建設業の働き方改革に関する協議会の開催について...建設業の働き方改革に関する協議会の開催について...

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建設業の働き方改革に関する協議会の開催について 1.建設業について、時間外労働規制の適用に向けて、発注者を含めた関係者に よる協議の下、適正な工期設定や適切な賃金水準の確保、週休2日の推進など による休日確保等に関する取組を推進するため、建設業の働き方改革に関する 協議会(以下「協議会」という。)を開催する。 2.協議会の構成は、次のとおりとする。ただし、議長は、必要があると認める ときは、構成員を追加し、または関係者に出席を求めることができる。 議 長: 内閣官房副長官補(内政) 構 成 員: 内閣府政策統括官(経済財政運営担当) 厚生労働省労働基準局長 国土交通省土地・建設産業局長 (一社)日本経済団体連合会労働法制本部長 (一社)日本経済団体連合会産業政策本部長 日本商工会議所産業政策第二部長 電気事業連合会総務部長 (一社)日本ガス協会総務部長 (一社)不動産協会副理事長専務理事 (一社)日本民営鉄道協会常務理事技術部長 (一社)日本建設業連合会週休二日推進本部本部長 (一社)全国建設業協会労働委員会委員長 (一社)全国中小建設業協会会長 (一社)建設産業専門団体連合会会長 日本労働組合総連合会副事務局長 日本基幹産業労働組合連合会建設委員会委員長 全国建設労働組合総連合書記長 3.協議会の庶務は、厚生労働省及び国土交通省の協力を得て、内閣官房におい て処理する。 4.前各項に定めるもののほか、協議会の運営に関する事項その他必要な事項は、 議長が定める。 資料1

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  • 建設業の働き方改革に関する協議会の開催について

    1.建設業について、時間外労働規制の適用に向けて、発注者を含めた関係者に

    よる協議の下、適正な工期設定や適切な賃金水準の確保、週休2日の推進など

    による休日確保等に関する取組を推進するため、建設業の働き方改革に関する

    協議会(以下「協議会」という。)を開催する。

    2.協議会の構成は、次のとおりとする。ただし、議長は、必要があると認める

    ときは、構成員を追加し、または関係者に出席を求めることができる。

    議 長: 内閣官房副長官補(内政)

    構 成 員: 内閣府政策統括官(経済財政運営担当)

    厚生労働省労働基準局長

    国土交通省土地・建設産業局長

    (一社)日本経済団体連合会労働法制本部長

    (一社)日本経済団体連合会産業政策本部長

    日本商工会議所産業政策第二部長

    電気事業連合会総務部長

    (一社)日本ガス協会総務部長

    (一社)不動産協会副理事長専務理事

    (一社)日本民営鉄道協会常務理事技術部長

    (一社)日本建設業連合会週休二日推進本部本部長

    (一社)全国建設業協会労働委員会委員長

    (一社)全国中小建設業協会会長

    (一社)建設産業専門団体連合会会長

    日本労働組合総連合会副事務局長

    日本基幹産業労働組合連合会建設委員会委員長

    全国建設労働組合総連合書記長

    3.協議会の庶務は、厚生労働省及び国土交通省の協力を得て、内閣官房におい

    て処理する。

    4.前各項に定めるもののほか、協議会の運営に関する事項その他必要な事項は、

    議長が定める。

    資料1

  • 建設業の働き方改革に関する協議会

    構成員名簿

    議 長: 内閣官房副長官補 古谷 一之

    構 成 員: 内閣府政策統括官 新原 浩朗

    厚生労働省労働基準局長 山越 敬一

    国土交通省土地・建設産業局長 田村 計

    (一社)日本経済団体連合会労働法制本部長 輪島 忍

    (一社)日本経済団体連合会産業政策本部長 上田 正尚

    日本商工会議所産業政策第二部長 小林 治彦

    電気事業連合会総務部長 山田 裕之

    (一社)日本ガス協会総務部長 谷口 元

    (一社)不動産協会副理事長専務理事 内田 要

    (一社)日本民営鉄道協会常務理事技術部長 髙橋 俊晴

    (一社)日本建設業連合会週休二日推進本部本部長 井上 和幸

    (一社)全国建設業協会労働委員会委員長 中筋 豊通

    (一社)全国中小建設業協会会長 豊田 剛

    (一社)建設産業専門団体連合会長 才賀 清二郎

    日本労働組合総連合会副事務局長 安永 貴夫

    日本基幹産業労働組合連合会建設委員会委員長 三浦 慎

    全国建設労働組合総連合書記長 勝野 圭司

    資料2

  • Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

    建設業における働き方改革について

    平成29年7月28日

    国土交通省

    資料3

  • 目次

    1.建設業の働き方改革をめぐる状況(P1)

    ○ 建設業就業者の現状

    ○ 担い手確保・育成の取組

    ○ 建設業の働き方の現状

    ○ 働き方改革実行計画について

    2.今後の取組の方向性(P13)

    ○ 建設工事における適正な工期設定等のためのガイドライン(骨子案)

    について

    ○ 今後のスケジュール

  • Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

    1. 建設業の働き方改革をめぐる状況

  • 29.3

    33.8

    33.9

    16.4

    10.8

    11.4

    9.0

    11.0

    13.0

    15.0

    17.0

    19.0

    21.0

    23.0

    25.0

    27.0

    29.0

    31.0

    33.0

    35.0

    37.0

    H2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

    ○建設業就業者: 685万人(H9) → 498万人(H22) → 492万人(H28)

    ○技術者 : 41万人(H9) → 31万人(H22) → 31万人(H28)

    ○技能労働者 : 455万人(H9) → 331万人(H22) → 326万人(H28)

    ○ 建設業就業者は、55歳以上が約34%、29歳以下が約11%と高齢化が進行し、次世代への技術承継が大きな課題。

    ※実数ベースでは、建設業就業者数のうち平成27年と比較して55歳以上が約2万人減少、29歳以下は約2万人増加。

    出典:総務省「労働力調査」を基に国土交通省で算出出典:総務省「労働力調査」(暦年平均)を基に国土交通省で算出

    建設業就業者の推移 建設業就業者の高齢化の進行

    全産業(55歳以上)

    全産業(29歳以下)

