藤元総合病院卒後臨床研修プログラム · 1997年 3月...

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藤元総合病院卒後臨床研修プログラム

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Page 1: 藤元総合病院卒後臨床研修プログラム · 1997年 3月 藤元病院(精神科)新築 6月 藤元早鈴病院 ガンマナイフ(定位放射線治療装置)導入

藤元総合病院卒後臨床研修プログラム

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藤元総合病院卒後臨床研修プログラム

1.藤元総合病院の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3P)

2. 藤元総合病院卒後臨床研修プログラムの骨子・・・・・・・・・・・・(10P)

2-1.プログラムの名称と理念

2-2.プログラムの特色

2-3.行動目標

2-4.到達目標(21P参照)

2-5.プログラム責任者の氏名

2-6.藤元総合病院臨床研修病院群の構成

2-7.臨床研修を行う分野ごとの期間・場所

2-8.研修医の指導・教育体制

2-9.プログラムの管理体制

3.研修医の処遇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(18P)

4.研修プログラムに関する問い合わせ・資料請求先・・・・・・・・・・・(19P)

(032210201)

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5. 各科プログラム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(20P~106P)

1.導入研修・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(21P)

2.到達目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(22P)

3.内科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(33P)

4.外科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(38P)

5.産婦人科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(43P)

6.救急研修・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(45P)

7.小児科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(48P)

8.精神科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(50P)

9.地域医療・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(51P)

10.神経内科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(52P)

11.呼吸器内科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(54P)

12.循環器内科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(56P)

13.消化器内科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(58P)

14.整形外科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(60P)

15.脳神経外科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(61P)

16.心臓血管外科・・・・・・・・・・・・・・・・・・(63P)

17.麻酔科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(65P)

18.泌尿器科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(66P)

19.耳鼻咽喉科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(67P)

20.放射線科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(68P)

宮崎大学医学部附属病院選択科目

21.第一内科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(69P)

22.第二内科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(71P)

23.第三内科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(73P)

24.膠原病・感染症内科・・・・・・・・・・・・・・・(75P)

25.精神科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(77P)

26.小児科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(79P)

27.第一外科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(81P)

28.第二外科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(83P)

29.整形外科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(85P)

30.皮膚科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(87P)

31.泌尿器科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(88P)

32.眼科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(90P)

33.耳鼻咽喉科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(92P)

34.産科婦人科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(93P)

35.放射線科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(95P)

36.麻酔科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(97P)

37.脳神経外科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(99P)

38.救急部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(100P)

39.集中治療部・・・・・・・・・・・・・・・・・・(102P)

40.病理部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(104P)

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1.藤元総合病院の概要

1. 所 在 地

〒885-0055 宮崎県都城市早鈴町17-1

T E L 0986-22-1717

2.開 設 者

一般社団法人 藤元メディカルシステム 理事長 藤元 登四郎

3.病 院 長

藤元総合病院 病院長 木原 浩一 (循環器内科)

4.診 療 科

内科、神経内科、消化器内科、循環器内科、呼吸器内科、外科、脳神経外科、心臓血管

外科、整形外科、皮膚科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、歯科口腔外科、放射線科、放射線治

療科、リハビリテーション科、在宅療養科、麻酔科、総合内科、物忘れ外来、眼科

その他

・臨床検査室、セラピスト室、栄養管理室、救急診察室、訪問看護室、医療

相談室、地域連携室、通所リハビリセンター、訪問看護ステーション

・検診(各種教職員検診、自治体住民検診、採用予定者健康診断)

5.病 床 数

343床(一般293床,療養50床)

6. U R L

http://www.fujimoto.or.jp/hayasuzu/

7. 病院の体制

第二次救急医療機関 (告示年月日:2011年3月7日

告示番号:第シレイ24080-5-11号)

日本医療機能評価機構認定病院

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8.医 療 設 備

MRI、64列デュアルエナジーCT、デジタルX線TV(DR装置)、血管撮影装置

(DSA)、体外式結石破砕装置、PVPグリーンレーザー、リニアック、サイバーナイフ、

ガンマナイフ、PETCT装置、マンモグラフィ撮影装置(マンモトーム)、

MRI(3.0テスラ)

9.指 定・認 定

藤元総合病院

・日本消化器病学会関連施設

・日本消化器外科学会指定修練施設関連施設

・日本循環器学会認定医専門医研修施設

・日本外科学会外科専門医修練施設

・日本整形外科学会専門医修練施設

・日本がん治療認定医機構認定研修施設

・日本脳神経外科学会専門医訓練施設

・心臓血管麻酔医専門認定施設

・心臓血管外科学会専門医認定機構認定医修練施設

・三学会構成心臓血管外科専門医認定機構関連施設認定

・日本血管インターベーション学会認定研修施設

・日本てんかん学会専門医研修施設(脳神経外科)

・日本核医学専門医教育施設

・日本放射線腫瘍学会認定医施設

・日本医学放射線学会・放射線専門医修練機関認定施設

・日本麻酔科学会専門医教育関連施設

・日本麻酔科学会麻酔科認定病院

・日本泌尿器科学会専門医教育関連施設

・日本静脈経腸栄養学会栄養サポートチーム専門療法士認定教育施設

・NST稼働施設認定

・日本リハビリテーション医学会専門医教育施設

・マンモグラフィー検診施設画像認定

・日本薬剤師会・プレアド報告施設

・日本臨床衛生検査技師会・制度保証施設認定

・厚生労働省臨床研修指定病院

・救急告示病院

・日本医療機能評価機構認定病院

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10.基本理念と基本方針

1.基 本 理 念

「信頼とまごごろの医療」

2.基 本 方 針

1.患者さまの権利を尊重し、安心で安楽な医療を提供します。

2.思いやりの心をもって、満足度の向上に努めます。

3.医療の質の向上と、安全管理の徹底に努めます。

4.地域の中核病院として地域医療に貢献します。

5.保険・医療・福祉におよぶ総合的なサービスを提供します。

11.病 院 沿 革

藤元総合病院は一般社団法人藤元メディカルシステムの母体となる病院で、藤元総合病

院(内科・神経内科・消化器内科・循環器内科・腎臓内科・心療内科・外科・脳神経外科・

心臓血管外科・整形外科・泌尿器科・耳鼻咽喉科・歯科口腔外科・放射線科・放射線治療

科・リハビリテーション科・麻酔科・総合内科・在宅療養科等、343床)、藤元病院(精

神科・心療内科・内科、427床)、大悟病院(精神科・神経科・内科、311床)、藤元

中央病院(内科・循環器内科・腎臓透析内科・泌尿器科・放射線科、98床)藤元メディ

カルシステム付属医療専門学校(看護学科)、介護保険施設グリーンホームがあります。

又、関連施設として、社会福祉法人常緑会と社会福祉法人星空の都があり、社会福祉法

人常緑会として、特別養護老人ホーム星空の都なかごう、特別養護老人ホーム星空の都み

また、星空の都かみながえ(ディサービスセンター)、星空の都ポピー保育園(保育園)、

星空の都地域活動支援センター、社会福祉法人星空の都として、特別養護老人ホーム星空

の都ひゅうが、特別養護老人ホーム星空の都さどわらがあります。

藤元総合病院は宮崎県都城市に位置し、昭和37年に開設、現在では都城市、三股町、

小林市の一部、串間市、曽於市、霧島市、志布志市、鹿屋市など、約57万人を医療の対

象としており、都城市を中心とする医療圏で唯一の「心臓血管外科」を有しております。

又、地域の方々が高度な医療や特殊医療を受けるために、わざわざ大都市まで行かない

で済むように、サイバーナイフや、ガンマナイフ、リニアック、PVPなど最先端の医療

機器を導入することで、できる限りの最先端の医療を目指しており、さらに伝統の心のこ

もった医療、専門性の高い高度な医療、患者様の立場に立った安全で信頼される医療を提

供することを目指しております。

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沿 革

1942年 5月 宮崎県都城市上町2367番地に藤元医院開業

1951年 2月 医療法人八日会として法人認可

6月 宮崎県都城市早鈴町4088番地に藤元病院開設(結核36床を除く)

1955年 3月 社団法人宮崎県南部結核予防協会を設立

社団法人八日会に組織変更

1960年 3月 藤元病院を藤元早鈴病院に名称変更

1962年12月 精神保健衛生法指定病院(藤元早鈴病院)

1964年 7月 救急指定病院(藤元早鈴病院)

1978年 1月 藤元早鈴病院の精神科部門を分離し藤元病院を開設

1980年11月 救急指定病院(藤元病院)

1981年12月 宮崎県北諸県郡三股町に大悟病院を開設

1985年 8月 日本脳神経外科学会認定医訓練指定施設(藤元病院)

1986年 1月 成人病予防検診機関“健診事業部”を開設

1989年 4月 老人保健施設“グリーンホーム”を開設

都城洋香看護専門学校を開校

1990年 1月 日本泌尿器科学会専門医教育認定施設(藤元早鈴病院)

4月 消化器内科開設(藤元早鈴病院)

1991年 4月 老人性痴呆疾患センター指定(藤元病院)

6月 人工透析導入(藤元早鈴病院)

1994年 8月 宮崎市に宮崎循環器病院を開設

1995年12月 早鈴訪問看護ステーションを開設(藤元病院)

1996年 4月 大塚訪問看護ステーションを開設(宮崎循環器病院)

1997年 3月 藤元病院(精神科)新築

6月 藤元早鈴病院 ガンマナイフ(定位放射線治療装置)導入

12月 総合リハビリテーション・人工透析センターを設置(藤元病院)

1998年 3月 日本循環器学会認定循環器専門医研修施設(宮崎循環器病院)

1999年 8月 第二種感染症指定医療機関認定(藤元早鈴病院に4床)

2000年 4月 痴呆老人デイケアを通所リハビリテーションセンターに変更し藤元早鈴病院に設置

藤元病院(一般科)と藤元早鈴病院を合併し、名称を藤元早鈴病院とし開設

藤元病院(精神科)を分離し、名称を藤元病院とし開設

被爆者一般疾病医療機関に指定(藤元早鈴病院)

年12月 大塚在宅介護支援センターを開設(宮崎循環器病院)

2001年 3月 日本リハビリテーション医学会研修施設の認定(藤元早鈴病院)

10月 藤元早鈴病院 先進医療センター開設

サイバーナイフ(定位放射線治療装置)導入

2002年 2月 藤元早鈴病院健診センター設立(藤元早鈴病院)

5月 藤元早鈴病院本館新築

6月 リニアックプリサイス導入(藤元早鈴病院)

6月 PET(陽電子放射線断層撮影装置)導入

MEG(脳磁図)導入

10月 宮崎地域リハビリテーション広域支援センターの指定(藤元早鈴病院)

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12月 日本外科学会専門医関連施設の認定(藤元早鈴病院)

2003年 3月 日本循環器学会認定循環器専門医研修関連施設の認定(藤元早鈴病院)

4月 日本医学放射線学会放射線科専門医修練施設の認定(藤元早鈴病院)

6月 更正医療を担当する医療機関の指定(藤元早鈴病院)

7月 第二種感染症指定病床陰圧工事実施(SARS対策)(藤元早鈴病院)

8月 周産期医療センター開設(藤元早鈴病院)

周産期指定養育医療機関の指定(藤元早鈴病院)

10月 臨床研修病院の指定(藤元早鈴病院)

2004年 3月 臨床研修病院の指定(藤元病院)

5月 腎臓提供協力病院の指定(藤元早鈴病院)

10月 日本てんかん学会研修施設の認定(藤元早鈴病院)

11月 日本放射線腫瘍学会施設の認定(藤元早鈴病院)

サイバーナイフⅡ(定位放射線治療装置)導入

2005年 1月 日本脳神経外科学会専門医認定訓練施設の認定(藤元早鈴病院)

麻酔科認定病院の指定(藤元早鈴病院)

2月 緊急病院等の認定(藤元早鈴病院)

4月 三学会構成心臓血管外科基幹施設(鹿児島大学医学部附属病院)の関連施設の認定

(藤元早鈴病院)

11月 日本静脈経腸栄養学会 NST稼働施設の認定(藤元早鈴病院)

2006年 1月 日本外科学会専門医制度関連施設の指定(藤元早鈴病院)

日本静脈経腸栄養学会実施修練施設の認定(藤元早鈴病院)

日本胸部外科学会指定施設(鹿児島大学医学部附属病院)関連施設の指定(藤元早鈴病院)

3月 オーダリングシステム導入(藤元早鈴病院)

4月 日本周産期・新生児医学会専門医暫定研修施設の認定(藤元早鈴病院)

7月 大悟病院病棟新築

指定居宅サービス事業者の指定(大悟病院)

10月 人に優しい福祉のまちづくり条例に基づく適合証交付(大悟病院)

12月 原子爆弾被害者に対する援護に関する法律に基づく医療機関の指定(藤元早鈴病院)

2007年 1月 日本核医学界専門医教育病院の認定(藤元早鈴病院)

日本外科学会外科専門医制度修練施設の認定(藤元早鈴病院)

4月 放射線治療科専門医修練機関の認定(藤元早鈴病院)

社団法人日本精神神経学会精神科専門医制度研修施設認定(藤元病院)

5月 指定介護予防サービス事業者の指定(大悟病院)

6月 藤元早鈴病院10床増床(330床)

10月 日本血管インターベンション学会研修施設の認定(藤元早鈴病院)

11月 日本がん治療認定機構研修施設の認定(藤元早鈴病院)

2008年 4月 宮崎県地域周産期母子医療センター認定(藤元早鈴病院)

8月 日本循環器学会専門医研修施設の認定(藤元早鈴病院)

12月 消化器センター開設(藤元早鈴病院)

2009年 4月 助産学科開設(都城看護専門学校)

7月 宮崎県肝疾患診療専門医医療機関の指定(藤元早鈴病院)

12月 病院機能評価 Ver5取得(宮崎循環器病院)

2010年 4月 宮崎循環器病院を藤元中央病院に名称変更

11月 前立腺がん密封小線源治療装置導入(藤元早鈴病院)

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12月 藤元早鈴病院の精神科外来を分離して藤元病院外来診療開始(藤元病院)

2011年 3月 給食等改築(大悟病院)

4月 日本泌尿器科学会専門医教育施設認定(藤元中央病院)

7月 ガンマナイフパーフェクション導入(藤元早鈴病院)

8月 PACS導入(藤元早鈴病院)

9月 リニアックシナジー導入(藤元早鈴病院)

10月 日本血管インターベンション治療学会研修施設の認定(藤元早鈴病院)

12月 宮崎県認知症疾患医療センターの指定(大悟病院)

2012年 4月 日本臨床検査技師会・日本臨床検査標準協議会制度補償施設の認定(藤元早鈴病院)

日本心臓血管麻酔学会心臓血管麻酔専門医認定施設の認定(藤元早鈴病院)

6月 乳腺診療センター開設(藤元早鈴病院)

12月 結核病床13床返還(藤元病院)

2013年 1月 日本呼吸器内視鏡学会関連認定施設の認定(藤元早鈴病院)

藤元病院病床再編成(藤元病院)

3月 日本医療機能評価機構 V6認定病院

4月 社団法人八日会を一般社団法人藤元メディカルシステムへ組織変更

病院名を一般社団法人藤元メディカルシステム 藤元総合病院に名称変更

都城洋香看護専門学校を藤元メディカルシステム附属医療専門学校へ校名変更

5月 藤元総合病院17床増床(347床)

9月 基幹型臨床研修病院指定

2014年 4月 感染病床4床返還(343床)

12.関 連 施 設

1.一般社団法人 藤元メディカルシステム

1)藤元総合病院

(内科・神経内科・消化器内科・循環器内科・呼吸器内科・総合内科・外科・脳神

経外科・心臓血管外科・整形外科・皮膚科・泌尿器科・耳鼻咽喉科・歯科口腔外

科・放射線科・放射線治療科・リハビリテーション科・麻酔科・在宅療養科・物

忘れ外来等343床)

住 所 :宮崎県都城市早鈴町17街区1号

2)藤元病院

(精神科・心療内科・内科、414床)

住 所 :宮崎県都城市早鈴町17街区4号

3)大悟病院

(精神科・神経科・内科、311床)

住 所 :宮崎県北諸県郡三股町大字長田1270番地

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4)藤元中央病院

(内科・循環器内科・腎臓透析内科・泌尿器科・放射線科、98床)

住 所 : 宮崎県宮崎市北川内町乱橋3584番地1

5)藤元メディカルシステム付属医療専門学校(看護学科)

住 所 :宮崎県北諸県郡三股町大字長田1258番地1

6)介護保険施設グリーンホーム

住 所 :宮崎県北諸県郡三股町大字長田1270番地1

2.社会福祉法人 常緑会

1)特別養護老人ホーム星空の都なかごう

住 所 :宮崎県都城市豊満町2647

2)特別養護老人ホーム星空の都みまた

住 所 :宮崎県北諸県郡三股町大字長田1266-1

3)星空の都かみながえ(ディサービス)

住 所 :宮崎県都城市上長飯町5111番地

4)星空の都ポピー保育園(保育園)

住 所 :宮崎県都城市早鈴町1550-1

5)星空の都地域活動支援センター 住 所 :宮崎県都城市早鈴町15-35

3.社会福祉法人 星空の都

1)特別養護老人ホーム星空の都ひゅうが

住 所 :宮崎県宮崎市吉村町平塚甲1820番地

2)特別養護老人ホーム星空の都さどわら

住 所 :宮崎県宮崎市佐土原町下那珂3165-1

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2. 藤元総合病院卒後臨床研修プログラムの骨子

2-1.プログラムの名称と理念

本研修プログラムは「藤元総合病院卒後臨床研修プログラム」と称し、本プロ

グラムの臨床研修は、医師法第16条の2第1項に規定する臨床研修に基づいて、

医師が医師としての人格をかん養し、医学及び医療の社会的役割を認識しつつ、

一般的な診療で頻繁に関わる病気や病態に適切に対応できるよう、基本的な診療

能力を身につけることを養うことを目的とする。

2-2.プログラムの特色

1.当院は宮崎県都城市に位置し、地域医療の中核病院として機能しており、地域に密着・

密接した研修プログラムである。

2.現場では幅広いプライマリケアーを指導医や上級医らとともに数多く経験して習得す

ることで、臨床研修医として基礎を学ぶことができます。

3.基本的には藤元総合病院で研修を行なうが、精神科については、当藤元メディカルシ

ステムグループ内の藤元病院で、産婦人科については鹿児島大学医学部・歯学部付属

病院,野田産婦人科医院で、小児科については鹿児島市立病院で、救急研修は当院,

都城市郡医師会病院,鹿児島市医師会病院で、地域医療については医療法人圭朋会鮫

島クリニック,医療法人秀聖会山下クリニック,医療法人共生会びろうの樹脳神経外

科,医療法人牧瀬内科クリニックで行ない、地域及びへき地医療の実情についてより

一層の理解を促すこととし、1 ヶ月の宿泊研修とする。さらに、2 年次の選択科目の

研修では宮崎医科大学附属病院の診療科を選択でき、広範囲かつ、より高度な内容の

研修を受けることができる。

2-3.行動目標

医療人として必要な基本姿勢・態度

(1) 患者―医師関係

患者を全人的に理解し、患者・家族と良好な人間関係を確立するために、

1)患者、家族のニーズを身体・心理・社会的側面から把握できる。

2)医師、患者・家族がともに納得できる医療を行うためのインフォームド・コンセ

ントが実施できる。

3)守秘義務を果たし、プライバシーへの配慮ができる。

(2)チーム医療

医療チームの構成員としての役割を理解し、保健・医療・福祉の幅広い職種からなる

他のメンバーと協調するために、

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1)指導医や専門医に適切なタイミングでコンサルテーションができる。

2)上級及び同僚医師や他の医療従事者と適切なコミュニケーションがとれる。

3)同僚及び後輩へ教育的配慮ができる。

4)患者の転入・転出にあたり、情報を交換できる。

5)関係機関や諸団体の担当者とコミュニケーションがとれる。

(3)問題対応能力

患者の問題を把握し、問題対応型の思考を行い、生涯にわたる自己学習の習慣を身

に付けるために、

1)臨床上の疑問点を解決するための情報を収集して評価し、当該患者への適応を判

断できる(EBM =Evidence Based Medicineの実践ができる。)。

2)自己評価及び第三者による評価を踏まえた問題対応能力の改善ができる。

3)臨床研究や治験の意義を理解し、研究や学会活動に関心を持つ。

4)自己管理能力を身に付け、生涯にわたり基本的診療能力の向上に努める。

(4)安全管理

患者及び医療従事者にとって安全な医療を遂行し、安全管理の方策を身に付け、危機

管理に参画するために、

1)医療を行う際の安全確認の考え方を理解し、実施できる。

2)医療事故防止及び事故後の対処について、マニュアルなどに沿って行動

できる。

3)院内感染対策(Standard Precautionsを含む。)を理解し、実施できる。

(5)症例呈示

チーム医療の実践と自己の臨床能力向上に不可欠な、症例呈示と意見交換を行うため

に、

1)症例呈示と討論ができる。

2)臨床症例に関するカンファレンスや学術集会に参加する。

(6)医療の社会性

医療の持つ社会的側面の重要性を理解し、社会に貢献するために、

1)保健医療法規・制度を理解し、適切に行動できる。

2)医療保険、公費負担医療を理解し、適切に診療できる。

3)医の倫理、生命倫理について理解し、適切に行動できる。

4)医薬品や医療用具による健康被害の発生防止について理解し、適切に行動できる。

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2-4.到達目標(21ページ以降参照)

2-5.プログラム責任者の氏名

・プログラム責任者・・・・木原 浩一(藤元総合病院病院長・内科,循環器内科担当)

・副プログラム責任者・・・八代 一孝(藤元総合病院副院長,脳外科担当)

2-6.藤元総合病院臨床研修病院群の構成

1.基幹型臨床研修病院

・藤元総合病院

内科(神経内科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科)

外科(整形外科、脳神経外科、心臓血管外科)

救急部門、麻酔科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、放射線科

2.協力型臨床研修病院

・宮崎大学医学部附属病院 (第一内科,第二内科,第三内科,膠原病・感染症

内科,精神科,小児科,第一外科,第二外科,整形

外科,皮膚科, 泌尿器科,眼科,耳鼻咽喉科,産

科婦人科,放射線科,麻酔科,脳神経外科,救急

部,集中治療部,病理部)

・鹿児島市立病院 (小児科)

・都城市郡医師会病院 (救急部門)

・鹿児島市医師会病院 (救急部門)

・藤元病院 (精神科)

・鹿児島大学医学部・歯学部付属病院 (産婦人科)

