【小学校国語】概要・課題・改善の方向 ·...

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Page 1: 【小学校国語】概要・課題・改善の方向 · 前時までに、目や耳が不自由な人が伝え合うため の工夫を調べ、話の組み立てや話し方を意識した発

本市の概要 今回の調査における課題 改善の方向

小学校 国語

【区分及び領域】��主として「知識」に関する問題(A)�□「話すこと・聞くこと」の平均正答率・全国平均とほぼ同程度であるが、やや 上回っている。�□「書くこと」の平均正答率・全国平均とほぼ同程度であるが、やや 上回っている。�□「読むこと」の平均正答率・全国平均とほぼ同程度である。�□「言語事項」の平均正答率・全国平均とほぼ同程度であるが、やや 下回っている。��主として「活用」に関する問題(B)�□「話すこと・聞くこと」の平均正答率・全国平均とほぼ同程度であるが、やや 上回っている。�□「書くこと」の平均正答率・全国平均とほぼ同程度であるが、やや 下回っている。�□「読むこと」の平均正答率・全国平均とほぼ同程度であるが、やや 下回っている。�□「言語事項」の平均正答率・全国平均とほぼ同程度であるが、やや 上回っている。�※いずれの領域においても、記述式の問 題における無解答が全国平均より、や や多くなっている。

●相手や目的に応じ、 考えや意図が分かる ように話したり、話 の中心や内容に気を 付けて聞いたりする こと。�●事象と感想・意見を 区別し、目的や意図 に応じて簡単に書い たり、詳しく書いた りすること。�●文章や資料を関連付 けて読み取ったり、 展開に即して内容を 的確に押さえながら 要旨をとらえること。�●漢字など、言語に関 する知識を深め、適 切に書いたり、活用 したりすること。

○相手や目的に応じて 適切に話したり、目 標を明確にして要点 を簡潔にとらえなが ら聞いたりする指導 の充実。�○書く目的や意図を明 確にし、自分の考え をまとめたり、文章 を的確に要約したり する指導の充実。�○資料と関連付けなが ら文章を読み取った り、叙述や構成に着 目して、内容を押さ えながら要旨をとら えたりする指導の充 実。�○文脈に沿って漢字を 活用したり、言葉に 対する知識を定着さ せたりするための言 語活動の充実。

分  類

学習指導要領の領域

問題形式

※「ほぼ同程度」は、全国の平均正答率と比較して±3ポイントの範 囲内。

区  分 全国との 比較(A)

全国との 比較(B)

話すこと・聞くこと

書くこと

読むこと

言語事項

選択式

短答式

記述式

ほぼ同程度

ほぼ同程度

ほぼ同程度

ほぼ同程度

ほぼ同程度

ほぼ同程度

ほぼ同程度

ほぼ同程度

ほぼ同程度

ほぼ同程度

ほぼ同程度

ほぼ同程度

ほぼ同程度

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【小学校国語】概要・課題・改善の方向

Page 2: 【小学校国語】概要・課題・改善の方向 · 前時までに、目や耳が不自由な人が伝え合うため の工夫を調べ、話の組み立てや話し方を意識した発

指導改善事例 【小学校国語】話すこと・聞くこと

【改善の方向】�相手や目的に応じて適切に話したり、目標を明確にして要点を簡潔にとらえながら聞いたりする指導の充実

【「話すこと・聞くこと」について】「話すこと・聞くこと」に関しては、相手や目的、場を意識すること、正確に聞いたりすることが重要である。《ポイント》・「話すこと」では、話の順序、中心、組み 立てを意識して話すよう指導する。・「聞くこと」では、事柄の要点や中心、相 手の意図を聞き取るよう指導する。・「話し合うこと」では、話題に沿って、相 違点や共通点を考えながら計画的に話し合 うよう指導する。

