中国における野菜(にんにく、にんじん)の 生産および輸出 …中国...

9
52 野菜情報 2020.3 1.にんにく (1)日本における中国産にんにくの位置 付け 2018年の日本のにんにくの作付面積 は、2470ヘクタール(前年比1.6%増)、 収穫量は2万200トン(同2. 4%減)と なっている。一方、同年の生鮮にんにくの 輸入量は2万1869トン(同4. 6%増) となっている(図1)。 同年の生鮮にんにくの輸入量のうち、9 割以上が中国産で、次いでスペイン産と なっている。中国産の月別の輸入量は、 1200トンから2300トンの幅で変動し、 特に8月を中心に夏場に多い傾向にある。 輸入単価は、1キログラム当たり 170~230円の間で変動しており、夏場は 下がるが、200円を境に1~6月は上回 り、7~12月は下回る傾向がある(図2)。 中国における野菜(にんにく、にんじん)の 生産および輸出動向 中国は、日本における輸入生鮮野菜の65%(2018年数量ベース)を占めるなど、主要 な輸入元の一つとなっている。 今月号では、輸入量の大部分を中国産が占めているにんにく、にんじんについて、現地 の野菜生産・輸出企業に対する聞き取りなどを基に、主産地の生産および輸出動向を報告 する。 調査情報部 国内収穫量 2200トン (48.0) 中国 2126トン (47.8%) その他 1743トン (4.1%) 輸入量 (2万1869トン) 図1 日本のにんにく供給量(2018年) 資料:農畜産業振興機構「ベジ探」(原資料:財務省「貿易統計」、農林水産省「野菜生産出荷統計」) 注:カッコは全体に占める割合である。 海外情報

Upload: others

Post on 01-Aug-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 中国における野菜(にんにく、にんじん)の 生産および輸出 …中国 2万126トン (47.8%) その他 1743トン (4.1%) 図1>Ì日本のにんにく供給量(2018年)

52野菜情報 2020.3

1.にんにく

(1)日本における中国産にんにくの位置付け

2018年の日本のにんにくの作付面積は、2470ヘクタール(前年比1. 6%増)、収穫量は2万200トン(同2. 4%減)となっている。一方、同年の生鮮にんにくの輸入量は2万1869トン(同4. 6%増)となっている(図1)。

同年の生鮮にんにくの輸入量のうち、9割以上が中国産で、次いでスペイン産となっている。中国産の月別の輸入量は、1200トンから2300トンの幅で変動し、特に8月を中心に夏場に多い傾向にある。輸 入 単 価 は、 1 キ ロ グ ラ ム 当 た り170~230円の間で変動しており、夏場は下がるが、200円を境に1~6月は上回り、7~12月は下回る傾向がある(図2)。

中国における野菜(にんにく、にんじん)の生産および輸出動向

中国は、日本における輸入生鮮野菜の65%(2018年数量ベース)を占めるなど、主要な輸入元の一つとなっている。

今月号では、輸入量の大部分を中国産が占めているにんにく、にんじんについて、現地の野菜生産・輸出企業に対する聞き取りなどを基に、主産地の生産および輸出動向を報告する。

調査情報部

国内収穫量 2万200トン (48.0%)

中国 2万126トン

(47.8%)

その他 1743トン (4.1%)

図1 日本のにんにく供給量(2018年)

輸入量 (2万1869トン)

資料:農畜産業振興機構「ベジ探」(原資料:財務省「貿易統計」、農林水産省「野菜生産出荷統計」) 注:カッコは全体に占める割合である。

図1 日本のにんにく供給量(2018年)

資料:農畜産業振興機構「ベジ探」(原資料:財務省「貿易統計」、農林水産省「野菜生産出荷統計」) 注:カッコは全体に占める割合である。

海外情報

Page 2: 中国における野菜(にんにく、にんじん)の 生産および輸出 …中国 2万126トン (47.8%) その他 1743トン (4.1%) 図1>Ì日本のにんにく供給量(2018年)

