設計・施工資料 - novopan...2. 釘について...
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日本ノボパン工業株式会社
2019年5月
設計・施工資料
構造用耐力面材「novopanSTPⅡ」
novopanSTPⅡは、木造軸組工法、枠組壁工法建築物の耐力面材として使用できる
構造用パーティクルボードです(JIS A5908-2015パーティクルボード)
板面のロットスタンプ(P4参照)に構造用を示す「S18」の表記があることを確認して下さい。
構造用面材は建物の水平耐力を請け負う「構造耐力上主要な部分」に該当します。
そのため正しい方法で施工を行わなければ本来の耐力を得ることができません。
本書に従い正しい方法で施工していただきますようお願いいたします。
1. 耐力壁の仕様
novopanSTPⅡは告示(建設省告示第1100号、国土交通省告示第1541号)で規定する壁倍率
に加え、弊社で取得した国土交通大臣認定の壁倍率も使用することが出来ます。
表1. novopanSTPⅡを使用できる耐力壁の種類と仕様
告示
釘の種類 留付間隔 受材断面寸法 留付釘 釘打間隔 大臣認定
2.5外周150mm以下
中通150mm以下
建設省告示第1100号
2.9外周100mm以下
中通200mm以下
大臣認定FRM-0177
4.3外周75mm以下
中通150mm以下
建設省告示第1100号
2.5外周150mm以下
中通150mm以下
建設省告示第1100号
3.0外周100mm以下
中通200mm以下
大臣認定FRM-0242
4.3外周75mm以下
中通150mm以下
30mm×60mm以上
N75 120mm以下
建設省告示第1100号
2.5外周150mm以下
中通150mm以下
300mm以下
建設省告示第1100号
2.6外周100mm以下
中通200mm以下
200mm以下
大臣認定FRM-0179
4.0外周75mm以下
中通150mm以下
120mm以下
建設省告示第1100号
3.0外周100mm以下
中通200mm以下
4.8外周50mm以下
中通200mm以下
注: 枠組壁工法の大臣認定(TBFC-0037, 0038)は現在も有効ですが、告示と仕様が重複するため掲載しておりません
novopanSTPⅡを軸組の両面に張る、室内側に石膏ボード等の耐力面材を張る、または筋かいを
入れるなど複数の耐力壁を併用する場合、5を上限として倍率を加算することが出来ます。
大臣認定の壁倍率(以下認定仕様)を使用する時は確認申請の際、大臣認定書(写し)の添付が必要です。
大臣認定書(写し)の入手についてはホームページまたは各営業所にご請求ください。
受材留付方法壁倍率
30mm×40mm以上
200mm以下
面材留付方法
N75
耐力壁の種類
国土交通省告示第1541
号
枠組壁工法
大壁
N50NZ50CN50CNZ50
CN50CNZ50
大壁
真壁真壁床勝ち
大壁床勝ち
30mm×40mm以上
N75
木造軸組工法
1
2. 釘について
novopanSTPⅡを使用する耐力壁は、所定の釘を決められたピッチで打つことにより壁倍率が
担保されています。
耐力壁には必ず指定の釘を使用してください。
3. 柱頭、柱脚の補強金物について
柱頭、柱脚の継手および仕口に関する規定は建設省告示第1460号に規定されていますが、
接合金物の選択について但し書きを含めると一般的には下記3種類のいずれかの方法を
選択することになります。
① 建設省告示第1460号の表1~表3による方法
② N値計算法
③ 許容応力度計算
この中で比較的容易にかつ経済的に接合金物を選択できる②N値計算法について示します。
N値計算法
下記算定式(1)または(2)から導き出されたNの値から表2に記載する接合金物(同等以上のもの
を含む)を選択してください。
A. 「平屋の柱または2階建ての2階・下屋部分の柱」の場合
N = A1 × B1 - L1 ・・・・・ (1)
N:Nの値
A1:当該柱の両側における耐力壁の倍率の差(片側のみに軸組が取り付く場合は当該耐力壁の倍率)の数値。
B1:周辺部材による押さえ(曲げ戻し)の効果を示す係数。出隅の柱においては0.8。その他の柱においては0.5。
L1:鉛直荷重による押さえの効果を示す係数。出隅の柱においては0.4、その他の柱においては0.6。
B. 「2階建ての部分の1階の柱(下屋部分以外)」の場合
N = A1 × B1 + A2 × B2 - L2 ・・・・・ (2)
N:Nの値
