁性能 (14-2~4)

第 16条 機械器具等の電路の絶縁性能 (15,16,17,18)

第 17条 接地工事の種類及び施設方法 (19,20,21)

第 18条 工作物の金属体を使用した接地工事 (22)

第 19 条 保安上又は機能上必要な場合における電路の

接地

(13,23,28)

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第 4節

電気機械器

具の保安原

第 20条 電気機械器具の熱的強度 (29 の 3)

第 21条 高圧の機械器具の施設 (30)

第 22条 特別高圧の機械器具の施設 (31,32)

第 23条 アークを生じる器具の施設 (36)

第 24条 高圧又は特別高圧と低圧との混触による危険

防止施設

(19,24,25)

第 25条 特別高圧と高圧の混触等による危険防止施設 (26)

第 26条 特別高圧配電用変圧器の施設 (33)

第 27条 特別高圧を直接低圧に変成する変圧器の施設 (34)

第 28条 計器用変成器の2次側電路の接地 (27)

第 29条 機械器具の金属製外箱等の接地 (29)

第 30条 高周波利用設備の障害の防止 (35)

第 31条 変圧器等からの電磁誘導作用による人の健康

影響の防止

(29 の 4)

第32条 ポリ塩化ビフェニル使用電気機械器具の施設禁

(29 の 2)

第 5節

過電流,地絡

及び異常電

圧に対する

保護対策

第 33条 低圧電路に施設する過電流遮断器の性能等 (37)

第34条 高圧又は特別高圧の電路に施設する過電流遮断

器の性能等

(38)

第 35条 過電流遮断器の施設の例外 (39)

第 36条 地絡遮断装置の施設 (40)

第 37条 避雷器等の施設 (41,42)

第 2章

発電所並び

に変電所、開

閉所及びこ

れらに準ず

る場所の施

第 38条 発電所等への取扱者以外の者の立入の防止 (43)

第 39 条 変電所等からの電磁誘導作用による人の健康

影響の防止

(43 の 2)

第 40条 ガス絶縁機器等の圧力容器の施設 (49)

第 41条 水素冷却式発電機等の施設 (48)

第 42条 発電機の保護装置 (44)

第 43条 特別高圧の変圧器及び調相設備の保護装置 (46,47)

第 44条 蓄電池の保護装置 (45)

第 45条 燃料電池等の施設 (45,50 の 2)

第 46条 太陽電池モジュール等の施設 (50)

第 47条 常時監視をしない発電所の施設 (51)

第 48条 常時監視をしない変電所の施設 (52)

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第 3章

電線路

第 1節

電線路の通

第 49条 電線路に係る用語の定義 (1,58,60,70,76,77,

113,115)

第 50条 電線路からの電磁誘導作用による人の健康影

響の防止

(53 の 2)

第2節

架空電線路

の通則

第 51条 電波障害の防止 (53)

第 52条 架空弱電流電線路への誘導作用による通信障

害の防止

(64,102)

第 53条 架空電線路の支持物の昇塔防止 (56)

第 54条 架空電線の分岐 (55)

第 55条 架空電線路の防護具 (76,124)

第 56条 鉄筋コンクリート柱の構成等 (60)

第 57条 鉄柱及び鉄塔の構成等 (59)

第 58条 架空電線路の強度検討に用いる荷重 (57,113,114,115)

第 59条 架空電線路の支持物の強度等 (58,59,61,62,70,

110,112,115)

第 60条 架空電線路の支持物の基礎の強度等 (58)

第 61条 支線の施設方法及び支柱による代用 (63)

第 62条 架空電線路の支持物における支線の施設 (71,111)

第 63条 架空電線路の径間の制限 (73,121)

第3節

低圧及び高

圧の架空電

線路

第 64条 適用範囲 (65,76,80)

第 65条 低高圧架空電線路に使用する電線 (65,66)

第 66条 低高圧架空電線の引張強さに対する安全率 (67)

第 67条 低高圧架空電線路の架空ケーブルによる施設 (65)

第 68条 低高圧架空電線の高さ (68)

第 69条 高圧架空電線路の架空地線 (69)

第 70条 低圧保安工事及び高圧保安工事 (74,75)

第 71条 低高圧架空電線と建造物との接近 (76)

第 72条 低高圧架空電線と道路等との接近又は交差 (77)

第 73条 低高圧架空電線と索道との接近又は交差 (77)

第 74 条 低高圧架空電線と他の低高圧架空電線路との

接近又は交差

(81,82,83)

第 75条 低高圧架空電線と電車線等又は電車線等の支

持物との接近又は交差

(77,80,82)

第 76条 低高圧架空電線と架空弱電流電線路等との接

近又は交差

(78)

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第 77条 低高圧架空電線とアンテナとの接近又は交差 (79)

第 78条 低高圧架空電線と他の工作物との接近又は交差 (84,85)

第 79 条 低高圧架空電線と植物との接近 (86)

第 80条 低高圧架空電線等の併架 (72)

第 81 条 低高圧架空電線と架空弱電流電線等との共架 (88)

第 82条 低圧架空電線路の施設の特例 (89,90)

第4節

特別高圧架

空電線路

第 83 条 適用範囲 (104)

第 84条 特別高圧架空電線路に使用する電線 (104)

第 85条 特別高圧架空電線の引張強さに対する安全率 (106)

第 86条 特別高圧架空電線路の架空ケーブルによる施設 (103)

第 87 条 特別高圧架空電線の高さ (107)

第 88条 特別高圧架空電線路の市街地等における施設制

(101)

第 89条 特別高圧架空電線と支持物等との離隔距離 (105)

第 90条 特別高圧架空電線路の架空地線 (108)

第 91条 特別高圧架空電線路のがいし装置等 (109)

第 92条 特別高圧架空電線路における耐張型等の支持物

の施設

(116)

第 93 条 特別高圧架空電線路の難着雪化対策 (122)

第 94条 特別高圧架空電線路の塩雪害対策 (122の 2)

第 95条 特別高圧保安工事 (123)

第96条 特別高圧架空電線路が建造物等と接近又は交差

する場合の支線の施設

(130)

第 97 条 35,000V を超える特別高圧架空電線と建造物と

の接近

(124)

第 98 条 35,000V を超える特別高圧架空電線と道路等と

の接近又は交差

(125)

第 99 条 35,000V を超える特別高圧架空電線と索道との

接近又は交差

(126)

第 100 条 35,000V を超える特別高圧架空電線と低高圧

架空電線等若しくは電車線等又はこれらの支

持物との接近又は交差

(127)

第 101 条 特別高圧架空電線相互の接近又は交差 (128)

第 102 条 35,000V を超える特別高圧架空電線と他の工

作物との接近又は交差

(129)

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第 103 条 35,000V を超える特別高圧架空電線と植物と

の接近

(131)

第 104 条 35,000V を超える特別高圧架空電線と低高圧

架空電線等との併架

(117,118)

第 105 条 35,000V を超える特別高圧架空電線と架空弱

電流電線等との共架

(119)

第 106 条 35,000V 以下の特別高圧架空電線と工作物等

との接近又は交差

(124,125,126,127,

129,131)

第 107 条 35,000V 以下の特別高圧架空電線と低高圧架

空電線等との併架又は共架

(117,118,119)

第 108条 15,000V以下の特別高圧架空電線路の施設 (104,117,133)

第 109 条 特別高圧架空電線路の支持物に施設する低圧

の機械器具等の施設

(120)

第5節

屋側電線路、

屋上電線路、

架空引込線

及び連接引

込線

第 110条 低圧屋側電線路の施設 (65,91)

第 111条 高圧屋側電線路の施設 (65,92)

第 112条 特別高圧屋側電線路の施設 (93)

第 113条 低圧屋上電線路の施設 (94)

第 114条 高圧屋上電線路の施設 (95)

第 115条 特別高圧屋上電線路の施設 (96)

第 116条 低圧架空引込線等の施設 (97,98)

第 117条 高圧架空引込線等の施設 (99)

第 118条 特別高圧架空引込線等の施設 (100)

第 119 条 屋側電線路又は屋内電線路に隣接する架空電

線の施設

(87,132)

第6節

地中電線路

第 120 条 地中電線路の施設 (134)

第 121条 地中箱の施設 (135)

第 122条 地中電線路の加圧装置の施設 (136)

第 123条 地中電線の被覆金属体等の接地 (137)

第 124条 地中弱電流電線への誘導障害の防止 (138)

第 125条 地中電線と他の地中電線等との接近又は交差 (139,140)

第7節

特殊場所の

電線路

第 126条 トンネル内電線路の施設 (141,142,143,144)

第 127条 水上電線路及び水底電線路の施設 (145,146)

第 128条 地上に施設する電線路 (147)

第 129条 橋に施設する電線路 (148)

第 130条 電線路専用橋等に施設する電線路 (149)

第 131条 がけに施設する電線路 (150)

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第 132条 屋内に施設する電線路 (151,162)

第 133 条 臨時電線路の施設 (152)

第4章

電力保安通

信設備

第 134条 電力保安通信設備に係る用語の定義 (1,154)

第 135 条 電力保安通信用電話設備の施設 (153)

第 136条 電力保安通信線の施設 (154,155)

第 137 条 添架通信線及びこれに直接接続する通信線の

施設

(154,156,158)

第 138条 電力保安通信線の高さ (157)

