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58
電子情報 通信 工学序論 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路 情報通信コース 北川章夫, Microelectronics Research Lab. (MeRL)

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Page 1: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

電子情報通信工学序論

第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路情報通信コース 北川章夫 Microelectronics Research Lab (MeRL)

MeRL Kanazawa Univ

電子情報通信技術を学ぶ前に2週にわたって現代の電子情報通信技術の基本となる「コンピュータ」「集積回路」「無線ネットワーク」「IoT」について学ぶ

技術は常に発展し続けているため一生涯学び続ける必要がある(今の自分に満足した時点から時代遅れな人になる)

最先端に到達するためにはトレンドを追うのではなく基礎から体系的に理解することが重要(試験の成績は重要ではなくなるべく広い分野を関連づけて理解するハードソフトなどの分類はやめよう)

2

昔の技術者に求められた能力

未来予測力+

問題解決力

現代の技術者に求められる能力

未来創造力+

探究心

AIが担当 人間が担当

MeRL Kanazawa Univ

新しい技術者のイメージ

3

1 モノ(商品)を作って売る2 モノをどうやって作るかを考える3 高性能化低価格化による価値提供4 高度な単独技術

1 方法(ソリューション)を売る2 課題の解決方法を考える3 イノベーションによる価値創造4 既存技術の複合 + x

従来の技術者 現代の技術者

現代の技術者には起業や事業運営の能力も求

められています

MeRL Kanazawa Univ

はじめに

コンピュータの歴史的発展や詳しい構造は「計算機システムA B」の講義で学ぶことにしてここではコンピュータの方式を簡単に理解しよう電子情報通信技術全般の基盤技術である大規模集積回路設計技術は「集積回路工学A~D」で学ぶがここでは設計ソフトを使ったVLSIの設計の手順を理解しよう下記のサイトの講義資料を必要に応じて参照すること

httpjacoectkanazawa-uacjpkitagawaedu

4

5-1 コンピュータの種類コンピュータはあらゆるところに組み込まれている

MeRL Kanazawa Univ

質問

皆さんはコンピュータを何個持っていますか

6

MeRL Kanazawa Univ

身の回りのコンピュータ

7

スマートフォン(電話付きのコンピュータ)

ICカード電子マネー

自動車(100個以上のコンピュータの固まり)

ネットワークオーディオ

電子楽器エフェクタ

冷蔵庫電子レンジなどの家電製品

基本的に全ての電子機器は特定用途のコンピュータを搭載していると考えてよい

カーナビ

殆どの医療計測機器(体温計血圧計など)

カメラ

プリンタ

電子鍵

RF-ID(電子バーコード電子証書)

ディスプレイタッチパネル

ゲーム機

タブレットスマートフォン

FAX固定電話

リモコン

無線LANルータ

ディジタルサイネージ(電子広告電光掲示板)

テレビSTB

MeRL Kanazawa Univ

ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ

8

ICカード

24GHz帯 RF-IDタグ

Felicaチップ(1356MH)

NVRAM

Mask ROM

CPUNFC電源

暗号

SRAM

CPU = Central Processing Unit (本体)NVRAM = Non-Volatile Random Access MemoryNFC = Near Field Communication (次頁)

04mm

NFC決済

MeRL Kanazawa Univ

ICカードの仕組み

9

Near Field Communication (NFC)(10cm程度の近距離通信の国際規格)

アンテナまたはコイルICカード

(電源不要)

ICチップ (1mm以下)

電力の伝送(磁界または電磁波)

コントロールボード

アンテナ

リーダライタ(電源を供給)

[参考] 無電源無線通信技術アンテナの吸収電力を変化させることによりリーダライタが発する電磁界をASK変調して無線通信する技術Backscatter方式と呼ばれるリーダライタ側もBackscatterを使う場合はAmbient Backscatterと呼ばれ完全な無電源となる

ASK = Amplitude Shit Keying

MeRL Kanazawa Univ

ソフト+ハードを含めて「組み込みシステム」(影で動いている)

使用目的によるコンピュータの分類

10

ノートブック

マイコン(Microcontroller)

1ボードPC

デスクトップ

[参考] GPGPU = General-purpose computing on graphics processing units

特定用途向け

汎用高速計算技術開発に特化

GPGPUサーバー

スマホ

スパコン

MeRL Kanazawa Univ

コンピュータの動作原理による分類

11

量子コンピュータ (Washington)出典D-Wave Systems

ニューラルネットワーク(TrueNorth)出典IBM

ノイマン型コンピュータ(Core i7)出典Intel Corporation

プログラムにより動作 学習により動作 プログラムにより動作

MeRL Kanazawa Univ

コンピュータの実装に使われる技術

12

半導体超伝導技術

VLSI技術(回路とソフト)

ノイマン型コンピュータ

ニューラルネットワーク

超伝導光デバイス技術

量子コンピュータ

MeRL Kanazawa Univ

ノイマン型コンピュータ現在主流の汎用コンピュータはノイマン型と呼ばれる(スパコンを含む)3名の開発者の名をつけて Eckert-Mauchly-von Neumann architecture とも呼ばれる

ノイマン型コンピュータの特徴メモリにプログラムとデータを内蔵し論理記述可能な任意の処理を行う(チューリングマシンの一種)プログラムを逐次実行する(高速演算が要求される)

ノイマン型コンピュータでないものは「非ノイマン型コンピュータ」と呼ばれる方式 例 特徴

条件に合致する解を求める 量子コンピュータDNAコンピュータ

解を並列に探索する組み合わせ最適化問題に有効とされている

神経回路の機能と構造を模擬 ディープニューラルネットワーク(DNN)

所謂AI学習により高精度な特徴抽出パターン認識ができる

13

MeRL Kanazawa Univ

ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例

14

ナップサック問題

遠足のおやつに何を何個持って行くかbull 合計300円以内bull 各おやつの値段と必要度が分かっている(N種類のおやつの組み合わせ = 2N 通り)

巡回セールスマン問題

最短距離で都市を巡るにはどの順番でいくかbull 全ての都市を1回通るbull 都市間の距離が分かっている(N都市を回る順序 = N 通り)

30種類のおやつから選ぶ場合1073741824通りの組み合わせを検討する必要がある

30市を回る計画の場合2653times1032通りの組み合わせを検討する必要がある

ノイマン型コンピュータは全ての場合について計算を行うので現実的ではない(スパコンでも困難)

MeRL Kanazawa Univ

ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ

15

量子コンピュータによるチューリングマシン(量子演算を何度も行える汎用コンピュータ)も原理的には実現可能

組み合わせ1

組み合わせ2

組み合わせ230

hellip

演算

演算

演算

判定

組み合わせ1~230

30bit

30Qbit

データを重ね合わせることにより1回で計算を行うrarr 従来の暗号が解けてしまう

各ビットは1となる確率で表される

量子演算() 測定

正しい組み合わせ

正しい組み合わせ(確率が最も高い組み合わせ)

ノイマン型(古典計算機)

量子コンピュータ

量子状態のベクトルで実現bull 光の位相や偏向bull 超伝導リングの磁束など

MeRL Kanazawa Univ

量子コンピュータを使ってみよう無料公開されている量子コンピュータ (IBM Q Experience)の利用法httpsdeveloperibmcomjptechnologiesquantum-computingtutorialscl-quantum-computing

量子コンピュータの初心者向け解説(線形代数量子力学の知識が必要)httpsdojoqulacsorgjalatest

16

(参考)ビット(bit)と量子ビット(qbit)N bit N qbit

表現する値 2N 個の数値の集合 2N 次元のベクトルの集合

N = 1 の例 x = 1 0

N = 2 の例 x = 00 01 10 11| ⟩0 = 0

1

| ⟩1 = 10 | ⟩119909119909

実際は2N次元複素空間

MeRL Kanazawa Univ

AIに必要な機能

17

一言で機械学習と呼ぶがいろいろなタイプ(目的)のアルゴリズムが必要

教師あり(原因と結果の関係を学習)

回帰(予測)

分類(特徴に従って分ける)

異常検知予知(異常と診断される状態の検知)

教師なし(データ構造を学習)

クラスタリング(特徴を見つける)

異常検知予知(いつもと違う状態の検知)

次元削減(重要な特徴を選択する)

強化学習

評価値(点数)を最大にする行動の

学習

MeRL Kanazawa Univ

ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)

18

ニューロンの機能と脳のネットワークを模倣()

x1 times

times

times

x2

hellip

xN

w1

w2

wN

119894119894=1

119873119873

119908119908119894119894119909119909119894119894

ニューロン のモデル

i1

i2

y

i3

h1

h1

o1

o2

o3

認識分類生成

データ

ニューロンニューロン

ニューロン

学習機構(wiを最適化)

画像音声センサ文字など

現在はノイマン型コンピュータのソフトウエアで模擬したものが主流

MeRL Kanazawa Univ

生成AI

19

認識などのAI

生成AI(生成系AI)

Golden Retriever

Golden Retriever特徴A B C

通常のAIと逆の処理を行わせる

符号化(情報圧縮)

復号(情報付加)

高次元情報

高次元情報(具体的)

低次元情報(抽象的)

低次元情報

仮想モデルの自動作成(データグリッド) httpsdatagridcojp新聞記事の自動生成 (日本経済新聞) httpsprnikkeicomqreports-ai

MeRL Kanazawa Univ

VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連

20

VLSIの高性能化

bull高速化

bull低消費電力化

bull高集積化

コンピュータの高性能化

bull高速処理

bull消費電力低減

bull高機能

通信の高性能化

bull高速伝送

bull消費電力低減

bullセキュリティ

高性能化要求と開発投資 高性能化要求と開発投資

新技術 新技術

全体像を見ないと技術は理解できない(1分野の知識では足りない)

5-2 マイクロプロセッサコンピュータの仕組みと構造

21

MeRL Kanazawa Univ

ノイマン型コンピュータの構造

22

演算回路(ALU)

記憶回路(レジスタ)

入出力回路(IO)

データの流れを制御する回路(シーケンサ)

記憶回路(メモリ)

制御信号命令制御信号制御信号制御信号

MPUまたはCPUMCUまたはマイコン

プログラム()やデータはここに保存

命令や処理途中のデータはここに保存

プログラムはコンピュータへの命令(次頁参照)の実行手順を示したもの

MeRL Kanazawa Univ

ハードウエアの用語(覚えておこう)

23

用語 意味

MPU (Microprocessor Unit) コンピュータの主要部分(前ページ参照)を搭載したLSI (Large Scale Integration)

CPU (Central Processing Unit) MPUと同義(ただし物ではなく機能を指す名称)

MCU (Microcontroller Unit) MPU + メモリ + タイマー + アナログ-ディジタル変換 + 通信回路(無線の場合もある)を1チップに集積化したLSIまたプログラムを内蔵する(書き込む)ことができる

SoC (System on a Chip)またはSystem LSI

多数のMPUを搭載し1チップでシステム全体を構成できる特定用途向けの大規模LSI(スマートフォンLSI等)

命令セット (Instruction set) プログラムを構成する処理要素の集合(MPUが実行する)bull 算術演算 A + B AB などbull 論理演算 A cap B AcupB などbull 比較判定 A gt B A = B などbull データ読み出し保存bull ジャンプ(プログラムの実行順序を変更する命令)

これがソフトウエアとハードウエアを接続している

MeRL Kanazawa Univ

マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

MeRL Kanazawa Univ

メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

MeRL Kanazawa Univ

マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

MeRL Kanazawa Univ

マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

MeRL Kanazawa Univ

命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

MeRL Kanazawa Univ

メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

MeRL Kanazawa Univ

IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

MeRL Kanazawa Univ

集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

MeRL Kanazawa Univ

産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

MeRL Kanazawa Univ

VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

MeRL Kanazawa Univ

ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 2: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

MeRL Kanazawa Univ

電子情報通信技術を学ぶ前に2週にわたって現代の電子情報通信技術の基本となる「コンピュータ」「集積回路」「無線ネットワーク」「IoT」について学ぶ

技術は常に発展し続けているため一生涯学び続ける必要がある(今の自分に満足した時点から時代遅れな人になる)

最先端に到達するためにはトレンドを追うのではなく基礎から体系的に理解することが重要(試験の成績は重要ではなくなるべく広い分野を関連づけて理解するハードソフトなどの分類はやめよう)

2

昔の技術者に求められた能力

未来予測力+

問題解決力

現代の技術者に求められる能力

未来創造力+

探究心

AIが担当 人間が担当

MeRL Kanazawa Univ

新しい技術者のイメージ

3

1 モノ(商品)を作って売る2 モノをどうやって作るかを考える3 高性能化低価格化による価値提供4 高度な単独技術

1 方法(ソリューション)を売る2 課題の解決方法を考える3 イノベーションによる価値創造4 既存技術の複合 + x

従来の技術者 現代の技術者

現代の技術者には起業や事業運営の能力も求

められています

MeRL Kanazawa Univ

はじめに

コンピュータの歴史的発展や詳しい構造は「計算機システムA B」の講義で学ぶことにしてここではコンピュータの方式を簡単に理解しよう電子情報通信技術全般の基盤技術である大規模集積回路設計技術は「集積回路工学A~D」で学ぶがここでは設計ソフトを使ったVLSIの設計の手順を理解しよう下記のサイトの講義資料を必要に応じて参照すること

httpjacoectkanazawa-uacjpkitagawaedu

4

5-1 コンピュータの種類コンピュータはあらゆるところに組み込まれている

MeRL Kanazawa Univ

質問

皆さんはコンピュータを何個持っていますか

6

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身の回りのコンピュータ

7

スマートフォン(電話付きのコンピュータ)

ICカード電子マネー

自動車(100個以上のコンピュータの固まり)

ネットワークオーディオ

電子楽器エフェクタ

冷蔵庫電子レンジなどの家電製品

基本的に全ての電子機器は特定用途のコンピュータを搭載していると考えてよい

カーナビ

殆どの医療計測機器(体温計血圧計など)

カメラ

プリンタ

電子鍵

RF-ID(電子バーコード電子証書)

ディスプレイタッチパネル

ゲーム機

タブレットスマートフォン

FAX固定電話

リモコン

無線LANルータ

ディジタルサイネージ(電子広告電光掲示板)

テレビSTB

MeRL Kanazawa Univ

ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ

8

ICカード

24GHz帯 RF-IDタグ

Felicaチップ(1356MH)

NVRAM

Mask ROM

CPUNFC電源

暗号

SRAM

CPU = Central Processing Unit (本体)NVRAM = Non-Volatile Random Access MemoryNFC = Near Field Communication (次頁)

04mm

NFC決済

MeRL Kanazawa Univ

ICカードの仕組み

9

Near Field Communication (NFC)(10cm程度の近距離通信の国際規格)

アンテナまたはコイルICカード

(電源不要)

ICチップ (1mm以下)

電力の伝送(磁界または電磁波)

コントロールボード

アンテナ

リーダライタ(電源を供給)

[参考] 無電源無線通信技術アンテナの吸収電力を変化させることによりリーダライタが発する電磁界をASK変調して無線通信する技術Backscatter方式と呼ばれるリーダライタ側もBackscatterを使う場合はAmbient Backscatterと呼ばれ完全な無電源となる

ASK = Amplitude Shit Keying

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ソフト+ハードを含めて「組み込みシステム」(影で動いている)

使用目的によるコンピュータの分類

10

ノートブック

マイコン(Microcontroller)

1ボードPC

デスクトップ

[参考] GPGPU = General-purpose computing on graphics processing units

特定用途向け

汎用高速計算技術開発に特化

GPGPUサーバー

スマホ

スパコン

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コンピュータの動作原理による分類

11

量子コンピュータ (Washington)出典D-Wave Systems

ニューラルネットワーク(TrueNorth)出典IBM

ノイマン型コンピュータ(Core i7)出典Intel Corporation

プログラムにより動作 学習により動作 プログラムにより動作

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コンピュータの実装に使われる技術

12

半導体超伝導技術

VLSI技術(回路とソフト)

ノイマン型コンピュータ

ニューラルネットワーク

超伝導光デバイス技術

量子コンピュータ

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ノイマン型コンピュータ現在主流の汎用コンピュータはノイマン型と呼ばれる(スパコンを含む)3名の開発者の名をつけて Eckert-Mauchly-von Neumann architecture とも呼ばれる

ノイマン型コンピュータの特徴メモリにプログラムとデータを内蔵し論理記述可能な任意の処理を行う(チューリングマシンの一種)プログラムを逐次実行する(高速演算が要求される)

ノイマン型コンピュータでないものは「非ノイマン型コンピュータ」と呼ばれる方式 例 特徴

条件に合致する解を求める 量子コンピュータDNAコンピュータ

解を並列に探索する組み合わせ最適化問題に有効とされている

神経回路の機能と構造を模擬 ディープニューラルネットワーク(DNN)

所謂AI学習により高精度な特徴抽出パターン認識ができる

13

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ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例

14

ナップサック問題

遠足のおやつに何を何個持って行くかbull 合計300円以内bull 各おやつの値段と必要度が分かっている(N種類のおやつの組み合わせ = 2N 通り)

巡回セールスマン問題

最短距離で都市を巡るにはどの順番でいくかbull 全ての都市を1回通るbull 都市間の距離が分かっている(N都市を回る順序 = N 通り)

30種類のおやつから選ぶ場合1073741824通りの組み合わせを検討する必要がある

30市を回る計画の場合2653times1032通りの組み合わせを検討する必要がある

ノイマン型コンピュータは全ての場合について計算を行うので現実的ではない(スパコンでも困難)

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ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ

15

量子コンピュータによるチューリングマシン(量子演算を何度も行える汎用コンピュータ)も原理的には実現可能

組み合わせ1

組み合わせ2

組み合わせ230

hellip

演算

演算

演算

判定

組み合わせ1~230

30bit

30Qbit

データを重ね合わせることにより1回で計算を行うrarr 従来の暗号が解けてしまう

各ビットは1となる確率で表される

量子演算() 測定

正しい組み合わせ

正しい組み合わせ(確率が最も高い組み合わせ)

ノイマン型(古典計算機)

量子コンピュータ

量子状態のベクトルで実現bull 光の位相や偏向bull 超伝導リングの磁束など

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量子コンピュータを使ってみよう無料公開されている量子コンピュータ (IBM Q Experience)の利用法httpsdeveloperibmcomjptechnologiesquantum-computingtutorialscl-quantum-computing

量子コンピュータの初心者向け解説(線形代数量子力学の知識が必要)httpsdojoqulacsorgjalatest

16

(参考)ビット(bit)と量子ビット(qbit)N bit N qbit

表現する値 2N 個の数値の集合 2N 次元のベクトルの集合

N = 1 の例 x = 1 0

N = 2 の例 x = 00 01 10 11| ⟩0 = 0

1

| ⟩1 = 10 | ⟩119909119909

実際は2N次元複素空間

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AIに必要な機能

17

一言で機械学習と呼ぶがいろいろなタイプ(目的)のアルゴリズムが必要

教師あり(原因と結果の関係を学習)

回帰(予測)

分類(特徴に従って分ける)

異常検知予知(異常と診断される状態の検知)

教師なし(データ構造を学習)

クラスタリング(特徴を見つける)

異常検知予知(いつもと違う状態の検知)

次元削減(重要な特徴を選択する)

強化学習

評価値(点数)を最大にする行動の

学習

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ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)

18

ニューロンの機能と脳のネットワークを模倣()

x1 times

times

times

x2

hellip

xN

w1

w2

wN

119894119894=1

119873119873

119908119908119894119894119909119909119894119894

ニューロン のモデル

i1

i2

y

i3

h1

h1

o1

o2

o3

認識分類生成

データ

ニューロンニューロン

ニューロン

学習機構(wiを最適化)

画像音声センサ文字など

現在はノイマン型コンピュータのソフトウエアで模擬したものが主流

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生成AI

19

認識などのAI

生成AI(生成系AI)

Golden Retriever

Golden Retriever特徴A B C

通常のAIと逆の処理を行わせる

符号化(情報圧縮)

復号(情報付加)

高次元情報

高次元情報(具体的)

低次元情報(抽象的)

低次元情報

仮想モデルの自動作成(データグリッド) httpsdatagridcojp新聞記事の自動生成 (日本経済新聞) httpsprnikkeicomqreports-ai

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VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連

20

VLSIの高性能化

bull高速化

bull低消費電力化

bull高集積化

コンピュータの高性能化

bull高速処理

bull消費電力低減

bull高機能

通信の高性能化

bull高速伝送

bull消費電力低減

bullセキュリティ

高性能化要求と開発投資 高性能化要求と開発投資

新技術 新技術

全体像を見ないと技術は理解できない(1分野の知識では足りない)

5-2 マイクロプロセッサコンピュータの仕組みと構造

21

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ノイマン型コンピュータの構造

22

演算回路(ALU)

記憶回路(レジスタ)

入出力回路(IO)

データの流れを制御する回路(シーケンサ)

記憶回路(メモリ)

制御信号命令制御信号制御信号制御信号

MPUまたはCPUMCUまたはマイコン

プログラム()やデータはここに保存

命令や処理途中のデータはここに保存

プログラムはコンピュータへの命令(次頁参照)の実行手順を示したもの

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ハードウエアの用語(覚えておこう)

23

用語 意味

MPU (Microprocessor Unit) コンピュータの主要部分(前ページ参照)を搭載したLSI (Large Scale Integration)

CPU (Central Processing Unit) MPUと同義(ただし物ではなく機能を指す名称)

MCU (Microcontroller Unit) MPU + メモリ + タイマー + アナログ-ディジタル変換 + 通信回路(無線の場合もある)を1チップに集積化したLSIまたプログラムを内蔵する(書き込む)ことができる

SoC (System on a Chip)またはSystem LSI

多数のMPUを搭載し1チップでシステム全体を構成できる特定用途向けの大規模LSI(スマートフォンLSI等)