    建設業:3分の1が55歳以上

    建設業:29歳以下は約1割

    (※平成23年データは、東日本大震災の影響により推計値。)

    建設業就業者の現状

    0

    100

    200

    300

    400

    500

    600

    700

    800

    H2年H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10H11H12H13H14H15H16H17H18H19H20H21H22H23H24H25H26H27H28

    395399408420

    433 438442455434432432415 414401385 381375370 358342331334335338341331326

    29 3336

    42 4243 43

    4143 42 42

    39 37 3634 32 31 31 30

    32 31 31 32 27 28 32 31

    118127127128

    127128131133

    131128126124116

    114113107107103103

    10094 98 98 96 98 99 99

    2222 27

    26 2729 29

    3131 32 34

    33 3234

    35 34 32 31 3129

    29 32 30 29 30 28 27

    588

    24

    604

    25

    619

    25

    640

    26

    655

    25

    663

    24

    670

    24

    685

    24

    662

    24

    657

    23

    653

    20632

    22

    618

    19604

    19

    584

    17

    568

    14

    559

    14

    552

    17

    537

    15

    517

    14498

    13

    502

    7

    503

    8

    499

    98 10 9

    (万人) その他

    販売従事者

    管理的職業、事務従事者

    技術者

    技能労働者

    505500 492

    2

  • 3

    3.3

    14.6

    19.2

    25.2

    35.1

    45.7

    40.4

    32.5

    31.1

    34.5

    45.1

    0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 45.0 50.0

    15~19

    20~24

    25~29

    30~34

    35~39

    40~44

    45~49

    50~54

    55~59

    60~64

    65~

    出典: 総務省「労働力調査」(2016年平均)を元に国土交通省で算出

    (万人)

    (年齢)

    年齢別の技能労働者数

  • (千円)

    出典:賃金構造基本統計調査(10人以上の常用労働者を雇用する事業所)(厚生労働省)年間賃金総支給額=きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額

    建設業の年収額の推移

    4,176.8

    4,682.2

    5,477.0

    5,494.3

    2,500

    3,000

    3,500

    4,000

    4,500

    5,000

    5,500

    6,000

    建設業男性生産労働者 建設業男性全労働者 製造業男性生産労働者

    製造業男性全労働者 全産業男性労働者

    4

    ○ 年収額は上昇傾向にあるものの、未だに製造業よりも1割程度低い水準。1981

    1982

    1983

    1984

    1985

    1986

    1987

    1988

    1989

    1990

    1991

    1992

    1993

    1994

    1995

    1996

    1997

    1998

    1999

    2000

    2001

    2002

    2003

    2004

    2005

    2006

    2007

    2008

    2009

    2010

    2011

    2012

    2013

    2014

    2015

    2016 (年)

  • 建設産業の担い手確保・育成に向けた取組

    歩切りの根絶

    ○ 4度にわたり、実態調査等を実施(慣例等のため歩切りを行っていた全ての地方公共団体が廃止を決定)

    ダンピング対策の強化○ 低入札価格調査制度等の導入・活用を徹底

    (今後、未導入自治体に対し働きかけを強化)

    発注の現場における改正品確法の趣旨の更なる徹底

    ○ 品確法に基づく運用指針の的確な運用を促進(施工時期等の平準化等)

    ⇒ 担い手の中長期的な確保・育成のための適正な利潤を確保

    技能労働者の処遇改善 若者、女性の入職促進の取組強化等改正品確法等の趣旨の徹底

    若者や女性の活躍の推進

    ○ 優秀な若手に技術検定の受験資格を早期に付与

    ○ 女性の担い手確保に向けて官民挙げた行動計画(H26.8策定)の実践

    ○ 計画的な女性の入職・定着に取り組む建設企業等に対する支援

    将来を見通せる環境の整備

    ○ 安定的・持続的な建設事業の見通しの確保

    教育訓練の充実強化

    ○ 建設産業担い手確保・育成コンソーシアムにおいて、地域連携ネットワークによる教育訓練体系の構築を支援

    建設生産システムにおける生産性の向上

    i-Constructionの推進[ICTの全面的な活用(ICT土工)、コンクリート工の規格の標準化等]

    施工時期等の平準化[公共工事における施工時期等の平準化]

    技術や技能・経験等に応じた人材の配置[現場配置技術者の効率的な活用(技術者配置に関する金額要件の引上げ等)]

    重層下請構造の改善[行き過ぎた重層化の回避、適正な元下関係の促進等]

    適切な賃金水準の確保

    ○ 公共工事設計労務単価の適切な設定(5度目となる引上げをH29.3に実施)

    社会保険等の加入徹底○ 平成24年度より、関係者一体となった取組を実施○ H29.4から直轄工事において二次下請以下について

    も社会保険等加入企業に限定

    ○ 法定福利費を内訳明示した見積書の活用推進

    建設キャリアアップシステムの構築○ 技能や経験に応じた適切な評価・処遇を実現

    建設業における休日の拡大○ 週休2日の確保等による不稼働日等を踏まえた

    適正な工期設定の推進

    5

  • 1,600

    1,700

    1,800

    1,900

    2,000

    2,100

    2,200

    年間総実労働時間の推移

    実労働時間及び出勤日数の推移(建設業と他産業の比較)

    出典: 厚生労働省「毎月勤労統計調査」年度報より国土交通省作成

    (時間)

    建設業

    製造業

    調査産業計

    2007年度:2065時間2016年度:2056時間

    ▲9時間

    2007年度:1993時間2016年度:1951時間

    ▲42時間

    2007年度:1807時間2016年度:1720時間

    ▲87時間

    220

    225

    230

    235

    240

    245

    250

    255

    260年間出勤日数の推移(日)