第 139 条 特別高圧架空電線路添架通信線の市街地引込

み制限

(159)

第140条 15,000V以下の特別高圧架空電線路添架通信線

の施設に係る特例

(160)

第 141条 無線用アンテナ等を支持する鉄塔等の施設 (161)

第5章

電気使用場

所の施設及

び小出力発

電設備

第1節

電気使用場

所の施設及

び小出力発

電設備の通

第 142 条 電気使用場所の施設及び小出力発電設備に係

る用語の定義

(151,162,167,170,

171,190,191,199)

第 143条 電路の対地電圧の制限 (162,214)

第 144 条 裸電線の使用制限 (163,202,205,211)

第 145条 メタルラス張り等の木造造営物における施設 (92,167,188,202,205

,206,207,211,214,21

8)

第 146 条 低圧配線に使用する電線 (164,172,211)

第 147条 低圧屋内電路の引込口における開閉器の施設 (165)

第 148条 低圧幹線の施設 (170,173,211)

第 149条 低圧分岐回路等の施設 (171,173,211)

第 150条 配線器具の施設 (166,214)

第 151条 電気機械器具の施設 (167,214)

第 152条 電熱装置の施設 (201,215)

第 153 条 電動機の過負荷保護装置の施設 (169)

第 154 条 蓄電池の保護装置 (242の 4)

第 155条 電気設備による電磁障害の防止 (168)

第2節

配線等の施設

第 156 条 低圧屋内配線の施設場所による工事の種類 (174)

第 157条 がいし引き工事 (175,189)

第 158条 合成樹脂管工事 (177)

第 159条 金属管工事 (178)

第 160条 金属可とう電線管工事 (180)

第 161条 金属線ぴ工事 (179)

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第 162 条 金属ダクト工事 (181)

第 163条 バスダクト工事 (182)

第 164 条 ケーブル工事 (187)

第 165条 特殊な低圧屋内配線工事 (12,183,184,185,186

)

第 166条 低圧の屋側配線又は屋外配線の施設 (210,211)

第 167条 低圧配線と弱電流電線等又は管との接近又は

交差

(189,211,221)

第 168条 高圧配線の施設 (201,211)

第 169条 特別高圧配線の施設 (205,211,239の 2)

第 170条 電球線の施設 (190,212)

第 171条 移動電線の施設 (191,203,205,213)

第 172条 特殊な配線等の施設 (196,197,198,200)

第 173条 低圧接触電線の施設 (199,217)

第 174条 高圧又は特別高圧の接触電線の施設 (204,205,217)

第3節

特殊場所の

施設

第 175条 粉じんの多い場所の施設 (192,202,203,205,

216)

第 176 条 可燃性ガス等の存在する場所の施設 (193,202,203,205,

216,239 の 2)

第 177条 危険物等の存在する場所の施設 (194,202,203,205,

216)

第 178条 火薬庫の電気設備の施設 (195,205)

第 179条 トンネル等の電気設備の施設 (219,220,221,222)

第 180条 臨時配線の施設 (242)

第4節

特殊機器等

の施設

第 181条 小勢力回路の施設 (237)

第 182条 出退表示灯回路の施設 (238)

第 183条 特別低電圧照明回路の施設 (238の 2)

第 184条 交通信号灯の施設 (227)

第 185条 放電灯の施設 (162,206,207,209,

218,223)

第 186条 ネオン放電灯の施設 (208,209,218)

第 187条 水中照明灯の施設 (234)

第 188条 滑走路灯等の配線の施設 (235)

第 189条 遊戯用電車の施設 (225)

第 190条 アーク溶接装置の施設 (240) 17,18

第 191条 電気集じん装置等の施設 (239)

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第 192条 電気さくの施設 (224)

第 193条 電撃殺虫器の施設 (226)

第 194条 エックス線発生装置の施設 (13,241)

第 195条 フロアヒーティング等の電熱装置の施設 (228) 19,20,21

第 196条 電気温床等の施設 (230)

第 197条 パイプライン等の電熱装置の施設 (229)

第 198条 電気浴器等の施設 (231,232,233)

第 199条 電気防食施設 (236)

第5節

小出力発電

設備

第 200条 小出力発電設備の施設 (40,242の 2,242の 3)

第6章

電気鉄道等

第 201条 電気鉄道等に係る用語の定義 (1,13,245,247,254)

第 202条 電波障害の防止 (244)

第 203条 直流電車線路の施設制限 (243,245)

第 204条 直流電車線等から架空弱電流電線路への通信

障害の防止

(246)

第 205条 直流電車線の施設 (247,249,252)

第 206条 道路等に施設する直流架空電車線等の施設 (68,248,251)

第 207 条 直流架空電車線等と架空弱電流電線等との接

近又は交差

(250)

第 208条 直流電車線路に付随する設備の施設 (253)

第 209条 電食の防止 (254,255,256,257)

第 210条 排流接続 (258)

第 211条 交流電車線路の施設制限 (243,259)

第 212条 電圧不平衡による障害の防止 (260)

第 213条 交流電車線等から弱電流電線路への通信障害

の防止

(261)

第 214 条 交流架空電車線等と他の工作物等との接近又

は交差

(263,264,265)

第 215 条 交流架空電車線等と架空弱電流電線等との接

近又は交差

(262)

第 216条 交流電車線路に付随する設備の施設 (266,267)

第 217条 鋼索鉄道の電車線等の施設 (243,268,269,270,

271)

第7章 第 218 条 IEC 60364 規格の適用 (272)

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国際規格の

取り入れ

第 219 条 IEC 61936-1規格の適用 (272の 2)

第8章

分散型電源

の系統連系

設備

第 220 条 分散型電源の系統連系設備に係る用語の定義 (1)

第 221条 直流流出防止変圧器の施設 (273)

第 222条 限流リアクトル等の施設 (275,280,284,289)

第 223条 自動負荷制限の実施 (277,283,286)

第 224条 再閉路時の事故防止 (278,288)

第 225条 一般電気事業者との間の電話設備の施設 (153)

第 226条 低圧連系時の施設要件 (274) 22

第 227条 低圧連系時の系統連系用保護装置 (276) 22

第 228条 高圧連系時の施設要件 (279)

第 229条 高圧連系時の系統連系用保護装置 (281) 23

第 230条 特別高圧連系時の施設要件 (287,290,291)

第 231条 特別高圧連系時の系統連系用保護装置 (285,292) 25

第 232条 高圧連系及び特別高圧連系における例外 (282,293)

別表第 1 銅線

別表第 2 アルミ線

別表第 3 鋼線及びインバー線

別表第 4 低圧絶縁電線,多心型電線及び低圧ケーブルの絶縁体の厚さ

別表第 5 高圧絶縁電線及び高圧ケーブルの絶縁体の厚さ

別表第 6 絶縁体の絶縁抵抗

別表第 7 絶縁体に使用する材料の絶縁抵抗

別表第 8 外装,銅管及びダクトの厚さ

〔6〕改正された電技解釈の紹介

今回の改正は、上述のごとく条文を読み易くすることが主眼に置かれているので、内容の改正や

新しい条文は、それほど多くはない。新しく追加された用語や大幅に表現が変わった点を中心に紹

介する。条文の末尾の( )は、その条文に対するコメントである。この( )内の「新」

は新規に追加されたものを、「OO条の解説より」とあるのは経済産業省 原子力・安全保安院監

編「解説 電気設備技術基準」の解説を意味している。

第1章 総則

第 1条(共通用語の定義)

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一 使用電圧 当該電路で使用する線間電圧の公称値(新―旧第14条の解説より)

二 最大使用電圧 次のいずれかにより求めた、通常の使用状態において当該電路に加わる線間

電圧の最大値

(新―旧第14条の解説において耐圧試験電圧を決定する場合の元になる最大使用電圧が説

明された。)

イ 使用電圧が、電気学会電気規格調査会標準規格 JEC-0222-2009「標準電圧」の「3.1 公

称電圧が1,000Vを超える電線路の公称電圧及び最高電圧」又は「3.2 公称電圧が1,000V以

下の電線路の公称電圧」に規定される公称電圧に等しい電路においては、使用電圧に、1-1

表に規定する係数をかけた値の電圧

1-1表

使用電圧 係数

1,000V以下 1.15

1,000Vを超え、500,000V未満 1.15/1.1

500,000V 1.05、1.1又は 1.2

1,000,000V 1.1

ロ イに規定するもの以外の電路においては、電路の電源となる機器の定格電圧(電源となる

機器が変圧器である場合は、当該変圧器の最高タップ電圧とし、電源が複数ある場合は、そ

れらの電源の定格電圧のうち最高のもの)

ハ 計算又は実績により、イ又はロの規定により求めた電圧を上回ることが想定される場合は、

その想定される電圧

三 技術員 当該設備の運転又は管理に必要な知識及び技能を有する者(新)

四 電気使用場所 電気を使用するための電気設備を施設した、1の建物又は1の単位をなす場所

(新―第1条の解説より)

五 需要場所 電気使用場所を含む1の構内又はこれに準ずる区域であって、発電所、変電所及

び開閉所以外のもの(新―電技省令第1条の解説より)