53野菜情報 2020.3

山東省を拡大

西藏(チベット)

新疆

青海

四川

雲南広西

海南

広東

福建

江西湖南�州

重慶

湖北 安徽江蘇

浙江

河南

山東山西

河北

北京天津

内モンゴル

黑龍江

吉林

遼寧

寧夏

甘粛 陝西

上海

濰坊市青島市

臨沂市

済寧市

徳州市

済南市 淄博市

聊城市

泰山市

菏澤市棗荘市

日照市

煙台市 威海市

東営市濱州市

図3 中国のにんにく主産地

資料:農畜産業振興機構作成

(2)生産動向ア 中国におけるにんにくの産地

中国における対日輸出用にんにくの主な産地は、山

さん

東とう

省、河か

南なん

省、江こう

蘇そ

省、四し

川せん

省および雲

うん

南なん

省となっている。山東省における主な産地は、済

さ い

寧ね い

市、臨り ん

沂ぎ

市である(注)

(図3)。

今回は、主産地である山東省の生産動向を、現在対日輸出も行っている輸出企業数社からの聞き取り情報を中心に紹介する。

注:中国では、大きい行政区分から順に、「省級(省、直轄市など)」、「地級(地級市、自治州など)」、「県級(県、県級市、市轄区など)」などとなっており、とりあげている市はすべて地級市である。

0

50

100

150

200

250

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

(月)

図2 中国産生鮮にんにくの月別輸入量および輸入単価(2018年)

輸入量 輸入単価(右軸)(トン) (円/㎏)

資料:農畜産業振興機構「ベジ探」(原資料:財務省「貿易統計」) 注 :HSコード:0703.20-000

図2 中国産生鮮にんにくの月別輸入量および輸入単価(2018年)

資料:農畜産業振興機構「ベジ探」(原資料:財務省「貿易統計」) 注:HSコード:0703.20-000

Page 3: 中国における野菜(にんにく、にんじん)の 生産および輸出 …中国 2万126トン (47.8%) その他 1743トン (4.1%) 図1>Ì日本のにんにく供給量(2018年)

54野菜情報 2020.3

イ� 山東省における生産動向(植え付け、収穫時期)とコスト山東省で日本向けにんにくを取り扱って

いる2社への聞き取りの概要は以下のとおりである(表1、図4)。(ア)A社(済

せい

南なん

市)2002年に設立された従業員300名の企

業である。全輸出量における日本向けの割合は数量ベースで1%である。日本へは、自社農場で生産したものを収穫、もしくは農家から買い付けたものを自社の加工工場で顧客の要望に合わせて加工し輸出している(図5、写真1、写真2)。日本以外に東南アジアやヨーロッパにも輸出している。自社農場の2019年収穫分の作柄は良

く、生産量は増加する見込みである。栽培管理は、中国良好農業規範認証(以下、「CGAP」という)の基準に沿って行われている。生産コストについては、人件費の上昇により前年比5%増となっている。

(イ)B社(済寧市)2014年に創業した従業員80名の企業

である。全輸出量に占める日本向けの割合は数量ベースで15%となっている。自社ではにんにくの生産はしておらず、近隣の農家から買い付けを行い、自社工場で加工後に輸出している(写真3、4)。なお、産地での収穫から日本への出荷の流れは、

(ア)と同様である。

表1 聞き取りを行った日本向けにんにく輸出企業の概要(山東省)全輸出量に占める日本向けの割合

作付面積2019 年

作付動向対前年比 出荷時期 輸出見込

(対日輸出見込) 生産コスト

A社 約 1% 266ha 変化なし 通年出荷 例年並み(増) 増

B社 15% ー ー ー 例年並み(減) ー

資料:聞き取りにより農畜産業振興機構作成。

上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下

山東省

:植え付け :収穫

(翌年)月

産地名

資料:聞き取りにより農畜産業振興機構作成。 注:�本図は、聞き取りを行った企業の調査時点の植え付け、収穫を行う主な時期を表しており、それぞれの作業は前後の時期にも実際には行わ