3.臨床研修協力施設

・野田産婦人科医院 (産婦人科)

・医療法人圭朋会鮫島クリニック (地域医療)

・医療法人秀聖会山下クリニック (地域医療)

・医療法人共生会びろうの樹脳神経外科 (地域医療)

・医療法人牧瀬内科クリニック (地域医療)

・医療法人社団星井眼科医院 (眼科)

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2-7.臨床研修を行う分野ごとの期間・場所

・研修期間は、必須科目は内科(6ヶ月)、救急(3ヶ月)、外科(5ヶ月)、地域医療(1

ヶ月)の計15ヶ月、選択科目は9ヶ月の合計24ヶ月(2年間)とする。

・必修科目の内科、外科は当院にて研修し、救急研修は当院・都城市郡医師会病院・鹿児

島市医師会病院、地域医療は医療法人圭朋会鮫島クリニック,医療法人秀聖会山下クリ

ニック,医療法人共生会びろうの樹脳神経外科,医療法人牧瀬内科クリニックにおいて

それぞれ研修する。

・選択必修科目の産婦人科研修は鹿児島大学医学部・歯学部付属病院,野田産婦人科医院

小児科は鹿児島市立病院、精神科研修は藤元病院、麻酔科は藤元総合病院で研修し選択

する科を最長2ヶ月まで実施する。

・選択科目については、下記のとおりであり、基本研修科目及び必修研修目と重複しても

差し支えない。

・選択科目群

藤元総合病院においては、内科,外科,神経内科,呼吸器内科,循環器内科,消化器内

科,整形外科,脳神経外科,心臓血管外科,麻酔科,泌尿器科,耳鼻咽喉科,放射線科

とする。

選択科目の履修については、希望すれば宮崎大学医学部附属病院の第一内科,第二内科,

第三内科,膠原病・感染症内科,精神科,小児科,第一外科,第二外科,整形外科,皮膚

科, 泌尿器科,眼科,耳鼻咽喉科,産科婦人科,放射線科,麻酔科,脳神経外科,救急

部,集中治療部,病理部を選択することも可能である。

・研修プログラムは次のようになっている

<研修プログラム>

1年次

内科

6ケ月

救急部門

3ヶ月

外科

3ヶ月

(順不同)

2年次

外科

2ヶ月

地域医療

1ヶ月

産婦人科・小児科

精神科・麻酔科

2ヶ月

選択

7ヶ月

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<研修科目及び履修病院・施設>

*1年次

(必修科目)

研修科目 研修期間 研修場所

[内科] 6ヶ月 藤元総合病院

[救急部門] 3ヶ月 藤元総合病院

都城市郡医師会病院

鹿児島市医師会病院

[外科] 3ヶ月 藤元総合病院

*2年次

(必須科目)

研修科目 研修期間 研修場所

[外科] 2ヶ月 藤元総合病院(1年次の継続)

[地域医療] 1ヶ月 医療法人圭朋会鮫島クリニック

医療法人秀聖会山下クリニック

医療法人共生会びろうの樹脳神経外科

医療法人牧瀬内科クリニック

(選択必修科目)

[産婦人科] 鹿児島大学医学部・歯学部付属病院

野田産婦人科医院

[小児科] 鹿児島市立病院

[精神科] 藤元病院

[麻酔科] 藤元総合病院

※上記科目より選択最長2ヶ月まで

(選択科目)

研修科目 研修期間 研修場所

[内科][神経内科][呼吸器内科]

[循環器内科][消化器内科][外科]

[整形外科][脳神経外科][心臓血管外科] 7ヶ月 藤元総合病院

[麻酔科] [泌尿器科][耳鼻咽喉科]

[放射線科]

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もしくは

[第一内科][第二内科][第三内科]

[膠原病・感染症内科][精神科][小児科]

[第一外科][第二外科][整形外科] 7ヶ月 宮崎大学医学部附属病院

[皮膚科][泌尿器科][眼科][耳鼻咽喉科]

[産科婦人科][放射線科][麻酔科]

[脳神経外科][救急部][集中治療部] 宮崎大学医学部附属病院

[病理部]

2-8.研修医の指導・教育体制

マンツーマンで研修医の実地指導にあたり、指導責任者が全般的に研修医の進行を見る。

研修医はあらかじめ交付する各診療科のカリキュラムに基づき、研修内容の課題を理解し、

研修に取り組む。

なお、研修医の評価方法はEPOCに準ずるものとする。

1.藤元総合病院における指導体制

指導医数

診療科目 氏 名 (上級医含む)

*内科 木原 浩一 14人

(内科、総合内科、神経内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科)

*外科 八代 一孝 14人

(外科、脳神経外科、整形外科、心臓血管外科、乳腺外科)

*神経内科 大窪 隆一 2人

*救急部門(循環器内科) 剣田 昌伸 (3人)

*消化器内科 梅村 好郎 (2人)

*整形外科 園田 典生 (3人)

*脳神経外科 八代 一孝 (5人)

*心臓血管外科 松元 仁久 (2人)

*麻酔科 尾野元真徳 5人

*泌尿器科 長野 正史 3人

*耳鼻咽喉科 森園 健介 1人

*放射線科 梅村 好郎 4人

※( )内医師数は、内科,外科医師数に含む

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2.各臨床協力病院・施設における指導体制

所 属 氏 名 診療科目

宮崎大学医学部附属病院 小松 弘幸 内科他

都城市郡医師会病院 名越 秀樹 救急部門

鹿児島市医師会病院 有村 敏明 救急部門

鹿児島市立病院 平原 一穂 小児科

藤元病院 竹内 康三 精神科

鹿児島大学医学部・歯学部付属病院 小林 裕明 産婦人科

医療法人政彬会野田産婦人科医院 野田 俊一 産婦人科

医療法人圭朋会鮫島クリニック 鮫島 伸二 地域医療

医療法人秀聖会山下クリニック 山下 秀隆 地域医療

医療法人共生会びろうの樹脳神経外科 菅田 育穂 地域医療

医療法人牧瀬内科クリニック 牧瀬 洋一 地域医療

医療法人社団星井眼科医院 出水 誠二 眼科

3.図 書 室

医学図書数 国内図書約 1,624冊 国外図書約 35冊

医学雑誌数 国内雑誌約 52種類 国外雑誌約 53種類

インターネット環境:24時間使用可能

4.医学シミュレーター

心臓病診察シミュレーター、呼吸音聴診シミュレーター、

フィジカルアセスメントモデル等

5.その他教育用教材

DVD「研修医のための基本技能」全25巻

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2-9.プログラムの管理体制

1.本研修プログラムは「藤元総合病院卒後臨床研修委員会」が統括的に管理する。

2.藤元総合病院卒後臨床研修管理委員会

研修管理委員会の構成は下記のとおり。

・委員長・・・木原 浩一(藤元総合病院・病院長)

・副院長・・・八代 一孝(藤元総合病院・副院長)

・委員・・・・梅村 好郎(藤元総合病院・診療統括部長)

・委員・・・・竹内 康三(藤元病院・病院長)

・委員・・・・小松 弘幸(宮崎大学医学部附属病院・医療人育成支援センター教授)

・委員・・・・小林 裕明(鹿児島大学医学部歯学部付属病院・産婦人科学教室教授)

・委員・・・・名越 秀樹(都城市郡医師会病院・救急担当医長)

・委員・・・・有村 敏明(鹿児島市医師会病院・副院長)

・委員・・・・平原 一穂(鹿児島市立病院・副院長)

・委員・・・・野田 俊一(医療法人政彬会野田産婦人科医院院長)

・委員・・・・鮫島 伸二(医療法人圭朋会鮫島クリニック・院長)

・委員・・・・山下 秀隆(医療法人秀聖会山下クリニック・院長)

・委員・・・・菅田 育穂(医療法人共生会びろうの樹脳神経外科・院長)

・委員・・・・牧瀬 洋一(医療法人牧瀬内科クリニック・院長)

・委員・・・・堀之内大徳(藤元総合病院・管理部部長)

・委員・・・・大久保義直(有識者 北諸県郡三股町町議会・議員)

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3.研修医の処遇

1. 身 分 :常勤職員

2. 研修手当 :基本給 一年次~400,000 円

二年次~420,000 円

賞 与 無し

その他 時間外手当

宿直手当 15,000 円/回

通勤手当 3,000~8,000 円

住居手当 最高 30,000 円まで

3.勤務時間 :8:30~17:00

4.休 暇 :4週8休

5.有給休暇 :一年次入職 6 ヶ月後10日間、二年次11日間

6.当 直 :有り月平均4回(一年次指導医とともに副当直)

7.宿 舎 :有り

8.各種保険 :医療保険、厚生年金、労働者災害保証保険、雇用保険

9.健康診断 :年1回実施

10.医陪責保険:病院加入の保険適用、個人加入は任意

11.研修活動 :学会発表のみ病院負担

12.アルバイト:認めない

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4.研修プログラムに関する問い合わせ・資料請求先

〒885-0055

宮崎県都城市早鈴町17-1

一般社団法人藤元メディカルシステム

藤元総合病院

病院管理部課長 杉田 将一

TEL0986-22-1717(内線 1050)

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5.各科プログラム

(必修科目)

1.導入研修

2.到達目標

3.内科

4.救急研修

5.外科

6.地域医療

(選択必修科目)

1.産婦人科

2.小児科

3.精神科

4.麻酔科

(自由選択科目)

藤元総合病院 宮崎大学医学部附属病院

10.神経内科 21.第一内科

11.呼吸器内科 22.第二内科

12.循環器内科 23.第三内科

13.消化器内科 24.膠原病・感染症内科

14.整形外科 25.精神科

15.脳神経外科 26.小児科

16.心臓血管外科 27.第一外科

17.麻酔科 28.第二外科

18.泌尿器科 29.整形外科

19.耳鼻咽喉科 30.皮膚科

20.放射線科 31.泌尿器科

32.眼科

33.耳鼻咽喉科

34.産科婦人科

35.放射線科

36.麻酔科

37.脳神経外科

38.救急部

39.集中治療部

40.病理部

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1.導入研修 (藤元総合病院)

1.一般目標

当病院に入社して研修をするに当たり、病院運営に携わる全ての部署や業務を体験する

ことにより、病院としての各機能や役割等を理解し、チーム医療として病院運営に携わる

全ての人との良好なコミュニケーションを図ることができ、医療人としての行動を行える

人格を形成することを目的とする。

2.行動目標(4月第1週目)

1)1日目 オリエンテーション

午前 ・病院長挨拶

・プログラムの説明

・保険加入等の説明

・名札等の作成

・EPOCの説明

・研修医手帳の作成指導 等 々

午後 ・プログラム作成等

・院内等案内

2)2日目~7日目

藤元総合病院で日常行なわれているコメディカル各部門を見学し、業務を体験

することにより、他職種における役割や業務内容を理解するとともに、チーム医

療が行えるような良好な関係やコミュニケーションがとれるようにする。

体験先

・医事課 ・栄養管理室 ・リハビリテーション室

・受付 ・診療情報管理室 ・医療安全管理室

・検査室 ・物流管理部 ・ME 室

・放射線科 ・検診センター ・医療相談室

・地域連携室 ・その他院内関連部署

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2.到達目標

[到達目標]

Ⅰ 行動目標(2年間を通じて全科に共通の目標である)

1)医療人として必要な基本姿勢・態度を養う。

2)厚生労働省が示している「臨床研修の到達目標」に準ずる。

Ⅱ 経験目標

A:経験すべき診察法・検査・手技

B:経験すべき症状・病態・疾患

C:特定の医療現場の経験

[研修理念]

臨床研修は、医師が、医師としての人格をかん養し、将来専門とする分野にかかわらず、医学及び医療の

果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できる

よう、基本的な診療能力を身につけることのできるものでなければならない。

Ⅰ 行動目標

医療人として必要な基本姿勢・態度

(1)患者-医師関係

患者を全人的に理解し、患者・家族と良好な人間関係を確立するために、

1)患者、家族のニーズを身体・心理・社会的側面から把握できる。

2)医師、患者・家族がともに納得できる医療を行うためのインフォームド・コンセントが実施できる。

3)守秘義務を果たし、プライバシーヘの配慮ができる。

(2)チーム医療

医療チームの構成員としての役割を理解し、保健・医療・福祉の幅広い職種からなる他のメンバーと協

調するために、

1)指導医や専門医に適切なタイミングでコンサルテーションができる。

2)上級及び同僚医師や他の医療従事者と適切なコミュニケーションがとれる。

3)同僚及び後輩へ教育的配慮ができる。

4)患者の転入・転出に当たり、情報を交換できる。

5)関係機関や諸団体の担当者とコミュニケーションがとれる。

(3)問題対応能力

患者の問題を把握し、問題対応型の思考を行い、生涯にわたる自己学習の習慣を身に付けるために、

1)臨床上の疑問点を解決するための情報を収集して評価し、当該患者への適応を判断できる

(EBM=Evidence Based Medicine の実践ができる。)。

2)自己評価及び第三者による評価を踏まえた問題対応能力の改善ができる。

3)臨床研究や治験の意義を理解し、研究や学会活動に関心を持つ。

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4)自己管理能力を身に付け、生涯にわたり基本的診療能力の向上に努める。

(4)安全管理

患者及び医療従事者にとって安全な医療を遂行し、安全管理の方策を身に付け、危機管理に参画するた

めに、

1)医療を行う際の安全確認の考え方を理解し、実施できる。

2)医療事故防止及び事故後の対処について、マニュアルなどに沿って行動できる。

3)院内感染対策(Standard Precautions を含む。)を理解し、実施できる。

(5)症例呈示

チーム医療の実践と自己の臨床能力向上に不可欠な、症例呈示と意見交換を行うために、

1)症例呈示と討論ができる。

2)臨床症例に関するカンファレンスや学術集会に参加する。

(6)医療の社会性

医療の持つ社会的側面の重要性を理解し、社会に貢献するために、

1)保健医療法規・制度を理解し、適切に行動できる。

2)医療保険、公費負担医療を理解し、適切に診療できる。

3)医の倫理、生命倫理について理解し、適切に行動できる。

4)医薬品や医療用具による健康被害の発生防止について理解し、適切に行動できる。

Ⅱ 経験目標

A 経験すべき診察法・検査・手技

(1)医療面接 (全科)

患者・家族との信頼関係を構築し、診断・治療に必要な情報が得られるような医療面接を実施するため

に、

1)医療面接におけるコミュニケーションの持つ意義を理解し、コミュニケーションスキルを身に付け、

患者の解釈モデル、受診動機、受療行動を把握できる。

2)患者の病歴(主訴、現病歴、既往歴、家族歴、生活・職業歴、系統的レビュー)の聴取と記録ができ

る。

3)患者・家族への適切な指示、指導ができる。

(2)基本的な身体診察法

病態の正確な把握ができるよう、全身にわたる身体診察を系統的に実施し、記載するために、

1)全身の観察(バイタルサインと精神状態の把握、皮膚や表在リンパ節の診察を含む。)ができ

記載できる。(全科)

2)頭頸部の診察(眼瞼・結膜、眼底、外耳道、鼻腔口腔、咽頭の観察、甲状腺の触診を含む。)ができ、

記載できる。(全科)

3)胸部の診察(乳房の診察を含む。)ができ、記載できる。(全科)

4)腹部の診察(直腸診を含む。)ができ、記載できる。(全科)

5)泌尿・生殖器の診察(産婦人科的診察を含む。)ができ、記載できる。(産婦人科、内科、外科、救急

科、泌尿器科)

6)骨・関節・筋肉系の診察ができ、記載できる。(救急科、外科、内科、整形外科)

7)神経学的診察ができ、記載できる。(内科、神経内科、救急科、整形外科)

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8)小児の診察(生理的所見と病的所見の鑑別を含む。)ができ、記載できる。(小児科)

9)精神面の診察ができ、記載できる。(精神科)

(3)基本的な臨床検査

病態と臨床経過を把握し、医療面接と身体診察から得られた情報をもとに必要な検査を、

A・・・・・自ら実施し、結果を解釈できる。

その他・・・検査の適応が判断でき、結果の解釈ができる。

必須項目・・下線の検査について経験があること

※「経験」とは受け持ち患者の検査として診療に活用すること

Aの検査で自ら実施する部分については、受け持ち症例でなくてもよい

1)一般尿検査(尿沈渣顕微鏡検査を含む。)(全科)

2)便検査(潜血、虫卵)(全科)

3)血算・白血球分画 (全科)

A 4)血液型判定・交差適合試験 (全科)

A 5)心電図(12 誘導)、負荷心電図 (全科)

A 6)動脈血ガス分析 (全科)

7)血液生化学検査 (全科)

・簡易検査(血糖、電解質、尿素窒素など)

8) 血液免疫血清学的検査(免疫細胞検査、アレルギー検査を含む。) (全科)

9)細菌学検査・薬剤感受性検査(全科)

・検体の採取(痰、尿、血液など)

・簡単な細菌学的検査(グラム染色など)

10)肺機能検査 (内科、呼吸器内科)

・スパイロメトリー

11)髄液検査 (内科、神経内科)

12)細胞診・病理組織検査 (外科、神経内科)

13)内視鏡検査 (内科、消化器内科、外科)

A 14)超音波検査(内科、外科、救急科)

15)単純X線検査(内科、外科、救急科、整形外科)

16)造影X線検査 (内科、外科、救急科、整形外科)

17)X線CT検査 (内科、外科、脳外科、救急科、整形外科)

18)MRI検査 (内科、外科、脳外科、救急科、整形外科)

19)核医学検査 (内科、外科、整形外科)

20)神経生理学的検査(脳波・筋電図など) (内科、神経内科、小児科、整形外科)

(4)基本的手技

[必修項目] 下線の手技を自ら行った経験があること

基本的手技の適応を決定し、実施するために、

1)気道確保を実施できる。(麻酔科、救急科)

2) 人工呼吸を実施できる。(バッグマスクによる徒手換気を含む。)(麻酔科、救急科、内科)

3) 心マッサージを実施できる。(救急科)

4) 圧迫止血法を実施できる。 (救急科、外科、整形外科)

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5) 包帯法を実施できる。(救急科、外科、整形外科)

6)注射(皮内、皮下、筋肉、点滴、静脈確保、中心静脈確保)を実施できる。 (全科)

7)採血法(静脈血、動脈血)を実施できる。(全科)

8)穿刺法(腰椎)を実施できる。(麻酔科、救急科、内科、小児科)

9)穿刺法(胸腔、腹腔)を実施できる。 (内科、外科、救急科)

10) 導尿法を実施できる。(救急科、泌尿器科)

11)ドレーン・チューブ類の管理ができる。(外科)

12)胃管の挿人と管理ができる。(救急科、外科、内科)

13)局所麻酔法を実施できる。 (外科、整形外科)

14)創部消毒とガーゼ交換を実施できる。(外科、整形外科)

15)簡単な切開・排膿を実施できる。(外科、整形外科)

16)皮膚縫合法を実施できる。(外科、整形外科)

17)軽度の外傷・熱傷の処置を実施できる。(救急科、外科、整形外科)

18)気管挿管を実施できる。 (救急科、麻酔科)

19) 除細動を実施できる。 (救急科)

(5)基本的治療法(全科)

基本的治療法の適応を決定し、適切に実施するために、

1)療養指導(安静度、体位、食事、入浴、排泄、環境整備を含む。)ができる。

2)薬物の作用、副作用、相互作用について理解し、薬物治療(抗菌薬、副腎皮質ステロイド薬、解熱

薬、麻薬、血液製剤を含む。)ができる。

3)基本的な輸液ができる。

4)輸血(成分輸血を含む。)による効果と副作用について理解し、輸血が実施できる。

(6)医療記録(全科)

チーム医療や法規との関連で重要な医療記録を適切に作成し、管理するために、

1)診療録(退院時サマリーを含む。)をPOS(Problem Oriented System)に従って記載し管理でき

る。

2)処方箋、指示箋を作成し、管理できる。

3)診断書、死亡診断書、死体検案書その他の証明書を作成し、管理できる。

4)CPC(臨床病理検討会)レポートを作成し、症例呈示できる。

5)紹介状と、紹介状への返信を作成でき、それを管理できる。

(7)診療計画(全科)

保健・医療・福祉の各側面に配慮しつつ、診療計画を作成し、評価するために、

1)診療計画(診断、治療、患者・家族への説明を含む。)を作成できる。

2)診療ガイドラインやクリティカルパスを理解し活用できる。

3)入退院の適応を判断できる(デイサージャリー症例を含む。)。

4) QOL(Quality of Life)を考慮にいれた総合的な管理計画(リハビリテーション、社会復帰、在宅

医療、介護を含む。)へ参画する。

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[必修項目]

1)診療録の作成

2)処方箋・指示書の作成

3)診断書の作成

4)死亡診断書の作成

5)CPC レポート(※)の作成、症例呈示

6)紹介状、返信の作成

上記1)~6)を自ら行った経験があること

(※ CPC レポートとは、剖検報告のこと)

B 経験すべき症状・病態・疾患

研修の最大の目的は、患者の呈する症状と身体所見、簡単な検査所見に基づいた鑑別診断、初期治療を的

確に行う能力を獲得することにある。

1 頻度の高い症状

[必修項目]・・・下線の症状を経験し、レポートを提出する

※「経験」とは、自ら診療し、鑑別診断を行うこと

1)全身倦怠感

2)不眠 (内科、外科、精神科)

3)食欲不振

4)体重減少、体重増加

5)浮腫 (内科)

6)リンパ節腫脹 (内科)

7)発疹 (内科研修中に皮膚科で)

8)黄疸

9)発熱 (内科)

10)頭痛 (内科)

11)めまい (内科)

12)失神

13)けいれん発作

14)視力障害、視野狭窄 (内科研修中に眼科で)

15)結膜の充血(内科研修中に眼科で)

16)聴覚障害

17)鼻出血

18)嗄声

19)胸痛 (内科)

20)動悸 (内科)

21)呼吸困難 (内科)

22)咳・痰 (内科)

23)嘔気・嘔吐 (内科)

24)胸やけ

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25)嚥下困難

26)腹痛(内科、外科)

27)便通異常(下痢、便秘)(内科)

28)腰痛 (救急、整形外科)

29)関節痛 (整形外科)

30)歩行障害 (整形外科)

31)四肢のしびれ(内科、整形外科)

32)血尿 (内科、泌尿器科)

33)排尿障害(尿失禁・排尿困難)(内科研修中に泌尿器科で)

34)尿量異常

35)不安・抑うつ

2 緊急を要する症状・病態

[必修項目]・・・下線の病態を経験すること

*「経験」とは、初期治療に参加すること

1)心肺停止(救急、内科)