    建設業

    製造業

    調査産業計

    2007年度:256日2016年度:251日

    ▲5日

    2007年度:238日2016年度:234日

    ▲4日

    2007年度:233日2016年度:222日

    ▲11日

    6

    105時間

    336時間

    17日

    29日

  • 建設業における休日の状況

    ◯ 建設工事全体では、約65%が4週4休以下で就業している状況。

    出典:日建協「2015時短アンケート」を基に作成

    【建設業における休日の状況】現在4週8休は1割以下

    (4週当たり)休暇日数

    4.60日

    5.6%

    2.8%

    5.7%

    1.2%

    0.9%

    1.1%

    19.0%

    11.9%

    15.5%

    16.3%

    10.9%

    13.7%

    49.0%

    59.8%

    52.8%

    8.9%

    13.7%

    11.2%

    0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

    土木工事

    建築工事

    全体

    4週8休 4週7休 4週6休 4週5休 4週4休 4週4休未満

    (4週当たり)休暇日数

    4.71日

    (4週当たり)休暇日数

    4.35日

    建設工事全体

    建築工事

    土木工事

    ※建設工事全体には、建築工事、土木工事の他にリニューアル工事等が含まれる。

    7

  • 時間外労働規制の適用除外業種に関する総理発言(H29.3.17第9回働き方改革実現会議)

    8

    ○ 本日は、骨子案をもとに、実行計画のとりまとめについて議論を行った。

    ○ 時間外労働の上限規制について、先日(13日)、経団連と連合が歴史的な労使合意を行ったのを受け、本日、政労使として提案を行った。榊原会長には、もう一段の調整をお願いし、上限をひと月100時間「未満」で了解いただいた。この方針で、計画の取りまとめを行いたい。

    ○ 時間外労働時間の限度は、あくまで、月45時間、かつ、年360時間が原則であり、労使は、上限までの協定締結を回避する努力を図ることで合意した。政府としても、これを支援するため、労働基準法を改正し、指針を定め、100時間未満に至らずとも、助言・指導を行う制度を整備する。

    ○ 残る重要な課題として、長年、時間外労働規制の大臣告示の適用除外とされてきた自動車の運転業務、建設事業の取扱いがある。本日も、石井国交大臣に調整状況を報告いただいた。

    業界の担い手を確保するためにも、長年の慣行を破り、猶予期間を設けたうえで、かつ、実態に即した形で、時間外労働規制を適用する方向としたい。

    石井大臣には、引き続き調整に努めていただくとともに、荷主、施主の協力を含めて、全政府的なバックアップが必要となるので、関係大臣、産業界の全面的な協力をお願いしたい。

    〇 高市総務大臣や有識者委員の皆さんからも、貴重なご意見を頂戴した。可能な限り、実行計画に反映したい。引き続き、よろしくお願いしたい。

  • 建設業における時間外労働規制の見直し

    現行規制 見直しの内容「働き方改革実行計画」(平成29年3月28日決定)

    原則≪労働基準法で法定≫

    (1)1日8時間・1週間40時間

    (2)36協定を結んだ場合、協定で定めた時間まで時間外労働可能

    (3)災害その他、避けることができない事由により臨時の必要がある場合には、労働時間の延長が可能(労基法33条)

    ≪同左≫

    36協定の限度

    ≪厚生労働大臣告示:強制力なし≫

    (1)・原則、月45時間 かつ 年360時間

    ・ただし、臨時的で特別な事情がある場合、延長に上限なし(年6か月まで)(特別条項)

    (2)・建設の事業は、(1)の適用を除外

    ≪労働基準法改正により法定:罰則付き≫

    (1)・原則、月45時間 かつ 年360時間

    ・特別条項でも上回ることの出来ない時間外労働時間を設定① 年720時間(月平均60時間)② 年720時間の範囲内で、一時的に事務量が増加する場合にも上回ることの出来ない上限を設定a.2~6ヶ月の平均でいずれも80時間以内(休日出勤を含む)b.単月100時間未満(休日出勤を含む)c.原則(月45時間)を上回る月は年6回を上限

    (2)建設業の取り扱い・施行後5年間 現行制度を適用・施行後5年以降 一般則を適用。ただし、災害からの復旧・復興については、上記(1)②a.b.は適用しない(※)が、将来的には一般則の適用を目指す。※労基法33条は事前に予測できない災害などに限定されているため、復旧・復興の場合でも臨時の必要性がない場合

    は対象とならない

    ○ 適正な工期設定、適切な賃金水準の確保、週休2日の推進等に向け、発注者を含めた関係者で構成する協議会を設置○ 制度的な対応を含め、時間外労働規制の適用に向けた必要な環境整備を進め、あわせて業界等の取組を支援○ 技術者・技能労働者の確保・育成やその活用を図るための、制度的な対応を含めた取組○ 施工時期の平準化、全面的なICTの活用、書類の簡素化、中小建設企業への支援等による生産性の向上

    「働き方改革実行計画」※に記載された今後の取組 ※3月28日働き方改革実現会議決定

    見直しの方向性

    9

  • 働き方改革実行計画(抜粋)(平成29年3月28日働き方改革実現会議決定)

    【建設業】

    (現行の適用除外等の取扱)

    建設事業については、限度基準告示の適用除外とされている。これに対し、今回は、罰則付きの時間外労働規制の適用除外とせず、改正法の一般則の施行期日の5年後に、罰則付き上限規制の一般則を適用する(ただし、復旧・復興の場合については、単月で100 時間未満、2か月ないし6か月の平均で80 時間以内の条件は適用しない)。併せて、将来的には一般則の適用を目指す旨の規定を設けることとする。5年後の施行に向けて、発注者の理解と協力も得ながら、労働時間の段階的な短縮に向けた取組を強力に推進する。

    (取引条件改善など業種ごとの取組の推進)

    取引関係の弱い中小企業等は、発注企業からの短納期要請や、顧客からの要求などに応えようとして長時間労働になりがちである。商慣習の見直しや取引条件の適正化を、一層強力に推進する。

    建設業については、適正な工期設定や適切な賃金水準の確保、週休2日の推進等の休日確保など、民間も含めた発注者の理解と協力が不可欠であることから、発注者を含めた関係者で構成する協議会を設置するとともに、制度的な対応を含め、時間外労働規制の適用に向けた必要な環境整備を進め、あわせて業界等の取組に対し支援措置を実施する。また、技術者・技能労働者の確保・育成やその活躍を図るため制度的な対応を含めた取組を行うとともに、施工時期の平準化、全面的なICT の活用、書類の簡素化、中小建設企業への支援等により生産性の向上を進める。

    10

  • 1.適正な工期設定・施工時期の平準化・週休2日を前提とした適正な工期設定による工事の発注や施工時期の平準化を推進

    2.社会保険の法定福利費や安全衛生経費の確保・適正な工期設定に伴うコスト増加のしわ寄せが必要経費の削減に繋がらないよう、社会保険の法定福利費等を含んだ適正な請負代金による契約を徹底