命令セット (Instruction set) プログラムを構成する処理要素の集合(MPUが実行する)bull 算術演算 A + B AB などbull 論理演算 A cap B AcupB などbull 比較判定 A gt B A = B などbull データ読み出し保存bull ジャンプ(プログラムの実行順序を変更する命令)

これがソフトウエアとハードウエアを接続している

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マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

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メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

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マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

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メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

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集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

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産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

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VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

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ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

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デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

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無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

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アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

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ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

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論理合成(拡大)

50

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自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

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自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

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論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

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金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

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今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 3: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

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新しい技術者のイメージ

3

1 モノ(商品)を作って売る2 モノをどうやって作るかを考える3 高性能化低価格化による価値提供4 高度な単独技術

1 方法(ソリューション)を売る2 課題の解決方法を考える3 イノベーションによる価値創造4 既存技術の複合 + x

従来の技術者 現代の技術者

現代の技術者には起業や事業運営の能力も求

められています

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はじめに

コンピュータの歴史的発展や詳しい構造は「計算機システムA B」の講義で学ぶことにしてここではコンピュータの方式を簡単に理解しよう電子情報通信技術全般の基盤技術である大規模集積回路設計技術は「集積回路工学A~D」で学ぶがここでは設計ソフトを使ったVLSIの設計の手順を理解しよう下記のサイトの講義資料を必要に応じて参照すること

httpjacoectkanazawa-uacjpkitagawaedu

4

5-1 コンピュータの種類コンピュータはあらゆるところに組み込まれている

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質問

皆さんはコンピュータを何個持っていますか

6

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身の回りのコンピュータ

7

スマートフォン(電話付きのコンピュータ)

ICカード電子マネー

自動車(100個以上のコンピュータの固まり)

ネットワークオーディオ

電子楽器エフェクタ

冷蔵庫電子レンジなどの家電製品

基本的に全ての電子機器は特定用途のコンピュータを搭載していると考えてよい

カーナビ

殆どの医療計測機器(体温計血圧計など)

カメラ

プリンタ

電子鍵

RF-ID(電子バーコード電子証書)

ディスプレイタッチパネル

ゲーム機

タブレットスマートフォン

FAX固定電話

リモコン

無線LANルータ

ディジタルサイネージ(電子広告電光掲示板)

テレビSTB

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ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ

8

ICカード

24GHz帯 RF-IDタグ

Felicaチップ(1356MH)

NVRAM

Mask ROM

CPUNFC電源

暗号

SRAM

CPU = Central Processing Unit (本体)NVRAM = Non-Volatile Random Access MemoryNFC = Near Field Communication (次頁)

04mm

NFC決済

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ICカードの仕組み

9

Near Field Communication (NFC)(10cm程度の近距離通信の国際規格)

アンテナまたはコイルICカード

(電源不要)

ICチップ (1mm以下)

電力の伝送(磁界または電磁波)

コントロールボード

アンテナ

リーダライタ(電源を供給)

[参考] 無電源無線通信技術アンテナの吸収電力を変化させることによりリーダライタが発する電磁界をASK変調して無線通信する技術Backscatter方式と呼ばれるリーダライタ側もBackscatterを使う場合はAmbient Backscatterと呼ばれ完全な無電源となる

ASK = Amplitude Shit Keying

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ソフト+ハードを含めて「組み込みシステム」(影で動いている)

使用目的によるコンピュータの分類

10

ノートブック

マイコン(Microcontroller)

1ボードPC

デスクトップ

[参考] GPGPU = General-purpose computing on graphics processing units

特定用途向け

汎用高速計算技術開発に特化

GPGPUサーバー

スマホ

スパコン

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コンピュータの動作原理による分類

11

量子コンピュータ (Washington)出典D-Wave Systems

ニューラルネットワーク(TrueNorth)出典IBM

ノイマン型コンピュータ(Core i7)出典Intel Corporation

プログラムにより動作 学習により動作 プログラムにより動作

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コンピュータの実装に使われる技術

12

半導体超伝導技術

VLSI技術(回路とソフト)

ノイマン型コンピュータ

ニューラルネットワーク

超伝導光デバイス技術

量子コンピュータ

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ノイマン型コンピュータ現在主流の汎用コンピュータはノイマン型と呼ばれる(スパコンを含む)3名の開発者の名をつけて Eckert-Mauchly-von Neumann architecture とも呼ばれる

ノイマン型コンピュータの特徴メモリにプログラムとデータを内蔵し論理記述可能な任意の処理を行う(チューリングマシンの一種)プログラムを逐次実行する(高速演算が要求される)

ノイマン型コンピュータでないものは「非ノイマン型コンピュータ」と呼ばれる方式 例 特徴

条件に合致する解を求める 量子コンピュータDNAコンピュータ

解を並列に探索する組み合わせ最適化問題に有効とされている

神経回路の機能と構造を模擬 ディープニューラルネットワーク(DNN)

所謂AI学習により高精度な特徴抽出パターン認識ができる

13

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ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例

14

ナップサック問題

遠足のおやつに何を何個持って行くかbull 合計300円以内bull 各おやつの値段と必要度が分かっている(N種類のおやつの組み合わせ = 2N 通り)

巡回セールスマン問題

最短距離で都市を巡るにはどの順番でいくかbull 全ての都市を1回通るbull 都市間の距離が分かっている(N都市を回る順序 = N 通り)

30種類のおやつから選ぶ場合1073741824通りの組み合わせを検討する必要がある

30市を回る計画の場合2653times1032通りの組み合わせを検討する必要がある

ノイマン型コンピュータは全ての場合について計算を行うので現実的ではない(スパコンでも困難)

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ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ

15

量子コンピュータによるチューリングマシン(量子演算を何度も行える汎用コンピュータ)も原理的には実現可能

組み合わせ1

組み合わせ2

組み合わせ230

hellip

演算

演算

演算

判定

組み合わせ1~230

30bit

30Qbit

データを重ね合わせることにより1回で計算を行うrarr 従来の暗号が解けてしまう

各ビットは1となる確率で表される

量子演算() 測定

正しい組み合わせ

正しい組み合わせ(確率が最も高い組み合わせ)

ノイマン型(古典計算機)

量子コンピュータ

量子状態のベクトルで実現bull 光の位相や偏向bull 超伝導リングの磁束など

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量子コンピュータを使ってみよう無料公開されている量子コンピュータ (IBM Q Experience)の利用法httpsdeveloperibmcomjptechnologiesquantum-computingtutorialscl-quantum-computing

量子コンピュータの初心者向け解説(線形代数量子力学の知識が必要)httpsdojoqulacsorgjalatest

16

(参考)ビット(bit)と量子ビット(qbit)N bit N qbit

表現する値 2N 個の数値の集合 2N 次元のベクトルの集合

N = 1 の例 x = 1 0

N = 2 の例 x = 00 01 10 11| ⟩0 = 0

1

| ⟩1 = 10 | ⟩119909119909

実際は2N次元複素空間

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AIに必要な機能

17

一言で機械学習と呼ぶがいろいろなタイプ(目的)のアルゴリズムが必要

教師あり(原因と結果の関係を学習)

回帰(予測)

分類(特徴に従って分ける)

異常検知予知(異常と診断される状態の検知)

教師なし(データ構造を学習)

クラスタリング(特徴を見つける)

異常検知予知(いつもと違う状態の検知)

次元削減(重要な特徴を選択する)

強化学習

評価値(点数)を最大にする行動の

学習

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ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)

18

ニューロンの機能と脳のネットワークを模倣()

x1 times

times

times

x2

hellip

xN

w1

w2

wN

119894119894=1

119873119873

119908119908119894119894119909119909119894119894

ニューロン のモデル

i1

i2

y

i3

h1

h1

o1

o2

o3

認識分類生成

データ

ニューロンニューロン

ニューロン

学習機構(wiを最適化)

画像音声センサ文字など

現在はノイマン型コンピュータのソフトウエアで模擬したものが主流

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生成AI

19

認識などのAI

生成AI(生成系AI)

Golden Retriever

Golden Retriever特徴A B C

通常のAIと逆の処理を行わせる

符号化(情報圧縮)

復号(情報付加)

高次元情報

高次元情報(具体的)

低次元情報(抽象的)

低次元情報

仮想モデルの自動作成(データグリッド) httpsdatagridcojp新聞記事の自動生成 (日本経済新聞) httpsprnikkeicomqreports-ai

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VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連

20

VLSIの高性能化

bull高速化

bull低消費電力化

bull高集積化

コンピュータの高性能化

bull高速処理

bull消費電力低減

bull高機能

通信の高性能化

bull高速伝送

bull消費電力低減

bullセキュリティ

高性能化要求と開発投資 高性能化要求と開発投資

新技術 新技術

全体像を見ないと技術は理解できない(1分野の知識では足りない)

5-2 マイクロプロセッサコンピュータの仕組みと構造

21

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ノイマン型コンピュータの構造

22

演算回路(ALU)

記憶回路(レジスタ)

入出力回路(IO)

データの流れを制御する回路(シーケンサ)

記憶回路(メモリ)

制御信号命令制御信号制御信号制御信号

MPUまたはCPUMCUまたはマイコン

プログラム()やデータはここに保存

命令や処理途中のデータはここに保存

プログラムはコンピュータへの命令(次頁参照)の実行手順を示したもの

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ハードウエアの用語(覚えておこう)

23

用語 意味

MPU (Microprocessor Unit) コンピュータの主要部分(前ページ参照)を搭載したLSI (Large Scale Integration)

CPU (Central Processing Unit) MPUと同義(ただし物ではなく機能を指す名称)

MCU (Microcontroller Unit) MPU + メモリ + タイマー + アナログ-ディジタル変換 + 通信回路(無線の場合もある)を1チップに集積化したLSIまたプログラムを内蔵する(書き込む)ことができる

SoC (System on a Chip)またはSystem LSI

多数のMPUを搭載し1チップでシステム全体を構成できる特定用途向けの大規模LSI(スマートフォンLSI等)

命令セット (Instruction set) プログラムを構成する処理要素の集合(MPUが実行する)bull 算術演算 A + B AB などbull 論理演算 A cap B AcupB などbull 比較判定 A gt B A = B などbull データ読み出し保存bull ジャンプ(プログラムの実行順序を変更する命令)

これがソフトウエアとハードウエアを接続している

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マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

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メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

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マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

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メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

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集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

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産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

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VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

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ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

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デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

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無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

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アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

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ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

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論理合成前

48

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論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

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論理合成(拡大)

50

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自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

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自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

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論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

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1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

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金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

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今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

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宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 4: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

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はじめに

コンピュータの歴史的発展や詳しい構造は「計算機システムA B」の講義で学ぶことにしてここではコンピュータの方式を簡単に理解しよう電子情報通信技術全般の基盤技術である大規模集積回路設計技術は「集積回路工学A~D」で学ぶがここでは設計ソフトを使ったVLSIの設計の手順を理解しよう下記のサイトの講義資料を必要に応じて参照すること

httpjacoectkanazawa-uacjpkitagawaedu

4

5-1 コンピュータの種類コンピュータはあらゆるところに組み込まれている

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質問

皆さんはコンピュータを何個持っていますか

6

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身の回りのコンピュータ

7

スマートフォン(電話付きのコンピュータ)

ICカード電子マネー

自動車(100個以上のコンピュータの固まり)

ネットワークオーディオ

電子楽器エフェクタ

冷蔵庫電子レンジなどの家電製品

基本的に全ての電子機器は特定用途のコンピュータを搭載していると考えてよい

カーナビ

殆どの医療計測機器(体温計血圧計など)

カメラ

プリンタ

電子鍵

RF-ID(電子バーコード電子証書)

ディスプレイタッチパネル

ゲーム機

タブレットスマートフォン

FAX固定電話

リモコン

無線LANルータ

ディジタルサイネージ(電子広告電光掲示板)

テレビSTB

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ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ

8

ICカード

24GHz帯 RF-IDタグ

Felicaチップ(1356MH)

NVRAM

Mask ROM

CPUNFC電源

暗号

SRAM

CPU = Central Processing Unit (本体)NVRAM = Non-Volatile Random Access MemoryNFC = Near Field Communication (次頁)

04mm

NFC決済

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ICカードの仕組み

9

Near Field Communication (NFC)(10cm程度の近距離通信の国際規格)

アンテナまたはコイルICカード

(電源不要)

ICチップ (1mm以下)

電力の伝送(磁界または電磁波)

コントロールボード

アンテナ

リーダライタ(電源を供給)

[参考] 無電源無線通信技術アンテナの吸収電力を変化させることによりリーダライタが発する電磁界をASK変調して無線通信する技術Backscatter方式と呼ばれるリーダライタ側もBackscatterを使う場合はAmbient Backscatterと呼ばれ完全な無電源となる

ASK = Amplitude Shit Keying

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ソフト+ハードを含めて「組み込みシステム」(影で動いている)

使用目的によるコンピュータの分類

10

ノートブック

マイコン(Microcontroller)

1ボードPC

デスクトップ

[参考] GPGPU = General-purpose computing on graphics processing units

特定用途向け

汎用高速計算技術開発に特化

GPGPUサーバー

スマホ

スパコン

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コンピュータの動作原理による分類

11

量子コンピュータ (Washington)出典D-Wave Systems

ニューラルネットワーク(TrueNorth)出典IBM

ノイマン型コンピュータ(Core i7)出典Intel Corporation

プログラムにより動作 学習により動作 プログラムにより動作

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コンピュータの実装に使われる技術

12

半導体超伝導技術

VLSI技術(回路とソフト)

ノイマン型コンピュータ

ニューラルネットワーク

超伝導光デバイス技術

量子コンピュータ

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ノイマン型コンピュータ現在主流の汎用コンピュータはノイマン型と呼ばれる(スパコンを含む)3名の開発者の名をつけて Eckert-Mauchly-von Neumann architecture とも呼ばれる

ノイマン型コンピュータの特徴メモリにプログラムとデータを内蔵し論理記述可能な任意の処理を行う(チューリングマシンの一種)プログラムを逐次実行する(高速演算が要求される)

ノイマン型コンピュータでないものは「非ノイマン型コンピュータ」と呼ばれる方式 例 特徴

条件に合致する解を求める 量子コンピュータDNAコンピュータ

解を並列に探索する組み合わせ最適化問題に有効とされている

神経回路の機能と構造を模擬 ディープニューラルネットワーク(DNN)

所謂AI学習により高精度な特徴抽出パターン認識ができる

13

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ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例

14

ナップサック問題

遠足のおやつに何を何個持って行くかbull 合計300円以内bull 各おやつの値段と必要度が分かっている(N種類のおやつの組み合わせ = 2N 通り)

巡回セールスマン問題

最短距離で都市を巡るにはどの順番でいくかbull 全ての都市を1回通るbull 都市間の距離が分かっている(N都市を回る順序 = N 通り)

30種類のおやつから選ぶ場合1073741824通りの組み合わせを検討する必要がある

30市を回る計画の場合2653times1032通りの組み合わせを検討する必要がある

ノイマン型コンピュータは全ての場合について計算を行うので現実的ではない(スパコンでも困難)

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ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ

15

量子コンピュータによるチューリングマシン(量子演算を何度も行える汎用コンピュータ)も原理的には実現可能

組み合わせ1

組み合わせ2

組み合わせ230

hellip

演算

演算

演算

判定

組み合わせ1~230

30bit

30Qbit

データを重ね合わせることにより1回で計算を行うrarr 従来の暗号が解けてしまう

各ビットは1となる確率で表される

量子演算() 測定

正しい組み合わせ

正しい組み合わせ(確率が最も高い組み合わせ)

ノイマン型(古典計算機)

量子コンピュータ

量子状態のベクトルで実現bull 光の位相や偏向bull 超伝導リングの磁束など

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量子コンピュータを使ってみよう無料公開されている量子コンピュータ (IBM Q Experience)の利用法httpsdeveloperibmcomjptechnologiesquantum-computingtutorialscl-quantum-computing

量子コンピュータの初心者向け解説(線形代数量子力学の知識が必要)httpsdojoqulacsorgjalatest

16

(参考)ビット(bit)と量子ビット(qbit)N bit N qbit

表現する値 2N 個の数値の集合 2N 次元のベクトルの集合

N = 1 の例 x = 1 0

N = 2 の例 x = 00 01 10 11| ⟩0 = 0

1

| ⟩1 = 10 | ⟩119909119909

実際は2N次元複素空間

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AIに必要な機能

17

一言で機械学習と呼ぶがいろいろなタイプ(目的)のアルゴリズムが必要

教師あり(原因と結果の関係を学習)

回帰(予測)

分類(特徴に従って分ける)

異常検知予知(異常と診断される状態の検知)

教師なし(データ構造を学習)

クラスタリング(特徴を見つける)

異常検知予知(いつもと違う状態の検知)

次元削減(重要な特徴を選択する)

強化学習

評価値(点数)を最大にする行動の

学習

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ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)

18

ニューロンの機能と脳のネットワークを模倣()

x1 times

times

times

x2

hellip

xN

w1

w2

wN

119894119894=1

119873119873

119908119908119894119894119909119909119894119894

ニューロン のモデル

i1

i2

y

i3

h1

h1

o1

o2

o3

認識分類生成

データ

ニューロンニューロン

ニューロン

学習機構(wiを最適化)

画像音声センサ文字など

現在はノイマン型コンピュータのソフトウエアで模擬したものが主流

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生成AI

19

認識などのAI

生成AI(生成系AI)

Golden Retriever

Golden Retriever特徴A B C

通常のAIと逆の処理を行わせる

符号化(情報圧縮)

復号(情報付加)

高次元情報

高次元情報(具体的)

低次元情報(抽象的)

低次元情報

仮想モデルの自動作成(データグリッド) httpsdatagridcojp新聞記事の自動生成 (日本経済新聞) httpsprnikkeicomqreports-ai

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VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連

20

VLSIの高性能化

bull高速化

bull低消費電力化

bull高集積化

コンピュータの高性能化

bull高速処理

bull消費電力低減

bull高機能

通信の高性能化

bull高速伝送

bull消費電力低減

bullセキュリティ

高性能化要求と開発投資 高性能化要求と開発投資

新技術 新技術

全体像を見ないと技術は理解できない(1分野の知識では足りない)

5-2 マイクロプロセッサコンピュータの仕組みと構造

21

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ノイマン型コンピュータの構造

22

演算回路(ALU)

記憶回路(レジスタ)

入出力回路(IO)

データの流れを制御する回路(シーケンサ)

記憶回路(メモリ)

制御信号命令制御信号制御信号制御信号

MPUまたはCPUMCUまたはマイコン

プログラム()やデータはここに保存

命令や処理途中のデータはここに保存

プログラムはコンピュータへの命令(次頁参照)の実行手順を示したもの

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ハードウエアの用語(覚えておこう)

23

用語 意味

MPU (Microprocessor Unit) コンピュータの主要部分(前ページ参照)を搭載したLSI (Large Scale Integration)

CPU (Central Processing Unit) MPUと同義(ただし物ではなく機能を指す名称)

MCU (Microcontroller Unit) MPU + メモリ + タイマー + アナログ-ディジタル変換 + 通信回路(無線の場合もある)を1チップに集積化したLSIまたプログラムを内蔵する(書き込む)ことができる

SoC (System on a Chip)またはSystem LSI

多数のMPUを搭載し1チップでシステム全体を構成できる特定用途向けの大規模LSI(スマートフォンLSI等)

命令セット (Instruction set) プログラムを構成する処理要素の集合(MPUが実行する)bull 算術演算 A + B AB などbull 論理演算 A cap B AcupB などbull 比較判定 A gt B A = B などbull データ読み出し保存bull ジャンプ(プログラムの実行順序を変更する命令)

これがソフトウエアとハードウエアを接続している

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マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

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メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

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マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

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メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

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集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

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産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

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Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

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VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

MeRL Kanazawa Univ

ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 5: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

5-1 コンピュータの種類コンピュータはあらゆるところに組み込まれている

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質問

皆さんはコンピュータを何個持っていますか

6

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身の回りのコンピュータ

7

スマートフォン(電話付きのコンピュータ)

ICカード電子マネー

自動車(100個以上のコンピュータの固まり)

ネットワークオーディオ

電子楽器エフェクタ

冷蔵庫電子レンジなどの家電製品

基本的に全ての電子機器は特定用途のコンピュータを搭載していると考えてよい

カーナビ

殆どの医療計測機器(体温計血圧計など)

カメラ

プリンタ

電子鍵

RF-ID(電子バーコード電子証書)

ディスプレイタッチパネル

ゲーム機

タブレットスマートフォン

FAX固定電話

リモコン

無線LANルータ

ディジタルサイネージ(電子広告電光掲示板)

テレビSTB

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ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ

8

ICカード

24GHz帯 RF-IDタグ

Felicaチップ(1356MH)

NVRAM

Mask ROM

CPUNFC電源

暗号

SRAM

CPU = Central Processing Unit (本体)NVRAM = Non-Volatile Random Access MemoryNFC = Near Field Communication (次頁)

04mm

NFC決済

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ICカードの仕組み

9

Near Field Communication (NFC)(10cm程度の近距離通信の国際規格)

アンテナまたはコイルICカード

(電源不要)

ICチップ (1mm以下)

電力の伝送(磁界または電磁波)

コントロールボード

アンテナ

リーダライタ(電源を供給)

[参考] 無電源無線通信技術アンテナの吸収電力を変化させることによりリーダライタが発する電磁界をASK変調して無線通信する技術Backscatter方式と呼ばれるリーダライタ側もBackscatterを使う場合はAmbient Backscatterと呼ばれ完全な無電源となる

ASK = Amplitude Shit Keying

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ソフト+ハードを含めて「組み込みシステム」(影で動いている)