六 変電所に準ずる場所 需要場所において高圧又は特別高圧の電気を受電する場合であって、

変圧器その他の電気機械器具により電気を変成する場所

(新―自家用の受電所。変電所との違いは変成した電気を構外に伝送しない場合もある。変電

所の定義は電技省令第1条)

七 開閉所に準ずる場所 需要場所において高圧又は特別高圧の電気を受電する場合であって、

開閉器その他の装置により電線路の開閉をする場所であって、変電所に準ずる場所以外のもの

(新―自家用の受電開閉所。受電した電気を複数の回路に分けて構外に伝送する場合もある。

開閉所の定義は電技省令第1条)

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八 電車線等、九 架空引込線、十 引込線、十一 屋内配線、十二 屋側配線、十三 屋外配

線、十四 管灯回路、十五 弱電流電線、十六 弱電流電線等、十七 弱電流電線路等、十八

多心型電線、十九 ちょう架用線、二十 複合ケーブル

(第八号から第二十号までは変更なし。)

二十一 接近 併行する場合を含み、交差する場合及び同一支持物に施設する場合を除く。(第

1次接近状態の定義の中で定義されていたもの。第1次接近状態、第2次接近状態、接近状

態の用語は第45条に移行)

二十二 工作物 人により加工されたすべての物体(新―旧84条の解説より。)

二十三 造営物 工作物のうち、土地に定着するものであって、屋根、柱及び壁を有するもの(旧

第1条第三号の引込線の定義において定義されていたもの)

二十四 建造物 造営物のうち、人が居住し、若しくは勤務し、又は頻繁に出入し、若しくは来

集するもの(旧第76条で定義されていたもの。内容は変更なし。)

二十五 道路 公道であるか私道であるかを問わず、すべての道路(横断歩道橋を除く。)

(改正旧第68条の条文で定義されていたもの。農道その他の交通の激しくない道路が除か

れていたが、この規定が削除されている。ただし、条文ごとに「車両の往来がまれであるも

の及び歩行の用のみに供される部分」は除かれている。第 68条、第 87条、第 127条ほか)

二十六 水気のある場所 魚屋、洗車場その他の水を扱う場所、雤露にさらされる場所若しくは

水を扱う場所の周辺その他の水滴が飛散する場所、又は簡易な地下室のように常時水が漏出

し若しくは結露する場所(新―答申より。)

二十七 湿気の多い場所 風呂若しくはそば屋等の厨房のように水蒸気が充満する場所、又は床

下若しくは酒、しょうゆ等の醸造場若しくは貯蔵場その他これらに類する場所(新―答申よ

り。)

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二十八 乾燥した場所 湿気の多い場所及び水気のある場所以外の場所(新―答申より。)

二十九 点検できない隠ぺい場所 天井ふところ、壁内、コンクリート床内等、工作物を破壊し

なければ電気設備に接近し、又は電気設備を点検できない場所(新―解説より。)

三十 点検できる隠ぺい場所 点検口がある天井裏、戸棚、押入れ又はダクト等、容易に電気設

備に接近し、又は電気設備を点検できる隠ぺい場所(新―解説より。)

三十一 展開した場所 点検できない隠ぺい場所及び点検できる隠ぺい場所以外の場所

三十二 難燃性 炎を当てても燃え広がらない性質

(以下本号から第三十五号までは、旧第139条の解説より。)

三十三 自消性のある難燃性 難燃性であって、炎を除くと自然に消える性質

三十四 不燃性 難燃性のうち、炎を当てても燃えない性質

三十五 耐火性 不燃性のうち、炎により加熱された状態においても著しく変形又は破壊しない

性質

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三十六 接触防護措置 次のいずれかに適合するように施設すること

イ 当該設備を、屋内にあっては床上2.3m以上、屋外にあっては地表上2.5m以上の高さに、か

つ、人が通る場所から手を伸ばしても触れることのない範囲に施設すること。

ロ 人が当該設備に接近又は接触しないよう、さく、へい等を設け、又は当該設備を金属管に

収める等の防護措置を施すこと。

(新―答申より。従来条文において、「人が触れるおそれがないように施設すること」と規定

されていた行為を用語としたもの。)

三十七 簡易接触防護措置 次のいずれかに適合するように施設すること

イ 当該設備を、屋内にあっては床上1.8m以上、屋外にあっては地表上2m以上の高さに、かつ、

人が通る場所から容易に触れることのない範囲に施設すること。

ロ 人が当該設備に接近又は接触しないよう、さく、へい等を設け、又は当該設備を金属管に

収める等の防護措置を施すこと。

(新―答申より。従来条文において、「人が容易に触れるおそれがないように施設すること」

と規定されていた行為を用語としたもの。)

三十八 架渉線 架空電線、架空地線、ちょう架用線、弱電流電線等(新―旧第57条の解説

より。)

第3条 (電線の規格の共通事項)(省令第6条、第21条、第57条第1項)

第3条 第5条、第6条及び第8条から第10条までに規定する電線の規格に共通の事項は、次の各

号のとおりとする。

一 通常の使用状態における温度に耐えること。

二 線心が2本以上のものにあっては、色分けその他の方法により線心が識別できること。

三 導体補強線を有するものにあっては、導体補強線は、次に適合すること。

イ 天然繊維若しくは化学繊維又は鋼線であること。

ロ 鋼線にあっては、次に適合すること。

(イ) 直径が5mm以下であること。

(ロ) 引張強さが686N/mm2以上であること。

(ハ) 表面は滑らかで、かつ、傷等がないこと。

(ニ) すず若しくは亜鉛のめっきを施したもの、又はステンレス鋼線であること。

四 補強索を有するものにあっては、補強索は、次に適合すること。

イ 引張強さが294N/mm2以上の鋼線であること。

ロ 絶縁体又は外装に損傷を与えるおそれのないものであること。

ハ 表面は滑らかで、かつ、傷等がないこと。

ニ すず若しくは亜鉛のめっきを施したもの、又はステンレス鋼線であること。

五 セパレータを有するものにあっては、セパレータは、次に適合すること。

イ 紙、天然繊維、化学繊維、ガラス繊維、天然ゴム混合物、合成ゴム又は合成樹脂であるこ

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と。

ロ 厚さは、1mm以下であること。ただし、耐火電線である旨の表示のあるものにあっては、1.5mm

以下とすることができる。

六 遮へいを有するものにあっては、遮へいは、次に適合すること。

イ アルミニウム製のものにあっては、ケーブル以外の電線に使用しないこと。

ロ 厚さが0.8mm以下のテープ状のもの、厚さが2mm以下の被覆状のもの、厚さが2.5mm以下の編

組状のもの又は直径5mm以下の線状のものであること。

七 介在物を有するものにあっては、介在物は、紙、天然繊維、化学繊維、ガラス繊維、天然ゴ

ム混合物、合成ゴム又は合成樹脂であること。

八 防湿剤、防腐剤又は塗料を施すものにあっては、防湿剤、防腐剤及び塗料は、次に適合する

こと。

イ 容易に水に溶解しないこと。

ロ 絶縁体、外装、外部編組、セパレータ、補強索又は接地線の性能を損なうおそれのないも

のであること。

九 接地線を有するものにあっては、接地線は、次に適合すること。

イ 導体は、次に適合すること。

(イ) 単線にあっては、別表第1に規定する軟銅線であって、直径が1.6mm以上のものである

こと。

(ロ) より線にあっては、別表第1に規定する軟銅線を素線としたより線であって、公称断面

積が0.75mm2以上のものであること。

(ハ) 次のいずれかに該当するものにあっては、すず若しくは鉛又はこれらの合金のめっき

を施してあること。

(1) ビニル混合物及びポリエチレン混合物以外のもので被覆してあるもの

(2) 被覆を施していないもの(電線の絶縁体又は外装がビニル混合物及びポリエチレン混

合物以外の絶縁物である場合に限る。)

ロ 被覆を施してあるものにあっては、被覆の厚さが接地線の線心以外の線心の絶縁体の厚さ

の70%を超え、かつ、導体の太さが接地線の導体以外の導体の太さの80%を超えるとき、又は

接地線の線心が2本以上のときは、接地線である旨を表示してあること。

○第 16条(機械器具等の電路の絶縁性能)【旧第 16 条】

中性点が直接接地されている最大使用電圧が170kVを超える電路に接続される変圧器のうち、

中性点直接接地式に避雷器を施設されているものは最大使用電圧の0.72倍の試験電圧で試験す

ることになっていたが、今回、最大使用電圧が60kVを超え170kV以下のもの(中性点に避雷器を

施設するものを含む。)も同様に最大使用電圧の0.72倍の試験電圧で試験して絶縁性能を確かめ

ることが新たに規定された。(16-1表)

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○第 18 条第 1 項(鉄骨造等の建造物における新しい接地方式の導入)