A1、B1:(1)の場合と同じ
A2:当該に連続する2階の柱の両側における耐力壁の倍率の差(片側のみに軸組が取り付く場合は当該耐力壁の倍率)
の数値。
B2:2階の周辺部材による押さえ(曲げ戻し)の効果を示す係数。出隅の柱においては0.8。その他の柱においては0.5。
L2:鉛直荷重による押さえの効果を示す係数。当該柱が出隅の柱においては1.0、その他の柱においては1.6。
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表2. N値と継手・仕口の仕様
Nの値 必要耐力(kN) 継手・仕口の仕様
0.0以下 0.0 短ほぞ差しまたはかすがい打ち
0.65以下 3.4 長ほぞ差し込みまたはかど金物CP・L
かど金物CP・T山形プレートVP
1.4以下 7.5 羽子板ボルトまたは短ざく金物(スクリュー釘なし)
1.6以下 8.5 羽子板ボルトまたは短ざく金物(スクリュー釘あり)
1.8以下 10.0 引き寄せ金物HD-B10(S-HD10)
2.8以下 15.0 引き寄せ金物HD-B15(S-HD15)
3.7以下 20.0 引き寄せ金物HD-B20(S-HD20)
4.7以下 25.0 引き寄せ金物HD-B25(S-HD25)
5.6以下 30.0 引き寄せ金物HD-B15(S-HD15)×2個
5.6超 N×5.3
N値計算法の詳細については、(公財)日本住宅・木材技術センター発行
「木造軸組構法住宅の構造計画」等を参照してください。
4. 取り扱い上の注意
運搬: novopanSTPⅡは、合板と比較して比重が高く1枚(3'×10')あたり約19kg
ありますので持ち運びの際はご注意ください。
なお、角を強くぶつけると破損するおそれがありますのでご注意ください。
保管: novopanSTPⅡを保管する際は、パレットまたは輪木の上に平積みしてください。
輪木を使用する場合、4本以上使用してください。
なお工事現場など屋外に仮置く場合は、水たまりや高湿度になるところを避け
雨などで濡れないように輪木は出来るだけせいの高い材を用い、必ず防水シートを
かけてください。
また長時間立てかけた状態で保管すると反りが起こることがありますので
注意してください。
カット: novopanSTPⅡは表面密度が高く、やや硬い性質を持ちますのでカットするには超硬チップソーの使用を推奨します。また、面取りを行う場合は電動サンダーの使用をお勧めします。
1.0以下 5.1
3
釘打ち: 釘打ちは釘頭が表面で止まるようにネイラーのエアー圧を調節してください。
エアー圧の目安は、約6kgf/cm2です。但し、軸組材の硬さによりさらに高い
エアー圧が必要になる場合があります。
釘頭がめり込むと所定の耐力を得ることが出来ません。釘頭がめり込んだ場合は
周囲に1本以上釘を増し打ちしてください。
※注意 釘が間柱から外れた場合、釘が貫通して裏側に飛び出すおそれがあるので、
釘打ち施工中は絶対に壁の裏側に入らないようにしてください。
ネイルマーク:
釘打ち間隔の目安として左右(柱)には、50mm間隔の破線 および75mm間隔の丸印 を印刷して
おります。また、中通(間柱)には100mm間隔の破線 および150mm間隔の丸印 を印刷しております。
なお、パネルの上下(横架材にかかる部分)にネイルマークは印刷しておりませんが柱部分と同じ間隔
で釘打ちして下さい。
ネイルマーク印刷の都合上、若干のズレが生じる場合がございます。ネイルマークは目安とし、
各仕様の所定の縁端距離で釘打ちして下さい。
めり込んだ釘
増し打ち釘
拡大
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5. 施工方法
5-1. 木造軸組大壁仕様(直張)
<軸組の条件>(告示には間柱の寸法規定はありませんが、認定仕様に準拠することを推奨します)
軸組材の断面寸法は以下のとおりです。
柱、土台、梁、胴差および桁: 105mm×105mm以上
間柱: 27mm×60mm以上
継手間柱(半柱): 45mm×60mm以上
継手受材: 45mm×60mm以上
※間柱、継手間柱は梁、土台等の横架材にほぞ差しまたは2-N75斜め打ちで留めつけてください。
<耐力面材「novopanSTPⅡ」の取り付け方法>
novopanSTPⅡは軸組の柱、梁、胴差、桁、間柱等に直接打ち付けてください。
面材の軸組に対するかかりしろ(釘打ちの見つけ幅)は30mm以上確保してください。
留め付け釘はN50,NZ50,CN50またはCNZ50を使用してください。