使用目的によるコンピュータの分類

10

ノートブック

マイコン(Microcontroller)

1ボードPC

デスクトップ

[参考] GPGPU = General-purpose computing on graphics processing units

特定用途向け

汎用高速計算技術開発に特化

GPGPUサーバー

スマホ

スパコン

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コンピュータの動作原理による分類

11

量子コンピュータ (Washington)出典D-Wave Systems

ニューラルネットワーク(TrueNorth)出典IBM

ノイマン型コンピュータ(Core i7)出典Intel Corporation

プログラムにより動作 学習により動作 プログラムにより動作

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コンピュータの実装に使われる技術

12

半導体超伝導技術

VLSI技術(回路とソフト)

ノイマン型コンピュータ

ニューラルネットワーク

超伝導光デバイス技術

量子コンピュータ

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ノイマン型コンピュータ現在主流の汎用コンピュータはノイマン型と呼ばれる(スパコンを含む)3名の開発者の名をつけて Eckert-Mauchly-von Neumann architecture とも呼ばれる

ノイマン型コンピュータの特徴メモリにプログラムとデータを内蔵し論理記述可能な任意の処理を行う(チューリングマシンの一種)プログラムを逐次実行する(高速演算が要求される)

ノイマン型コンピュータでないものは「非ノイマン型コンピュータ」と呼ばれる方式 例 特徴

条件に合致する解を求める 量子コンピュータDNAコンピュータ

解を並列に探索する組み合わせ最適化問題に有効とされている

神経回路の機能と構造を模擬 ディープニューラルネットワーク(DNN)

所謂AI学習により高精度な特徴抽出パターン認識ができる

13

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ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例

14

ナップサック問題

遠足のおやつに何を何個持って行くかbull 合計300円以内bull 各おやつの値段と必要度が分かっている(N種類のおやつの組み合わせ = 2N 通り)

巡回セールスマン問題

最短距離で都市を巡るにはどの順番でいくかbull 全ての都市を1回通るbull 都市間の距離が分かっている(N都市を回る順序 = N 通り)

30種類のおやつから選ぶ場合1073741824通りの組み合わせを検討する必要がある

30市を回る計画の場合2653times1032通りの組み合わせを検討する必要がある

ノイマン型コンピュータは全ての場合について計算を行うので現実的ではない(スパコンでも困難)

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ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ

15

量子コンピュータによるチューリングマシン(量子演算を何度も行える汎用コンピュータ)も原理的には実現可能

組み合わせ1

組み合わせ2

組み合わせ230

hellip

演算

演算

演算

判定

組み合わせ1~230

30bit

30Qbit

データを重ね合わせることにより1回で計算を行うrarr 従来の暗号が解けてしまう

各ビットは1となる確率で表される

量子演算() 測定

正しい組み合わせ

正しい組み合わせ(確率が最も高い組み合わせ)

ノイマン型(古典計算機)

量子コンピュータ

量子状態のベクトルで実現bull 光の位相や偏向bull 超伝導リングの磁束など

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量子コンピュータを使ってみよう無料公開されている量子コンピュータ (IBM Q Experience)の利用法httpsdeveloperibmcomjptechnologiesquantum-computingtutorialscl-quantum-computing

量子コンピュータの初心者向け解説(線形代数量子力学の知識が必要)httpsdojoqulacsorgjalatest

16

(参考)ビット(bit)と量子ビット(qbit)N bit N qbit

表現する値 2N 個の数値の集合 2N 次元のベクトルの集合

N = 1 の例 x = 1 0

N = 2 の例 x = 00 01 10 11| ⟩0 = 0

1

| ⟩1 = 10 | ⟩119909119909

実際は2N次元複素空間

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AIに必要な機能

17

一言で機械学習と呼ぶがいろいろなタイプ(目的)のアルゴリズムが必要

教師あり(原因と結果の関係を学習)

回帰(予測)

分類(特徴に従って分ける)

異常検知予知(異常と診断される状態の検知)

教師なし(データ構造を学習)

クラスタリング(特徴を見つける)

異常検知予知(いつもと違う状態の検知)

次元削減(重要な特徴を選択する)

強化学習

評価値(点数)を最大にする行動の

学習

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ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)

18

ニューロンの機能と脳のネットワークを模倣()

x1 times

times

times

x2

hellip

xN

w1

w2

wN

119894119894=1

119873119873

119908119908119894119894119909119909119894119894

ニューロン のモデル

i1

i2

y

i3

h1

h1

o1

o2

o3

認識分類生成

データ

ニューロンニューロン

ニューロン

学習機構(wiを最適化)

画像音声センサ文字など

現在はノイマン型コンピュータのソフトウエアで模擬したものが主流

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生成AI

19

認識などのAI

生成AI(生成系AI)

Golden Retriever

Golden Retriever特徴A B C

通常のAIと逆の処理を行わせる

符号化(情報圧縮)

復号(情報付加)

高次元情報

高次元情報(具体的)

低次元情報(抽象的)

低次元情報

仮想モデルの自動作成(データグリッド) httpsdatagridcojp新聞記事の自動生成 (日本経済新聞) httpsprnikkeicomqreports-ai

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VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連

20

VLSIの高性能化

bull高速化

bull低消費電力化

bull高集積化

コンピュータの高性能化

bull高速処理

bull消費電力低減

bull高機能

通信の高性能化

bull高速伝送

bull消費電力低減

bullセキュリティ

高性能化要求と開発投資 高性能化要求と開発投資

新技術 新技術

全体像を見ないと技術は理解できない(1分野の知識では足りない)

5-2 マイクロプロセッサコンピュータの仕組みと構造

21

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ノイマン型コンピュータの構造

22

演算回路(ALU)

記憶回路(レジスタ)

入出力回路(IO)

データの流れを制御する回路(シーケンサ)

記憶回路(メモリ)

制御信号命令制御信号制御信号制御信号

MPUまたはCPUMCUまたはマイコン

プログラム()やデータはここに保存

命令や処理途中のデータはここに保存

プログラムはコンピュータへの命令(次頁参照)の実行手順を示したもの

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ハードウエアの用語(覚えておこう)

23

用語 意味

MPU (Microprocessor Unit) コンピュータの主要部分(前ページ参照)を搭載したLSI (Large Scale Integration)

CPU (Central Processing Unit) MPUと同義(ただし物ではなく機能を指す名称)

MCU (Microcontroller Unit) MPU + メモリ + タイマー + アナログ-ディジタル変換 + 通信回路(無線の場合もある)を1チップに集積化したLSIまたプログラムを内蔵する(書き込む)ことができる

SoC (System on a Chip)またはSystem LSI

多数のMPUを搭載し1チップでシステム全体を構成できる特定用途向けの大規模LSI(スマートフォンLSI等)

命令セット (Instruction set) プログラムを構成する処理要素の集合(MPUが実行する)bull 算術演算 A + B AB などbull 論理演算 A cap B AcupB などbull 比較判定 A gt B A = B などbull データ読み出し保存bull ジャンプ(プログラムの実行順序を変更する命令)

これがソフトウエアとハードウエアを接続している

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マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

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メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

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マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

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メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

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集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

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産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

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VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

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ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

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デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

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無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

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アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 6: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

MeRL Kanazawa Univ

質問

皆さんはコンピュータを何個持っていますか

6

MeRL Kanazawa Univ

身の回りのコンピュータ

7

スマートフォン(電話付きのコンピュータ)

ICカード電子マネー

自動車(100個以上のコンピュータの固まり)

ネットワークオーディオ

電子楽器エフェクタ

冷蔵庫電子レンジなどの家電製品

基本的に全ての電子機器は特定用途のコンピュータを搭載していると考えてよい

カーナビ

殆どの医療計測機器(体温計血圧計など)

カメラ

プリンタ

電子鍵

RF-ID(電子バーコード電子証書)

ディスプレイタッチパネル

ゲーム機

タブレットスマートフォン

FAX固定電話

リモコン

無線LANルータ

ディジタルサイネージ(電子広告電光掲示板)

テレビSTB

MeRL Kanazawa Univ

ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ

8

ICカード

24GHz帯 RF-IDタグ

Felicaチップ(1356MH)

NVRAM

Mask ROM

CPUNFC電源

暗号

SRAM

CPU = Central Processing Unit (本体)NVRAM = Non-Volatile Random Access MemoryNFC = Near Field Communication (次頁)

04mm

NFC決済

MeRL Kanazawa Univ

ICカードの仕組み

9

Near Field Communication (NFC)(10cm程度の近距離通信の国際規格)

アンテナまたはコイルICカード

(電源不要)

ICチップ (1mm以下)

電力の伝送(磁界または電磁波)

コントロールボード

アンテナ

リーダライタ(電源を供給)

[参考] 無電源無線通信技術アンテナの吸収電力を変化させることによりリーダライタが発する電磁界をASK変調して無線通信する技術Backscatter方式と呼ばれるリーダライタ側もBackscatterを使う場合はAmbient Backscatterと呼ばれ完全な無電源となる

ASK = Amplitude Shit Keying

MeRL Kanazawa Univ

ソフト+ハードを含めて「組み込みシステム」(影で動いている)

使用目的によるコンピュータの分類

10

ノートブック

マイコン(Microcontroller)

1ボードPC

デスクトップ

[参考] GPGPU = General-purpose computing on graphics processing units

特定用途向け

汎用高速計算技術開発に特化

GPGPUサーバー

スマホ

スパコン

MeRL Kanazawa Univ

コンピュータの動作原理による分類

11

量子コンピュータ (Washington)出典D-Wave Systems

ニューラルネットワーク(TrueNorth)出典IBM

ノイマン型コンピュータ(Core i7)出典Intel Corporation

プログラムにより動作 学習により動作 プログラムにより動作

MeRL Kanazawa Univ

コンピュータの実装に使われる技術

12

半導体超伝導技術

VLSI技術(回路とソフト)

ノイマン型コンピュータ

ニューラルネットワーク

超伝導光デバイス技術

量子コンピュータ

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ノイマン型コンピュータ現在主流の汎用コンピュータはノイマン型と呼ばれる(スパコンを含む)3名の開発者の名をつけて Eckert-Mauchly-von Neumann architecture とも呼ばれる

ノイマン型コンピュータの特徴メモリにプログラムとデータを内蔵し論理記述可能な任意の処理を行う(チューリングマシンの一種)プログラムを逐次実行する(高速演算が要求される)

ノイマン型コンピュータでないものは「非ノイマン型コンピュータ」と呼ばれる方式 例 特徴

条件に合致する解を求める 量子コンピュータDNAコンピュータ

解を並列に探索する組み合わせ最適化問題に有効とされている

神経回路の機能と構造を模擬 ディープニューラルネットワーク(DNN)

所謂AI学習により高精度な特徴抽出パターン認識ができる

13

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ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例

14

ナップサック問題

遠足のおやつに何を何個持って行くかbull 合計300円以内bull 各おやつの値段と必要度が分かっている(N種類のおやつの組み合わせ = 2N 通り)

巡回セールスマン問題

最短距離で都市を巡るにはどの順番でいくかbull 全ての都市を1回通るbull 都市間の距離が分かっている(N都市を回る順序 = N 通り)

30種類のおやつから選ぶ場合1073741824通りの組み合わせを検討する必要がある

30市を回る計画の場合2653times1032通りの組み合わせを検討する必要がある

ノイマン型コンピュータは全ての場合について計算を行うので現実的ではない(スパコンでも困難)

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ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ

15

量子コンピュータによるチューリングマシン(量子演算を何度も行える汎用コンピュータ)も原理的には実現可能

組み合わせ1

組み合わせ2

組み合わせ230

hellip

演算

演算

演算

判定

組み合わせ1~230

30bit

30Qbit

データを重ね合わせることにより1回で計算を行うrarr 従来の暗号が解けてしまう

各ビットは1となる確率で表される

量子演算() 測定

正しい組み合わせ

正しい組み合わせ(確率が最も高い組み合わせ)

ノイマン型(古典計算機)

量子コンピュータ

量子状態のベクトルで実現bull 光の位相や偏向bull 超伝導リングの磁束など

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量子コンピュータを使ってみよう無料公開されている量子コンピュータ (IBM Q Experience)の利用法httpsdeveloperibmcomjptechnologiesquantum-computingtutorialscl-quantum-computing

量子コンピュータの初心者向け解説(線形代数量子力学の知識が必要)httpsdojoqulacsorgjalatest

16

(参考)ビット(bit)と量子ビット(qbit)N bit N qbit

表現する値 2N 個の数値の集合 2N 次元のベクトルの集合

N = 1 の例 x = 1 0

N = 2 の例 x = 00 01 10 11| ⟩0 = 0

1

| ⟩1 = 10 | ⟩119909119909

実際は2N次元複素空間

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AIに必要な機能

17

一言で機械学習と呼ぶがいろいろなタイプ(目的)のアルゴリズムが必要

教師あり(原因と結果の関係を学習)

回帰(予測)

分類(特徴に従って分ける)

異常検知予知(異常と診断される状態の検知)

教師なし(データ構造を学習)

クラスタリング(特徴を見つける)

異常検知予知(いつもと違う状態の検知)

次元削減(重要な特徴を選択する)

強化学習

評価値(点数)を最大にする行動の

学習

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ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)

18

ニューロンの機能と脳のネットワークを模倣()

x1 times

times

times

x2

hellip

xN

w1

w2

wN

119894119894=1

119873119873

119908119908119894119894119909119909119894119894

ニューロン のモデル

i1

i2

y

i3

h1

h1

o1

o2

o3

認識分類生成

データ

ニューロンニューロン

ニューロン

学習機構(wiを最適化)

画像音声センサ文字など

現在はノイマン型コンピュータのソフトウエアで模擬したものが主流

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生成AI

19

認識などのAI

生成AI(生成系AI)

Golden Retriever

Golden Retriever特徴A B C

通常のAIと逆の処理を行わせる

符号化(情報圧縮)

復号(情報付加)

高次元情報

高次元情報(具体的)

低次元情報(抽象的)

低次元情報

仮想モデルの自動作成(データグリッド) httpsdatagridcojp新聞記事の自動生成 (日本経済新聞) httpsprnikkeicomqreports-ai

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VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連

20

VLSIの高性能化

bull高速化

bull低消費電力化

bull高集積化

コンピュータの高性能化

bull高速処理

bull消費電力低減

bull高機能

通信の高性能化

bull高速伝送

bull消費電力低減

bullセキュリティ

高性能化要求と開発投資 高性能化要求と開発投資

新技術 新技術

全体像を見ないと技術は理解できない(1分野の知識では足りない)

5-2 マイクロプロセッサコンピュータの仕組みと構造

21

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ノイマン型コンピュータの構造

22

演算回路(ALU)

記憶回路(レジスタ)

入出力回路(IO)

データの流れを制御する回路(シーケンサ)

記憶回路(メモリ)

制御信号命令制御信号制御信号制御信号

MPUまたはCPUMCUまたはマイコン

プログラム()やデータはここに保存

命令や処理途中のデータはここに保存

プログラムはコンピュータへの命令(次頁参照)の実行手順を示したもの

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ハードウエアの用語(覚えておこう)

23

用語 意味

MPU (Microprocessor Unit) コンピュータの主要部分(前ページ参照)を搭載したLSI (Large Scale Integration)

CPU (Central Processing Unit) MPUと同義(ただし物ではなく機能を指す名称)

MCU (Microcontroller Unit) MPU + メモリ + タイマー + アナログ-ディジタル変換 + 通信回路(無線の場合もある)を1チップに集積化したLSIまたプログラムを内蔵する(書き込む)ことができる

SoC (System on a Chip)またはSystem LSI

多数のMPUを搭載し1チップでシステム全体を構成できる特定用途向けの大規模LSI(スマートフォンLSI等)

命令セット (Instruction set) プログラムを構成する処理要素の集合(MPUが実行する)bull 算術演算 A + B AB などbull 論理演算 A cap B AcupB などbull 比較判定 A gt B A = B などbull データ読み出し保存bull ジャンプ(プログラムの実行順序を変更する命令)

これがソフトウエアとハードウエアを接続している

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マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

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メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

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マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

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メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

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集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

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産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

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Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

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Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

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VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

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ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

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デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

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無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

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アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

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ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

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論理合成前

48

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論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

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論理合成(拡大)

50

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自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

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自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

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論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

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1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

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金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

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今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

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宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 7: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

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身の回りのコンピュータ

7

スマートフォン(電話付きのコンピュータ)

ICカード電子マネー

自動車(100個以上のコンピュータの固まり)

ネットワークオーディオ

電子楽器エフェクタ

冷蔵庫電子レンジなどの家電製品

基本的に全ての電子機器は特定用途のコンピュータを搭載していると考えてよい

カーナビ

殆どの医療計測機器(体温計血圧計など)

カメラ

プリンタ

電子鍵

RF-ID(電子バーコード電子証書)

ディスプレイタッチパネル

ゲーム機

タブレットスマートフォン

FAX固定電話

リモコン

無線LANルータ

ディジタルサイネージ(電子広告電光掲示板)

テレビSTB

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ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ

8

ICカード

24GHz帯 RF-IDタグ

Felicaチップ(1356MH)

NVRAM

Mask ROM

CPUNFC電源

暗号

SRAM

CPU = Central Processing Unit (本体)NVRAM = Non-Volatile Random Access MemoryNFC = Near Field Communication (次頁)

04mm

NFC決済

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ICカードの仕組み

9

Near Field Communication (NFC)(10cm程度の近距離通信の国際規格)

アンテナまたはコイルICカード

(電源不要)

ICチップ (1mm以下)

電力の伝送(磁界または電磁波)

コントロールボード

アンテナ

リーダライタ(電源を供給)

[参考] 無電源無線通信技術アンテナの吸収電力を変化させることによりリーダライタが発する電磁界をASK変調して無線通信する技術Backscatter方式と呼ばれるリーダライタ側もBackscatterを使う場合はAmbient Backscatterと呼ばれ完全な無電源となる

ASK = Amplitude Shit Keying

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ソフト+ハードを含めて「組み込みシステム」(影で動いている)

使用目的によるコンピュータの分類

10

ノートブック

マイコン(Microcontroller)

1ボードPC

デスクトップ

[参考] GPGPU = General-purpose computing on graphics processing units

特定用途向け

汎用高速計算技術開発に特化

GPGPUサーバー

スマホ

スパコン

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コンピュータの動作原理による分類

11

量子コンピュータ (Washington)出典D-Wave Systems

ニューラルネットワーク(TrueNorth)出典IBM

ノイマン型コンピュータ(Core i7)出典Intel Corporation

プログラムにより動作 学習により動作 プログラムにより動作

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コンピュータの実装に使われる技術

12

半導体超伝導技術

VLSI技術(回路とソフト)

ノイマン型コンピュータ

ニューラルネットワーク

超伝導光デバイス技術

量子コンピュータ

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ノイマン型コンピュータ現在主流の汎用コンピュータはノイマン型と呼ばれる(スパコンを含む)3名の開発者の名をつけて Eckert-Mauchly-von Neumann architecture とも呼ばれる

ノイマン型コンピュータの特徴メモリにプログラムとデータを内蔵し論理記述可能な任意の処理を行う(チューリングマシンの一種)プログラムを逐次実行する(高速演算が要求される)

ノイマン型コンピュータでないものは「非ノイマン型コンピュータ」と呼ばれる方式 例 特徴

条件に合致する解を求める 量子コンピュータDNAコンピュータ

解を並列に探索する組み合わせ最適化問題に有効とされている

神経回路の機能と構造を模擬 ディープニューラルネットワーク(DNN)

所謂AI学習により高精度な特徴抽出パターン認識ができる

13

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ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例

14

ナップサック問題

遠足のおやつに何を何個持って行くかbull 合計300円以内bull 各おやつの値段と必要度が分かっている(N種類のおやつの組み合わせ = 2N 通り)

巡回セールスマン問題

最短距離で都市を巡るにはどの順番でいくかbull 全ての都市を1回通るbull 都市間の距離が分かっている(N都市を回る順序 = N 通り)

30種類のおやつから選ぶ場合1073741824通りの組み合わせを検討する必要がある

30市を回る計画の場合2653times1032通りの組み合わせを検討する必要がある

ノイマン型コンピュータは全ての場合について計算を行うので現実的ではない(スパコンでも困難)

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ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ

15

量子コンピュータによるチューリングマシン(量子演算を何度も行える汎用コンピュータ)も原理的には実現可能

組み合わせ1

組み合わせ2

組み合わせ230

hellip

演算

演算

演算

判定

組み合わせ1~230

30bit

30Qbit

データを重ね合わせることにより1回で計算を行うrarr 従来の暗号が解けてしまう

各ビットは1となる確率で表される

量子演算() 測定

正しい組み合わせ

正しい組み合わせ(確率が最も高い組み合わせ)

ノイマン型(古典計算機)

量子コンピュータ

量子状態のベクトルで実現bull 光の位相や偏向bull 超伝導リングの磁束など

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量子コンピュータを使ってみよう無料公開されている量子コンピュータ (IBM Q Experience)の利用法httpsdeveloperibmcomjptechnologiesquantum-computingtutorialscl-quantum-computing

量子コンピュータの初心者向け解説(線形代数量子力学の知識が必要)httpsdojoqulacsorgjalatest

16

(参考)ビット(bit)と量子ビット(qbit)N bit N qbit

表現する値 2N 個の数値の集合 2N 次元のベクトルの集合

N = 1 の例 x = 1 0

N = 2 の例 x = 00 01 10 11| ⟩0 = 0

1

| ⟩1 = 10 | ⟩119909119909

実際は2N次元複素空間

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AIに必要な機能

17

一言で機械学習と呼ぶがいろいろなタイプ(目的)のアルゴリズムが必要

教師あり(原因と結果の関係を学習)

回帰(予測)

分類(特徴に従って分ける)

