職業能力開発をめぐる状況について ~学校教育との連携に向 …...2009/07/06...

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職業能力開発をめぐる状況について ~学校教育との連携に向けて~ 平成21年6月12日 厚生労働省職業能力開発局 H21.6.12 キャリア教育・職業教育特別部会(第9回) 資料3

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職業能力開発をめぐる状況について

~学校教育との連携に向けて~

平 成 2 1 年 6 月 1 2 日厚生労働省職業能力開発局

H21.6.12キャリア教育・職業教育特別部会(第9回)

資料3

Page 2: 職業能力開発をめぐる状況について ~学校教育との連携に向 …...2009/07/06  · 職業能力開発をめぐる状況について ~学校教育との連携に向けて~

1.職業能力開発の現状と課題

公共職業訓練の意義と内容

公共職業能力開発施設の種類

離職者訓練の現状と課題

離職者訓練の実施状況

学卒者訓練の実施状況

OFF-JTを実施した事業所

計画的なOJTを実施した事業所

労働者に対する自己啓発支援を行っている事業所

人材育成に関して問題があるとした事業所及びその

問題点の内訳

自己啓発に問題があるとした労働者及びその内訳

企業内訓練への支援(キャリア形成促進助成金)

キャリア形成促進助成金(訓練等支援給付金)の概要

ジョブ・カード制度の概要

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・10

・・・11

・・・12

・・・13

・・・14 1

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2

公共職業訓練の意義と内容

【対象】

ハローワークの求職者(無料)

【訓練期間】

概ね3月~6月

【機構の主な訓練コース例】・施設内訓練

民間には実施できないものづくり系を中心に実施。(CAD/CAM科、テクニカ

ルメタルワーク科、電気設備科

等)

・委託訓練民間にできるものにおいては、専修学

校、NPO等多様な民間教育訓練機関へ委託して実施。(

OA事務コース、経理事務コース

等)

【実績(平成19年度)】受講者:

14.2万人就職率:

施設内

79.4%、委託70.9%

【対象】

高等学校卒業者等

【訓練期間】

1年又は2年

【機構の主な訓練コース例】民間には実施できないものづくり系を

中心に実施。(機械加工科、電子技術科、情報技術科、生産機械システム科

等)

【受講料】年間39万円(機構の場合)

【実績(平成19年度)】受講者:

2.2万人就職率:

93.2%

国及び都道府県は、その責務として

職業を転換しようとする労働者その他職業能力の開発及び向上について特に援助を必要

とする者に対する職業訓練の実施

事業主、事業主団体等により行われる職業訓練の状況等にかんがみ必要とされる職業訓

練の実施

に努めなければならない(職業能力開発促進法第4条2項)こととされており、当該規定を受け

て離職者、在職者及び学卒者に対する公共職業訓練を実施している。

離職者訓練 在職者訓練 学卒者訓練

【対象】

在職労働者

【訓練期間】

概ね2日~3日

【機構の主な訓練コース例】民間には実施できないものづくり

系を中心に実施。(TIG溶接コース、フライス盤・NC旋盤実践技術コース、油圧制御技術コース

等)

【受講料】1万5千円(機構の場合の平均受講料)

【実績(平成19年度)】受講者:

11.2万人

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公共職業能力開発施設の種類

公共職業能力開発施設は、職業能力開発校、職業能力開発短期大学校、職業能力

開発大学校、職業能力開発促進センター、障害者職業能力開発校に分けられる。このほか、職業訓練を担当する指導員の養成、再訓練等を行う機関として、職業能力

開発総合大学校を(独)雇用・能力開発機構が設置・運営している。

施設 主な職業訓練の種類 設置主体施設数

(平成21年4月現在)

職業能力開発校 ・中卒・高卒者等、離職者及び在職者に対す

る職業訓練を実施

都道府県 166

市町村 1

職業能力開発短期大学校 ・高卒者等に対する高度な職業訓練を実施

(専門課程)

機構※1 1

都道府県 11

職業能力開発大学校

・高卒者等に対する高度な職業訓練を実施

(専門課程)

・専門課程修了者等に対する高度で専門的

かつ応用的な職業訓練を実施(応用課程)