    3.生産性向上・ICTの積極的な活用や書類の簡素化を推進

    4.ガイドラインの策定・周知・1.~3.の内容を盛り込んだ「適正な工期設定等のためのガイドライン」を策定

    5.不適正な工期への対応の強化・受注者による工期ダンピングや発注者による短工期の強要を防ぐための取組について検討

    6.フォローアップ

    建設業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議

    開催趣旨

    構成員

    スケジュール

    今後の取組の方向性

    議 長: 野上 浩太郎 内閣官房副長官

    議 長 代 理: 末松 信介 国土交通副大臣

    副 議 長: 古谷 一之 内閣官房副長官補(内政)

    構 成 員:内閣府政策統括官(経済財政運営担当)公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長総務省自治行政局長財務省主計局次長文部科学省大臣官房文教施設企画部長厚生労働省大臣官房総括審議官厚生労働省労働基準局長農林水産省大臣官房総括審議官経済産業省大臣官房技術総括審議官国土交通省大臣官房長国土交通省大臣官房技術審議官国土交通省大臣官房官庁営繕部長国土交通省土地・建設産業局長防衛省大臣官房施設監

    事 務 局: 内閣官房(国土交通省・厚生労働省協力)

    7月 主要な民間発注団体、建設業団体及び労働組合が参画する「建設業の働き方改革に関する協議会」を設置

    8月 第2回関係省庁連絡会議(ガイドラインの策定などの具体的な取組について議論)

    ※その後も随時開催(進捗状況のフォローアップなど)

    建設業について、時間外労働規制の適用に向けて、発注者を含めた関係者による協議の下、適正な工期設定や適切な賃金水準の確保、週休2日の推進などによる休日確保等に関する取組を推進するため、建設業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議(以下「連絡会議」という。)を開催する。

    平成29年6月29日

    第1回連絡会議

    11

  • 建設業の働き方改革に係る今後の取組に関する野上副長官発言(H29.6.29 第1回建設業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議)

    12

    ○ 本年3月に決定された「働き方改革実行計画」を受け、建設業の長時間労働是正に向けた取組を強力に推進する必要があるが、そのためには、施主の協力も含めて、関係省庁による全政府的なバックアップが必要である。

    ○ 国が行う建設工事については、本日紹介のあった国土交通省による取組を参考として、例えば週休2日工事の目標件数を設定するとともに、適切な工期を確保するためのゼロ国債・2カ年国債の活用等による施工時期の平準化も積極的に進めていただきたい。

    ○ 地方が行う建設工事についても、これに準じた取組が進むよう、国土交通省、総務省を中心に具体的な取組を進めていただきたい。民間の建設工事については、発注者を含めた関係者で構成する協議会を、来月設置することとしたい。

    ○ 本日国土交通省から提案のあった、適切な工期設定に向けたガイドラインの策定について、発注者の業界を所管する関係省庁とも連携しつつ、国土交通省を中心に検討を開始していただきたい。

    ○ その際、不当に短い工期での受発注の防止など、適正取引の観点が反映され、実効性あるガイドラインとなるよう、国土交通省と関係省庁がしっかり連携して取り組んでいただきたい。

    ○ 次回会合については、8月に開催し、「本日の議論を踏まえたガイドラインの策定など具体的な取組」について議論を行うが、関係省庁には、次回会議で検討状況について説明して頂きたいと考えているので、よろしくお願いする。

  • Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

    2. 今後の取組の方向性

  • 14

    今後の取組の方向性

    ○工事現場における生産性向上を図る観点から、ICTの積極的な活用や書類の簡素化を推進→国土交通省におけるi-Constructionの取組を参考に、他省庁においても、ICTを活用した発注工事についてモデル的

    に実施。併せて、 書類の簡素化を推進

    →地方公共団体及び独法においても、直轄工事に準じた取組を推進→民間発注団体においても、建設企業による生産性向上の取組への理解・支援を推進

    ○適正な工期設定に伴うコスト増加のしわ寄せが必要経費の削減に繋がらないよう、社会保険の法定福利費や安全衛生経費を含んだ適正な請負代金による契約を徹底

    →国の発注工事において、率先して徹底

    →地方公共団体及び独法においても、適正な請負代金による契約を徹底

    →民間発注団体においても、適正な請負代金による契約を徹底

    ○時間外労働の上限規制に対応できるよう週休2日を前提とした適正な工期設定による工事の発注や施工時期の平準化を推進

    →国の発注工事では、時間外労働の上限規制に対応できるよう週休2日工事を推進。併せて、適正な工期を確保するため

    のゼロ国債・2カ年国債の活用等による施工時期の平準化を推進

    →地方公共団体及び独法においても、直轄工事に準じた取組を推進

    →民間発注団体においても、適正な工期設定や施工時期の平準化を推進

    1.適正な工期設定・施工時期の平準化

    2.社会保険の法定福利費や安全衛生経費の確保

    3.生産性向上

  • 15

    ○発注省庁、地方公共団体、独法及び民間発注団体等並びに建設業団体の取組状況について、毎年度フォローアップを実施

    ○受注者による工期ダンピングや発注者による短工期の強要を防ぐための取組について検討

    ○1.~3.の内容を盛り込んだ「適正な工期設定等のためのガイドライン」を策定

    →国の発注工事では、当該ガイドラインに沿った工事の実施を徹底

    →地方公共団体及び独法に対しても、当該ガイドラインの遵守と取組の強化を要請

    →民間発注団体に対しても、ガイドラインを周知し、ガイドラインに基づく工事の実施を要請

    4.ガイドラインの策定・周知

    5.不適正な工期への対応の強化

    7.フォローアップ

    6.民間発注者への支援等

    ○民間工事の発注に関する先進的な取組への支援、適正な工期設定等に関する普及啓発活動など、民間発注者の取組への支援について検討

  • 建設工事における適正な工期設定等のためのガイドライン(イメージ)①

    1.ガイドラインの趣旨

    ○ 建設業については「働き方改革実行計画」において、一定の猶予期間を置いた上で罰則付きの時間外労働規制の一般則を適用することとされたところ、当該規制の適用に当たっては、適正な工期設定や賃金水準の確保、週休2日の推進等の休日確保など、発注者の理解と協力が不可欠。