第 18条第 1項として鉄骨造等の建造物における新しい接地方式の導入が導入された。

ビル等の建物において電気機器の第 17 条に規定されている接地工事を行う場合に A 種から D 種

までの各接地極を個別にして施設しても A種接地等に大きな地絡電流が生じた場合に C,D種の接地

に電位干渉をなくするほどに離して施設することするは困難であると指摘されていた。IEC 規格に

おいては、このような場合は各接地極を共用して安全を確保する対策が採られていた。今回の改正

で、この IEC規格に基づく接地方法が第 1項に取り入れられた。

鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造の建物において、これらの建物の鉄骨

等の一部が地中に埋設されている場合は、第 17条第1項から第 4項までに定める A種、B種、C種

及び D 種接地工事はもとより、第 19 条の規定による電路の中性点の施す接地工事の接地極として

これらのものを使用することを認めたものである。この場合に接地線の太さその他接地工事の方法

は、接地抵抗値の規定に係る部分を除き、第 17条の規定によらなければならない。

規定されている条件としては、建物の鉄骨など構造体接地極等を電気的に接続するとともに、水

道管及び窓枠の金属部分など電気系統以外の導電性部分も含め、人が触れるおそれがある範囲にあ

るすべての導電性部分を共用の接地極に接続して等電位を形成すること(これを「等電位ボンディ

ング」という。)により、感電を防止しようとするものである。特別高圧機器や高圧機器の絶縁破

壊により、これらの電路に大きな1線地絡電流が流れるが、低圧の電気機器、建物の柱、床、壁等

の部分間に 50Vを超える電圧が発生しないように等電位ボンディングをする必要がある。

【工作物の金属体を使用した接地工事】(省令第11条)

第18条 鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造の建物において、当該建物

の鉄骨又は鉄筋その他の金属体(以下この条において「鉄骨等」という。)を、第17条第1

項から第4項までに規定する接地工事その他の接地工事に係る共用の接地極に使用する場合

には、建物の鉄骨又は鉄筋コンクリートの一部を地中に埋設するとともに、等電位ボンディ

ング(導電性部分間において、その部分間に発生する電位差を軽減するために施す電気的接

続をいう。)を施すこと。また、鉄骨等をA種接地工事又はB種接地工事の接地極として使用

する場合には、更に次の各号により施設すること。なお、これらの場合において、鉄骨等は、

接地抵抗値によらず、共用の接地極として使用することができる。

一 特別高圧又は高圧の機械器具の金属製外箱に施す接地工事の接地線に1線地絡電流が流れ

た場合において、建物の柱、梁、床、壁等の構造物の導電性部分間に50Vを超える接触電圧

(人が複数の導電性部分に同時に接触した場合に発生する導電性部分間の電圧をいう。以下

この項において同じ。)が発生しないように、建物の鉄骨又は鉄筋は、相互に電気的に接続

されていること。

二 前号に規定する場合において、接地工事を施した電気機械器具又は電気機械器具以外の金

属製の機器若しくは設備を施設するときは、これらの金属製部分間又はこれらの金属製部分

と建物の柱、梁、床、壁等の構造物の導電性部分間に、50Vを超える接触電圧が発生しない

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ように施設すること。

三 第一号に規定する場合において、当該建物の金属製部分と大地との間又は当該建物及び隣

接する建物の外壁の金属製部分間に、50Vを超える接触電圧が発生しないように施設するこ

と。ただし、建物の外壁に金属製部分が露出しないように施設する等の感電防止対策を施す

場合は、この限りでない。

四 第一号、第二号及び第三号の規定における1線地絡電流が流れた場合の接触電圧を推定する

ために用いる接地抵抗値は、実測値又は日本工業規格 JIS T 1022(2006)「病院電気設備の

安全基準」の「附属書(参考)建築構造体の接地抵抗の計算」によること。

ガス管に施設されているには「絶縁継ぎ手」である。

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○第19条(保安上又は機能上必要な場合における電路の接地)【旧第23条、第28条】

第19条に第6項が追加され、電子機器に接続する使用電圧が150V以下の電路には、電路の種類に

関係なく接地を施すことができることになった。この接地は保安上の接地ではなく基準電位を定め

るもので、機能接地と呼ばれるものである。(従来この機能接地は旧第13条第六号で自動制御回路

等の制御回路に限定されていた。)

6 電子機器に接続する使用電圧が150V以下の電路、その他機能上必要な場所において、電路に

接地を施すことにより、感電、火災その他の危険を生じることのない場合には、電路に接地を施

すことができる

○第 21条(高圧の機械器具の施設)【旧第 30条】

第 22条(特別高圧の機械器具の施設)【旧第 31条】

発電所や変電所等以外の場所に施設される高圧機械器具について規定されていた旧第 21 条が読

みやすくするため大幅に改正されたが、内容の大きな変更はない。第 22 条の特別高圧機械器具の

施設方法も本条と同じよう構成により改正されているが、これも内容に変更はない。

第21条 高圧の機械器具(これに附属する高圧電線であってケーブル以外のものを含む。以下こ

の条において同じ。)は、次の各号のいずれかにより施設すること。ただし、発電所又は変電所、

開閉所若しくはこれらに準ずる場所に施設する場合はこの限りでない。

一 屋内であって、取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所に施設すること。

二 次により施設すること。ただし、工場等の構内においては、ロ及びハの規定によらないこ

とができる。

イ 人が触れるおそれがないように、機械器具の周囲に適当なさく、へい等を設けること。

ロ イの規定により施設するさく、へい等の高さと、当該さく、へい等から機械器具の充電

部分までの距離との和を5m以上とすること。

ハ 危険である旨の表示をすること。

三 機械器具に附属する高圧電線にケーブル又は引下げ用高圧絶縁電線を使用し、機械器具を

人が触れるおそれがないように地表上4.5m(市街地外においては4m)以上の高さに施設する

こと。

四 機械器具をコンクリート製の箱又はD種接地工事を施した金属製の箱に収め、かつ、充電部

分が露出しないように施設すること。

五 充電部分が露出しない機械器具を、次のいずれかにより施設すること。

イ 簡易接触防護措置を施すこと。

ロ 温度上昇により、又は故障の際に、その近傍の大地との間に生じる電位差により、人若

しくは家畜又は他の工作物に危険のおそれがないように施設すること。

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○第 23条(アークを生じる器具の施設)【旧第 36条】

第 23 条に第一号が加えられ、離隔距離が取れなくても耐火性のもので囲むことにより施設でき

ることを明確にした。(電技省令第9条第2項に規定されていることの具体化)

第23条 高圧用又は特別高圧用の開閉器、遮断器、避雷器その他これらに類する器具(以下こ

の条において「開閉器等」という。)であって、動作時にアークを生じるものは、次の各号の

いずれかにより施設すること。

一 アークを生じる部分を囲むことにより、木製の壁又は天井その他の可燃性のものから隔離

すること。

二 木製の壁又は天井その他の可燃性のものとの離隔距離を、23-1表に規定する値以上とする

こと。

23-1表

開閉器等の使用電圧 離隔距離

高圧 1m

特別高圧 35,000V以下

2m(動作時に生じるアークの方向及び長さを火災が発生す

るおそれがないように制限した場合にあっては、1m)

35,000V超過 2m

○第 26条(特別高圧配電用変圧器の施設)【旧第 33 条】

特別高圧の配電用変圧器に関する規定において、スポットネットワーク以外の配電塔によるネ

ットワーク方式(2以上の特別高圧電線路に接続する配電用変圧器の2次側を並列接続して配電す

る方式をいう。)により施設するときは、変圧器の1次側には、開閉器及び過電流遮断器を施設す

ることを要しないとする規定が第1項第4号に規定された。

【特別高圧配電用変圧器の施設】(省令第 9条第 1項)

第 26条 特別高圧電線路(第 108条に規定する特別高圧架空電線路を除く。)に接続する配電用

変圧器を、発電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所以外の場所に施設する場合

は、次の各号によること。

一 変圧器の1次電圧は35,000V以下、2次電圧は低圧又は高圧であること。

二 【省略】

三 変圧器の1次側には、開閉器及び過電流遮断器を施設すること。ただし、過電流遮断器が

開閉機能を有するものである場合は、過電流遮断器のみとすることができる。(関連省令第

14条)

四 ネットワーク方式(2以上の特別高圧電線路に接続する配電用変圧器の2次側を並列接続し

て配電する方式をいう。)により施設する場合において、次に適合するように施設するとき

は、前号の規定によらないことができる。

イ 変圧器の1次側には、開閉器を施設すること。

ロ 変圧器の2次側には、過電流遮断器及び2次側電路から1次側電路に電流が流れたときに

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自動的に2次側電路を遮断する装置を施設すること。(関連省令第12条第2項)

ハ ロの規定により施設する過電流遮断器及び装置を介して変圧器の2次側電路を並列接続

すること。

○第31条 (変圧器等から電磁誘導作用による人の健康影響の防止)

電力設備から発生する磁界による人に対する影響については、かねてから世界保健機関において

検討されてきたが、この機関からの見解及び国際非電離放射線防護委員会の提言や改訂ガイドライ

ン(制限値―参考レベルを200μTマイクロテスラ)が示されたことから、このたび電気設備か

ら発生する磁界に対する規制値が平成23年3月31日に電気設備技術基準第27条の2が追加され、

新たに本第 31条(変圧器等からの電磁誘導誘導作用による人の健康影響の防止)のほか、、第 39

条(変電所等からの電磁誘導作用による人の健康影響の防止)及び第 50条(電線路からの電磁誘

導作用による人の健康影響の防止)が追加された。これらの改正法令は平成 23年 10月 1日に施行

される。

本条は、発電所、変電所、開閉所及び需要場所以外の場所に施設する変圧器、開閉器及び分岐装

置、すなわち架空電線路の変圧器や開閉器、地中電線路の歩道上などに施設される分岐装置から発

生する磁界について規定している。

(条文省略)