釘打ち間隔は、各壁倍率毎に規定するピッチを守ってください(1頁表1参照)。
釘の縁端距離(面材端部と釘の間隔)は12mm程度(ネイルマーク中央を目安)としてください。
面材の継手は2~3mm程度隙間をあけてください。(novopanSTPⅡの幅寸法は908mmです)
胴差上の継手は6mm以上あけてください。
図2. novopanSTPⅡの張り方(大壁仕様)
梁、胴差、桁等105mm×105mm以上
柱105mm×105mm以上
間柱27mm×60mm以上
継手間柱45mm×60mm以上
継手受材45mm×60mm以上
継手なしの場合
継手を設ける場合
継手目地:2~3mmの隙間
胴差上の継手目地:6mm以上の隙間
軸組へのかかりしろ30mm以上
見つけ幅(mm)×厚み(mm)
※逆は無効です
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5-2. 木造軸組直張り・床勝ち仕様
<軸組の条件>(告示には間柱の寸法規定はありませんが、認定仕様に準拠することを推奨します)
軸組材の断面寸法は以下のとおりです。
柱、土台、梁、胴差および桁: 105mm×105mm以上
間柱: 27mm×60mm以上
継手間柱(半柱): 45mm×60mm以上
継手受材: 45mm×60mm以上
受材(床材に取り付け): 30mm×40mm以上(壁倍率2.5,3.0)30mm×60mm以上(壁倍率4.3)
※間柱および継手間柱の端部は2-N75斜め打ちで受材または横架材に留めつけてください。
<耐力面材「novopanSTPⅡ」の取り付け方法>
novopanSTPⅡは軸組の柱、梁、胴差、桁、間柱および受材等に直接留めつけてください。
留め付け釘はN50,NZ50,CN50またはCNZ50を使用してください。
釘の縁端距離(面材端部と釘の間隔)は12mm程度(ネイルマーク中央を目安)としてください。
<受材の取り付け方法>
受材(床部)は、床材を介し横架材に固定してください。
2.5倍、3.0倍仕様の受材はN75釘を用い、200mm以内の間隔で留めつけてください。高倍率4.3倍仕様は120mm以内の間隔で留め付けてください。
<床材の取り付け方法>
床材(厚さ20~30mm程度)はN75釘を用い、150mm以内の間隔で留めつけてください。
図3. novopanSTPⅡの張り方(大壁床勝ち仕様)
釘打ち間隔は、各壁倍率毎に規定するピッチを守ってください(1頁表1参照)。
受材2.5倍、3.0倍仕様
30mm×40mm以上[email protected]倍仕様
30mm×60mm以上N75@120mm
床材N75@150
間柱の端部2-N75斜め打ち
見つけ幅(mm)×厚み(mm)
※逆は無効です
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5-3. 木造軸組真壁仕様および真壁床勝ち仕様
<軸組の条件>
軸組材の断面寸法は以下のとおりです。
柱、土台、梁、胴差および桁: 105mm×105mm以上
間柱: 27mm×60mm以上
継手間柱(半柱): 45mm×60mm以上
継手受材: 45mm×60mm以上
受材: 30mm×40mm以上
<受材の取り付け方法>
受材は、軸組材に直接打ち付けてください(床勝ち仕様の床部は床材を介して横架材に固定)。
2.5倍仕様、2.6倍仕様の受材はN75釘を用い、200mm以内の間隔で留めつけてください。4.0倍仕様についてはN75釘を用い、120mm以内の間隔で留め付けてください。
<軸組とのクリアランス>
周囲の軸組とnovopanSTPⅡの隙間は2mm程度にしてください。
<床材の固定方法>(床勝ち仕様の場合)
床材(厚さ20~30mm程度)はN75釘を用い、150mm以内の間隔で留めつけてください。
<耐力面材「novopanSTPⅡ」の取り付け方法>
novopanSTPⅡは受材および間柱に直接留めつけてください。
留め付け釘はN50,NZ50,CN50またはCNZ50を使用してください。
釘打ち間隔は、各壁倍率毎に規定するピッチを守ってください(1頁表1参照)。
図4. novopanSTPⅡの張り方(受材仕様、受材・床勝ち仕様)
受材2.5倍、2.6倍仕様
30mm×40mm以上[email protected]倍仕様
30mm×40mm以上N75@120mm
床材N75@150mm
真壁仕様 真壁床勝ち仕様
隙間は2mm程度
継手受材45mm×60mm以上(継手を設ける場合)
見つけ幅(mm)×厚み(mm)