2)ショック (救急、内科)

3)意識障害 (救急、内科)

4)脳血管障害 (内科)

5)急性呼吸不全

6)急性心不全(内科)

7)急性冠症候群 (内科)

8)急性腹症 (外科、救急、内科)

9)急性消化管出血 (内科、救急)

10)急性腎不全

11)流・早産及び満期産

12)急性感染症

13)外傷 (救急、外科、整形外科、脳外科)

14)急性中毒 (救急、内科)

15)誤飲、誤嚥

16)熱傷 (救急科)

17)精神科領域の救急

3 経験が求められる疾患・病態

[必修項目]

1.A疾患については入院患者を受け持ち、診断、検査、治療方針について症例レポートを提出するこ

2.B疾患については、外来診療又は受け持ち入院患者(合併症含む。)で自ら経験すること

3.外科症例(手術を含む。)を1例以上受け持ち、診断、検査、術後管理等について症例レポートを提

出すること

※全疾患(88項目)のうち70%以上を経験することが望ましい

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A(10項目)

神経系疾患

(1)脳・脊髄血管障害(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血) (内科、脳外科、神経内科)

循環器系疾患

(2)心不全 (内科、循環器内科)

(3)高血圧症(本態性、二次性高血圧症) (内科、循環器内科)

呼吸器系疾患

(4)呼吸器感染症(急性上気道炎、気管支炎、肺炎) (内科)

消化器系疾患

(5)食道・胃・十二指腸疾患(食道静脈瘤、胃癌、消化性潰瘍、胃・十二指腸炎)(内科、外科)

腎・尿路系(体液・電解質バランスを含む。)疾患

(6)腎不全(急性・慢性腎不全、透析) (内科)

内分泌・栄養・代謝系疾患

(7)糖代謝異常(糖尿病、糖尿病の含併症、低血糖) (内科)

精神・神経系疾患

(8)認知症(血管性認知症を含む。) (内科、精神科)

(9)気分障害(うつ病、躁うつ病を含む。) (精神科)

(10)統合失調症(精神分裂病)(精神科)

B(38項目)

血液・造血器・リンパ網内系疾患

(1)貧血(鉄欠乏貧血、二次性貧血) (内科)

皮膚系疾患

(2)湿疹・皮膚炎群(接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎)(内科研修中に皮膚科で)

(3)蕁麻疹 (内科研修中に皮膚科で)

(4)皮膚感染症 (内科研修中に皮膚科で)

運動器(筋骨格)系疾患

(5)骨折 (救急科、整形外科)

(6)関節・靭帯の損傷及び障害 (救急科、整形外科)

(7)骨粗髭症 (救急科、整形外科)

(8)脊柱障害(腰椎椎間板ヘルニア)(救急科、整形外科)

循環器系疾患

(9)狭心症、心筋梗塞 (内科)

(10)不整脈(主要な頻脈性、徐脈性不整脈) (内科)

(11)動脈疾患(動脈硬化症、大動脈瘤) (内科)

呼吸器系疾患

(12)呼吸不全 (内科)

(13)閉塞性・拘束性肺疾患(気管支喘息、気管支拡張症) (内科)

消化器系疾患

(14)小腸・大腸疾患(イレウス、急性虫垂炎、痔核・痔瘻) (外科)

(15)肝疾患(ウイルス性肝炎、急性・慢性肝炎、肝硬変、肝癌、アルコール性肝障害、薬物性肝障害)

(内科)

(16)横隔膜・腹壁・腹膜(腹膜炎、急性腹症、ヘルニア)(外科、救急科)

腎・尿路系(体液・電解質バランスを含む。)疾患

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(17)泌尿器科的腎・尿路疾患(尿路結石、尿路感染症)(内科研修中に泌尿器科で)

妊娠分娩と生殖器疾患

(18)妊娠分娩(正常妊娠、流産、早産、正常分娩、産科出血、乳腺炎、産褥)(産婦人科)

(19)男性生殖器疾患(前立腺疾患、勃起障害、精巣腫瘍) (内科研修中に泌尿器科で)

内分泌・栄養・代謝系疾患

(20)高脂血症 (内科)

眼・視覚系疾患

(21)屈折異常(近視、遠視、乱視) (内科研修中に眼科で)

(22)角結膜炎 (内科研修中に眼科で)

(23)白内障 (内科研修中に眼科で)

(24)緑内障 (内科研修中に眼科で)

耳鼻・咽喉・口腔系疾患

(25)中耳炎 (内科研修中に耳鼻科で)

(26)アレルギー性鼻炎 (内科研修中に耳鼻咽喉科で)

精神・神経系疾患

(27)身体表現性障害、ストレス関連障害 (内科、精神科)

感染症

(28)ウイルス感染症(インフルエンザ、麻疹、風疹、水痘、ヘルペス、流行性耳下腺炎)(内科)

(29)細菌感染症(ブドウ球菌、MRSA、A群レンサ球菌、クラミジア)(内科、外科)

(30)結核 (内科)

免疫・アレルギー疾患

(31)関節リウマチ (内科)

(32)アレルギー疾患 (内科)

物理・化学的因子による疾患

(33)熱傷 (救急科、外科)

小児疾患

(34)小児けいれん性疾患 (小児科)

(35)小児ウイルス感染症(麻疹、流行注耳下腺炎、水痘、突発陛発疹、インフルエンザ) (小児科)

(36)小児喘息 (小児科)

加齢と老化

(37)高齢者の栄養摂取障害 (内科)

(38)老年症候群(誤嚥、転倒、失禁、褥創) (内科、皮膚科)

その他(40項目)

血液・造血器・リンパ網内系疾患

(1)白血病 (内科)

(2) 悪性リンパ腫 (内科)

(3) 出血傾向・紫斑病(播種性血管内凝固症候群:DIC) (内科)

神経系疾患

(4) 認知症疾患 (内科)

(5) 脳・脊髄外傷(頭部外傷、急性硬膜外・硬膜下血腫)(麻酔科、救急科、整形外科、脳外科)

(6)変性疾患(パーキンソン病) (内科、神経内科)

(7)脳炎・髄膜炎 (内科、神経内科)

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皮膚系疾患

(8)薬疹 (内科研修中に皮膚科で)

循環器系疾患

(9)心筋症 (内科)

(10)弁膜症(僧帽弁膜症、大動脈弁膜症) (内科)

(11)静脈・リンパ管疾患(深部静脈血栓症、下肢静脈瘤、リンパ浮腫)(外科、内科)

呼吸器系疾患

(12)肺循環障害(肺塞栓・肺梗塞) (内科)

(13)異常呼吸(過換気症候群) (内科)

(14)胸膜、縦隔、横隔膜疾患(自然気胸、胸膜炎) (内科)

(15)肺癌 (内科)

消化器系疾患

(16)胆嚢・胆管疾患(胆石、胆嚢炎、胆管炎) (内科、外科)

(17)膵臓疾患(急性・慢性膵炎)(内科)

腎・尿路系(体液・電解質バランスを含む。)疾患

(18)原発性糸球体疾患(急性・慢性糸球体腎炎症候群、ネフローゼ症候群) (内科)

(19)全身性疾患による腎障害(糖尿病性腎症) (内科)

妊娠分娩と生殖器疾患

(20)女性生殖器及びその関連疾患(月経異常(無月経を含む。)、不正性器出血、更年期障害、外陰・膣・

骨盤内感染症、骨盤内腫瘍、乳腺腫瘍)(産婦人科)

内分泌・栄養・代謝系疾患

(21)視床下部・下垂体疾患(下垂体機能障害) (内科)

(22)甲状腺疾患(甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症)(内科)

(23)副腎不全 (内科)

(24)蛋白及び核酸代謝異常(高尿酸血症) (内科)

眼・視覚系疾患

(25)糖尿病、高血圧・動脈硬化による眼底変化 (内科研修中に眼科で)

耳鼻・咽喉・口腔系疾患

(26)急性・慢性副鼻腔炎 (内科研修中に耳鼻咽喉科で)

(27)扁桃の急性・慢性炎症性疾患 (内科研修中に耳鼻咽喉科で)

(28)外耳道・鼻腔・咽頭・喉頭・食道の代表的な異物 (内科研修中に耳鼻咽喉科で)

精神・神経系疾患

(29)症状精神病 (精神科)

(30)アルコール依存症 (内科、精神科)

(31)不安障害(パニック症候群) (精神科)

感染症

(32) 真菌感染症(カンジダ症) (内科)

(33) 性感染症 (産婦人科、内科研修中に皮膚科)

(34) 寄生虫疾患 (内科)

免疫・アレルギー疾患

(35) 全身性エリテマトーデスとその合併症 (内科、皮膚科)

物理・科学的因子による疾患

(36) 中毒(アルコール、薬物) (内科、救急科)

(37) アナフィラキシー (救急科、内科)

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(38) 環境要因による疾患(熱中症、寒冷による障害) (救急科)

小児疾患

(39) 小児感染症 (小児科)

(40) 先天性心疾患 (小児科)

C 特定の医療現場の経験

必修項目にある現場の経験とは、各現場における到達目標の項目のうち一つ以上経験すること。

(1)救急医療 (救急部門)

生命や機能的予後に係わる、緊急を要する病態や疾病、外傷に対して適切な対応をするために、

1)バイタルサインの把握ができる。

2)重症度及び緊急度の把握ができる。

3)ショックの診断と治療ができる。

4)二次救命処置(ACLS=Advanced Cardiovascular Life Support、 呼吸・循環管理を含む。)ができ、

一次救命処置(BLS=Basic Life Support)を指導できる。

※ACLSは、バッグ・バルブ・マスク等を使う心肺蘇生法や除細動、気管挿管、薬剤投与等の一定のガイ

ドラインに基づく救命処置を含み、BLS には、気道確保、心臓マッサージ、人工呼吸等機器を使用し

ない処置が含まれる。

5)頻度の高い救急疾患の初期治療ができる。

6)専門医への適切なコンサルテーションができる。

7)大災害時の救急医療体制を理解し、自己の役割を把握できる。

※ 必修項目 救急医療の現場を経験すること

(2)予防医療 (内科、産婦人科、小児科)

予防医療の理念を理解し、地域や臨床の場での実践に参画するために、

1)食事・運動・休養・飲酒・禁煙指導とストレスマネージメントができる。

2)性感染症予防、家族計画を指導できる。

3)地域・産業・学校保健事業に参画できる。

4)予防接種を実施できる。

※ 必修項目 予防医療の現場を経験すること

(3)地域医療 (地域医療)

地域医療を必要とする患者とその家族に対して、全人的に対応するために、

1) 患者が営む日常生活や居住する地域の特性に即した医療(在宅医療を含む)について理解し、実践

する。

2)診療所の役割(病診連携への理解を含む。)について理解し、実践する。

3)へき地・離島医療について理解し、実践する

※ 必修項目 へき地・離島診療所・中小病院・診療所等の地域医療の現場を経験すること

(4)周産・小児・成育医療 (小児科、産婦人科)

周産・小児・成育医療を必要とする患者とその家族に対して、全人的に対応するために、

1)周産期や小児の各発達段階に応じて適切な医療が提供できる。

2)周産期や小児の各発達段階に応じて心理社会的側面への配慮ができる。

3)虐待について説明できる。

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4) 学校、家庭、職場環境に配慮し、地域との連携に参画できる。

5)母子健康手帳を理解し活用できる。

※ 必修項目 周産・小児・成育医療の現場を経験すること

(5)精神保健・医療(精神科)

精神保健・医療を必要とする患者とその家族に対して、全人的に対応するために、

1)精神症状の捉え方の基本を身につける。

2)精神疾患に対する初期的対応と治療の実際を学ぶ。

3)デイケアなどの社会復帰や地域支援体制を理解する。

※ 必修項目 精神保健福祉センター、精神科病院等の精神保健・医療の現場を経験すること

(6)緩和ケア・終末期医療 (内科、外科)

緩和ケアや終末期医療を必要とする患者とその家族に対して、全人的に対応するために、

1)心理社会的側面への配慮ができる。

2)治療の初期段階から基本的な緩和ケア(WHO方式がん疼痛治療法を含む。)ができる。

3)告知をめぐる諸問題への配慮ができる。

4)死生観・宗教観などへの配慮ができる。

※ 必修項目 臨終の立ち会いを経験すること

(7)地域保健

地域保健を必要とする患者とその家族に対して、全人的に対応するために、保健所、介護老人保健施設、社会

福祉施設、赤十字社血液センター、各種検診・健診の実施施設等の地域保健の現場において、

1)保健所の役割(地域保健・健康増進への理解を含む。)について理解し、実践する。

2) 社会福祉施設等の役割について理解し、実践する。

経験目標とレポート提出について

1)各項目の( )内の診療科が研修を担当するが、基本、必修科では対応できない症状、病態、疾患が

含まれているため、それらについては該当する専門科で研修を行う。

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3.内科 (藤元総合病院)

1.一般目標

・全人的医療を心がけ、医学・医療の社会的要求を認識し、あらゆる患者に日常診療で頻繁

に遭遇する病気や病態に適切に対応できるよう、生理的所見と病的所見の鑑別を適切に出

来る幅広い基本的な臨床能力(態度、技能、知識)を身につける。

2.到達目標

Ⅰ 行動目標

1)一般内科診療に必要な基礎知識を述べることができる。

2)必要な医療面接を行うことができる。

3)必要な身体所見を行い、所見を解釈できる。

4)必要な検査を選択し、その結果について解釈できる。

5)治療計画が立てられ、予後について述べることができる。

6)食事療法、運動療法、生活指導、リハビリテーション療法等について理解し、実践で

きる。

7)患者及び家族とのより良い人間関係を確立しようと努める態度を身につける。

8)末期患者を人間的、心理的理解の上にたって、治療し管理する能力を身につける。

9)様々な医療社会事業資源を活用して患者の社会復帰に役立てる能力を身に着ける。

Ⅱ 経験目標

1 基本的診療法

1)頭頸部の診察(視診、触診、聴診、神経所見)

2)胸部の診察(視診、触診、聴診、打診)

3)腹部、背部の診察(視診、触診、聴診、打診)

4)前立腺の触診

5)四肢の診察(視診、触診、神経所見)

6)直腸診

7)皮膚

2 基本検査法

下線のある検査については経験(受け持ち患者の検査として診療に活用すること)し

自ら実施し、結果を解釈できる。

1)血液型判定・交差適合試験

2)12誘導心電図

3)超音波検査

4)動脈血ガス分析

3 基本検査法②

下線のある検査については経験(受け持ち患者の検査として診療に活用すること)し、

検査の適応が判断でき、結果の解釈ができる。

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1)一般尿検査

2)便検査(潜血、虫卵)

3)血算・白血球分画

4)血液生化学的検査

・簡易検査(血糖、電解質、尿素窒素など)

5)血液免疫学的血清検査(免疫細胞検査、アレルギー検査を含む)

6)細菌学的検査・薬剤感受性検査

・検体の採取(痰、尿、血液など)

・簡単な細菌学的検査(グラム染色など)

7)肺機能検査

・スパイロメトリー

8)髄液検査

9)細胞診・病理組織検査

10)内視鏡検査

11)単純X線検査

12)造影X線検査

13)X線CT検査

12)MRI検査

13)核医学検査

14)神経生理学的検査(脳波・筋電図など)

4 基本手技

下線のある手技については自ら行った経験があること。

1)気道確保(用手法、エアウェイ使用、気管内挿管)

2)人工呼吸

3)心マッサージ

4)除細動(AED、DC、薬物投与)

5)圧迫止血法

6)包帯法

7)注射法(皮内、皮下、筋肉、点滴、静脈確保)

8)採血法(静脈血、動脈血)

9)穿刺法(腰椎、胸腔、腹腔)

10)導尿法

11)ドレーン・チューブ類の管理、

12)経鼻胃管の挿入と管理

11)局所麻酔法

5 基本治療法

1)薬物の作用・副作用、相互作用について理解し、薬物治療(抗菌薬、副腎皮質ス

テロイド薬、解熱剤、麻薬、血液製剤を含む)ができる。

2)療養指導(安静度、体位、食事、入浴、排泄、環境整備を含む)ができる。

3)基本的な輸液ができる。

4)輸血(成分輸血を含む)による効果と副作用について理解し、輸血が実施できる。

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6 症例

①頻度の高い症例

下線の症状を経験(自ら診療し、鑑別診断を行うこと)し、レポートを提出する

こと。

全身倦怠感、不眠、体重減少・増加、浮腫、リンパ節腫脹、発疹、黄疸、発熱、

頭痛、めまい、失神、胸痛、動悸、呼吸困難、咳・痰、嘔気・嘔吐、胸焼け、嚥

下困難、腹痛、便通異常(下痢、便秘)、腰痛、関節痛、歩行障害、四肢のしび

れ、血尿、排尿障害(尿失禁・排尿困難)、尿量異常、不安・抑うつ

②経験できる緊急を要する症状・病態

下線の病態は必ず経験(初期治療に参加)すること

心肺停止状態、ショック、意識障害、脳血管障害、急性呼吸不全、急性心不全、

急性冠症候群、急性腹症、急性消化管出血、急性腎不全、急性感染症、急性中毒、

誤飲、誤燕

③その他

下線の疾患については入院患者を受け持ち、診断、検査、治療方針について症

例レポートを提出すること。

波線の疾患については、外来診療又は受け持ち入院患者(合併症を含む)で自

ら経験すること。

1)血液疾患

貧血(鉄欠乏性貧血、悪性貧血)、白血病、悪性リンパ腫、骨髄異形性症候群、

血小板減少性紫斑病

2)神経疾患

脳血管障害(脳梗塞、脳出血)、髄膜炎・脳炎

3)循環器疾患

心不全、虚血性心疾患(急性心筋梗塞、狭心症)、不整脈(心房細動などの主

要な疾患)、動脈疾患(閉鎖性動脈硬化症、大動脈瘤)静脈疾患(深部静脈血

栓症、下肢静脈瘤)、高血圧症

4)皮膚経疾患

湿疹・皮膚炎群(接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎)、蕁麻疹、薬疹、皮膚感染

5)呼吸器疾患

呼吸器感染症(肺炎、気管支炎、上気道炎)、慢性・急性呼吸不全、閉鎖性・

拘束性肺疾患(気管支喘息、気管支拡張症)、肺循環障害(肺塞栓症)、間質性

肺炎、気胸、縦隔腫瘍、肺癌

6)消化器系疾患

食道・胃・十二指腸疾患(食道静脈瘤、胃癌、消化性潰瘍、胃・十二指腸炎)、

小腸・大腸疾患(イレウス、急性虫垂炎)、胆嚢・胆管疾(胆石、胆嚢炎、胆

管炎)、肝疾患(ウイルス性肝炎、急性・慢性肝炎、肝硬変、肝癌、アルコー

ル性肝障害、薬物性肝障害)膵臓疾患(急性・慢性膵炎)、横隔膜・腹壁・腹

膜(腹膜炎、急性腹症、ヘルニア)

7)腎臓系疾患

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急性・慢性腎不全、慢性腎炎、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症、尿路結石、

尿路感染症

8)内分泌系代謝疾患

糖代謝異常(糖尿病、糖尿病の合併症、低血糖)、甲状腺機能亢進症・低下症、

甲状腺腫瘍、副甲状腺機能亢進症、副腎不全、高脂血症、高尿酸血症、乳癌

9)感染症

ウイルス感染症(インフルエンザ、麻疹、風疹、水痘、ヘルペス、流行性耳下

腺炎)、細菌感染症(ブドウ球菌、MRSA、A群レンサ球菌、クラミジア)、

結核、真菌感染症(カンジダ症)、性感染症、寄生虫疾患

9)リウマチ・膠原病

関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、アレルギー疾患

10)その他

高齢者の栄養摂取障害、老年症候群(誤嚥、転倒、失禁、褥瘡)、緩和医療(乳

癌、消化器癌、肺癌など)、薬物・農薬中毒、熱中症、予防接種(HBワクチ

ンなど)、感染症(HIV等)

7 文章記録

適切に文章を作成し、管理できる。

1)診療録等の医療記録

2)処方箋、指示箋

3)診断書、検案書その他の証明書

4)紹介状とその返事

8 診療計画・評価

総合的に問題点を分析・判断し、評価ができる。

1)必要な情報収集(文献検索を含む)

2)診療計画の作成・変更

3)入退院の判定

4)症例提示・要約

5)剖検

9 緩和・終末期医療(臨終の立ち会いを経験すること)

緩和ケアや終末期医療を必要とする患者とその家族に対して、全人的に対応するた

めに、

1)心理社会的側面への配慮ができる。

2)治療の初期段階から基本的な緩和ケア(WHO方式がん疼痛治療を含む。)が

できる。

3)告知をめぐる諸問題への配慮ができる。

4)死生観・宗教観などへの配慮ができる。

10 患者・家族との関係

1)患者への接し方を含む、適切なコミュニケーションができる

2)患者、家族のニーズの把握ができる。

3)栄養と運動、環境在宅療養等を含む生活指導ができる。

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4)心理的側面の把握と指導ができる

5)インフォームドコンセントができる。

11 医療メンバー

様々な医療従事者と協調・協力し、的確に情報を交換して問題に対処できる。

1)指導医・専門医のコンサルタント、指導を受ける

2)他科、他施設へ紹介・転送する

3)幅広いスタッフについて、チーム医療を率先して組織し、実践する。

12 医療の社会的側面

医療の社会的側面に対応できる

1)保険医療法規・制度

2)医療保険、公費負担医療

3)社会福祉

4)在宅医療、社会復帰

5)地域保健・健康増進(保健所機能への理解を含む)

6)医の倫理・生命の倫理

7)医療事故

8)麻薬の取扱

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4.外科 (藤元総合病院)

1:一般目標

・外科診断・治療に関する基礎的かつ必須の知識、技術、倫理を確実に習得する。

・他科・他職種との連携について研修し、チーム医療としての外科医の役割を理解する。

2:到達目標

Ⅰ 行動目標

1)臨床医としての基本的な診療に必要な知識・技能・態度を身につける。

2)外科医としての基本的な手技を理解し、自ら実施できるようにする。

3)患者の身体的・心理的・社会的ニーズを把握し、その病態を速やかに判断し、

検査計画を立てるとともに、手術適応を含めた治療方針を決定し、説明・指導する能

力を身につける。

4)患者及び家族とのより良い人間関係を確立しようと努める態度を身につける。

5)チーム医療において、他の医療メンバーと協調し協力する習慣を身につける。

6)指導医・他科または他施設に委ねるべき問題がある場合に適切に判断し、必要な記録

を添えて紹介・転送することができる。

7)末期患者を人間的、心理的理解の上にたって、治療し管理する能力を身につける。

Ⅱ 経験目標

1 基本的診療法

1)コミュニケーションの持つ意義を理解し、コミュニケーションスキルを身につけ、

受診動機を把握できる。

2)病歴の聴取と記載ができる。

3)全身の観察

(バイタルサイン、精神状態、皮膚の状態、表在リンパ節の観察を含む)