    ○ 本ガイドラインは、時間外労働規制の適用に向けて、公共・民間含め全ての建設工事において適正な工期設定等が行われるための環境整備を目的とするもの。

    ○ 本ガイドラインに沿った取組が促進されることは、時間外労働規制の適用に向けた環境整備のみならず、働き方改革を通じて将来にわたって建設業の担い手が確保されることにより、国民の利益につながるもの。

    2.時間外労働規制の適用に向けた基本的な考え方

    ○ 受注者は、下請も含め建設工事に従事する者が時間外労働規制に抵触するような長時間労働を行うことを前提とした不当に短い工期となることのないよう、適正な工期での請負契約を締結。

    ○ 発注者は、建設業の長時間労働の是正や週休2日の確保等に配慮して、施工条件の明確化等を図りながら、適正な工期での工事請負契約を締結。その際、民間の建設工事においては、受注者は工期設定の考え方等を適切に説明。

    3.時間外労働規制の適用に向けた取組(主な事項)

    (1)適正な工期設定・施工時期の平準化

    ○ 工期の設定に当たっては、下請も含め建設工事に従事する者が時間外労働規制に抵触するような長時間労働を強いられることのないよう、工事の性格、地域の実情のほか、週休2日の確保等による不稼働日等、下記の条件を適切に考慮。・ 施工前に行う労務、資器材の調達等の「準備期間」や施工終了後の後片付け、自主検査等の「後片付け期間」・ 休日(週休2日に加え、祝日、年末年始及び夏季休暇)、降雨日、降雪・出水期等の作業不能日数 等

    ○ 上記を踏まえて週休2日等を考慮した工期設定を行った場合においては、当該工期設定を請負代金に適切に反映。

    ○ 受注者は、その工期によっては適正な施工が通常見込まれない請負契約の締結(工期のダンピング)を行わない。16

  • 建設工事における適正な工期設定等のためのガイドライン(イメージ)②

    ※本ガイドラインは、次回開催される「建設業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議」において、「関係省庁申合せ」として取りまとめ。

    (1)適正な工期設定・施工時期の平準化 <続き>

    ○ 設計図書と現場の状態が一致しない場合等において、必要があると認められるときは、受注者及び発注者双方協議の上で適切に工期を変更。(下請契約の場合も同様)

    ○ 毎年度の発注見通しの公表や、竣工期限の集中の回避等により、施工時期の平準化を推進。

    (2)社会保険の法定福利費や安全衛生経費の確保

    ○ 適正な工期設定に伴い社会保険の法定福利費や安全衛生経費などの必要経費にしわ寄せが生じないよう、適正な請負代金による請負契約を締結。(下請契約の場合も同様)

    (3)生産性向上

    ○ 調査・測量から設計、施工、検査、維持管理・更新に至る各段階における連携等を通じて、 ICTの積極的な活用や書類の簡素化等により、建設生産プロセス全体における生産性を向上。

    ○ 時間外労働規制の適用を見据え、長時間労働の是正や週休2日の実現に向けて、下記の取組などを積極的に推進することにより、建設工事の現場における生産性を向上。・ 工事現場のICT化等による、工期の短縮や品質・安全性の向上・ 技能労働者の多能工化・ プレキャスト製品の活用 等

    17

  • 18

    7月28日 建設業の働き方改革に関する協議会

    8月 第2回 関係省庁連絡会議

    (ガイドラインの策定などの具体的な取組について議論)

    ※その後も随時開催(進捗状況のフォローアップなど)

    今後のスケジュール

  • 週休二日推進本部 本部長 井上 和幸

    時間外労働の上限規制に対応するための週休二日等への取り組みについて

    2017年 7月28日

    資料4

  • 1

    1.週休二日推進本部

    ○活動体制

    ・本部長 :井上 和幸 (清水建設㈱代表取締役社長)

    ・副本部長:矢口 則彦 (大成建設㈱取締役専務執行役員)

    ・本部員 :32名 会員各社の土木・建築事業の最上位責任者

    ○スケジュール

    ・日建連「週休二日実現行動計画」(2017~2021年度対象)

    を2017年内に策定

    ・2018年度より計画に沿った活動を本格実施

    週休二日推進本部

    ・17年3月に「週休二日推進本部」を設置し、建設業への時間

    外労働の上限規制に対応するため、週休二日の推進を本格的に

    スタート。

  • 2

    2.週休二日推進の基本方針

    ①今から5年程度で、週休二日を定着。

    ②原則として「現場の土日曜閉所」を実施。

    ・17年4月に週休二日実現に向けた当面の検討課題等を記載し

    た「週休二日推進の基本方針」を策定。

    目 標

    課 題

    自助努力

    ①工期設定についての発注者、社会全体への理解促進。

    ②建設技能者の総収入の維持。

    ③一斉実施に向けた業界内の意識改革。

    ①生産性の向上

    ②元請・下請一体となった業務の効率化

    ③下請取引の適正化

    ④工期、価格のダンピング排除

  • 3

    3.日建連の取組み①

    ・週休二日実現に向けた自助努力として、日建連では下記を中心

    とした活動を展開。

    (1)生産性向上に向けた取り組み(生産性向上推進本部)

    ①生産性向上推進要綱を策定(16年4月)

    ②2016年度フォローアップ報告書の公表(17年4月)

    出典:生産性向上推進要綱2016年度フォローアップ報告書

    【会員企業へのアンケート結果】生産性向上のために行っている取り組み及び今後行う取り組みについて

  • 4

    3.日建連の取組み②

    (2)建設技能者の人材確保・育成に関する基本方針(09年4月)

    【主な項目】

    ・建設技能者の賃金改善 :全産業労働者平均レベル(530万円)となるよう努力

    20代で約450万円、40代で約600万円

    ・重層下請構造改善 :18年度までに可能な分野で原則二次以内

    ・社会保険未加入対策の推進 :17年度までに企業単位では100%の加入徹底

    労務者単位で製造業相当(約90%)

    16年9月に「社会保険未加入対策の一層の強化に

    ついて」理事会決議

    (3)下請取引適正化と適正な受注活動に向けた自主行動計画(17年3月)