機構 10

職業能力開発促進センター・離職者及び在職者に対する短期間の職業

訓練を実施

機構 61

障害者職業能力開発校・障害者の能力、適性等に応じた職業訓練を

実施

国※2 13

都道府県 6

※1

「機構」と記載してあるのは、独立行政法人雇用・能力開発機構のことを言う。※2

国が設置した障害者職業能力開発校は、その運営を、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構(2)及び都道府県(11)に委託している。

職業能力開発総合大学校・職業訓練を担当する指導員の養成、職業能

力の開発及び高度な職業訓練を総合的に

実施

機構 1

(参考)

3

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平成21年度当初予算において、離職者訓練定員:約19万人(平成20年度当初比

約4万人増)即戦力を短期で育成する訓練(標準3か月)に加え、安定雇用の実現に向けた長期の訓練( 長2年)等を実施。

平成21年度補正予算において、・

離職者訓練の定員を更に拡充

:2.7万人増・

「緊急人材育成・就職支援基金」を創設し、雇用保険を受給できない者に重点を置いて、職業訓練、

再就職、生活への支援を総合的に実施

:職業訓練の拡充

35万人増

国及び都道府県は自ら設置・運営する公共職業能力開発施設で直接実施するほか、民間の

教育訓練機関等に委託して、職業訓練を実施。・

離職者等は、ハローワークにおける職業相談、キャリア・コンサルティング等を通じて、「再就職の実現に当たって、職業訓練の受講が必要である」と判断された場合に、無料で職業訓練を受講することが可能。

平成19年度実績受講者:14.2万人(

施設内:4.2万人

委託:9.9万人)

就職率:施設内

79.4%、委託70.9%

雇用失業情勢の悪化に伴い、非正規労働者等の失業者が増大。こうした方々の再就職の

実現に向けて、質・量ともに十分な訓練機会を確保することが必要。

※訓練受講に当たっての応募倍率((独)雇用・能力開発機構実施分)平成20年度平均1.75倍 → 平成21年3月

2.18倍 平成21年4月

1.91倍

課題と取組み

離職者訓練の現状と課題

現状

4

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雇用・能力開発機構雇用・能力開発機構 都都

道道

府府

県県

受講者数(うち委託)

就職率(うち委託)

受講者数(うち施設内)

就職率(うち施設内)

(72%)

(28%)

(50%)

(56%)

(50%)(44%)

(67%)

(33%)

(72%)

(28%)

(75%)

(25%)

(43%)

(54%)(67%)

(65%)(63%)

(46%)

(72%)

(28%)

(53%)

(47%)(33%) (35%) (37%) (47%)

(53%)

(75%)

(25%) (26%)

(74%)

(72%)

(28%)

(67%)

(33%)

(56%)

(44%)

(50%)

(50%)

離職者訓練の実施状況

5

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7,473 7,490 7,599 7,718 7,634 7,075

91.294.5

97.9 98.5 98.3 98.4

0

5,000

10,000

15,000

20,000

H14 H15 H16 H17 H18 H19

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

受講者数(人) 就職率(%)

17,81116,716 16,056 15,801 15,300

14,338

83.2 85.490.0 92.4 92.6 91.7

0

5,000

10,000

15,000

20,000

H14 H15 H16 H17 H18 H19

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

受講者数(人) 就職率(%)

雇用・能力開発機構 都 道 府 県

受講者数

就職率

学卒者訓練の実施状況

6

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OFF-JTを実施した事業所

資料:厚生労働省「能力開発基本調査」

(2009年)

正社員に対してOFF-JTを実施した事業所は76.6%となっている。一方、非正社員に対し

てOFF-JTを実施した事業所は35.0%であり、正社員に比べると低い水準にとどまってい

る。また業種間での違いが大きい。企業規模別にみると、規模が大きくなるほど実施率は高くなる傾向にある。

76.6 

82.5 76.4 

93.5 86.0 

75.8 76.7 

88.1 67.5 

88.8 67.8 68.2 

71.1 86.1 

76.3 

60.5 69.4 

83.8 84.2 

89.5 89.0 89.4 

35.0 

24.9 30.6 

24.0 25.8 

32.9 35.7 

58.9 24.0 

32.8 39.2 

38.0 48.3 

71.3 38.6 

23.8 29.3 

34.9 43.0 

39.2 45.9 

51.3 

0  10  20  30  40  50  60  70  80  90  100 

総 数

【産業分類】建設業製造業

電気・ガス・熱供給・水道業情報通信業

運輸業,郵便業卸売業,小売業金融業,保険業

不動産業,物品賃貸業学術研究,専門・技術サービス業

宿泊業,飲食サービス業生活関連サービス業,娯楽業

教育,学習支援業医療,福祉

サービス業(他に分類されないもの)