【改善に向けての学習活動例】・同学年・異学年の相手や校外の人々などへ スピーチし、話し方のよさや改善点につい て検討する。・インタビューなどの内容を聞き取って、要 点を簡潔にメモにとったり、メモの内容を もとにして文章を書いたりする。また、大 事な事柄を友達に伝えるなどする。・身近な話題について、司会を立てて話し合い、 進行の仕方、発言の仕方に関して改善点を 検討する。

授業展開例

【第2学年「ともこさんは どこかな」】◆大事な事柄を落とさないように話したり聞 いたりすることをねらいとした授業���

○教師が迷子の特徴をアナウンサーに伝え、 アナウンス役の子が子どもの特徴を聞き取り、 迷子のアナウンスを流す。

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ポイントは⇒ 「大事な事柄」の具体化教師は⇒ 似たような特徴の子どもたちの中     から迷子を捜す活動を設定し、情     報を詳しく正確に聞き取り、伝え     る必要感を生ませる。      □大事な事柄(名前、年齢、性別、服装等) をメモにとって聞くことのよさに気付かせる。

【第5学年「『失敗』をめぐって」】◆意見を整理しながら、目的に向かって計画 的に話し合うことをねらいとした授業���

○これまでの自分たちの話合いを振り返る。��              ←問題意識���

ポイントは⇒ 「話合いの仕方」の意識化教師は⇒ 話合いの流れ(話題の推移、話が     まとまり、話題の変化のきっかけ     となった発言など)を板書する。     話合いの仕方に着目させ、改善点     を考えさせる。         □何を、どの順序で話し合うかを意識するこ とや意見をまとめる司会の役割などに気付 かせる。

迷子のアナウンスを上手に伝えよう 話合いを上手に進めるには、どうすればよいか

アナウンスする子のグループ

迷子を捜す子のグループ

「結論がでない」「深まらない」

身近なテーマで話し合う。

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内容はいいけど印象に残らないな

【本時の目標】・伝えたいことを明確にもち、聞き手の感想から自分たちの発表の仕方を見直すことで、聞き手を 意識して話し方を工夫したり、話の中心に気を付けて聞いたりすることができる。

◇今回の調査では、相手に応じ、考えや意図が分かるよう話し方を工夫するなどの点に課題が見られた。 本展開例は、伝えたいことを明確にしながら、話し方を工夫し、その意識化を図ることをねらいとし たものである。

授業展開例 「話すこと・聞くこと」

4年 調べたことを発表する活動を通して、聞き手に分かる話し方を考える

単元名 調べて発表しよう 14時間扱い 9月

展 開 例

改善のポイント

相手意識、目的意識をもたせる

 前時までに、目や耳が不自由な人が伝え合うための工夫を調べ、話の組み立てや話し方を意識した発表方法を準備して、1度発表している。

何を何のために調べるか(目的)誰に伝えるのか(相手)を意識させる。

改善のポイント

伝えるためには、どのような表現方法が効果的なのか明確にする

次の学習や活動に生きるように、表現方法を明確にし、繰り返し体験させるなどして、意識化させることが重要である。

改善のポイント

内容、構成、表現方法などの観点を明確にする

児童からは、様々な観点からの感想が予想される。教師がその観点を整理しながら、観点ごとに明確に分類することが必要である。

改善のポイント

聞き手に対して、ねらいに沿った観点をもたせる

本時では、表現方法の意識化をねらいとしていることから、ワークシートを活用するなどし、表現方法に特化して着目させることが重要である。

学習内容・活動等

○前時の発表への他のグループの感想を話し合う。

聞き手を意識した話の仕方を考えよう

聞き手の表情を確かめながら発表する。(原稿を見ない)

話の中心をはっきりさせて発表する。(余計な話は省く)