    下請等中小企業との取引条件改善を図るため、建設業法令遵守ガイドライン等の

    順守徹底に加え、「合理的な請負代金と工期の設定」「下請代金支払の適正化」

    「二次以下の協力会社への要請」などを記載した行動計画を策定。

    2017年3月28日に根本国土交通大臣政務官へ提出。

  • 5

    4.会員企業の取組み事例①:PC化(土木)

    材料メーカー

    鋼材・セメント

    ・骨材 など

    工場 建設現場

    ・PC※部材を工場で製作し、現地で設置することで、工期短縮、

    省人化、品質確保を実現。

    生産プラント

    建材メーカー

    工場での部材製作

    (プレハブ工場)

    専門工事会社

    現地での設置

    (高速道路の事例)

    施工段階におけるサプライチェーンマネジメントの導入作業時間50%短縮

    省人化率50%(削減率)

    ※PC(precast concrete):現場で組み立て・設置を行うために、工場などであらかじめ製造された

    コンクリート製品、あるいはこれを用いた工法

  • 6

    4.事例②:機械化・ロボット化(土木)

    遠隔操作室(地上)

    セグメント自動搬送ロボット

    セグメント組立ロボット

    ロボット化により得られた時間を創造的な業務に活用

    ・ロボット化により、トンネル建設の安全性向上、工期短縮、

    3K作業(危険、きつい、汚い)からの解放を実現。

    遠隔操作室(地上)

    作業時間50%短縮省人化率30%

  • 7

    PC カーテンウォール

    PC パネルゾーン

    PC 柱

    PC 外装

    PC 梁

    デッキプレート

    ・建築においても、躯体工事を中心に各部材のPC化による生産

    性の向上を追求。

    4.事例③:PC化(建築)

    PC化率

    省人化率

    30%

    30%

    PC化率が10%高まると

    省人化率10%向上

  • 8

    ・AIやIoTを採用した機械化・ロボット化、BIM・ICT等を駆使し

    た生産性向上策を積極的に推進。

    鉄骨溶接ロボット

    4.事例④:機械化・ロボット化(建築)

    省人化率80%

    省人化率75%

    省人化率80%自律型作業ロボット

    支援ロボット

    搬送ロボット

  • 9

    ・週休二日の実現に向け、BIM※をベースとした生産性の向上を

    推進。

    4.事例⑤:BIMの活用

    施主・設計・現業の早期の合意形成、もの決め(フロントローディング)により、構工法の見直し(PC化等)、施工手順の最適化等を図り、工期の短縮を追求

    ※BIM:ビルディング・インフォメーション・モデリング

    コンピュータ上に作成した3次元建物デジタルモデル

  • 10

    4.事例⑥:協力会社と一体となった取組み

    協力会社(約100社)との月1回の職種別研究会を開催

    ・元請と協力会社が協働し、労働時間の短縮や収入などの処遇改善をテーマとして、職種別の課題抽出と解決策の検討を実施。

    大工研究会 ガラス研究会鉄筋研究会 内装研究会鳶研究会 タイル研究会土工研究会 設備研究会左官研究会 斫研究会塗装研究会 物流研究会防水研究会

    内装研究会生産性向上に向けたアシストスーツの検討

    《具体的検討事項(例)》・ICTの活用・新技術の適用・生産性向上具体策の展開・重層下請構造の改善・契約条件の見直し・管理帳票や提出書類の削減

  • 11

    ・平成30年度末までに、全ての職種において段階的に重層下請

    構造を改善し、効率的な施工体制を目指す。

    4.事例⑦:重層下請構造の改善

    2014年 2015年 2016年 2017年 2018年

    日建連

    A社

    ・重層下請次数について、平成30年度までに可能な分野で原則二次以内を目指す

    ・平成26年度中に上記目標達成に向け、会員会社で(段階的な)次数目標を設定し、

    取り組むこととする

    ・分野(工種・職種)別に上記目標達成の可能性を検証する

    ・行政による一律の次数制限という規制手法ではなく、建設企業における自主的な

    取組と請負・雇用に関するルールの徹底等を行う

    ・契約当事者である建設企業及び建設業者団体において、重層構造是正のための

    自主的な取組を実施

    〔建設産業の再生と発展のための方策2011〕

    〔建設技能労働者の人材確保・育成に関する提言〕

    目標

    全ての職種で二次下請け以内を

    目指す

    下請発注額の80%は二次以内同 85%は二次以内 同 95%は二次以内

  • 12

    ・元請会社がグループ会社を通じて、建設技能者を正社員として

    直接雇用し、多能工化等を推進。

    4.事例⑧:建設技能者の直庸化・多能工化

    ■処遇改善 :月給+評価給、完全週休二日制、

    退職金、社会保険、福利厚生など

    将来に亘る担い手確保:耐火被覆工、ALC工等

    ■生産性向上:作業内容に踏み込んだ技術開発

    多能工による分業での無駄の排除

    ■技術の伝承:研修センター、教育プログラムに

    よる育成・資格取得など研修状況

  • 13

    ・休日休暇の取得推進、効率的な時間の使い方など、生産性高く

    働くための組織的な取り組みを展開。

    4.事例⑨:働き方改革への組織的取組み

    (1)働く者の意識改革

    ① 経営トップからの「働き方改革」に関する直接指示

    ノー残業デー、代休取得100%など、総労働時間削減のための具体策の全社展開とモニタリング

    ② 労働環境改善に向けた、数値目標・実績を人事評価に反映

    (2)柔軟な働き方・ワークライフバランスへの取り組み

    ① フレックス勤務、スライド勤務、プレミアムフライデーの実施

    ② 仕事と家庭(育児・介護等)の両立支援

    ③ 多様な休暇制度の整備

  • 14

    5.週休二日の実現に向けて①

    ・建設現場の生産性向上、休日拡大には、「適切な工期の設定」

    について発注者のご理解とご協力が重要。

    【週休二日を導入するための課題】

    出典:平成29年度公共工事の諸課題に関する意見交換会資料(日建連土木本部)

    【参考】国土交通省 通達「週休二日の推進に向けた適切な工期設定について」 (17年3月28日付 国官技第336号)

    「週休二日の推進に向けた適切な工期の運用について」(同 国技建管 第19号)