【企業規模】30~49人50~99人

100 ~ 299人300 ~ 499人500 ~ 999人

1000~4999人5000人以上

(%)

正社員

非正社員

7

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計画的なOJTを実施した事業所

正社員に対して計画的なOJTを実施した事業所は59.4%となっている。一方、非正社員

に対して計画的なOJTを実施した事業所は23.8%であり、正社員に比べると低い水準にと

どまっている。企業規模別にみると、規模が大きくなるほど実施率は高くなる傾向にある。

資料:厚生労働省「能力開発基本調査」

(2009年)

59.4 

60.8 59.7 

86.2 68.4 

55.7 59.6 

92.2 43.0 

72.5 48.6 48.9 

54.8 67.0 

59.2 

39.1 47.9 

67.1 68.6 

73.0 80.2 

76.7 

23.8 

11.3 21.3 20.5 

14.1 18.4 

24.5 42.3 

14.3 17.0 

30.7 30.6 30.5 

46.3 28.5 

12.5 18.2 

25.3 31.8 

23.9 36.3 36.7 

0  10  20  30  40  50  60  70  80  90  100 

総 数

【産業分類】建設業製造業

電気・ガス・熱供給・水道業情報通信業

運輸業,郵便業卸売業,小売業金融業,保険業

不動産業,物品賃貸業学術研究,専門・技術サービス業

宿泊業,飲食サービス業生活関連サービス業,娯楽業

教育,学習支援業医療,福祉

サービス業(他に分類されないもの)

【企業規模】30~49人50~99人

100 ~ 299人300 ~ 499人500 ~ 999人

1000~4999人5000人以上

(%)

正社員

非正社員

8

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労働者に対する自己啓発支援を行っている事業所

正社員の自己啓発に対して「支援を行っている」事業所割合は79.2%となっている。一

方、非正社員の自己啓発に対して「支援を行っている事業所割合は47.5%となっている。

企業規模別にみると、規模が大きくなるほど自己啓発への支援を行っている割合は高

くなる傾向にある。

資料:厚生労働省「能力開発基本調査」

(2009年)

79.2 

93.2 76.7 

97.7 89.3 

70.7 80.7 

94.1 87.2 

90.8 70.6 72.4 74.2 

95.8 78.4 

70.1 75.9 

79.7 79.4 

87.5 89.1 89.2 

47.5 

36.1 40.9 

28.3 42.5 42.2 

52.0 62.4 

50.8 49.6 

53.2 50.2 52.0 

81.9 50.6 

38.7 40.6 

50.5 47.1 

53.4 57.1 

60.9 

0  10  20  30  40  50  60  70  80  90  100 

総数

【産業分類】建設業製造業

電気・ガス・熱供給・水道業情報通信業

運輸業,郵便業卸売業,小売業金融業,保険業

不動産業,物品賃貸業学術研究,専門・技術サービス業

宿泊業,飲食サービス業生活関連サービス業,娯楽業

教育,学習支援業医療,福祉

サービス業(他に分類されないもの)

【企業規模】30~49人50~99人

100 ~ 299人300 ~ 499人500 ~ 999人

1000~4999人5000人以上

(%)

正社員

非正社員

9

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人材育成に関して問題があるとした事業所及びその問題点の内訳(複数回答)

人材育成上何らかの問題があるとした事業所は72.1%となっている。問題の内訳として、

「指導する人材が不足している」、「人材育成を行う時間がない」、「人材を育成しても辞め

てしまう」の割合が高い。

資料:厚生労働省「能力開発基本調査」

(2009年)