※逆は無効です
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5-4. 枠組壁工法(2×4工法)
<枠組材の条件>
耐力壁を構成する枠組材は、枠組壁工法構造用製材の日本農林規格に適合する寸法形式204(38mm×89mm)以上のものを使用してください。
枠組材相互の緊結方法は告示1540号の方法に準じます。
<耐力面材「novopanSTPⅡ」の取り付け方法>
novopanSTPⅡは枠組材(たて枠、上枠、下枠および釘受材)に直接打ち付けてください。
留め付け釘はCN50またはCNZ50を使用してください。
釘打ち間隔は、外周部100mm以下、中通り200mm以下としてください。※高倍率仕様(壁倍率4.8)は外周部@50mm中通@200mm
釘の縁端距離はたて枠上は見つけ幅の1/4、上下枠は見つけ幅の1/2を目安にしてください。
面材の継手は2mm程度隙間をあけてください。
図5 novopanSTPⅡの張り方(枠組壁工法)
上枠38mm×89mm以上
たて枠38mm×89mm以上
釘受材38mm×89mm以上
継手なしの場合
継手を設ける場合
継手目地:2~3mmの隙間
上下階の継手目地:6mm以上の隙間
頭つなぎ38mm×89mm以上
下枠38mm×89mm以上
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6. 各部の施工方法
6-1. 木造軸組工法(大壁仕様)
①不陸調整
4寸角柱と3.5寸角柱を内面合わせにすることで不陸が生じる部分については
4寸角の柱を切り欠いて納めるか(図6-1)、受材(30mm×40mm以上)を介して
張り付けてください(図6-2)。
なお図6-2の方法で施工する場合、大壁と真壁で壁倍率が異なる場合は、真壁の壁倍率で
計算してください。
②入隅部
片方の面材を直張りする場合(図7-1)、および両方の面材を受材を設けて張る場合の
負け側の受材には45mm×45mm以上のものを用い、N90釘で留め付けて下さい。
なお、大壁と真壁で壁倍率が異なる場合は、真壁の壁倍率で計算してください。
但し、認定仕様(壁倍率2.9)で図7-1の方法で施工する場合に限り、大壁の壁倍率で
計算することが出来ます(当社試験による)。
③継手部の隙間
novopanSTPⅡは縦張りとし、継手部は2~3mmの隙間をあけて施工してください(図8-1)。
目安は釘一本分または10円玉2枚分です。
1階と2階の継手(胴差上)は6mm以上あけて施工してください(図8-2)。
またnovopanSTPⅡを胴差以外で継ぐ場合には継手受材(45mm×60mm以上)を設け、2~3mmの
隙間を空けて施工してください(図8-3)。
図6-1. 通し柱を切り欠く場合 図6-2. 受材を介して張る場合
見つけ幅30mm以上
120×120 105×105 120×120 105×105
受材(30mm×40mm以上)N75釘で所定仕様の釘ピッチ(1頁表1参照)
受材(45mm×45mm)N90釘で所定の釘ピッチ(1頁表1参照)
受材(30mm×40mm以上)N75釘で所定の釘ピッチ(1頁表1参照)
図7-1. 片方の面材を直張りする場合 図7-2. 両方の面材を受材を設けて張る場合
図8-1. 目地の隙間(柱、継手間柱)
2~3mmあける
図8-2. 目地の隙間(胴差)
6mm以上
胴差
図8-3. 胴差以外で継ぐ場合
釘受材45mm×60mm以上
2~3mmあける
受材(45mm×45mm以上)N90釘で所定の釘ピッチ(1頁表1参照)
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④土台部分
土台部分は、novopanSTPⅡが基礎に直接接しないように土台下端から10mm以上空けて施工して
ください(図9-1)。基礎パッキン等を用いる場合は土台下端より下に出ないようにしてください(図9-2)。
⑤バルコニー
バルコニー等「床勝ち」となる部分は面材下部が軸組材に直接釘打ちできないため
下部のみ床材に留め付けた受材に釘留めする「床勝ち仕様」で施工してください。
床材の留め付け方法、受材寸法および留め付け方法についてはP6「5-2. 木造軸組
直張り・床勝ち仕様」を参照してください。
⑥下屋、軒裏
novopanSTPⅡは、下屋根や軒天井を取り付ける前に施工してください。
受材は、novopanSTPⅡの上から柱、間柱に取り付けてください。
図9-1. 土台部分 図9-2. 基礎パッキン等を使用する場合
10mm以上あける土台