4)頭頸部の診察

(外耳道、鼻腔、口腔、咽喉の観察、甲状腺の触診を含む)

5)胸部の診察

(乳房の観察を含む)

6)腹部の診察

(直腸診を含む)

2 基本検査法

下線のある検査については経験(受け持ち患者の検査として診療に活用すること)し

自ら実施し、結果を解釈できる。

1)血液型判定・交差適合試験

2)心電図(12誘導)、負荷心電図

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3)動脈血ガス分析

4)超音波検査

3 基本検査法②

下線のある検査については経験(受け持ち患者の検査として診療に活用すること)し、

検査の適応が判断でき、結果の解釈ができる。

1)一般尿検査

2)便検査(潜血、虫卵)

3)血算・白血球分画

4)血液生化学的検査

・簡易検査(血糖、電解質、尿素窒素など)

5)血液免疫学的血清検査(免疫細胞検査、アレルギー検査を含む)

6)細菌学的検査・薬剤感受性検査

・検体の採取(痰、尿、血液など)

・簡単な細菌学的検査(グラム染色など)

7)肺機能検査

・スパイロメトリー

8)髄液検査

9)細胞診・病理組織検査

10)内視鏡検査

11)単純X線検査

12)造影X線検査

13)X線CT検査

12)MRI検査

13)核医学検査

14)神経生理学的検査(脳波・筋電図など)

4 基本手技

下線のある手技については自ら行った経験があること。

1)気道確保

2)人工呼吸

3)心マッサージ

3)圧迫止血法

4)包帯法

5)注射法(皮内、皮下、筋肉、点滴、静脈確保)

6)採血法(静脈血、動脈血)

7)穿刺法(腰椎、胸腔、腹腔)

8)導尿法

9)ドレーン・チューブ類の管理、

10)胃管の挿入と管理

11)局所麻酔法

12)創部消毒とガーゼ交換を実施できる。

13)簡単な切開・排膿を実施できる

14)皮膚縫合法を実施できる

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15)軽度の外傷・熱傷の処置を実施できる。

16)気管内挿管を実施できる

17)除細動を実施できる

5 基本治療法

1)薬物の作用・副作用、相互作用について理解し、薬物治療(抗菌薬、副腎皮質ス

テロイド薬、解熱剤、麻薬、血液製剤を含む)ができる。

2)療養指導(安静度、体位、食事、入浴、排泄、環境整備を含む)ができる。

3)基本的な輸液ができる。

4)輸血(成分輸血を含む)による効果と副作用について理解し、輸血が実施できる。

6 症例

①頻度の高い症例

下線の症状を経験(自ら診療し、鑑別診断を行うこと)し、レポートを提出する

こと。

全身倦怠感、不眠、体重減少・増加、浮腫、リンパ節腫脹、発疹、黄疸、発熱、

頭痛、めまい、失神、視力障害・視野狭窄、結膜の充血、胸痛、動悸、呼吸困難、

咳・痰、嘔気・嘔吐、胸焼け、嚥下困難、腹痛、便通異常(下痢、便秘)、腰痛、

関節痛、歩行障害、四肢のしびれ、血尿、排尿障害(尿失禁・排尿困難)、尿量

異常、不安・抑うつ

②経験できる緊急を要する症状・病態

下線の病態は必ず経験(初期治療に参加)すること

心肺停止状態、ショック、意識障害、脳血管障害、急性呼吸不全、急性心不全、

急性冠症候群、急性腹症、急性消化管出血、急性腎不全、急性感染症、外傷、急

性中毒、誤飲、誤燕

③その他

*外科症例(手術を含む)を1例以上受け持ち、診断、検査、術後管理等につい

て症例レポートを提出すること。

下線の疾患については入院患者を受け持ち、診断、検査、治療方針について症

例レポートを提出すること。

波線の疾患については、外来診療又は受け持ち入院患者(合併症を含む)で自

ら経験すること。

1)血液系疾患

貧血(鉄欠乏性貧血、悪性貧血)、白血病、悪性リンパ腫、骨髄異形性症候群、

血小板減少性紫斑病

2)神経系疾患

脳血管障害(脳梗塞、脳出血)、髄膜炎・脳炎

3)皮膚系経疾患

湿疹・皮膚炎群(接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎)、蕁麻疹、薬疹、皮膚感染

4)運動器(筋骨格)系疾患

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骨折、関節・靱帯の損傷及び障害、骨粗鬆症、脊柱障害(腰椎看板ヘルニア)

5)循環器系疾患

心不全、虚血性心疾患(急性心筋梗塞、狭心症)、不整脈(心房細動などの主

要な疾患)、動脈疾患(閉鎖性動脈硬化症、大動脈瘤)静脈疾患(深部静脈血

栓症、下肢静脈瘤)、高血圧症

6)呼吸器系疾患

呼吸器感染症(肺炎、気管支炎、上気道炎)、慢性・急性呼吸不全、閉鎖性・

拘束性肺疾患(気管支喘息、気管支拡張症)、肺循環障害(廃塞栓症)、間質性

肺炎、気胸、縦隔腫瘍、肺癌

7)消化器系疾患

食道・胃・十二指腸疾患(食道静脈瘤、胃癌、消化性潰瘍、胃・十二指腸炎)、

小腸・大腸疾患(イレウス、急性虫垂炎)、胆嚢・胆管疾(胆石、胆嚢炎、胆

管炎)、肝疾患(ウイルス性肝炎、急性・慢性肝炎、肝硬変、肝癌、アルコー

ル性肝障害、薬物性肝障害)膵臓疾患(急性・慢性膵炎)、横隔膜・腹壁・腹

膜(腹膜炎、急性腹症、ヘルニア)

8)リウマチ・膠原病

関節リウマチ、全身性エリテマトーデス

9)その他

熱傷、高齢者の栄養摂取障害、老年症候群(誤嚥、転倒、失禁、褥瘡)、緩和

医療(乳癌、消化器癌、肺癌など)

6 文章記録

適切に文章を作成し、管理できる。

1)診療録等の医療記録

2)処方箋、指示箋

3)診断書、検案書その他の証明書

4)紹介状とその返事

7 診療計画・評価

総合的に問題点を分析・判断し、評価ができる。

1)必要な情報収集(文献検索を含む)

2)診療計画の作成・変更

3)入退院の判定

4)症例提示・要約

5)倍検

8 緩和・終末期医療(臨終の立ち会いを経験すること)

緩和ケアや終末期医療を必要とする患者とその家族に対して、全人的に対応するた

めに、

1)心理社会的側面への配慮ができる。

2)治療の初期段階から基本的な緩和ケア(WHO方式がん疼痛治療を含む。)が

できる。

3)告知をめぐる諸問題への配慮ができる。

4)死生観・宗教観などへの配慮ができる。

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9 患者・家族との関係

1)患者への接し方を含む、適切なコミュニケーションができる

2)患者、家族のニーズの把握ができる。

3)栄養と運動、環境在宅療養等を含む生活指導ができる。

4)心理的側面の把握と指導ができる

5)インフォームドコンセントができる。

10 医療メンバー

他の医療従事者と協調・協力し、的確に情報を交換して問題に対処できる。

1)指導医・専門医のコンサルタント、指導を受ける

2)他科、他施設へ紹介・転送する

3)幅広いスタッフについて、チーム医療を率先して組織し、実践する。

11 医療の社会的側面

医療の社会的側面に対応できる

1)保険医療法規・制度

2)医療保険、公費負担医療

3)社会福祉

4)在宅医療、社会復帰

5)地域保健・健康増進(保健所機能への理解を含む)

6)医の倫理・生命の倫理

7)医療事故

8)麻薬の取扱

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5.産婦人科 (鹿児島大学医学部・歯学部付属病院,野田産婦人科医院)

Ⅰ.一般目標

・医師として、産婦人科疾患の専門的知識を習得し、正確な診断、治療を行う。

・妊娠の母体・分娩・新生児の管理と婦人科や生殖内分泌で必要な診断・手技を習得する。

・産科・婦人科緊急に際しての必要な技術を習得する。

Ⅱ.行動目標

1.産婦人科診療に必要な基本的態度・技能

1)妊娠、分娩、産褥の生理、胎児の分化と発育、新生児の生理、不妊、内分泌異常の

病態を理解し述べることができる。

2)視診、外陰部の診察、膣鏡診、触診(双合診、内診、Leopold 触診法)、膣直腸診

を身につける。

3)超音波検査法、膣分泌物検査法、分娩監視装置による検査法、新生児モニター、C

T検査、MRI検査、細胞診、コルポスコピー、組織診などの産婦人科一般検査を

実施し、判定結果を評価できる。

4)良性疾患の診断、治療を行う。

5)婦人科緊急疾患への対策を学ぶ。

2.母体・胎児管理

1)妊婦健診において、エコーによる胎児推定体重、胎盤位置、羊水量などを評価でき、

正常妊婦の診断と経過観察ができる。

2)胎児心拍モニタリングを行い、評価できる。

3)ハイリスク妊婦の母体管理を行う。ハイリスクを評価し、必要に応じて関係各科と

連携をとることができる。

4)母体搬送例を中心とした産科救急への対応を学ぶ。

3.新生児管理

1)新生児診察を身につける

2)正常新生児の取扱い、基本的技能を修得する。

3)新生児蘇生の方法と理論を研修する。

4)新生児管理に必要な基本的技能、点滴路確保、輸送及び輸血療法、気管内挿管、人

工換気療法、新生児黄疸対策等を学ぶ。

5)血液ガス、電解質、血中ビリルビン値測定、CRP測定、新生児スクーニング検査

などの新生児医療のルーチン検査を修得する。

6)モニター、人工呼吸器、輸送ポンプ等の機器の保守点検を行う。

4.生育医療の現場

1)患者とその家族に対して、全人的に対応するために、周産期の各発達段階に応じて

心理社会的側面への配慮ができ、かつ適切な医療提供ができる。

2)母子健康手帳を理解し、活用できる。

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Ⅲ.経験しなければならない疾患

1)妊婦分娩(正常妊娠、流産、早産、正常分娩、産科出血、乳腺炎、産褥)

2)女性生殖器及びその関連疾患(無月経を含む月経異常、不正性器出血、思春期・更

年期障害、外陰・膣・骨盤内感染症、骨盤内腫瘍)

3)新生児疾患(新生児呼吸管理、循環管理、栄養管理等の全身管理を行なう)

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6.救急研修

(藤元総合病院、都城市郡医師会病院、鹿児島市医師会病院)

Ⅰ.一般目標

・生命や機能的予後に係わる、緊急を要する病態や疾病、外傷に対しての知識と技術を習得

し、医師としての適切な初期診療と専門医へのコンサルテーションを行う能力を身につけ

る。

Ⅱ:到達目標

1.行動目標

1)バイタルサインや全身外観から迅速に緊急度を評価し、行動を開始できる。

2)重症度の高い患者への必要な医療面接・身体診察を行いながら処置や検査の指示を並

行して行うことができる。

3)心肺停止時には BLS,ACLS に、多発外傷患者には JTEC に沿った診療ができる。

4)蕁麻疹、気管支喘息、過呼吸器症候群、尿路感染症、尿路結石、急性腹症、熱傷、急

性中毒、骨折、意識障害、ショック、心肺停止、呼吸停止など頻度の高い救急の主な

疾患・病態の初期治療について研修しその初期治療や流れを理解できる。

5)救急患者及び家族との良好なコミュニケーションがとれる。

※救急研修でまず大事なことは、BLS、ACLS の履修である。藤元総合病院では、AHA

ガイドラインに基づいた BLS、ACLS を日本循環器学会九州支部のコースで完全に履

修することを義務化している。

また、内科救急については、日本内科学会の内科救急指針に基づいた救急処置を完全に

履修することを義務化している。

2.経験目標

① 経験すべき検査・手技

1)救急診療に必要な検査

①必要な検査(検体、画像、心電図)が指示できる。

②緊急性の高い異常検査所見を指摘できる。

② 経験しなければならない手技

1)気道確保

2)気管挿管

3)人工呼吸

4)心マッサージ(胸部圧迫)

5)除細動(AED を含む)

6)注射法(皮下・筋肉内・末梢静脈・中心静脈を含む)

7)緊急薬剤(心血管作動薬、抗不整脈薬、抗痙攣薬等)の使用

8)採血法(動脈・静脈)

9)導尿法

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10)穿刺法(腰椎、胸腔、腹腔)

11)胃管の挿入、管理

12)圧迫止血法

13)局所麻酔法

14)皮膚縫合法

15)創部消毒とガーゼ交換

16)外傷・熱傷の処置

17)包帯法

18)ドレーン・チューブ類の管理

19)緊急輸血

③ 経験しなければならない病状・病態・疾患

1.頻度の高い症状

*下線の症状を経験(自ら診療し、鑑別診断を行うこと)し、レポートを提出する

こと。

1)全身倦怠感

2)不眠

3)食欲不振

4)体重減少、体重増加

5)浮腫

6)リンパ節腫脹

7)発疹

8)黄疸

9)発熱

10)頭痛

11)めまい

12)失神

13)けいれん発作

14)視力障害、視野狭窄

15)結膜の充血

16)聴覚障害

17)鼻出血

18)嗄声

19)胸痛

20)動悸

21)呼吸困難

22)咳・痰

23)嘔気・嘔吐

24)胸やけ

25)嚥下困難

26)腹痛

27)便通異常(下痢、便秘)

28)腰痛

29)関節痛

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30)歩行障害

31)四肢のしびれ

32)血尿

33)排尿障害(尿失禁・排尿困難)

34)尿量異常

35)不安・抑うつ

2.緊急を要する症状・病態

*下線の病態を経験(初期治療に参加すること)

1)心肺停止状態

2)ショック

3)意識障害

4)脳血管障害

5)急性呼吸不全

6)急性心不全

7)急性冠症候群

8)急性腹症

9)急性消化管出血

10)急性腎不全

11)流・早産及び満期産

12)急性感染症

13)外傷

14)急性中毒

15)誤飲、誤燕

16)熱傷

17)精神科領域の救急

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7.小児科 (鹿児島市立病院)

1. 一般目標

・成長発達により日々変化する小児の特性や小児疾患の特異性と治療の特徴を理解し、患者

及びその両親、家族と良好な人間関係を築き、スムーズに診療が行える力を身につける。

・小児の保健医療を扱う医師として必要な基本的知識、技能、態度を習得する

2.行動目標

1)正常小児の成長発達について理解し、異常を指摘することができる。

また、母子手帳を理解し、出生時の状態、発達成長の過程などを読み取ることができる。

2)家族や疾児から主訴、現病歴、既往症、家族歴、発達成長歴、ワクチン歴などを聴取し、

系統的かつ速やかに問診及びカルテに記載できる。

3)視診、聴診、触診、打診による診察の仕方、神経学的所見の取り方等小児の基本的身体

診療法ができる。

4)小児における検査(検尿、末梢血液検査、血液生科学検査、便検査、穿刺液検査(髄液、

胸水)、血液ガス分析検査、骨髄検査、単純 X 線検査、超音波検査(心臓、腹部)、CT

スキャン及びMRI 検査)、処置、治療を理解する。

5)採血、静脈ルートの確保ができる。

6)予防接種の種類、接種時期、接種方法などについて理解し、実践できる。

7)安全に配慮しながらワクチン接種ができる。

8)ツベルクリン反応の皮内テスト及び判定ができる。

9)胸部、腹部などの X 線写真において、よく見かける異常所見を指摘することができる。

10)新生児の血糖、ビリルビン値を測定し、的確な指示が出せる。

11)指導医、上級医師に的確なタイミングで相談する。

12)小児に対してその年令にあった対応ができる。

13)疾児の家族に対し思いやりを持った態度で接する。

14)よく遭遇する小児疾患ついての病態整理、臨床症状、検査所見、治療法などについての

理解をし、治療計画を立てることができる。

(1)・呼吸器感染症:気管支炎、肺炎、上気道炎等

・消化器感染症:感染性胃腸炎等

・中耳炎

・尿路感染症

・ウイルス感染症:麻疹、流行性耳下線炎、水痘、突発性発疹症、インフルエンザ

・中枢神経感染症:髄膜炎、脳炎等

(2)喘息の程度に応じた治療法、生活管理法を習得する。

(3)熱性けいれん、無熱性けいれんの初期治療及び抗けいれん剤の使用法を習得する。

(4)小児の輸液管理についてその特性を理解し、それぞれの年令、体重に合った水分管

理ができる。

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(5)小児の体重あるいは体表面積に応じた小児薬用量、用法を理解し、処方できる。ま

た、副作用を理解し対処できる。

(6)その他

・先天異常及び染色体異常

・先天性心疾患

・血液、腫瘍:貧血、悪性リンパ腫、白血病、出血性疾患等

・腎疾患:慢性腎炎、ネフローゼ症候群、溶連菌感染後急性糸球体腎炎等

・免疫、アレルギー性疾患:川崎病、SLE など

・内分泌、代謝性疾患:糖尿病、下垂体疾患、甲状腺疾患等

15)バイタルサインの把握、重傷及び緊急度の把握、一次救命処置、二次救命処置

など、小児救急医療について理解し、習得する。

また、アナフィラキーショック、異物誤飲・誤燕の対処についても習得する。

16)経験しなければならない症例

下線の症例については外来診療又は受け持ち入院患者(合併症を含む)で自

ら経験すること。

1)小児科けいれん性疾患

2)小児ウイルス感染症

(麻疹、流行性耳下腺炎、水痘、突発性麻疹、インフルエンザ)

3)小児細菌感染症

4)小児喘息

5)先天性心疾患

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8.精神科 (藤元病院)

1. 一般目標

・精神医学の分野における、面接技法、症候学、診断学、薬物療法、精神療法、精神保健福

祉法、社会復帰資源等に関する基礎知識を習得し、身体的、社会的、心理的側面から、患

者を理解し基礎的な診断、治療が行える。

2. 行動・経験目標

1) 患者の人格・人権を尊重し、患者、家族との適切な関係に配慮しながら、主訴、生活

史、既往歴、現病歴、家族歴等を聴取し、患者の状態を正確に把握して、専門的な記

述が行える。

2) 患者の、家族また周辺の状況などから正確な情報を取り出し、記述することができる。

3) 精神症状を呈する患者さまの特に初期に必要な検査(頭部 CT、MRI,脳波等)の種類

と主要な所見について理解し、検査計画を立てる。

4) 精神科診断(ICD-10、DSM-Ⅳ)に基づいて、代表的な精神疾患を診断することが

できるか、少なくとも精神科医へ適切な相談ができる。

(1) 外因性(脳器質性、症状性、中毒性)精神疾患と心因性及び内因性精神疾患と

の判別ができる。

(2) 主要な精神状態像、特に抑うつ、心気、不安、せん妄、痴呆状態の把握ができ

る。

5) 基本的な治療(薬物、精神療法)を理解し、エビデンスに基づいて代表的な精神疾患

の初歩的な薬物療法ができる。

6) 精神保健福祉法を理解し、適切な入院形態、手続きを学ぶ

7) 患者さまの基本的権利を理解し、患者さまと家族へ説明することができる。

8) 社会復帰の際の社会資源や相談機能について理解し活用することができる。

9) 疾患

下線のある症例については、実際に入院患者を受け持ち、診断、検査、治療方法に

ついて症例レポートを作成する。

(1) 症状精神病

(2) 認知症(血管性認知症を含む)

(3) アルコール依存症

(4) 気分障害(うつ病、躁うつ病を含む)

(5) 統合失調症(精神分裂病)

(6) 不安障害(パニック症候群)

(7) 身体表現性障害、ストレス関連障害

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9. 地域医療 (医療法人圭朋会鮫島クリニック・医療法人秀聖会山下クリニック・医療法人共生会びろうの

樹脳神経外科・医療法人牧瀬内科クリニック)

1. 研修目標

・地域医療における、患者や家族のかかえる問題に多角的な対応ができる、知識と技術を

習得する。

・プライマリケア、家庭医に必要な知識・技能・態度が何かを知る。

2. 到達目標

1)地域医療における医院、診療所の役割を理解し、述べることができる。

2)診療所での医療の実際を理解し、実践する。

3)医療の地域医療における病院と診療所の病診連携を理解し、述べることができる。病

院への患者紹介や、病院からの受け入れを的確に行うことができる。

4)診療所の関わる各職種を理解し、チーム医療を実践できる。また、各職種と的確な情

報交換や協力を行うことができる。

5)診療所が担うべき地域保健・健康増進活動を理解し、実践することができる。

6)鹿児島県曽於郡,志布志市の診療所,北諸県郡でへき地医療を実践・経験する。

7)在宅医療を経験し、在宅患者の病状と QOLを理解する。

8)医療と介護の制度について理解し、実践する。

3. 研修の方策

・下記連携施設において、各1週間毎ローテーションで1ヶ月の実習により習得する。

医療法人圭朋会鮫島クリニック 医療法人秀聖会山下クリニック

医療法人共生会びろうの樹脳神経外科 医療法人牧瀬内科クリニック

4. 評価

・各連携施設の指導医による評価を、プログラム管理者が集約し、総合評価として EPOC

へ入力する。

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10.神経内科 (藤元総合病院)

神経内科は、脳、脊髄、末梢神経、筋肉の病気を対象とする科であり、全身の診察から、

どこに異常があるのかを判断し、画像検査、神経生理学的検査、血液検査などの検査所見

を参考にしながら診断治療を行う。

Ⅰ.一般目標

・的確な病歴聴取、神経学的診察法の習得により患者の病態を把握し、診断に対する道筋

を立てられるようにする。

・神経学的救急を含めた神経学的初期治療を習得する。

・脳CTや脳MRIの基本的な読影をできるようにする。

・神経内科の common disease(脳梗塞、パーキンソン病、頭痛)の診断、治療をできる

ようにする。

・神経疾患患者の社会的、心理的側面まで配慮して理解し、長期ケアを実践する。

・他科との連携のみならず、他職種の医療従事者との連携をできるようにする。

Ⅱ.行動・経験目標

1.基本的事項

1)病歴を的確に聴取できる。

2)神経学的診察を正確に行える。

3)病歴診断のための検査をオーダーし、その結果を判断できる。

4)脳CTあるいは脳MRIなどの読影により鑑別診断ができる。

5)内服薬、免疫吸着療法、γ-グロブリン大量療法、リハビリなどの

基本的な治療について理解する。

2.経験すべき検査

1)脳CT

2)脳MRI

3)脳MRA

4)頸動脈MRA

5)脳血流シンチ

6)脳波

7)神経伝導検査

8)針筋電図

9)筋生検

10)神経生検

11)脈波

12)髄液検査

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3.経験しなければならない手技

1)髄液穿刺

2)中心静脈穿刺

4.経験しなければならない症状・病態・疾患、頻度の高い症状

①頻度の高い症状

1)意識障害

2)頭痛

3)失神

4)めまい

5)視力障害、視野狭窄

6)認知症

7)運動麻痺

8)歩行障害

9)四肢のしびれ

②緊急を要する症状・病態

1)意識障害

2)脳血管障害

③経験が求められる疾患・病態

1)脳梗塞

2)脳出血

3)アルツハイマー型認知症

4)パーキンソン病

5)多系統萎縮症

6)脳炎

7)髄膜炎

8)片頭痛

9)緊張型頭痛

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11.呼吸器内科 (藤元総合病院)