○第36条(地絡遮断器の施設)【旧第40条】

旧第40条第3項に規定されていた高圧又は特別高圧の電路に地絡を生じたときに自動的に遮断

する装置に関する規定が第36条第4項として規定され、地絡遮断装置を施設しなくても良い場合が

明確にされた。

「発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所の引出口」に地絡遮断装置を施設する場合において、

発電所と変電所がとなりあっているような場合で電線路が母線であるような施設においては、母

線に地絡用の遮断器を施設すればよいとしている。

「配電用変圧器の施設箇所」に地絡遮断装置を施設する場合に、地絡を検出する変成器を配電

用変圧器の2次側に設置し、キャリアリレー等で発変電所等の引出口の開閉装置で遮断できるよう

に施設する場合には、地絡遮断装置の設置を省略可能としている。

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4 高圧又は特別高圧の電路には、36-1表の左欄に掲げる箇所又はこれに近接する箇所に、同表

中欄に掲げる電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること。ただ

し、同表右欄に掲げる場合はこの限りでない。

36-1表

地絡遮断装置を

施設する箇所 電路 地絡遮断装置を施設しなくても良い場合

発電所又は変電

所若しくはこれ

に準ずる場所の

引出口

発電所又は変電所

若しくはこれに準

ずる場所から引出

される電路

発電所又は変電所相互間の電線路が、いずれか一方

の発電所又は変電所の母線の延長とみなされるもの

である場合において、計器用変成器を母線に施設す

ること等により、当該電線路に地絡を生じた場合に

電源側の電路を遮断する装置を施設するとき

他の者から供給

を受ける受電点

受電点の負荷側の

電路

他の者から供給を受ける電気を全てその受電点に属

する受電場所において変成し、又は使用する場合

配電用変圧器(単

巻 変 圧 器 を 除

く。)の施設箇所

配電用変圧器の負

荷側の電路

配電用変圧器の負荷側に地絡を生じた場合に、当該

配電用変圧器の施設箇所の電源側の発電所又は変電

所で当該電路を遮断する装置を施設するとき

(備考) 引出口とは、常時又は事故時において、発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所から電線路へ電流

が流出する場所をいう。

第2章 発電所並びに変電所、開閉所及びこれらに準ずる場所の施設

第 39条 (変電所等から電磁誘導作用による人の健康影響の防止)

本条は、電技省令第 27 条の 2 第 2 項に基づき、変電所、開閉所の近傍に於ける磁界の制限値と

測定方法を規定している。測定方法は第 3項に具体的に示されており、測定する場所と測定方法の

適用例としては 43の 2-1表に具体的に示されている。(第 31条解説参照)

第44条【蓄電池の保護装置】(省令第44条第1項)

発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所に施設する蓄電池(常用電源の停電時又は電圧低下

発生時の非常用予備電源として用いるものを除く。)には、次の各号に掲げる場合に、自動的に

これを電路から遮断する装置を施設すること。

一 蓄電池に過電圧が生じた場合

二 蓄電池に過電流が生じた場合

三 制御装置に異常が生じた場合

四 内部温度が高温のものにあっては、断熱容器の内部温度が著しく上昇した場合

(コメント)蓄電池の性格を明確にした。

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第 47条(常時監視をしない発電所の施設)【旧第 51 条】

常時監視しない発電所に関する規定は、条文構成を始め大幅に変更されたが、次のような点が

改正された主たるものである。

① 随時巡回方式、随時監視制御方式発電所の変圧器は、使用電圧170kV以下とされた。

② 燃料電池発電所及びガスタービン発電所に遠隔常時監視制御方式が導入された。

本条は、項目が非常に多いので、規定内容をまとめると表のようになる。第3項から発電所ご

との条件を監視制御方式ごとに規定している。発電所によっては、採用できる監視制御方式が制

限されている。

項 目 規 定 内 容

第 1項 下記の発電設備の監視制御方式の基本的な条件を規定している。

①随時巡回方式 ②随時監視制御方式

③遠隔常時監視制御方式

第 2項 発電所内に施設する変電所又は開閉所の機能を有する設備は、第

48条に準じて施設することを規定している。

第 3項 水力発電所 ①随時巡回方式 ②随時監視制御方式

③遠隔常時監視制御方式

第 4項 風力発電所 同上

第 5項 太陽電池発電所 同上

第 6項 燃料電池発電所 同上

第 7項 地熱発電所 ②随時監視制御方式 ③遠隔常時監視制御方式

第 8 項 内燃力発電所(移

動用発電設備を除く。)

①随時巡回方式 ②随時監視制御方式 ③遠隔常時監視制御

第 9項 ガスタービン発電所 同上

第10号 内燃力とその廃熱を

回収するボイラーによる汽

力を原動力とする発電所

②随時監視制御方式

第11号工事現場等に施設する

移動用発電設備

①随時巡回方式

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第 48条(常時監視をしない変電所の施設)【旧第 52 条】

常時監視しない変電所に関する規定も、発電所の場合と同様に理解しやすいように条文構成を

始め大幅に変更された。内容には変更はない。

① 変電所に設置される変圧器の使用電圧ごとに採用できる監視制御方式が規定された。

② それぞれの監視制御方式の種類ごとに次のように保安監視体制が規定されている。

③ これらの監視制御方式ごとに変電機器の保護装置、警報する場所等の技術要件が規定されて

いる。

監視制御方式の種類 方式の要件

簡易監視制御方式 技術員が必要に応じて変電所へ出向き、変電所の監視及び機器の操作

を行うものである。

断続監視制御方式 技術員が当該変電所又はこれから 300m以内にある技術員駐在所に常時

駐在し、断続的に変電所へ出向いて変電所の監視及び機器の操作を行

うものであること。

遠隔断続監視制御方式 技術員が変電制御所(当該変電所を遠隔監視制御する場所をいう。以

下、この条において同じ。)又はこれから 300m 以内にある技術員駐在

所に常時駐在し、断続的に変電制御所へ出向いて変電所の監視及び機

器の操作を行うものであること。

遠隔常時監視制御方式 技術員が変電制御所に常時駐在し、変電所の監視及び機器の操作を行

うものであること。

第 3 章 電線路

第49条 電線路の係る用語の定義

一 想定最大張力 高温季及び低温季の別に、それぞれの季節において想定される最大張力。た

だし、異常着雪時想定荷重の計算に用いる場合にあっては、気温0℃の状態で架渉線に着雪荷

重と着雪時風圧荷重との合成荷重が加わった場合の張力(新)

二 A種鉄筋コンクリート柱 三 B種鉄筋コンクリート柱 五 A種鉄柱 六 B種鉄柱

(新-A種は基礎の強度計算を行わず、根入れ深さを規定の値以上とすること等により施設するも

のと定義され、B種はA種以外のものと定義された。)

変電所に施設する

変圧器の使用電圧

監視制御方式の区分

簡易監視

制御方式

断続監視

制御方式

遠隔断続監視

制御方式

遠隔常時監視

制御方式

100kV以下 ○ ○ ○ ○

100kVを超え 170kV以下 ○ ○ ○

170,000V超過 ○

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四 複合鉄筋コンクリート柱 鋼管と組み合わせた鉄筋コンクリート柱

七 鋼板組立柱 鋼板を管状にして組み立てたものを柱体とする鉄柱

八 鋼管柱 鋼管を柱体とする鉄柱

九 第1次接近状態、 十 第2次接近状態、 十一 接近状態 (変更なし)

十二 上部造営材 屋根、ひさし、物干し台その他の人が上部に乗るおそれがある造営材(手す

り、さくその他の人が上部に乗るおそれのない部分を除く。)

(新―新たに下線部分が追加された。解説より。)

十三 索道 索道の搬器を含み、索道用支柱を除くものと

第 50条 (電線路から電磁誘導作用による人の健康影響の防止)

本条は、電技省令第 27 条の 2 第2項に基づき、電線路から発生する磁界の制限値と測定方法を

規定している。測定方法は第 3項に具体的に示されており、測定する場所と測定方法の適用例とし

ては 50-1表に具体的に示されている。(第 31条解説参照)

○第 58条(架空電線路の強度検討に用いる荷重)【旧第 57条、第 113条、第 114 条、第 115条】

従来、旧第 115条の解釈通達により指導されていた異常着雪時想定荷重に係る規定が取りいれら

れた。

① 架空電線路の強度検討に用いる荷重のうち、降雪の多い地域における着雪を考慮した異常着

雪時想定荷重に係る規定が追加された。(第58条第1項第13号ハ)

② 異常着雪時想定荷重の計算における想定着雪厚さの求め方が規定された。(第58条第3項)

第58条 架空電線路の強度検討に用いる荷重は、次の各号によること。

一 風圧荷重 架空電線路の構成材に加わる風圧による荷重であって、次の規定によるもの

イ 風圧荷重の種類は、次によること。

(イ) 甲種風圧荷重 58-1表に規定する構成材の垂直投影面に加わる圧力を基礎として計算した

もの、又は風速40m/s以上を想定した風洞実験に基づく値より計算したもの

(ロ) 乙種風圧荷重 架渉線の周囲に厚さ6mm、比重0.9の氷雪が付着した状態に対し、甲種風圧荷

重の0.5倍を基礎として計算したもの

(ハ) 丙種風圧荷重 甲種風圧荷重の0.5倍を基礎として計算したもの

(ニ) 着雪時風圧荷重 架渉線の周囲に比重0.6の雪が同心円状に付着した状態に対し、甲種風圧

荷重の0.3倍を基礎として計算したもの

58-1表 (省略)

