高年齢労働者の安全対策 -...

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労働安全衛生広報 2009.11.15 10 高年齢労働者の安全対策 ①安全対策のポイント ②チェックリストを用いた安全改善 ①安全対策のポイント 身体機能の低下を考慮した措置を いたるところで“高齢化”の実態が語られて久しい。それは産業現場も例外で はなく、多くの職場で従業員の平均年齢が高くなっており、高年齢労働者の比率 は上がっている。各職場では、そうした現実から眼をそらさずに高年齢労働者を 積極的に活用して、その持てる経験や知識などを発揮させたい。そのためには、 高年齢労働者が安心して働けるよう、安全対策を講ずることが急務である。本稿 では、高年齢労働者に関する安全対策のポイントを概説し、またチェックリスト を用いた安全改善について記した(編集部)。 身体機能の低下に配慮した安全対策は、多く の職場で実践されるべきと言えよう。 本項では、身体機能の低下に伴って必要 になるであろう災害対策をピックアップし てみた。 ●墜落・転落災害防止対策 加齢に伴って平衡機能が低下し、身体の バランスがとれずに、墜落・転落するとい う危険性が増大する。死亡災害をはじめ、 重篤な災害に結びつくため、しっかりした 対策を講じなければならない。 不可欠な対策として、作業床を十分な広 さにして端部には必ず手すりを設けること がある。また、階段は“蹴上げ”の間隔を 狭めたり踏み面を広く取る(手すりは不可 欠)といった措置も重要である。 一方、作業方法に着目した対策もある。 一口に“高年齢者労働者の安全対策”と 言っても、具体的に理解しにくい。では、 加齢による心身機能の低下を来たした従業 員への安全配慮と記せば、ある程度イメー ジがわくだろう。 人は、一定の年齢を過ぎると、加齢によ って心身の機能が落ちるのは、ご存じのと おりである。別図(11 ページ)は、加齢 に伴う心身機能の変化を表した、有名な図 である。若い頃に比べて、平衡機能や視 力・聴力の低下が著しい。また、筋力や身 体の柔軟性の衰えは、誰しもがご存じのこ とである。 もちろん、そのような身体機能の低下の様 子には個人差がある。だが、身体機能が低い 者でも安全に作業できるのであれば、一層安 全性が高い職場であると言える。そのため、

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労働安全衛生広報 2009.11.1510

高年齢労働者の安全対策①安全対策のポイント

②チェックリストを用いた安全改善

①安全対策のポイント

身体機能の低下を考慮した措置を

 いたるところで“高齢化”の実態が語られて久しい。それは産業現場も例外ではなく、多くの職場で従業員の平均年齢が高くなっており、高年齢労働者の比率は上がっている。各職場では、そうした現実から眼をそらさずに高年齢労働者を積極的に活用して、その持てる経験や知識などを発揮させたい。そのためには、高年齢労働者が安心して働けるよう、安全対策を講ずることが急務である。本稿では、高年齢労働者に関する安全対策のポイントを概説し、またチェックリストを用いた安全改善について記した(編集部)。