1.一般目標

・呼吸器疾患に対する基本的な知識・技能・態度を身につけ、適切な診断・治療方法の選

択をすることができる。

・呼吸器疾患を解剖学的・病理学的・生理学医的に理解する。

・基本実技を安全に行えるようにする。

・患者を人間的、心理的側面まで配慮して理解し、患者やその家族をも含めた良い人間関

係を得る能力を身につける。

・他科との連携のみならず、他職種の医療従事者と連携をできるようにする。

2.行動・経験目標

1.基本的事項

1)病歴を的確に聴取できる。

2)頭部・頸部・腹部、上肢・下肢の基本診療を行う。

3)胸部の聴診所見を正確に聴取し、記述する。

3)必要な検査についての計画や治療についての計画をたてられ、患者やその家族

に対し十分な説明ができる。

4)人工呼吸器及び非侵襲的呼吸器の適応、装着、使用法、条件などに習熟し、患

者やその家族に対し説明ができる。

5)苦痛を伴う症状に対しては、十分な説明と対応を行う。

6)病状説明など患者・家族との話し合いには、指導医・看護師と一体化した医療

チームとして行う。

2.診療に必要な検査

1)喀痰細菌検査・細胞診検査

2)胃液採取

3)動脈血ガス分析

4)胸水穿刺、胸膜生検

5)超音波検査

6)X 線検査

7)CT,MRI 検査

8)呼吸機能検査

9)シンチグラム

10)アレルギー検査

11)睡眠時無呼吸検査

12)気管支鏡検査

3.経験しなければならない手技

1)動脈血ガス採取

2)中心静脈穿刺、カテーテル挿入

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3)胃液採取

4)呼吸機能検査

5)気管支鏡検査,超音波ガイド下気管支鏡検査,局所麻酔下胸腔鏡検査

6)胸水穿刺、胸膜穿刺

7)超音波検査、超音波検査による胸水穿刺のガイド

8)アレルギー検査

4.経験しなければならない症状・病態・疾患

下線の疾患については入院患者を受け持ち、診断、検査、治療方針について症例

レポートを提出すること。

波線の疾患については、外来診療又は受け持ち入院患者(合併症を含む)で自ら

経験すること。

1)呼吸器系疾患

呼吸不全、呼吸器感染症(肺炎、気管支炎、上気道炎)、閉塞性・拘束性肺疾患

(気管支喘息、COPD、間質性肺炎、じん肺)、肺循環障害(肺塞栓症・肺梗塞)、

異常呼吸(過換気症候群)胸膜・縦隔、横隔膜疾患(自然気胸、胸膜炎)、肺癌、

肺腫瘍、悪性胸膜中皮腫、胸腺癌、寄生虫疾患

2)気道感染症疾患

ウイルス感染症(インフルエンザ、麻疹、風疹、水痘、ヘルペス、流行性耳下腺

炎)、細菌感染症(肺炎球菌、ブドウ球菌、MRSA、A群レンサ球菌、クラミ

ジア、レジオネラ)、結核、真菌感染症(アスペルギルス症、カンジダ症)

3)アレルギー疾患

気管支喘息、好酸球性肺炎、過敏性肺炎、ABPA

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12.循環器内科 (藤元総合病院)

1.一般目標

・循環器疾患に対する基本的な知識・技能・態度を身につけ、適切な診断・治療方法の選

択をすることができる。

・循環器疾患を解剖学的・病理学的・生理学医的に理解する。

・基本実技を安全に行えるようにする。

・患者を人間的、心理的側面まで配慮して理解し、患者やその家族をも含めた良い人間関

係を得る能力を身につける。

・他科との連携のみならず、様々な医療従事者との連携をできるようにする。

2.行動・経験目標

1.基本的事項

1)胸痛、息切れ、動悸などの発症状況を聴取できる。

2)部位、性状、持続時間等を把握できる。

3)冠危険因子に関する情報を聴取できる。

4)貧血、黄疸、頸静脈怒張、浮腫、チアノーゼ、静脈炎、静脈瘤などの視診がで

きる。

5)脈拍、浮腫、末梢動脈の触知、鬱血症、静脈炎などの診察ができる。

6)呼吸音、心音、心雑音の聴診ができる。

2.診療に必要な検査

1)X 線診断(胸部 X 線単純撮影、心血管造影、X 線 CT)

2)心電図(標準12誘導心電図、運動負荷心電図、ホルター心電図等)

3)心音・心機図

4)心エコー図(断層心エコー図・M モード,ドプラー法等)

5)カテーテル検査(SG カテーテル検査の実施及び解釈ができる)

6)ABI

7)心臓核医学検査(心筋血流シンチ、心プールシンチ、肺血流シンチ等)

8)MRI

9)高血圧関連検査(眼底検査、腎孟造影、腎・副腎静脈カテーテル検査等)

10)運動負荷吸気ガス分析

3.経験しなければならない症状・病態・疾患

下線の疾患については入院患者を受け持ち、診断、検査、治療方針について症例

レポートを提出すること。

波線の疾患については、外来診療又は受け持ち入院患者(合併症を含む)で自

ら経験すること。

1)高血圧症(本能性、二次性高血圧症)

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2) 狭心症

3)急性心筋梗塞

4)心臓弁膜症

5)心筋症

6)急性心膜炎

7)心筋炎

8)感染症心内膜炎

9)先天性心疾患

10)肺塞栓

11)動脈疾患

12)末梢性静脈疾患、末梢性動脈疾患

13)不整脈

14)心不全

15)失神発作

4.治療法

1)一般的事項

薬物動態・血中濃度、薬物効果・副作用、食事療法、リハビリテーション・

運動療法、手術適応

2)救急処置

心肺蘇生術(気管内挿管)、除細動、心膜穿刺術、一時的心臓ペーシング、

大動脈内バルーンパンピング

3)薬物治療

降圧剤、強心剤、利尿剤、冠拡張剤、抗凝固剤、抗凝血剤・抗血小板剤、

血栓溶解剤、抗不整脈剤、脂質代謝改善剤

4)ペースメーカー植え込み

5)経皮的冠動脈形成術

6)バルーン弁形成術

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13.消化器内科 (藤元総合病院)

1.一般目標

・主要な消化器疾患に対する基本的な知識・技能・態度を身につける。

・急性腹症等の緊急を要する病態に対し、重症度や緊急度を把握し、鑑別診断能力や初期

治療法を学ぶ。

・悪性疾患の患者を人間的、心理的側面まで配慮して理解し、家族をも含めた良い人間関

係を得る能力を身につける。

・検査データ、各種診断レポートの内容が理解でき、重要性を整理し、診断及び治療計画

の立案と治療経過が明らかとなる診療録を作成する能力を身につける。

・他科との連携のみならず、他職種の医療従事者と連携をできるようにする。

2.行動・経験目標

1.基本的診察法

1)腹部の診察(視診、触診、打診、聴診)ができ、正確な記録ができる。

2)消化器疾患に直接関係する所見、直接関係しないかに思える所見につき正確に

把握でき、整理・記録できる。

2.基本的検査法①

血液生化学的検査、血液免疫学的検査、肝機能検査、腫瘍マーカー、ウイルス学

的検査、内分泌学的検査、細菌学的検査、薬剤感受性検査、腹部超音波検査、単

純・造影X線検査、CT・MR検査、核医学検査、内視鏡検査、細胞診・病理組

織検査

3.基本的検査法②

指導医の下に検査を実行できる。

腹部超音波検査、超音波ガイド穿刺・生化、上部消化管造影X線検査、上部消化

管内視鏡検査、腹水の穿刺・採取

4.専門的検査法

指導医が施行する現場を見学し、検査法を理解し、読影力を高める。

下部消化管造影X線検査、下部消化管内視鏡検査、経皮経肝胆造影検査、内視鏡

下生検、超音波内視鏡検査、肝生検

5.基本的治療法

薬剤一般の処方、採血・注射、輸血・IVH手技及びその管理、胃管の挿入と管

理、経腸栄養の手技及びその管理、輸血・血液製剤の使用、抗生物質・抗腫瘍剤

の使用、食事療法の指導、療養指導(安静度、体位、入浴、排泄等)

6.専門的治療法

指導医が施行する現場を見学し、治療法を理解し、術前・術後の管理ができる。

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消化管出血に対する治療、隆起性病変、早期癌に対する治療、膵胆管系に対す

る治療、肝癌に対する治療

7.病態・疾患

1)頻度の高い症状

腹痛を訴える患者、便通異常(下痢、便秘)、食欲不振、体重減少、黄疸、

嘔気・嘔吐、胸やけ

2)緊急を要する症状・病態

急性腹症、消化管出血、ショック、心肺停止

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14.整形外科 (藤元総合病院)

1.一般目標

・患者の社会的、心理的側面まで配慮して理解し、対応できる。

・他科との連携のみならず、他職種の医療従事者と連携をできるようにする。

・病態に応じた適切な検査指示が行える。

・疾患及び身体的部位に応じた画像検査処理を指示し読影ができる。

・整形外科診に必要な身体診察ができる。

2.行動・経験目標

1.基本的事項

1)急性疾患等

・交通事故等外傷、骨折等の初期治療が出来る。

・創傷の局所的処置が的確にできる。

・骨折に伴う症状を知り、重症度の判定や開放骨折の診断ができる。

・神経や血管や筋や腱の損傷の症状を知り、診断ができる

・骨・関節感染症の急性期の症状を知り、判断ができる。

・神経学的診察で麻痺の高位、責任病巣の診断ができる。

2)慢性疾患等

・変性疾患の列挙、その経過、病態を理解する。

・腰痛、関節痛、歩行障害、四肢のしびれなどの症状、病態を理解できる。

・関節リウマチ、変形性関節症、脊椎変性疾患、骨粗鬆症の解釈、X線、MR

I,CT、造影像の検査の評価、鑑別診断、治療方針を立てることができる。

2.経験すべき検査

1)可動域、徒手筋力検査、四肢長、四肢周囲径等の身体測定ができる。

2)神経学的所見がとれ、評価できる。

3)骨・関節の身体的所見がとれ、評価できる。

4)疾患に必要なX線写真の撮影部位と方向が指示できる。

5)診察所見、X線検査などからMRI,CT,シンチグラムなどの指示ができ

る。

3.手技

1)運動系疾患について正確に病歴に記載できる

2)創処置、関節穿刺・注入、局所麻酔などができる。

3)感染予防のための注意、処置ができる。

4.症状、疾患

関節リウマチ、変形性関節症、脊椎変形性疾患、骨折、脱臼、捻挫、打撲、骨軟

部腫瘍、骨粗鬆症腰痛・関節痛他四肢体幹の疼痛、歩行障害、四肢の神経障害、

その他一般的外傷

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15.脳神経外科 (藤元総合病院)

1.一般目標

・外傷、脳血管障害の症例を多く経験し、適切な初期診療ができるようになる。

・病棟での入院患者の管理、病棟での外来対応ができる。

・病態の把握、治療法の選択、説明等を要領よくできるようになる。

・患者の社会的、心理的側面まで配慮して理解し、対応できる。

2.行動・経験目標

1.基本的事項

1)病歴聴取・診察を正確に行え、病態の要点を定めることができ、診療録の記載

が適切に行える。

2)鑑別疾患を挙げ、必要な検査の計画が立てられる。

3)術創評価など病棟での処置が行える。

4)各種診断書を含む書類の記載が適切に行える。

5)他科との連携のみならず、様々な医療従事者との連携をできるようにする。

2.基本的な臨床検査

1)髄液検査

2)単純X線検査

3)CT検査

4)MRI検査

5)核医学検査

3.基本的手技

1)注射法(皮内、皮下、筋肉、点滴、静脈確保、中心静脈確保)

2)採血法(静脈血、動脈血)

3)導尿法

4)ドレーン・チューブ類の管理

5)胃管挿入と管理

6)局所麻酔法

7)創部消毒とガーゼ交換

8)簡単な切開・排膿

4.経験しなければならない症状、病態、疾患

1)頻度の高い症状

頭痛(レポート提出)、めまい(レポート提出)、失神、痙攣発作、嚥下困難、

歩行障害、聴覚障害、尿量異常

2)救急を要する症状・病態

意識障害、脳血管障害、外傷

3)経験が求められる疾患・病態

脳梗塞、脳内出血、クモ膜下出血、頭部外傷、急性硬膜外・硬膜下血腫、下垂

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体機能障害

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16.心臓血管外科 (藤元総合病院)

1.一般目標

・心臓、血管疾患の要因、病態、疫学に関する知識を持つ。

・診断に必要な問診と理学的所見を得て、必要な一般検査、特殊検査を行い、それらの結

果を総合して疾患の病態を把握、診断できる。

・個々の症例に対し、治療法を的確に選択し、安全に実施できる。

・手術適応と手術至適時期の判断ができる。

・手術助手、術者を経験する。

・術後管理を経験する。

・体外循環やIABPなど補助循環の理解と操作ができる。

・人工呼吸管理、心血管作動薬、抗不整脈等の使い分けができる。

・急変時の対応ができる。

・患者の社会的、心理的側面まで配慮して理解し、患者及びその家族に対して病態の把握、

治療法の選択、治療法の効果や合併症、危険性について十分な説明ができる。

2.行動・経験目標

1.基本的事項

1)術前患者診断(胸部X線、心電図、疾患の病態の把握)

2)循環・呼吸管理、創処置、経静脈栄養、内服液等などの術後管理

3)末梢血管疾患の診察、抗凝固薬、血管拡張薬等の内服治療等の外来診療

2.診療に必要な検査

1)ドップラー聴診器による血流測定

2)心臓血管造影法

3)心臓カテーテル法

4)心臓超音波

5)心臓超音波RIアンギオグラフィー

6)血管造影,CT

3.経験しなければならない手技

1)中枢静脈路確保

2)動脈圧路確保

3)末梢血管路確保

4)気道確保

5)気管内挿管

6)胸腔穿刺、心嚢穿刺、ドレナージ

7)開胸・閉胸、人工心肺カニュレーション、下肢静脈瘤抜去術

8)術後管理

9)塞栓除去術

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4.経験しなければならない症状・病態・疾患

1) 頻度の高い症状

①虚血性心疾患

狭心症、急性心筋梗塞、心筋梗塞合併症(心臓破裂、心室中隔穿孔、乳頭

筋断裂)

②弁膜症

大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖性不全症、僧帽弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄

症、三尖弁閉鎖不全症

③大血管疾患

胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤、急性大動脈解離、閉塞性動脈疾患、

大動脈疾患

④末梢血管

閉塞性動脈硬化症、下肢静脈瘤、急性動脈閉塞症

⑤その他

成人先天性心疾患、心臓腫瘍、心膜疾患、不整脈(ペースメーカー植え込

み術)

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17.麻酔科 (藤元総合病院)

1.一般目標

麻酔を理解し、基本的手技の習得を目的とする。また、周術期管理を通じて患者の全身

管理を習得する。

2. 行動・経験目標

1) 術前評価と術前管理を担当する。

2) 麻酔の説明とインフォームドコンセントを経験する。

3) 各種モニターに習熟する。

4) 人工呼吸器を至要できる。

5) 輸液のための血管確保ができる。

6) 喉頭展開ができる。

7) マスク換気ができる

8) 経口気管挿管ができる

9) 胃管の挿入と管理ができる。

10)尿道カテーテルを挿入できる。

11)麻酔維持ができる。

12)腰椎穿刺ができる。

13)硬膜外穿刺ができる。

14)以下の術中管理を理解する。

呼吸、循環、電解質、輸液、体温、臓器保護、偶発合併症の診断と治療・予防

15)麻酔覚醒状態の評価ができる。

16)硬膜外麻酔を中心とした術後疼痛管理ができる。

17)麻酔の指導医及び他科の医師とのコミュニケーションがとれる。

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18.泌尿器科 (藤元総合病院)

1.一般目標

・泌尿器系における疾患、病態を理解し、その診断と適切な初期診療を行う技術を身につ

ける。

・尿路結石の診断をつけられ、基本的治療ができるようになる。

・下部尿路の閉鎖性疾患および水腎症の病態を理解し、治療法の選択ができるようになる。

・神経性膀胱炎の診断と治療法の選択ができるようになる

・泌尿器系悪性腫瘍の症状を理解し、診断手順と治療法の選択について説明できるように

なる。

・患者の問題を医学的のみならず心理的・社会的にもとらえ、患者及び患者の家族と正し

い人間関係を確立しようとする態度をみにつける。

2:行動・経験目標

Ⅰ.行動目標

1)泌尿器系疾患を理解し、病歴の聴取ができる

2)身体的所見の取り方ができる

3)必要な検査の選択ができ、鑑別診断ができる

4)診断から治療ができる

Ⅱ 経験目標

1.経験すべき検査・手技

1)基本的な検査手技及び処置

検尿(尿定性、尿沈査)、動静脈採血、腰椎穿刺、皮内テスト、尿道カテ

ーテル留置、精液検査

2)泌尿器科の検査手技

膀胱尿道鏡検査、膀胱内圧検査、膀胱造影、排泄性腎盂造影、逆行性腎盂造影、

排尿時膀胱造影、尿流残尿測定、尿道内圧測定、精嚢造影、後腹膜気体造影、前

立腺検査、睾丸生検、膀胱腫瘍生検、超音波検査

3)治療法及び手術法

局所麻酔法、消毒法、輸液、輸血、一般薬物療法、癌化学療法、尿道拡張術、陰

茎手術、陰嚢内疾患手術、膀胱切開術、経尿道的前立腺切除術、前立腺 PVP 治

療(レーザー治療)、前立腺がん密封小泉源療法(ブラキセラピー)、ESWL(体

外衝撃波結石破砕術)

4)疾患

尿路結石(腎、尿管、膀胱)、悪性腫瘍(腎、尿道、膀胱、前立腺、陰茎精巣)、

先天異常、前立腺肥大症、神経性膀胱炎、腎不全、尿路性器感染症

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19.耳鼻咽喉科 (藤元総合病院)

1.一般目標

・耳鼻咽喉科における疾患、病態を理解し、その診断と適切な初期診療を行う技術を身に

つける。

・患者の問題を医学的のみならず心理的・社会的にもとらえ、患者及び患者の家族と正し

い人間関係を確立しようとする態度を身につける。

・他の医師スタッフと協調する習慣を身につける。

2:行動・経験目標

Ⅰ.行動目標

1)耳鼻咽喉科の疾患を理解し、病歴の聴取ができる

2)身体的所見の取り方ができる

3)必要な検査の選択ができ、鑑別診断ができる

4)診断から治療ができる

Ⅱ 経験目標

1.経験すべき検査・手技

1)基本的な問診、一般診療

・耳鏡、鼻鏡、上喉頭鏡、咽頭鏡による診察、頸部触診などによる問診や一般

診療

2)基本的な検査

・標準純音聴力検査、中耳機能検査、X線検査平衡機能検査、嗅覚検査、電気

味覚検査、CT,MRI

3)基本的な治療・処置

・鼻処置、鼻出血処置、耳処置、鼓膜切開、上顎洞穿刺洗浄、扁桃周囲膿瘍切

開術などの外科手術、甲状腺穿刺細胞診

4)疾患

・扁桃炎、中耳炎、外耳炎、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、咽頭炎

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20.放射線科 (藤元総合病院)

1.一般目標

・画像診断(主にCT、MRI)の適応を理解し、正常像を理解する。

・代表的疾患を述べられるようにする。

・造影剤の絶対禁忌、原則禁忌である症例の判断を行える。

・造影剤の副作用を知り、対処法を知る。

・患者の問題を医学的のみならず心理的・社会的にもとらえ、患者及び患者の家族と正し

い人間関係を確立しようとする態度を身につける。

・他の医師スタッフと協調する習慣を身につける。

2:行動・経験目標

1 以下の検査法を自ら実施し、代表的疾患における読影法を取得する。

1)CT検査

2)MRI検査

3)一般X線検査

4)一般造影検査

5)血管造影検査

6)核医学検査(PET 検査含む)

7)消化器内視鏡検査(GS、CS、ERCP 他)

2 以下の治療法を自ら実施し、適応を判断できるようにする。

1)放射線治療

2)IVR

3)内視鏡治療

3 経験しなければならない手技

1)CT,MRIの造影剤を確実に注入できる。

2)シンチグラムの注射を確実に行える。

3)ヨード造影剤、Gd造影剤使用禁忌の判断を行える。

4)ヨード造影剤、Gd造影剤の副作用を知り、対処法を理解する。

5)各モダリティーを理解して画像の正常像や、画像診断の基礎を学ぶ。

6)IVR での基本手技を行える。

7)上部消化器内視鏡の挿入・観察を学ぶ

※6),7)は可能であれば実施

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21.宮崎大学医学部附属病院 第一内科

教育施設として認定を受けている学会

日本内科学会、日本循環器学会、日本消化器病学会、日本腎臓学会、日本高血圧学会、日本心臓病学会、

日本消化器内視鏡学会、日本透析医学会

診療科の概要

第一内科は循環器疾患、高血圧、腎臓疾患、消化器疾患と内科の多くの分野の診療を担当しています。

入院・外来患者の診療とともに、心臓カテーテル検査および冠動脈治療、腎生検や血液透析、消化管内視

鏡検査と治療などを行っています。

研修として必修の疾患を経験するには最適で、臓器別ローテーションで研修体制を組んでいます。

研修症例の特徴

第一内科では各グループで以下のような症例を中心に診療を行っています。

循環器グループ:虚血性心疾患、不整脈疾患、急性うっ血性心不全、慢性心不全、心筋症

高血圧グループ:褐色細胞腫、悪性高血圧、腎血管性高血圧、閉塞性動脈硬化症

腎臓グループ:慢性および急性腎不全、慢性糸球体腎炎、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、透析療法