異常検知予知(異常と診断される状態の検知)

教師なし(データ構造を学習)

クラスタリング(特徴を見つける)

異常検知予知(いつもと違う状態の検知)

次元削減(重要な特徴を選択する)

強化学習

評価値(点数)を最大にする行動の

学習

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ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)

18

ニューロンの機能と脳のネットワークを模倣()

x1 times

times

times

x2

hellip

xN

w1

w2

wN

119894119894=1

119873119873

119908119908119894119894119909119909119894119894

ニューロン のモデル

i1

i2

y

i3

h1

h1

o1

o2

o3

認識分類生成

データ

ニューロンニューロン

ニューロン

学習機構(wiを最適化)

画像音声センサ文字など

現在はノイマン型コンピュータのソフトウエアで模擬したものが主流

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生成AI

19

認識などのAI

生成AI(生成系AI)

Golden Retriever

Golden Retriever特徴A B C

通常のAIと逆の処理を行わせる

符号化(情報圧縮)

復号(情報付加)

高次元情報

高次元情報(具体的)

低次元情報(抽象的)

低次元情報

仮想モデルの自動作成(データグリッド) httpsdatagridcojp新聞記事の自動生成 (日本経済新聞) httpsprnikkeicomqreports-ai

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VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連

20

VLSIの高性能化

bull高速化

bull低消費電力化

bull高集積化

コンピュータの高性能化

bull高速処理

bull消費電力低減

bull高機能

通信の高性能化

bull高速伝送

bull消費電力低減

bullセキュリティ

高性能化要求と開発投資 高性能化要求と開発投資

新技術 新技術

全体像を見ないと技術は理解できない(1分野の知識では足りない)

5-2 マイクロプロセッサコンピュータの仕組みと構造

21

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ノイマン型コンピュータの構造

22

演算回路(ALU)

記憶回路(レジスタ)

入出力回路(IO)

データの流れを制御する回路(シーケンサ)

記憶回路(メモリ)

制御信号命令制御信号制御信号制御信号

MPUまたはCPUMCUまたはマイコン

プログラム()やデータはここに保存

命令や処理途中のデータはここに保存

プログラムはコンピュータへの命令(次頁参照)の実行手順を示したもの

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ハードウエアの用語(覚えておこう)

23

用語 意味

MPU (Microprocessor Unit) コンピュータの主要部分(前ページ参照)を搭載したLSI (Large Scale Integration)

CPU (Central Processing Unit) MPUと同義(ただし物ではなく機能を指す名称)

MCU (Microcontroller Unit) MPU + メモリ + タイマー + アナログ-ディジタル変換 + 通信回路(無線の場合もある)を1チップに集積化したLSIまたプログラムを内蔵する(書き込む)ことができる

SoC (System on a Chip)またはSystem LSI

多数のMPUを搭載し1チップでシステム全体を構成できる特定用途向けの大規模LSI(スマートフォンLSI等)

命令セット (Instruction set) プログラムを構成する処理要素の集合(MPUが実行する)bull 算術演算 A + B AB などbull 論理演算 A cap B AcupB などbull 比較判定 A gt B A = B などbull データ読み出し保存bull ジャンプ(プログラムの実行順序を変更する命令)

これがソフトウエアとハードウエアを接続している

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マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

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メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

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マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

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メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

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集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

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産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

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VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

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ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

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デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

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無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

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アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

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ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

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論理合成前

48

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論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

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論理合成(拡大)

50

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自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

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自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

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論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

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1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

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金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

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今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

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宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 8: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

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ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ

8

ICカード

24GHz帯 RF-IDタグ

Felicaチップ(1356MH)

NVRAM

Mask ROM

CPUNFC電源

暗号

SRAM

CPU = Central Processing Unit (本体)NVRAM = Non-Volatile Random Access MemoryNFC = Near Field Communication (次頁)

04mm

NFC決済

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ICカードの仕組み

9

Near Field Communication (NFC)(10cm程度の近距離通信の国際規格)

アンテナまたはコイルICカード

(電源不要)

ICチップ (1mm以下)

電力の伝送(磁界または電磁波)

コントロールボード

アンテナ

リーダライタ(電源を供給)

[参考] 無電源無線通信技術アンテナの吸収電力を変化させることによりリーダライタが発する電磁界をASK変調して無線通信する技術Backscatter方式と呼ばれるリーダライタ側もBackscatterを使う場合はAmbient Backscatterと呼ばれ完全な無電源となる

ASK = Amplitude Shit Keying

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ソフト+ハードを含めて「組み込みシステム」(影で動いている)

使用目的によるコンピュータの分類

10

ノートブック

マイコン(Microcontroller)

1ボードPC

デスクトップ

[参考] GPGPU = General-purpose computing on graphics processing units

特定用途向け

汎用高速計算技術開発に特化

GPGPUサーバー

スマホ

スパコン

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コンピュータの動作原理による分類

11

量子コンピュータ (Washington)出典D-Wave Systems

ニューラルネットワーク(TrueNorth)出典IBM

ノイマン型コンピュータ(Core i7)出典Intel Corporation

プログラムにより動作 学習により動作 プログラムにより動作

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コンピュータの実装に使われる技術

12

半導体超伝導技術

VLSI技術(回路とソフト)

ノイマン型コンピュータ

ニューラルネットワーク

超伝導光デバイス技術

量子コンピュータ

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ノイマン型コンピュータ現在主流の汎用コンピュータはノイマン型と呼ばれる(スパコンを含む)3名の開発者の名をつけて Eckert-Mauchly-von Neumann architecture とも呼ばれる

ノイマン型コンピュータの特徴メモリにプログラムとデータを内蔵し論理記述可能な任意の処理を行う(チューリングマシンの一種)プログラムを逐次実行する(高速演算が要求される)

ノイマン型コンピュータでないものは「非ノイマン型コンピュータ」と呼ばれる方式 例 特徴

条件に合致する解を求める 量子コンピュータDNAコンピュータ

解を並列に探索する組み合わせ最適化問題に有効とされている

神経回路の機能と構造を模擬 ディープニューラルネットワーク(DNN)

所謂AI学習により高精度な特徴抽出パターン認識ができる

13

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ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例

14

ナップサック問題

遠足のおやつに何を何個持って行くかbull 合計300円以内bull 各おやつの値段と必要度が分かっている(N種類のおやつの組み合わせ = 2N 通り)

巡回セールスマン問題

最短距離で都市を巡るにはどの順番でいくかbull 全ての都市を1回通るbull 都市間の距離が分かっている(N都市を回る順序 = N 通り)

30種類のおやつから選ぶ場合1073741824通りの組み合わせを検討する必要がある

30市を回る計画の場合2653times1032通りの組み合わせを検討する必要がある

ノイマン型コンピュータは全ての場合について計算を行うので現実的ではない(スパコンでも困難)

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ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ

15

量子コンピュータによるチューリングマシン(量子演算を何度も行える汎用コンピュータ)も原理的には実現可能

組み合わせ1

組み合わせ2

組み合わせ230

hellip

演算

演算

演算

判定

組み合わせ1~230

30bit

30Qbit

データを重ね合わせることにより1回で計算を行うrarr 従来の暗号が解けてしまう

各ビットは1となる確率で表される

量子演算() 測定

正しい組み合わせ

正しい組み合わせ(確率が最も高い組み合わせ)

ノイマン型(古典計算機)

量子コンピュータ

量子状態のベクトルで実現bull 光の位相や偏向bull 超伝導リングの磁束など

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量子コンピュータを使ってみよう無料公開されている量子コンピュータ (IBM Q Experience)の利用法httpsdeveloperibmcomjptechnologiesquantum-computingtutorialscl-quantum-computing

量子コンピュータの初心者向け解説(線形代数量子力学の知識が必要)httpsdojoqulacsorgjalatest

16

(参考)ビット(bit)と量子ビット(qbit)N bit N qbit

表現する値 2N 個の数値の集合 2N 次元のベクトルの集合

N = 1 の例 x = 1 0

N = 2 の例 x = 00 01 10 11| ⟩0 = 0

1

| ⟩1 = 10 | ⟩119909119909

実際は2N次元複素空間

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AIに必要な機能

17

一言で機械学習と呼ぶがいろいろなタイプ(目的)のアルゴリズムが必要

教師あり(原因と結果の関係を学習)

回帰(予測)

分類(特徴に従って分ける)

異常検知予知(異常と診断される状態の検知)

教師なし(データ構造を学習)

クラスタリング(特徴を見つける)

異常検知予知(いつもと違う状態の検知)

次元削減(重要な特徴を選択する)

強化学習

評価値(点数)を最大にする行動の

学習

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ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)

18

ニューロンの機能と脳のネットワークを模倣()

x1 times

times

times

x2

hellip

xN

w1

w2

wN

119894119894=1

119873119873

119908119908119894119894119909119909119894119894

ニューロン のモデル

i1

i2

y

i3

h1

h1

o1

o2

o3

認識分類生成

データ

ニューロンニューロン

ニューロン

学習機構(wiを最適化)

画像音声センサ文字など

現在はノイマン型コンピュータのソフトウエアで模擬したものが主流

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生成AI

19

認識などのAI

生成AI(生成系AI)

Golden Retriever

Golden Retriever特徴A B C

通常のAIと逆の処理を行わせる

符号化(情報圧縮)

復号(情報付加)

高次元情報

高次元情報(具体的)

低次元情報(抽象的)

低次元情報

仮想モデルの自動作成(データグリッド) httpsdatagridcojp新聞記事の自動生成 (日本経済新聞) httpsprnikkeicomqreports-ai

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VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連

20

VLSIの高性能化

bull高速化

bull低消費電力化

bull高集積化

コンピュータの高性能化

bull高速処理

bull消費電力低減

bull高機能

通信の高性能化

bull高速伝送

bull消費電力低減

bullセキュリティ

高性能化要求と開発投資 高性能化要求と開発投資

新技術 新技術

全体像を見ないと技術は理解できない(1分野の知識では足りない)

5-2 マイクロプロセッサコンピュータの仕組みと構造

21

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ノイマン型コンピュータの構造

22

演算回路(ALU)

記憶回路(レジスタ)

入出力回路(IO)

データの流れを制御する回路(シーケンサ)

記憶回路(メモリ)

制御信号命令制御信号制御信号制御信号

MPUまたはCPUMCUまたはマイコン

プログラム()やデータはここに保存

命令や処理途中のデータはここに保存

プログラムはコンピュータへの命令(次頁参照)の実行手順を示したもの

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ハードウエアの用語(覚えておこう)

23

用語 意味

MPU (Microprocessor Unit) コンピュータの主要部分(前ページ参照)を搭載したLSI (Large Scale Integration)

CPU (Central Processing Unit) MPUと同義(ただし物ではなく機能を指す名称)

MCU (Microcontroller Unit) MPU + メモリ + タイマー + アナログ-ディジタル変換 + 通信回路(無線の場合もある)を1チップに集積化したLSIまたプログラムを内蔵する(書き込む)ことができる

SoC (System on a Chip)またはSystem LSI

多数のMPUを搭載し1チップでシステム全体を構成できる特定用途向けの大規模LSI(スマートフォンLSI等)

命令セット (Instruction set) プログラムを構成する処理要素の集合(MPUが実行する)bull 算術演算 A + B AB などbull 論理演算 A cap B AcupB などbull 比較判定 A gt B A = B などbull データ読み出し保存bull ジャンプ(プログラムの実行順序を変更する命令)

これがソフトウエアとハードウエアを接続している

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マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

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メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

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マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

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メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

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集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

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産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

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Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

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Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

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VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

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ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 9: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

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ICカードの仕組み

9

Near Field Communication (NFC)(10cm程度の近距離通信の国際規格)

アンテナまたはコイルICカード

(電源不要)

ICチップ (1mm以下)

電力の伝送(磁界または電磁波)

コントロールボード

アンテナ

リーダライタ(電源を供給)

[参考] 無電源無線通信技術アンテナの吸収電力を変化させることによりリーダライタが発する電磁界をASK変調して無線通信する技術Backscatter方式と呼ばれるリーダライタ側もBackscatterを使う場合はAmbient Backscatterと呼ばれ完全な無電源となる

ASK = Amplitude Shit Keying

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ソフト+ハードを含めて「組み込みシステム」(影で動いている)

使用目的によるコンピュータの分類

10

ノートブック

マイコン(Microcontroller)

1ボードPC

デスクトップ

[参考] GPGPU = General-purpose computing on graphics processing units

特定用途向け

汎用高速計算技術開発に特化

GPGPUサーバー

スマホ

スパコン

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コンピュータの動作原理による分類

11

量子コンピュータ (Washington)出典D-Wave Systems

ニューラルネットワーク(TrueNorth)出典IBM

ノイマン型コンピュータ(Core i7)出典Intel Corporation

プログラムにより動作 学習により動作 プログラムにより動作

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コンピュータの実装に使われる技術

12

半導体超伝導技術

VLSI技術(回路とソフト)

ノイマン型コンピュータ

ニューラルネットワーク

超伝導光デバイス技術

量子コンピュータ

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ノイマン型コンピュータ現在主流の汎用コンピュータはノイマン型と呼ばれる(スパコンを含む)3名の開発者の名をつけて Eckert-Mauchly-von Neumann architecture とも呼ばれる

ノイマン型コンピュータの特徴メモリにプログラムとデータを内蔵し論理記述可能な任意の処理を行う(チューリングマシンの一種)プログラムを逐次実行する(高速演算が要求される)

ノイマン型コンピュータでないものは「非ノイマン型コンピュータ」と呼ばれる方式 例 特徴

条件に合致する解を求める 量子コンピュータDNAコンピュータ

解を並列に探索する組み合わせ最適化問題に有効とされている

神経回路の機能と構造を模擬 ディープニューラルネットワーク(DNN)

所謂AI学習により高精度な特徴抽出パターン認識ができる

13

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ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例

14

ナップサック問題

遠足のおやつに何を何個持って行くかbull 合計300円以内bull 各おやつの値段と必要度が分かっている(N種類のおやつの組み合わせ = 2N 通り)

巡回セールスマン問題

最短距離で都市を巡るにはどの順番でいくかbull 全ての都市を1回通るbull 都市間の距離が分かっている(N都市を回る順序 = N 通り)

30種類のおやつから選ぶ場合1073741824通りの組み合わせを検討する必要がある

30市を回る計画の場合2653times1032通りの組み合わせを検討する必要がある

ノイマン型コンピュータは全ての場合について計算を行うので現実的ではない(スパコンでも困難)

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ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ

15

量子コンピュータによるチューリングマシン(量子演算を何度も行える汎用コンピュータ)も原理的には実現可能

組み合わせ1

組み合わせ2

組み合わせ230

hellip

演算

演算

演算

判定

組み合わせ1~230

30bit

30Qbit

データを重ね合わせることにより1回で計算を行うrarr 従来の暗号が解けてしまう

各ビットは1となる確率で表される

量子演算() 測定

正しい組み合わせ

正しい組み合わせ(確率が最も高い組み合わせ)

ノイマン型(古典計算機)

量子コンピュータ

量子状態のベクトルで実現bull 光の位相や偏向bull 超伝導リングの磁束など

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量子コンピュータを使ってみよう無料公開されている量子コンピュータ (IBM Q Experience)の利用法httpsdeveloperibmcomjptechnologiesquantum-computingtutorialscl-quantum-computing

量子コンピュータの初心者向け解説(線形代数量子力学の知識が必要)httpsdojoqulacsorgjalatest

16

(参考)ビット(bit)と量子ビット(qbit)N bit N qbit

表現する値 2N 個の数値の集合 2N 次元のベクトルの集合

N = 1 の例 x = 1 0

N = 2 の例 x = 00 01 10 11| ⟩0 = 0

1

| ⟩1 = 10 | ⟩119909119909

実際は2N次元複素空間

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AIに必要な機能

17

一言で機械学習と呼ぶがいろいろなタイプ(目的)のアルゴリズムが必要

教師あり(原因と結果の関係を学習)

回帰(予測)

分類(特徴に従って分ける)

異常検知予知(異常と診断される状態の検知)

教師なし(データ構造を学習)

クラスタリング(特徴を見つける)

異常検知予知(いつもと違う状態の検知)

次元削減(重要な特徴を選択する)

強化学習

評価値(点数)を最大にする行動の

学習

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ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)

18

ニューロンの機能と脳のネットワークを模倣()

x1 times

times

times

x2

hellip

xN

w1

w2

wN

119894119894=1

119873119873

119908119908119894119894119909119909119894119894

ニューロン のモデル

i1

i2

y

i3

h1

h1

o1

o2

o3

認識分類生成

データ

ニューロンニューロン

ニューロン

学習機構(wiを最適化)

画像音声センサ文字など

現在はノイマン型コンピュータのソフトウエアで模擬したものが主流

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生成AI

19

認識などのAI

生成AI(生成系AI)

Golden Retriever

Golden Retriever特徴A B C

通常のAIと逆の処理を行わせる

符号化(情報圧縮)

復号(情報付加)

高次元情報

高次元情報(具体的)

低次元情報(抽象的)

低次元情報

仮想モデルの自動作成(データグリッド) httpsdatagridcojp新聞記事の自動生成 (日本経済新聞) httpsprnikkeicomqreports-ai

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VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連

20

VLSIの高性能化

bull高速化

bull低消費電力化

bull高集積化

コンピュータの高性能化

bull高速処理

bull消費電力低減

bull高機能

通信の高性能化

bull高速伝送

bull消費電力低減

bullセキュリティ

高性能化要求と開発投資 高性能化要求と開発投資

新技術 新技術

全体像を見ないと技術は理解できない(1分野の知識では足りない)

5-2 マイクロプロセッサコンピュータの仕組みと構造

21

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ノイマン型コンピュータの構造

22

演算回路(ALU)

記憶回路(レジスタ)

入出力回路(IO)

データの流れを制御する回路(シーケンサ)

記憶回路(メモリ)

制御信号命令制御信号制御信号制御信号

MPUまたはCPUMCUまたはマイコン

プログラム()やデータはここに保存

命令や処理途中のデータはここに保存

プログラムはコンピュータへの命令(次頁参照)の実行手順を示したもの

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ハードウエアの用語(覚えておこう)

23

用語 意味

MPU (Microprocessor Unit) コンピュータの主要部分(前ページ参照)を搭載したLSI (Large Scale Integration)

CPU (Central Processing Unit) MPUと同義(ただし物ではなく機能を指す名称)

MCU (Microcontroller Unit) MPU + メモリ + タイマー + アナログ-ディジタル変換 + 通信回路(無線の場合もある)を1チップに集積化したLSIまたプログラムを内蔵する(書き込む)ことができる

SoC (System on a Chip)またはSystem LSI

多数のMPUを搭載し1チップでシステム全体を構成できる特定用途向けの大規模LSI(スマートフォンLSI等)

命令セット (Instruction set) プログラムを構成する処理要素の集合(MPUが実行する)bull 算術演算 A + B AB などbull 論理演算 A cap B AcupB などbull 比較判定 A gt B A = B などbull データ読み出し保存bull ジャンプ(プログラムの実行順序を変更する命令)

これがソフトウエアとハードウエアを接続している

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マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

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メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

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マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

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メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

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集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

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産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

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Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

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VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

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ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

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デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

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無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

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アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

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ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

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論理合成前

48

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論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

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論理合成(拡大)

50

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自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

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自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

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論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

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1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 10: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

MeRL Kanazawa Univ

ソフト+ハードを含めて「組み込みシステム」(影で動いている)

使用目的によるコンピュータの分類

10

ノートブック

マイコン(Microcontroller)

1ボードPC

デスクトップ

[参考] GPGPU = General-purpose computing on graphics processing units

特定用途向け

汎用高速計算技術開発に特化

GPGPUサーバー

スマホ

スパコン

MeRL Kanazawa Univ

コンピュータの動作原理による分類

11

量子コンピュータ (Washington)出典D-Wave Systems

ニューラルネットワーク(TrueNorth)出典IBM

ノイマン型コンピュータ(Core i7)出典Intel Corporation

プログラムにより動作 学習により動作 プログラムにより動作

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コンピュータの実装に使われる技術

12

半導体超伝導技術

VLSI技術(回路とソフト)

ノイマン型コンピュータ

ニューラルネットワーク

超伝導光デバイス技術

量子コンピュータ

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ノイマン型コンピュータ現在主流の汎用コンピュータはノイマン型と呼ばれる(スパコンを含む)3名の開発者の名をつけて Eckert-Mauchly-von Neumann architecture とも呼ばれる

ノイマン型コンピュータの特徴メモリにプログラムとデータを内蔵し論理記述可能な任意の処理を行う(チューリングマシンの一種)プログラムを逐次実行する(高速演算が要求される)

ノイマン型コンピュータでないものは「非ノイマン型コンピュータ」と呼ばれる方式 例 特徴

条件に合致する解を求める 量子コンピュータDNAコンピュータ

解を並列に探索する組み合わせ最適化問題に有効とされている

神経回路の機能と構造を模擬 ディープニューラルネットワーク(DNN)

所謂AI学習により高精度な特徴抽出パターン認識ができる

13

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ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例

14

ナップサック問題

遠足のおやつに何を何個持って行くかbull 合計300円以内bull 各おやつの値段と必要度が分かっている(N種類のおやつの組み合わせ = 2N 通り)

巡回セールスマン問題

最短距離で都市を巡るにはどの順番でいくかbull 全ての都市を1回通るbull 都市間の距離が分かっている(N都市を回る順序 = N 通り)

30種類のおやつから選ぶ場合1073741824通りの組み合わせを検討する必要がある

30市を回る計画の場合2653times1032通りの組み合わせを検討する必要がある

ノイマン型コンピュータは全ての場合について計算を行うので現実的ではない(スパコンでも困難)

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ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ

15

量子コンピュータによるチューリングマシン(量子演算を何度も行える汎用コンピュータ)も原理的には実現可能

組み合わせ1

組み合わせ2

組み合わせ230

hellip

演算

演算

演算

判定

組み合わせ1~230

30bit

30Qbit

データを重ね合わせることにより1回で計算を行うrarr 従来の暗号が解けてしまう

各ビットは1となる確率で表される

量子演算() 測定

正しい組み合わせ

正しい組み合わせ(確率が最も高い組み合わせ)

ノイマン型(古典計算機)

量子コンピュータ

量子状態のベクトルで実現bull 光の位相や偏向bull 超伝導リングの磁束など

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量子コンピュータを使ってみよう無料公開されている量子コンピュータ (IBM Q Experience)の利用法httpsdeveloperibmcomjptechnologiesquantum-computingtutorialscl-quantum-computing

量子コンピュータの初心者向け解説(線形代数量子力学の知識が必要)httpsdojoqulacsorgjalatest

16

(参考)ビット(bit)と量子ビット(qbit)N bit N qbit

表現する値 2N 個の数値の集合 2N 次元のベクトルの集合

N = 1 の例 x = 1 0

N = 2 の例 x = 00 01 10 11| ⟩0 = 0

1

| ⟩1 = 10 | ⟩119909119909

実際は2N次元複素空間

MeRL Kanazawa Univ

AIに必要な機能

17

一言で機械学習と呼ぶがいろいろなタイプ(目的)のアルゴリズムが必要

教師あり(原因と結果の関係を学習)

回帰(予測)

分類(特徴に従って分ける)

異常検知予知(異常と診断される状態の検知)

教師なし(データ構造を学習)

クラスタリング(特徴を見つける)

異常検知予知(いつもと違う状態の検知)

次元削減(重要な特徴を選択する)

強化学習

評価値(点数)を最大にする行動の

学習

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ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)

18

ニューロンの機能と脳のネットワークを模倣()

x1 times

times

times

x2

hellip

xN

w1

w2

wN

119894119894=1

119873119873

119908119908119894119894119909119909119894119894

ニューロン のモデル

i1

i2

y

i3

h1

h1

o1

o2

o3

認識分類生成

データ

ニューロンニューロン

ニューロン

学習機構(wiを最適化)

画像音声センサ文字など

現在はノイマン型コンピュータのソフトウエアで模擬したものが主流

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生成AI

19

認識などのAI

生成AI(生成系AI)

Golden Retriever

Golden Retriever特徴A B C

通常のAIと逆の処理を行わせる

符号化(情報圧縮)

復号(情報付加)

高次元情報

高次元情報(具体的)

低次元情報(抽象的)

低次元情報

仮想モデルの自動作成(データグリッド) httpsdatagridcojp新聞記事の自動生成 (日本経済新聞) httpsprnikkeicomqreports-ai

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VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連

20

VLSIの高性能化

bull高速化

bull低消費電力化

bull高集積化

コンピュータの高性能化

bull高速処理

bull消費電力低減

bull高機能

通信の高性能化

bull高速伝送

bull消費電力低減

bullセキュリティ

高性能化要求と開発投資 高性能化要求と開発投資

新技術 新技術

全体像を見ないと技術は理解できない(1分野の知識では足りない)

5-2 マイクロプロセッサコンピュータの仕組みと構造

21

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ノイマン型コンピュータの構造

22

演算回路(ALU)

記憶回路(レジスタ)

入出力回路(IO)

データの流れを制御する回路(シーケンサ)

記憶回路(メモリ)

制御信号命令制御信号制御信号制御信号

MPUまたはCPUMCUまたはマイコン

プログラム()やデータはここに保存

命令や処理途中のデータはここに保存

プログラムはコンピュータへの命令(次頁参照)の実行手順を示したもの

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ハードウエアの用語(覚えておこう)

23

用語 意味

MPU (Microprocessor Unit) コンピュータの主要部分(前ページ参照)を搭載したLSI (Large Scale Integration)

CPU (Central Processing Unit) MPUと同義(ただし物ではなく機能を指す名称)

MCU (Microcontroller Unit) MPU + メモリ + タイマー + アナログ-ディジタル変換 + 通信回路(無線の場合もある)を1チップに集積化したLSIまたプログラムを内蔵する(書き込む)ことができる

SoC (System on a Chip)またはSystem LSI

多数のMPUを搭載し1チップでシステム全体を構成できる特定用途向けの大規模LSI(スマートフォンLSI等)

命令セット (Instruction set) プログラムを構成する処理要素の集合(MPUが実行する)bull 算術演算 A + B AB などbull 論理演算 A cap B AcupB などbull 比較判定 A gt B A = B などbull データ読み出し保存bull ジャンプ(プログラムの実行順序を変更する命令)

これがソフトウエアとハードウエアを接続している

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マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

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メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

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マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

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メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

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集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

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産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

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VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

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ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

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無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

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アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

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ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

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今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 11: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

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コンピュータの動作原理による分類

11

量子コンピュータ (Washington)出典D-Wave Systems

ニューラルネットワーク(TrueNorth)出典IBM

ノイマン型コンピュータ(Core i7)出典Intel Corporation

プログラムにより動作 学習により動作 プログラムにより動作

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コンピュータの実装に使われる技術

12

半導体超伝導技術

VLSI技術(回路とソフト)

ノイマン型コンピュータ

ニューラルネットワーク

超伝導光デバイス技術

量子コンピュータ

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ノイマン型コンピュータ現在主流の汎用コンピュータはノイマン型と呼ばれる(スパコンを含む)3名の開発者の名をつけて Eckert-Mauchly-von Neumann architecture とも呼ばれる

ノイマン型コンピュータの特徴メモリにプログラムとデータを内蔵し論理記述可能な任意の処理を行う(チューリングマシンの一種)プログラムを逐次実行する(高速演算が要求される)

ノイマン型コンピュータでないものは「非ノイマン型コンピュータ」と呼ばれる方式 例 特徴

条件に合致する解を求める 量子コンピュータDNAコンピュータ

解を並列に探索する組み合わせ最適化問題に有効とされている

神経回路の機能と構造を模擬 ディープニューラルネットワーク(DNN)

所謂AI学習により高精度な特徴抽出パターン認識ができる

13

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ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例

14

ナップサック問題

遠足のおやつに何を何個持って行くかbull 合計300円以内bull 各おやつの値段と必要度が分かっている(N種類のおやつの組み合わせ = 2N 通り)

巡回セールスマン問題

最短距離で都市を巡るにはどの順番でいくかbull 全ての都市を1回通るbull 都市間の距離が分かっている(N都市を回る順序 = N 通り)

30種類のおやつから選ぶ場合1073741824通りの組み合わせを検討する必要がある

30市を回る計画の場合2653times1032通りの組み合わせを検討する必要がある

ノイマン型コンピュータは全ての場合について計算を行うので現実的ではない(スパコンでも困難)

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ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ

15

量子コンピュータによるチューリングマシン(量子演算を何度も行える汎用コンピュータ)も原理的には実現可能

組み合わせ1

組み合わせ2

組み合わせ230

hellip

演算

演算

演算

判定

組み合わせ1~230

30bit

30Qbit

データを重ね合わせることにより1回で計算を行うrarr 従来の暗号が解けてしまう

各ビットは1となる確率で表される

量子演算() 測定

正しい組み合わせ

正しい組み合わせ(確率が最も高い組み合わせ)

ノイマン型(古典計算機)

量子コンピュータ

量子状態のベクトルで実現bull 光の位相や偏向bull 超伝導リングの磁束など

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量子コンピュータを使ってみよう無料公開されている量子コンピュータ (IBM Q Experience)の利用法httpsdeveloperibmcomjptechnologiesquantum-computingtutorialscl-quantum-computing

量子コンピュータの初心者向け解説(線形代数量子力学の知識が必要)httpsdojoqulacsorgjalatest

16

(参考)ビット(bit)と量子ビット(qbit)N bit N qbit

表現する値 2N 個の数値の集合 2N 次元のベクトルの集合

N = 1 の例 x = 1 0

N = 2 の例 x = 00 01 10 11| ⟩0 = 0

1

| ⟩1 = 10 | ⟩119909119909

実際は2N次元複素空間

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AIに必要な機能

17

一言で機械学習と呼ぶがいろいろなタイプ(目的)のアルゴリズムが必要

教師あり(原因と結果の関係を学習)

回帰(予測)

分類(特徴に従って分ける)

異常検知予知(異常と診断される状態の検知)

教師なし(データ構造を学習)

クラスタリング(特徴を見つける)

異常検知予知(いつもと違う状態の検知)

次元削減(重要な特徴を選択する)

強化学習

評価値(点数)を最大にする行動の

学習

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ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)

18

ニューロンの機能と脳のネットワークを模倣()

x1 times

times

times

x2

hellip

xN

w1

w2

wN

119894119894=1

119873119873

119908119908119894119894119909119909119894119894

ニューロン のモデル

i1

i2

y

i3

h1

h1

o1

o2

o3

認識分類生成

データ

ニューロンニューロン

ニューロン

学習機構(wiを最適化)

画像音声センサ文字など

現在はノイマン型コンピュータのソフトウエアで模擬したものが主流

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生成AI

19

認識などのAI

生成AI(生成系AI)

Golden Retriever

Golden Retriever特徴A B C

通常のAIと逆の処理を行わせる

符号化(情報圧縮)

復号(情報付加)

高次元情報

高次元情報(具体的)

低次元情報(抽象的)

低次元情報

仮想モデルの自動作成(データグリッド) httpsdatagridcojp新聞記事の自動生成 (日本経済新聞) httpsprnikkeicomqreports-ai

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VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連

20

VLSIの高性能化

bull高速化

bull低消費電力化

bull高集積化

コンピュータの高性能化

bull高速処理

bull消費電力低減

bull高機能

通信の高性能化

bull高速伝送

bull消費電力低減

bullセキュリティ

高性能化要求と開発投資 高性能化要求と開発投資

新技術 新技術

全体像を見ないと技術は理解できない(1分野の知識では足りない)

5-2 マイクロプロセッサコンピュータの仕組みと構造

21

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ノイマン型コンピュータの構造

22

演算回路(ALU)

記憶回路(レジスタ)

入出力回路(IO)

データの流れを制御する回路(シーケンサ)

記憶回路(メモリ)

制御信号命令制御信号制御信号制御信号

MPUまたはCPUMCUまたはマイコン

プログラム()やデータはここに保存

命令や処理途中のデータはここに保存

プログラムはコンピュータへの命令(次頁参照)の実行手順を示したもの

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ハードウエアの用語(覚えておこう)

23

用語 意味

MPU (Microprocessor Unit) コンピュータの主要部分(前ページ参照)を搭載したLSI (Large Scale Integration)

CPU (Central Processing Unit) MPUと同義(ただし物ではなく機能を指す名称)

MCU (Microcontroller Unit) MPU + メモリ + タイマー + アナログ-ディジタル変換 + 通信回路(無線の場合もある)を1チップに集積化したLSIまたプログラムを内蔵する(書き込む)ことができる

SoC (System on a Chip)またはSystem LSI

多数のMPUを搭載し1チップでシステム全体を構成できる特定用途向けの大規模LSI(スマートフォンLSI等)

命令セット (Instruction set) プログラムを構成する処理要素の集合(MPUが実行する)bull 算術演算 A + B AB などbull 論理演算 A cap B AcupB などbull 比較判定 A gt B A = B などbull データ読み出し保存bull ジャンプ(プログラムの実行順序を変更する命令)

これがソフトウエアとハードウエアを接続している

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マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

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メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

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マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

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メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

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集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

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産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

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Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

MeRL Kanazawa Univ

VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

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ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

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デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

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無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

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アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

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ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

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今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 12: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

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コンピュータの実装に使われる技術

12

半導体超伝導技術

VLSI技術(回路とソフト)

ノイマン型コンピュータ

ニューラルネットワーク

超伝導光デバイス技術

量子コンピュータ

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ノイマン型コンピュータ現在主流の汎用コンピュータはノイマン型と呼ばれる(スパコンを含む)3名の開発者の名をつけて Eckert-Mauchly-von Neumann architecture とも呼ばれる

ノイマン型コンピュータの特徴メモリにプログラムとデータを内蔵し論理記述可能な任意の処理を行う(チューリングマシンの一種)プログラムを逐次実行する(高速演算が要求される)

ノイマン型コンピュータでないものは「非ノイマン型コンピュータ」と呼ばれる方式 例 特徴

条件に合致する解を求める 量子コンピュータDNAコンピュータ

解を並列に探索する組み合わせ最適化問題に有効とされている

神経回路の機能と構造を模擬 ディープニューラルネットワーク(DNN)

所謂AI学習により高精度な特徴抽出パターン認識ができる

13

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ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例

14

ナップサック問題

遠足のおやつに何を何個持って行くかbull 合計300円以内bull 各おやつの値段と必要度が分かっている(N種類のおやつの組み合わせ = 2N 通り)

巡回セールスマン問題

最短距離で都市を巡るにはどの順番でいくかbull 全ての都市を1回通るbull 都市間の距離が分かっている(N都市を回る順序 = N 通り)

30種類のおやつから選ぶ場合1073741824通りの組み合わせを検討する必要がある

30市を回る計画の場合2653times1032通りの組み合わせを検討する必要がある

ノイマン型コンピュータは全ての場合について計算を行うので現実的ではない(スパコンでも困難)

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ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ

15

量子コンピュータによるチューリングマシン(量子演算を何度も行える汎用コンピュータ)も原理的には実現可能

組み合わせ1

組み合わせ2

組み合わせ230

hellip

演算

演算

演算

判定

組み合わせ1~230

30bit

30Qbit

データを重ね合わせることにより1回で計算を行うrarr 従来の暗号が解けてしまう

各ビットは1となる確率で表される

量子演算() 測定

正しい組み合わせ

正しい組み合わせ(確率が最も高い組み合わせ)

ノイマン型(古典計算機)

量子コンピュータ

量子状態のベクトルで実現bull 光の位相や偏向bull 超伝導リングの磁束など

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量子コンピュータを使ってみよう無料公開されている量子コンピュータ (IBM Q Experience)の利用法httpsdeveloperibmcomjptechnologiesquantum-computingtutorialscl-quantum-computing

量子コンピュータの初心者向け解説(線形代数量子力学の知識が必要)httpsdojoqulacsorgjalatest

16

(参考)ビット(bit)と量子ビット(qbit)N bit N qbit

表現する値 2N 個の数値の集合 2N 次元のベクトルの集合

N = 1 の例 x = 1 0

N = 2 の例 x = 00 01 10 11| ⟩0 = 0

1

| ⟩1 = 10 | ⟩119909119909

実際は2N次元複素空間

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AIに必要な機能

17

一言で機械学習と呼ぶがいろいろなタイプ(目的)のアルゴリズムが必要

教師あり(原因と結果の関係を学習)

回帰(予測)

分類(特徴に従って分ける)

異常検知予知(異常と診断される状態の検知)

教師なし(データ構造を学習)

クラスタリング(特徴を見つける)

異常検知予知(いつもと違う状態の検知)

次元削減(重要な特徴を選択する)

強化学習

評価値(点数)を最大にする行動の

学習

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ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)

18

ニューロンの機能と脳のネットワークを模倣()

x1 times

times

times

x2

hellip

xN

w1

w2

wN

119894119894=1

119873119873

119908119908119894119894119909119909119894119894

ニューロン のモデル

i1

i2

y

i3

h1

h1

o1

o2

o3

認識分類生成

データ

ニューロンニューロン

ニューロン

学習機構(wiを最適化)

画像音声センサ文字など

現在はノイマン型コンピュータのソフトウエアで模擬したものが主流

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生成AI

19

認識などのAI

生成AI(生成系AI)

Golden Retriever

Golden Retriever特徴A B C

通常のAIと逆の処理を行わせる

符号化(情報圧縮)

復号(情報付加)

高次元情報

高次元情報(具体的)

低次元情報(抽象的)

低次元情報

仮想モデルの自動作成(データグリッド) httpsdatagridcojp新聞記事の自動生成 (日本経済新聞) httpsprnikkeicomqreports-ai

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VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連

20

VLSIの高性能化

bull高速化

bull低消費電力化

bull高集積化

コンピュータの高性能化

bull高速処理

bull消費電力低減

bull高機能

通信の高性能化

bull高速伝送

bull消費電力低減

bullセキュリティ

高性能化要求と開発投資 高性能化要求と開発投資

新技術 新技術

全体像を見ないと技術は理解できない(1分野の知識では足りない)

5-2 マイクロプロセッサコンピュータの仕組みと構造

21

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ノイマン型コンピュータの構造

22

演算回路(ALU)

記憶回路(レジスタ)

入出力回路(IO)

データの流れを制御する回路(シーケンサ)

記憶回路(メモリ)

制御信号命令制御信号制御信号制御信号

MPUまたはCPUMCUまたはマイコン

プログラム()やデータはここに保存

命令や処理途中のデータはここに保存

プログラムはコンピュータへの命令(次頁参照)の実行手順を示したもの

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ハードウエアの用語(覚えておこう)

23

用語 意味

MPU (Microprocessor Unit) コンピュータの主要部分(前ページ参照)を搭載したLSI (Large Scale Integration)

CPU (Central Processing Unit) MPUと同義(ただし物ではなく機能を指す名称)

MCU (Microcontroller Unit) MPU + メモリ + タイマー + アナログ-ディジタル変換 + 通信回路(無線の場合もある)を1チップに集積化したLSIまたプログラムを内蔵する(書き込む)ことができる

SoC (System on a Chip)またはSystem LSI

多数のMPUを搭載し1チップでシステム全体を構成できる特定用途向けの大規模LSI(スマートフォンLSI等)

命令セット (Instruction set) プログラムを構成する処理要素の集合(MPUが実行する)bull 算術演算 A + B AB などbull 論理演算 A cap B AcupB などbull 比較判定 A gt B A = B などbull データ読み出し保存bull ジャンプ(プログラムの実行順序を変更する命令)

これがソフトウエアとハードウエアを接続している

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マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

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メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

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マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

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メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

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集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

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産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

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Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

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VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

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ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

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デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

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無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

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アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

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ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

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論理合成前

48

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論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

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論理合成(拡大)

50

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自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

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自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

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論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

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1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

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金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

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今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

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宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 13: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

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ノイマン型コンピュータ現在主流の汎用コンピュータはノイマン型と呼ばれる(スパコンを含む)3名の開発者の名をつけて Eckert-Mauchly-von Neumann architecture とも呼ばれる

ノイマン型コンピュータの特徴メモリにプログラムとデータを内蔵し論理記述可能な任意の処理を行う(チューリングマシンの一種)プログラムを逐次実行する(高速演算が要求される)

ノイマン型コンピュータでないものは「非ノイマン型コンピュータ」と呼ばれる方式 例 特徴

条件に合致する解を求める 量子コンピュータDNAコンピュータ

解を並列に探索する組み合わせ最適化問題に有効とされている

神経回路の機能と構造を模擬 ディープニューラルネットワーク(DNN)

所謂AI学習により高精度な特徴抽出パターン認識ができる

13

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ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例

14

ナップサック問題

遠足のおやつに何を何個持って行くかbull 合計300円以内bull 各おやつの値段と必要度が分かっている(N種類のおやつの組み合わせ = 2N 通り)

巡回セールスマン問題

最短距離で都市を巡るにはどの順番でいくかbull 全ての都市を1回通るbull 都市間の距離が分かっている(N都市を回る順序 = N 通り)

30種類のおやつから選ぶ場合1073741824通りの組み合わせを検討する必要がある

30市を回る計画の場合2653times1032通りの組み合わせを検討する必要がある

ノイマン型コンピュータは全ての場合について計算を行うので現実的ではない(スパコンでも困難)

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ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ

15

量子コンピュータによるチューリングマシン(量子演算を何度も行える汎用コンピュータ)も原理的には実現可能

組み合わせ1

組み合わせ2

組み合わせ230

hellip

演算

演算

演算

判定

組み合わせ1~230

30bit

30Qbit

データを重ね合わせることにより1回で計算を行うrarr 従来の暗号が解けてしまう

各ビットは1となる確率で表される

量子演算() 測定

正しい組み合わせ

正しい組み合わせ(確率が最も高い組み合わせ)

ノイマン型(古典計算機)

量子コンピュータ

量子状態のベクトルで実現bull 光の位相や偏向bull 超伝導リングの磁束など

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量子コンピュータを使ってみよう無料公開されている量子コンピュータ (IBM Q Experience)の利用法httpsdeveloperibmcomjptechnologiesquantum-computingtutorialscl-quantum-computing

量子コンピュータの初心者向け解説(線形代数量子力学の知識が必要)httpsdojoqulacsorgjalatest

16

(参考)ビット(bit)と量子ビット(qbit)N bit N qbit

表現する値 2N 個の数値の集合 2N 次元のベクトルの集合

N = 1 の例 x = 1 0

N = 2 の例 x = 00 01 10 11| ⟩0 = 0

1

| ⟩1 = 10 | ⟩119909119909

実際は2N次元複素空間

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AIに必要な機能

17

一言で機械学習と呼ぶがいろいろなタイプ(目的)のアルゴリズムが必要

教師あり(原因と結果の関係を学習)

回帰(予測)

分類(特徴に従って分ける)

異常検知予知(異常と診断される状態の検知)

教師なし(データ構造を学習)

クラスタリング(特徴を見つける)

異常検知予知(いつもと違う状態の検知)

次元削減(重要な特徴を選択する)

強化学習

評価値(点数)を最大にする行動の

学習

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ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)

18

ニューロンの機能と脳のネットワークを模倣()

x1 times

times

times

x2

hellip

xN

w1

w2

wN

119894119894=1

119873119873

119908119908119894119894119909119909119894119894

ニューロン のモデル

i1

i2

y

i3

h1

h1

o1

o2

o3

認識分類生成

データ

ニューロンニューロン

ニューロン

学習機構(wiを最適化)