基礎
基礎パッキン
土台下端
図10. バルコニー部(床勝ち工法)
受材
床合板
たる木
たる木がけ
novopanSTPⅡ
novopanSTPⅡ
軒裏
図11-1. 下屋根部分 図11-2. 軒天井
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⑦「開口部に該当しないもの」として取り扱うことの出来る小開口の条件
耐力壁は開口部がないことが原則ですが、告示第594号に関する技術的助言(国住指第1335号)では
「木造の耐力壁について、周囲の軸組から離して設ける径50cm程度の換気扇用の孔は、
本規定第3号の「開口部」に該当しないものとして取扱うことができる。」としております。
また、「2007年度版 建築物の構造関係技術基準解説書」の中で、「その場合の条件として、その周囲
に軸組の柱にその両端が達する受材、同つなぎ等を設けたり…」と補強条件を示しています。
上記文献を参考に試験により安全を確認した2例を以下に示します。
・φ150mm以下の小開口の場合(図12-1)
せん断力のかかる面材端部から50mm以上離して設けてください。なお、同じ高さに開けることが
出来る小開口は2つまでです。この場合補強は不要です。
・φ150mmを超える小開口の場合(図12-2)
350mm×350mm以下(径50cmに相当)であれば四周に補強材を設けてください。
その際novopanSTPⅡは継手受材を設けて2枚に分けて張り(908mm×1,820mm+
908mm×908mmなど)、小開口部は寸法の小さい側に設けるようにしてください。
⑧欠損部の釘増し打ち
novopanSTPⅡは所定の釘を所定の本数打つことで壁倍率を担保しています。
梁、胴差の交差部分や、金物によりnovopanSTPⅡの釘打ち部分に欠損部が生じる場合、
切欠き面積を最小にした上で欠損により打てなくなった釘と同数以上の釘を周囲に増し打ち
してください。
図12-1. φ150mm以下の小開口部(補強なし)
受材27mm×105mm以上
図12-2. φ150mmを超える小開口部(補強材あり)
図13-1. はね出し梁
増し打ち釘
山形プレート
図13-2. 金物部分
増し打ち釘
2枚に分けて張る
継手受材45mm×105mm
切欠きは最小に
継手目地:2~3mmの隙間
50mm以上
50mm以上
φ150mm以下350mm×350mm以下
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6-2. 枠組壁工法
①継手部の隙間
novopanSTPⅡは縦張りとし、たて枠上の継手は2~3mmの隙間をあけて施工してください(図14-1)。
目安はくぎ一本分または10円玉2枚分です。
上下階間は6mm以上の隙間をあけて施工してください(図14-2)。
またnovopanSTPⅡを途中で継ぐ場合には継手受材(38mm×89mm以上)を設け、2~3mmの隙間を
空けて施工してください(図14-3)。
②開口部の割り付け
開口部の割付は、図15に示すように腰壁と側壁が一体になるように(コの字型)割り付ける
ことを推奨します。
図15. 開口部の割り付け(枠組壁工法)
2~3mmあける
たて枠:38mm×89mm以上
図14-1. たて枠上の隙間 図14-2. 上下階の隙間
6mm以上
2階たて枠
1階たて枠
2階下枠
1階上枠頭つなぎ
端根太
床下地
図14-3. 継手受材上の隙間
2~3mmあける
継手受材38mm×89mm以上
6mm以上
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7. 耐力壁としての割付の考え方
①1P耐力壁
1P耐力壁の最小長さは600mm※注
で運用しております。
但し、真壁(4.0倍)および真壁床勝ち(2.6倍、4.0倍)については最小長さ900mmとすることを推奨します。
②1.5P耐力壁
耐力壁の長さは柱間隔で判断するので図17の場合、面材単体では455mmのものを含みますが
長さ1365mmの耐力壁としてみなします。1Pと同様500mm以内の間隔で間柱が必要です。
③耐力壁として認められない例
耐力壁は、両側に柱があることが条件になります。
したがって図18では、A部を含め耐力壁としては認められません。
開口部の取り付く継手間柱が柱であれば、A部のみ耐力壁としてみなすことが出来ます。
900mm
○
600mm
○
455mm
×
910mm 455mm
1365mm
○
継手間柱(45mm×60mm以上)