消化器グループ:クローン病及び潰瘍性大腸炎、胃癌、大腸癌、食道癌、消化管出血

研修目標

【一般目標(GIO)】

日常よく遭遇する循環器、消化器、腎臓疾患に対して、病歴をきちんととり、身体所見診察、その後の

基本的な検査のすすめ方、治療方針の立て方、すすめ方について習熟する。

【個別行動目標(SBOs)】

・ 担当患者について、系統的な病歴聴取と身体診察から、鑑別診断を 3~5つ挙げられる。

・ 鑑別診断について「確定診断」と「除外診断」に必要な初期検査を選択できる。

・ 担当患者の全身状態/バイタルサインから、緊急度/重症度を判断できる。

・ 末梢静脈およびルート確保、動脈穿刺が安全に試行できる。

・ 輸液の必要性を判断でき、その際の初期輸液メニューを組むことができる。

・ 状況に応じて、適切な長さと内容で担当患者の症例プレゼンテーションができる。

・ 要点のまとまった毎日の診療録および週間サマリーが遅滞なく記載できる。

・ 毎日の回診で患者との良好なコミュニケーションを図れ、指導医と情報を共有できる。

研修方略

【指導医および指導体制】

患者担当、研修システムにグループ制を導入しています。

1年目の研修医は循環器・高血圧、腎臓、消化器の各グループを1ヶ月ごとにローテートし、合計3ヶ月

の研修を行っています。

2年目の研修医は研修するグループを各自選択することができ、1~2 ヶ月の研修を行います。指導医の体

制は基本的にマンツーマン体制をとっています。

各グループに経験豊富な指導医がそろっており、研修医と密なコミュニケーションをとりながら、毎日充

実した診療を行っています。

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また、毎日夕方にはその日の入院患者、重症患者等に関して病棟医全員でカンファレンスを行っており、

患者の情報と医学知識を可能な限り共有し、より綿密なチーム医療が行えるよう努めています。

【勉強会やカンファレンスなどの研修教育活動】

診療時間内外において論文抄読会や、テーマを決めた勉強会を行っています。

心電図の読み方や腎臓病のレクチャー等行っています。

また、各種学会で受け待った患者さんの症例発表等も行ってもらっています。

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22.宮崎大学医学部附属病院 第二内科

教育施設として認定を受けている学会

日本内科学会、日本消化器病学会、日本血液学会、日本消化器内視鏡学会、日本肝臓学会、日本大腸肛門病

学会、日本癌治療認定医機構、日本臨床腫瘍学会

診療科の概要

消化器(消化管、肝胆膵)、血液、腫瘍を中心に診療しています。消化器内科は、“総合消化器内科”とし

て、全消化管をはじめ、肝・胆・膵にいたるまで広範囲、多数の症例を、血液内科、腫瘍内科は、外来化学

療法から移植医療まで、種々のがん種に対する薬物療法を、いずれも最新のエビデンスに基づき診療を行っ

ています。

臓器横断的な、水、電解質、栄養、重症感染症などの“全身管理”に重点をおいた診療を行っています。

研修症例の特徴

食道・胃・大腸がん、クローン病などの炎症性腸疾患、吐血・下血、吸収不全、急性・慢性肝炎、肝胆膵

がんなど、すべての消化器疾患の診断や治療、白血病・リンパ腫・骨髄腫などの血液腫瘍、原発不明がんの

薬物療法などを担当します。これらの疾患を担当し、診断、治療していく中で、どの分野にも応用可能な、

臨床医として必須な「考え方、知識、技能」が学べます。腹部エコーなどの基本的な手技も習得可能です。

研修目標

【一般目標(GIO)】

・患者・家族との良好な信頼関係をたもち、医療グループの一員としての自覚をもつことができる。

・病歴、診察、各種検査から得られた患者さんの情報を十分検討しながら、エビデンスに基き適切かつ迅

速に診断、治療を実践できる。

【個別行動目標(SBOs)】

・担当症例において系統的に病歴聴取、身体診察を行うとともに、得られた情報をもとに適切な診療計画

をたてられる。

・適切に患者・家族とコミュニケーションをとり上級医と相談しながらそれぞれと信頼関係を確立する。

・注射(筋肉注射、皮下注射、静脈内注射)・採血(静脈、動脈)を安全・清潔に施行できる。

・輸血の基本を理解し一般的な輸液メニューをくむことができる。

・血液製剤や血漿分画製剤による効果と副作用を理解し、適正に使用できる。

・化学療法製剤・分子標的製剤の有効性・作用機序・副作用を理解する。

・化学療法における支持療法の重要性を理解する。

・骨髄検査や表面マーカー・染色体検査について理解を深める

・内視鏡・画像検査の手順・方法論について理解し診断結果を説明できる。担当症例については内視鏡・

超音波検査・処置を自身で経験する。

・症例の問題点や治療方針などの要点を把握しつつ適切にプレゼンテーションを行える。

・POS に従った診療録の記載ならびに退院時サマリーの記載、提出を遅滞なく行える。

研修方略

【指導医および指導体制】

研修医は、3年目以上の医員、および教官とー諸に、3人で診療に当たります。腹痛、発熱、黄疸、吐下血

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時の対処、心電図、胸腹部画像の読影、基本的検査値の解釈、輸液の方針、感染症の考え方、抗生剤の使用

法、全身管理の考え方などを、実際の症例を指導医と一緒に担当していく中で経験し学びます。担当症例は、

診療グループカンファ、回診で検討します。

指導医は皆専門医を取得しており、臨床経験豊富な強者ぞろいです。

【勉強会やカンファレンスなどの研修教育活動】

・週一回のグループ別カンファレンス(血液、消化管、肝臓)で症例の検討を行っています。

・火曜日の医局研究会:抄読会、ミニレクチャー、学会発表の予行、研究進捗状況報告を毎週開催(自由参

加)。

・他科との合同カンファレンス:骨髄病理カンファレンス(病理と合同)、大腸がんキャンサーボード(第

一内科、第一外科、第二外科、放射線科と合同)、HCC カンファレンス(第一外科、第二外科、放射線科

と合同)

・内科合同カンファレンス(一回/月)

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23.宮崎大学医学部附属病院 第三内科

教育施設として認定を受けている学会

日本内科学会認定制度教育病院、日本呼吸器内視鏡学会認定施設、日本神経学会認定教育施設、

日本呼吸器学会認定施設、日本糖尿病学会認定教育施設、日本甲状腺学会認定専門医施設、

日本内分泌学会内分泌代謝科認定教育施設、日本肥満学会認定肥満症専門病院、日本老年医学会認定施設

診療科の概要

第三内科は、神経、呼吸器、内分泌、代謝の内科診療を担っております。

脳血管障害、パーキンソン病、糖尿病、甲状腺疾患、肺癌、COPD や気管支喘息など日常診療でよく遭遇

する疾患と、ALS などの神経難病、先端巨大症などの脳下垂体疾患、特発性間質性肺炎を始めとしたびまん

性肺疾患などの特殊な疾患と非常に幅広い内科をカバーしていることが大きな特徴です。そのため、専門性

のある総合医、総合力のある専門医の育成を目指しています。

研修症例の特徴

初期臨床研修の到達目標で経験すべき疾患の多くを経験できます。

担当症例は慢性的な病態から緊急度や重症度の高い病態まで様々あり、通常の病棟管理だけでなく、緊急

患者の対応や集中治療管理まで幅広く経験できます。

脳卒中、糖尿病性ケトアシドーシス、急性呼吸不全など緊急性の高い症例の経験、ならびに神経変性疾患

の診断と治療、下垂体疾患のホルモン学的検査、肺癌の化学療法など腰を据えて考える症例などを経験する

ことができます。

研修目標

【一般目標(GIO)】

医療チームの中心的役割を担う医師となるために、脳血管障害、パーキンソン病、糖尿病、甲状腺疾患、

肺癌や気管支喘息など日常診療でよく遭遇する疾患と、ALS、先端巨大症や特発性間質性肺炎といった特殊

な疾患や急性呼吸不全、脳卒中、糖尿病性ケトアシドーシスなど緊急性の高い症例を幅広く経験することで、

基本釣な臨床研修を主治医として実践し、臨床医として必要な基本的知識と手技、患者の心理・社会的問題

を理解する姿勢を身につける。

【個別行動目標(SBOs)】

・病歴や神経学的診察所見から、局在診断、病因診断を呈示できる。

・発熱、咳、痰などに対して、初期検査や治療を選択できる。

・進行肺癌に対する化学療法ならびに緩和医療を実践できる。

・甲状腺の触診とエコーを実践し、所見から鑑別疾患を列挙できる。

・自己血糖測定や持続血糖モニタリング(CGM)の情報から血糖管理ができる。

・静脈採血、静脈路確保、動脈採血などの基本手技が施行できる。

・診療録を正確に遅滞なく記載できる。

・担当した症例をまとめ、学会などでプレゼンテーションできる。

・文献検索を行い、科学的根拠に基づいた総合判断ができる。

・患者や家族の心理を理解し、患者の社会的問題を解決できる。

・適切な時期に、必要な医療スタッフに相談することができる。

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研修方略

【指導医および指導体制】

研修医1人に対し常に 4~5人の入院患者を受持研修医として担当します。

診療グループ毎にチーム指導を行っており、最新の EBM に基づいた診療の意思決定過程が習得できるよ

うな臨床教育を心がけています。

週 1回症例検討会を開き、担当症例のより深い理解を行うと共にプレゼンテーションスキルの向上も目指

しています。

【勉強会やカンファレンスなどの研修教育活動】

各診療グループのカンファレンスなどで論文抄読会が行われ、批判的な論文の読み方や論文作成時のポイ

ントなどを上級医が指導しています。

診療の質の向上やプレゼンテーションスキルの向上のため、学会や研究会での症例発表を推奨しています。

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24.宮崎大学医学部附属病院 膠原病・感染症内科

教育施設として認定を受けている学会

日本内科学会認定教育施設、日本感染症学会認定研修施設、日本リウマチ学会教育認定施設、

日本呼吸器学会認定施設、日本臨床検査医学会認定研修施設

診療科の概要

全身をバランス良く診ることのできる内科医を育てることを、当科の最大の目標にしています。

取り扱う疾患群は関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの膠原病、一般病院では診断・加療が困難

な感染症、不明熱、膠原病や感染症に関連した呼吸器疾患などがあり、多岐に渡っています。

院内の各診療科において発生した複雑な感染症については、コンサルテーションを受けています。

感染制御部としては多剤耐性菌のサーベイランスや抗菌薬適正使用の推進を行っています。

関節リウマチに対する関節エコーや呼吸器疾患に対する気管支超音波内視鏡も研修できます。

研究では、宮崎県に多い HTLV-1 感染症を含め、感染症、免疫疾患の病態解明に取り組んでいます。

研修症例の特徴

不明熱の症例を通して、感染症・自己免疫疾患・悪性腫瘍の鑑別法を習得できます。

様々な感染症(真菌、HIV、リケッチア、輸入感染症等)を受け持ったり、敗血症等のコンサルテーショ

ン症例を通して、抗菌薬の適切な使用法が学べます。

重症肺炎や間質性肺炎(膠原病肺)の急性増悪症例を経験することで、呼吸不全の診断・治療法が学べま

す。

膠原病では全身諸臓器に合併症が存在するため、内科医に必要なスキルが自然に身に付きます。

免疫アレルギー疾患や感染症症例では皮膚疾患の合併も多く見られ、その理解が深まります。

ステロイドの使用法や副作用対策も学べます。

研修目標

【一般目標(GIO)】

内科疾患で基本となる病歴聴取、理学所見の取り方は、当科では最重要事項であり、研修期間中にそのス

キルを習得できます。

入院時には診断が確定していない症例も多く、主治医自らが検査計画を立て、診断・治療方針を決定でき

るようになることを目標としています。

そのためには、個々の患者の問題点を抽出し、多くの文献に目を通すことによって、問題解決能力が身に

付くと考えています。

【個別行動目標(SBOs)】

・内科で経験する症状について、「頻度の高い疾患」や「緊急性の高い疾患」を鑑別に挙げられる。

・患者の全身状態・バイタルサインを元に、適切な初期対応ができる。さらには、急変に対処できる。

・医師として必須の手技(静脈ルート確保、動脈穿刺、気道確保等)が実施できる。

・入院患者に対する適正な輸液療法ができる。

・重症患者に対するモニター管理ができる。

・気管支鏡検査を通して、酸素療法や呼吸管理を学ぶ。

・発熱症例を通して、感染症・非感染症の判断ができる。

・関節痛が、内科疾患によるのか整形外科疾患によるのかの鑑別ができる。

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・診療録やコンサルテーション、サマリーの適切な記載ができる。

・症例を通して、他科とのコミュニケーションを円滑に行なうスキルが身に付く。

研修方略

【指導医および指導体制】

当科で扱う疾患は一つの臓器に限られたものではなく、診療科横断的な病態で、かつ様々な病態を呈しま

す。そのため広く全身を診ることが要求され、他科との連携もかかせません。

病歴聴取や身体診察、カルテ(コンサルテーション)の記載を重視するため、指導医には卒後9年目以上

の内科、感染症(ICD)、リウマチ、呼吸器の各専門医を配置しています。指導医と一緒に回診することで診

療姿勢やスキルを学び、入院患者の問題点をディスカッションすることで臨床推論の習得に励んでもらって

います。

「不確実性な疾患に対応できる専門医を作る」を目標に、研修期聞か有意義に過ごせるよう目指しています。

【勉強会やカンファレンスなどの研修教育活動】

病棟カンファレンスでは診療科の医師全員で問題解決に当たっています。この過程で、問題点の抽出力と

プレゼンテーション技術が向上していきます。持ち回りで論文抄読会を行っており、最新の医学情報を共有

しています。

膠原病、感染症の研究会(県内・県外)が頻回に行なわれ、積極的に参加することで、専門領域の理解が

深まるようにしています。

毎月胸部X線読影勉強会(院内)を、隔月で呼吸器疾患症例検討会(院外)を開催しています。

各学会(内科、リウマチ、感染症、呼吸器、検査医学)に積極的に参加するとともに、研修医の先生にも

興味深い症例を受け持ってもらうことで、発表の場を提供しています。

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25.宮崎大学医学部附属病院 精神科

教育施設として認定を受けている学会

日本精神神経学会「精神科専門医制度における研修施設」

日本老年精神医学会「こころと認知症を診断できる病院&施設」

診療科の概要

当診療科における研修は、主要な精神疾患・精神状態像の医学的知識を習得し、他科との連携における精

神科の位置づけを理解することを目的としています。

病棟での臨床研修が主になり、統合失調症、気分障害、認知症といった症例を中心に担当し、外来では初

診患者の予診をとり陪席し、精神症状の診断と治療方針の決定について研修していただきます。

研修症例の特徴

統合失調症、気分障害、認知症、不安障害、身体表現性障害、ストレス関連障害、てんかん、児童・思春

期の精神障害など、急性期から慢性期まで、多<の症例を経験することができます。

一般精神医療のほかに、身体合併症の専門的治療や精神科救急医療など経験できます。

また、当診療科は高度医療総合病院のなかの精神科であり、コンサルテーション・リエゾンによって他科と

の連携をとっており、器質性精神障害、症状性精神障害を経験することができます。

研修目標

【一般目標(GIO)】

・患者、家族との適切なコミュニケーションの技術を身につける。

・チーム医療に必要な技術を身につける。

・精神医療の初歩的な知識を身につける。

・遭遇頻度の高い精神状態を把握し、適切な検査を行い、必要があれば専門医に紹介することができる。

【個別行動目標(SBOs)】

・患者、家族からの病歴聴取、病名告知、疾患・治療法の説明を実践する。

・治療チームのメンバーと適切なコミュニケーションを行い、医療・保健・福祉の幅広い他職種との情報

交換と役割連携ができる。

・基本的な精神医学用語を用い、精神所見をカルテに記載することができる。

・精神医学検査の適用、薬物療法、精神療法について理解する。

・身体合併症を持つ精神疾患症例や、精神症状を呈する身体疾患症例を経験し、基礎的なコンサルテーシ

ョン・リエゾン精神医学を修得する。

研修方略

【指導医および指導体制】

病棟では、指導医(精神保健指定医資格を有する教官)と上級医の指導のもと、副主治医として 6~10 人

程度の患者を受け持ちます。

平日は毎日病棟回診を行い、上級医と担当患者について検討し、精神医学検査の適用や薬物療法について

研修します。また精神療法の場である面談に同席し、指導医・上級医の精神療法を学びます。外来では適宜

初診患者の予診をとり、病歴聴取を行います。指導医の初診に陪席し、外来での初診のアセスメントや今後

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の治療方針の立て方などについて研修します。

毎週月曜日は、精神科病棟の回診があります。受け持ち患者の状況や今後の治療プランなどをコンパクト

にプレゼンテーションし、教授や指導医からの指導・助言を受け、上級医と治療方針について検討します。

【勉強会やカンファレンスなどの研修教育活動】

毎週月曜日の午後に入院退院症例カンファレンスがあります。

症例カンファレンスでは、担当患者について考えられる疾患が浮かび上がるような現病歴、生活歴、精神

科現症、検査結果、鑑別、治療計画、入院後の治療経過についてプレゼンテーションします。

教授や指導医から様々なコメントや質問があり、情報交換も頻繁になされます。自分で直接担当していな

い患者についても報告を聞くことによって多くを学ぶことができます。

毎週金曜日には抄読会・研究発表会があり、最新の知見や総括など学ぶことができます。学会や学外の勉

強会にも積極的に参加してください。

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26.宮崎大学医学部附属病院 小児科

教育施設として認定を受けている学会

日本小児科学会専門医研修施設

診療科の概要

小児科は、未来を担う子どもたちの体と心を育み、守る診療科です。また、小児科は広い領域を扱うとい

う点て大変ですが、それだけやりがいがある科です。

小児科医が目指すものは単に検査値の改善だけではなく、何よりも子どもたちの笑顔です。

また病棟での日々の生活の充実のため保育士さんもわれわれ医療スタッフの一員として頑張っております。

子どもたちの笑顔を絶やさないために、またはそれを取り戻すために、布井教授を筆頭にスタッフをあげ

て日々診療に向き合っています。

研修症例の特徴

総合小児医療を基本としていますが、免疫・感染・膠原病、循環器、血液・腫瘍、腎臓、内分泌・代謝、

神経などの subspecialty をもつスタッフとともに症例の診療に取り組みます。

高度医療、小児救急、プライマリケア、予防医学、小児保健、障害児医療にも積極的に参加できる機会を

設けています。

また、研修医の先生に余裕を持って診療に臨めるように症例数や症例の偏りがないよう配慮しています。

研修目標

【一般目標(GIO)】

小児を診療するのに必要な基礎知識(こどもの特性、小児診療の特性、小児疾患の特性)・技能・態度を修

得する。

【個別行動目標(SBOs)】

・子どもの成長・発達と異常に関する基本的知識を修得する。

・子どもの心身の特性を知り、身体的状態だけでなく心理的状態を考慮した診療態度を身につける。

・子どもや養育者との信頼関係を構築し、訴えに充分耳を傾ける。

・養育者の情報と子どもの観察から病態を推察する『初期印象診断』の経験を蓄積する。

・子どもの年齢と状態に応じた臨機応変な診察を行う。

・診療に際して子どもの協力を得るためのスキルを身につける。

・小児の薬用量、検査値などは成長とともに変化することを理解する。

・小児の採血、血管確保、鎮静法、予防接種、マス・スクリーニングなどの基本的技能を修得する。

・年齢特性を理解した上で鑑別疾患を挙げ、子どもの病態に応じて問題解決する経験を蓄積する。

・子ども特有の疾患、種々の先天異常を経験する。

・頻度の高い疾患については、診断・治療方法について習熟する。

研修方略

【指導医および指導体制】

研修医の先生には病棟患者さんに対してグループ診療の一員として活躍して頂いています。

処置や検査は指導医と on the Job training のスタイルで学んでいきます。また、治療方針決定に至るプロ

セスや養育者へのインフォームドコンセントに参加し、小児科診療の真髄を体験して頂きます。

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小児科全スタッフが研修医の指導に対して積極的に取り組んでいます。

【勉強会やカンファレンスなどの研修教育活動】

火曜日と金曜日の朝に新規入院と退院患者のカンファレンスを行っています。

水曜日と木曜日の朝にはポリクリ学生の発表、もしくは医局員の参加した学会や研究会の報告を行ってい

ます。そして、定期的に医局で県立宮崎病院、県立日南病院、県立延岡病院、国立病院機構都城病院、宮

崎市小児診療所の先生方と Web カンファレンスで情報交換を行っています。更に小児科傾域のコモンディ

ジーズの研修を希望の方は、小児夜間急病センターにおいて数多くの体験できますのでご相談ください。

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27.宮崎大学医学部附属病院 第一外科

教育施設として認定を受けている学会

日本外科学会、日本消化器外科学会、日本消化器病学会、日本乳癌学会、日本肝胆膵外科学会、日本胆道

学会

診療科の概要

宮崎大学第一外科には、大きく分類して、消化器外科、乳腺内分泌外科、小児外科があります。

消化器外科が治療する臓器の内訳は、肝胆膵(肝臓、胆道、眸臓、牌臓)、消化管(食道、胃、十二指腸、

小腸、大腸、肛門)に大きく分類され、それぞれの臓器別に専門医と指導医による術前診断と外科治療(開腹、

鏡視下)を行っております。

また、乳腺内分泌外科では乳腺、甲状腺、副腎などの手術治療を、小児外科は新生児・小児の手術治療を

行っております。

肝胆膵領域では、原発性肝癌、転移性肝癌、胆道癌、膵癌、胆石症、慢性膵炎、胆道拡張症など

消化管領域では、食道癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、消化管間質腫瘍(GIST)、胃食道逆流症、消化管穿孔、

炎症性腸疾患、虫垂炎、肛門疾患(痔核、痔痩)など

乳腺内分泌領域では、乳癌、甲状腺癌、副甲状腺腫瘍など

小児外科領域では、鼠径ヘルニア、臍ヘルニア、虫垂炎、消化管穿孔、イレウス、鎖肛など

他、成人鼠径ヘルニアなど

研修目標

【一般目標(GIO)】

術前・術後管理(全身管理、合併症への対処など)を学習する。

術前・術後検査の手技を習得する。

手術の助手、術者を経験する。

【個別行動目標(SBOs)】

・抗生剤の種類と使い方

・末梢ルート、CV ルートの確保

・胸腔穿刺・ドレナージ

・腹水穿刺・ドレナージ

・超音波検査(腹部・乳腺・頭部)

