音の問題では、計算問題がある。 計算問題には大きく分類すると...
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第 2 章
音
音の問題では、計算問題がある。
計算問題には大きく分類すると、2パターンに分かれる。
この章では、音の重要事項をはじめ、音の計算問題を中心
に話を進めていく。
計算問題がすらすら解けるように、一生懸命がんばろう。
■ 音の発生と伝わり方
音は、空気が振動して、波となってまわりにどんどん広まって伝わっていく。
音の伝わる速さは、空気中で約340m/秒である。
■ 音の計算問題
音の計算問題は大きく2つに分けて考えることにする。
1.一方通行問題
2.往復問題
だ。
音の計算問題を解くためのポイントをまとめておくので、しっかり覚えておいてほしい。
【音の計算問題に関する攻略】
音の計算問題では、
① 問題図を簡単に図で表す。
② 使う公式は「はじきの法則」
では、実際に問題を解いていきましょう。
第2章 音
学習項目 1 音の性質
学習項目 2 音の計算問題を攻略する
ポポ イイ ンン トト
1.一方通行問題
問題文を図式化してみよう。
?m
こんな感じになるよ。音の速さは 340m/秒であることも忘れずに押さえておく。
では、問題を解いていきましょう。
【解答ノート】
花火の破裂音が 2 秒後に聞こえたので
340 [m/秒] × 2 [秒] = 680 [m]
【答】 680 m
【解答ノート終了】
この問題は音が一方向しか進んでいないよね(往復していないよね)。だから、普通に速さの計算をすればいい
んだよ。これはまだ楽なほうの計算だよね。
2.往復問題
花火が破裂してから2秒後にその破裂音が聞こえた場所がありました。この場所は花火が破裂した位置から
何m離れていますか。音の速さを 340m/秒として考えなさい。
2 秒
校舎から 50m 離れた静かな校庭で太鼓をたたいたら、太鼓の音は校舎の壁に反射して、0.3 秒後にたたい
た位置で聞こえた。音の速さは何 m/秒か。小数第一位を四捨五入して、整数値で答えなさい。
2秒
340m/秒 →
□m
問題文を図式化してみると、
こんな感じ!イメージできた?イメージすることが理解を早める第一歩だからね。
さて、ここで気付いてもらいたいことがあるんだけど、わかるかな?
50m
50m
50m
0秒
0.3 秒
う~ん。あっ。音は往復してるしてるんだ。
ということは、音が進んだ距離は
50mじゃぁなく、2倍の100m なんだね!
そうなんだ。ここが、この問題を解くカギなんだよ。音が往復していることに気付けば、
音は『100m進むのに、0.3 秒かかっている』ことがわかるよね。
じゃぁ、実際に計算して、答えを出していこうか。
【解答ノート】
音は、壁に反射して返ってくるので
進んだ距離は
50[m]×2=100[m]
太鼓をたたいて聞こえるまでに 0.3 秒かかってるので、音の速さは
100[m]÷0.3[秒]=333.33…[m/秒] → 333[m/秒]
[答] 333m/秒
【解答ノート終了】
音の計算は、このように往復がかかわってくる場合が多少厄介なんだけど、あせらず情報を整理(図式化)すれ
ば、解けるはずだ。あとは問題演習を徹底していこう。
50m×2
0.3 秒
次のページでは、音の計算問題をびっしり練習し
てもらうよ。
問題文をしっかり読んで、情報を整理して計算し
ていこう。
では、健闘を祈るよ。
問 題 演 習
演習2-1
演習2-2
演習2-3
音が空気中を伝わる速さを調べるため、雷のいなずまをみてから雷鳴が聞こえるまでの時間を
はかった。1400m離れた鉄塔に落ちた雷のいなずまが見えてから、4.0 秒後に雷鳴が聞こえた。このとき、
音が空気中を伝わる速さは何m/秒か。
次の問題に答えなさい。ただし、(1),(2)の音の伝わる速さは、340m/秒とする。
(1)雷が光ってから 4.0 秒後に雷鳴が聞こえた。雷が発生したところまでの距離は何mか。
(2)ビルに向かって「ヤッホー」と叫んだら、5.0 秒後にやまびこが返ってきた。ビルまでの距離は何mか。
(3)海水中での音の速さを調べるため、海面から3000mの海底に向かって音を出したところ、海底から
はね返ってきた音が 4.0 秒後に聞こえた。音が海水中を伝わる速さは何m/秒か。
右の図のように、グランドで先生がピストルを鳴らして 0.3 秒後に、A君は初めてピストルの音を聞き取
った。さらに、0.1 秒後にもう一度ピストルの音が体育館のほうから聞こえた。これについて、次の問いに
答えなさい。ただし、音は空気中を1秒間に340m進むものとする。
(1)先生とA君は何m離れていたか。