れているとみられる。

図4 聞き取りを行った日本向けにんにく輸出企業の作型(山東省)

収穫 → 加工 → 仕分け → 箱詰め → 船積み※剥皮や頭部、底部

のカットなど※直径5~6cmで仕分け

※個包装は、500g、1kgのネット詰め

※段ボール1箱は10kg入り

注:本図は、聞き取りを行った企業の輸出までの流れを表している。注:本図は、聞き取りを行った企業の輸出までの流れを表している。

図5 収穫から輸出までの流れ(通常7日間程度)

Page 4: 中国における野菜(にんにく、にんじん)の 生産および輸出 …中国 2万126トン (47.8%) その他 1743トン (4.1%) 図1>Ì日本のにんにく供給量(2018年)

55野菜情報 2020.3

(3)輸出動向中国のにんにく輸出は、生鮮のほか、乾

燥や酢調製品などさまざまな形態で行われているが、その大半を生鮮品が占めている。生鮮にんにく輸出量は2016年に収穫量の減少に伴う価格の高騰から一時的に減少した が、 そ の 後 回 復 し て い る( 図 6)。2018年は前年比10.1%増の188万3922トンとなった。

主な輸出先国は、インドネシア、ベトナム、マレーシアなど東南アジア諸国が中心

で、全体の輸出量の6割近くを占めている。日本向けは、全体の輸出量の1%程度とわずかであり、日本にとって中国は最大の輸入先国であるものの、中国側から見ると、日本はそれほど大きな市場とはなっていない。

ア 聞き取り各社の動向A社は今シーズン東南アジアやヨーロッ

パからの注文の増加により輸出量は増加するものの、対日輸出量は前年並みとみてい

写真1 にんにくの圃ほ

場じょう

写真2 箱詰めされたにんにく

写真3 加工工場 写真4 トラック積み込み作業

Page 5: 中国における野菜(にんにく、にんじん)の 生産および輸出 …中国 2万126トン (47.8%) その他 1743トン (4.1%) 図1>Ì日本のにんにく供給量(2018年)

56野菜情報 2020.3

る。輸出先との契約は、販売価格が相場により毎年異なるので、長期契約ではなく、スポットで注文があるたびに契約を締結している。

B社はブラジルからの注文により近年輸出量は増加傾向で推移しているが、今シーズンは前年並みと見込んでいる。しかし、対日輸出量は日本からの注文減少により、前年から5%減少とみている。輸出先との

契約は、A社と同様に長期契約ではなく、スポットで注文があるたびに契約を締結している。

なお、両社ともに対日輸出価格については、中国国内の作付面積が減少し、国内価格が上昇したため、輸出向けに買い付けられる量が少なくなることから、5~10%の上昇を見込んでいる。

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

200

(年)インドネシア ベトナム マレーシア フィリピン ブラジル その他

(万トン)

インドネシア

ベトナム

マレーシア

フィリピン

ブラジル

その他

図6 中国の生鮮にんにくの国別輸出量

資料:「Global�Trade�Atlas」 注:HSコード:070320

イ 今後の見込み中国国内のにんにくの生育は平年並みと

なっている。3月までは2019年産の冷蔵もの、4月以降は2020年産が出荷される

が、新型コロナウィルスの影響で山東省では経済活動の自粛が続いており、今後の価格動向や輸出状況については見通せず、国内の需給への影響も注視する必要がある。

Page 6: 中国における野菜(にんにく、にんじん)の 生産および輸出 …中国 2万126トン (47.8%) その他 1743トン (4.1%) 図1>Ì日本のにんにく供給量(2018年)

57野菜情報 2020.3

2.にんじん

(1)日本における中国産にんじんの位置付け

2018年の日本のにんじんの作付面積は、 1 万7200ヘ ク タ ー ル( 前 年 比3. 9%減)、収穫量は57万4700トン(同3. 7%減)となっている。一方、同年の生鮮にんじんの輸入量は11万579トン