・胃・大腸内視鏡の前処置、助手、検査

・手洗い・ガウンテクニック、皮膚縫合、はさみの使い方

・開腹・閉腹

・小手術・中手術の助手

・腹腔鏡手術におけるカメラの操作

・個人のやる気に応じて手術の術者(虫垂切除術、ヘルニア根治術、胆嚢摘出術など)

研修方略

【指導医および指導体制】

教官とのマンツーマン指導、または教官、医員と3入体制で指導を受けることができます。

週に1回、臓器別グループのカンファレンスがあり、症例検討を行います。

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ほとんどの教官が外科指導医、消化器外科指導医・専門医の資格を有しており、入院患者の検査、処置、

術前術後管理、手術手技の指導を行っています。

また、学会発表、論文作成の指導も積極的で、研修医の先生たちにも全国学会、地方会で発表してもらっ

ています。

【勉強会やカンファレンスなどの研修教育活動】

週2回の術前術後カンファレンス

週1回の消化管カンファレンス、肝胆膵カンファレンス、入院カンファレンス

2週に1回の抄読会

院内肝胆膵カンファレンス

年に2回のプログレスカンファレンス(大学院生、研究生)

鏡視下手術研修

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28.宮崎大学医学部附属病院 第二外科

教育施設として認定を受けている学会

日本外科学会外科専門医制度修練施設、日本心臓血管外科専門医認定修練基幹施設、

日本呼吸器外科専門医制度認定修練基幹施設、日本呼吸器内視鏡学会専門医制度認定施設、

日本消化器外科学会専門医制度指定修練施設、ステントグラフト実施施設

診療科の概要

わたしたちの科は、心臓血管外科、呼吸器外科、消化器・内分泌外科で構成され、それぞれのグループが一

般診療から高度な医療まで幅広く提供し得る様努力しながら、診療にあたっています。

社会の高齢化に伴い複数の合併症を有する患者さんが多く、多面的アプローチを必要とする今日、全体と

して患者さんを把握することが必要であり、それがシンプルに可能であるのが、わたしたちの科であると自

負しています。

ともに汗を流してみませんか。お待ちしています。

1グループ:呼吸・縦隔・乳腺・食道外科

2グループ:心臓血管外科

3グループ:消化器・内分泌・一般外科

研修症例の特徴

診療領域ごとにグループ診療を行います。そのため、多くの患者さんを担当することになりますが、決し

て研修医まかせにされることはなく、グループ内、およびグループ間の綿密なコミュニケーションにより多

くのことを学ぶことができます。

研修期間中には腹部・心臓超音波検査、中心静脈ルートの確保、リンパ節生検、開腹・開胸操作、または胸

骨正中切開なども経験することもできます。

研修目標

【一般目標(GIO)】

外科傾域における初期診断・治療に必要な基本的検査・外科的処置・手術手技を習得し、かつ、呼吸・循

環を中心とした患者の全身管理の基本技術を習得する。

【個別行動目標(SBOs)】

1.基本的な身体診察

・全身の診察、特に頚部・胸部・腹部・四肢の診察ができ、カルテに記載できる。(特に心音・心雑音・

呼吸音)。

2.基本的な臨床検査

・超音波検査(腹部・心臓)の基本的操作とその評価ができる。

・気管支鏡・消化器内視鏡・消化管造影の基本的手技を学び、ある程度実践できるようになる。

3.基本的外科手技

・気道確保・気管内挿管・人工呼吸・心臓マッサージ・除細動などの周術期見学をし、基本的手技を

学び、必要に応じて行うことができる。

・各種注射法(皮下・皮内・筋肉、静脈)ができ、静脈採血・動脈採血、およびルート確保(末梢静

脈・中心静脈)の手技を学び、実施することができる。

・各種ドレーンの目的や仕組みを理解し、管理することができる。また、胸腔ドレーンなど挿入する

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ことができる。

・清潔・不潔の区別ができ、手洗い・ガウンテクニックができる。

・創部の消毒とガーゼ交換の基本的技術を学び、実施することができる。

・基本的皮膚縫合、手術創部の閉鎖ができる。

4.ICU 管理を学び、カテコラミン類などの薬の目的・作用・副作用を述べることができ、実際に濃度設

定の指示がだせる。

5.チーム医療に参加し、毎日の回診で患者さんとのコミュニケーションがとれるようになる。

6.術前症例検討会において、症例提示ができ、各種術前データの評価・説明、手術適応を述べる。

研修方略

【指導医および指導体制】

担当医が研修医に対してマンツーマンで、熱意をもって指導にあたります。グループ主治医制を採用して

おり、上級医も患者さんをしっかり把握し診療に参加します。所属診療グループ内で全ての医師から指導を

受けることができます。

【勉強会やカンファレンスなどの研修教育活動】

・各グループ毎に全体の術前カンファレンスの前に頻回のプレカンファレンスが行われています。気軽な

気持ちで、質疑応答ができます。

・各グループにおいて、wet ラボ・dry ラボを適宜行ってます。

・各種糸結びや縫合法を実技指導します。

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29.宮崎大学医学部附属病院 整形外科

教育施設として認定を受けている学会

日本整形外科学会、日本リウマチ学会、日本リハビリテーション医学会

診療科の概要

整形外科(運動器科)は、運動器官を構成するすべての組織(骨、軟骨、筋、靭帯、神経など)の疾病・

外傷を対象とし、その病態の解明と治療法の開発および診療を行う専門領域です。その対象は下肢(股、膝、

足、足指)・脊椎・脊髄・骨盤・上肢(肩、肘、手、手指)など広範囲です。

新生児~高齢者まで全ての年齢層が対象になり、治療の必要な患者数が極めて多い診療科です。

当科においては、平成 16 年5月に第3代教授に帖佐悦男教授が就任し約7年が過ぎました。現在、臨床、

教育、研究に精力的な活動をされております。

教室の方針は、地域に根差した医療を目指して、臨床、教育、研究を充実させ、その成果を世界に発信で

きるようにしたいと考え、日々研鎖に励んでおります。

研修症例の特徴

整形外科における治療は、薬物療法、理学療法、運動療法、ブロック注射等の保存療法、手術療法、日常生活

指導など多岐にわたっています。

その中でも、入院加療を行っている症例は、救急外傷(多発・重度外傷)、骨折などの外傷はもちろんのこ

と、変形性関節症などに対して、再生医療としての骨切り術・関節形成術や人工関節置換術または靭帯損傷

に対する靭帯再建や腱板損傷や肩関節脱臼に対する関節鏡視手術、顕微鏡手術を導入した脊椎外科、スポー

ツ選手管理を行うスポーツ整形、手の機能再建や多指症など先天性疾患に対する形成術を中心とした手外科、

骨軟部腫瘍に対する化学療法や再建術、薬物療法から機能再建術まで担う関節リウマチ、小児整形外科、骨

粗鬆症など、研修医はすべての症例を研修することができます。

研修目標

【一般目標(GIO)】

診察・診断・治療を通じて医師としての心構え、患者および家族・スタッフヘの関わり方、疾患に対する取り

組み方などを身につける。整形外科領域については運動器の解剖・機能・重要性を十分理解し、基本的な考え

方、診察方法、診断力を習得する。

【個別行動目標(SBOs)】

・診断に必要な情報が得られるような的確な医療面接ができる。

・指導医のもと整形外科的診察を行いそれぞれの所見について理解できる。

・医療面接、身体所見得られた情報をもとに必要な画像検査および検体検査の判断ができる。

・画像検査および検体検査の結果を説明できる。

・得られた情報から診断を行い、的確にプレゼンテーションできる。

・保存的治療と観血的治療のそれぞれの長所短所を理解できる。

・ギプス固定とその除去ができる。

・観血的治療を行う際には清潔操作を行うことができる。

・基本的な縫合術ができる。

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研修方略

【指導医および指導体制】

当教室は、下肢、脊椎、スポーツ、上肢の4つのグループに分かれ診療を行っております。

研修の指導は、グループによるチーム指導を行います。各グループの指導医は、全員整形外科専門医を取得

しており、数多くの症例を経験しています。後期研修は、原則として大学及び関連施設にて研修することに

よって、幅広い整形外科の知識と技術を待った整形外科専門医を育成し、その後更なる subspecialty 修得の

基礎作りを行います。

【勉強会やカンファレンスなどの研修教育活動】

各グループのカンファレンスは週1回あり、主に術前の症例についての検討が行われます。教室内の全体

のカンファレンスは週2回あります。

術前カンファはそれぞれの症例について、担当医がプレゼンテーションを行い全員で検討して、方針の決

定を行います。術後カンファは手術症例に対して術中術後の経過報告等を行います。

また、学会報告や研究報告について週1回、その内容について全員で協議します。

また、月1回行われる地域連携としての整形外科カンファレンスにおいて、症例報告や教育的レクチャー

の受講を行います。

県内においては宮崎整形外科懇話会・宮崎県スポーツ学会・宮崎リハビリテーション研究会・宮崎リウマ

チ研究会・ひむか骨関節・脊椎脊髄疾患セミナー・ひむか運動器セミナーなど整形外科の最新の知見を得る機

会や研修によって学んだことを発表する機会など数多く有ります。

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30.宮崎大学医学部附属病院 皮膚科

教育施設として認定を受けている学会

日本皮膚科学会

診療科の概要

皮膚に生じる病態に対し臨床診断はもとより皮膚病理診断にも力を入れています。

治療においては軟膏療法など皮膚科特有の治療法のみならず外科的治療も積極的に行っています。

炎症性疾患はもとより自己免疫性水庖症、膠原病、また皮膚悪性腫瘍や皮膚悪性リンパ腫、熱傷では集学

的治療を行い、「臨床」「手術」「皮膚病理」をやるのが宮崎大学の皮膚科との考えで臨床を中心に行っていま

す。

研修症例の特徴

当科は宮崎県全域から多くの重症患者さんや希少な患者さんをご紹介頂くため、多彩な幅広い皮膚疾患を

経験できます。

特に皮膚悪性腫瘍や皮膚悪性リンパ腫、とくに ATLL の患者さんが多いこと、また重傷熱傷を経験できる

のも当科の特徴と思います。

【一般目標(GIO)】

皮診は時間とともに変化します。五感を中心に、立体的・経時的に判断できるようにトレーニングをする。

【個別行動目標(SBOs)】

・直感に頼らず真菌直接鏡検、ギムザ染色、皮膚生検など体を動かして、診断する能力をつける。

・問診を丁寧に何度でも繰り返して、情報を整理する。

・病態を把握し、それに沿った、適切な治療を選択する。

研修方略

【指導医および指導体制】

上記のような多彩な皮膚疾患の患者さんの「主治医」として研修をして頂きます。

指導は病棟医長を中心に、いろいろな立場の先生からの指導を受ける体制です。[主治医]は医師としての

責任を学ぶことができるとともに、「やりがい」があります。

カンファレンスは入院外来患者検討、手術検討、病理組織検討と長い時間費やします。しかしこれは医師

としての成熟に欠かせないものでひいては「患者さんのため、最高の医療を」ということです。自分の患者

さんだけでなく、受け持ち以外の患者さんについても学べ、力がつきます。

【勉強会やカンファレンスなどの研修教育活動】

月曜:回診の後、病棟・外来の症例を1例ずつ丁寧に検討

水曜:細菌のトピックスを中心に英語の論文を吟味します。

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31.宮崎大学医学部附属病院 泌尿器科

教育施設として認定を受けている学会

学会名:日本泌尿器科学会 資格名:日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医

診療科の概要

当科では、腹腔鏡手術をはじめとし、泌尿器腫瘍、小児泌尿器科、排尿障害などを中心に最先端の医療を

行っています。それぞれの専門分野のエキスパートの指導下に診療技術および専門的知識の習得を目指しま

す。

当科はチーム医療の中にありながら「独立した」泌尿器科専門医の育成に重点を置いており、多数の関連

病院と連携し、優れた泌尿器科医となるために最適かつ最高の環境および教育を提供することをモットーと

しております。

研修症例の特徴

泌尿器科が扱う全領域についての基礎的な修練とともに、泌尿器科 common disease について、専門的に

対応できる能力を養成します。

当科で治療する疾患は主に、泌尿器腫瘍(腎癌、尿路上皮癌、前立腺癌)、小児泌尿器科(停留精巣、膀胱尿

管逆流症、尿道下裂)、排尿障害(前立腺肥大症)、女性泌尿器科(尿失禁、間質性膀胱炎、膀胱脱)であり、

それぞれの専門分野のエキスパートの指導下に診療技術および専門的知識の習得を目指します。

研修目標

【一般目標(GIO)】

泌尿器科の扱う疾患は多岐にわたり、内科的治療から外科的処置・治療まで幅広い適切な対応が求められ

る。本プログラムでは泌尿器科が扱う全領域についての基礎的な修練とともに、排尿障害、尿路感染症、尿

路結石症、泌尿器腫瘍などの「泌尿器科 common disease」について、外科的処置を含めて専門的に対応で

きる能力を養成する。

またさらに泌尿器科のサブスベシャリティーについて、それらを希望するものには経験する機会を与え、

次のステップヘの準備段階とする。

【個別行動目標(SBOs)】

泌尿器科疾患の社会的関わりを理解し、その診療・福祉における問題についてのニーズに対応しうる能

力を善う。また泌尿器科専門医として境界領域の疾患の処置についても正確に対応できる能力を養い、医

の倫理に基づき患者及び家族との正しい人間関係を構築でできる心暖かな医師を育てることを目標とする。

1)泌尿器科領域の外来診療において以下の能力を養う。

①患者の心理を理解しながら適切な問診が取れる能力

②外来診療において必要な検査を選び出す能力

③問診、症状、所見による診断アルゴリズムを導き出す能力

④疾患の内容、重症度を把握し適切な専門的外来治療を行う能力

⑤救急疾患、外来診療に伴う偶発症に対応する能力

⑥コメディカルと協力して患者の社会復帰のための問題を解決する能力

2)泌尿器科領域の入院診療において以下の能力を養う。

①基本的臨床能力を養い、全身、局所管理が適切に行える

②泌尿器科領域の基本的手術に関する意義、原理を理解する

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③基本的手術手技の習得

④理論的に手術を含めた治療法の適応を決めることができる能力

⑤的確なインフォームドコンセントができる能力

⑥コメディカルとの良好な連携を築き、安全に医療を遂行できる能力

3)必要十分な医療情報を収集してディスカッション/プレゼンテーションできる能力を養う。

研修方略

【指導医および指導体制】

研修医1人に指導医1人がつきマンツーマンで指導を行います。高度の医学的判断や専門的検査に関して

はそれぞれの疾患のエキスパートが指導を行います。

大学病院の特殊性から泌尿器科領域の多岐に渡る疾患をすべて経験することは困難であるため、希望者に

は研修期間中に京都大学はじめその関係大学、関連施設での研修も可能です。研修期間中は指定の学会に積

極的に参加し、これらの学会において年 1~2 回は学会発表を行います。

【勉強会やカンファレンスなどの研修教育活動】

週1回以上の患者回診

週1回以上の症例検討会(画像カンファレンスを含む)

週1回以上の抄読会もしくはセミナー

年1回以上の日本泌尿器科学会提供の教育プログラムヘの参加

年2回以上の泌尿器科関連学会(単位認定学術集会)参加

4年間で1編以上の臨床論文作成(症例報告を含む)

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32.宮崎大学医学部附属病院 眼科

教育施設として認定を受けている学会

日本眼科学会専門医制度

診療科の概要

眼は血管や神経などを直接観察できる特殊な部位であり、糖尿病や高血圧、頭蓋内疾患、膠原病などと深

く関連しています。したがって、局所とはいえ全身疾患を診るという幅広い分野です。

また、緑内障・神経疾患のような内科的傾域から白内障・網膜硝子体疾患などの外科的領域まで網羅して

います。

大学に在籍している医師数は、教授・准教授を含め 17 名おり、そのほとんどが入院・外来診療に従事し

ています。後期研修として眼科を選択すると、眼科専攻4年で専門医試験を受ける資格があります。この試

験の合格率は7割弱ですが、当科では女性も含め現在、専門医取得率 100%と、十分な研修が積める施設だ

と考えております。

研修症例の特徴

研修医は、「視力障害」「視野狭窄」「結膜の充血」を経験し、「角結膜炎」「白内障」「緑内障」「屈折異常」

を診療することとなっています。

白内障や結膜炎、緑内障などの一般的疾患から、直井教授が専門の網膜硝子体疾患、中馬准教授が専門の

眼科神経疾患まで幅広い症例をカバーします。また、大学病院という性格上、糖尿病や膠原病、あるいは外

傷といった全身疾患と絡む症例も多くあります。研修医も指導医とペアになり症例が偏らないようにします。

手術に関しては、一般の手術助手はもちろん、硝子体内注射といった小手術の指導医とのペア執刀を目指し

ます。

研修目標

【一般目標(GIO)】

・眼科特有の細隙灯顕微鏡や倒像鏡を用いて、眼科基本的診察が一通りできるようになる。

・眼科救急疾患に対する基本的知識と対応を身につける。

【個別行動目標(SBOs)】

・患者との良好なコミュニケーションを図れ、指導医と情報を共有できる。

・日々の診察録の記載ができる。

・術前検査の原理を理解して施術でき、結果を評価することができる。

・回診・術前カンフアレンスにて、担当患者のプレゼンテーションができる。

・眼科救急疾患の緊急度/重症度を判断できる。

・術前処置として、洗眼ができる。

・手術の清潔/不潔を理解し、簡単な助手ができる。

【指導医および指導体制】

指導医とペアになり、主に病棟医として 5,6 人程の入院患者を担当します。

指導医も数ヶ月毎に変わるので、網膜硝子体、神経眼科、小児眼科など、様々な専門分野を研修できます。

手技が上手な方は、涙嚢洗浄やレーザー光凝固などもできるかもしれません。また、豚眼を用いた手術練

習会が開かれ、一般的な白内障手術手技の研鑽を全員が行えます。

週に2日、術前患者を対象に、研修的な内容から専門的 topic まで検討する conference を行います。

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【勉強会やカンファレンスなどの研修教育活動】

術前カンファレンス等(毎週2回)

外来初診患者の症例検討会(毎週1回)

豚眼を用いた手術練習(毎月2回)

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33.宮崎大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科

教育施設として認定を受けている学会

日本耳鼻咽喉科学会認定研修施設

診療科の概要

頭頚部領域の中で、上は頭蓋底や眼科領域まで、下は胸腔内を除く胸部領域までの全疾患を対象としてい

る。

頭頚部の炎症、腫瘍性疾患、聴覚、平衡覚、味覚、嗅覚などの感覚障害や、音声言語障害などコミュニケ

ーション障害の疾病、さらに、顔面の奇形や障害による欠損に対する形成外科をも対象とし、広範多岐にわた

り内科外科両面からアプローチしている。また、耳・鼻・咽喉頭・頚部の疾患をバランスよく経験することが

できる。

研修症例の特徴

3か月以内の短期研修では耳鼻咽喉科における診察技術の習得に多くの時間を費やす。

また病棟においては主治医として2~3名の患者を受け持ち、指導医とともに治療に当たる。

臨床研修に必要な疾患は優先的に受け持つことになる。3~6 ヶ月の長期研修では、上記に加え、指導医の

もと扁桃摘出術などを執刀し、手術の基本操作を習得する。

外来では、副鼻腔洗浄、鼓膜切開、鼻出血処置、生検、さらに神経耳科学検査を実施する。

研修目標

【一般目標(GIO)】

上記

【個別行動目標(SBOs)】

・耳鼻科の基本的な診察手技ができる。

・良好な医師・患者関係を結ぶことができる。

・症例提示と討論ができる。

・包交・処置手術前後の管理ができる。

研修方略

【指導医および指導体制】

原則として、10 年以上の臨床経験を持つ2名以上の指導医とマンツーマンで研修する。

内視鏡検査や手術用顕微鏡を使用した鼓膜の診察、咽喉頭の診察法などを指導する。さらに、受け持ち患

者の治療方針などは指導医と相談の上、決めていく。

手術法や手術手技、外来処置も指導医とー緒に行う。特に、耳鼻咽喉科研修に目的がある(鼓膜所見がと

れるようになりたいなど)研修医は初めに伝えていただくと出来るだけ対応する。

【勉強会やカンファレンスなどの研修教育活動】

放射線治療カンファレンス(放射線科 放射線治療グループと共同)

画像診断カンファレンス(放射線科 神経グループと共同)

側頭骨ラボ(本学解剖実習室にて)

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34.宮崎大学医学部附属病院 産科婦人科

教育施設として認定を受けている学会

日本産科婦人科学会、日本周産期新生児医学会(母体胎児、新生児)、日本遺伝カウンセリング、

日本東洋医学会、日本超音波医学会、日本婦人科腫瘍学会

診療科の概要

産婦人科は、母体・胎児・新生児を取り扱う周産期部門、婦人科腫瘍を扱う部門、遺伝相談に関わる部門、

女性内分泌に関わる部門を担っています。周産期部門では、3名の周産期新生児専門医の指導のもとに新生

児管理を行っています。産婦人科医が新生児管理を行うのは、全国でも稀ですが、胎児管理から新生児管理

を一連のものとして管理する上で、極めて有用で、周産期統計では、全国でもトップクラスの成績です。

婦人科領域では、1名の婦人科腫瘍専門医のもとに、宮崎県下の悪性腫瘍を治療しています。その他、臨

床遺伝専門医、婦人科内分泌専門医もいます。産婦人科では、幅広い分野の女性に関わる疾患について学ぶ

ことが可能です。

研修症例の特徴

研修医の先生方の希望を優先して、周産期部門もしくは婦人科部門のいずれかのグループに属して頂きま

す。研修期聞か長くなれば、全ての分野を学んで頂くことも可能です。グループ診療を行っていますので、

入院中の全ての症例を担当することもできます。

また、毎週月曜日には、船橋中央病院、大阪ベルランド総合病院、鹿児島市立病院、県立延岡病院、県立

日南病院、藤元総合病院、宮崎市郡医師会病院、国立都城病院の周産期施設と、持ち回りで症例を提示して、

テレビカンファレンスを行っています。

このカンファレンスを通して、県内外のトップクラスの専門医の先生方とディスカッションが可能です。

研修に必要な分娩も充分に経験することが可能です。

研修目標

【一般目標(GIO)】

産婦人科の患者の特性を理解する。

【個別行動目標(SBOs)】

・産婦人科的な診察法を学ぶ;視診、内診。

・産婦人科的な検査法を学ぶ;経膣超音波検査、胎児超音波、胎児心拍数モニタリング

・出産に立ち会う(経膣分娩及び帝王切開分娩)