七 異常着雪時想定荷重 降雪の多い地域における着雪を考慮した荷重であって、風圧が電線路に

直角の方向に加わる場合と電線路に平行な方向に加わる場合とについて、それぞれ58-4表に示す

組み合わせによる荷重が同時に加わるものとして荷重を計算し、各部材について、その部材に大

きい応力を生じさせる方の荷重

58-4表 (省略)

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○第 59条(架空電線路の支持物の強度等)

【旧第 61条、第 70条、第 113条、第 114 条、第 115条】

① 旧第61条に規定されていた「木柱の強度」の具体的計算方法が、削除された。

② 59条第5項に降雪の多い地域において特別高圧架空電線路の支持物として使用する鉄塔であ

って、河川区域を横断して施設する横断径間長が600mを超えるものは、異常着雪時想定荷重の2/3

倍の荷重に耐える強度を有することなどが規定された。

5 降雪の多い地域において特別高圧架空電線路の支持物として使用する鉄塔であって、次の各

号のいずれかに該当するものは、異常着雪時想定荷重の2/3倍の荷重に耐える強度を有するも

のであること。ただし、当該地点の地形等から着雪時の風向が限定され、電線路がこの風向と

ほぼ並行する場合、及び、当該鉄塔が標高800~1,000m以上の箇所に施設される場合はこの限

りでない。

一 河川法(昭和39年法律第167号)に基づく一級河川及び二級河川の河川区域を横断して施

設する特別高圧架空電線路であって、次の図に示す横断径間長が600mを超えるものの、当該

横断部の支持物として使用する鉄塔(以下、この項において「横断鉄塔」という。)

二 前号の箇所と地形及び気象条件が類似する、開けた谷その他の地形的に風が通り抜けやす

い箇所を横断して施設する特別高圧架空電線路における横断鉄塔

河川区域 特別高圧架空電線路

横断径間長

河川区域 特別高圧架空電線路

横断径間長

横断径間長

:横断鉄塔

:その他の

鉄塔

特別高圧架空電線路

電線路が河川区域と直交しない場合は、直角投影長とする。

河川区域

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三 第一号の鉄塔の両側それぞれ2基までの鉄塔。ただし、次の図に示す条件に該当する場合

は、当該地点の地形の状況を考慮した上、当該鉄塔の異常着雪時想定荷重の計算における着

雪量を低減することができる。

○第79条(低高圧架空電線と植物との接近)

JESC規格に適合する「ケーブル用防護具」に収める場合は、電線と植物とが接触しても良いこと

にされた。

第79条 低圧架空電線又は高圧架空電線は、平時吹いている風等により、植物に接触しないよう

に施設すること。ただし、次の各号のいずれかによる場合は、この限りでない。

一 (省略)

二 (省略)

三 高圧の架空電線にケーブルを使用し、かつ、日本電気技術規格委員会規格 JESC E2020(2010)

「耐摩耗性能を有する『ケーブル用防護具』の構造及び試験方法」の「2.技術的規定」に適合

する防護具に収めて施設すること。

○第 93条(特別高圧架空電線路の難着雪化対策)【第 121条、第 122条】

特別高圧架空電線路が、降雪の多い地域において、市街地その他人家の密集する地域や主要地方

道以上の規模の道路、横断歩道橋、鉄道又は軌道と接近状態に施設される場合又は交差して施設

される場合に、電線の難着雪化対策を施すことが規定されているが、今回、第2項が追加され、

「主要地方道以上の規模の道路」のものが明確になった。

河川区域外に施設する横断鉄塔が

耐張がいし装置を使用するものである場合

特別高圧架空電線

河川区域 特別高圧架空電線

河川区域外に施設する横断鉄塔に隣接する鉄塔が

耐張がいし装置を使用するものである場合

:横断鉄塔

:その他の鉄塔

:着雪量を低減

できる鉄塔

:耐張がいし

装置を使用

する鉄塔

河川区域

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○第96条(特別高圧架空電線が建造物等と接近又は交差する場合の支線の施設)【省令第28条、第

29条】

2 特別高圧架空電線が、道路、横断歩道橋、鉄道、軌道、索道、架空弱電流電線等、低圧若し

くは高圧の架空電線又は低圧若しくは高圧の電車線と交差して、又は建造物の上に施設される

場合は、特別高圧架空電線路の支持物には、次の図に示す方向に支線を施設すること。ただし、

前項第二号又は第三号に該当する場合は、この限りでない。(関連省令第32条第1項)

一 使用電圧が 35,000V以下の特別高圧架空電線が、道路、横断歩道橋、低圧若しくは高圧の架

空電線、若しくは低圧若しくは高圧の電車線と交差する場合、又は建造物の上に施設される場

二 第一号以外の場合において、≧10度のとき

三 第一号及び第二号以外の場合

(コメント)支線の施設方法が図解された。

○第97条から第105条までの特別高圧架空電線路と建造物その他の工作物と接近交差する場合及び

弱電流電線と併架・共架する場合の規定は、35kVを超えるものの規定とされ、離隔距離等に関し、

表にまとめて規定された。

第2項

第1項における「主要地方道以上の規模の道路」とは、道路法(昭和27年法律第180号)の規

定に基づく、次の各号に掲げるものとする。

一 高速自動車国道(道路法第3条の2の規定によるものを含む。)

二 一般国道

三 車線の数が2以上の都道府県道

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○第106条(35,000V以下の特別高圧架空電線と工作物等との接近又は交差)

JESC規格に適合する「ケーブル用防護具」に収める場合は、電線と植物とが接触しても良いこと

にされた。

第106条 使用電圧が35,000V以下の特別高圧架空電線(以下この条において「特別高圧架空電線」

という。)が、建造物と接近又は交差して施設される場合は、次の各号によること。

一 特別高圧架空電線と建造物の造営材との離隔距離は、106-1表に規定する値以上であること。

(以下省略)

6 特別高圧架空電線と植物との離隔距離は、106-5表によること。ただし、特別高圧の架空電

線にケーブルを使用し、かつ、日本電気技術規格委員会規格 JESC E2020(2010)「耐摩耗性能

を有する『ケーブル用防護具』の構造及び試験方法」の「2.技術的規定」に適合する防護具に

収めて施設する場合は、この限りでない。

106-5表(省略)

○第116条(低圧架空引込線等の施設)

条文中「人が容易に触れるおそれがない。」表現を明確にし、また、道路から「車両の往来

がまれであるもの及び歩行の用にのみ供される部分が除かれた。

第116条 低圧架空引込線は、次の各号により施設すること。

一 電線は、絶縁電線又はケーブルであること。

二 電線は、ケーブルである場合を除き、引張強さ2.30kN以上のもの又は直径2.6mm以上の硬

銅線であること。ただし、径間が15m以下の場合に限り、引張強さ1.38kN以上のもの又は直

径2mm以上の硬銅線を使用することができる。

三 電線が屋外用ビニル絶縁電線である場合は、人が通る場所から手を伸ばしても触れること

のない範囲に施設すること。

四 電線が屋外用ビニル絶縁電線以外の絶縁電線である場合は、人が通る場所から容易に触れ

ることのない範囲に施設すること。

五 電線がケーブルである場合は、第67条(第五号を除く。)の規定に準じて施設すること。

ただし、ケーブルの長さが1m以下の場合は、この限りでない。

六 電線の高さは、116-1表に規定する値以上であること。

116-1表

区分 高さ

道路(歩行の用にのみ供さ

れる部分を除く。)を横断す

る場合

技術上やむを得ない場合において

交通に支障のないとき 路面上 3m

その他の場合 路面上 5m

鉄道又は軌道を横断する場合 レール面上 5.5m

横断歩道橋の上に施設する場合 路面上 3m

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上記以外の場合

技術上やむを得ない場合において

交通に支障のないとき 地表上 2.5m

その他の場合 地表上 4m

(以下省略)

○第120条 (地中電線路の施設)

地中電線路の方式に電線共同溝やキャブ方式のものが含まれることを明確にした。

第120条 地中電線路は、電線にケーブルを使用し、かつ、管路式、暗きょ式又は直接埋設

式により施設すること。

なお、管路式には電線共同溝(C.C.BOX)方式を、暗きょ式にはキャブ(電力、通信等

のケーブルを収納するために道路下に設けるふた掛け式のU字構造物)によるものを、そ

れぞれ含むものとする。

○第133条(臨時電線路に施設)

使用期間が6月以内で使用する臨時の特別高圧絶縁電線をJESC E 2021(2010)「臨時電線路に

適合する防護具及び離隔距離」に適合する「特別高圧防護具」に収める場合の電線と造営物との離

隔距離を同規格で規定されている離隔とすることが規定された。

第133条

6 低圧、高圧又は35,000V以下の特別高圧の架空電線を、日本電気技術規格委員会規格 JESC E2021

(2010)「臨時電線路に適用する防護具及び離隔距離」の「2.技術的規定」により施設する場

合は、当該電線と造営物との離隔距離は、第71条、第78条及び第106条の規定によらないことが

できる。

第4章 電力保安通信設備

○第134条【電力保安通信設備に係る用語の定義】

第134条 この解釈において用いる電力保安通信設備に係る用語であって、次の各号に掲げるも

のの定義は、当該各号による。

一 添架通信線 架空電線路の支持物に施設する電力保安通信線

二 給電所 電力系統の運用に関する指令を行う所

(コメント)給電所は、旧第1条より。

○第135条(電力保安通信用電話設備の施設)