特 集

特 集

特 集

身体機能の低下に配慮した安全対策は、多く

の職場で実践されるべきと言えよう。

本項では、身体機能の低下に伴って必要

になるであろう災害対策をピックアップし

てみた。

●墜落・転落災害防止対策

加齢に伴って平衡機能が低下し、身体の

バランスがとれずに、墜落・転落するとい

う危険性が増大する。死亡災害をはじめ、

重篤な災害に結びつくため、しっかりした

対策を講じなければならない。

不可欠な対策として、作業床を十分な広

さにして端部には必ず手すりを設けること

がある。また、階段は“蹴上げ”の間隔を

狭めたり踏み面を広く取る(手すりは不可

欠)といった措置も重要である。

一方、作業方法に着目した対策もある。

一口に“高年齢者労働者の安全対策”と

言っても、具体的に理解しにくい。では、

加齢による心身機能の低下を来たした従業

員への安全配慮と記せば、ある程度イメー

ジがわくだろう。

人は、一定の年齢を過ぎると、加齢によ

って心身の機能が落ちるのは、ご存じのと

おりである。別図(11ページ)は、加齢

に伴う心身機能の変化を表した、有名な図

である。若い頃に比べて、平衡機能や視

力・聴力の低下が著しい。また、筋力や身

体の柔軟性の衰えは、誰しもがご存じのこ

とである。

もちろん、そのような身体機能の低下の様

子には個人差がある。だが、身体機能が低い

者でも安全に作業できるのであれば、一層安

全性が高い職場であると言える。そのため、

11労働安全衛生広報

特集

2009.11.15

高所で、不安定な姿勢で作業していたもの

を地上で行って移送する、あるいは高所作

業車を使って作業の一層の安定化を図る、

などである。

●転倒災害防止対策

高年齢労働者の労働災害の、大きな特徴

と言えるものであり、前述した墜落・転落

や激突などの災害とも結びつく。単純な転

倒でも骨折に直結し、さらに回復するまで

に長期間を要することなどがあり、最重要

の対策と言える。

まず、必要なのは作業床や通路の段差の

解消である。滑りにくい材質にするという

工夫もあろう。さらに、作業で撒かれた水

や洗剤を随時処理する必要もある。滑り止

めがついたノンスリップ靴を着用させるの

も有効だ。

また、次項とも関連するが、無理な姿勢

での運搬を強いるような作業を無くすよう

努めたい。

●重量物取り扱いに係る災害対策

荷の取り扱い・運搬を人力で行うケース

は少なくない。高年齢労働者にとって重過

ぎる荷を扱う場合、よろめいて転倒したり、

握力が弱く荷を落として災害を負いかねな

い。また、運搬時間が長かったり姿勢が不

自然だと腰痛の原因になる。

これは、人力による重量物の取り扱い・

運搬を無くす、あるいは負担を軽減するこ

とが第一である。まず、フォークリフト、

クレーン、ベルトコンベアなどの動力によ

る運搬機械の導入が考えられる。さらに、

台車を多用する、最悪でも複数人での作業

にするといった工夫が必要だ。

分析と判断力

計算能力

77 7663

59

53

27

68

66

48

35

44

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9263

75

80

75

85

85

85

77

71

5957

比較弁別能

学習能力

記憶力

夜勤後体重回復

抗病回復力

傷病休業を少なく止める能力

平衡機能

皮膚振動覚

聴力

薄明順応

視力肩関節脊柱

側屈

脊柱前屈

伸脚力

背筋力

屈腕力

握力

全身跳躍反応

動作速度

単一反応速度

瞬発反応

運動調節能

文字を書く速さ

タッピングテンポ

(斉藤一、遠藤幸男:高齢者の労働能力(労働科学業書53)労働科学研究所1980より)

図3 20~24歳ないし最高期を基準としてみた55~59歳の各機能水準の相対関係(%)