・産科合併症の管理を学ぶ。

・内科疾患を合併した妊娠管理を学ぶ。

・新生児の診察法を学ぶ。

・新生児の蘇生法を学ぶ。

研修方略

【指導医および指導体制】

産婦人科は、グループ診療を行っています。従って、診療科長を頂点とした屋根瓦方式の教育体制を基本

としています。

各グループには、15 年以上の経験を有する指導医がいます。その下に医員を配しています。研修医の先生

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は、身近な医員の先生には、いつでも医学的な相談が可能です。医員の先生で対応できない事項は、上級医

まであがっていくシステムです。手術に関しては、産科では帝王切開、婦人科では良性腫瘍の手術を指導医

の指導のもとに執刀できます。

カンファレンスは毎朝8時から1時間かけてエビデンスをもとに症例の検討を行っています。

このカンファレンスの場は、症例の方針決定ばかりでなく、研修医の先生方の発表スキルを磨く時間です。

また、夕方にはそれぞれのグループでカンファレンスを行っています。このカンファレンスでは、各症例の

1日の変化や今後の方針を確認しています。このカンファレスでも研修医の先生方には、積極的に意見を述

べて頂き、ディスカッションのスキルを磨いて頂きます。その他、婦人科領域では、毎週水曜日に病理の先

生を交えて術前術後症例検討会を行っています。この場では、婦人科病理についても学ぶことが可能です。

【勉強会やカンファレンスなどの研修教育活動】

10施設合同テレビカンファレンス(週1回)

リサーチカンファレンス(週1回)

術前カンファレンス及び病理検討会(週1回)

宮崎周産期セミナー(不定期)

発達期脳障害の病態解明セミナー(不定期)

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35.宮崎大学医学部附属病院 放射線科

教育施設として認定を受けている学会

日本医学放射線学会専門医総合修練機関、日本 IVR 学会専門医修練認定施設、

日本校医学会専門医教育病院

診療科の概要

放射線科は宮崎大学附属病院で行われる放射線治療およびほとんどすべての画像診断を受け持っており、こ

れらの施行および報告書作成を行っている。

画像診断は現代では日々の診療の方向性およびレベルを決定する上で重要な役割を果たしており医局員は

画像診断の専門家としての責任を意識しつつ仕事をしている。

画像診断は部位および手段別に神経放射線、胸部放射線、腹部、IVR、放射性同位元素に分かれておりそ

れぞれ高い専門性で診断および治療を行っている。

研修症例の特徴

研修医は診断治療グループの中から希望のグループを選んで研修する。内容は治療では治療計画および治

療の実行、診断グループでは検査の施行と report 作成が主である。

主治医として担当する症例は甲状腺がんのI131 内服療法、IVR 患者、CT 下肺生検や肺腫瘍のアブレー

ションの患者等である。

研修目標

【一般目標(GIO)】

日常の患者のマネージメントに必須の画像診断や放射線治療の原理および特徴について理解し、身体の部

位別に臨床への応用等実際について修得する。

また、それぞれの診断治療手技にともなう有害事象についてもその対策を含めて理解する。

【個別行動目標(SBOs)】

・神経放射線:中枢神経(脳、脊髄)、頭頚部、骨・軟部組織領域の画像診断を中心として、画像解剖や

画像診断法の基礎(特に MRI を理解し、読影のプロセスや重要な疾患・病態の画像所見を習得する。

・胸部放射線:日々の症例や teaching file を通じて画像所見の成り立ちを理解するとともに、病態を踏

まえた読影力の向上に努め、基礎的な胸部画像診断の技術を習得する。

・腹部放射線:消化器、泌尿生殖器および後腹膜領域の画像解剖や、画像診断法の基礎を理解し様々の疾

患や病態の画像所見について修得する。

・Interventional Radiology : 1)IVR の適応を説明できる。 2)セルジンガー法、ガイドワイヤー・

カテーテルの基本操作が行える。 3)救急対応時の行動(画像検査の必要性・適応・検査・画像診断、

IVR の適応)を身につける。 4)他診療科医師との連携ができる。

・核医学:PET 画像を含めた核医学画像診断および核医学治療に関する基礎知識を習得する。

・放射線治療:1)治療計画における標的体積(GTV/CTV/PTV)についての理解、リスク臓器についての

理解。 2)治療効果と有害事情のバランスをとった投与線量についての理解。 3)治療部位等

に応じた照射方法の違いについての理解、などを習得した上で実際の治療計画を作成する。また、治療患

者の診察や治療開始時の説明等に同席して実症例に触れ、がん診療における放射線治療の果たす役割につ

いて理解を深める。

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研修方略

【指導医および指導体制】

放射線治療および画像診断の基本原理を理解する事を目標としている。

画像診断の Anatomy、様々な病変の画像診断上の現れ方を理解することも重要である。

血管造影 IVR では極力検査治療に参加し、画像診断 report 作成においては数例の割り当てられた症例の

report を各自作成し、後に指導医とともに reviewすることで研修を深めている。

【勉強会やカンファレンスなどの研修教育活動】

院内

神経放射線病理カンファレンス(1 回/週)

HCC カンファレンス(1 回/月)

外科カンファレンス(2 回/月)

呼吸器カンファレンス(1 回/週)

放射線治療カンファレンス(1 回/週(月曜))

耳鼻咽喉科合同カンファレンス(2 回/月(木曜))

院外

宮崎画像医学研究会

宮崎 CT 研究会

宮崎 MRI 研究会

宮崎 IVR 研究会

宮崎核医学研究会

宮崎放射線治療懇話会

などを開催し、これらの研究会での発表を行う

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36.宮崎大学医学部附属病院 麻酔科

教育施設として認定を受けている学会

日本麻酔科学会、日本集中治療医学会、日本ペインクリニック学会

診療科の概要

大学での臨床麻酔は、毎朝 10 列の手術スタートで夕方 5~8 時までに大方の手術は終了する(2、3 列残

る場合には当直に交代)。

麻酔科が管理する症例数は年間約 4、000 例で、小児から成人まで満遍なく有り症例の偏りも少ない。

マンパワーは「よく働き適度に遊ぶ」が実践できる程度であり、「よく働きよく遊ぶ」が可能となるように、

麻酔科医師を増やしたい。ペインクリニックは、内服治療から神経ブロックまで幅広くこなす。

また、大学の緩和ケア部会の部会長である。

集中治療部は16床で、術後管理、救急患者、院内重症患者など患者の背景は多岐に及ぶ。

到達目標は、麻酔、集中治療、ペインクリニック、緩和ケアの4本柱を効率よく研修し、技術を習得する

ことで急性期医療から終末期医療まで適切に管理できる「頼られる麻酔科医」を教育、輩出することである。

近年では救命救急センターにも麻酔科を派遣し、より一層の充実を目指している。

研修症例の特徴

基本的には、全ての症例が経験可能である。

研修期間2ヶ月では、耳鼻科、消化器外科(出血の可能性が低い症例)、整形外科、婦人科の麻酔が中心と

なる。

研修3ヶ月では、上記に加え、呼吸器外科、循環器外科、消化器外科(出血の可能性が高い症例)、脳神経外

科等が加わる。

研修目標

【一般目標(GIO)】

定例手術の基本的な周術期管理を実践できるようになるために、それぞれの手術に適した麻酔法を理解

し、周術期管理に必要な術前術後評価・治療手技を取得し、患者が抱える身体的・社会的問題に共感でき

る態度を身につける。

【個別行動目標(SBOs)】

・全身麻酔・硬膜外麻酔などの各麻酔法について、適応と禁忌を列記できる。

・担当患者について、術前診察に必要な検査を挙げられる。

・担当患者の術前診察から、重症度を判断できる。

・適切な長さと内容で担当症例のプレゼンテーションができる。

・末梢静脈でのルート確保、動脈ラインの確保が安全/確実に試行できる。

・術中の輸液について、必要な輸液を選択でき、状況に応じて適切な輸液管理ができる。

・術中のバイタルの変化から、緊急性/重要性を判断できる。

・手術の進行に合わせて、遅滞なく麻酔記録を記載できる。

・担当症例の術後回診で、術後鎮痛の適切さを判断することができる。

研修方略

【指導医および指導体制】

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担当麻酔科医とペアを組み、前日までに担当症例の術前診察を行う。

その後上級医と麻酔法を検討したうえで担当日のスーパーバイザーに報告する。

麻酔は担当麻酔科医の下で行う。麻酔終了後、上級医と麻酔管理の評価を行う。

【勉強会やカンファレンスなどの研修教育活動】

毎朝のカンファレンスで麻酔法の検討を行っている。隔週の金曜日には、朝7時 30 分から1時間程度の

抄読会を行っている。

以下の参加は任意である。

・不定期で予定のある各研究会

・麻酔に関連した各学会の出席および発表

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37.宮崎大学医学部附属病院 脳神経外科

教育施設として認定を受けている学会

日本脳神経外科学会

診療科の概要

脳神経外科は外科から分かれた比較的新しい診療科です。当科は 1978 年に開講して 34 年目になります。

日本脳神経外科研修プログラムの基幹施設に指定されており、県内に7ヶ所の関連研修施設があります。

現在、24 名が教室に所属しており、内 15 名を関連研修施設に派遣しています。

また、熊本・大分大学との三大学連携研修プログラムも整備され、合同カンファレンス、手術見学、人材交

流なども活発に行っています。

研修症例の特徴

主な対象疾患は脳腫瘍、脳血管障害、神経外傷、脊髄・脊椎疾患、水頭症を含む先天性疾患、機能的脳外科

疾患などになります。

基本的に研修医はそれらすべてを網羅できるように主治医として受け持つことになります。

そして、それらに対して手術・血管内治療を含めた外科的治療法はもちろん、内科的保存療法についても学

びます。

また術前・術後管理や合併症対策などを通して全身管理にも習熟します。

研修目標

【一般目標(GIO)】

日常よくある疾患(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)、外傷について全身を管理できることを目標とし

患者と家族の立場にたったアセスメントと問題点の抽出、解決策を身につける。

【個別行動目標(SBOs)】

・全身管理:バイタルサインの理解と管理ができる

・脳神経所見をとり、神経学的な問題点を抽出できる

・CT、MRI を含む画像診断が出来る

・解剖学、生理学、生化学的知識を統合した疾患の理解が出来る

・治療に参加し、自分の意見を述べる

研修方略

【指導医および指導体制】

病棟では指導医(基本的に卒後7年目以上の脳神経外科専門医)がマンツーマンで指導し、他に病棟医長の

指導のもとで主治医となり入院患者の診断、検査、術前・術後管理を行います。

脳神経外科の主要な開頭・脊髄・脊椎手術においては原則として主治医が第1助手、専門医・指導医が術者

もしくは第2助手となり、直接手術の介助を行い、脳神経外科手術の基本手技に習熟します。

また指導医の指導・助手のもとに穿頭手術(慢性硬膜下血腫除去や脳室外ドレナージなど)や脳室腹腔シャ

ント術などを執刀医として執刀出来るようになることを目標とします。

【勉強会やカンファレンスなどの研修教育活動】

各種研究会

神経放射線カンファレンス(放科、病理と合同カンファレンス)

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38.宮崎大学医学部附属病院 救命救急センター

教育施設として認定を受けている学会

日本救急医学会、日本集中治療医学会、日本外科学会、日本内科学会、日本麻酔科学会、

日本整形外科学会、日本脳神経外科学会、日本脳卒中学会

診療部の概要

救命救急センターは宮崎県の2次・3次救急の拠点病院として機能しており、救急医療の最後の砦として

の役目を担っております。

平成 24 年4月より 20 床を有する救命救急センターがオープンし、さらに高度な救急医療研修施設として

充実しています。

また、平成 24 年4月からドクターヘリの運用も行っており、病院前診療に関する研修も可能です。

短期間の研修ですが、救急医療の基礎的知識・基本的手技を修得しつつ、救急医療の醍醐味も十分味わっ

てもらえる研修を行っております。

研修症例の特徴

総患

者数

救急車

搬入数

入院

患者数

重症

患者数

死亡

患者数

平成 23 年度 839 592 410 252 26

平成 22 年度 1061 672 285 132 36

平成 21 年度 1247 730 363 155 38

表に示すように、重症救急患者数および入院患者数は増加しています。研修医は、救急車搬入となった重

症患者を含め救命救急センターを受診した患者を指導医と共に診察・治療を行います。

症例は多岐にわたっている為、専門診療科のサポートを受けることもあります

研修目標

【一般目標(GIO)】

1 次から3次救急患者に対して、基本的なマネジメントが幅広くできるようになる。そのために救急疾患

の基本的病態を理解し、初期診察・診療に必要な検査・治療手技を習得する。

特に、重症救急患者に対しては、BLS・ACLS・ICLS・JATEC 等のガイドラインに沿った救急医療が行

えるようになる。

【個別行動目標(SBOs)】

・BLS・ACLS・ICLS・JATEC などを理解・習得し、ガイドラインに沿った救急医療ができる。

・症候別に“頻度の高い疾患”と“緊急性の高い疾患”を列記できる。

・全身状態/バイタルサインから緊急度/重症度を判別できる。

・輸液・電解質コントロールを理解・習得し、点滴治療ができる。

・人工呼吸器管理を理解・習得し、重症患者の呼吸治療ができる。

・担当患者の適切なプレゼンテーションができる。

・毎日の回診で患者との良好なコミュニケーションが図れ、指導医との情報が共有できる。

研修方略

【指導医および指導体制】

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①充実した指導体制(フライトドクターを含め指導医は 14 名体制):症例カンファレンスは毎朝行う。

指導医は固定しないが、原則 常時指導医と共に診療を行う。

②高度の研修施設;南九州の国立大学で最大規模の本格的救命救急センター。

③ヘリコプターを活用した救急医療。二年次研修医は指導医とともに実際にヘリコプターに同乗し病院前

診療の研修も行う。

【勉強会やカンファレンスなどの研修教育活動】

毎朝行う症例カンファレンスには参加。

隔週ごとに、学生対象に①シミュレータによる BLS・ACLS、②人工呼吸器を使った呼吸管理、③シミュレ

ータによる JPTEC、④JATEC を行っており、研修医も自由に参加可能。

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39.宮崎大学医学部附属病院 集中治療部

教育施設として認定を受けている学会

集中治療専門医研修施設

診療部の概要

集中治療部は 2008 年、病院再整備により移転増床し、現在 16 床(内感染個室3床)で運用しています。

外科系、内科系、小児、救急に関わらず、院内外の集中治療管理を要する重症患者を収容しています。

各診療科の主治医はそのままで、集中治療専従医と共同で治療を行う open system の体制をとっていま

す。現在、8名の集中治療専従医が2交替勤務で運営しています。

研修症例の特徴

大手術後(心臓・大血管、呼吸器、食道、肝・胆・膵など)の患者の周術期管理をはじめとして、敗血症、

循環不全、呼吸不全、腎不全、肝不全、外傷、中毒、熱傷などさまざまな病態の患者の集中管理が経験でき

ます。

2012 年度の収容症例は 1、012 名で、年々増加の一途です。約5割が術後管理症例です。救急部に収容と

なった患者のうち、重症例は ICU 管理とするなど、救命救急センターとの連携も図っています。

研修目標

【一般目標(GIO)】

●周術期(特に術後)管理に精通する。

●急性重症患者の病態を把握し、診断・治療に必要な検査・手技を修得する。

●患者の生命維持に必要な臓器補助・代替装置の適応を理解する。

【個別行動目標(SBOs)】

●術後の呼吸管理、循環管理、鎮痛・鎮静、ドレーン管理、体液管理などを習得する。

●重症患者の呼吸・循環管理、感染対策、鎮静法、栄養管理、体液管理を習得する。

●人工呼吸器の適応、各種モード、離脱の方法について理解する。

●重症患者管理に必要な特殊モニターの適応を理解し、読解できる。

●末梢または中心静脈ルート確保、動脈カニュレーションが安全に施行できる。

●カテコラミンなどの特殊薬の使用法を理解する。

●安全確実に気道管理(気管挿管、気管切開を含む)を行うことができる。

●血液浄化療法の適応を判断し、回路を組み立てることができる。

●担当患者の病態、問題点、治療・管理法などについてカンファレンスでプレゼンテーションができる。

●集中治療における重症患者の末期医療のあり方について理解する。

研修方略

【指導医および指導体制】

集中治療専門医、日本麻酔科学会指導医、日本外科学会指導医から直接指導が受けられます(チーム指導)。

【勉強会やカンファレンスなどの研修教育活動】

毎朝、全症例についてそれぞれの担当診療科と合同カンファレンスを行い、病態の把握や治療方針の決

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定・変更を行っています。毎夕にもベッドサイドラウンドを行い、夜勤者への申し送りを行っています。

金曜日に救急・集中治療関連の抄読会を、月曜日に勉強会やミニレクチャーを行っています。

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40.宮崎大学医学部附属病院 病理部

教育施設として認定を受けている学会

日本病理学会、日本臨床細胞学会

診療部の概要

【体制】部長(病理学講座教授併任、2年毎交替)、副部長・准教授、助教2名、医員4名(うち病理学講座大学

院生3名)、臨床検査技師5名、事務系職員1名で構成されている。

【業務】平成 22 年1年間で、病理解剖 43 件(院内剖検率 17%)、病理組織診断依頼件数 6、053 件、迅速病

理組織診断 418 件、細胞診断 527 件。これらの業務を病理部・病理学講座2教室が、病理診断と病理解剖を

隔週で担当する。

病理診断には、病理組織診断・術中迅速診断・細胞診が含まれる。基本的に病理組織診断を担当医(専門

医および専門医取得前研修医が日割り・曜日割りで担当)が、受付された検体の切り出しを行い、病理専門

医の検閲を受け、最終診断を行う(基本的にすべての診断はダブルチェックで行われる)。

病理解剖が行われた症例は基本的に全ての症例において、剖検症例検討会(剖検所見会 CPC)を開催する。

剖検所見会は臨床主治医および指導医出席のもと行われる。

研修の特徴

病理解剖・外科病理診断業務を通じて、疾患の病態、基本的な病理学的変化とその捉え方、考え方を学ぶ。

上記の如く、本院の病理業務は、ふたつの病理学教室が分担して行っており、病理部職員はその中に介在・

つなぎ役として加わる。病理学教室および病理部のスタッフの幅の広い専門性・見識を背景として、垣根の

ない指導のもと、研修できるのが特徴である。

研修目標

【一般目標(GIO)】

・ 病理診断の臨床医学における役割・意義・重要性を理解する。

・ 各症例の診断・台療における病理と臨床各科との連携の重要性を理解する。

・ 疾病を臨床と病理所見の両面から理解し、各疾患の病態を具体的に、深く理解する。

・ 病理解剖・生検手術検体・細胞診断検体の取扱いおよびそれらの診断を通して病理診断業務の流れを理

解する。

【個別行動目標(SBOs)】

(1)病理組織診断・細胞診断を実施あるいは指示し、結果を理解できる。

・適切な固定法を理解している。

・適切な切出しが行える。

・基本的な組織学的所見を把握し、診断を導ける、

または理解できる。

・適切な特殊染色の選択とその結果が理解できる。

・術中迅速診断の適応、標本作製過程、診断の限界を理解できる。

・細胞診の検体処理過程を理解し、検体採取、処理の良否が診断に及ぼす影響を認識する。

・基本的な細胞診所見を把握し、診断の意味が理解できる。

・肉眼所見と組織・細胞所見との対比ができる。

・病理解剖における肉眼、組織所見を把握し、剖検診断をまとめることができる。

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(2)全人的理解に基づいて、末期医療を実施できる。

・剖検の意義を認識し、遺体および遺族に対して、礼を失することなく丁重に接することができる。

(3)チーム医療を理解し、必要に応じて実施できる。

・上級医の指導のもと、適切な診断ができる。

・医師以外の医療従事者と強調して仕事ができる。

・臨床医と連絡をとり、適切な情報交換ができる。

・専門医へのコンサルテーションができる。

(4)医療記録を適切に作成し、管理できる。

・病理組織および細胞診診断報告書(電子カルテ)

・病理解剖報告書

・病理解剖伺い

・診断に関する紹介状とその返事

(5)医療における社会的側面の重要性を認識し、適切に対応できる。

・死体解剖保存法を理解し、解剖に関する法的知識(医師法 21 条等)もある。

(6)診療・評価を実施できる。

・必要な情報(文献等)収集ができる。

・自己評価および第三者による評価をふまえた改善ができる。

・症例提示・要約ができる。

・剖検所見の記載・要約ができ、剖検所見会を実施できる。

研修方略

【研修の実際】

研修医は診断業務を中心に行い、病理解剖が行われる場合はすべての業務に優先される。

診断業務は、その日の担当者から能力に応じて担当する診断症例が分配され、その症例についての診断原

案を作成する。診断原案は病理組織診断と病理肉眼・組織所見を記載する。基本的に病理学教室教授の検閲

を受け、最終診断を行う。上級医の中間検閲を受けても良い。術中迅速診断には全て参加する。

研修期間中に行われる病理解剖には、執刀医もしくは補助者として全て参加する。研修期間中に最低でも

1症例以上の剖検所見会を開催し、剖検報告書を作成する。

【指導医および指導体制】

診断業務および病理解剖それぞれ日割り・曜日割りで担当者が決まっており、割り振られた診断・解剖症

例については、それらの担当者が責任を持って、最終診断までの補助を行う。確定診断が行えない場合、疑

問が残る場合等は、さらに上級医の指導を受けることができる。最終診断は両教授から直接指導を受け行う。

難解例については、国内外の専門家ヘコンサルトし、意見を求めることができる。

【勉強会やカンファレンスなどの研修教育活動】

2 ヶ月に一度開催される九州・沖縄スライドコンファレンスに参加・発表できる。

その他、日本病理学会他の各種学会・研究会に参加・発表できる。

日常業務の中での勉強会・カンファレンスについては、下記スケジュールを参照。

業 務・行 事

(1) 月~金曜日 14:00~ 剖検所見会(不定期)

(2) 月~金曜日 8:30~14:00 病理診断,検閲

術中迅速診断、剖検が入った場合には参加する。

(3) 月~金曜日 14:00~ 外科標本切り出し

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(4) 木曜日 12:00~12:30 臨床病理カンファレンス(抄読会)

(5) 他科との検討会(任意参加)

火曜日 18:30~ 腎生検検討会

水曜日 12:30~ 血液疾患検討会

水曜日 17:00~ 婦人科疾患検討会(不定期)

木曜日 17:00~ 神経放射線カンファレンス(隔週)

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