72.1

49.6

47.2

38.7

30.3

20.8

9.3

6.9

2.3

6.5

0  10  20  30  40  50  60  70  80  90  100 

問題がある

【問題点の内訳】

指導する人材が不足している

人材育成を行う時間がない

人材を育成しても辞めてしまう

鍛えがいのある人材が集まらない

育成を行うための金銭的余裕がない

適切な教育訓練機関がない

人材育成の方法がわからない

技術革新や業務変更が頻繁なため、

人材育成が無駄になる

その他

(%)

10

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自己啓発に問題があるとした労働者及びその内訳(複数回答)

資料:厚生労働省「能力開発基本調査」

(2009年)

77.1 

59.0 

35.0 

17.9 

16.8 

15.6 

15.2 

14.9 

14.7 

14.3 

11.2 

4.8 

70.1 

36.2

32.5

14.1

14.5

32.9

16.6

16.9

18.4

15.3

7.1

8.8

0  10  20  30  40  50  60  70  80 

問題がある

【問題の内訳】

仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない

費用がかかりすぎる

休暇取得・早退等が会社の都合でできない

自己啓発の結果が社内で評価されない

家事・育児が忙しくて自己啓発の余裕がない

適当な教育訓練機関が見つからない

セミナー等の情報が得にくい

やるべきことがわからない

どのようなコースが自分の目指すキャリアに適切なのかわからない

コース受講や資格取得の効果が定かでない

その他

(%)

正社員

非正社員

自己啓発を行った者の割合は正社員58.1%、非正社員37.3%となっている。

自己啓発における問題は、正社員、非正社員ともに、「仕事が忙しくて自己啓発の余裕

がない」、「費用がかかりすぎる」の割合が高い。非正社員は「家事・育児が忙しくて自己

啓発の余裕がない」の割合も高い。

58.1 

37.3 

0  10  20  30  40  50  60  70  80 

自己啓発を行った労働者の割合

(%)

正社員

非正社員

11

Page 13: 職業能力開発をめぐる状況について ~学校教育との連携に向 …...2009/07/06  · 職業能力開発をめぐる状況について ~学校教育との連携に向けて~

企業内訓練への支援(キャリア形成促進助成金)

1.事業内職業能力開発計画の作成等①職業能力開発推進者の選任②事業内職業能力開発計画の作成

2.受給資格認定申請①年間職業能力開発計画の作成②キャリア形成促進助成金受給資格認定申請書の作成・提出

3.訓練等の実施

4.支給申請

都道府県職業能力開発協会

独立行政法人雇用・能力開発機構都道府県センター

相談・届出

相談・提出

相談・提出

認定・不認定の通知

審査の上助成金支給

事業主

事業主が、その雇用する労働者等について、職業訓練の実施、自発的な職業能力開発

の支援又は職業能力評価を実施した場合について、支給する助成金。

(支給機関:独立行政法人雇用・能力開発機構)

12

Page 14: 職業能力開発をめぐる状況について ~学校教育との連携に向 …...2009/07/06  · 職業能力開発をめぐる状況について ~学校教育との連携に向けて~

キャリア形成促進助成金(訓練等支援給付金)の概要

次の①又は②のいずれかに該当する場合に助成。

事業内職業能力開発計画等を策定し、その雇用する労働者等に職業訓練を受けさせる場合

〔受給できる額〕

訓練経費及び賃金に係るものに限る。

その雇用する労働者に職業訓練を受けさせる中小企業事業主

OFF-JTの経費・賃金の1/2

その雇用する非正規労働者に職業訓練を受けさせる事業主

OFF-JTの経費・賃金の1/3

(中小企業1/2)

新たに雇い入れた労働者等にジョブカード制度に係る訓練を受けさせる事業主

OFF-JTの経費・賃金の2/3

(中小企業4/5)

OFF-JTの実施につき、800円/時間(中小企業のみ)

OJTの実施につき、600円/時間(中小企業800円)

OJTの賃金の2/3

(中小企業4/5)

新たにジョブ・カード制度に基づく雇用型訓練を行った中小企業事業主

20万円

事業内職業能力開発計画等を策定し、その雇用する労働者の申出により、教育訓練等を受ける

ために必要な経費の負担又は職業能力開発休暇の付与を行った場合、また、始業・終業時間の

変更等又は長期職業能力開発休暇の付与を行った場合〔受給できる額〕

自発的職業能力開発経費の1/3

(中小企業1/2)