給電所と遠隔監視制御されない発電所との間に電力保安通信用電話設備を施設することが義務

付けられているが、施設する必要がない場合として(イ)と(ロ)が追加された。(ロ)は、

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異常が生じた場合に、電気を供給する需要場所が停電しない、また運転又は停止しても電力系統

の電圧及び周波数の維持に支障を及ぼさない発電所のことである

第135条 次の各号に掲げる箇所には、電力保安通信用電話設備を施設すること。

一 次に掲げる場所と、これらの運用を行う給電所との間

イ 遠隔監視制御されない発電所(第225条に規定する場合に係るものを除く。)。ただし、次

に適合するものを除く。

(イ) 発電所の出力が2,000kW未満であること。

(ロ) 第47条第1項第二号ロの規定に適合するものであること。

(ハ) 給電所との間で保安上、緊急連絡の必要がないこと。

第5章 電気使用場所の施設及び小出力発電設備

第142条【電気使用場所の施設及び小出力発電設備に係る用語の定義】

一 低圧幹線 第147条の規定により施設した開閉器又は変電所に準ずる場所に施設した低圧開

閉器を起点とする、電気使用場所に施設する低圧の電路であって、当該電路に、電気機械器具

(配線器具を除く。以下この条において同じ。)に至る低圧電路であって過電流遮断器を施設

するものを接続するもの(新)

二 低圧分岐回路 低圧幹線から分岐して電気機械器具に至る低圧電路(新)

三 低圧配線 低圧の屋内配線、屋側配線及び屋外配線(新)

四 屋内電線 屋内に施設する電線路の電線及び屋内配線(新)

七 接触電線 当該電線に接触してしゅう動する集電装置を介して、移動起重機、オートクリー

ナその他の移動して使用する電気機械器具に電気の供給を行うための電線(旧第199条で定義

されていたものに下線部分が追加。意味に変更なし。)

八 防湿コード 外部編組に防湿剤を施したゴムコード

九 電気使用機械器具 配線器具以外の電気を使用するための電気機械器具(新―解説)

○第144条 (裸電線の使用制限)

第144条 電気使用場所に施設する電線には、裸電線を使用しないこと。ただし、次の各号のい

ずれかに該当する場合は、この限りでない。

一 がいし引き工事による低圧電線であって次に掲げるものを、第157条の規定により展開し

た場所に施設する場合

イ 電気炉用電線

ロ 電線の被覆絶縁物が腐食する場所に施設するもの

ハ 取扱者以外の者が出入りできないように設備した場所に施設するもの

二 バスダクト工事による低圧電線を、第163条の規定により施設する場合

三 ライティングダクト工事による低圧電線を、第165条第3項の規定により施設する場合

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四 接触電線を第173条、第174条又は第189条の規定により施設する場合

五 第183条に規定する特別低電圧照明回路を施設する場合

六 電気さくの電線を第192条の規定により施設する場合

(コメント)「電線」に係る条文とした。配線、電線路の電線が含まれる。

○第 146条(低圧配線に使用する電線)【旧第 164条、第 214条】

低圧配線に使用する電線のうち、直径1.6mmの軟銅線同等以上のものでなくてもよい電線が使

用できるとして認められていた制御回路等の具体例として自動制御回路、遠方操作回路、遠方監

視装置の信号回路その他これらに類する電気回路と明確にされたほか、低圧配線に使用する絶縁

電線の許容電流の値は、短時間に使用する場合は適用しなくても良いとされた。

第146条 低圧配線は、直径1.6mmの軟銅線若しくはこれと同等以上の強さ及び太さのもの又は断

面積が1mm2以上のMIケーブルであること。ただし、配線の使用電圧が300V以下の場合において

次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。

一 電光サイン装置、出退表示灯その他これらに類する装置又は制御回路等(自動制御回路、

遠方操作回路、遠方監視装置の信号回路その他これらに類する電気回路をいう。以下この条

において同じ。)の配線に直径1.2mm以上の軟銅線を使用し、これを合成樹脂管工事、金属管

工事、金属線ぴ工事、金属ダクト工事、フロアダクト工事又はセルラダクト工事により施設

する場合

二 電光サイン装置、出退表示灯その他これらに類する装置又は制御回路等の配線に断面積

0.75mm2以上の多心ケーブル又は多心キャブタイヤケーブルを使用し、かつ、過電流を生じた

場合に自動的にこれを電路から遮断する装置を設ける場合

三 第172条第1項の規定により断面積0.75mm2以上のコード又はキャブタイヤケーブルを使用

する場合

四 第172条第3項の規定によりエレベーター用ケーブルを使用する場合

○第 153条(電動機の過負荷保護装置の施設)

第4号が追加。電技省令第65条に規定されているもの。

第153条 屋内に施設する電動機には、電動機が焼損するおそれがある過電流を生じた場合に自

動的にこれを阻止し、又はこれを警報する装置を設けること。ただし、次の各号のいずれかに

該当する場合はこの限りでない。

一 電動機を運転中常時取扱者が監視できる位置に施設する場合

二 電動機の構造上又は負荷の性質上、その電動機の巻線に電動機を焼損するおそれがある過

電流が生じるおそれがない場合

三 電動機が単相のものであって、その電源側電路に施設する過電流遮断器の定格電流が15A

(配線用遮断器にあっては、20A)以下の場合

四 電動機の出力が0.2kW以下の場合

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○第 156条(低圧屋内配線の施設場所による工事の種類)

合成樹脂線ぴ工事が削除される。

○第 162条(金属ダクト工事)

金属ダクト工事による低圧屋内配線をする場合において、ダクトを垂直に施設する場合は、電

線をクリート等で堅固に支持することが規定された。(第1項第六号追加 解説より)

○第164条(ケーブル工事)

2 電線を直接コンクリートに埋め込んで施設する低圧屋内配線は、次の各号によること。

一 電線は、MIケーブル、コンクリート直埋用ケーブル又は第120条第6項に規定する性能を満

足するがい装を有するケーブルであること。

二 コンクリート内では、電線に接続点を設けないこと。ただし、接続部において、ケーブル

と同等以上の絶縁性能及び機械的保護機能を有するように施設する場合は、この限りでな

い。

○第 167条(低圧配線と弱電流電線等又は管との接近又は交差)

【旧第 189 条、第 211条、第 221条】(省令第 62条)

合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事、金属線ぴ工事、金属ダクト工事、バ

スダクト工事、フロアダクト工事又はセルラダクト工事により施設する低圧配線の電線と弱電

流電線とを、同一の管、線ぴ若しくはダクトの中に施設できる弱電流電線として、リモコンス

イッチ、保護リレーその他これに類する制御用のものが事例として明確化された。(第3項第二

号イ)

3 合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事、金属線ぴ工事、金属ダクト工事、バ

スダクト工事、フロアダクト工事又はセルラダクト工事により施設する低圧配線の電線と弱電

流電線とは、同一の管、線ぴ若しくはダクト若しくはこれらのボックスその他の附属品又はプ

ルボックスの中に施設しないこと。ただし、低圧配線をバスダクト工事以外の工事により施設

する場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

一 低圧配線の電線と弱電流電線とを、次に適合するダクト、ボックス又はプルボックスの中

に施設する場合。この場合において、低圧配線を合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう

電線管工事又は金属線ぴ工事により施設するときは、電線と弱電流電線とは、別個の管又は

線ぴに収めて施設すること。

イ 低圧配線と弱電流電線との間に堅ろうな隔壁を設けること。

ロ 金属製部分にC種接地工事を施すこと。(関連省令第10条、第11条)

二 弱電流電線が、次のいずれかに該当するものである場合

イ リモコンスイッチ、保護リレーその他これに類するものの制御用の弱電流電線であっ

て、絶縁電線と同等以上の絶縁効力があり、かつ、低圧配線との識別が容易にできるもの

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ロ C種接地工事を施した金属製の電気的遮へい層を有する通信用ケーブル(関連省令第10

条、第11条)

○第 176条(可燃性ガス等の存在する場所の施設)

本条において可燃性のガスと引火性物質のある場所の施設について規定されているが、これらの

物質に解釈で示されていた説明が取り入れられた。

【可燃性ガス等の存在する場所の施設】(省令第 69 条、第 72条)

第 176条 可燃性のガス(常温において気体であり、空気とある割合の混合状態において点火源

がある場合に爆発を起こすものをいう。)又は引火性物質(火のつきやすい可燃性の物質で、そ

の蒸気と空気とがある割合の混合状態において点火源がある場合に爆発を起こすものをいう。)

の蒸気(以下この条において「可燃性ガス等」という。)が漏れ又は滞留し、電気設備が点火源

となり爆発するおそれがある場所における、低圧又は高圧の電気設備は、次の各号のいずれかに

より施設すること。

(以下省略)