たくさん説明があって分かりにくかった

説明するときは、聞き手が注目するまで間をおく。

聞き手に理解できたか、確認する。

問題提示

全体交流

やってみよう

ポイントは⇒ 間を開ける、問いかける、話す速さ、       大きさなど表現方法教師は⇒ ねらいとする表現方法を価値付け、繰り     返し表現させる。

〔定着と習熟〕全員が体験するようにする。

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指導改善事例 【小学校国語】 書くこと

【改善の方向】�書く目的や意図を明確にし、自分の考えをまとめたり、文章を的確に要約したりする指導の充実

【「書くこと」について】「書くこと」に関しては、『何のために』『誰に』書くのかという目的意識・相手意識をもたせることが重要である。《ポイント》・事象を客観的に書くとともに、事象と感想 や意見との関係を十分にとらえて書けるよ う指導する。・文章を的確に要約するため、重要語句など をもとに筆者の意図を捉え、文章の要旨を 正確に伝えるよう指導する。

【改善に向けての学習活動例】・目的や意図を明確に設定できる題材を設定し、 ふさわしい構成や叙述、文体や表現を工夫 できるような学習を展開する。・意見文や報告文を書く活動を通して、「感想」 と「意見」の違いを明確にする。また、感 想を広げたり、意見を深めたりする交流の 場を設定する。・物語文ではあらすじや感想を書く活動、説 明文では段落ごとに小見出しをつけたり、 キーワードを探したりする活動から要旨を とらえ、文章を要約する。

授業展開例

【第1学年「よく見てかこう」】◆学校の生き物を家の人に伝えるために、必 要な事柄を見付けることができる。���○5枚の短冊につき金魚の特徴を一つずつ書 かせる。その後、書いたことを発表させ、 事柄ごとに板書で整理していく。

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ポイントは⇒ 観点の明確化教師は⇒  の言葉は、対象を具体的に伝え     る言葉でないことをおさえる。  □伝えるためには、必要な事柄(色、形・大 きさ、様子等)を観察し、カードに書くと よいことに気付かせる。

【第4学年「本と友達になろう」】◆「白いぼうし」の感想を書く活動を通して「お すすめの本」カード作りへの意欲付けを図る。���○ノートにおもしろかったこと、心に残った ことなどを書き、その理由も書かせる(視 点は自由)。感想を交流し、視点を整理する。�

��

ポイントは⇒ 語句への着目と視点の整理教師は⇒ 感想文は、様々な視点から書ける     ことを押さえ、字数の限定をして     感想文を書かせる。       □感想文を書くためには、叙述に着目し、視 点を意識して書くとよいことに気付かせる。

金魚のことを家の人に教えてあげよう 「白いぼうし」の感想文を書こう。

色~赤い色、白い模様、へんな色

形・大きさ~丸い、おもしろい

様子~口をパクパク、おしりにうんち

その他~名前は~、6月にやってきた

現実と夢の世界

松井さんの優しさ

色やにおい描写

物語の構成ストーリーの展開

登場人物の表現や言動

情景描写や表現方法

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【本時の目標】・一枚の写真を基に書いた2つの紹介文を比較する活動を通して、自分の考えを効果的に書く方法 を考えることができる。

◇今回の調査では、自分の考えをまとめたり、文章を的確に要約したりすることに課題が見られた。本 展開例は、文章の構成や叙述の仕方に目を向けさせ、効果的に書く方法に気付くことをねらいとした ものである。