×
A. B. C.
開口部
図16-1. 単独で900mm 図16-2. 単独で600mm 図16-3. 単独で455mm
図17. 連続する耐力壁
継手間柱
図18. 途中に開口部が入った場合
柱 ・・・・・ A部のみ耐力壁
※注: 当社試験による
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8. 防耐火
地域、建物の規模および用途により外壁に防耐火性能が要求される場合は、告示に定める
構造方法または防耐火の大臣認定を取得した構造方法に従い施工する必要があります。
8-1. 告示仕様
外壁材が窯業系サイディング(厚さ15mm以上)、鉄網軽量モルタル(厚さ20mm以上)、
軽量気泡コンクリート(厚さ35mm以上)のいずれかで、かつ断熱材がグラスウール
またはロックウールの場合は告示第1359号(防火構造)、第1358号(準耐火構造)に
規定する構造方法で施工することが出来ます。
また告示第1399号に定める耐火被覆を行うことで1時間耐火構造にも使用できます。
8-2. 大臣認定仕様
告示に記載のない構造方法で施工する場合は防耐火の大臣認定が必要になります。
外壁材メーカーや断熱材メーカー等およびそれらの業界団体等が取得している認定書
別添の「構造用面材」の中に「パーティクルボード(厚さ9mm以上)」が記載されている
ことを確認してください。
なお弊社では鉄網軽量モルタル(厚さ15mm以上)の防火構造30分、準耐火構造45分
の大臣認定※
を取得しております(表3)。※ 釘ピッチの条件が適合しないため、軸組工法の告示仕様(大壁2.5倍、真壁2.5倍)
には適用できません
表3. 軽量モルタル外壁防耐火認定番号
木造軸組工法 枠組壁工法
防火構造30分 PC030BE-0850 PC030BE-0851
準耐火構造45分 QF045BE-0348 QF045BE-0370
直張り工法、通気工法およびAPM工法※※に対応しております。
防水紙、メタルラス、ステープル等詳細条件については大臣認定書別添を参照して
ください。
※※APM工法:防水通気シート(商品名:エアーパッセージシート)を使用する通気胴縁不要の
湿式通気工法
図19. 軽量モルタル外壁(木造軸組工法、防火構造30分仕様)
軽量モルタルt=15mm以上
メタルラス
700g/m2以上アスファルトフェルト430
novopanSTPⅡ
断熱材GWまたはRWt=50mm以上
石膏ボードt=9.5mm以上
大壁または真壁
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9. 防腐・防蟻処理
地面から1m以内の部分については有効な防腐、防蟻措置を行ってください。
薬剤処理を行う場合、薬剤は油性のものを推奨します。
10. 雨濡れ対策
novopanSTPⅡは初期撥水性に優れていますが、雨濡れの程度によっては反り等の不具合を起こす
おそれがあります。 novopanSTPⅡを張った後は速やかに透湿防水シート等で養生してください。
11. その他の注意事項
間柱に固定しない状態、仮留め等釘の本数が少ない状態で長時間放置すると反りを起こし易く
なりますのでご注意ください。
12. お問い合わせ
novopanSTPⅡに関するお問い合わせは弊社ホームページの「製品お問い合わせ・資料請求」
または各営業所にお願いいたします。
大阪営業所: 〒590-0987 TEL: 072-221-2121
大阪府堺市堺区築港南町4番地 FAX: 072-221-4430
東京営業所: 〒101-0021 TEL: 03-5295-2100
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