画像音声センサ文字など

現在はノイマン型コンピュータのソフトウエアで模擬したものが主流

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生成AI

19

認識などのAI

生成AI(生成系AI)

Golden Retriever

Golden Retriever特徴A B C

通常のAIと逆の処理を行わせる

符号化(情報圧縮)

復号(情報付加)

高次元情報

高次元情報(具体的)

低次元情報(抽象的)

低次元情報

仮想モデルの自動作成(データグリッド) httpsdatagridcojp新聞記事の自動生成 (日本経済新聞) httpsprnikkeicomqreports-ai

MeRL Kanazawa Univ

VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連

20

VLSIの高性能化

bull高速化

bull低消費電力化

bull高集積化

コンピュータの高性能化

bull高速処理

bull消費電力低減

bull高機能

通信の高性能化

bull高速伝送

bull消費電力低減

bullセキュリティ

高性能化要求と開発投資 高性能化要求と開発投資

新技術 新技術

全体像を見ないと技術は理解できない(1分野の知識では足りない)

5-2 マイクロプロセッサコンピュータの仕組みと構造

21

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ノイマン型コンピュータの構造

22

演算回路(ALU)

記憶回路(レジスタ)

入出力回路(IO)

データの流れを制御する回路(シーケンサ)

記憶回路(メモリ)

制御信号命令制御信号制御信号制御信号

MPUまたはCPUMCUまたはマイコン

プログラム()やデータはここに保存

命令や処理途中のデータはここに保存

プログラムはコンピュータへの命令(次頁参照)の実行手順を示したもの

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ハードウエアの用語(覚えておこう)

23

用語 意味

MPU (Microprocessor Unit) コンピュータの主要部分(前ページ参照)を搭載したLSI (Large Scale Integration)

CPU (Central Processing Unit) MPUと同義(ただし物ではなく機能を指す名称)

MCU (Microcontroller Unit) MPU + メモリ + タイマー + アナログ-ディジタル変換 + 通信回路(無線の場合もある)を1チップに集積化したLSIまたプログラムを内蔵する(書き込む)ことができる

SoC (System on a Chip)またはSystem LSI

多数のMPUを搭載し1チップでシステム全体を構成できる特定用途向けの大規模LSI(スマートフォンLSI等)

命令セット (Instruction set) プログラムを構成する処理要素の集合(MPUが実行する)bull 算術演算 A + B AB などbull 論理演算 A cap B AcupB などbull 比較判定 A gt B A = B などbull データ読み出し保存bull ジャンプ(プログラムの実行順序を変更する命令)

これがソフトウエアとハードウエアを接続している

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マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

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メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

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マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

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メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

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集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

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産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

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VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

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ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

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デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

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無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

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アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

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ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

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自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

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論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

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今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 14: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

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ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例

14

ナップサック問題

遠足のおやつに何を何個持って行くかbull 合計300円以内bull 各おやつの値段と必要度が分かっている(N種類のおやつの組み合わせ = 2N 通り)

巡回セールスマン問題

最短距離で都市を巡るにはどの順番でいくかbull 全ての都市を1回通るbull 都市間の距離が分かっている(N都市を回る順序 = N 通り)

30種類のおやつから選ぶ場合1073741824通りの組み合わせを検討する必要がある

30市を回る計画の場合2653times1032通りの組み合わせを検討する必要がある

ノイマン型コンピュータは全ての場合について計算を行うので現実的ではない(スパコンでも困難)

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ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ

15

量子コンピュータによるチューリングマシン(量子演算を何度も行える汎用コンピュータ)も原理的には実現可能

組み合わせ1

組み合わせ2

組み合わせ230

hellip

演算

演算

演算

判定

組み合わせ1~230

30bit

30Qbit

データを重ね合わせることにより1回で計算を行うrarr 従来の暗号が解けてしまう

各ビットは1となる確率で表される

量子演算() 測定

正しい組み合わせ

正しい組み合わせ(確率が最も高い組み合わせ)

ノイマン型(古典計算機)

量子コンピュータ

量子状態のベクトルで実現bull 光の位相や偏向bull 超伝導リングの磁束など

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量子コンピュータを使ってみよう無料公開されている量子コンピュータ (IBM Q Experience)の利用法httpsdeveloperibmcomjptechnologiesquantum-computingtutorialscl-quantum-computing

量子コンピュータの初心者向け解説(線形代数量子力学の知識が必要)httpsdojoqulacsorgjalatest

16

(参考)ビット(bit)と量子ビット(qbit)N bit N qbit

表現する値 2N 個の数値の集合 2N 次元のベクトルの集合

N = 1 の例 x = 1 0

N = 2 の例 x = 00 01 10 11| ⟩0 = 0

1

| ⟩1 = 10 | ⟩119909119909

実際は2N次元複素空間

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AIに必要な機能

17

一言で機械学習と呼ぶがいろいろなタイプ(目的)のアルゴリズムが必要

教師あり(原因と結果の関係を学習)

回帰(予測)

分類(特徴に従って分ける)

異常検知予知(異常と診断される状態の検知)

教師なし(データ構造を学習)

クラスタリング(特徴を見つける)

異常検知予知(いつもと違う状態の検知)

次元削減(重要な特徴を選択する)

強化学習

評価値(点数)を最大にする行動の

学習

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ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)

18

ニューロンの機能と脳のネットワークを模倣()

x1 times

times

times

x2

hellip

xN

w1

w2

wN

119894119894=1

119873119873

119908119908119894119894119909119909119894119894

ニューロン のモデル

i1

i2

y

i3

h1

h1

o1

o2

o3

認識分類生成

データ

ニューロンニューロン

ニューロン

学習機構(wiを最適化)

画像音声センサ文字など

現在はノイマン型コンピュータのソフトウエアで模擬したものが主流

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生成AI

19

認識などのAI

生成AI(生成系AI)

Golden Retriever

Golden Retriever特徴A B C

通常のAIと逆の処理を行わせる

符号化(情報圧縮)

復号(情報付加)

高次元情報

高次元情報(具体的)

低次元情報(抽象的)

低次元情報

仮想モデルの自動作成(データグリッド) httpsdatagridcojp新聞記事の自動生成 (日本経済新聞) httpsprnikkeicomqreports-ai

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VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連

20

VLSIの高性能化

bull高速化

bull低消費電力化

bull高集積化

コンピュータの高性能化

bull高速処理

bull消費電力低減

bull高機能

通信の高性能化

bull高速伝送

bull消費電力低減

bullセキュリティ

高性能化要求と開発投資 高性能化要求と開発投資

新技術 新技術

全体像を見ないと技術は理解できない(1分野の知識では足りない)

5-2 マイクロプロセッサコンピュータの仕組みと構造

21

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ノイマン型コンピュータの構造

22

演算回路(ALU)

記憶回路(レジスタ)

入出力回路(IO)

データの流れを制御する回路(シーケンサ)

記憶回路(メモリ)

制御信号命令制御信号制御信号制御信号

MPUまたはCPUMCUまたはマイコン

プログラム()やデータはここに保存

命令や処理途中のデータはここに保存

プログラムはコンピュータへの命令(次頁参照)の実行手順を示したもの

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ハードウエアの用語(覚えておこう)

23

用語 意味

MPU (Microprocessor Unit) コンピュータの主要部分(前ページ参照)を搭載したLSI (Large Scale Integration)

CPU (Central Processing Unit) MPUと同義(ただし物ではなく機能を指す名称)

MCU (Microcontroller Unit) MPU + メモリ + タイマー + アナログ-ディジタル変換 + 通信回路(無線の場合もある)を1チップに集積化したLSIまたプログラムを内蔵する(書き込む)ことができる

SoC (System on a Chip)またはSystem LSI

多数のMPUを搭載し1チップでシステム全体を構成できる特定用途向けの大規模LSI(スマートフォンLSI等)

命令セット (Instruction set) プログラムを構成する処理要素の集合(MPUが実行する)bull 算術演算 A + B AB などbull 論理演算 A cap B AcupB などbull 比較判定 A gt B A = B などbull データ読み出し保存bull ジャンプ(プログラムの実行順序を変更する命令)

これがソフトウエアとハードウエアを接続している

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マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

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メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

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マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

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メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

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集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

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産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

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Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

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VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

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ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 15: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

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ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ

15

量子コンピュータによるチューリングマシン(量子演算を何度も行える汎用コンピュータ)も原理的には実現可能

組み合わせ1

組み合わせ2

組み合わせ230

hellip

演算

演算

演算

判定

組み合わせ1~230

30bit

30Qbit

データを重ね合わせることにより1回で計算を行うrarr 従来の暗号が解けてしまう

各ビットは1となる確率で表される

量子演算() 測定

正しい組み合わせ

正しい組み合わせ(確率が最も高い組み合わせ)

ノイマン型(古典計算機)

量子コンピュータ

量子状態のベクトルで実現bull 光の位相や偏向bull 超伝導リングの磁束など

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量子コンピュータを使ってみよう無料公開されている量子コンピュータ (IBM Q Experience)の利用法httpsdeveloperibmcomjptechnologiesquantum-computingtutorialscl-quantum-computing

量子コンピュータの初心者向け解説(線形代数量子力学の知識が必要)httpsdojoqulacsorgjalatest

16

(参考)ビット(bit)と量子ビット(qbit)N bit N qbit

表現する値 2N 個の数値の集合 2N 次元のベクトルの集合

N = 1 の例 x = 1 0

N = 2 の例 x = 00 01 10 11| ⟩0 = 0

1

| ⟩1 = 10 | ⟩119909119909

実際は2N次元複素空間

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AIに必要な機能

17

一言で機械学習と呼ぶがいろいろなタイプ(目的)のアルゴリズムが必要

教師あり(原因と結果の関係を学習)

回帰(予測)

分類(特徴に従って分ける)

異常検知予知(異常と診断される状態の検知)

教師なし(データ構造を学習)

クラスタリング(特徴を見つける)

異常検知予知(いつもと違う状態の検知)

次元削減(重要な特徴を選択する)

強化学習

評価値(点数)を最大にする行動の

学習

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ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)

18

ニューロンの機能と脳のネットワークを模倣()

x1 times

times

times

x2

hellip

xN

w1

w2

wN

119894119894=1

119873119873

119908119908119894119894119909119909119894119894

ニューロン のモデル

i1

i2

y

i3

h1

h1

o1

o2

o3

認識分類生成

データ

ニューロンニューロン

ニューロン

学習機構(wiを最適化)

画像音声センサ文字など

現在はノイマン型コンピュータのソフトウエアで模擬したものが主流

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生成AI

19

認識などのAI

生成AI(生成系AI)

Golden Retriever

Golden Retriever特徴A B C

通常のAIと逆の処理を行わせる

符号化(情報圧縮)

復号(情報付加)

高次元情報

高次元情報(具体的)

低次元情報(抽象的)

低次元情報

仮想モデルの自動作成(データグリッド) httpsdatagridcojp新聞記事の自動生成 (日本経済新聞) httpsprnikkeicomqreports-ai

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VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連

20

VLSIの高性能化

bull高速化

bull低消費電力化

bull高集積化

コンピュータの高性能化

bull高速処理

bull消費電力低減

bull高機能

通信の高性能化

bull高速伝送

bull消費電力低減

bullセキュリティ

高性能化要求と開発投資 高性能化要求と開発投資

新技術 新技術

全体像を見ないと技術は理解できない(1分野の知識では足りない)

5-2 マイクロプロセッサコンピュータの仕組みと構造

21

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ノイマン型コンピュータの構造

22

演算回路(ALU)

記憶回路(レジスタ)

入出力回路(IO)

データの流れを制御する回路(シーケンサ)

記憶回路(メモリ)

制御信号命令制御信号制御信号制御信号

MPUまたはCPUMCUまたはマイコン

プログラム()やデータはここに保存

命令や処理途中のデータはここに保存

プログラムはコンピュータへの命令(次頁参照)の実行手順を示したもの

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ハードウエアの用語(覚えておこう)

23

用語 意味

MPU (Microprocessor Unit) コンピュータの主要部分(前ページ参照)を搭載したLSI (Large Scale Integration)

CPU (Central Processing Unit) MPUと同義(ただし物ではなく機能を指す名称)

MCU (Microcontroller Unit) MPU + メモリ + タイマー + アナログ-ディジタル変換 + 通信回路(無線の場合もある)を1チップに集積化したLSIまたプログラムを内蔵する(書き込む)ことができる

SoC (System on a Chip)またはSystem LSI

多数のMPUを搭載し1チップでシステム全体を構成できる特定用途向けの大規模LSI(スマートフォンLSI等)

命令セット (Instruction set) プログラムを構成する処理要素の集合(MPUが実行する)bull 算術演算 A + B AB などbull 論理演算 A cap B AcupB などbull 比較判定 A gt B A = B などbull データ読み出し保存bull ジャンプ(プログラムの実行順序を変更する命令)

これがソフトウエアとハードウエアを接続している

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マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

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メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

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マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

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メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

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集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

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産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

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VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

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ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

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デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

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無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

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アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

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ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

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論理合成前

48

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論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

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論理合成(拡大)

50

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自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

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自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

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論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

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1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

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金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

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今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 16: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

MeRL Kanazawa Univ

量子コンピュータを使ってみよう無料公開されている量子コンピュータ (IBM Q Experience)の利用法httpsdeveloperibmcomjptechnologiesquantum-computingtutorialscl-quantum-computing

量子コンピュータの初心者向け解説(線形代数量子力学の知識が必要)httpsdojoqulacsorgjalatest

16

(参考)ビット(bit)と量子ビット(qbit)N bit N qbit

表現する値 2N 個の数値の集合 2N 次元のベクトルの集合

N = 1 の例 x = 1 0

N = 2 の例 x = 00 01 10 11| ⟩0 = 0

1

| ⟩1 = 10 | ⟩119909119909

実際は2N次元複素空間

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AIに必要な機能

17

一言で機械学習と呼ぶがいろいろなタイプ(目的)のアルゴリズムが必要

教師あり(原因と結果の関係を学習)

回帰(予測)

分類(特徴に従って分ける)

異常検知予知(異常と診断される状態の検知)

教師なし(データ構造を学習)

クラスタリング(特徴を見つける)

異常検知予知(いつもと違う状態の検知)

次元削減(重要な特徴を選択する)

強化学習

評価値(点数)を最大にする行動の

学習

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ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)

18

ニューロンの機能と脳のネットワークを模倣()

x1 times

times

times

x2

hellip

xN

w1

w2

wN

119894119894=1

119873119873

119908119908119894119894119909119909119894119894

ニューロン のモデル

i1

i2

y

i3

h1

h1

o1

o2

o3

認識分類生成

データ

ニューロンニューロン

ニューロン

学習機構(wiを最適化)

画像音声センサ文字など

現在はノイマン型コンピュータのソフトウエアで模擬したものが主流

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生成AI

19

認識などのAI

生成AI(生成系AI)

Golden Retriever

Golden Retriever特徴A B C

通常のAIと逆の処理を行わせる

符号化(情報圧縮)

復号(情報付加)

高次元情報

高次元情報(具体的)

低次元情報(抽象的)

低次元情報

仮想モデルの自動作成(データグリッド) httpsdatagridcojp新聞記事の自動生成 (日本経済新聞) httpsprnikkeicomqreports-ai

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VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連

20

VLSIの高性能化

bull高速化

bull低消費電力化

bull高集積化

コンピュータの高性能化

bull高速処理

bull消費電力低減

bull高機能

通信の高性能化

bull高速伝送

bull消費電力低減

bullセキュリティ

高性能化要求と開発投資 高性能化要求と開発投資

新技術 新技術

全体像を見ないと技術は理解できない(1分野の知識では足りない)

5-2 マイクロプロセッサコンピュータの仕組みと構造

21

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ノイマン型コンピュータの構造

22

演算回路(ALU)

記憶回路(レジスタ)

入出力回路(IO)

データの流れを制御する回路(シーケンサ)

記憶回路(メモリ)

制御信号命令制御信号制御信号制御信号

MPUまたはCPUMCUまたはマイコン

プログラム()やデータはここに保存

命令や処理途中のデータはここに保存

プログラムはコンピュータへの命令(次頁参照)の実行手順を示したもの

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ハードウエアの用語(覚えておこう)

23

用語 意味

MPU (Microprocessor Unit) コンピュータの主要部分(前ページ参照)を搭載したLSI (Large Scale Integration)

CPU (Central Processing Unit) MPUと同義(ただし物ではなく機能を指す名称)

MCU (Microcontroller Unit) MPU + メモリ + タイマー + アナログ-ディジタル変換 + 通信回路(無線の場合もある)を1チップに集積化したLSIまたプログラムを内蔵する(書き込む)ことができる

SoC (System on a Chip)またはSystem LSI

多数のMPUを搭載し1チップでシステム全体を構成できる特定用途向けの大規模LSI(スマートフォンLSI等)

命令セット (Instruction set) プログラムを構成する処理要素の集合(MPUが実行する)bull 算術演算 A + B AB などbull 論理演算 A cap B AcupB などbull 比較判定 A gt B A = B などbull データ読み出し保存bull ジャンプ(プログラムの実行順序を変更する命令)

これがソフトウエアとハードウエアを接続している

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マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

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メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

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マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

MeRL Kanazawa Univ

メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

MeRL Kanazawa Univ

集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

MeRL Kanazawa Univ

産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

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VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

MeRL Kanazawa Univ

ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 17: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

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AIに必要な機能

17

一言で機械学習と呼ぶがいろいろなタイプ(目的)のアルゴリズムが必要

教師あり(原因と結果の関係を学習)

回帰(予測)

分類(特徴に従って分ける)

異常検知予知(異常と診断される状態の検知)

教師なし(データ構造を学習)

クラスタリング(特徴を見つける)

異常検知予知(いつもと違う状態の検知)

次元削減(重要な特徴を選択する)

強化学習

評価値(点数)を最大にする行動の

学習

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ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)

18

ニューロンの機能と脳のネットワークを模倣()

x1 times

times

times

x2

hellip

xN

w1

w2

wN

119894119894=1

119873119873

119908119908119894119894119909119909119894119894

ニューロン のモデル

i1

i2

y

i3

h1

h1

o1

o2

o3

認識分類生成

データ

ニューロンニューロン

ニューロン

学習機構(wiを最適化)

画像音声センサ文字など

現在はノイマン型コンピュータのソフトウエアで模擬したものが主流

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生成AI

19

認識などのAI

生成AI(生成系AI)

Golden Retriever

Golden Retriever特徴A B C

通常のAIと逆の処理を行わせる

符号化(情報圧縮)

復号(情報付加)

高次元情報

高次元情報(具体的)

低次元情報(抽象的)

低次元情報

仮想モデルの自動作成(データグリッド) httpsdatagridcojp新聞記事の自動生成 (日本経済新聞) httpsprnikkeicomqreports-ai

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VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連

20

VLSIの高性能化

bull高速化

bull低消費電力化

bull高集積化

コンピュータの高性能化

bull高速処理

bull消費電力低減

bull高機能

通信の高性能化

bull高速伝送

bull消費電力低減

bullセキュリティ

高性能化要求と開発投資 高性能化要求と開発投資

新技術 新技術

全体像を見ないと技術は理解できない(1分野の知識では足りない)

5-2 マイクロプロセッサコンピュータの仕組みと構造

21

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ノイマン型コンピュータの構造

22

演算回路(ALU)

記憶回路(レジスタ)

入出力回路(IO)

データの流れを制御する回路(シーケンサ)

記憶回路(メモリ)

制御信号命令制御信号制御信号制御信号

MPUまたはCPUMCUまたはマイコン

プログラム()やデータはここに保存

命令や処理途中のデータはここに保存

プログラムはコンピュータへの命令(次頁参照)の実行手順を示したもの

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ハードウエアの用語(覚えておこう)

23

用語 意味

MPU (Microprocessor Unit) コンピュータの主要部分(前ページ参照)を搭載したLSI (Large Scale Integration)

CPU (Central Processing Unit) MPUと同義(ただし物ではなく機能を指す名称)

MCU (Microcontroller Unit) MPU + メモリ + タイマー + アナログ-ディジタル変換 + 通信回路(無線の場合もある)を1チップに集積化したLSIまたプログラムを内蔵する(書き込む)ことができる

SoC (System on a Chip)またはSystem LSI

多数のMPUを搭載し1チップでシステム全体を構成できる特定用途向けの大規模LSI(スマートフォンLSI等)

命令セット (Instruction set) プログラムを構成する処理要素の集合(MPUが実行する)bull 算術演算 A + B AB などbull 論理演算 A cap B AcupB などbull 比較判定 A gt B A = B などbull データ読み出し保存bull ジャンプ(プログラムの実行順序を変更する命令)

これがソフトウエアとハードウエアを接続している

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マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

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メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

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マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

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メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

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集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

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産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

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VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

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ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

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デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

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無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

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アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

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ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

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論理合成前

48

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論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

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論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 18: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

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ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)

18

ニューロンの機能と脳のネットワークを模倣()

x1 times

times

times

x2

hellip

xN

w1

w2

wN

119894119894=1

119873119873

119908119908119894119894119909119909119894119894

ニューロン のモデル

i1

i2

y

i3

h1

h1

o1

o2

o3

認識分類生成

データ

ニューロンニューロン

ニューロン

学習機構(wiを最適化)

画像音声センサ文字など

現在はノイマン型コンピュータのソフトウエアで模擬したものが主流

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生成AI

19

認識などのAI

生成AI(生成系AI)

Golden Retriever

Golden Retriever特徴A B C

通常のAIと逆の処理を行わせる

符号化(情報圧縮)

復号(情報付加)