    【生産性の向上に取り組む上での発注者等への要望】

    出典:生産性向上推進要綱2016年度フォローアップ報告書(日建連生産性推進本部)

  • 15

    5.週休二日の実現に向けて②

    ・日建連では「適切な工期の設定」に向けて、「建築工事の適正

    工期算定プログラム」を作成し、普及に向けた活動を展開中。

    【建築工事の適正工期算定プログラム 前提条件】・休日設定:完全週休2日、祝日出勤・特別休暇:年末年始5日、夏季3日、GW3日・労働時間:8時間労働(残業なし)

    ⇒週休二日を前提とした「工程表」を自動算定

  • 時間外労働の適正化に向けた自主規制の試行について

    平成 29 年 7 月 26 日理事会決定

    一般社団法人 日本建設業連合会

    日建連は、建設業における労働時間の適正化に向け、時間外労働の上限規制

    が適用される改正法施行後5年までの間において、時間外労働の上限を段階的

    に強化する日建連基準を設定し、その励行を会員企業に要請する。

    1 本年3月に決定された政府の「働き方改革実行計画」においては、改正法

    施行後5年の猶予期間の後に、建設業に対して罰則付きの時間外労働の上限

    規制を適用することが決定された。

    この猶予期間については、建設業が時間外労働の限度基準告示の適用除外と

    されている結果、長時間労働が常態化しており、直ちに労働時間を短縮するの

    は困難であるという業界の実情を踏まえ、発注者の理解と協力を得るために必

    要な環境整備のための期間を勘案して設けられたものであり、日建連の意見も

    反映されたものと理解している。

    2 しかるに、今般、新国立競技場建設工事に関し長時間労働によると見られ

    る自殺者が出てしまった事態に鑑みれば、法律上の規制が適用される以前に

    おいても、可能な限り早急に長時間労働の是正を果たさねばならない。

    そのため、本措置は、罰則付きの法規制が適用されるまでの間に、段階的に

    長時間労働を是正し、法規制に軟着陸できるよう、業界の自主規制として時間

    外労働の上限の基準等を設け、建設企業の一層緊張感を持った取組みを促がす

    ものである。

    3 本措置は、本年9月を目途に、先ず試行として実施する。

    日建連会員企業140社を対象とするものであるが、会員企業だけでなく協

    力会社を含めた現場に参加する全ての下請企業、労働者を巻き込んだ動きにし

    ていかねばならない。このため、日建連としては、専門工事業界や労働組合の

    意見を聞きつつ、関係の委員会で検討して具体化する。

    元請企業自らも、適正価格・工期・契約条件での受注を徹底し、建設業界全

    体として時間外労働の上限規制適用に対応できる体制を構築できるよう、官民

    の発注者にもご理解いただける働きかけを強めて行かねばならない。

    また、地方、中小、専門工事の各業界に対しても、参考とされるよう呼びか

    けて行く。

    以上

  • (参考)

    時間外労働の制限(日建連自主規制のイメージ)

    原則、月 45 時間かつ年 360 時間

    特別条項で、720 時間/年

    等についても日建連基準を検討

    法 規 制

    100 時間

    未満/月

    2024.4

    改正法適用

    2017.9

    (基準公表)

    2019.4

    改正法施行

    36協定の上限/月の例

    (法律上は無制限)

    2018.4

    (試行開始)

    (○○時間) (○○時間)

    (○○時間)

    【準備期間】

    (日建連基準)

    猶予期間(5年)

  • Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

    参考資料

    参考

  • 0

    20

    40

    60

    80

    100

    120

    2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

    全体(事務・営業等含) 外勤建築 外勤土木

    技術者の残業時間の推移

    出典:日建協「2016時短アンケート概要」より国土交通省作成

    (時間)

    (年)

    1

    ○ 技術者の残業時間は減少傾向。○ しかし、依然として外勤の技術者については、月60時間を上回っている状況。

  • 0

    10,000

    20,000

    30,000

    40,000

    50,000

    60,000

    310

    320

    330

    340

    350

    360

    370

    2013

    .820

    13.9

    2013

    .120

    13.1

    120

    13.1

    220

    14.1

    2014

    .220

    14.3

    2014

    .420

    14.5

    2014

    .620

    14.7

    2014

    .820

    14.9

    2014

    .10

    2014

    .11

    2014

    .12

    2015

    .120

    15.2

    2015

    .320

    15.4

    2015

    .520

    15.6

    2015

    .720

    15.8

    2015

    .920

    15.1

    2015

    .11

    2015

    .12

    2016

    .120

    16.2

    2016

    .320

    16.4

    2016

    .520

    16.6

    2016

    .720

    16.8

    2016

    .920

    16.1

    2016

    .11

    2016

    .12

    2017

    .120

    17.2

    技能労働者数 出来高出典:国土交通省「建設総合統計」、総務省「労働力調査」を元に国土交通省で算出

    (万人) (億円)

    建設技能労働者及び出来高の推移

    ○ 建設工事の技能労働者数は、工事量に応じて弾力的に変動。○ 建設企業は建設投資の少ない閑散期における仕事量をベースに正規雇用を行い、繁忙期には非正規雇用を中心に雇用を確保していると考えられる。

    27万人

    29万人

    2

  • 技術者・技能労働者の給与形態

    31.7

    80.3

    98.1

    64.5

    64.9

    17.1

    1.2

    33.3

    0.5

    1.3

    0.5

    2.5

    1.3

    1.4

    0.5

    0.6

    0.5

    0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

    技能労働者

    下請技術者

    元請技術者

    全体

    月給 日給 個人事業主等 出来高制 その他

    N=439

    N=161

    N=76

    N=20235.6

    84.4

    98.0

    61.7

    63.2

    15.0

    1.7

    37.5

    0.5

    0.6

    0.4

    0.7

    0.3

    0.5

    0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

    技能労働者

    下請技術者

    元請技術者

    全体

    月給 日給 個人事業主等 出来高制 その他

    N=1038

    N=303

    N=167

    N=568

    給与形態(週休2日モデル工事の場合)

    給与形態(週休2日モデル工事以外の場合)

    3

    ○ 元請・下請問わず、技術者はほとんどが月給制となっている。○ 一方で、技能労働者は6割以上が日給制となっている。

    出典: 「週休2日の確保に向けたアンケート」(国土交通省が2016年に実施)