授業展開例 「書くこと」

5年 目的や意図に応じて、自分の考えを効果的(詳述・略述)に書く方法を考える。

単元名 「目的に応じた伝え方を考えよう」 15時間扱い 11月

展 開 例

改善のポイント

写真と2つの紹介文の提示

 前時までに一枚の写真を使って、4年生に宿泊学習のことを紹介する文章を書いている。

1枚の写真と比較する2つの文章を拡大コピーし、黒板に貼る。〈紹介文の例〉A事象のみ→ 炊事全体B事象と感想を区別 →薪割り中心※顕著な比較ができ るものを

改善のポイント

目的に応じた構成を意識させる

作品の善し悪しを結論付けるのではなく、炊事の全体の紹介が目的か、薪割りに焦点化するかで段落の軽重があることを捉えさせる。⇒目的や意図に応じた構成 

改善のポイント

字数を定め、段落を明確にしておく

200字以内で紹介文を書かせ、2つの文章を比較するなどしながら、段落の役割を押さえておく。

改善のポイント

次時での再確認

次時では、伝えたいことの中心を明確にした上で、写真を選択し、書く事柄を整理する。本時で学習したことを生かして、内容・構成を工夫して書く。     

学習内容・活動等

○2つの紹介文を読んで、本時の課題を確認する。

○段落ごとに小見出しを付けて比較する。

○二つの違いを交流する。

【作品Aの構成例】 【作品Bの構成例】

4年生に紹介するには、どちらがよいだろう

Aは自分の感想がない

Bは薪割りのことを中心に

Aはどの段落も同じ量

Bは、詳しい段落がある

問題提示

全体交流

ポイントは⇒ 目的や中心を明確にさせる。教師は⇒ 子どもの意見を内容と構成に分類しながら、     内容と構成の関連を考えさせる。

〔定着と習熟〕学習した構成について確認するととも       に、自分の作品を推敲させる。

1米とぎのこと

2野菜を切ること

3かまどづくりの

 こと

4薪割りのこと

5薪に火を付ける

 こと

1写真の説明

2炊事すること

3薪割りでの自分

 の様子や自分の

 気持ち(中心)

4四年生への注意

内 容

構 成

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Page 6: 【小学校国語】概要・課題・改善の方向 · 前時までに、目や耳が不自由な人が伝え合うため の工夫を調べ、話の組み立てや話し方を意識した発

指導改善事例 【小学校国語】 読むこと

【改善の方向】�資料と関連付けながら文章を読み取ったり、叙述や構成に着目して、内容を押さえながら要旨をとらえたりする指導の充実

【「読むこと」について】「読むこと」については、指導事項と教材の特質、発達段階を踏まえ、読む力を身に付けさせることが重要である。《ポイント》・「叙述内容に即して読むこと」に関しては、 時間や事柄の順序、段落相互の関係、目的 や意図に応じて要旨を読み取ることができ るよう指導する。・「目的的に読むこと」に関しては、目的に 応じた読み方、必要な情報を得るための効 果的な読み方が着実に身に付くよう指導する。

【改善に向けての学習活動例】・叙述に着目する力を身に付けるため、挿絵 等を文章に即して正しい順序に並べたり、 文章と照応したりする。・要点や要旨を読み取る力を身に付けるため、 資料から必要な情報を選び、内容を短い文 章などにまとめる。・重要語句や中心文をとらえるため、場面や 段落に小見出しを付ける。・文章の構成や段落の関係などに着目する力 を身に付けるため、文章や場面、段落を比 べて読み、違い等を見付ける。

授業展開例

【第3学年 学習したことを生かして                「モチモチの木」】◆言葉や文を比較することで、叙述に着目させ、 読みを深めることをねらいとした授業���○ここでは、豆太がじさまを呼ぶ2つの言葉 の読み方を比べさせることで、心情に迫る。・どう読んだらいいかな?

・豆太はどんな気持ちで言ったのかな?��

ポイントは⇒ 着目した言葉や文を関連させ       て考えさせる。      教師は⇒ 前後の叙述とつなげて読み取るこ     とを意識させる。       �□一つの言葉だけを取り上げて心情を問うの ではなく、比較、関連させることで心情の 変化に気付かせる。

【第5学年 人の考え方や生き方をとらえよう          「わらぐつの中の神様」】◆全体の構成や表現に表れている効果、作者 の意図を考えさせることをねらいとした授 業���○ここでは、場面構成(時間の経緯「現在― 過去―現在」)に気付かせた上で、最初と 最後の場面を比べ、その変化を見付け、読 み進める。�

・マサエの心を動かしたものは何かな?