また、中小企業に限り、制度導入時に15万円、利用者一人当たり5万円を別途支給。

職業能力開発休暇期間中に支払った賃金の1/3

(中小企業1/2)

また、制度導入時に15万円、利用者一人当たり5万円を別途支給。

始業・終業時間の変更、勤務時間の短縮又は時間外労働の制限を行った場合の訓練経費及び賃金(勤務時間短縮のみ)

の1/3

(中小企業1/2)

また、制度導入時に30万円、利用者一人当たり5万円を別途支給。

長期職業能力開発休暇期間中の訓練経費及び賃金の1/3

(中小企業1/2)

また、制度導入時に30万円、(代替要員の確保措置がある場合、60万円)、利用者一人当たり10万円を別途支給。

13

Page 15: 職業能力開発をめぐる状況について ~学校教育との連携に向 …...2009/07/06  · 職業能力開発をめぐる状況について ~学校教育との連携に向けて~

ジョブ・カード制度(平成20年4月創設)の概要

●「雇用型訓練」には企業に対する助成金制度あり

●「委託型訓練」には受講生への貸付制度あり

ハローワークジョブカフェ等

訓練を要せず就職

能力評価

職業選択や職業キャリアの方向を明確化

訓練実施企業で正式採用

他の企業で雇用

ハローワークジョブカフェ等

キャリア・コンサルティング

キャリア・コンサルティング

(訓練のスキーム)教育訓練機関における座学等

+企業での実習

(訓練のタイプ)

雇用型訓練→

企業が訓練生を雇用して実施(知識習得部分について、企業内外の指導員が実施)

企業に対して助成金を支給

委託型訓練→

専修学校等に委託して実施(企業実習部分について、協力企業に再委託して実施)

受講生に対して訓練中の生活費を貸付

就職活動に活用

ジョブ・カード

の作成(2)

職務経歴、学習歴、

取得資格等を記載

キャリア・コンサル

タントによる就業希

望・訓練希望等の確認

ジョブ・カード

の作成(1)

創設の背景:人口減少下における持続的な経済成長のためには、一人一人が能力を開発する機会をもち、能力を発揮できる社会の実現

が重要。他方、就職氷河期に非正規労働にとどまらざるを得なかったフリーターや、子育て終了後の女性、母子家庭の母親

等については、能力を高めて正社員になりたくても、そのための能力形成機会に恵まれないという悪循環が存在。こうした悪

循環を打開し、「職業能力形成機会に恵まれない者」の能力開発・安定雇用を支援するため、ジョブ・カード制度を創設。

施策の概要:職業能力形成機会に恵まれない者(フリーター、子育て終了後の女性、母子家庭の母親等)について、国、産業界等が連携し

て、その職業能力を高めるための機会を提供。具体的には、①きめ細かなキャリア・コンサルティング、②企業実習を組み込

んだ実践的な職業訓練、③能力評価結果や職務経歴等のジョブ・カードへの取りまとめを通じ、安定雇用への移行を促進。

職業能力形成プログラム職業能力形成プログラム

14

Page 16: 職業能力開発をめぐる状況について ~学校教育との連携に向 …...2009/07/06  · 職業能力開発をめぐる状況について ~学校教育との連携に向けて~

2.職業能力開発施策と学校教育 との連携

離職者訓練(委託訓練)における学校等との連携

教育訓練給付制度における学校教育との連携

熟練技能人材登録・活用事業

(独)雇用・能力開発機構と学校教育との連携の事例

ハローワークと学校教育との連携の事例

15

・・・

16

・・・

17

・・・

18

・・・

19

・・・

21

Page 17: 職業能力開発をめぐる状況について ~学校教育との連携に向 …...2009/07/06  · 職業能力開発をめぐる状況について ~学校教育との連携に向けて~

国及び都道府県が行う公共職業能力開発施設内で行うものづくり系を中心とした訓練のほか、多様な人材ニーズに機動的に対応するため、専修学校などの民間教育訓練機関等を活用した委託訓練を実施している。