(同25.7%増)となっている(図7)。同年の輸入量のうち9割弱を中国産が占

めており、中国産の輸入量と輸入単価を月別にみると、毎月、5千トン以上が輸入されており、なかでも9月以降に数量は多くなった。輸入単価は、年明けは高くなっていたものの、年末にかけて下落し、12月には1キログラム当たり40円を下回った

(図8)。

国内収穫量 57万4700トン

(83.9%)

中国 9万5977トン

(14.0%)

その他 1万4602トン

(2.1%)

図7 日本のにんじん供給量(2018年) 輸入量(11万579トン)

資料:農畜産業振興機構「ベジ探」(原資料:財務省「貿易統計」、農林水産省「野菜生産出荷統計」) 注:カッコは全体に占める割合である。

0

10

20

30

40

50

60

70

80

0

2

4

6

8

10

12

(月)

図8 中国産生鮮にんじんの月別輸入量および輸入単価(2018年)

輸入量 輸入単価(右軸)(千トン) (円/㎏)

資料:農畜産業振興機構「ベジ探」(原資料:財務省「貿易統計」) 注 :HSコード:0706.10010

図7 日本のにんじん供給量(2018年)

図8 中国産にんじんの月別輸入量および輸入単価(2018年)

資料:農畜産業振興機構「ベジ探」(原資料:財務省「貿易統計」、農林水産省「野菜生産出荷統計」) 注:カッコは全体に占める割合である。

資料:農畜産業振興機構「ベジ探」(原資料:財務省「貿易統計」) 注�:HSコード:0706.10010

Page 7: 中国における野菜(にんにく、にんじん)の 生産および輸出 …中国 2万126トン (47.8%) その他 1743トン (4.1%) 図1>Ì日本のにんにく供給量(2018年)

58野菜情報 2020.3

(2)生産動向ア 中国におけるにんじんの産地

中国における対日輸出用にんじんの主な産地は、福

ふっ

建けん

省、山東省のほか河か

北ほく

省、内モンゴル自治区および雲南省となってい

る。福建省における主な産地は、厦あ

門もい

市、泉せん

州しゅう

市、漳しょう

州しゅう

市である。今回は、現在、収穫時期にあたる福建省の生産動向を対日輸出も行っている輸出企業数社からの聞き取り情報を中心に紹介する。(図9)。

西藏(チベット)

新疆

青海

四川

雲南広西

海南

広東

福建

江西湖南贵州

重慶

湖北 安徽

江蘇

浙江

河南

山東山西

河北

北京天津

内モンゴル

黑龍江

吉林

遼寧

寧夏

甘粛 陝西

上海

廈門市

漳州市

竜岩市

三明市

南平市寧徳市

福州市

莆田市

泉州市福建省を拡大

図9 中国のにんじん主産地

資料:農畜産業振興機構作成

イ� 福建省における生産動向(播種、収穫時期)とコスト福建省で日本向けにんじんを取り扱って

いる2社への聞き取りの概要は以下の通りである(表2、図10)。

表2 聞き取りを行った福建省のにんじん輸出企業の概要全輸出量に占める日本向けの割合

作付面積2019 年

作付動向対前年比 出荷時期 輸出見込

(対日輸出見込) 生産コスト

C社 10% 73ha 変化なし 1〜5月 減(前年並み) 増

D社 20% 67ha 減 1〜5月 減(減) 前年並み

資料:聞き取りにより農畜産業振興機構作成。

上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下

福建省

:播種 :収穫

産地名

月 (翌年) 月  

資料:聞き取りにより農畜産業振興機構作成。 注:�本図は、聞き取りを行った企業の調査時点の播種、収穫を行う主な時期を表しており、それぞれの作業は前後の時期にも実際には行われて

いるとみられる。

図10 聞き取りを行った日本向けにんじん輸出企業の作型(福建省)