高次元情報

高次元情報(具体的)

低次元情報(抽象的)

低次元情報

仮想モデルの自動作成(データグリッド) httpsdatagridcojp新聞記事の自動生成 (日本経済新聞) httpsprnikkeicomqreports-ai

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VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連

20

VLSIの高性能化

bull高速化

bull低消費電力化

bull高集積化

コンピュータの高性能化

bull高速処理

bull消費電力低減

bull高機能

通信の高性能化

bull高速伝送

bull消費電力低減

bullセキュリティ

高性能化要求と開発投資 高性能化要求と開発投資

新技術 新技術

全体像を見ないと技術は理解できない(1分野の知識では足りない)

5-2 マイクロプロセッサコンピュータの仕組みと構造

21

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ノイマン型コンピュータの構造

22

演算回路(ALU)

記憶回路(レジスタ)

入出力回路(IO)

データの流れを制御する回路(シーケンサ)

記憶回路(メモリ)

制御信号命令制御信号制御信号制御信号

MPUまたはCPUMCUまたはマイコン

プログラム()やデータはここに保存

命令や処理途中のデータはここに保存

プログラムはコンピュータへの命令(次頁参照)の実行手順を示したもの

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ハードウエアの用語(覚えておこう)

23

用語 意味

MPU (Microprocessor Unit) コンピュータの主要部分(前ページ参照)を搭載したLSI (Large Scale Integration)

CPU (Central Processing Unit) MPUと同義(ただし物ではなく機能を指す名称)

MCU (Microcontroller Unit) MPU + メモリ + タイマー + アナログ-ディジタル変換 + 通信回路(無線の場合もある)を1チップに集積化したLSIまたプログラムを内蔵する(書き込む)ことができる

SoC (System on a Chip)またはSystem LSI

多数のMPUを搭載し1チップでシステム全体を構成できる特定用途向けの大規模LSI(スマートフォンLSI等)

命令セット (Instruction set) プログラムを構成する処理要素の集合(MPUが実行する)bull 算術演算 A + B AB などbull 論理演算 A cap B AcupB などbull 比較判定 A gt B A = B などbull データ読み出し保存bull ジャンプ(プログラムの実行順序を変更する命令)

これがソフトウエアとハードウエアを接続している

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マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

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メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

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マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

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メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

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集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

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産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

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VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

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ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

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デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

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無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

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アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

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ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

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論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

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今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 19: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

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生成AI

19

認識などのAI

生成AI(生成系AI)

Golden Retriever

Golden Retriever特徴A B C

通常のAIと逆の処理を行わせる

符号化(情報圧縮)

復号(情報付加)

高次元情報

高次元情報(具体的)

低次元情報(抽象的)

低次元情報

仮想モデルの自動作成(データグリッド) httpsdatagridcojp新聞記事の自動生成 (日本経済新聞) httpsprnikkeicomqreports-ai

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VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連

20

VLSIの高性能化

bull高速化

bull低消費電力化

bull高集積化

コンピュータの高性能化

bull高速処理

bull消費電力低減

bull高機能

通信の高性能化

bull高速伝送

bull消費電力低減

bullセキュリティ

高性能化要求と開発投資 高性能化要求と開発投資

新技術 新技術

全体像を見ないと技術は理解できない(1分野の知識では足りない)

5-2 マイクロプロセッサコンピュータの仕組みと構造

21

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ノイマン型コンピュータの構造

22

演算回路(ALU)

記憶回路(レジスタ)

入出力回路(IO)

データの流れを制御する回路(シーケンサ)

記憶回路(メモリ)

制御信号命令制御信号制御信号制御信号

MPUまたはCPUMCUまたはマイコン

プログラム()やデータはここに保存

命令や処理途中のデータはここに保存

プログラムはコンピュータへの命令(次頁参照)の実行手順を示したもの

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ハードウエアの用語(覚えておこう)

23

用語 意味

MPU (Microprocessor Unit) コンピュータの主要部分(前ページ参照)を搭載したLSI (Large Scale Integration)

CPU (Central Processing Unit) MPUと同義(ただし物ではなく機能を指す名称)

MCU (Microcontroller Unit) MPU + メモリ + タイマー + アナログ-ディジタル変換 + 通信回路(無線の場合もある)を1チップに集積化したLSIまたプログラムを内蔵する(書き込む)ことができる

SoC (System on a Chip)またはSystem LSI

多数のMPUを搭載し1チップでシステム全体を構成できる特定用途向けの大規模LSI(スマートフォンLSI等)

命令セット (Instruction set) プログラムを構成する処理要素の集合(MPUが実行する)bull 算術演算 A + B AB などbull 論理演算 A cap B AcupB などbull 比較判定 A gt B A = B などbull データ読み出し保存bull ジャンプ(プログラムの実行順序を変更する命令)

これがソフトウエアとハードウエアを接続している

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マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

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メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

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マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

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メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

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集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

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産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

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VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

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ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

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デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

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無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

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アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

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ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

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HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

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論理合成前

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論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

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論理合成(拡大)

50

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自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

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自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

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論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

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1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

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金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

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今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

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宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 20: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

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VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連

20

VLSIの高性能化

bull高速化

bull低消費電力化

bull高集積化

コンピュータの高性能化

bull高速処理

bull消費電力低減

bull高機能

通信の高性能化

bull高速伝送

bull消費電力低減

bullセキュリティ

高性能化要求と開発投資 高性能化要求と開発投資

新技術 新技術

全体像を見ないと技術は理解できない(1分野の知識では足りない)

5-2 マイクロプロセッサコンピュータの仕組みと構造

21

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ノイマン型コンピュータの構造

22

演算回路(ALU)

記憶回路(レジスタ)

入出力回路(IO)

データの流れを制御する回路(シーケンサ)

記憶回路(メモリ)

制御信号命令制御信号制御信号制御信号

MPUまたはCPUMCUまたはマイコン

プログラム()やデータはここに保存

命令や処理途中のデータはここに保存

プログラムはコンピュータへの命令(次頁参照)の実行手順を示したもの

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ハードウエアの用語(覚えておこう)

23

用語 意味

MPU (Microprocessor Unit) コンピュータの主要部分(前ページ参照)を搭載したLSI (Large Scale Integration)

CPU (Central Processing Unit) MPUと同義(ただし物ではなく機能を指す名称)

MCU (Microcontroller Unit) MPU + メモリ + タイマー + アナログ-ディジタル変換 + 通信回路(無線の場合もある)を1チップに集積化したLSIまたプログラムを内蔵する(書き込む)ことができる

SoC (System on a Chip)またはSystem LSI

多数のMPUを搭載し1チップでシステム全体を構成できる特定用途向けの大規模LSI(スマートフォンLSI等)

命令セット (Instruction set) プログラムを構成する処理要素の集合(MPUが実行する)bull 算術演算 A + B AB などbull 論理演算 A cap B AcupB などbull 比較判定 A gt B A = B などbull データ読み出し保存bull ジャンプ(プログラムの実行順序を変更する命令)

これがソフトウエアとハードウエアを接続している

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マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

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メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

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マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

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メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

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集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

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産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

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VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

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ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

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デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

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無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

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アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

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ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

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論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

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今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 21: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

5-2 マイクロプロセッサコンピュータの仕組みと構造

21

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ノイマン型コンピュータの構造

22

演算回路(ALU)

記憶回路(レジスタ)

入出力回路(IO)

データの流れを制御する回路(シーケンサ)

記憶回路(メモリ)

制御信号命令制御信号制御信号制御信号

MPUまたはCPUMCUまたはマイコン

プログラム()やデータはここに保存

命令や処理途中のデータはここに保存

プログラムはコンピュータへの命令(次頁参照)の実行手順を示したもの

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ハードウエアの用語(覚えておこう)

23

用語 意味

MPU (Microprocessor Unit) コンピュータの主要部分(前ページ参照)を搭載したLSI (Large Scale Integration)

CPU (Central Processing Unit) MPUと同義(ただし物ではなく機能を指す名称)

MCU (Microcontroller Unit) MPU + メモリ + タイマー + アナログ-ディジタル変換 + 通信回路(無線の場合もある)を1チップに集積化したLSIまたプログラムを内蔵する(書き込む)ことができる

SoC (System on a Chip)またはSystem LSI

多数のMPUを搭載し1チップでシステム全体を構成できる特定用途向けの大規模LSI(スマートフォンLSI等)

命令セット (Instruction set) プログラムを構成する処理要素の集合(MPUが実行する)bull 算術演算 A + B AB などbull 論理演算 A cap B AcupB などbull 比較判定 A gt B A = B などbull データ読み出し保存bull ジャンプ(プログラムの実行順序を変更する命令)

これがソフトウエアとハードウエアを接続している

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マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

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メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

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マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

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メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

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集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

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産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

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VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

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ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

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デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

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無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

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アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

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ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 22: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

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ノイマン型コンピュータの構造

22

演算回路(ALU)

記憶回路(レジスタ)

入出力回路(IO)

データの流れを制御する回路(シーケンサ)

記憶回路(メモリ)

制御信号命令制御信号制御信号制御信号

MPUまたはCPUMCUまたはマイコン

プログラム()やデータはここに保存

命令や処理途中のデータはここに保存

プログラムはコンピュータへの命令(次頁参照)の実行手順を示したもの

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ハードウエアの用語(覚えておこう)

23

用語 意味

MPU (Microprocessor Unit) コンピュータの主要部分(前ページ参照)を搭載したLSI (Large Scale Integration)

CPU (Central Processing Unit) MPUと同義(ただし物ではなく機能を指す名称)

MCU (Microcontroller Unit) MPU + メモリ + タイマー + アナログ-ディジタル変換 + 通信回路(無線の場合もある)を1チップに集積化したLSIまたプログラムを内蔵する(書き込む)ことができる

SoC (System on a Chip)またはSystem LSI

多数のMPUを搭載し1チップでシステム全体を構成できる特定用途向けの大規模LSI(スマートフォンLSI等)

命令セット (Instruction set) プログラムを構成する処理要素の集合(MPUが実行する)bull 算術演算 A + B AB などbull 論理演算 A cap B AcupB などbull 比較判定 A gt B A = B などbull データ読み出し保存bull ジャンプ(プログラムの実行順序を変更する命令)

これがソフトウエアとハードウエアを接続している

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マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

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メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

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マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

MeRL Kanazawa Univ

[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

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メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

MeRL Kanazawa Univ

集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

MeRL Kanazawa Univ

産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

MeRL Kanazawa Univ

VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

MeRL Kanazawa Univ

ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

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無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

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アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 23: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

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ハードウエアの用語(覚えておこう)

23

用語 意味

MPU (Microprocessor Unit) コンピュータの主要部分(前ページ参照)を搭載したLSI (Large Scale Integration)

CPU (Central Processing Unit) MPUと同義(ただし物ではなく機能を指す名称)

MCU (Microcontroller Unit) MPU + メモリ + タイマー + アナログ-ディジタル変換 + 通信回路(無線の場合もある)を1チップに集積化したLSIまたプログラムを内蔵する(書き込む)ことができる

SoC (System on a Chip)またはSystem LSI

多数のMPUを搭載し1チップでシステム全体を構成できる特定用途向けの大規模LSI(スマートフォンLSI等)

命令セット (Instruction set) プログラムを構成する処理要素の集合(MPUが実行する)bull 算術演算 A + B AB などbull 論理演算 A cap B AcupB などbull 比較判定 A gt B A = B などbull データ読み出し保存bull ジャンプ(プログラムの実行順序を変更する命令)

これがソフトウエアとハードウエアを接続している

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マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

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メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

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マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

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メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

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集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

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産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

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VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

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ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

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デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

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無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

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アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

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ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

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論理合成前

48

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論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

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論理合成(拡大)

50

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自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

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自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

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論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

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1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

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金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

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今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 24: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

MeRL Kanazawa Univ

マイクロプロセッサ(Microprocessor)コンピュータの本体の半導体部品プログラムによって与えられた計算判断記憶などの命令を逐次処理する機能としてCPU(Central Processing Unit) 半導体製品としてマイクロプロセッサの名称が使われることが多い

24

Intel Core i7 (4 Core 770000000 Tr) 2008

Intel 4004 (2300 Tr) 1971世界で最初に開発されたマイクロプロセッサ

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メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

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マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

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メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

MeRL Kanazawa Univ

IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

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集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

MeRL Kanazawa Univ

VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

MeRL Kanazawa Univ

産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

MeRL Kanazawa Univ

VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

MeRL Kanazawa Univ

ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

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無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

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アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

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ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

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今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 25: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

MeRL Kanazawa Univ

メモリ(RAM Random Access Memory)コンピュータの記憶機能を担う半導体部品アドレスを指定してプログラムや処理対象のデータを記憶しておくアクセス速度容量揮発不揮発動作原理などが異なる多くの種類がある

25

出典 三菱電機 8Mbit SRAM(通常マイクロプロセッサに内蔵)

出典 シャープ金沢大 256kbit ReRAM(新型不揮発性メモリ = 主記憶と補助記憶を統合する高速不揮発性メモリ)

出典 NEC 64Mbit DRAM(PC用の主記憶や画像処理VLSIに内蔵)

MeRL Kanazawa Univ

マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

MeRL Kanazawa Univ

マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

MeRL Kanazawa Univ

命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

MeRL Kanazawa Univ

メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

MeRL Kanazawa Univ

IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

MeRL Kanazawa Univ

集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

MeRL Kanazawa Univ

VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

MeRL Kanazawa Univ

産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

MeRL Kanazawa Univ

VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

MeRL Kanazawa Univ

ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 26: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

MeRL Kanazawa Univ

マイクロプロセッサのデータパスIR 命令レジスタメモリ読み出した命令を一時保存する

ALU 算術論理演算ユニット算術演算や論理演算を行う

REG FILE レジスタファイルデータやアドレスを一時保管する

PC プログラムカウンタ次に実行する命令のアドレスを設定する

MAR メモリアドレスレジスタアクセスしたいメモリのアドレスを一時保管する

MDR メモリデータレジスタメモリに書き込むデータを一時保管する

26

IR

ALU

REG FILE

PC

MAR

MDR

メモリ

制御

書き込み

読み出し

BUS(共有配線)

各ブロックの機能や配線接続を制御

MeRL Kanazawa Univ

マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

MeRL Kanazawa Univ

命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

MeRL Kanazawa Univ

[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

MeRL Kanazawa Univ

メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

MeRL Kanazawa Univ

IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

MeRL Kanazawa Univ

集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

MeRL Kanazawa Univ

VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

MeRL Kanazawa Univ

産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

MeRL Kanazawa Univ

VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

MeRL Kanazawa Univ

ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 27: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

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マイクロプロセッサのシーケンスの例データパスの各ブロックを動作させる毎に時間が必要なので命令毎に次のような状態遷移を行いこれを繰り返す

27

命令フェッチ

レジスタフェッチ

実行フェーズ1

実行フェーズ2

PCに設定されているアドレスから命令をIRに読み込む

IRで指定された番号のレジスタの値を読み出す+PCをインクリメント

メモリアクセス以外の命令を実行する

メモリアクセス命令を実行する

Reset

LOADSTORE

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命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

MeRL Kanazawa Univ

[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

MeRL Kanazawa Univ

メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

MeRL Kanazawa Univ

集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

MeRL Kanazawa Univ

産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

MeRL Kanazawa Univ

VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

MeRL Kanazawa Univ

ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

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無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

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アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

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ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 28: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

MeRL Kanazawa Univ

命令セット(Instruction Set Architecture)命令 = オペコード + オペランド (ソフトウエアとのインタフェースを規定)オペコード = 命令の種類(例加算レジスタ値のコピーメモリからのデータの読み込み条件分岐など)オペランド = 操作対象の指定(例レジスタ名メモリのアドレス条件分岐先など)

28

ニーモニック 処理内容 説明

ADD d s d = d + s 加算

MOV d s d = s レジスタのコピー

LD d (s) MAR = s d = MDR データの読み込み

BMI s x if (s lt 0) pc = pc - 1 + x 条件分岐

[参考] 複雑なプログラムをプロセッサの命令セットを使って書くのは大変なのでコンパイラやアセンブラで変換するフローは高級言語(ソース)rarr [コンパイラ] rarr アセンブリ言語(ニーモニックなど)rarr [アセンブラ] rarr バイナリ(実行形式)

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[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

MeRL Kanazawa Univ

メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

MeRL Kanazawa Univ

IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

MeRL Kanazawa Univ

集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

MeRL Kanazawa Univ

産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

MeRL Kanazawa Univ

VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

MeRL Kanazawa Univ

ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 29: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

MeRL Kanazawa Univ

[参考] 命令の構造によるプロセッサの分類

29

分類 オペランドの制限 プロセッサ例

Register-Registerマシン(RISC Reduced Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに直接指定できない(命令の長さが一定)

処理 = 多くの命令数が必要命令 = 高速化しやすい

SPARC MIPS POWER ARM

Register-Memoryマシン メモリアドレスをオペランドに1個指定できる

Intel x86 Motorola 68

Memory-Memoryマシン(CISC Complex Instruction Set Computer)

メモリアドレスをオペランドに2個または3個指定できる(命令の長さが可変)

処理 = 少ない命令で実行命令 = 回路が複雑になり高速化しにくい

VAX-11 NS32X32

[注] 現在では良いとこ取りになっており分類に当てはまらないプロセッサが多い

MeRL Kanazawa Univ

メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

MeRL Kanazawa Univ

IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

MeRL Kanazawa Univ

集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

MeRL Kanazawa Univ

VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

MeRL Kanazawa Univ

産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

MeRL Kanazawa Univ

VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

MeRL Kanazawa Univ

ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
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11
20
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10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

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アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

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ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

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論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

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論理合成(拡大)

50

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自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

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自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

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論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

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今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 30: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

MeRL Kanazawa Univ

メモリの構造

30

OSが管理するデバイス(低速大容量)

オンボード(中速中容量)

マイクロプロセッサ内(高速小容量)

1次キャッシュ

2次キャッシュ

主記憶

補助記憶 補助記憶 補助記憶

SRAM

DRAM

Flashなど

SRAM

将来的には新型不揮発性メモリにより統合

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IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

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集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

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VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

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産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

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VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

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ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

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デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

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無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

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アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

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ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

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論理合成前

48

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論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

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論理合成(拡大)

50

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自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

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自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

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論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

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1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

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金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

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今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

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宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 31: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

MeRL Kanazawa Univ

IO

IO

IO

IO

BUS

メモリ

CPUDisk

Serial

Ethernet

Analog

BUSBridge

IOと割り込みコンピュータは入出力(IO)を通して制御や通信処理などの実際の仕事を行うCPU(プログラム)からIOをチェック = ポーリング(Polling) rarr CPUに負荷がかかるIO(他にタイマなど)からCPUに処理を要求 = 割り込み(Interrupt) rarr 処理ルーチンにジャンプ

31

(直結の場合もある)

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

MeRL Kanazawa Univ

集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

MeRL Kanazawa Univ

VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

MeRL Kanazawa Univ

産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

MeRL Kanazawa Univ

VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

MeRL Kanazawa Univ

ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 32: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

5-3 VLSI設計技術マイクロプロセッサの情報化

32

MeRL Kanazawa Univ

集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

MeRL Kanazawa Univ

VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

MeRL Kanazawa Univ

産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

MeRL Kanazawa Univ

VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

MeRL Kanazawa Univ

ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 33: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

MeRL Kanazawa Univ

集積回路(VLSI)技術の構成

33

製造技術

設計技術

VLSI技術は2つの専門分野で成り立っている

bull 回路bull レイアウトbull システムbull CAD()

Computer Aided Design (コンピュータ支援設計)

bull 半導体物性bull デバイスbull 製造プロセスbull 微細加工

両コース共通

トランジスタ

電気電子コース

MeRL Kanazawa Univ

VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

MeRL Kanazawa Univ

産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

MeRL Kanazawa Univ

VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

MeRL Kanazawa Univ

ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 34: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

MeRL Kanazawa Univ

VLSI産業

34

垂直統合体制 水平分業体制

A社

W社

X社

Y社

Z社

B社

C社

D社

LSI設計開発

コア設計開発

生産前工程

生産後工程

ファブレスメーカ

IPプロバイダ

ファンドリ

サブコン

ARM Rambus など

TSMC UMC SMICなど

ASE ChipMOSなど

1990年代まで

(注) LSI技術分野ではIP(Intellectual Property)は設計データなどの設計資産を指す

Qualcomm NVIDIA Xilinxなど

2000年代以後

1990年代までと大きく異なり半導体の垂直統合企業が少数となり半導体産業は国際分業化されたVLSI設計開発分野は半導体に分類されていない先端技術分野(情報通信AI宇宙医療バイオエネルギーなど)に移行しているこのためVLSI設計技術が先端技術分野全分野の基本知識となりつつある

重要

現在の成長分野

製造をしていないため日本のメディアや政府が半導体技術と認識していない

(実際の主要分野)

MeRL Kanazawa Univ

産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

MeRL Kanazawa Univ

VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

MeRL Kanazawa Univ

ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 35: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

MeRL Kanazawa Univ

産業の米

製造装置590

単位億$(世界)

材料410

F Huang Green IT international symposiumICハンドブック JEITA 2009

半導体2560

電子産業13000

自動車医療

産業機器宇宙

防衛

インターネットコンテンツ

ゲームサービス50000

通信 放送

化学 電力交通

日本の半導体生産額はGDPの1に過ぎないが社会への影響力は絶大

日本の半導体応用分野の市場はGDPの40以上 研究開発投資があら

ゆる分野から集まる

35

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

MeRL Kanazawa Univ

VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

MeRL Kanazawa Univ

ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 36: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