委託先 専修学校・各種学校、大学・大学院、NPO、事業主、事業主団体

委託主体独立行政法人雇用・能力開発機構(都道府県センター)

都道府県(職業能力開発主管課)

訓練対象者 離職者(ハローワーク求職申込者)

〔受講料:無料〕

訓練コース例:OA事務科、経理事務科、情報処理科

介護サービス科、販売実務科

訓練期間等 標準3カ月(1カ月当たり原則100時間以上)

実施形態

離職者訓練(委託訓練)における学校等との連携

16

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教育訓練給付制度における学校教育との連携

・教育訓練給付制度について

労働者(雇用保険の被保険者又は被保険者であった者(注))が主体的に能力開発に取り

組むことを支援し、雇用の安定等を図るため、労働者が自ら費用を負担して厚生労働大臣

が指定する教育訓練を受講し、修了した場合に、その教育訓練に要した費用の2割(上限

額10万円)に相当する額を支給するもの。(制度創設:平成10年12月1日)

(注)

対象となる被保険者等については、被保険者期間が3年以上(初回に限り1年以上)

であること。

・指定講座について

大学等の実施する講座(公的職業資格又は修士等の取得を訓練目標とするものに限る。)

も、指定対象としている。

【大学等で行われている指定講座】(平成21年4月現在)

(参考:全指定講座数5,182講座)

①大学院

498講座(経営学修士、経済学修士、工学修士、会計修士、法学修士等)

②大学

43講座(企業会計コース、企業経営コース等)

③短期大学

27講座(介護福祉士養成講座、管理栄養士養成課程等)

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熟練技能人材登録・活用事業

工業高校への派遣 1,244(延人日)

高度熟練技能者による各種支援の実績

(平成19年度実績)

技能検定1級に合格した技能士等で優れた指導力・豊富な実務経験を有する「高度熟練技能

者」(現在約5,000名)をはじめとした技能者情報をデータベース化し、指導能力等を有する優れ

た登録技能人材を派遣して、工業高校等の若年技能者の実技指導や育成支援や中小企業等の技能

継承支援を実施している。

事業の流れ

(事例)

・鳥取県の産業高校では高校生ものづくりコンテストに向けた技能指導を実施

高度熟練技能者による工業高校への実技指導

・広島県の工業高校では普通旋盤やフライス盤の技能検定の実技試験課題の技能指導を実施

熟 練 技 能 人 材高度熟練技能者をはじめ全技連マイスター

など団塊世代を積極的に登録・活用

専 門 家 派 遣①

技能指導:

技術・技能のスキルアップ②

技能継承支援:高度な熟練技能を実践③

後継者等育成支援:若年技能者を養成

企業

工業高校等

業界団体

高度熟練技能者の認定~豊富な実務経験(概ね20年

以上)を有した技能者~

熟練技能人材のデータベー

ス化

中央職業能力開発協会

ものづくり人材育成アドバイ

ザーによる専門家派遣の企

画・立案・連絡調整

専門家の派遣費用の助成

都道府県職業能力開発協会

工業高校等への派遣にかかる

費用については全額補助

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職業訓練指導員による工業高校等への支援

東海職業能力開発大学校では、

地域の工業高校等21校に対し、

大学校体験講座(コンピュータ

による機械部品設計実習、FA

システム操作体験学習、電子回

路設計・製作実習、プログラミ

ング実習)を実施。

(事例)

職業能力開発大学校の指導員による各種支援の実績

ものづくり体験教室の実施

開催回数:202回

参加者数:19,691名

地域におけるものづくり振興への支援

(事例)

・CADを利用したロボットハンドの製作

・遠心スイッチで光るオルゴール駒の製作

・レーザー加工を利用したネームプレートの製作

・ライントレースロボットの製作

高校生等にロボットやメカトロニクスに興味

を持ってもらい、ものづくりについて具体的

なイメージを描いてもらうことができた。⇒

能開大の資源を地域社会に開放。

近畿職業能力開発大学校では、大阪府立箕

面東高等学校に指導員を派遣し、「ロボッ

ト技術とものづくり」をテーマとした制御

ソフトの作成を組み入れた講習を実施。

指導員の派遣 63件

教育訓練等の実施 52件

主に小学生から高校生といった年齢層を対象として、若

者の「ものづくり」への興味や理解を深めるために開催。

(平成19年度実績)