�ポイントは⇒ 場面を比べて読む力を育てる。教師は⇒ 最初と最後の場面の違いを明らか     にし、違いの理由を考えさせる。       □高学年では「場面を比べて読む・全体をと らえて読む」力を育てるよう単元構成を考 える。

「じさまあっ」と「じさまっ」を比べようマサエの心情はどう変わるかな

怖がっている

「過去」の話を読んでいこう

じさまを心配している

神様はいない 神様がいるかも

〈最初の場面〉 〈最後の場面〉「じさまあっ」 「じさまっ」

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【本時の目標】・文章と照らし合わせながら、いくつかの魚の絵からホンソメワケベラではない魚を見付け、どこ が違うのか理由を話したり、本物を見付けたりする活動を通して、ホンソメワケベラの特徴を正 しく読み取ることができる。

◇今回の調査では、資料と関連付けながら文章を読み取ることなどの点に課題が見られた。本展開例は、 絵や写真と照応しながら一つ一つの言葉の意味を正確に理解し、大事なところに気を付けて読むこと をねらいとしたものである。

授業展開例 「読むこと」

2年 叙述と写真(絵)を結び付けながら正しく読み取る力を身に付ける

単元名 「サンゴの海の生き物たち」 12時間扱い 9月

展 開 例

改善のポイント

三つの観点から特徴をとらえる  

 前時までに、クマノミとイソギンチャクが互いの特徴を生かしながら守りあっていることを読み取っている。

交流に生かすため、三つの観点から特徴をとらえられているか、確認する。

改善のポイント

特徴を三つの観点からとらえているか評価する   

ワークシートに特徴を箇条書きにして書かせるなどして、三つの特徴をとらえているか評価する。

改善のポイント

写真と文章を比較、照応する必要感をもたせる  

本物の魚と似た絵をいくつか提示し、子どもが叙述に根拠を求めて、説明するように、場を設定する。

改善のポイント

一つ一つの言葉の意味を吟味する 

「明るい」「かけて」「ほど」という言葉に着目させながら、理由を明確にし、正しく読み取ることができるようにする。

学習内容・活動等

○前時のめあてを確認する。

○七段落で特徴が分かるところにサイドラインを引く。

○いくつかの絵から「にせもの」を探す。

色・暗いから違う・「明るい」だから�光っているんだよ

もよう・すじは二本ないよ・「かけて」だから�途中で切れてない

ホンソメワケベラってどんな魚かな

長さ・物差しで測ろう・「ほど」だからだい たいでいいよ

↓明るい 青色の体

↓頭からしっぽにかけて

→体の長さは十二センチ メートルほど

問題提示

全体交流

ポイントは⇒ 三つの観点から整理する教師は⇒ 板書で子どもの意見を価値付け、分類す     る。

〔定着と習熟〕写真等と文章を比較することの有用       性と特徴のとらえ方を他の文章でも       確認する。

ホンソメワケベラのにせもの探しをしよう

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指導改善事例 【小学校国語】 言語事項

【改善の方向】�文脈に沿って漢字を活用したり、言葉に対する知識を定着させたりするための言語活動の充実

【「言語事項」について】「言語事項」に関しては、漢字や文法を適切に、繰り返して指導し定着を図ることが重要である。・漢字の読み書きに関しては、日々の学習の 中で、繰り返し漢字を使っていくようにす るとともに、より定着を図る指導を充実し ていく。・語彙の拡充に関して、辞書等を積極的に活 用する習慣を身に付けさせる。・文および文章の構成に関する事項では、主 語と述語及び、修飾と被修飾との関係など の文法を明確に理解させる。

【改善に向けての学習活動例】・漢字の意味理解や活用方法を確実に身に付 けさせるため、漢字クイズやゲームなど、 子どもが楽しみながら繰り返し学習できる 活動を行う。・慣用句やことわざ、熟語など、語句の意味 理解を深めるため、短作文を書くなどする。・作文などの文章を自分で読み返し、漢字や 慣用句など学習した言語事項を積極的に活 用したり、語句の係り方や照応の仕方を確 かめる。

授業展開例

【第2学年「なかまのことばとかん字」】◆仲間に入る漢字や言葉を考え、短い文を作 ることで、楽しみながら漢字の読み書きの 習熟を図ることをねらいとした授業���○下巻p90~95に掲載されている「これまで にならったかん字」を資料として活用する。・「これまでにならったかん字」の中から、 グループで相談しながら見付ける。(難し い場合は教師から仲間を指示してもよい。)