労働安全衛生広報 2009.11.1512

一方では、使用する機材や荷を軽量化す

るなどの努力も続けたい。

●作業姿勢の改善

中腰で上体の前屈姿勢を強いる作業や身

体をねじる作業は、筋肉疲労を招き、腰痛

などの原因になる。そこで、様々な作業に

見合った、また作業者個人に合わせられる

(高さ、向き)作業台、椅子を用意する。

さらに、いずれの作業でも長時間連続させ

ず、一定時間ごとに休憩させる。

●視聴覚機能の補助

加齢とともに、視力や聴力が低下して瞬

間的な判断や反射的対応が難しくなってい

く。それは、あらゆる災害に結びつくだけ

に、視聴覚機能の補助は欠かせない。

全体照明を明るくするのはもちろんだ

が、手元を明るくする局所照明を行う。ま

た、作業場はもとより通路などの足下を明

るくするとともに区画線などを判別しやす

い色で示す。さらに、フォークリフトやク

レーン、重機などが稼動している危険を示

す、ランプの設置や高音量の警報音の発信

を行いたい。

また、注意喚起を促すための表示・標識

類には、大きな絵・文字を使用する。この

場合、照度や色にも配慮する。

職場の安全確保のためには、改善措置が

重要になる。高年齢労働者の安全確保につ

いては、一層のこまめな改善を要する。改

善措置は、現状のチェックを行って改善が

必要な作業(個所)を上げて、具体的に措

置を講ずるという手順になる。

先頃、厚生労働省は「高年齢労働者に配

慮した職場改善マニュアル」を作成したが、

そのなかで『高年齢労働者に配慮した作業

負担管理状況チェックリスト』を示してい

る。次ページ以降で、その主要部分を紹介

する。

このチェックリストを用いて、できれば

5段階程度の評価を行い、改善が必要な作

②チェックリストを用いた安全改善

現状を定期的に把握し適切な改善を

●重量物の運搬作業では、転倒防止、

腰痛対策などが不可欠

13労働安全衛生広報

特集

2009.11.15

●就労条件への配慮●●就労条件への配慮●●就労条件への配慮●●就労条件への配慮●●就労条件への配慮●

チェック項目 評価のポイント

①あらかじめ作業標準などで作業内容を

具体的に指示し、作業者本人が事前に

作業を計画できる

 どんな作業をするのか、あらかじめ具体

的に分かりやすく示し、作業にかかる前に

自分で計画を立てて仕事に取りかかれるよ

うにしているか

②適宜な休憩時間を置いている  疲労感は、行っている作業だけではなく

休憩の間隔や長さによっても大きく変わる。

適度な休憩を取れるようにしているか

③作業から離れて休憩できるスペースが

設けられている

 疲労感の軽減のために、作業を離れて快

適に休憩できる十分な広さのスペースがあ

るか

④夜勤(22時から5時までの勤務)は無

くしている。やむを得ず夜勤を行わせ

る場合には、夜勤形態や休日に配慮し

ている

 加齢とともに、昼から夜あるいは夜から

昼といった勤務シフトの変更に体を慣らし

ていくことが難しくなる。夜勤について十

分な配慮をしているか

⑤半日休暇、早退制度などの自由度の高

い就業制度を実施している

 加齢とともに、高血圧や高脂血症など、

何らかの疾患を持つ人が増え、定期的に病

院に行くことも多くなる。このための時間

を取りやすくしているか

業(個所)の優先順位をつけて、順次改善

していく。

なお同マニュアルでは、前項では触れて

いなかった、高年齢労働者に係る「健康管

理」「労働衛生教育」のポイントを掲げて

いるので、以下に列挙する。

【健康管理】

①包括的な項目を含む問診表を用いて、法

に定められた健康診断を実施し、疾病の

予防・管理に対する、より緻密なコント

ロールが可能となるよう、配慮する

②高血圧症罹患、耐糖能異常及び糖尿病罹

患、握力、心肺機能、貧血、肝機能異常

といった診断を受けた高年齢労働者には

特に配慮する

③健康に関するアドバイスを受けられる環

境を整え、必要な情報を提供する

④身体機能維持のための運動、栄養、休養

に関するアドバイスを受ける機会を提供

する

【労働衛生教育】

①高年齢労働者の個人差に関する労働衛生

教育を行う

②健康の保持・増進に関わる、生活習慣、

運動習慣についての知識と実践の機会を

提供する

③腰痛発生防止のための教育、トレーニン

グの機会を提供する

④技能教育・健康教育の機会を提供する

⑤作業に新しい知識や方法を導入するとき

は、過去の作業との関連性を示す

⑥複雑な作業は、時間をかけて教育する

⑦作業手順の省略や規則違反をしないよう

に教育する

労働安全衛生広報 2009.11.1514

●作業者への配慮●●作業者への配慮●●作業者への配慮●●作業者への配慮●●作業者への配慮●