(平成19年度実績)

(独)雇用・能力開発機構と学校教育との連携の事例

(事例)

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地域におけるキャリア教育推進への貢献

(事例)

おおだて発人間力創造コンソーシアム

秋田職業能力開発短期大学校では、大館・北秋地域の資源を活用した、地域活性化にも資

するキャリア教育を、小・中・高・大といった学校区分にとらわれず、有機的に、一貫して展開す

る等の観点から、学校、自治体・教育委員会、経済界、地域団体等に呼びかけ、「おおだて発

人間力創造コンソーシアム」を立ち上げ(平成21年6月。参加25団体)。

同校は、従来より地域の小・中・高校のキャリア教育支援を事業の柱の一つに据え、模擬授

業、ものづくり教室・イベント、職業情報提供等の多様な事業展開。

同コンソーシアムでは、同校のこうしたこれまでの取組みや、キャリア教育の先進校といえる

地域の各校が実施してきたキャリア教育プログラム(※)の成果を活かしつつ、プログラムその

ものはもとより、指導者・教材等の資源、その評価等も含め情報共有化すること、協力事業者

等の開拓を共同で行うこと、「キャリアパスポート」といった形態でのキャリア教育の成果の蓄

積を図ること、等の総合的な取組みに着手。(※:事例)

小学校(6年生)

「きりたんぽプロジェクト」

(同地域の名物「きりたんぽ」を共通題材とした製造・調理、販売等の職場体験プログラム)

中学校(2年生)

「大館の体験型観光の提案」

(地域の資源を活用した体験型観光プログラムの企画、プリゼン等の実習)高校生

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)としての理数教育等

同校は、同コンソーシアムの発起人として、職業訓練・教育の専門機関の立場で、キャリア教

育プログラムの開発・運用に対する助言、職業や技能に関する情報収集・提供、学校現場で

の指導、産業教育展等の事業の企画・運営に当たる計画。20

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ハローワークと学校教育との連携の事例

高校生に対する就職ガイダンス

就職を希望する新規高校卒業予定者等を対象に、地域の労働

市場の状況や就職活動の進め方等を説明するほか、就職後に必

要となる労働関係法令の基礎知識、正社員とフリーターとの働き

方・賃金の違い等の情報を正確に提供することによって、円滑な就

職活動を促進し、若年者の早期離職や、安易にフリーター・ニート

化することを防止。

〔ガイダンスの内容例〕

地域の労働市場に関すること・

就職活動の進め方、面接等への対応策・

社会人としての基礎的素養の向上・

労働関係法令の基礎知識・

正社員とフリーターの働き方、生涯賃金等の違い・

万一離職して就職活動を行う場合の支援窓口

など

実施回数:1,039回 実施校数:1,602校 参加者数:45,552

(平成20年度実績)

キャリア探索プログラム

○ ハローワークが、学校、産業界と連携し、企業人等働

く者を講師として学校に派遣し、職業や産業の実態、働

くことの意義、職業生活等に関して生徒に理解させ、自

ら考えさせる「キャリア探索プログラム」を実施。

(平成20年度実績)

キャリア探索プログラムの風景

合同で開催している学校もあるため、実施校数より実施回数が下回っている場合もある。

ジュニア・インターンシップ

主として高校生を対象に、在学中に生徒が就業体験

を通じて、自らの適性と職業の関わりを深く考える契機

とする「ジュニア・インターンシップ」を実施。

〔実施例〕

日 程 内 容

事前講習

(半日)

・ジュニア・インターンシップの概要

・実習に当たっての心構え、留意点(守

秘義務、事故防止、ビジネスマナー

等)

・地域の産業、職業状況等

就業体験

実習

(3日)

・オリエンテーション(会社・業務の概要、

職場のルール、留意事項等)

・業務の基本的指導

・事業所における実習

事後講習

(半日)

・実習報告

・感想・反省点の振り返り

実施校数

885校

事業所数

19,682社

参加生徒数:

50,996人

(平成20年度実績)