��ポイントは⇒ 書くことの確実な定着   教師は⇒ 繰り返し書く活動の設定       �□漢字の意味理解を図りながら、確実に読み 書きができるよう指導する。

【第4学年「漢字の広場④」】◆漢字の読み書きを定着させるため、配列さ れている「漢字の広場」を活用し、正しく 漢字を用いる力も養うことをねらいとした 授業���

○お話に合った形で、できるだけ多くの漢字 を使って書くことができるかどうかを競う ゲームであることを確認する。      �

ポイントは⇒ 漢字の習熟を図る     教師は⇒ 正しく用いることのできた漢字の     数をポイントとして、各グループ     の採点をする。                □漢字の意味理解を図り、日常の学習や生活 等で活用できるようにする。       

同じ仲間になりそうな漢字を見付けよう。漢字を使ってお話作りをしよう

色の仲間 →「青」「赤」「黄」「黒」など

体の仲間 →「足」「頭」「手」「首」など

数の仲間 →「一」「二」「三」「四」など

動物の仲間→「犬」「牛」「魚」「虫」など

①教科書に示している漢字は全て使うこと。②他の既習漢字も、できるだけ多く使う。③お話に合っていない無理な使い方はマイ ナスポイント(教師が判断する)④辞書はいくら使ってもよい。⑤制限時間を設ける。(15分程度)

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〈例〉先生を同窓会に誘う電話で、「枯れ木も   山のにぎわいですから…」と話したとこ   ろ、先生は不機嫌な顔をした。

【本時の目標】・ことわざや四字熟語の誤用例を通して、意図通りに伝わらないことがあることに気付き、場面の 状況や相手に応じて適切に言葉を用いようとする意識を高める。

◇今回の調査では、言語事項において漢字を書くことや言語を適切に使うことなどの点に課題が見られ た。本展開例は、極端に誤ったことわざや四字熟語の使用例を提示することで、「意味」から「使い 方」への問題意識をもたせることをねらいとした授業である。

授業展開例 「言語事項」

6年 言葉を調べる技能を身に付け、語彙を増やす

単元名 「暮らしの中の言葉」 2時間扱い 5月

展 開 例

改善のポイント

誤用の多いことわざ等を使う   

 事前に、ことわざや四字熟語に関する認知度を調べておき、認知度のやや低いものを本時で取り上げる。

「情けは人のためならず」「気のおけない友人」など誤用の多いことわざや慣用句、四字熟語等を例に扱う。

改善のポイント

ことわざ等の意味、活用方法が定着しているか確かめる      

ワークシートを活用したり、簡単な動作化を行うなどして、意味や用法が確実に定着するようにする。

改善のポイント

使用する相手や状況を想起させる 

先生という相手、同窓会に誘う状況という、相手意識、状況意識を想起させながら、どこがおかしいのか問う。

改善のポイント

辞書を活用させ、使い方を身に付けさせる     

子どもは意味を調べて満足することが多いことから、辞書の「使い方の例」などを活用し、実際場面で使えることを重視する。

学習内容・活動等

○ことわざや四字熟語の誤用例を示す。

○おかしいと思うところを確かめる。�・「いないよりまし」という意味になる。�・目上の人を「枯れ木」にしては失礼

○正しいことわざの使い方の会話例を作る。

計算が得意なA君とB君の会話例

A)こんな問題で失敗  しちゃった。B)A君でも間違うこ  とがあるんだね。  「弘法も筆の誤り」  とはこのことだね。

C君と、彼の母の病気を心配するD君の会話例

C)お母さんの風邪の  具合はどう。D)熱が下がったり上  がったりで、「一  進一退」なんだ。

ことわざの使い方を考えてみよう。

問題提示

交  流

ポイントは⇒ ことわざ・四字熟語の意味の定着教師は⇒ 意味の認識と日常生活等での活用を図り、     普段でも使用できるようにする。

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