MeRL Kanazawa Univ 36

Kilbyの特許

US PatentNo 2 138 743 1964

Jack S Kilby 2000 ノーベル物理学賞受賞出典 TI Inc

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

MeRL Kanazawa Univ

VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

MeRL Kanazawa Univ

ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 37: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

MeRL Kanazawa Univ 37

Noyceの特許

US PatentNo 2 981 877 1961

Robert Noyce Fairchild Semiconductor International Inc出典 Innopedia

MeRL Kanazawa Univ

VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

MeRL Kanazawa Univ

ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

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ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

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論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

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自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

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論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

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今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 38: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

MeRL Kanazawa Univ

VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)

38

集積度は配線ピッチで決まる

性能はトランジスタ寸法で決まる

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

MeRL Kanazawa Univ

ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 39: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

39

MOSFETの微細化

POLYn+p+

L

W250nm

180nm130nm 90nm 65nm 40nm 28nm 20nm

1200nm

600nm500nm

350nm

07倍3年のペースで微細化が進められている

最先端

14nm

times 07 times 07

7nm

MeRL Kanazawa Univ

ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 40: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

MeRL Kanazawa Univ

ムーアの法則

40

100E+03

100E+04

100E+05

100E+06

100E+07

100E+08

100E+09

100E+10

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

Year

TrC

hip 出典Intel Corporation

集積度 = 1チップのトランジスタ数の変化

プロセッサ年率59=4倍3years

メモリ(DRAM)年率73=3倍2years

DRAM

MPU

微細化技術の進歩による集積度向上

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

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アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

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アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

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ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

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論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 41: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

Graph3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip
4000
2000
10000
6000
5000
30000
30000
73000
120000
110000
220000
350000
320000
330000
1200000
1100000
1300000
5000000
3200000
3200000
4000000
20000000
5200000
8000000
70000000
350000000
16000000
60000000
500000000
90000000
1200000000
200000000

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
1971 1971 1971
1972 1972 1972
19735 19735 19735
19745 19745 19745
1975 1975 1975
1976 1976 1976
1977 1977 1977
19785 19785 19785
1979 1979 1979
1980 1980 1980
1981 1981 1981
1982 1982 1982
1983 1983 1983
1984 1984 1984
19845 19845 19845
1985 1985 1985
1986 1986 1986
1987 1987 1987
19885 19885 19885
19895 19895 19895
19905 19905 19905
1991 1991 1991
1992 1992 1992
1993 1993 1993
19935 19935 19935
1994 1994 1994
1995 1995 1995
19955 19955 19955
19965 19965 19965
1997 1997 1997
1998 1998 1998
1999 1999 1999
2000 2000 2000
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
Page 42: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

Sheet1

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Year Logic hp (nm) DRAM hp (nm) MPU Gate Length L (nm)
1995 800 320 300
1996 500 300 240
1997 350 230 160
1998 250 200 120
1999 210 165 83
2000 180 146 72
2001 150 130 60
2002 130 114 52
2003 109 101 47
2004 90 90 40
2005 78 78 31
2006 71 71 29
2007 65 65 27
2010 45 45 20
2013 32 32 14
2016 22 22 10
2019 16 16 7
Page 43: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

Sheet1

Logic hp (nm)
DRAM hp (nm)
MPU Gate Length L (nm)
Year
Size (nm)

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Page 44: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

Sheet2

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Year Market Size (109 US$)
1961 8
1962 88
1963 89
1964 99
1965 10
1966 12
1967 19
1968 24
1969 30
1970 32
1971 35
1972 33
1973 37
1974 66
1975 75
1976 70
1977 78
1978 79
1979 92
1980 102
1981 110
1982 108
1983 111
1984 190
1985 370
1986 350
1987 390
1988 500
1989 660
1990 700
1991 720
1992 730
1993 760
1994 850
1995 1300
1996 1080
1997 1088
1998 1003
1999 1100
2000 1200
2001 1500
2002 1300
2003 1320
2004 1521
2005 1861
2006 2073
2007 2310
2008 2573
2009 2866
2010 3200
Page 45: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

Sheet2

Market Size (109 US$)
Year
Market Size (US billion $)

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Page 46: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

Sheet3

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Year DRAM Intel MPU Motorola MPU
1971 400E+03 200E+03
1972
19735 100E+04
19745 600E+03 500E+03
1975
1976 300E+04
1977
19785 300E+04
1979 730E+04
1980
1981 120E+05
1982 110E+05
1983
1984 220E+05
19845 350E+05
1985 320E+05
1986
1987 330E+05
19885 120E+06
19895 110E+06
19905 130E+06
1991
1992 500E+06
1993 320E+06
19935 320E+06
1994 400E+06
1995 200E+07
19955 520E+06
19965 800E+06
1997
1998 700E+07
1999
2000 350E+08 160E+07
2001 600E+07
2002 500E+08
2003 900E+07
2004 120E+09 200E+08
Page 47: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

Sheet3

DRAM
Intel MPU
Motorola MPU
Year
TrChip

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

100

1000

10000

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Page 48: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

MeRL Kanazawa Univ

デナードのスケーリング則 1974トランジスタ(MOSFET)の微細化による性能と集積度の両方の向上が微細化技術開発の原動力

スケーリング則トランジスタの寸法を縦横高さを同じ縮尺(k倍)で微細化電圧を寸法と同じ縮尺(k倍)に低減(=電界を一定に保つことに相当)

41

Robert H Dennard1968 DRAM発明出典Wikipedia

スケーリング効果(理論的に求められる)

集積度 動作速度 消費電力トランジスタ 消費電力チップ

k倍スケーリング

1k 1k k2 1

k = 07のとき 2 14 05 1

MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

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1000

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2006

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2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
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9
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14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
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MeRL Kanazawa Univ 42

1

10

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2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

2022

Size

(nm

)

スケーリングの動向

Gate Length (Printed)

Gate Length (Physical)

M1 hp (Lithography)

酵母赤血球

細菌

ウイルス

分子(低分子量)色素 糖類 C60

ナノテクの領域

Logic Trend

参考ITRS 2007 2011

07x3years

可視光の波長

ディーゼル排気粒子

大腸菌

COVID-19

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
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34
20
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30
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17
10
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15
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16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Page 50: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

Graph2

Size (nm)
160
150
90
139
135
80
120
110
65
104
90
53
90
76
45
78
64
38
68
54
32
59
48
28
52
42
25
45
38
23
40
34
20
36
30
18
32
27
16
28
24
14
25
21
13
22
19
11
20
17
10
18
15
9
16
13
8
14
12
7

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
2001 2001 2001
2002 2002 2002
2003 2003 2003
2004 2004 2004
2005 2005 2005
2006 2006 2006
2007 2007 2007
2008 2008 2008
2009 2009 2009
2010 2010 2010
2011 2011 2011
2012 2012 2012
2013 2013 2013
2014 2014 2014
2015 2015 2015
2016 2016 2016
2017 2017 2017
2018 2018 2018
2019 2019 2019
2020 2020 2020
Page 51: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

Tech Trend

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
DRAM M1 hp ASIC MPU M1hp (nm) Flash poly hp (nm) Gate L (nm)
2001 130 160 160 90
2002 115 139 133 80
2003 100 120 111 71
2004 90 104 93 63
2005 80 90 76 54
2006 70 78 64 48
2007 65 68 57 42
2008 57 59 51 38
2009 50 52 45 34
2010 45 45 40 30
2011 40 40 36 27
2012 36 36 32 24
2013 32 32 29 21
2014 28 28 25 19
2015 25 25 23 17
2016 22 22 20 15
2017 20 20 18 13
2018 18 18 16 12
2019 16 16 14 11
2020 14 14 13 9
Page 52: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

Tech Trend

Size (nm)

Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
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Power Supply

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

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IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

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自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
VDD high performance (V) VDD low power (V) P high performance (W) P cost performance (W) P hand held (W) DRAM 12 (nm)
2005 11 09 167 91 28 80
2006 11 09 180 98 3 70
2007 11 08 189 104 3 65
2008 1 08 198 111 3 57
2009 1 08 198 116 3 50
2010 1 07 198 119 3 45
2011 1 07 198 119 3 40
2012 09 07 198 125 3 36
2013 09 06 198 137 3 32
2014 09 06 198 137 3 28
2015 08 06 198 137 3 25
2016 08 05 198 151 3 22
2017 07 05 198 151 3 20
2018 07 05 198 151 3 18
2019 07 05 198 157 3 16
2020 07 05 198 157 3 14
Page 54: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

Power Supply

Power Supply Voltage (V)

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
Page 55: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

RF AMS Trend

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
DRAN 12 (nm) Gate L high performance (nm) Tox high performance (nm) Gate L precision (nm) Tox precision (nm) bip emitter w (nm) logic L (nm)
2005 80 75 22 250 5 150 90
2006 70 65 21 250 5 140 78
2007 65 53 2 250 5 130 68
2008 57 45 19 250 5 120 59
2009 50 37 16 250 5 100 52
2010 45 32 15 180 3 100 45
2011 40 28 14 180 3 100 40
2012 36 25 14 180 3 90 36
2013 32 22 13 180 3 90 32
2014 28 20 12 180 3 90 28
2015 25 18 11 180 3 80 25
2016 22 16 11 180 3 80 22
2017 20 14 11 180 3 80 20
2018 18 13 1 180 3 70 18
2019 16 12 1 130 26 70 16
2020 14 11 09 130 26 70 14
Page 56: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

RF AMS Voltage

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
VDD high performance (V) VDD precision (V) VDD high performance logic (V) VDD low power logic (V)
2005 12 25 11 09
2006 12 25 11 09
2007 12 25 11 08
2008 12 25 1 08
2009 11 25 1 08
2010 11 18 1 07
2011 11 18 1 07
2012 1 18 09 07
2013 1 18 09 06
2014 1 18 09 06
2015 1 18 08 06
2016 1 18 08 05
2017 1 18 07 05
2018 1 18 07 05
2019 1 15 07 05
2020 1 15 07 05
Page 57: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

RF AMS Voltage

Power Supply Voltage (V)

RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
2010 280 50 370 100 40
2011 320 50 385 110 42
2012 360 50 400 110 44
2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
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RF AMS ft

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
ft LSTP (GHz) ft precision (GHz) bip ft high performance (GHz) bip ft RF (GHz) bip ft High Voltage (GHz) fmax perfomance fmax precision
2005 120 40 200 80 30
2006 140 40 230 80 32
2007 170 40 265 90 34
2008 200 40 300 90 36
2009 240 40 350 100 38
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2013 400 50 420 120 46
2014 440 50 440 120 48
2015 490 50 460 130 50
2016 550 50 480 130 52
2017 630 50 500 140 54
2018 670 50 530 140 56
2019 730 70 550 150 58
2020 790 70 570 150 60
Page 59: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

RF AMS ft

Peak Transition Frequency (GHz)

f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
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f-1 Noise

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
LSTP precision bipolar (general)
2005 190 500 3
2006 180 500 3
2007 160 500 2
2008 140 500 2
2009 100 500 2
2010 90 180 15
2011 80 180 15
2012 80 180 15
2013 70 180 1
2014 60 180 1
2015 50 180 1
2016 50 180 07
2017 50 180 07
2018 40 180 07
2019 40 135 07
2020 30 135 07
Page 61: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

f-1 Noise

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
Page 62: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

SVT matching

SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
LSTP Precision bip general current muching
2005 6 9 2
2006 6 9 2
2007 6 9 2
2008 6 9 2
2009 5 9 2
2010 5 6 2
2011 5 6 2
2012 5 6 2
2013 5 6 2
2014 5 6 2
2015 5 6 2
2016 4 6 2
2017 4 6 2
2018 4 6 2
2019 4 5 2
2020 3 5 2
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SVT matching

ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
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ASIC Trend

ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
M1hp (nm) ASIC Gate L (nm) ASIC Leff (nm) MPU Gate L (nm) MPU Leff (nm)
2001 160 150 90 90
2002 139 135 80 80
2003 120 110 65 71
2004 104 90 53 63
2005 90 76 45 54 32
2006 78 64 38 48 28
2007 68 54 32 42 25
2008 59 48 28 38 23
2009 52 42 25 34 20
2010 45 38 23 30 18
2011 40 34 20 27 16
2012 36 30 18 24 14
2013 32 27 16 21 13
2014 28 24 14 19 11
2015 25 21 13 17 10
2016 22 19 11 15 9
2017 20 17 10 13 8
2018 18 15 9 12 7
2019 16 13 8 11 6
2020 14 12 7 9 6
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ASIC Trend

Size (nm)
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
Page 66: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路
Size (nm)

MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
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MeRL Kanazawa Univ

無線機能の集積化(金沢大学)

アナログ領域 ディジタル領域AD変換

大半の処理はディジタル回路で実行

アナログでしか実現できない処理

プロセッサに接続

アンテナに接続

25mm

アナログ回路とディジタル回路の混載により高機能化を達成

43

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
Page 68: 電子情報通信工学序論 - Kanazawajaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ecb/pdf/5.pdf · 電子情報通信工学序論 第5回コンピュータの構成と大規模集積回路

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路

44

アナログ回路

ディジタル回路

アナログ回路でないと実現できない機能bull データ伝送の無線化bull 電力供給の無線化bull アナログ信号とディジタル信号の相互変換bull デバイスのドライブ(液晶ディスプレイスピーカモータなど情報出力)bull センシング(イメージセンサバイオセンサなどの情報入力)

主な処理はディジタル回路+外部インタフェースはアナログ回路で実現

アナログ回路 ディジタル回路

bull 高速bull 低消費電力bull 精度の保証は難しいbull 遅延が小さいbull 手動設計

bull 低速bull 消費電力が比較的大bull 高精度bull 遅延が大きいbull 自動設計

MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

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宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
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MeRL Kanazawa Univ

アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い

45

回路図作成

電子回路シミュレーション

レイアウト設計

寄生素子抽出電子回路シミュレーション

レイアウト-回路図整合性チェック(LVS)

設計規則チェック(DRC)

言語記述

論理シミュレーション

論理合成

タイミングシミュレーション

自動配置配線

設計規則チェック(DRC)

半導体メーカに製造外注

アナログ回路 ディジタル回路

ポイント実際の設計には多くのCAD(Computer Aided Design)ツールが必要

レイアウトエディタ

電子回路シミュレータ

寄生抽出ツール

LVSツール

DRCツール

回路図エディタ テキストエディタ

論理シミュレータ

論理合成ツール

論理シミュレータ

自動配置配線ツール

DRCツール

MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
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MeRL Kanazawa Univ

IP(Intellectual Property)コア

マイクロプロセッサのHDL設計は「集積回路設計及び演習」で詳しく学ぶマイクロプロセッサなどの設計データ(HDL)は「IPコア」と呼ばれソフトウエアと同様に電子媒体として流通している(無料のものも多い)IPコアがあれば論理合成+自動配置配線により半導体メーカにVLSIを製造外注できる設計だけを行い製造を外注するメーカをファブレスという(現在の半導体メーカの多くがファブレス)製造だけを行うメーカをファンドリという(設計と製造が分離していることを国際的水平分業という)

代表的なオープンソースIPのコミュニティサイトOpenCores httpsopencoresorg金沢大学でも研究教育目的限定で一部のIPを公開 httpwwwmerljp

46

MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

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宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
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  • 宿題
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MeRL Kanazawa Univ

ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)代表的な32bitマイクロプロセッサ市場シェア 組み込みシステム 75 スマートフォン ほぼ100

IPとして販売されている(ライセンス料+ロイヤリティが収入)1コア = 5円以下

ARM Cortex シリーズがあるCortex-A アプリケーションプロセッサ向けCortex-R リアルタイム制御向けCortex-M 組み込みシステム向け

ARM Cortex-M0IoT(次回講義)向けの低消費電力小型のプロセッサ教育用として論理合成可能なHDL(Hardware Description Language)コードを無料で配布

47

HDL記述例(算術論理演算ユニットの例)

MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

MeRL Kanazawa Univ

自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
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MeRL Kanazawa Univ

論理合成前

48

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論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

MeRL Kanazawa Univ

論理合成(拡大)

50

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自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

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自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

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論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

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宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
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論理合成(13202ゲート クロック100MHz)

49

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論理合成(拡大)

50

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自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

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自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

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論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

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1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

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LSI設計実習

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今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

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宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

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58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
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論理合成(拡大)

50

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自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

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自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

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論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

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1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
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自動配置配線(0538mmtimes0998mm)

51

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自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

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論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

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1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

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金沢大

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広大 京大

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九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

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58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
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  • 今週のまとめ
  • 宿題
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自動配置配線(拡大)

52

論理ゲート(スタンダードセル)

電源ライン

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論理ゲート(さらに拡大)

53

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n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

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1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

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産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

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広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

MeRL Kanazawa Univ

宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

インストール方法の説明サイトhttpjacoectkanazawa-uacjpedu「電子情報通信工学序論」をクリック「Androidアプリの開発環境インストール」をクリック

58

  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
  • 宿題
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MeRL Kanazawa Univ

論理ゲート(さらに拡大)

53

p-ch MOSFETの列

n-ch MOSFETの列

5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

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宿題各自のパソコンにスマホアプリの開発環境(Android Studio)をインストールしておくこと既に開発環境を持っている人は必要ない

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  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
  • 論理ゲート(さらに拡大)
  • 5-4 金沢大学のLSI設計教育
  • スライド番号 55
  • スライド番号 56
  • 今週のまとめ
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5-4 金沢大学のLSI設計教育VDECの活動

54

55

Kanazawa Univ

1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

MeRL Kanazawa Univ

今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

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  • ICカードの仕組み
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  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
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  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
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  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
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  • 論理合成(拡大)
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  • 自動配置配線(拡大)
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  • スライド番号 55
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1990年代後半=半導体製造サービスの普及とLSIのファブレス開発(工場を持たない生産)が可能に

半導体メーカ国内大学

VDECCADベンダー設計技術教育

産学共同開発

一括契約ライセンス供給情報提供

LSI設計データ(複数のVLSI設計図を1枚に纏めてメーカで製造)

1996年東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC通称ヴィデック)設立(10大学ネットワークで構成)

VLSI Design and Education Center

研究用試作と設計実習教育

ライセンス提供

製造サービス

大学やベンチャー企業がLSI

開発に参入

56

Kanazawa Univ

金沢大学VDECは北陸地域拠点として設立され日本のVLSI 設計教育研究の中心的役割を果たしています

VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

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今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

57

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  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
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  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
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  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
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  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
  • 自動配置配線(0538mmtimes0998mm)
  • 自動配置配線(拡大)
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  • スライド番号 55
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  • 宿題
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VDEC(現dlab)は全国ネットワークで組織されています

金沢大学VLSI設計評価設備

金沢大学開発VLSI

東大東工大

東北大

北大

金沢大

名大

広大 京大

阪大

九大

LSI設計実習

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今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

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  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
  • アナログ回路とディジタル回路
  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
  • 論理合成前
  • 論理合成(13202ゲート クロック100MHz)
  • 論理合成(拡大)
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  • 論理ゲート(さらに拡大)
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今週のまとめコンピュータの殆どは自動車ロボットICカード電子機器などの中で「組み込みシステム」として使用されている

コンピュータは5つの構成要素(制御回路データパスメモリ入力出力)から成る

マイクロプロセッサの構造(アーキテクチャ)はデータパス命令セットメモリの構成IOの構成により決定される

現在のマイクロプロセッサはノイマン型コンピュータの動作原理に基づいて構成されているが他にも量子コンピュータやニューラルネットワークなどの動作原理の異なるコンピュータが実用化されている

回路システムはアナログ回路とディジタル回路により構成されそれぞれ設計手順やCADツールが異なる

マイクロプロセッサなどの集積回路のIPコア(設計データ)が流通しているのでこれらを活用すれば誰でも新しいLSIが設計できる

金沢大学ではVDECが提供する最先端のCADソフトウエアを用いて簡単にLSI開発が可能

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  • 第5回 コンピュータの構成と大規模集積回路
  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
  • 使用目的によるコンピュータの分類
  • コンピュータの動作原理による分類
  • コンピュータの実装に使われる技術
  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
  • ノイマン型コンピュータと量子コンピュータ
  • 量子コンピュータを使ってみよう
  • AIに必要な機能
  • ニューラルネットワーク(AIの実装方法の一種)
  • 生成AI
  • VLSIコンピュータ技術通信技術の発展は密接に関連
  • 5-2 マイクロプロセッサ
  • ノイマン型コンピュータの構造
  • ハードウエアの用語(覚えておこう)
  • マイクロプロセッサ(Microprocessor)
  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
  • マイクロプロセッサのシーケンスの例
  • 命令セット(Instruction Set Architecture)
  • [参考] 命令の構造によるプロセッサの分類
  • メモリの構造
  • IOと割り込み
  • 5-3 VLSI設計技術
  • 集積回路(VLSI)技術の構成
  • VLSI産業
  • 産業の米
  • Kilbyの特許
  • Noyceの特許
  • VLSI内のトランジスタの構造(MOSFETの構造)
  • MOSFETの微細化
  • ムーアの法則
  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
  • 無線機能の集積化(金沢大学)
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  • アナログ回路とディジタル回路の設計法の違い
  • IP(Intellectual Property)コア
  • ARMプロセッサ(スマホの標準CPU)
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  • 電子情報通信技術を学ぶ前に
  • 新しい技術者のイメージ
  • はじめに
  • 5-1 コンピュータの種類
  • 質問
  • 身の回りのコンピュータ
  • ICカードやICタグもれっきとしたコンピュータ
  • ICカードの仕組み
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  • ノイマン型コンピュータ
  • ノイマン型コンピュータが苦手な組み合わせ最適化問題の例
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  • メモリ(RAM Random Access Memory)
  • マイクロプロセッサのデータパス
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  • デナードのスケーリング則 1974
  • スケーリングの動向
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