Page 8: 中国における野菜(にんにく、にんじん)の 生産および輸出 …中国 2万126トン (47.8%) その他 1743トン (4.1%) 図1>Ì日本のにんにく供給量(2018年)

59野菜情報 2020.3

(ア)C社(厦門市)2007年に創業した従業員90名の企業

である。全輸出量に占める日本向けの割合は数量ベースで10%である。日本へは、収穫後、自社の加工工場で顧客の要望に合わせて加工し輸出している(図11、写真5,6)。日本以外では韓国、タイ、マレーシアへの輸出割合が高い。2020年収穫分の作柄は順調であり、生産量は平年並みの見込みである。主な栽培品種は、形が良く、色が鮮やかなのが特徴の「三紅」である。栽培管理は、CGAPの基準に沿って行っている。生産コストについては、人件費の上昇により前年比3~5%増となっている。

(イ)D社(厦門市)2003年に創業した従業員100名の企業

である。全輸出量に占める日本向けの割合は数量ベースで20%である。産地での収穫から日本への輸出の流れは、(ア)と同様である。日本以外の輸出先としては、韓国向けの割合は30%となっている。2020年収穫分の作柄は良いものの、栽培面積が減少したことから生産量は減少の見込みである。主な栽培品種は、C社と同様に「三紅」である。生産コストについては、前年並みとなっている。

収穫 → 加工 → 仕分け → 箱詰め → 船積み

※洗浄など※S(80~150g),M(150~200g)などのサイズ展開

※10kg箱

注:本図は、聞き取りを行った企業の輸出までの流れを表している。

図11 収穫から輸出までの流れ

写真5 箱詰めされた人参 写真6 輸送トラック

注:本図は、聞き取りを行った企業の輸出までの流れを表している。

Page 9: 中国における野菜(にんにく、にんじん)の 生産および輸出 …中国 2万126トン (47.8%) その他 1743トン (4.1%) 図1>Ì日本のにんにく供給量(2018年)

60野菜情報 2020.3

イ 今後の見込み中国国内のにんじんの輸出主要産地であ

る福建省では港湾や税関が稼働しているものの、新型コロナウィルスの感染拡大が広がれば、他の地域と同様に工場労働者やトラック運転手の確保が難しくなり、経済活動への影響が出る可能性も否定できない。

なお、台風の影響で冬にんじんの主産地である千葉産などの出荷量は減収したが、3月には回復する見込みであり、さらに出荷が本格化する徳島県の春にんじんは生育が良好なことから、順調な供給が見込まれる。

(3)輸出動向中国の生鮮にんじん輸出量は、増加傾向

で 推 移 し て お り、2018年 は 前 年 比 2.3%増の73万4863トンである(図12)。

主な輸出先国は日本、ベトナム、韓国、タイ、マレーシアとなっている。日本向けは、全体の輸出量の2割弱を占め第1位となる一方で、ベトナムも日本と変わらない割合を占めている。2018年の日本向け輸出量は、日本国内の卸売価格の高騰もあり、前年比32.8%増の11万4080トンと増加していたことから中国の最大の輸出先国となっている。

ア 聞き取り各社の動向C社は韓国の注文減少に伴い輸出量は減

少を見込んでいるものの、対日輸出量は前年並みの見込みである。輸出先との契約は、販売価格が変動するため、長期契約ではなく注文があるたびに契約を締結している。

D社は生産量の減少と日本からの注文の減少に伴い、輸出量および対日輸出量も減少すると見込んでいる。輸出先との契約は、長期契約ではなく注文があるたびに契約を締結している。

なお、調査時点では両社ともに対日輸出価格については、中国国内の生産量が増加し、国内価格が低下しているため、前年から下落すると見込んでいる。

0

10

20

30

40

50

60

70

80

(年)日本 ベトナム 韓国 タイ マレーシア その他

(万トン)

日本

ベトナム

韓国

タイ

マレーシア

その他

図12 中国の生鮮にんじんの国別輸出量

資料:「Global�Trade�Atlas」 注:HSコード:070610