●作業負荷低減への配慮●●作業負荷低減への配慮●●作業負荷低減への配慮●●作業負荷低減への配慮●●作業負荷低減への配慮●

チェック項目 評価のポイント

①年齢・個人差を配慮して、仕事の内容

や強度、時間などを調整している

 筋力や運動能力は、年齢に従って低下し

個人差も大きくなる。年齢だけでなく、個

人の特徴を把握して作業内容や作業時間な

どの調整を行っているか

チェック項目 評価のポイント

①素早い判断や行動を要する作業がない

ようにしている

 認知能力も年齢が高くなるほど個人差は

大きくなる。反応が低下してきた高齢者に

ついては、素早い判断・行動を要する作業

をなくしたり、適性を考慮して作業に就か

せるように配慮をしているか

②作業者が自主的に作業のペースや量を

コントロールできるようにしている

 高齢者は若年者に比べ、時間に追われる

ような仕事には慣れにくく、また、ミスも

しやすい。作業者が自主的に作業負荷をコ

ントロールできるようにしているか

③強い筋力を要する作業や長時間筋力を

要する作業を減らしたり補助員を配置

するなどの措置を講じている

 個人差はあるが、高齢者は筋力が低下し

ている。作業内容を変える、補助員を配置

するなどの配慮をしているか

④高度の注意の集中が必要な作業は、一

連続作業時間や休憩時間などに配慮す

 監視作業や製品検査など、高度の集中が

必要な作業については、例えば一連続作業

時間が長くならないように、ローテーショ

ンによって作業を分担するなどの配慮をし

ているか

③作業者本人が仕事の量や達成度を確認

できるようにしている

 高齢者は若年者に比べて、仕事の量や内

容の急な変更に適応しにくいことが知られ

ている。作業の進み具合などが確認できる

ようにしているか

④作業者からのヒアリングの機会を積極

的に設けている

 仕事の内容や権限を把握しておくととも

に、年長者としての立場を尊重し、不公平

感、不安感を避けるために、ヒアリングの

機会を設けているか

②職場配置に当たっては、本人の意向を

反映させている

 高齢という理由で職務適性を判断するこ

となく、本人の意向、経験などを踏まえて

職場配置を行っているか

15労働安全衛生広報

特集

2009.11.15

●作業姿勢への配慮●●作業姿勢への配慮●●作業姿勢への配慮●●作業姿勢への配慮●

チェック項目 評価のポイント

①背伸びをする、腰・ひざを曲げる、体

をひねる、胸を上げるなどの不自然な

姿勢になる作業を減らしている

 個人差はあるが、加齢による筋力、関節

の動き、柔軟性などの低下は避けられない。

体の曲げ伸ばしやねじれ姿勢といった不自

然な作業姿勢を減らしているか

チェック項目 評価のポイント

①作業で扱う機器・書類や作業場の掲示

物、ディスプレイ(表示画面)などを

見やすくする工夫をしている

 個人差はあるが、高齢になると焦点の調

整が難しくなる。文字の大きさや色調、コ

ントラストに配慮しているか

③会話を妨げたり、異常音を聞き取りに

くくするような背景騒音を減らしてい

 騒音が常にあると、警告音が分かりにく

くなったり、いらいら感や注意散漫が生じ

る原因になる。騒音対策をしているか

④暑熱職場・寒冷職場における対策を講

じている

 個人差はあるが、加齢に伴って温度への

耐性や体温を調節する能力が低下する。作

業中の温熱対策、保護具の着用、継続時間

の低減などの対策を講じているか

②作業場だけでなく、通路・階段なども

適切な照度が確保されている

 個人差はあるが、高齢になると明るさに

対して眼が慣れるのに時間がかかるように

なる。また、暗いところでは足下が見えに

くなる。作業場だけでなく、歩行する個所

も一定の照度が確保されているか

②必要に応じて、作業時に椅子などを用

いて立位作業を減らしている

 加齢とともに筋力や平衡感覚が低下し、

バランス能力も落ちてきて、体の安定が図

りにくくなる。長時間の立位作業を減らし

ているか

③必要なものは視野内の手の届く範囲内

にあり、無理なく作業ができるように

している

 加齢とともに関節の動く範囲が狭くなり

無理に手を伸ばしてバランスを崩すことも

ある。作業に必要な物が視野に入り、無理

なく作業できるようにしているか

④個人に合わせて選択・調整できる工具、

椅子、作業台などを提供している

 扱いにくい工具、無理な姿勢は、疲労の

蓄積や傷病、また、事故の生ずる原因にな

る。個人の特性にあった工具や、高さ・傾

きが調整できる椅子、作業台などを提供し

ているか

●作業姿勢への配慮●

●作業環境への配慮●●作業環境への配慮●●作業環境への配慮●●作業環境への配慮●●作業環境への配慮●