(2)A君は、体育館から何m離れていたか。
解答2-1
図でイメージしてみよう。
[解法ノート]
1400÷4.0=350
(答)350m/秒
解答2-2
(1) 図でイメージしてみよう。
音が空気中を伝わる速さを調べるため、雷のいなずまをみてから雷鳴が聞こえるまでの時間をはかっ
た。1400m離れた鉄塔に落ちた雷のいなずまが見えてから、4.0 秒後に雷鳴が聞こえた。このとき、音が
空気中を伝わる速さは何m/秒か。
次の問題に答えなさい。ただし、(1),(2)の音の伝わる速さは、340m/秒とする。
(1)雷が光ってから 4.0 秒後に雷鳴が聞こえた。雷が発生したところまでの距離は何mか。
(2)ビルに向かって「ヤッホー」と叫んだら、5.0 秒後にやまびこが返ってきた。ビルまでの距離は何mか。
(3)海水中での音の速さを調べるため、海面から3000mの海底に向かって音を出したところ、海底から
はね返ってきた音が 4.0 秒後に聞こえた。音が海水中を伝わる速さは何m/秒か。
1400m
4.0秒
? m
4.0秒
[解法ノート]
音の速さは毎秒340mなので、
340×4.0=1360
(答)1360m
(2)
【解答ノート】
音は、壁に反射して返ってくるので
進んだ距離はビルと人の間の距離の2倍になる。
さて、音がはねかえって聞こえるのに、5.0 秒かかっているので、
5.0×340=1700
これは、壁と人の間の距離の2倍の値なので、
1700÷2=850
(答) 850 m
(3)問題図をイメージすると
[解法ノート]
音の速さを求める問題。海底に向かって超音波を当ててはねかえってきたときの時間が 4.0 秒,進んだ距
離は往復なので、
4000×2=8000
よって、求める速さは
8000÷4.0=2000
? m
5.0 秒
3000 m
4.0 秒後
よって、海中での音の速さは、毎秒2000mである。
(答)毎秒2000m
演習2-3
ちょっと、難しいレベルの問題だと思うけど、大丈夫。できる。
まずは色ペン2色用意してもらおうか。一緒に図をかいていこうね。
まずは、問題図を簡単にかいてみよう。
先生がピストルを鳴らしたとき、最初の音は A 君に届くよね。それが、ピストルを鳴らしてから 0.3 秒後。
この部分を青色の線で引いてみよう。
右の図のように、グランドで先生がピストルを鳴らして 0.3 秒後に、A君は初めてピストルの音を聞き取
った。さらに、0.1 秒後にもう一度ピストルの音が体育館のほうから聞こえた。これについて、次の問いに
答えなさい。ただし、音は空気中を1秒間に340m進むものとする。
(1)先生とA君は何m離れていたか。
(2)A君は、体育館から何m離れていたか。
0.3 秒後
そして、最初の音を聞いてから0.1秒後に壁のほうから音が聞こえてきた。この部分を赤色のペンでかいてみる
よ。同じようにかいてみてね。
ここで、気付いてほしいのは壁に当たってはねかえった音は、ピストルを鳴らしてから
0.3+0.1=0.4
で 0.4 秒後だということ。で、図からはこの 0.4 秒は青色と赤色(の往復)部分を表してるんだよ。
ここまでいいかい?
で、音の速さは秒速 340mなので、
ピストルを鳴らしてから 0.4 秒後の距離は
340×0.4=136
136 m (青色+赤色(往復)部分)
でピストルを鳴らしてから 0.3 秒後の距離は
340×0.3=102
102 m (青色の部分)
ここで、赤色の部分の距離(往復)は
136-102=34
34 m となる。
で、これは往復なので
34÷2=17
17 m
[解答ノート]
(1) 0.3×340=102
(答)102 m
(2) 0.1×340÷2=17
(答) 17 m
0.3 秒後
さらに
0.1 秒後
往復だよ
■ 見えない音を波形で表現する
音は目に見えないものだが、音を目に見える形にできるのがオシロスコープという機械なんだ。
このオシロスコープを使えば、音を波形として見ることが出来る。
入試やテストではこの波形の形を、音の高さ・大きさとからめながらしっかり覚
えていってほしい。
■ 音の大きさ
音の大きさには大きい音と小さい音があるよね。これをオシロスコープを使って波形で表現してみるね。
大きい音は
これを基本形にするね
小さい音は
学習項目 3 音の高さと大きさ
違いがわかるかな?
そう、山の大きさが違うよね。この山の大きさを振幅というんだ。
振幅が大きいと大きい音,振幅が小さいと小さい音になる。
■ 音の高さ
音の高さには高い音と低い音がある。イメージとしては、高い音は女の人の声、低い音というのは男の人の声
かな。これをオシロスコープを使って波形で表現してみるね。
高い音は
これを基本形にするね
低い音は
振 幅