  • 技能者情報イメージ

    建設キャリアアップシステムの構築

    ○将来にわたり建設産業の担い手を確保していく上で、建設技能労働者のキャリアアップの道筋を示すこと、技能者が適正な評価と処遇を受けられていくことが重要○技能者の資格等の情報や現場での就業履歴等を業界統一のルールで蓄積する「建設キャリアアップシステム」の構築に向け、官民で検討を進めてきたところ (参加団体:日建連、全建、全建総連 等)〇現在、システムの運営主体となる(一財)建設業振興基金においてシステムの発注手続きを進めているところ

    建設キャリアアップシステム

    • 現場管理の効率化• 処遇改善など働き方改革

    • 社会保険への加入• 技能者の成長

    建設IDカード

    建設 太郎000000111

    ・・・・・

    建設 太郎000000111

    ・・・・・

    建設 太郎000000111

    ・・・・・技能者

    登録

    現場A

    現場B

    現場C

    キャリアパス

    • 受注機会の拡大• 施工力と工事の品質の向上

    建設IDカード

    建設 太郎000000111

    ・・・・・

    ・本人情報・社会保険・資格 等

    元請企業 専門工事業者 技能者

    ・資格取得・研修受講

    ピッ!

    カードの発行

    技能者の情報をアピール

    ・社会保険加入状況

    就業履歴

    本人情報

    技能を証明

    経験を証明

    蓄積 登録

    ・保有資格・研修受講履歴

    蓄積

    ・就業履歴

    技能者の情報を確認

    (建設キャリアアップシステムイメージ)

    4

  • 5

    (1) 最近の労働市場の実勢価格を適切・迅速に反映

    (2) 社会保険への加入徹底の観点から、必要な法定福利費相当額を反映 (継続)

    参考:近年の公共工事設計労務単価の伸び率

    注)金額は加重平均値、伸率は単純平均値

    全 国(18,078円)平成28年2月比;+3.4%(平成24年度比;+39.3%)被災三県(19,814円)平成28年2月比;+3.3%(平成24年度比;+55.3%)

    全職種平均

    平成29年3月から適用する公共工事設計労務単価について

    ※ 被災三県における単価の引き上げ措置(継続)

    全 国: H25 →H26 →H27 H28 (H24比)全 国:+15.1% → +7.1% → +4.2% → +4.9%(+34.7%)被災三県:+21.0% → +8.4% → +6.3% → +7.8%(+50.3%)

    単価設定のポイント

  • 98%

    2%<雇用保険>

    加入未加入

    ○ 公共事業労務費調査(平成28年10月調査)における社会保険加入状況調査結果をみると、・ 企業別の加入率は、雇用保険では98% [対前年度比+0% ] 、健康保険では97% [対前年度比+0.4% ] 、厚生年金保険では97% [対前年度比+0.6% ]となっています。

    ・ 労働者別の加入率は、雇用保険では84% [対前年度比+1.8% ] 、健康保険では80% [対前年度比+3.5% ] 、厚生年金保険では78% [対前年度比+3.8% ]となっています。

    企業別

    労働者別

    97%

    3%<健康保険>

    加入未加入

    97%

    3%<厚生年金>

    加入未加入

    84%

    16%

    <雇用保険>

    加入未加入

    80%

    20%

    <健康保険>

    加入

    未加入(市町村国民健康保険加入者を含む)

    78%

    22%

    <厚生年金>

    加入

    未加入(国民年金加入者を含む)

    76%

    11%13%

    <3保険>

    3保険加入3保険いずれか加入未加入

    雇用保険 健康保険 厚生年金 3保険

    H23.10 75% 60% 58% 57%

    H24.10 75% 61% 60% 58%

    H25.10 76% 66% 64% 62%

    H26.10 79% 72% 69% 67%

    H27.10 82% 77% 74% 72%

    H28.10 84% 80% 78% 76%

    雇用保険 健康保険 厚生年金 3保険

    H23.10 94% 86% 86% 84%

    H24.10 95% 89% 89% 87%

    H25.10 96% 92% 91% 90%

    H26.10 96% 94% 94% 93%

    H27.10 98% 97% 96% 95%

    H28.10 98% 97% 97% 96%96%

    2% 2%<3保険>

    3保険加入3保険いずれか加入未加入

    労働者別・3保険別加入割合の推移

    企業別・3保険別加入割合の推移

    建設業における社会保険への加入状況

    96%

    57%

    76%

    6

  • 社会保険加入に関する平成29年度の取組方針について

    ② 民間発注工事における対策

    ① 地方公共団体発注工事における対策の徹底 ③ 社会保険未加入企業への対策の強化

    ④ 地域における優良な取組の推進

    ⑤ 周知・啓発等の充実

    ・ 標準約款を改正し、請負代金内訳書における明示項目に法定福利費を追加

    ・ 工事を受注する際に施工を社会保険加入企業に限定する誓約書の活用

    ・ 地方公共団体発注工事を社会保険加入企業に限定する取組の推進

    ・ 地方公共団体発注工事の積算における、法定福利費の計上状況をフォローアップ

    ・ 公共標準約款を改正し、元請に対し、下請を社会保険加入企業に限定する旨規定

    ・ 建設業許可部局と社会保険等部局との更なる連携の強化

    ・ 企業情報検索システムにおいて、許可業者の社会保険加入状況の「見える化」の実施

    ・ 経営事項審査における社会保険未加入企業に対する減点の寄与の強化

    ・ 都道府県ごとに、地域の特性に応じた社会保険の加入

    を推進する会議を設置し、地域における社会保険加入に係るきめ細かな取組を定着させる

    ・ 社会保険に関する相談窓口の充実、パンフレット・マニュアル等の充実

    ・ 一人親方等が「適用除外」として下請に選定することが認められる場合についての確認項目の整理

    ○ 5年間の社会保険未加入対策の取組の目標年次となる平成29年度は、以下の対策を順次、検討・実施するとともに、状況に応じて追加的な措置を講じる

    1.追加的な対策の実施

    ○社会保険加入状況等の実態把握を行い、5年間の社会保険未加入対策で講じてきた施策の有効性等を検証するとともに、実態に応じた効果的な対策について検討する

    2.実態の把握

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