○第 177条(危険物等の存在する場所の施設)【旧第 194条、第 216条】

本条において危険物と火薬類のある場所の施設について規定されているが、これらの物質に解釈

で示されていた説明が取り入れられた。

第177条 危険物(消防法(昭和23年法律第186号)第2条第7項に規定する危険物のうち第2類、

第4類及び第5類に分類されるもの、その他の燃えやすい危険な物質をいう。)を製造し、又は

貯蔵する場所(第175条、前条及び次条に規定する場所を除く。)に施設する低圧又は高圧の電

気設備は、次の各号により施設すること。

2 火薬類(火薬類取締法(昭和25年法律第149号)第2条第1項に規定する火薬類をいう。)を製

造する場所又は火薬類が存在する場所(第175条第1項第一号、前条及び次条に規定する場所を

除く。)に施設する低圧又は高圧の電気設備は、次の各号によること。

第6章 電気鉄道等 ○第 201条 電気鉄道に係る用語の定義

第201条 この解釈において用いる電気鉄道等に係る用語であって、次の各号に掲げるものの定義

は、当該各号による。

一 架空方式 支持物等で支持すること、又はトンネル、坑道その他これらに類する場所内の上面

に施設することにより、電車線を線路の上方に施設する方式

二 架空電車線 架空方式により施設する電車線

三 架空電車線等 架空方式により施設する電車線並びにこれと電気的に接続するちょう架線、

ブラケット及びスパン線

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四 き電線 発電所又は変電所から他の発電所又は変電所を経ないで電車線に至る電線

五 き電線路 き電線及びこれを支持し、又は保蔵する工作物

六 帰線 架空単線式又はサードレール式電気鉄道のレール及びそのレールに接続する電線

七 レール近接部分 帰線用レール並びにレール間及びレールの外側30cm以内の部分

八 地中管路 地中電線路、地中弱電流電線路、地中光ファイバケーブル線路、地中に施設する

水管及びガス管その他これらに類するもの並びにこれらに附属する地中箱等をいう。

○第 214条(交流架空電車線等と他の工作物等との接近又は交差)【旧第 263条】

交流の架空電車線等が建造物、道路又は索道と接近する場合の施設において本条の第 7項として

次のように加えられた。

7 交流の架空電車線と並行する橋の金属製欄干その他人が触れるおそれがある金属製の物にお

いて、誘導により危険電圧が発生するおそれのある場合には、これを防止するため、当該金属

製のものにはD種接地工事が施されていること。

第 7 章 国際規格の取り入れ

○第 218条(IEC 60364 規格の適用)

IEC 60364規格の欄が削除された。

第218条 需要場所に施設する低圧の電気設備は、218-1表に掲げる日本工業規格の規定により施

設することができる。ただし、一般電気事業者及び特定電気事業者と直接に接続する場合は、こ

れらの事業者の低圧の電気の供給に係る設備の接地工事の施設と整合がとれていること。

218-1表

規格番号(制定年) 規格名 備考

JIS C 60364-1(2010) 低圧電気設備-第1部:基本的原則、

一般特性の評価及び用語の定義

132.4、313.2、3

3.2、35を除く。

JIS C 60364-4-41(2010) 低圧電気設備-第4-41部:安全保護

-感電保護

JIS C 60364-4-42(2006) 建築電気設備-第4-42部:安全保護

-熱の影響に対する保護

422を除く。

○第 219条(IEC 61936-1 規格の適用)

高圧又は特別高圧の電気設備に施設に導入されている IEC 61936-1 規格は、平成 22 年 1 月に導

入されたが、その後この規格が改正されたので、この改正された「4.2.7 電界及び磁界」「4.2.9

高調波」などの規格が取り入れる改正が行われた。追加された項目は以下の通り。

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IEC 61936-1の適用 和文(正式には示されていない)

3 Terms and definitions 3 用語と定義

4.2.7 Electric and magnetic fields 4.2.7 電界及び磁界

4.2.8 Overvoltages 4.2.8 過電圧

4.2.9 Harmonics 4.2.9 高調波

5.1 General 5.1一般事項

6.2.12 Generating units 6.2.12 発電ユニット

6.2.13 Generating units main connections 6.2.13 発電ユニットの主接続部

6.2.16 Electrical and mechanical

interlocking

6.2.16 電気的及び機械的インターロック

7.15 Lighting 7.15 照明

7.2.4 Minimum height over access area 7.2.4 アクセス領域の上方における最小高さ

8.1 General 8.1 一般事項

9.5 Hydrogen handling plants 9.5 水素取り扱いプラント

第8章 分散型電源の系統連系設備

第220条【分散型電源の系統連系設備に係る用語の定義】(省令第1条)

一 発電設備等 発電設備又は電力貯蔵装置であって、常用電源の停電時又は電圧低下発生時に

のみ使用する非常用予備電源以外のもの

(新―常用電源装置として設置されるものに限ることが明確にされた。)

二 分散型電源 一般電気事業者及び卸電気事業者以外の者が設置する発電設備等であって、一

般電気事業者が運用する電力系統に連系するもの

(新―この用語の定義をすることによって、各条文の簡素が図れることになった。)

三 解列、 四 逆潮流、 五 単独運転、 六 逆充電、 七 自立運転、 八 線路無電圧

確認装置、 九 転送遮断装置、 十 受動的方式の単独運転検出装置、 十一 能動的方式の

単独運転検出装置

(第三号から第十一号までの定義は、第2号の用語の定義により、表現は簡素化されたが、意

味は従来と変更なし。)

十二 スポットネットワーク受電方式 2以上の特別高圧配電線(スポットネットワーク配電線)

で受電し、各回線に設置した受電変圧器を介して2次側電路をネットワーク母線で並列接続し

た受電方式(下線の部分が変更されたが、意味は従来と変更なし。)

十三 二次励磁制御巻線形誘導発電機 二次巻線の交流励磁電流を周波数制御することにより

可変速運転を行う巻線形誘導発電機(新)

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第220条 この解釈において用いる分散型電源の系統連系設備に係る用語であって、次の各号に掲

げるものの定義は、当該各号による。

一 発電設備等 発電設備又は電力貯蔵装置であって、常用電源の停電時又は電圧低下発生時にの

み使用する非常用予備電源以外のもの

二 分散型電源 一般電気事業者及び卸電気事業者以外の者が設置する発電設備等であって、一般

電気事業者が運用する電力系統に連系するもの

三 解列 電力系統から切り離すこと

四 逆潮流 分散型電源設置者の構内から、一般電気事業者が運用する電力系統側へ向かう有効電

力の流れ

五 単独運転 分散型電源を連系している電力系統が事故等によって系統電源と切り離された状

態において、当該分散型電源が発電を継続し、線路負荷に有効電力を供給している状態

六 逆充電 分散型電源を連系している電力系統が事故等によって系統電源と切り離された状態

において、分散型電源のみが、連系している電力系統を加圧し、かつ、当該電力系統へ有効電

力を供給していない状態

七 自立運転 分散型電源が、連系している電力系統から解列された状態において、当該分散型電

源設置者の構内負荷にのみ電力を供給している状態

八 線路無電圧確認装置 電線路の電圧の有無を確認するための装置

九 転送遮断装置 遮断器の遮断信号を通信回線で伝送し、別の構内に設置された遮断器を動作さ

せる装置

十 受動的方式の単独運転検出装置 単独運転移行時に生じる電圧位相又は周波数等の変化によ

り、単独運転状態を検出する装置

十一 能動的方式の単独運転検出装置 分散型電源の有効電力出力又は無効電力出力等に平時か

ら変動を与えておき、単独運転移行時に当該変動に起因して生じる周波数等の変化により、単

独運転状態を検出する装置

十二 スポットネットワーク受電方式 2以上の特別高圧配電線(スポットネットワーク配電線)

で受電し、各回線に設置した受電変圧器を介して2次側電路をネットワーク母線で並列接続し

た受電方式

十三 二次励磁制御巻線形誘導発電機 二次巻線の交流励磁電流を周波数制御することにより可

変速運転を行う巻線形誘導発電機

○第222条【限流リアクトル等の施設】

分散型電源の連系により、電力系統の短絡容量が増大することを防止するための規制であるが、

従来、連系される発電機の種類ごとに規定されていたものが、本条にまとめて規定された。

第222条 分散型電源の連系により、一般電気事業者が運用する電力系統の短絡容量が、当該分

散型電源設置者以外の者が設置する遮断器の遮断容量又は電線の瞬時許容電流等を上回るおそ

れがあるときは、分散型電源設置者において、限流リアクトルその他の短絡電流を制限する装置

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を施設すること。ただし、低圧の電力系統に逆変換装置を用いて分散型電源を連系する場合は、

この限りではない。

○第223条(自動負荷制限の実施)

第222条と同じく、高圧と特別高圧にそれぞれの連係する発電設備ごとに規定されていた内容を

本条にまとめた。

第223条 高圧又は特別高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合(スポットネットワーク受電

方式で連系する場合を含む。)において、分散型電源の脱落時等に連系している電線路等が過負

荷になるおそれがあるときは、分散型電源設置者において、自動的に自身の構内負荷を制限する

対策を行うこと。

○第230条(特別高圧連系時の施設要件)、第231条(特別高圧連系時の系統連系保護装置)及び第

232条(高圧連系及び特別高圧連系における例外)

これらの条文も上記と同じように、同じ内容のものがまとめられた。

以上