労働安全衛生広報 2009.11.1516

●安全への配慮●●安全への配慮●●安全への配慮●●安全への配慮●

チェック項目 評価のポイント

①熟練者にありがちな慣れによる事故を

防ぐ対策をしている

 個人差はあるが、高齢になると危険性を

低く見積もり、意識的・意図的な不安全行

動によって事故を起こすことがある。十分

作業手順を理解し、守るように工夫してい

るか

チェック項目 評価のポイント

①腰痛予防のための教育とトレーニング

を積極的に受けさせている

 腰痛は、特に高齢者に多く発生する。腰

痛予防のための教育、トレーニングの機会

をつくり、積極的に受けさせているか

②身体機能維持のための運動、栄養、休

養に関するアドバイスを受けさせてい

 健康の保持・増進を行うために、健康に

関するアドバイスを受けられる環境を整備

し、その機会を提供しているか

②出来る限り危険な作業場での従事機会

を減らしている

 個人差はあるが、加齢とともに筋力や平

衡感覚が低下することは避けられない。極

力、危険な場所での作業を減らすとともに

そのような機会をつくらないように配慮し

ているか

③墜落・転落防止のため、足場・はしご・

脚立などを使用する場合には、安定し

たものを使用させている。転倒防止の

ため、段差・傾斜がなく、滑りにくい

床面にしている

 個人差はあるが、高齢になるとバランス

能力が低下する。傾斜度を下げる、床面の

段差をなくす、滑りにくくする、手すりを

設けるなどの措置を講じているか

④警告音の音程、音調を、聞き取りやす

くする工夫をしている

 個人差はあるが、高齢になると特に高音

域での聴覚低下が生じやすくなり、高い音

の警告音が聞き取りにくくなる。警告音や

指示音について対策や工夫をしているか

⑤取り扱う物の重さが一目で分かる工夫

(重量の色表示など)をしている

 見た目以上に、重い物を急に持ち上げる

支えるといった作業は、けがや事故の原因

になりやすい。数値や色彩などで具体的に

重さが分かるようにしているか

⑥高年齢労働者に配慮し、上記以外の、

職場に合った安全対策を実施している

 高年齢労働者の特徴(視力、聴力、俊敏

性、筋力の低下など)を理解し、それに見

合った安全対策を実施しているか

●安全への配慮●

●健康への配慮●●健康への配慮●●健康への配慮●●健康への配慮●●健康への配慮●

17労働安全衛生広報

特集

2009.11.15

③健康診断の結果の説明を作業者に受け

させている

 健康診断を受けるだけでなく、必ず結果

を通知し、その内容について、よく理解し

てもらうことで、健康の維持増進に努める

配慮をしているか

④生活習慣病などに対する健康指導・健

康教育を受けさせている

 高齢になると、高血圧、糖尿病、高脂血

症などの生活習慣病にかかる人が増える。

これらに関する知識や対策について指導・

教育を受けさせているか

⑤健康状態に配慮して、適正配置を行っ

ている

 作業者の健康状態に応じて、勤務シフト

を変更したり、作業負荷の高いものは軽作

業と組み合わせ、ローテーションするなど

の配慮をしているか

チェック項目 評価のポイント

①職務内容の難易度に応じて適切な導入

教育期間の調整(作業者の要望を考慮

しながら)を行っている

 個人差はあるが、高齢になると適応に要

する時間が、より長くかかる。新たな作業

に就く際には、個人差、体力差、習熟度、

職務経験などを考慮し、習熟のための時間

を十分とっているか

②新規の作業に従事する場合には、過去

の作業経験との関連性を活かした教育

を行っている

 個人差はあるが、高齢になると新たな作

業への適応には時間がかかる。過去の経験

を踏まえ、以前の作業との関連性を示すこ

とで、より早く習熟できるようにしている

④職務習熟のための機会や手段が用意、

提供されている

 個人差はあるが、高齢になると新しいこ

とへの対応が困難になってくるが、時間を

かけることで、十分に克服できる。教育時

間に余裕を持たせたり、ビデオや簡易教材

などで、自己学習できるようにしているか

※チェックリストは、5段階あるいは3段階程度の評価式にしたい。評価に

応じて優先順位を決めて順次改善に当たること。また、定期的に行うこと

で、改善の進度や内容の適否を検討すること。

③作業標準を守っているかどうか、確認

を行っている

 慣れや過去の経験からの「思い込み」で

作業の手順・やり方を勝手に変えていない

ことを確認しているか

●新しい職場への適応の配慮●●新しい職場への適応の配慮●●新しい職場への適応の配慮●●新しい職場への適応の配慮●●新しい職場への適応の配慮●

(資料出所;厚生労働省(抄))